(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681906
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】画像検出装置を用いた屈折誤差測定を伴う固視測定のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/113 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
A61B3/113
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-533904(P2017-533904)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-500108(P2018-500108A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015067444
(87)【国際公開番号】WO2016106349
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】62/096,036
(32)【優先日】2014年12月23日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517020735
【氏名又は名称】レビスカン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100140327
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 千秋
(72)【発明者】
【氏名】ウィンザー、 ロバート、 スコット
【審査官】
後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平2−193641(JP,A)
【文献】
特開2014−41015(JP,A)
【文献】
特開2010−32461(JP,A)
【文献】
特開2007−97873(JP,A)
【文献】
特開2011−232661(JP,A)
【文献】
特開平9−173297(JP,A)
【文献】
特表2001−520067(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0084539(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00 − 3/18
G01N 21/84 − 21/90
G01N 21/93 − 21/958
G02B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜にターゲット画像を投射するよう構成された投射装置と、
前記一つまたは複数の網膜に対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置とを備え、
前記一つまたは複数の画像検出装置は、ターゲット画像に応じて前記一つまたは複数の網膜から反射された反射画像を捕捉するよう構成され、前記反射画像は、前記一つまたは複数の網膜から反射された際に変更されたターゲット画像を含み、前記ターゲット画像と前記反射画像との間の一つまたは複数の相違点が、前記一つまたは複数の眼の固視を表す、固視測定装置。
【請求項2】
前記反射画像の少なくとも一部に基づいて、前記一つまたは複数の眼の固視を計算するよう構成された、一つまたは複数のコンピュータ装置をさらに備えた、請求項1に記載の固視測定装置。
【請求項3】
前記一つまたは複数の眼の固視は、ターゲット画像と反射画像との間の一つまたは複数の偏光関連の変化の少なくとも一部に基づいて計算される、請求項2に記載の固視測定装置。
【請求項4】
前記ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の網膜に投射された光を偏光するよう構成され、前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の網膜から反射された光を偏光するよう構成された偏光子をさらに含む、請求項1に記載の固視測定装置。
【請求項5】
前記偏光子が偏光ビームスプリッタを含む、請求項4に記載の固視測定装置。
【請求項6】
前記ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の網膜に投射された光を偏光するよう構成された第1の偏光子と、
前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の網膜から反射された光を偏光するよう構成された第2の偏光子とをさらに含む、請求項1に記載の固視測定装置。
【請求項7】
前記ターゲット画像がリング画像を含む、請求項1に記載の固視測定装置。
【請求項8】
前記投射装置が、
アキシコンレンズを通して光を投射することにより円形の光投射を生成するよう構成された光源と、
前記円形の光投射を前記リング画像に焦点合わせするトロイドレンズとを含む、請求項7に記載の固視測定装置。
【請求項9】
前記投射装置が、
光を投射するよう構成された光源と、
前記光源からの光を反射させて前記リング画像を生成するよう構成された凹トロイド鏡とを含む、請求項7に記載の固視測定装置。
【請求項10】
投射装置と一つまたは複数の画像検出装置を備えた固視測定装置によって実行される固視測定方法であって、
前記投射装置によって、患者の一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜へターゲット画像を投射する工程と、
前記一つまたは複数の網膜に対して共役に配置された前記一つまたは複数の画像検出装置によって、ターゲット画像に応じて前記一つまたは複数の網膜から反射された反射画像であって、前記一つまたは複数の網膜から反射された際に変更されたターゲット画像を含む反射画像を捕捉する工程とを含み、
前記固視測定装置が、前記ターゲット画像と前記反射画像との間の一つまたは複数の相違点に基づき、前記一つまたは複数の眼の固視を測定する、固視測定方法。
【請求項11】
一つまたは複数のコンピュータ装置によって、前記反射画像の少なくとも一部に基づいて、前記一つまたは複数の眼の固視を計算する工程をさらに備えた、請求項10に記載の固視測定方法。
【請求項12】
前記一つまたは複数の眼の固視は、ターゲット画像と反射画像との間の一つまたは複数の偏光関連の変化の少なくとも一部に基づいて計算される、請求項11に記載の固視測定方法。
【請求項13】
偏光子によって、前記ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の網膜に投射された光を偏光する工程と、
前記偏光子によって、前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の網膜から反射された光を偏光する工程とをさらに含む、請求項10に記載の固視測定方法。
【請求項14】
前記偏光子が偏光ビームスプリッタを含む、請求項13に記載の固視測定方法。
【請求項15】
第1の偏光子により、前記ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の網膜に投射された光を偏光する工程と、
第2の偏光子により、前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の網膜から反射された光を偏光する工程とをさらに含む、請求項10に記載の固視測定方法。
【請求項16】
前記ターゲット画像がリング画像を含む、請求項10に記載の固視測定方法。
【請求項17】
前記投射装置が、
アキシコンレンズを通して光を投射することにより円形の光投射を生成するよう構成された光源と、
前記円形の光投射を前記リング画像に焦点合わせするトロイドレンズとを含む、請求項16に記載の固視測定方法。
【請求項18】
前記投射装置が、
光を投射するよう構成された光源と、
前記光源からの光を反射させて前記リング画像を生成するよう構成された凹トロイド鏡とを含む、請求項16に記載の固視測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮出願第62/096,036号(2014年12月23日出願)に基づいて優先権を主張し、その開示の全体を参照によってここに取り込む。
【0002】
検眼の分野において、目の固視の方向を評価するために用いられる多くの装置がある。そのような固視測定装置の一例が、米国特許第6,027,216号に開示されている。この特許の開示内容の全体を、参照によってここに取り込む。このような装置の多くは、測定を実施するために、走査レーザビームを利用する。
【背景技術】
【0003】
そのような装置の一例を
図1に示す。この装置は、光源101と、ビームスプリッタ102と、偏光ビームスプリッタ103と、光検出素子104A・104Bと、回転可能なシャフトを備えたモータ105と、第1の凹面鏡106と、第2の凹面鏡107とを備えている。
【0004】
光源101は、ビームスプリッタ102を通過して第1の凹面鏡106へ入射する偏光の発散ビームを出射する。第1の凹面鏡106は、モータ105のシャフトに傾いた状態で取り付けられているので、シャフトが回転すると細かく揺動する。第1の凹面鏡106は、第2の凹面鏡107の表面に、光源101の像を形成する。第2の凹面鏡107は静止しており、第1の凹面鏡106よりも大きい。モータ105のシャフトが回転することに伴い、第2の凹面鏡107の表面上の光源101の像は、円形のパスに沿って連続的にスキャンされる。静止している第2の凹面鏡107の曲率は、スピンする第1の凹面鏡106から反射される像が目108に直接形成されるように選択される。スピンする第1の凹面鏡106から出る全ての光は、静止している第2の凹面鏡107によって結像され、目108の瞳孔を覆う、当該装置の静止射出瞳(図中破線で示す)を通過する。目108には、光源101のスピンする像が、静止している第2の凹面鏡107の表面上で、光の輪の形で見える。このように、目108への光の照射によって、連続する環状の網膜スキャンがなされる。
【0005】
眼底で反射される光を高速に測定することを可能とするために、前述のスキャンを少なくとも100Hz、より好ましくは200Hz以上のスキャンレートで行うことが望ましい。200Hz以上のスキャンレートによれば、非常に小さい子供の場合によくあるように、あまり協力的でない対象についても測定が可能となる。このようなレートの場合、第1の凹面鏡106を、第1の凹面鏡106の取り付け部に特別な条件が必要とされるレートで、機械的に回転させることが必要となる。網膜の服屈折スキャンの場合は、第1の凹面鏡106は、約1.5度の角度で傾いて配置され(約3度の傾きをつけるために)、第1の凹面鏡106は、光学ビームの主光線の軸のまわりで回転される。
【0006】
しかし、第1の凹面鏡106の傾きは、高速で回転された場合に問題を生じることがある。第1の凹面鏡106は、回転しないときには機械的に均衡がとられているが、回転が始まると、第1の凹面鏡106(および凹面鏡を支持する機械的装置)には不均衡な力が加わり、振動を生じる。
【0007】
回転する傾斜ディスクによる過大な振動を抑制するための既知のアプローチの一つは、傾斜ディスクと同じ質量、サイズ、および形を有するが、傾斜ディスクとは反対側に傾けた対称的なディスクを用いることである。
【0008】
このアプローチによっても、まだ潜在的な欠点がある。最も顕著なものは、回転体の質量が2倍になることである。スキャンを行う装置にとっては、この欠点は、モータが起動されてから所望の回転速度に到達するまでの時間を遅くする。このような装置は、停止して起動に適さず、いつも使用できるように、モータが回転したままにされる可能性がある。このアプローチの他の潜在的な欠点としては、傾斜ディスクは単純な平らなディスクではなく、216特許の第1の凹面鏡のような凹状のディスクである可能性があることである。この場合、対称的な凹面鏡は、第1の凹面鏡と厳密に同じ角度だけ(ただし反対の方向へ)傾けられる。しかし、この構成を製造するために必要とされる追加的な要素と工程によって、装置は高額になるであろう。さらに、そのようなアセンブリを製造するために適した機械がないので、対称的なディスクのアプローチは、材料の増加に加えて、製造時間の増加を招来する可能性がある。
【0009】
対称的なディスクのアプローチによるもう一つの潜在的な欠点は、そのような構成において不可避である製造上の誤差を解消または補正することが困難であるという点にある。そのような誤差は、補正することが必要な振動を生じさせる。このような種類の誤差は、修正することが本質的に困難である。なぜならば、アセンブリを調整するためにはこれを停止させなければならないが、振動を観察するためにはモータをスピンさせなければならないからである。したがって、必要な調整を行うためには、非常に時間がかかる。
【0010】
上述したように、測定を行うためにレーザビームを走査する方法は、一般的に、光学装置の機械的動作を伴う。網膜の複屈折走査のために、傾いて配置され高速で(例えば毎分12,000回転)回転する鏡がある。光学装置の機械的動作を利用する場合、振動のために走査機構が非常に複雑になる可能性がある。その装置が目的とする測定に影響を与えないように、振動を十分に小さく保つ必要がある。
【0011】
光学装置の走査に機械的動作を用いる場合、他に以下のような問題がある。
【0012】
アセンブリの寿命:
装置の使用可能寿命は、しばしばモータの寿命によって制限されるが、モータの寿命は、光学的走査機構の他の構成要素よりも短い。
【0013】
製造/組み立て:
装置の製造/組み立てに関して、その工程は自動化されにくい。むしろ、必要なバランスを得るための厳しい制度で構成要素を組み立てるために、また、振動を最小化するための調整を行うために、熟練した人間が必要とされることが多い。そしてこれらは、最適コストよりも高いコストにつながる。
【0014】
騒音:
比較的静かなモータであっても、患者の気を散らすような可聴音を生じさせる。
【0015】
安全/耐久性:
安定性の観点からは、構成要素(例えば、モータ、シャフト、および/または鏡)が高速(例えば毎分12,000回転)で回転するときはいつも、その構成要素は故障しやすい(例えば疲労により)。そして、そのような呼称は、装置に対して大きなダメージを生じさせる可能性がある。
【0016】
コスト:
上記の音大の組み合わせにより、装置のデザインには大きな制約が課せられる。これにより、製造工程において追加の時間と材料が必要となり、全体のコストが上昇する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、目の固視の方向を評価する装置を示す。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態にかかる、固視測定装置を示す。
【
図3】
図3は、例示的な他の実施形態にかかる、固視測定装置を示す。
【
図4】
図4は、例示的な他の実施形態にかかる、固視測定装置を示す。
【
図5】
図5は、例示的な他の実施形態にかかる、固視測定装置を示す。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態にかかる、投射装置を示す。
【
図7】
図7は、例示的な他の実施形態にかかる、投射装置を示す。
【
図8A】
図8Aは、例示的な実施形態にかかる、
図7の投射装置の追加的特徴を示す。
【
図8B】
図8Bは、例示的な実施形態にかかる、
図7の投射装置の追加的特徴を示す。
【
図9】
図9は、例示的な他の実施形態にかかる、投射装置を示す。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態にかかる、固視測定方法のフローチャートを示す。
【
図11】
図11は、例示的な実施形態にかかる、屈折誤差測定装置を示す。
【
図12】
図12は、例示的な実施形態にかかる、屈折誤差測定のフローチャートを示す。
【
図13】
図13は、ここに開示された方法の少なくとも一部を実行するために用いることができる、例示的なコンピュータ環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の図面および説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解に関連する要素を表現するために簡素化されており、一方で、本発明の一部を含むと当業者が評価し得る他の要素については、説明を明確にするために省略されていることが、理解されるべきである。しかし、そのような要素は当該技術分野において周知であり、本発明の理解を促進するものではないので、そのような要素の説明はここでは提供されない。
【0019】
発明者らは、固視を測定するシステムであって、光学装置の走査機構または機械的動作を必要としないシステムに対する要望を認識した。
【0020】
走査方法に関する問題の多くは、検出方法を変更し、固視を決定するために必要な全体情報を一つの画像内で捕捉する撮像装置を用いたデザインに移行することによって、軽減され得る。
【0021】
図2は、例示的な実施形態にかかる固視測定装置200を示す。
図2に示すように、装置100は、偏光ビームスプリッタ14、投射装置16、凸レンズ18、焦点レンズ22A・22B、および画像検出装置26A・26Bを備えている。以降に詳細に説明するように、装置200は、固視を測定するために、画像ベースの走査方法を利用する。画像ベースの走査方法を用いることにより、装置200の上述の構成要素は、所定の場所に固定される。すなわち、これらの構成要素は、動かず、回転もしない。
【0022】
偏光ビームスプリッタ14は、任意のタイプのビームスプリッタで良い。画像投射装置16は、刺激を生成するように構成され、生成された刺激を、ビームスプリッタ14の下に配置された投射面32へ投射する。この刺激は、検査される患者のターゲット固視点であり、この刺激は、ターゲット画像とも称される。
【0023】
図2に戻って、凸レンズ18は、任意の適切なタイプの凸レンズであって、瞳再結像レンズ(pupil reimaging lens)として機能する。焦点レンズ22A・22Bは、任意の適切なタイプの凸レンズであって、実行される画像分析の種類に応じて選択することができる。焦点レンズ22Aは、人(例えば患者)の第1の眼12Aに対応付けられ、焦点レンズ22Bは、その人の第2の眼12Bに対応付けられる。
【0024】
画像検出装置26Aおよび26Bは、任意のタイプの画像検出装置であって良い。例えば、様々な実施形態において、画像検出装置26Aおよび26Bは、電荷結合素子(CCD)画像センサや、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等であっても良い。画像検出装置26Aおよび26Bは、所望の画像サイズと、第2および第3の凸レンズ22Aおよび22Bの焦点距離とに応じて選択することができる。第1の画像検出装置26Aは、人の第1の眼12Aに関連付けられ、第2の画像検出装置は、その人の第2の眼12Bに関連付けられる。画像検出装置26Aおよび26Bは、一画像で、一回の走査で得られる全体情報を捕捉する。
【0025】
装置200は、眼12Aおよび12Bの両方から反射される光が単一の凸レンズに収束し、単一の画像検出装置の上に結像されるように、構成することができる。この一例が、
図4の装置400に示されている。
図4の装置400は、焦点レンズ22Aおよび22Bが単一の凸レンズ41に置き換えられていること、画像検出装置26Aおよび26Bが、単一の画像検出装置43に置き換えられていること、および、反射光をレンズ41に収束させるためにプリズム39が追加されていることを除いて、
図2の装置200に類似している。
【0026】
動作中、投射装置16は、ターゲット画像を生成するためにレーザ光を利用し、投射装置は、そのターゲットを投射面32へ投射する。人(以降、患者と称する。)が、装置200を覗き込み、ターゲット(患者には直接の視線上にあるように見える)上に彼または彼女の眼12Aおよび12Bを位置させたとき、ターゲット画像を表す光は、即時に患者の眼12Aおよび12B上(眼の網膜上)に結像する。投射装置は、生成されたターゲット画像を、患者の一つまたは複数の眼に投射するよう構成されている。
【0027】
ターゲットを表す光は、患者の眼12Aおよび12Bに入射し、この光の一部が、それぞれの眼の眼底から反射される。反射された光は、患者の眼12Aおよび12Bを通過して眼の外へ戻り、ビームスプリッタ14を通過し、第1の凸レンズ18を通過し、焦点レンズ22Aおよび22Bを通過し、患者の網膜
に対して共役な画像検出装置26Aおよび26Bへ至る。凸レンズ18は、焦点レンズ22Aおよび22B上に光を収束させるよう機能する。焦点レンズ22Aおよび22Bの特定の位置は、例えば全体の大きさや許容されるセンサ位置等の、装置200の要求によって決定することができる。焦点レンズ22Aおよび22Bは、出射瞳とみなすことができ、反射された光を画像検出装置26Aおよび26Bへ収束させるよう機能する。画像検出装置26Aおよび26Bは、その後、ターゲット画像に応じて一つまたは複数の眼から反射された反射画像を捕捉する。以下にさらに説明するが、反射画像は、前記一つまたは複数の眼の固視を表す情報を含む。
【0028】
図2に示すように、装置200は、ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の眼12Aおよび12Bに投射される光を偏光するよう構成され、かつ、前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の眼から反射される光を偏光するよう構成された前記偏光ビームスプリッタ14の形態で、偏光子を含む。
【0029】
偏光は、複数の偏光子によって実現することもできる。例えば、
図3は、装置300を示す。装置300は、装置200の偏光ビームスプリッタ14が非偏光ビームスプリッタ35に置き換えられていることと、2つの新しい偏光子33および37が追加されていること以外において、
図2の装置200に類似している。偏光子33は、前記ターゲット画像の一部として前記一つまたは複数の眼に投射された光を偏光するよう構成されている。偏光子37は、前記反射画像の一部として前記一つまたは複数の眼から反射された光を偏光するよう構成されている。さらに、
図5は、装置500を示す。装置500は、
図3の装置300と同様であるが、焦点レンズ22Aおよび22Bの代わりに単一の凸レンズ41を備え、画像検出装置26Aおよび26Bの代わりに単一の画像検出装置43を備えている。偏光子33および37は、任意の適切なタイプの偏光子によって実施することができる。例えば、偏光子37は、直線偏光子であっても良く、第1の凸レンズ18の「背面」の被膜であっても良い。
【0030】
図2〜
図5に示す装置は、リング画像であり患者の眼12上(眼の網膜上)に即時に結像されるターゲット画像を生成するために用いることができる。以下では、リング画像またはディスク画像を例示するが、ここに開示する装置は、任意の適切な形状(例えば、楕円、長円など)のターゲット画像を投射するために用いることができる。
【0031】
ターゲット画像がリング画像である場合、画像装置26、28、または43は、一つまたは複数の眼から反射されるので、リング画像全体を捕捉する。したがって、一般的な走査に含まれるすべての情報は、単一の画像内に捕捉される。
図2〜
図5に示す装置は、反射されたリング画像を分析して、例えば、平均明度(intensity)、最大明度、最小明度、リングにおいて平均明度より上の部分、平均明度より下の部分、および平均明度の部分の概略サイズ(円弧長および角度位置)等の統計/属性を得ることができる、一つまたは複数のコンピュータ装置を含んでいても良い。前記一つまたは複数の眼の固視は、ターゲット画像と反射画像との間(特に、ターゲットリング画像と反射リング画像の属性間)の一つまたは複数の偏光関連の変化に少なくとも部分的に基づいて、計算することができる。
【0032】
反射画像のリングは、固視を決定するために用いられる2つの一般的なタイプの特性のうち一つを提供することができる。第1のタイプとして、リング画像は、平均よりも暗い2つのより短い円弧領域と、平均よりも明るい2つの領域を有している。前記2つの明るい領域は、2つの暗い領域と同様に、互いにおよそ180度離れている。2つの暗い領域が、2つの明るい領域を分離している。この画像は、成功した固視測定を表している。最小回数の2回だけ連続して、固視測定の成功を示す画像捕捉があった場合、その人が、眼の固視能力を成功裏に示したと言える。しかし、固視のテストを完全にパスするためには、両眼で同時に固視の成功が測定されなければならない。したがって、固視のテストをパスするためには、両眼が少なくとも2回の連続した固視測定の成功を示すことが必要とされる。
【0033】
第2のタイプとして、反射画像中のリングは、より大きな明るい円弧領域を、一つだけ有している。このリングは、同様に、より大きな暗い円弧領域を、一つだけ有している。この画像は、固視の失敗を示し、固視のための走査を継続しなければならないことを意味する。上述の画像ベースの走査方法および装置から得られる他の画像タイプも存在するが、固視の決定には関係しない。
【0034】
図2〜
図5に示す投射装置16は、様々な形態をとり得る。例えば、
図6に示すように、投射装置16は、ターゲットリング画像を生成および/または投射するために、レーザ光源110、アキシコンレンズ112、およびトロイドレンズ114を備えることができる。トロイドレンズ114に対応するアキシコンレンズ112を利用することにより、回転する鏡を用いることなく、丸いターゲットを生成することができる。この投射装置を使用する場合、光学部材は回転対称である。
【0035】
図7に、他の可能な投射装置を示す。
図7は、光源120と、この光源に対向する
凹トロイド鏡121(断面を示す)とを備えた投射装置16を示す。
凹トロイド鏡121は、
凹ドーナツ形状を有し、その形状が、ドーナツ(トロイド)の「エッジ」ではなくドーナツ(トロイド)の中央を含む「表面」であるという点において、一般的なトロイド形状の鏡と異なっている。
凹トロイド鏡121は、アキシコンと同様の機能を有し、ターゲットリング画像を生成および/または投射するために用いられる。破線は、光源121から鏡121上へ投射された光を表し、実線は、鏡121からの反射光を表す。
【0036】
図8A〜
図8Bは、
凹トロイド鏡121の追加図を示す。
図8Aは、光源120から鏡121へ向かって鏡121で反射される光の光路を示す。
図8Bは、
凹トロイド鏡121のいくつかの特性例を示す。図示された特性の他に前記鏡は以下のような特性を有していてもよい。
【0042】
製造技術:ダイアモンド研磨(diamond?turned)されたアルミニウム
【0043】
追加的にまたは代わりに、投射装置16は、ターゲットの生成および/または投射に用いられるホログラフィック装置を備えていてもよい。投射装置16は、レンズの代わりに拡散媒質(diffuse media)を備えていてもよい。
【0044】
さらに、
図9に示すように、投射装置16は、光源(例えばダイオードレーザ)、第1の平凸レンズ、アキシコンレンズ、および第2の平凸レンズを備えていてもよい。
図9に示すように、投射装置16は、光源120、第1の平凸レンズ122、アキシコンレンズ124、および第2の平凸レンズ126を備えている。光源120は、任意の適切なタイプの光源で構成され得る。例えば、光源120は、ダイオードレーザであってもよい。アキシコンレンズ124は、第1および第2の平凸レンズ122,126の間に配置されている。この投射装置を用いる場合、ターゲットは、両面凸レンズ128内に没入されるが、患者から見たターゲットは、ビームスプリッタ14の「背後」にあるように見える。
【0045】
図10は、ここに開示されたいずれかの装置を用いて実行される固視測定方法のフローチャートを示す。ステップ101において、ターゲット画像は、投射装置により、患者の一つまたは複数の眼に投射される。ステップ102において、ターゲット画像に応じて前記一つまたは複数の眼から反射された反射画像は、前記一つまたは複数の眼に
対して共役に配置された一つまたは二つの画像検出装置によって捕捉される。反射画像は、前記一つまたは複数の眼の固視を表す情報を含む。さらに、ステップ103において、前記一つまたは複数の眼の固視は、反射画像の少なくとも一部に基づいて計算される。
【0046】
画像ベースの方法を用いることにより、画像露出の統合時間を選択することが可能となる。露出の時間は、背景ノイズの影響を最小化するために、できるだけ短いことが理想的である。統合時間が短いほど、測定される背景光は少なくなる。全体の視覚的刺激(例えばターゲットリング画像)を速やかに画像化することにより、パルスレーザで照明を実施することが可能である。パルスは、極めて短い統合時間の間であっても顕著な信号を提供する程度に、実質的に十分に明るければよい。これにより、非常に高いSN比を実現することができ、画像処理アルゴリズムの正確性を向上させることができる。露出時間をより短くすることにより、サンプリング期間にあり得る動きの量を大幅に減らすことができるので、走査中に網膜のサンプリングをより良く行うことができる。1回転の走査を行うために5msを必要とする200Hzの走査技術(さらに、測定が必要な周波数を達成するために複数走査回転が必要とされる)と比較して、ミリ秒よりもさらに短時間で(例えば10us)で画像を捕捉することができ、一つの画像内に全ての情報が含まれる。
【0047】
偏光と機械的走査に伴う問題を軽減する他に、ここに開示する装置および方法には多くの追加的な利点がある。
【0048】
画像は保存することができ、患者の加齢に伴って臨床的な利点があるかもしれない。加齢による変化は、「合格」または「失格」に限定されない。眼科医は、その画像を検討し、他の有意な情報がないかを決定する機会を得ることができる。例えば、固視誤差の大きさを評価することができる。
【0049】
迷光の性質を決定するために画像を分析することができ、ノイズを低減するための方法を探索することが可能となるかもしれない。
【0050】
固視を決定するために用いられる撮像装置は、適切な設計をされれば、眼の他の光学特性を測定するために非常に有効であると考えられる。最も注目されるのは、乱視、近視、または遠視などの、それぞれの眼の屈折誤差を測定することである。
【0051】
複屈折固視を測定する撮像装置ベースの方法を用いることにより、屈折誤差測定を実行する画像ベースの方法を実現することも可能となる。
【0052】
上述のように、固視測定のために画像ベースの測定を用いることの顕著な利点は、その画像センサを屈折誤差の測定に転用できることにある。屈折を測定する手法は、固視測定に要求される手法とは若干異なるが、レンズおよび画像センサを、両方の用途に共用できるようにデザインすることができる。これにより、患者の全検査を行うために必要な装置の数を減らすことができるので、小児科医や眼科医などの医療専門家にとって利益をもたらす。
【0053】
屈折誤差を測定する装置を
図10に示す。
図10に示される構成要素の多くは、画像投射装置16、ビームスプリッタ14、凸レンズ18、焦点レンズ22A・22B、および画像検出装置26A・26Bを含み、
図2の装置の構成要素と同様である。焦点レンズ22A・22Bおよび画像検出装置も、患者12Aおよび12Bの一つまたは複数の眼に対応付けられている。
【0054】
網膜の複屈折スキャンの公称範囲は、400mmまたは2.5ジオプタ(diopter)である。一般的な患者は、この範囲のターゲットに適合する。これは、それ以外の距離にある対象物に適合するよう屈折を調整する患者の能力を、十分にテストするには足りない。したがって、視認するターゲットと患者の眼12Aおよび12Bとの間の装置に、追加レンズ34を追加することができる。このレンズ34は、屈折測定を行う医療専門家によって配置することができる(例えば、屈折測定を行う位置に挿入され、固視測定時には取り外されるカートリッジとして)。レンズ34は、ターゲットが何メートルも離れているように見え(公称で1/10ジオプタ未満)、かつ、実際の位置よりもはるかに遠い位置にあるように、焦点距離およびその位置を調整してもよい。
【0055】
屈折の測定中に、画像検出装置26Aおよび26Bの直前に配置された焦点レンズ22Aおよび22Bが焦点を合わせるように調整されている間に、画像検出装置26A・26Bは画像を捕捉してもよい。焦点レンズ22Aおよび22Bは、焦点機構(図示せず)によって軸に沿って変位するよう構成されていてもよく、これにより、前記一つまたは複数の画像検出装置によって捕捉される一つまたは複数の画像を変化させることができる。例えば、
図5に示すように、焦点レンズ22Aは、28Aとして示される範囲に沿って変位させることができ、焦点レンズ22Bは、28Bとして示される範囲に沿って変位させることができる。
【0056】
焦点機構は、それぞれの焦点レンズの変位が既知のレベルの屈折誤差に十分に関連付けられるように構成することができる。これを達成するための従来の一方法は、単純に、焦点機構の位置をミクロン単位で測定することである。焦点機構が公称(屈折誤差がない)位置からシフトされるミクロン数によって、測定される屈折誤差の量を表す。したがって、網膜の最適な対応画像を達成するために必要な焦点機構の位置に基づいて、患者の球体屈折誤差(spherical refraction error)を測定できる。
【0057】
図12は、一つの例示的な実施形態にかかる屈折誤差測定方法を示すフローチャートである。この方法、またはこの方法におけるステップは、
図11に示すような装置を用いて実行することができる。
【0058】
ステップ1201において、刺激(ターゲット画像)は、画像投射装置によって、患者の一つまたは複数の眼に、ビームスプリッタを介して投射される。刺激と前記一つまたは複数の眼との間に、前記刺激(ターゲット)に対して、当該刺激(ターゲット)が患者にとって実際の距離よりもはるかに遠く見えるような焦点距離と位置を有するレンズを配置することができる。
【0059】
乱視を測定するために、画像化されるターゲットは、この誤差のタイプを決定することを支援する特徴を優先的に有してもよい。一例としてのターゲットは、3度ずつ離して配置された一連の短線ペアを備えている。このようなターゲットの一例は、時計の文字盤(dial)に似ている。ただし、分刻み(minute walker)のそれぞれが、1本の線ではなく、二重線で構成されている。この「時計文字盤」ターゲットの角直径は、公称として、固視誤差測定に用いられるものとほぼ同じ直径を有しているか、あるいは、約3度(中心からエッジまで1.5度)である。このような一連の二重線は、検査中に、乱視のない患者様の特定の焦点設定で、全体的に焦点が合った状態で現れる。しかし、患者が乱視である場合、乱視誤差により、二重線が不鮮明になる領域が存在する。不鮮明になる線の位置が、乱視誤差の軸を表す。焦点機構が調整されると(好ましくは、自動化された手順により)、焦点の合った二重線と焦点が合わない二重線の位置は、乱視を有する患者に応じてシフトする。いくつかの線が最も鮮明になり他の線の焦点が合わない焦点位置が存在する。しかし、焦点機構をさらに調整することにより、これを変更することができ、不鮮明であった線が、鮮明に焦点が合うようになる。さらに、十分に焦点が合っていた線が、不鮮明になる(最も焦点が合う線のグループと、最も不鮮明なグループとは、互いに90度の角度をなす)。全ての線について最適な焦点を達成するために必要な焦点のシフトを測定することにより、乱視の強さがわかる。また、それらの中点(仮想的に全ての線の組み合わせが同様に不鮮明となる位置)が、屈折誤差の平均である。
【0060】
他の方法として、近接して配置された二つの同心リングを単純に用いる方法がある。乱視の患者は、円の中心に対して互いに直接的に対向して、二カ所に分離した画像を示す。リングの他の箇所は、不鮮明になっている。焦点がシフトするにしたがい、リングが最適に分離される領域は、およそ90度シフトする。これらの二つの場合における焦点のシフトを記録することにより、焦点が変化するにしたがってリングが分離する位置によって誤差の軸が決定できるのと同様に、乱視屈折誤差を測定することができる。二重リングを有するターゲット画像は、固視測定と屈折測定との両方に用いることができる点において好ましい。
【0061】
ステップ1202において、一つまたは複数の画像検出装置と一つまたは複数の眼との間に配置された一つまたは複数の焦点レンズが、前記一つまたは複数の眼から反射された光を前記一つまたは複数の画像検出装置に結像させるために用いられる。上述したように、前記一つまたは複数の焦点レンズは、一つまたは複数の焦点機構によって軸に沿って変位するように構成されている。これにより、前記一つまたは複数の画像検出装置によって捕捉される一つまたは複数の反射画像を変化させる。焦点レンズのそれぞれの変位は、変位値として、記録され、格納され、あるいは追跡されるようにしてもよい。
【0062】
ステップ1203において、一つまたは複数の眼に
対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置は、刺激(ターゲット)に応じて前記一つまたは複数の眼から反射された光を含む前記一つまたは複数の反射画像を捕捉する。
【0063】
ステップ1204において、前記一つまたは複数の眼の少なくとも一つにおける屈折誤差は、一つまたは複数の反射画像の少なくとも一部と前記一つまたは複数の焦点レンズの少なくとも一つの一つまたは複数の変位置とに基づいて、一つまたは複数のコンピュータ装置によって計算される。前記一つまたは複数の変位置のそれぞれは、一つまたは複数の反射画像における異なる反射画像に対応していてもよい。前述したように、眼の屈折誤差を決定するために、ターゲット画像を最も分離する反射画像に対応した変位量を用いることができる(変位量を既知のレベルの屈折誤差に対応づけることなどにより)。
【0064】
一つまたは複数の上述した技術は、一つまたは複数のコンピュータシステムに実装されても良いし、一つまたは複数のコンピュータシステムを含んでいても良い。
図13は、コンピュータ環境1300の一般的な例を示す。コンピュータ環境1300は、ここで説明された実施形態の使用範囲や機能を限定することを意図したものではない。
【0065】
図13に示すように、コンピュータ環境1300は、少なくとも一つのプロセスユニット1310およびメモリ1320を備えている。プロセスユニット1310は、コンピュータ実行可能命令を実行し、実機または仮想のプロセッサとすることができる。マルチプロセシングシステムにおいては、マルチプロセシングユニットが、プロセス能力を向上させるために、コンピュータ実行可能命令を実行する。メモリ1320は、揮発メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、等)、または、これらの組み合わせであっても良い。メモリ1320は、一つまたは複数のプロセッサで実行されたときにここで説明された技術を実現するソフトウエア命令1380を格納することができる。メモリ1320は、一つのメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスとすることができる。
【0066】
コンピュータ環境は、追加の特徴を備えていても良い。例えば、コンピュータ環境1300は、記憶装置1340、一つまたは複数の入力装置1350、一つまたは複数の出力装置1360、および、一つまたは複数の通信接続1390を含む。バス等の内部接続機構1370、コントローラ、またはネットワークは、コンピュータ環境1300の構成要素を内部接続する。典型的に、オペレーティングシステムソフトウエアまたはファームウエア(図示せず)が、コンピュータ環境1300内で稼働する他のソフトウエアのために操作環境を提供し、コンピュータ環境1300のそれらの構成要素の作業を連係させる。
【0067】
記憶装置1340は、着脱可能であっても良いし、着脱不可能であっても良く、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD−ROM、CD−RW、DVD、または、情報を格納するために使用可能であり、コンピュータ環境1300においてアクセス可能な、その他任意の記録媒体を含む。記憶装置1340は、ソフトウエア1380用の命令を格納することができる。
【0068】
入力装置1350は、キーボード、マウス、ペン、トラックボール、タッチスクリーン、またはゲームコントローラのようなタッチ入力装置や、音声入力装置や、スキャン装置や、デジタルカメラや、リモートコントローラや、コンピュータ環境1300への入力を実現する他の装置であっても良い。出力装置1360は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、または、コンピュータ環境1300からの出力を実現する他の装置であっても良い。
【0069】
通信接続1390は、他のコンピュータエンティティへの通信媒体上の通信を可能とする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令や、音声またはビデオ情報や、変調されたデータ信号の他のデータのような情報を搬送する。変調されたデータ信号は、一つまたは複数の特徴セットを有する信号や、前記信号内の情報を符号化するように偏光された信号である。一例として、限定的ではないが、通信媒体は、電気的、光学的、RF、赤外線、音響、または他のキャリアで実現される有線または無線技術を含む。
【0070】
実施形態は、一般的なコンピュータ可読媒体として説明できる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ環境においてアクセス可能な任意の媒体である。一例として、限定的ではないが、コンピュータ環境1300において、コンピュータ可読媒体は、メモリ1320、記憶装置1340、通信媒体、およびこれらの組み合わせを含む。
【0071】
図13は、特定の便宜のためだけに、コンピュータ環境1300、ディスプレイ装置1360、および入力装置1350を別個の装置として図示している。コンピュータ環境1300、ディスプレイ装置1360、および入力装置1350は、別個の装置(例えば、有線でモニタとマウスに接続されたパーソナルコンピュータ)であっても良いし、単体装置(例えば、スマートフォンやタブレットのように、タッチディスプレイを備えたモバイル装置)、または、装置の任意の組み合わせ(例えば、タッチスクリーン装置に操作可能に結合されたコンピュータ装置、単体のディスプレイ装置および入力装置に取り付けられた複数のコンピュータ装置)であっても良い。コンピュータ環境1300は、セットトップボックス、モバイル装置、パーソナルコンピュータ、または、一つまたは複数のサーバ、例えばネットワークサーバ群、クラスタサーバ環境、または、コンピュータ装置のクラウドネットワークであっても良い。
【0072】
本発明の原理を、前述の実施形態を参照しながら説明したが、ここで述べた実施形態は、この原理から乖離しない範囲で構成や詳細を変更することができる。ここで説明されたプログラム、プロセス、または方法は、明記されない限り、特定のコンピュータ環境に関連または限定するものではない。ここで述べた教示に従って、様々な種類の汎用または専用のコンピュータ環境を用いることができ、または、処理を実行することができる。ソフトウエアとして開示された実施形態の要素は、ハードウエアで実施することが可能であり、その逆も可能である。