特許第6681908号(P6681908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681908
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】加熱ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24V 30/00 20180101AFI20200406BHJP
   F24H 1/10 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   F24V30/00 302
   F24H1/10 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-540328(P2017-540328)
(86)(22)【出願日】2015年10月19日
(65)【公表番号】特表2017-531778(P2017-531778A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(86)【国際出願番号】GB2015053094
(87)【国際公開番号】WO2016063017
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年10月2日
(31)【優先権主張番号】1418614.2
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517136254
【氏名又は名称】シーシーエム テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202577
【弁理士】
【氏名又は名称】林 浩
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド ピーター
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0076711(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/033456(WO,A1)
【文献】 特開昭55−152394(JP,A)
【文献】 特開平07−103685(JP,A)
【文献】 特表2012−506022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24V 30/00
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する方法であって、
(a)‐ハウジングと、
‐前記ハウジング内に含まれるアミノ基含有繊維と、
‐水用の導管と、
‐二酸化炭素を前記ハウジングに送る手段と、
‐熱を前記アミノ基含有繊維に供給する手段と、
を備える加熱ユニットを提供するステップと、
(b)二酸化炭素を前記ハウジングに送るステップと、
(c)水を前記導管に通すステップと、
を含む方法
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記アミノ基含有繊維は、セルロース系繊維である、方法
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記繊維に担持されるアミノ化合物は、アルカノールアミンである、方法
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記導管が前記繊維を通る、方法
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、水用の前記導管は、前記繊維を通る1つ以上のヒートチューブと接触している、方法
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記加熱ユニットは、二酸化炭素を含む容器に接続されている、方法
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、熱を前記アミノ基含有繊維に供給する前記手段は、ソーラーパネルを備える、方法
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、前記加熱ユニットは、二酸化炭素用の閉ループを備える、方法
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、(d)前記アミノ基含有繊維を加熱するステップをさらに含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を加熱する加熱ユニットに関する。特に、本発明は、向上した環境プロファイルを有するおよび/または低価格で温水を提供する家庭用加熱ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
温水の直接使用でもセントラルヒーティングシステムでの使用でも、水の加熱は、多くの国でエネルギー消費の大部分を占める。地球温暖化の公知の問題のために、特にエネルギーが化石燃料から得られる場合に、エネルギー消費を削減するさらに高まる必要がある。
【0003】
例えば太陽光または風力による、熱エネルギーを提供する多くの化石燃料以外の方法に関連する問題は、しばらく経って使用するためにエネルギーを貯蔵するのが非常に難しいことである。
【0004】
特にセントラルヒーティングシステムでの使用で水を加熱することは、特に冬場により寒い所で、多くの世帯でかなりの出費である。電気代は、オフピーク時間中に低価格であることがある。しかしながら、これは多くの人が家を暖房することを望む時間でない。熱を貯蔵できる方法は、従って経済的に有利であることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の1つ以上の不都合な点を克服する温水を提供するのに使用できる簡単な加熱ユニットを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によると、以下を備える加熱ユニットが提供される:
‐ハウジング;
‐ハウジング内に含まれるアミノ基含有繊維;
‐水用の導管;
‐二酸化炭素をハウジングに送る手段;および
‐熱をアミノ基含有繊維に供給する手段。
【0007】
本発明の第2態様によると、水を加熱する方法が提供され、その方法は以下を含む:
(a)第1態様の加熱ユニットを提供するステップ;
(b)二酸化炭素をハウジングに送るステップ;および
(c)水を導管に通すステップ。
【0008】
本発明の加熱ユニットは、ハウジングを備える。これは、本質的にアミノ基含有繊維を保持する容器である。ハウジングを作るのに使用される材料の形状、寸法および種類は、変更可能である。ハウジングは、適切に固体気密壁を有する。それは、あらゆる適切な材料で作られてよい。適切な材料は、プラスチック、木、ガラス、セラミック、コンクリートおよび金属を含む。好ましくは、ハウジングはプラスチックで作られている。
【0009】
適切なプラスチック材料は、当業者に知られており、例えば、エポキシコーティングおよび高密度および低密度ポリエチレンを含む。
【0010】
適切な金属材料は、ステンレス鋼を含む。
【0011】
ハウジングは、外面および内面を有する。外面は、適切に耐候性であってよい。内面は、適切に熱を反射してよい。
【0012】
本発明の加熱ユニットのハウジング内に位置するのは、アミノ基含有繊維である。これによって、アミノ化合物で含浸されたまたはアミノ化合物でコーティングされた繊維材料を意味する。
【0013】
あらゆる適切な繊維を使用することができ、例えば合成海綿繊維および他の固体繊維状マトリックスである。好ましくは、アミノ基含有繊維は、セルロース系繊維材料である。適切なセルロース系繊維は、天然セルロース系繊維および半合成または加工セルロース系を含む。
【0014】
繊維は、天然繊維および/または合成繊維および/または半合成繊維を含んでよく、例えば再生セルロース製品である。適切な合成繊維は、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアクリル系を含む。好ましくは、材料は、天然繊維を含む。
【0015】
好ましくは、セルロース系繊維は、天然セルロース系繊維を含む。
【0016】
この場合に使用される適切な天然セルロース系繊維は、綿、麻、亜麻、ジュート、ケナフ、ラミー、サイザル、カポック、アガベ、ラタン、大豆、つる植物、バナナ、コイア、茎繊維およびその混合を含む。
【0017】
ある好ましい実施形態では、セルロース系繊維は、農業からの廃棄物または副産物である。そのようなセルロース系繊維は、そうでなければ他の用途ではほとんどあるいは全く価値がない。適切な廃棄物または副産物は、例えば穀類または菜種である、作物の茎、葉、もみ殻または外皮から得られてよい。最も好ましくは、セルロース系繊維は、わらまたは木材パルプ由来である。
【0018】
ある実施形態では、セルロース系繊維は、精製木材パルプ由来であってよく、例えば登録商標TENSELで販売される材料である。
【0019】
ある実施形態では、セルロース系繊維は、例えば松パルプである、パルプ工場から直接得られた廃棄物であってよい。
【0020】
ある実施形態では、セルロース系繊維は、例えば小麦、ライ麦または大麦である、穀草類から得られたわら材料であってよい。
【0021】
セルロース系繊維は、微細粒子材料として適切に提供される。適切には、繊維は、少なくとも10ミクロン、好ましくは少なくとも50ミクロン、より好ましくは少なくとも100ミクロンの平均粒径を有する。セルロース系繊維は、少なくとも0.2mm、好ましくは少なくとも0.2mmの平均粒径を有してよい。セルロース系繊維は、10cmまで、適切には5cmまで、好ましくは1cmまで、より好ましくは0.5cmまでの平均粒径を有してよい。
【0022】
特に好ましい実施形態では、セルロース系繊維は、0.5〜3mmの平均粒径を有する。
【0023】
平均粒径は、従来のふるい分け技術によって適切に測定されてよい。
【0024】
繊維は、アミノ基含有繊維である。これによって、アミノ化合物を含有することを意味する。適切には、アミノ化合物は、繊維の表面に保持される。
【0025】
アミノ基含有繊維は、あらゆる適切な方法によって製造されてよい。そのような方法は、当業者に知られ、例えば、アミノ化合物を含む液体組成物に繊維を浸す、アミノ化合物を繊維に噴霧する等を含む。
【0026】
適切には、繊維の表面とアミノ化合物との間に相互作用がある。例えば、これは、単純な静電相互作用、双極子間の相互作用、水素結合、または全共有結合であり得る。理論に束縛されるものではないが、アミノ官能基と繊維の表面との間に水素結合があると考えられている。
【0027】
アミノ化合物は、例えばアンモニア、脂肪族または芳香族アミン、アミドまたは尿素である、アミノまたは置換アミノ部分を含むあらゆる化合物から選択されてよい。好ましくは、アミノ化合物は、アンモニアまたはアミンから選択される。
【0028】
ある好ましい実施形態では、アミノ化合物は、アンモニアを含む。これによって、水酸化アンモニア(すなわちアンモニア水組成物から)を含むことを意味する。
【0029】
適切なアミノ化合物は、天然化合物および合成化合物を含む。2つ以上のアミノ化合物の混合物が、繊維に担持されてよい。
【0030】
適切なアミンは、芳香族および脂肪族アミンである。これらのアミンは、置換または非置換でもよい。適切なアミンの例は、アミノ酸、アルカノールアミン、アルキルアミンおよびアルケニルアミンを含む。この場合に使用される特に好ましいアミンは、アルキルアミンおよびアルカノールアミンである。
【0031】
アミノ化合物は、アンモニア、第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンから選択されてよい。ある好ましいアミンは、第1級アミン、第2級アミン、またはその混合物である。この場合に使用される、ある特に好ましいアミンは、第1級または第2級アルキルアミン、特に、最大12炭素原子まで、より好ましくは最大4炭素原子までを有するアルキルアミンである。好ましいアミンは、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンおよびその混合物および異性体を含む。
【0032】
ある特に好ましいアミノ化合物は、アルカノールアミンである。適切なアルカノールアミンの例は、エタノールアミン、2‐(メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノールおよびジイソプロパノールアミンを含む。1つの特に好ましい化合物は、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノールである。
【0033】
適切には、アミノ化合物は、式RNの化合物であり、R,R,およびRのそれぞれは、水素、アルキル基および式HO‐X(Xはアルキレン基を表す)のグループから、独立に選択される。好ましくは、R,R,およびRのそれぞれは、水素、1〜10炭素原子を有するアルキル基、および式HO‐X(Xは1〜10炭素原子を有するアルキレン基を表す)のグループから、独立に選択される。好ましくは、R,R,およびRのそれぞれは、水素、1〜4炭素原子を有するアルキル基、および式HO‐X(Xは1〜4炭素原子を有するアルキレン基を表す)のグループから、独立に選択される。
【0034】
適切には、アミノ化合物の繊維に対する重量比は、少なくとも0.1:1、好ましくは少なくとも0.5:1、より好ましくは少なくとも1:1である。
【0035】
適切には、ステップ(a)でアミノ化合物の繊維に対する重量比は、最大100:1まで(アミノ化合物繊維)、好ましくは最大50:1まで、より好ましくは最大20:1までであり、例えば最大15:1までである。
【0036】
ある特に好ましい実施形態では、繊維は、アミノ化合物1.5〜5、好ましくは2〜3重量部を含む。
【0037】
本発明の加熱ユニットは、二酸化炭素をハウジングに送る手段を備える。使用に当たって二酸化炭素がハウジングに送られるときに、それは、発熱反応で繊維上のアミンと反応する。
【0038】
二酸化炭素は、純二酸化炭素として提供されてよい。これは、二酸化炭素ガス、超臨界二酸化炭素または固体二酸化炭素として提供されてよい。好ましい実施形態では、二酸化炭素は気体状態である。
【0039】
ある実施形態では、二酸化炭素は、例えば窒素または二酸化硫黄である、他の気体成分と混合されてよい。
【0040】
二酸化炭素をハウジングに送る手段は、適切にはバルブであり、それは、二酸化炭素の流れを制御するように開閉できる。
【0041】
ある実施形態では、化石燃料の直接燃焼からの二酸化炭素が、ユニットに流れ込むように向けられてよい。
【0042】
好ましくは、ハウジングへの二酸化炭素の流れは、綿密に制御される。ある好ましい実施形態では、加熱ユニットは、ハウジングに接続された二酸化炭素を貯蔵する容器を備える。
【0043】
本発明の加熱ユニットは、水用の導管を有する。ある好ましい実施形態では、導管は、アミノ基含有繊維を通る。
【0044】
導管は、体積に対して大きな表面積比率を提供するように適切に形作られ、それがアミノ基含有繊維に対して大きな表面積を呈するようになっている。繊維が二酸化炭素と接触するときに、発熱反応が生じ、生成された熱が導管の中の水を加熱する。
【0045】
ハウジングの中に位置する導管の一部は、複数のプレート、フィン、コイル、細管等を備えてよく、繊維との最大接触および従って最大熱交換を確かにする。導管は、水がハウジングを複数回通るようにおよび/または導管がハウジングに入る際に複数の流路に分かれて出るときに再結合できるように、配置することができる。
【0046】
従って、本発明は、水用の導管が通るアミノ基含有繊維を備えるハウジングを適切に提供する。二酸化炭素がハウジングに入ることができるとき、導管の中の水を暖める発熱反応が生じる。
【0047】
ある代替実施形態では、水用の導管は、繊維を通らないが、繊維の上部に沿って通る。そのような実施形態では、導管の中の水は、繊維を通る複数のヒートチューブからの熱伝達によって適切に暖められる。
【0048】
ヒートチューブは、熱伝導性固体から作られる伝熱装置であり、それは液体を含む。ヒートチューブが暖められるとき(この場合繊維との接触を通じて)、液体は、蒸発し、ヒートチューブの上部まで上昇する。ヒートチューブの上部は、水用の導管と適切に接触している。蒸気は、チューブの上部で凝縮し、潜熱が水に提供され、その結果水を暖める。
【0049】
そのような実施形態では、本発明の加熱ユニットは、1つ以上のヒートチューブと接触する水用の導管を適切に備え、ヒートチューブが繊維を通る。
【0050】
従って、本発明は、以下を備える加熱ユニットを提供する:
‐ハウジング
‐ハウジング内に含まれるアミノ基含有繊維;
‐水用の導管であって、繊維を通るまたは繊維を通る1つ以上のヒートチューブと接触する、水用の導管;
‐二酸化炭素をハウジングに送る手段;および
‐熱をアミノ基含有繊維に供給する手段。
【0051】
ヒートチューブは、当業者によく知られている。
【0052】
二酸化炭素は、希釈剤またはキャリアと共に提供されてよい。好ましくは、それは、希釈剤またはキャリアの添加なしに提供される。微量不純物が存在してよい。
【0053】
二酸化炭素は、好ましくは、500〜1500kPaの圧力で提供されてよい。ある実施形態では、二酸化炭素は、周囲圧力、および好ましくは周囲温度で、送られてよい。好ましい実施形態では、二酸化炭素ガスは、超大気圧である。
【0054】
セルロース系材料での二酸化炭素の取り込みは、好ましくは少なくとも1%omf、好ましくは少なくとも5%omf、より好ましくは少なくとも10%omf、例えば少なくとも15%omf、である。
【0055】
セルロース系材料での二酸化炭素の取り込みは、最大100%omfまで、適切には最大80%omfまで、好ましくは最大60%omfまで、好ましくは最大40%omfまで、例えば最大30%omfまで、または最大25%omfまで、である。
【0056】
%omf(%on mass of fibre)によって、二酸化炭素を含む化合物と接触する繊維の質量の百分率として二酸化炭素の質量のことを指すことを意味する。
【0057】
誤解を避けるために、上記の量は、アミノ基含有繊維の重量の増加のことを指す。
【0058】
二酸化炭素がハウジングに送られるとき、それは、繊維に可逆的に結合するようになる。従って、二酸化炭素は、繊維を加熱することによって、しばらく経って繊維から放出されることができる。しかしながら、アミンは繊維上に適切にとどまり、繊維が再使用される。これは、本発明の加熱ユニットおよび方法の重要な特徴である。
【0059】
二酸化炭素がハウジングに送られるとき、発熱反応で放出された熱は、導管を通る水を暖めるのに使用される。ハウジングへの二酸化炭素の投与速度および導管を通る水の流速は、確実に水が所望の温度に加熱されるように制御されることができる。これは、ある実施形態では、サーモスタットによって制御されてよい。
【0060】
二酸化炭素のある量が繊維上のアミノ化合物と反応すると、発熱反応速度は低下し、繊維が最終的に「飽和」して反応が完結するまで、次第に減少する熱が放出される。この時点で、二酸化炭素は、繊維を出てハウジングから出る必要があり、繊維上のアミンを別の発熱反応で再び反応させ、さらに多くの水を暖める。
【0061】
従って、本発明の加熱ユニットは、熱をアミノ基含有繊維に供給する手段を備える。
【0062】
ある実施形態では、熱をアミノ基含有繊維に供給する手段は、ソーラーパネルを備えてよい。
【0063】
ある実施形態では、ソーラーパネルは、カバーが設けられてよく、二酸化炭素が、水を暖めることが望まれるときに、出されないようになっている。
【0064】
ある実施形態では、繊維に熱を供給する手段は、入口バルブおよび出口ポートを備えてよく、それを通って暖かな空気または他の気体が、繊維を吹き抜けることができる。例えば、従来の化石燃料燃焼ボイラー、火またはオーブンから生成された熱は、繊維を通って導かれることができる。
【0065】
ある実施形態では、繊維に熱を供給する手段は、電気ホットプレートまたはフィラメントを含んでよい。
【0066】
ある実施形態では、熱を供給する手段は、さらなる温水ベースヒーター回路を備えてよい。
【0067】
本発明の加熱ユニットは、不動産物件の既存の水加熱システムと一体化できるように意図されている。本発明の加熱ユニットは、家庭環境で水を暖めるのに特に有用である。典型的に、加熱ユニットは、約0.5〜2m、適切には約1mの体積を有する。しかしながら、当然のことながら、より大きなまたは複数のユニットが、病院またはホテルなどのより大きな建物用に提供され得る。システムは、必要に応じて水を暖めるのに使用することができ、繊維が二酸化炭素で「飽和」したとき、温水は、従来の化石燃料を動力源としたボイラーに戻ることができる。そのようなボイラーから生成された余分な熱は、「飽和」繊維から二酸化炭素を出すこと、および本発明の加熱ユニットを再生することに、使用され得る。
【0068】
ある実施形態では、本発明の加熱ユニットは、「ストレージ」ヒーターとして使用されることができる。二酸化炭素は、エネルギーがより安価であるときのオフピーク時間中に繊維を暖めることによって出されることができ、そしてピーク時間中に必要とされる水を暖めるのに使用されることができる。
【0069】
特に好ましい実施形態では、加熱ユニットは、通常の使用中に典型的な家庭で必要とされる温水の大部分を提供するのに使用されることができる。好ましくは、二酸化炭素は、例えば風力または太陽エネルギーである再生可能資源によって提供される熱または電気によって繊維から出されることができる。
【0070】
繊維から出された二酸化炭素は、大気中に放出されてよい。これは、例えば、二酸化炭素が化石燃料の燃焼から直接提供される実施形態で、適切であるかもしれない。
【0071】
好ましい実施形態では、二酸化炭素は、ハウジングに接続された容器に向け直され、それが再び必要とされるまで貯蔵される。これは、さらなる減圧チャンバおよび/またはポンプを提供することによって、適切に実現されてよい。
【0072】
従って、好ましい実施形態では、本発明の加熱ユニットは、二酸化炭素用の閉ループを備える。同じ二酸化炭素が、繰り返し繊維と反応することができ、そして次の加熱ステップで出され、それが再び必要とされるまで貯蔵される。
【0073】
本発明は、再生可能資源またはオフピーク電気からの熱が、しばらく経って発熱反応で熱エネルギーとして放出するために二酸化炭素として効果的に「貯蔵」されることができるようにする。
【0074】
ハウジングには、反射内面が適切に設けられてよい。これは、熱が水の加熱中または二酸化炭素の除去中に失われないことを適切に確実にするためである。
【0075】
導管は、繊維を直接通ることによってまたはヒートチューブを介して暖められる水用の流路を提供する。この水は、そして家庭供給の温水システムに適切に向けられ、洗浄等用の温水として使用することができるまたはセントラルヒーティングシステムで使用することができる。
【0076】
ある実施形態では、加熱ユニットは、複数の個別チャンバに分けられてよく、複数の個別チャンバは、それぞれ個別の導管および/またはヒートチューブを有する。二酸化炭素は、発熱反応を引き起こす1つのチャンバに向けられることができ、水は、そのチャンバの導管を通ることができる。余分な熱は、すでに使用された隣り合うチャンバから二酸化炭素を出すのに使用されてよい。温水が次に必要とされるとき、二酸化炭素は、異なるチャンバに向けられることができる。当然のことながら、ある程度の追加の熱もある箇所で供給される必要があり、例えばソーラーパネルを通じてであるが、1つのチャンバからの余分な熱が、隣り合うチャンバを「再生」するのに役立つことができる。
【0077】
本発明は、本発明の好ましい非限定的実施形態を説明する添付図面を参照してこれからさらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明の加熱ユニットを示す。
図2】本発明のさらなる加熱ユニットの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本発明の加熱ユニットは、図1に示されている。ユニットには、アウターハウジング1が設けられている。これは、例えば、ポリエチレンから作られてよい。内面2は、好ましくは、ステンレス鋼などの熱反射材料から作られる。外面3は、好ましくは、耐候性であり、ポリエチレンから作られてよい。
【0080】
ハウジング内に位置するのは、アミノ化合物でコーティングされた繊維4である。グリッド5は、繊維がバルブ7へと管6に入るのを防ぐ。これは、二酸化炭素のシリンダー13に接続された二方弁である。
【0081】
ハウジングを通っているのは導管8であり、導管8は、繊維を通って複数回曲がり、繊維に対して大きな表面積を呈する。繊維は、導管の屈曲部分の周囲に充填される。水は、入口9でハウジングに入って出口10を通って出る。水は、加熱ユニットが一体化される家庭供給の水加熱システムから適切に供給されてそこに戻される。
【0082】
ユニットには、ソーラーパネル11が設けられている。スクリーン12は、所望するときにソーラーパネルからの熱が繊維に向けられることができるように、必要なときにリモートで開閉できる。
【0083】
出された二酸化炭素は、バルブ7を通って適切に戻り、流路15を介してチャンバ14に向けられる。そこから、それは開口16を介してシリンダー13に向け直されることができる。
【0084】
図2は、本発明のさらなる加熱ユニットの平面図を示す。ハウジング21は、4つのサブチャンバ22に分けられ、そのそれぞれはアミノ基含有繊維(図示せず)が含まれている。内部隔壁23は、熱反射性でなく、気体不透過性である。外壁24の内側面は、熱反射性である。
【0085】
単一源25からの二酸化炭素は、複数の流路26を介してチャンバのいずれかにバルブ27を介して向けられることができる。水は、水供給に接続された単一源28から入り、単一出口30につながる複数の導管29を介してチャンバのいずれかを選択的に通ることができる。ソーラーパネル31は、必要に応じて異なるチャンバを横切って移動できる。
図1
図2