【実施例】
【0048】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを発明の範囲から除外するものではない。
【0049】
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
<カプセルの製造方法>
表1に示す組成(質量%)を有する実施例1〜7及び比較例1〜3のカプセルを、下記の製造方法により製造した。
【0050】
【表1】
【0051】
<親水性高分子ゲル化剤水溶液の作製>
1,3―ブチレングリコールにメチルパラベンを添加し、50℃に加熱して溶解した後、グリセリンを添加し、撹拌して溶解した。次に、親水性高分子を添加し、湿潤させて、撹拌分散した。次に、親水性高分子の分散相をイオン交換水中に添加し、90℃に加熱して撹拌溶解した後、50℃まで冷却し、実施例1〜7の親水性高分子ゲル化剤水溶液を得た。
【0052】
なお、比較例1〜3については、親水性高分子として、カルボキシメチルセルロース、またはポリ−γ−グルタミン酸Naを添加した。
【0053】
<両親媒性物質の混合>
次に、作製した親水性高分子ゲル化剤水溶液に、50℃に加熱した両親媒性物質であるコハク酸ビスエトキシジグリコールを添加し、プロペラ攪拌機(アズワン(株)製、商品名:STIRRER、P−1)を使用して、300rpmの速度で攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質の混合物を得た。
【0054】
なお、実施例2においては、コハク酸ビスエトキシジグリコールに親水性高分子ゲル化剤水溶液を添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質の混合物を得た。
【0055】
<カチオンの添加>
次に、上記両親媒性物質混合工程において得られた親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質との混合物を45℃まで冷却した後、この混合物に、塩化カルシウム二水和物が溶解したイオン交換水を添加することにより、カプセル分散物を製造した。
【0056】
<両親媒性物質除去工程>
次に、分散媒として用いたコハク酸ビスエトキシジグリコールをろ過・水洗して除去することにより、カプセルを製造した。
【0057】
(実施例8〜14及び比較例4)
<カプセルの製造方法>
表2に示す組成(質量%)を有する実施例8〜14及び比較例4のカプセルを、下記の製造方法により製造した。
【0058】
【表2】
【0059】
<親水性高分子ゲル化剤水溶液>
1,3―ブチレングリコールにメチルパラベンを添加し、50℃に加熱して溶解した後、グリセリン、及びPPG−9ジグリセリルを添加し、撹拌して溶解した。次に、親水性高分子とヒドロキシエチルセルロースを添加し、湿潤させて、撹拌分散した。次に、親水性高分子とヒドロキシエチルセルロースの分散相をイオン交換水中に添加し、90℃に加熱して撹拌溶解した後、50℃まで冷却し、ゴールドパール粉末を添加して、攪拌分散することにより実施例9〜15、比較例4の親水性高分子ゲル化剤を含む水溶液を得た。
【0060】
<両親媒性物質の混合>
次に、実施例9〜11,13〜14においては、50℃に加熱した両親媒性物質(コハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、1,2−ヘキサンジオール、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、PPG−9ジグルセリル)に親水性高分子ゲル化剤水溶液を添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、表2に示す速度で攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質の混合物を得た。
【0061】
また、実施例8,12については、作製した親水性高分子ゲル化剤水溶液に、50℃に加熱した両親媒性物質(コハク酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、1,2−ヘキサンジオール、またはPEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン)を添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、表2に示す速度で攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質の混合物を得た。
【0062】
<カチオンの添加>
次に、上記両親媒性物質混合工程において得られた親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質との混合物を45℃まで冷却した後、この混合物に、塩化カルシウム二水和物が溶解したイオン交換水を添加することにより、カプセル分散物を製造した。
【0063】
<両親媒性物質除去工程>
次に、分散媒として用いたコハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、1,2−ヘキサンジオール、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、PPG−9ジグルセリルをろ過・水洗して除去することにより、カプセルを製造した。
【0064】
(実施例15〜20)
<カプセルの製造方法>
表3に示す組成(質量%)を有する実施例15〜20のカプセルを、下記の製造方法により製造した。
【0065】
【表3】
【0066】
<親水性高分子ゲル化剤水溶液>
1,3―ブチレングリコールにメチルパラベンを添加し、50℃に加熱して溶解した後、グリセリンを添加し、撹拌して溶解した。次に、親水性高分子、ポリ−γ−グルタミン酸Na、及びヒドロキシエチルセルロースを添加し、湿潤させて、撹拌分散した。次に、親水性高分子、ポリ−γ−グルタミン酸Na、及びヒドロキシエチルセルロースの分散相をイオン交換水中に添加し、90℃に加熱して撹拌溶解した後、50℃まで冷却し、ホワイトパール粉末、及びゴールドパール粉末を添加して、攪拌分散することにより実施例16〜21の親水性高分子ゲル化剤を含む水溶液を得た。
【0067】
<内包油相>
実施例19における内包油相は次の方法により作製した。まず、1,3−ブチレングリコールにPEG−60水添ヒマシ油を添加し、50℃に加熱し溶解した。次に、イオン交換水を添加して、撹拌溶解後、30℃まで冷却して水相を得た。そして、この水相へトリエチルヘキサノイン、及びジメチルポリシロキサンを添加し、ホモミキサー(乳化機)を使用して処理を行い、乳化液相である内包油相を得た。
【0068】
また、実施例20における内包油相は次の方法により作製した。まず、1,3−ブチレングリコールにPEG−60水添ヒマシ油を添加し、50℃に加熱し溶解した。次に、グリセリン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、及びトリエチルヘキサノインを添加し、撹拌して溶解した。そして、この混合相を、イオン交換水中に撹拌しながら添加することにより、乳化液相である内包油相を得た。
【0069】
<O/Wエマルジョン>
次に、作製した内包油相を親水性高分子ゲル化剤水溶液に添加し、攪拌して混合することにより、O/Wエマルジョンを得た。
【0070】
<両親媒性物質の混合>
次に、実施例15〜18においては、作製した親水性高分子ゲル化剤水溶液に、50℃に加熱した両親媒性物質であるコハク酸ビスエトキシジグリコールを添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、400rpmの速度で攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質の混合物を得た。
【0071】
また、実施例19〜20においては、作製したO/Wエマルジョンに、50℃に加熱した両親媒性物質であるコハク酸ビスエトキシジグリコールを添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、400rpmの速度で攪拌して混合することにより、O/Wエマルジョンと両親媒性物質の混合物を得た。
【0072】
<カチオンの添加>
次に、上記両親媒性物質混合工程において得られた親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質との混合物(実施例19〜20においては、O/Wエマルジョンと両親媒性物質との混合物)を45℃まで冷却した後、この混合物に、塩化カルシウム二水和物、硫酸マグネシウム、塩化ベンザルコニウム、及びセトリモニウムクロリドの少なくとも1種が溶解したイオン交換水を添加することにより、カプセル分散物を製造した。
【0073】
<両親媒性物質除去工程>
次に、分散媒として用いたコハク酸ビスエトキシジグリコールをろ過・水洗して除去することにより、カプセルを製造した。
【0074】
(実施例21〜24)
<カプセルの製造方法>
表4に示す組成(質量%)を有する実施例21〜24のカプセルを、下記の製造方法により製造した。
【0075】
【表4】
【0076】
<親水性高分子ゲル化剤水溶液>
1,3―ブチレングリコールにメチルパラベンを添加し、50℃に加熱して溶解した後、グリセリンを添加し、撹拌して溶解した。次に、親水性高分子とポリビニルアルコールを添加し、湿潤させて、撹拌分散した。次に、親水性高分子とポリビニルアルコールの分散相をイオン交換水中に添加し、90℃に加熱して撹拌溶解した後、50℃まで冷却し、ゴールドパール粉末を添加して、攪拌分散することにより実施例21〜24の親水性高分子ゲル化剤を含む水溶液を得た。
【0077】
<両親媒性物質の混合>
次に、作製した親水性高分子ゲル化剤水溶液に、50℃に加熱した両親媒性物質(コハク酸ビスエトキシジグリコール、1,2−ヘキサンジオール)を添加し、上述のプロペラ攪拌機を使用して、500rpmの速度で攪拌して混合することにより、親水性高分子ゲル化剤と両親媒性物質の混合物を得た。
【0078】
なお、実施例22においては、繊維形状を有するカプセルを製造し易くするとの観点から、両親媒性物質にイオン交換水と食塩(塩析効果のある物質)を添加した。
【0079】
<カチオンの添加>
次に、上記両親媒性物質混合工程において得られた親水性高分子ゲル化剤水溶液と両親媒性物質との混合物を45℃まで冷却した後、この混合物に、塩化カルシウム二水和物が溶解したイオン交換水を添加することにより、カプセル分散物を製造した。
【0080】
<両親媒性物質除去工程>
次に、分散媒として用いたコハク酸ビスエトキシジグリコール、1,2−ヘキサンジオール、及び食塩をろ過・水洗して除去することにより、カプセルを製造した。
【0081】
次に、各カプセルに対して、カプセルの形状、カプセルの径、カプセルの安定性、及び残存分散媒を以下に示す方法により評価した。以上の結果を表1〜表4に示す。
【0082】
<カプセルの形状>
目視により、実施例、及び比較例の各カプセルの形状を評価した。
【0083】
<カプセルの径>
物差しを使用して、目視により、実施例、及び比較例の各カプセルの径を測定した。
【0084】
<カプセルの安定性>
作製したカプセルを、50℃の環境下でスクリュー管内に1ヶ月間、保存し、その後、カプセルの変形、破壊、凝集等の変化について、目視により確認した。
評価基準
カプセルの変形、破壊、凝集が全く認められないか僅かに認められる場合:○
カプセルの変形、破壊、凝集が少し認められるか明らかに認められる場合:×
【0085】
<残存分散媒>
液体クロマトグラフィー(島津製作所(株)製、商品名:Prominence)を使用して、残存分散媒(即ち、カプセルの表面に残存する両親媒性物質)の有無について評価した。
評価基準
濃度が100ppm未満の場合:○
水に入れた時に油膜または油浮きが認められる、又は100ppm以上の場合:×
【0086】
表1〜表3に示すように、アニオン性の親水性高分子ゲル化剤(カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムのうち少なくとも1種)と両親媒性物質(コハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、1,2−ヘキサンジオール、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、及びPPG−9ジグルセリルのうち少なくとも1種)とを混合し、この混合物にカチオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン、または第4級アンモニウムカチオン)を添加した実施例1〜20においては、安定性に優れ、粒径が0.2mm以上の均一な粒径を有する球形状、立方体形状、楕円体形状のカプセルを提供することができることが判る。
【0087】
また、表4に示すように、アニオン性の親水性高分子ゲル化剤(カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムのうち少なくとも1種)と両親媒性物質(コハク酸ビスエトキシジグリコール、及び1,2−ヘキサンジオールのうち少なくとも1種)とを混合し、この混合物にカチオン(カルシウムイオン)を添加した実施例21〜24においては、安定性に優れ、繊維形状を有するカプセルを提供することができることが判る。
【0088】
一方、表1〜表2に示すように、カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、またはジェランガムを使用しなかった比較例1においては、カプセル自体が固化し(即ち、親水性高分子が粒にならず、全部が固まった状態になり)、比較例2においては、カプセル自体を製造することができなかった。
【0089】
また、カチオンを添加しなかった比較例3においては、カプセルは製造できたものの、カプセルの安定性に乏しいことが判る。また、本発明の両親媒性物質を混合しなかった比較例4においては、明らかに油が残存しており、油系およびW/O系には配合できるものの、水系には配合できないことが判った。