(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681962
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】消弧装置とアークガイドを有するスイッチ開閉装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/46 20060101AFI20200406BHJP
H01H 33/18 20060101ALI20200406BHJP
H01H 33/20 20060101ALI20200406BHJP
H01H 9/44 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
H01H9/46
H01H33/18 Z
H01H33/20
H01H9/44 A
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-203887(P2018-203887)
(22)【出願日】2018年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-91687(P2019-91687A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年1月18日
(31)【優先権主張番号】10 2017 125 685.7
(32)【優先日】2017年11月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514122166
【氏名又は名称】シャルトバウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト クラリク
【審査官】
内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/147458(WO,A1)
【文献】
特開2016−146333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/30 〜 9/52
H01H 33/00 〜 33/26
H01H 69/00 〜 69/01
H01H 71/00 〜 83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ開閉装置(1)であって、
− 少なくとも一つの接点(2)と、
− 前記接点に割りあてられた消弧室であって、隙間範囲(5)を有し出口平面(6)を規定する出口開口(3)を有し、前記接点が開くと生じるスイッチアーク(4,4′,4″)によって前記スイッチ開閉装置の内部で生成されるプラズマが、前記出口開口を通って前記スイッチ開閉装置の外に出ることができる、消弧室と、
− 前記接点(2)に割りあてられたアークブロー装置であって、前記接点が開くと生じるスイッチアーク(4,4′,4″)を前記接点(2)から遠ざけて前記出口開口(3)に向かうようにブローするブロー磁界を生成するためのアークブロー装置と、
を備え、
− 前記スイッチ開閉装置(1)は、少なくとも一つの第1アークガイド板(8)を有し、当該第1アークガイド板(8)は、前記接点(2)から前記出口開口(3)まで延び、前記スイッチアーク(4,4′,4″)を前記接点から前記出口開口までの経路を案内して引き伸ばし、前記消弧室内における前記接点(2)と前記出口平面(6)の間に第1部分(9)および第2部分(10)を有し、前記第1アークガイド板の前記第1部分(9)は前記接点に対して近位側に配置され、前記第1アークガイド板の前記第2部分(10)は前記接点に対して遠位側に配置され、
前記第1アークガイド板(8)の前記第2部分(10)は、前記スイッチアーク(4,4′,4″)が前記第1アークガイド板(8)の前記第2部分(10)によって少なくとも前記スイッチアークの一端で前記出口開口(3)の前記隙間範囲(5)を超えて引き伸ばされるように、前記出口平面(6)に平行な方向において前記出口開口を超えて延び、前記第1アークガイド板(8)の前記第2部分(10)から突出するアークガイドピン(12)が前記出口開口(3)の手前に配置され、当該アークガイドピンによって、前記スイッチアークが再び前記出口開口の手前で短縮されることを特徴とするスイッチ開閉装置(1)。
【請求項2】
前記アークガイドピン(12)は前記第1アークガイド板(8)の前記第2部分(10)から垂直に突出していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項3】
前記アークガイドピン(12)は、前記出口平面(6)に平行な方向において、おおよそ前記出口開口(3)の高さのあたりに末端がくるようにすることで、前記スイッチアーク(4,4′,4″)が前記アークガイドピン(12)によって前記出口開口(3)の前記隙間範囲(5)まで短縮されることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項4】
前記アークガイドピン(12)は、ねじ付き部分(14)を備えたガイド板側端部を有し、前記ねじ付き部分(14)は、前記第1アークガイド板(8)の穴(15)の対応する雌ねじ部分に螺合されることを特徴とする請求項1〜3のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項5】
前記アークガイドピン(12)は、その前記第1アークガイド板(8)とは反対側の端部に面取り(16)を有することを特徴とする請求項1〜4のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項6】
前記消弧室は、前記出口開口(3)の中に互いに間隔をおいて配置された複数の消弧要素(13)を有し、前記スイッチ開閉装置(1)の内部で前記スイッチアーク(4,4′,4″)によって生成される前記プラズマは、前記消弧要素(13)の間を通って前記出口開口(3)から外に出ることが可能であることを特徴とする請求項1〜5のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項7】
前記第1アークガイド板(8)は、前記第2部分(10)に連接する第3部分(11)であって、前記スイッチ開閉装置(1)の筐体(20)の外に引き出され、同時に前記スイッチ開閉装置(1)の第1端子接点(11)を形成する第3部分を有することを特徴とする請求項1〜6のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項8】
前記第1端子接点(11)の連結ボルト(17)が前記第1アークガイド板(8)と前記出口開口(3)の間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項9】
前記接点(2)の固定接点(18)は前記第1アークガイド板(8)の一部であり、前記第1アークガイド板(8)の前記第1部分(9)は、前記スイッチアーク(4,4′,4″)が前記第1部分(9)によって引き伸ばされるように、前記固定接点(18)に直接連接し、かつ、前記固定接点(18)に対して角度をなし、前記第1アークガイド板(8)の前記第2部分(10)の少なくとも一部(10.2)は、前記第1部分(9)に対してさらに角度をなして前記固定接点(18)に実質的に平行に延びていることを特徴とする請求項1〜8のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項10】
前記スイッチ開閉装置(1)は、第2アークガイド板(19)をさらに有し、前記第1および第2アークガイド板(8,19)は、前記スイッチアーク(4,4′,4″)が前記出口開口(3)の前記隙間範囲(5)よりも上に位置する長さになるまで引き伸ばされるように、前記接点(2)を起点に広がっており、前記スイッチアーク(4,4′,4″)は、前記アークガイドピン(12)によって再び前記出口開口(3)の手前で短縮されることを特徴とする請求項1〜9のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【請求項11】
前記アークガイドピン(12)は前記第1アークガイド板(8)に対して横切るように延びるブラケットであり、当該ブラケットの自由端は前記第1アークガイド板(8)に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜10のうちの一項に記載のスイッチ開閉装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前提部に記載のスイッチ開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なスイッチ開閉装置は、少なくとも一つの接点と、接点に割り当てられた消弧室と、接点に割り当てられたアークブロー装置とを有する。消弧室は、接点が開くと生じるスイッチアークによりスイッチ開閉装置内部で生成されたプラズマが通過してスイッチ開閉装置の外に出ることができる出口開口を有する。出口開口は、隙間範囲を有し、出口平面を規定する。アークブロー装置は、接点が開くと生じるスイッチアークを接点から遠ざけて出口開口に向かうようにブローするブロー磁界を生成するために設けられている。さらに、スイッチ開閉装置は、接点から出口開口に向かって延びスイッチアークを接点から出口開口までの経路を案内して引き伸ばす少なくとも一つの第1アークガイド板を有し、第1アークガイド板は、消弧室内における接点と出口平面の間に第1部分および第2部分を有し、第1アークガイド板の第1部分は接点に対して近位側に配置され、第1アークガイド板の第2部分は接点に対して遠位側に配置されている。
【0003】
独立請求項1の前提部に記載されているようなスイッチ開閉装置は、例えば、欧州特許出願公開第3048626号(A1)明細書により公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接点が開くと生じるスイッチアークは、スイッチ開閉装置の内側で、もしくは、通常、消弧室の出口開口に設けられる消弧要素を用いてスイッチアークを確実に消弧するために消弧室の内側で、引き伸ばされる。通常、これを目的として、スイッチアークをすばやく引き伸ばすために、接点を起点として比較的大きく広がった2つのアークガイド板が設けられる。通常、スイッチアークは、スイッチ開閉装置の内部で、消弧室の出口開口の隙間範囲まで引き伸ばされる。特定の構造上の境界条件により、特に、欧州特許出願公開第3048626号(A1)明細書の実施形態の場合のように、2つのアークガイド板のうちの一方がスイッチ開閉装置の筐体から外に引き出され端子接点とされている場合には、出口開口を2つのアークガイド板の出口側端部の間の距離よりも小さく抑えることができると望ましいこともある。とはいえ、スイッチアークがスイッチ開閉装置内で出口開口の隙間範囲を超えて引き伸ばされないように、筐体から引き出されているアークガイド板を、この実施形態では段階的に屈曲させており、これは、高出力のスイッチ開閉装置に対応する特に肉厚のアークガイド板では難しく、曲げ半径を大きくしてもよく、高い曲げ耐性をもたせることができる場合にのみ可能である。
【0005】
したがって、スイッチアークの確実な消弧を可能にするとともに、簡単かつ低コストで製造可能な一般的なタイプのスイッチ開閉装置を示すことが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項1の特徴によって解決する。したがって、独立請求項1の前提部に記載されているスイッチ開閉装置の場合、第1アークガイド板の第2部分によって少なくともスイッチアークの一端で出口開口の隙間範囲を超えて引き伸ばされるように、第1アークガイド板の第2部分が出口平面に平行な方向において出口開口を超えて延び、第1アークガイド板の第2部分から突出するアークガイドピンが出口開口の手前に配置され、当該アークガイドピンによって、スイッチアークが再び出口開口の手前で短縮されるならば、本発明による目的の解決がある。
【0007】
本発明による解決には、スイッチ開閉装置内でスイッチアークを特に急速かつ強力に引き伸ばすことができるので、スイッチアークの確実な消弧に寄与するという利点がある。同時に、アークガイド板をスイッチ開閉装置の筐体から外に、消弧室の出口開口から所定距離引き出すことができるが、これは、特定の構造上の境界条件により必要とされることがある。本発明による解決によれば、スイッチ開閉装置内で望ましくないプラズマの集中が防止される。アークガイド板を段差状案内路とすることが不要なので、かなり肉厚のアークガイド板でも比較的容易かつ低コストで精確に製造することができる。本発明にしたがって設けられるアークガイドピンは、アークガイド板と同様、導電性材料からなる。アークガイドピンは、アークガイド板と同じ材料からなるものとすることができる。たとえば、アークガイド板とアークガイドピンを銅からなるものとすることができる。
【0008】
消弧室の出口開口の隙間範囲は、出口平面上に投影したスイッチアークの縦に延びる方向に取った寸法範囲である。第1アークガイド板の反対側では、スイッチアークを出口開口を超えて強制的に引き伸ばす必要もない。本願の目的のためには、スイッチアークを出口開口の隙間範囲を超えて引き伸ばすとは、スイッチアークを、第1アークガイド板の側のみで、いわば、出口開口に収まって通り抜けることのない程度に、引き伸ばす場合であると理解されたい。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
アークガイドピンは、シンプルな円柱状のボルトであれば、特に簡単かつ低コストに製造することができる。もっとも、アークガイドピンは、異なる他の形態を有するものとすることもできる。例えば、断面六角形のボルトを使用することもできる。このようなボルトは、標準部品として市販されており、それゆえ安価でもある。また、例えば、細長い帯状金属片をアークガイドピンとして使用することもできる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、アークガイドピンは、アークガイド板に対して横切るように延びるブラケットであって、その自由端は第1アークガイド板に取り付けられる。好ましくは、ブラケットはU字形状を有する。ブラケットは両方の自由端を第1アークガイド板に、例えば、ねじ止めすることができる。ブラケットは、好ましくは、第1アークガイド板の幅の少なくとも50%を覆うように第1アークガイド板を横切って延びている。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、アークガイドピンは、第1アークガイド板の第2部分から垂直に突出している。この実施形態によって、シンプルなデザインで、スイッチアークがブローされて出口開口内に入る直前で効果的に短縮させられる。
【0012】
本発明の他の特に好ましい実施形態によれば、アークガイドピンは、出口平面に平行な方向において、おおよそ出口開口の高さのあたりに末端がくるようにすることで、スイッチアークがアークガイドピンによって出口開口の隙間範囲まで短縮される。この実施形態においては、スイッチ開閉装置内部の望ましくないプラズマの集中が最も効果的に防がれ、その一方で、スイッチアークは、出口開口に入る前に最適に引き伸ばされるか、あるいは出口開口に入る前まで最適に引き伸ばされた状態に保たれる。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、アークガイドピンは、ねじ付き部分を備えたガイド板側端部を有し、ねじ付き部分は、第1アークガイド板の穴の対応する雌ねじ部分に螺合される。この実施形態によって、特にシンプルかつ低コストな製造または組み立てが実現する。
【0014】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、アークガイドピンは、その第1アークガイド板とは反対側の端部に面取りを有する。面取りは、アークガイドピンが上端においてスイッチアークにより破壊されたり、摩耗を早めたりすることを防ぐ。この実施形態では、アークガイドピンは、ボルトとして構成するのが好ましく、シンプルな円柱状のボルトとして構成するのがさらに好ましい。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、消弧室は、出口開口の中に互いに間隔をおいて配置された複数の消弧要素を有し、スイッチ開閉装置の内部でスイッチアークによって生成されるプラズマは、消弧要素の間を通って出口開口の外に出ることが可能である。この実施形態は、スイッチアークの特に確実な消弧を保証する。この点で、出口開口は、スイッチアークの主たる移動方向に対して極めて小さいというわけではなく、いわば、出口平面を限界とするものではあるものの消弧要素の長さに対応するある程度の深さをもっていることは言及されるべきである。
【0016】
本発明の他の特に好ましい実施形態によれば、第1アークガイド板は、第2部分に連接する第3部分であって、スイッチ開閉装置の筐体の外に引き出され、同時にスイッチ開閉装置の第1端子接点を形成する第3部分を有する。第1端子接点の連結ボルトは、好ましくは、出口平面に平行な方向に見て第1アークガイド板と出口開口の間に配置されている。この実施形態は、本発明によるスイッチ開閉装置を特にコンパクトなデザインを備えるものとして特徴づける。連結ボルトは、好ましくは、スイッチ開閉装置の横向きの出口開口の中に配置された消弧要素の下に配置される。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、接点の固定接点は第1アークガイド板の一部であり、第1アークガイド板の第1部分は、スイッチアークが第1部分によって引き伸ばされるように、固定接点に直接連接し、かつ、固定接点に対して角度をなし、第1アークガイド板の第2部分の少なくとも一部が、第1部分に対してさらに角度をなして固定接点に実質的に平行に延びている。この実施形態により、特に、アークガイド板を固定接点と一体に形成されたものとすることを通じて、本発明によるスイッチ開閉装置の特にシンプルかつ低コストな構成が実現する。この文脈で実質的に平行にとは、ずれが最大で±5°であることを意味する。第1アークガイド板は屈曲部が2箇所だけの場合特に有利である。アークガイド板は、10mmを超える厚みを有するものがさらに好ましく、30mmを超える幅を有するものが更に好ましい。この実施形態では、第1アークガイド板は2回屈曲されなければならないだけである場合、特に有利である。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、スイッチ開閉装置は、第2アークガイド板をさらに有し、第1および第2アークガイド板は、スイッチアークがまずは出口開口の隙間範囲よりも上に位置する長さになるまで引き伸ばされるように、接点を起点に広がっており、スイッチアークは、アークガイドピンによって再び出口開口の手前で短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の諸実施形態について、以下、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0020】
【
図1】第1実施形態による本発明に係るスイッチ開閉装置を、見やすいように筐体を開いた状態で示した概略斜視図を示す。
【
図2】
図1の本発明によるスイッチ開閉装置を側面図で示す。
【
図3】
図1および
図2の本発明によるスイッチ開閉装置の第1アークガイド板をねじ止めされていないアークガイドピンとともに示す詳細図を示す。
【
図4】
図1〜3の本発明によるスイッチ開閉装置の変形例を側面図で示す。
【
図5】代替的なアークガイドピンを備えた
図3の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に、本発明の第1実施形態による本発明に係るスイッチ開閉装置1を斜視図で示す。スイッチ開閉装置1の筐体20はスイッチ開閉装置1の内部機構が見えるように読者側を省略して示してある。
【0022】
スイッチ開閉装置1の接点2は、筐体20の内側に配置されている。接点2は、固定接点18と、接点ブリッジ上に配置され、本発明に係るスイッチ開閉装置の図示せぬ駆動手段によって固定接点18に接触させることができる可動接点21とを備えている。スイッチ開閉装置の駆動手段のうち、接点ブリッジに接続されたアンカーロッド22のみが図示されている。
【0023】
接点2は、ハウジングの左側に、出口開口3を有する消弧室と関連付けられていて、接点が開くと生じるスイッチアークによってスイッチ開閉装置の内部で生成されるプラズマが、その出口開口3を通ってスイッチ開閉装置の外に出ることができる。本発明に係るスイッチ開閉装置の側面図を示す
図2において、出口開口が、隙間範囲5を有し出口平面6を規定するものであることがわかる。消弧室は、複数の消弧要素13を備え、そのそれぞれが、スイッチ開閉装置の内側でスイッチアークによって生成されるプラズマが消弧要素13の間を通って出口開口3から外に出ることができるように、出口開口の中に互いに間隔をおいて配置されている。
図1および2に示すように、消弧室は、本発明に係るスイッチ開閉装置1の上側にさらなる出口開口を備えており、そのさらなる出口開口の中にも、対応する消弧要素13が配置されている。図示されている実施形態において、筐体の上部の出口開口は、図示されている接点2と、接点ブリッジの右側に配置された図示せぬ第2接点と、の双方に関連付けられている。
【0024】
接点2は、さらに、接点が開くと生じるスイッチアークを接点2から遠ざけて出口開口3に向かうようにブローするブロー磁界を生成するためのアークブロー装置と関連付けられている。アークブロー装置は、
図1および
図2に示すブロー磁石7と、互いに平行かつ
図2の像面に平行に配置された2つの極板とを備えている。
【0025】
接点が開くと生じるスイッチアークは、
図2に図示されており、図中、符号4で示されている。スイッチアークを接点2から出口開口3までの経路を案内して引き伸ばすために、スイッチ開閉装置は、第1アークガイド板8および第2アークガイド板19を備えている。2つのアークガイド板8,19は、スイッチアークの引き伸ばしを生じさせるために、接点を起点に広がっている。第1アークガイド板8は、固定接点18と一体につくられていて、固定接点をスイッチ開閉装置1の端子接点に接続している。そして、固定接点18に直接連接する第1部分9と、第1部分に直接連接する第2部分10と、第2部分に直接連接する第3部分11とを有する。部分11は、本発明に係るスイッチ開閉装置の筐体20から外に引き出され、同時にスイッチ開閉装置の端子接点を形成する。そして、出口開口3の真下、もしくは、出口開口3の中に配置されている消弧要素13の下に配置された上に突出する連結ボルトを備えている。連結ボルト17が上を向いているのは、第1アークガイド板8の第3部分11の下に、本発明に係るスイッチ開閉装置1の対応する取付手段用の構成のためにスペースがないといけないからである。したがって、出口開口3は、第1アークガイド板8の第3部分まで下に延びることなく、連結ボルト17の真上の少し距離をとったところに末端がある。
【0026】
図2には、スイッチアーク4を接点から出口開口までの経路に沿って引き伸ばすことができるように、第1アークガイド板8の第1部分9が固定接点18に対して角度をなしていることが示されている。第1アークガイド板8の第2部分10の第1部10.1は、いわば、第1部分9の純粋な延長部を形成している。スイッチアークは、第2部分の第1部10.1によって、下方に、出口開口の隙間範囲8を超えて引き伸ばされる。スイッチアークの引き伸ばされた状態は、
図2において符号4′で示されている。第1アークガイド板8の第2部分10の第2部10.2は、第1部10.1に対して、すなわち、第1部分9に対して、角度をなしており、出口平面6に対して直角に延びている。したがって、第2部分10の第2部10.2は、固定接点18に対して平行に延びている。スイッチアークの下側の基点は、アークガイド板8の第2部分10の第2部10.2上を案内されて出口開口の直前に達する。出口開口の直前には、第2部10.2から突出するアークガイドピン12が配置されていて、出口開口の手前で再びスイッチアークを短縮する。スイッチアークが消弧要素13の中に引き込まれるとき、スイッチアークの下方の基点はアークガイドピン12の先端まで移動してそこで停止している。消弧要素13の直前のスイッチアークの位置は、
図2において符号4″で示されている。図に示すように、アークガイドピン12は、出口平面6に平行な方向において、おおよそ出口開口の下限の高さのあたりに末端がくるようになっており、スイッチアークは、下側部分が、アークガイドピンによって出口開口の隙間範囲まで短縮される。
【0027】
アークガイドピン12は、シンプルな円柱状のボルトとして構成されている。
図3に、アークガイドピン12が、ねじ付き部分14を備えたガイドプレート側端部を有し、そのねじ付き部分が、対応する雄ねじ部分を穴15に備えた第1アークガイド板8にねじ込まれていることが示されている。したがって、アークガイドピン12は、ガイドプレート8に容易に螺合することができる。その第1アークガイド板8とは反対側を向く上端において、アークガイドピン12は、スイッチアークに起因するアークガイドピン12の上端部の溶解損失を防ぐための面取り16を有する。
【0028】
図4に、
図1〜3の本発明に係るスイッチ開閉装置1の変形例を
図2に対応する側面図で示す。この実施形態では、上部の出口開口は設けられていない。第1アークガイド板8および第2アークガイド板19は、横向きの出口開口をやっとこのように囲っており、第1アークガイド板は、
図1,2の実施形態のように、出口開口の下端から間隔をあけて配置され、第2アークガイド板19は、出口開口の上端に向かって直線的に延びている。ここでも、スイッチ開閉装置の内側で引き伸ばされたスイッチアークは、消弧要素に入る入り口の手前で出口開口の隙間範囲5まで短縮される。
【0029】
図5に、アークガイドピン12の代替的な実施形態を示す。アークガイドピンの代替的な実施形態は、本発明の上述した双方の実施形態で使用可能である。
図5の代替的なアークガイドピン12は、第1アークガイド板8を横切るように延び、その自由端が第1アークガイド板に取り付けられているU字形状のブラケットである。アークガイドピン12のガイドプレート側の端部にあるブラケットの2つの自由端は、ともに、例えば、第1アークガイド板にねじ止めすることができる。ブラケットは、好ましくは、第1アークガイド板の幅の少なくとも50%を覆って第1アークガイド板を横切るように延びている。