(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では添付の図面を参照して実施例を具体的に説明する。
【0019】
添付の図面を参照して説明するとき、同一の構成要素には同一の図面符号を付し、それに関する重複説明は省略する。
【0020】
第1、第2などの用語は、構成要素を説明するために使うことができるが、これらの構成要素は前記用語に限定されず、一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的にのみ使われる。
【0021】
また、ある部分がある構成要素を「含む」とされているとき、これは、特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに具備し得るということを意味する。
【0022】
図面において、各層(膜)、領域、パターン又は構造物の厚さや大きさは、説明の明確性及び便宜のために変形され得るものであり、実際の大きさを全体的に反映するものではない。
【0023】
図1乃至
図3を参照して、基板上に有機物質を蒸着する工程を説明する。
【0024】
図1は、実施例に係る蒸着用マスク100が含まれた有機物蒸着装置を示す図である。
【0025】
有機物蒸着装置は、蒸着用マスク100、マスクフレーム200、基板300、有機物蒸着容器400及び真空チャンバー500を含むことができる。
【0026】
前記蒸着用マスク100は複数個の貫通ホールを有することができる。前記蒸着用マスク100は複数個の貫通ホールを有する金属板であってもよい。このとき、前記貫通ホールは、基板上に形成されるパターンに対応するように形成することができる。
【0027】
前記マスクフレーム200は開口部を有することができる。前記蒸着用マスク100の複数個の貫通ホールは、前記開口部に対応する領域上に配置することができる。これによって、前記有機物蒸着容器400に供給される有機物質を前記基板300上に蒸着することができる。前記蒸着用マスクは、前記マスクフレーム200上に配置して固定することができる。例えば、前記蒸着用マスクを引っ張って、前記マスクフレーム200上に溶接によって固定することができる。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、前記蒸着用マスク100は、前記蒸着用マスク100の最外側に設けられた縁部において、互いに反対の方向に引っ張ることができる。前記蒸着用マスク100は、前記蒸着用マスク100の長さ方向において、前記蒸着用マスク100の一端及び該一端とは反対の他端を相互反対方向に引っ張ることができる。前記蒸着用マスク100の一端と前記他端は互いに向かい合って平行に配置され得る。前記蒸着用マスク100の一端は、前記蒸着用マスク100の最外側に設けられた4個の縁をなす端部のいずれか一つであってよい。例えば、前記蒸着用マスク100は、0.4〜1.5kgfの力で引っ張ることができる。これによって、引っ張られた前記蒸着用マスク100を前記マスクフレーム200上に据え付けることができる。
【0029】
次に、前記蒸着用マスク100を溶接によって前記マスクフレーム200に固定することができる。その後、前記マスクフレーム200の外部に配置される前記蒸着用マスク100の一部分を切断などの方法で除去することができる。例えば、前記溶接過程で前記蒸着用マスク100が変形されることにより、前記蒸着用マスク100が前記蒸着用マスク100と前記マスクフレーム200との固定領域以外の領域に配置される場合には、前記蒸着用マスクの一部分を除去することができる。
【0030】
図1及び
図3を参照すると、前記基板300は表示装置の製造に用いられる基板であってよい。前記基板300上には、光の3原色である画素を形成するために、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のパターンを形成することができる。
【0031】
前記有機物蒸着容器400は坩堝であってよい。前記坩堝の内部には有機物質を配置することができる。
【0032】
前記真空チャンバー500内で前記坩堝に熱源及び/又は電流が供給されることにより、前記有機物質を前記基板100上に蒸着することができる。
【0033】
図3は、前記蒸着用マスク100の一つの貫通ホールを拡大した図である。
【0034】
前記蒸着用マスク100は、第1面101、及び該第1面に対向する第2面102を有することができる。
【0035】
前記蒸着用マスク100の前記第1面101は、第1面孔V1を含み、前記蒸着用マスク100の前記第2面102は第2面孔V2を含むことができる。
【0036】
前記貫通ホールは、前記第1面孔V1及び前記第2面孔V2とが連通する連結部CAによって形成することができる。
【0037】
前記第2面孔V2の幅は、前記第1面孔V1の幅より大きくすることができる。このとき、前記第1面孔V1の幅は前記第1面101で測定し、前記第2面孔V2の幅は前記第2面102で測定することができる。
【0038】
前記第1面孔V1は、前記基板300に向かって配置することができる。これによって、前記第1面孔V1が蒸着物D、すなわちパターンに対応する形状を有することができる。
【0039】
前記第2面孔V2は、前記有機物蒸着容器400に向かって配置することができる。これによって、前記第2面孔V2は、前記有機物蒸着容器400から供給される有機物質を広い幅で収容することができ、前記第2面孔V2に比べて幅の小さい前記第1面孔V1を通して前記基板300上に微細なパターンを速やかに形成することができる。
【0040】
図4及び
図5は、蒸着用マスク100の正面図である。
【0041】
前記蒸着用マスク100は複数個の貫通ホールを有することができる。
図4に示す複数個の貫通ホールは前記第2面孔V2を示したものであってよい。任意のいずれか一つの貫通ホールである基準ホールの水平方向の直径Cxと垂直方向の直径Cyを測定する場合、前記基準ホールに隣接するホール(図面では総6個)間のそれぞれの水平方向の直径Cx間の偏差と、垂直方向の直径(Cy)間の偏差は2%〜10%とすることができる。すなわち、一つの基準ホールの隣接ホール間の大きさの偏差を2%〜10%とする場合には蒸着の均一度を確保することができる。
【0042】
例えば、前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差は、4%〜9%であってよい。例えば、前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差は5%〜7%であってもよい。
【0043】
前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差が2%未満の場合には、蒸着後にOLEDパネルにおいてモアレの発生率が高くなることがある。前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差が10%を超える場合には、蒸着後のOLEDパネルにおいて色ムラの発生率が高くなることがある。
【0044】
実施例は前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差を±3μm以下とすることができる。これによって、蒸着効率を向上させることができる。
【0045】
前記貫通ホールは、方向によって、一列に配置したり互いにずれるように配置することができる。
【0046】
例えば、
図4を参照すると、前記貫通ホールは、縦軸において一列に配置し、横軸において一列に配置することができる。
【0047】
例えば、
図5を参照すると、前記貫通ホールは、縦軸において一列に配置し、横軸において互いにずれるように配置してもよい。
【0048】
前記貫通ホールは、縦方向において測定された第1直径と、横方向において測定された第2直径とが相互に対応しても異なってもよい。前記貫通ホールは、A−A’の断面方向に対応する第1対角線方向において測定された第3直径と、前記第1対角線方向と交差する第2対角線方向において測定された第4直径とが相互に対応しても異なってもよい。前記貫通ホールは、丸みをつけることができる。
【0049】
図6は、複数個の貫通ホールの断面を拡大した図である。
【0050】
図6を参照すると、蒸着用マスク100は金属物質を含むことができる。前記蒸着用マスク100は多結晶で構成され、面心立方構造であってもよい。
【0051】
例えば、前記蒸着用マスク100はニッケル合金を含むことができる。例えば、前記蒸着用マスク100は、ニッケル約35〜37重量%、鉄約63〜65重量%、及び微量のC、Si、S、P、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe、Ag、Nb、V、In、Sbのうち少なくとも一つが含まれたインバー(Invar)を含むことができる。ここでいう微量は、1重量%以下を意味することができる。詳しくは、ここで、微量は0.5重量%以下を意味してもよい。ただし、これに実施例が制限されるものではなく、様々な金属物質を含み得ることは勿論である。
【0052】
前記蒸着用マスク100は、前記第1面101上に複数の第1面孔V1を有することができる。前記第1面孔V1は、第1サブ第1面孔V1a、及び該第1サブ第1面孔V1aに隣接した第2サブ第1面孔V1bを含むことができる。
【0053】
前記蒸着用マスク100は、前記第2面102上に複数の第2面孔V2を有することができる。前記第2面孔V2は、第1サブ第2面孔V2a、及び該第1サブ第2面孔V2aに隣接した第2サブ第2面孔V2bを含むことができる。
【0054】
前記第1サブ第1面孔V1a及び前記第1サブ第2面孔V2aは、連結部CAを通じて連通して一つの貫通ホールを形成し、前記第2サブ第1面孔V1b及び前記第2サブ第2面孔V2bは連結部CAを通じて連通して他の貫通ホールを形成することができる。すなわち、前記蒸着用マスク100は複数個の貫通ホールを有することができる。
【0055】
前記蒸着用マスク100の厚さTは10μm〜50μmであってよい。例えば、前記蒸着用マスク100の厚さTは10μm〜30μmであってもよい。前記蒸着用マスク100の厚さTが10μm未満の場合には、製造効率が低いことがある。
【0056】
前記蒸着用マスク100の厚さTが50μmを超える場合には、貫通ホールを形成するための工程効率が低下することがある。ここで、前記蒸着用マスク100の厚さTは、圧延工程後に測定されたものを意味することができる。
【0057】
前記蒸着用マスク100の厚さは50μm以下であってよい。例えば、前記蒸着用マスク100の厚さは30μm以下であってもよい。
【0058】
前記蒸着用マスク100は貫通ホールの厚さ方向に沿って、異なる貫通ホールの幅を有することができる。
【0059】
例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1は前記連結部CAの幅W3より大きくてよい。詳しくは、前記第1サブ第1面孔V1aは前記第1面101から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が減少してもよい。より詳しくは、前記第1サブ第1面孔V1aは、前記第1面101から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が漸次減少してもよい。
【0060】
例えば、前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2は前記連結部CAの幅W3より大きくてよい。詳しくは、前記第1サブ第2面孔V2aは、前記第2面102から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が減少してもよい。より詳しくは、前記第1サブ第2面孔V2aは前記第2面102から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が漸次減少してもよい。
【0061】
前記貫通ホールの幅は20μm以上であってよい。
【0062】
例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1及び前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2のうちの少なくとも一つは20μm〜50μmの幅を有することができる。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1及び前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2のうちの少なくとも一つは30μm〜50μmの幅を有することができる。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1及び前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2のうちの少なくとも一つは20μm〜40μmの幅を有することができる。
【0063】
詳しくは、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1は20μm〜50μmの幅を有することができ、前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2は50μm〜90μmの幅を有することができる。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1は20μm〜50μmの幅を有することができ、前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2は60μm〜90μmの幅を有することができる。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1は30μm〜50μmの幅を有することができ、前記第1サブ第2面孔V2aの幅W2は70μm〜90μmの幅を有することができる。
【0064】
前記第1サブ第2面孔V2aの深さH2は、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1より大きくてよい。
【0065】
一方、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は、前記蒸着用マスク100の厚さTとの関係比率が1:(3〜30)であってよい。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は、前記蒸着用マスク100の厚さTとの関係比率が1:(3.5〜12.5)であってもよい。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は、前記蒸着用マスク100の厚さTとの関係比率が1:(4.5〜10.5)であってもよい。
【0066】
前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1が前記蒸着用マスク100の厚さTとの関係において前記比率を超える場合には、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1が大きくなって有機物質の厚さ変化が大きくなるため、有機物質が蒸着されない領域が発生することがある。これによって、前記蒸着用マスクを用いて製造されたOLEDパネルの製造収率が低下することがある。
【0067】
前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は、0.1μm〜7μmであってよい。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は2μm〜6.5μmであってもよい。例えば、前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1は2μm〜4.5μmであってもよい。前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1が0.1μm未満の場合には、前記蒸着用マスクを用いた有機物質の蒸着効率が低下することがある。前記第1サブ第1面孔V1aの深さH1が7μmを超える場合には、微細な大きさのパターンを形成し難く、有機物質が蒸着されない領域が発生し得るため、これを用いて製造されたOLEDパネルの製造収率が低下することがある。
【0068】
前記第1サブ第2面孔V2aの深さH2は、15μm〜25μmであってよい。例えば、前記第1サブ第2面孔V2aの深さH2は20μm〜25μmであってもよい。
【0069】
前記連結部CAの終端の任意の地点A1と前記第1サブ第2面孔V2aの終端の任意の地点B1とをつなぐ傾斜角は20°〜70°の範囲であってよい。例えば、前記連結部CAの終端の任意の地点A1と前記第1サブ第2面孔V2aの終端の任意の地点B1とをつなぐ傾斜角は30°〜60°の範囲であってもよい。例えば、前記連結部CAの終端の任意の地点A1と前記第1サブ第2面孔V2aの終端の任意の地点B1とをつなぐ傾斜角は32°〜38°又は52°〜58°の範囲であってもよい。前記連結部CAの終端の任意の地点A1と前記第1サブ第2面孔V2aの終端の任意の地点B1とをつなぐ傾斜角が20°〜70°の範囲であるとき、蒸着の均一性を向上させることができる。前記傾斜角の範囲を外れる場合には、有機物質が蒸着されない領域が発生し得るため、蒸着効率及び工程効率が低下することがある。
【0070】
前記第1面孔V1は前記蒸着用マスク100の深さ方向の連結部に向かうにつれて貫通ホールの幅が狭くなってよい。例えば、前記第1面孔V1の内表面は曲率を有する構造であってもよい。また、前記第2面孔V2も、前記蒸着用マスク100の深さ方向の連結部に向かうにつれて貫通ホールの幅が狭くなってよい。例えば、前記第1面孔V1の内表面は曲率を有する構造であってもよい。これによって、蒸着物質の投入密度を調節することができ、単純なスロープ構造に比べて蒸着の均一度を向上させることができる。
【0071】
前記第1サブ第1面孔V1aの幅W1と前記連結部CAの幅W3との差(W1−W3)は、0.2μm〜14μmの範囲であってよい。
【0072】
前記第1サブ第1面孔V1aの終端の任意の点C1から前記連結部CAの終端の任意の地点A1までの垂直距離は、0.1μm〜7μmの範囲であってよい。前記第1サブ第1面孔V1aの終端の任意の点C1から前記連結部CAの終端の任意の地点A1までの垂直距離は、1μm〜6μmの範囲であってもよい。前記第1サブ第1面孔V1aの終端の任意の点C1から前記連結部CAの終端の任意の地点A1までの垂直距離は、2μm〜4.5μmの範囲であってもよい。
【0073】
前記垂直距離が0.1μm未満の場合には、前記蒸着用マスク100を用いた有機物質の蒸着効率が低下することがある。前記垂直距離が7μmを超える場合には、微細な大きさのパターンを形成し難く、有機物質が蒸着されない領域が発生し得るため、これを用いて製造されたOLEDパネルの製造収率が低下することがある。
【0074】
前記第1面孔V1は、前記第1面101上のオープン領域の縁部、すなわち、オープン領域の外周部が曲率を有することができる。または、前記第2面孔V2は、前記第2面102上のオープン領域の縁部、すなわち、オープン領域の外周部が曲率を有することができる。例えば、前記オープン領域の縁部は、一定の範囲の曲率を有する丸み付き構造であってよい。前記縁部の丸み付き部分の曲率を延長して形成される仮想の円の直径は、5μm〜20μm範囲であってよい。例えば、前記縁部の丸み付き部分の曲率を延長して形成される仮想の円の直径は、7μm〜15μm範囲であってもよい。前記縁部の丸み付き部分の曲率を延長して形成される仮想の円の直径は、8μm〜12μm範囲であってもよい。前記範囲において蒸着率が高く、均一な有機物質の蒸着が可能となり得る。
【0075】
前記縁部の丸み付き部分の曲率を延長して形成される仮想の円の直径が5μm未満の場合には、曲率処理をしないものと蒸着率に大差がない。前記縁部の丸み付き部分の曲率を延長して形成される仮想の円の直径が20μmを超える場合には蒸着率が低下することがある。
【0076】
前記第2サブ第2面孔V2bの幅W5は、前記第2サブ第1面孔V1bの幅W4より大きくてよい。例えば、前記第2サブ第1面孔V1bの幅W4は前記連結部CAの幅W6より大きくてよい。詳しくは、前記第2サブ第1面孔V1bは前記第1面101から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が減少してもよい。より詳しくは、前記第2サブ第1面孔V1bは前記第1面101から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が漸次減少してもよい。
【0077】
例えば、前記第2サブ第2面孔V2bの幅W5は前記連結部CAの幅W6より大きくてよい。詳しくは、前記第2サブ第2面孔V2bは、前記第2面102から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が減少してもよい。より詳しくは、前記第2サブ第2面孔V2bは、前記第2面102から前記連結部CAに向かうにつれて前記貫通ホールの幅が漸次減少してもよい。
【0078】
前記第2サブ第2面孔V2bの深さH4は、前記第2サブ第1面孔V1bの深さH3より大きくてよい。
【0079】
図7及び
図8を参照すると、前記蒸着用マスク100は、複数個の貫通ホールH及び該複数個の貫通ホール間のブリッジBRを有する有効領域AAと、該有効領域の外周に配置される非有効領域UAとを含むことができる。
【0080】
前記有効領域AAは、複数個の貫通ホールのうち、最外側に位置している貫通ホールの外側を連結した時の内側領域であってよい。前記非有効領域UAは、複数個の貫通ホールのうち、最外側に位置している貫通ホールの外側を連結した時の外側の領域であってよい。詳しくは、複数個の貫通ホールHのうち、最外側に位置している第2面孔の終端は、前記有効領域AAと前記非有効領域UAとの境界になり得る。
【0081】
前記有効領域AAは、最外側に位置している第2面孔V2の終端の地点を基準にして内側領域、すなわち、蒸着物質が投入される第2面孔V2が配置される領域を意味する。一方、最外側に位置している第2面孔V2の終端を基準にして外側領域、すなわち、蒸着に関与しない領域を非有効領域UAと定義する。
【0082】
前記有効領域AAに配置される蒸着用マスク100は、複数個の貫通ホールを支持することができる。すなわち、前記複数個の貫通ホールの間にはブリッジが配置され得る。詳しくは、隣接した貫通ホールの間には前記ブリッジが配置され得る。蒸着用マスク100の第1面上に位置している第1ブリッジ部と金属板の第2面上に位置している第2ブリッジ部によって均一な大きさの貫通ホールが支持され得る。
【0083】
また、前記有効領域AAに配置される蒸着用マスク100は、前記有機物質の蒸着工程において、前記有機物蒸着容器から供給される有機物質が前記基板上に一定の範囲のパターンの幅で蒸着され得るようにする、蒸着に関与する領域(蒸着領域)であってよい。
【0084】
前記非有効領域UAに配置される蒸着用マスク100は、オープン部を含まない非エッチング領域であってよい。すなわち、前記非有効領域UAに配置される蒸着用マスク100は、前記有機物質の蒸着工程において、有機物質を通過させ得るオープン領域を含まないので、蒸着に関与しない領域(非蒸着領域)であり得る。
【0085】
前記非有効領域UAは、第1ハーフエッチング部E及び第2ハーフエッチング部Eを含むことができる。
【0086】
図7を参照すると、前記第1及び第2ハーフエッチング部Eは、金属板の第1面に溝を含むことができる。すなわち、前記第1及び第2ハーフエッチング部Eは、非有効領域UAに位置した蒸着用マスク100の前記第1面が部分的にエッチングされることによって溝が形成され得る。これによって、蒸着用マスクは前記第1及び第2ハーフエッチング部Eが形成される領域において段差を有することができる。
【0087】
蒸着用マスクは非有効領域UAにおいて異なる厚さを有することができる。エッチングされていない部分の厚さTは、前記ハーフエッチング部Eが配置される領域の厚さより大きくてよい。例えば、前記ハーフエッチング部Eが配置される領域は、エッチングされていない部分で測定された厚さTの約1/2の厚さを有することができる。
【0088】
前記ハーフエッチング部E及び/又は前記ハーフエッチング部Eの周辺領域は、前記マスクフレームと溶接によって連結される領域であってよい。例えば、前記ハーフエッチング部E及び/又は前記ハーフエッチング部Eの周辺領域は溶接によって変形されることにより、前記マスクフレーム200に固定され得る。詳しくは、前記ハーフエッチング部Eの溝には、全体的に又は部分的に溶接物質を埋めることができる。
【0089】
図8を参照すると、前記非有効領域UAに配置される蒸着用マスク100は、両端が水平方向に引っ張られ、マスクフレーム上に固定され得る。より詳しくは、前記非有効領域UAに配置される蒸着用マスクの一端及び他端は、y軸方向と平行に配置され、前記一端及び他端は、y軸方向と垂直なx軸方向、すなわち水平方向に引っ張られ得る。
【0090】
前記非有効領域UAに配置される前記ハーフエッチング部Eは、部分的に又は全体的に丸みをつけた形状を有することができる。例えば、前記非有効領域UAに配置される前記ハーフエッチング部Eは、弧状を有することができる。すなわち、前記ハーフエッチング部Eは直線形状及び曲線形状を有することができる。詳しくは、前記ハーフエッチング部Eは、蒸着用マスクの垂直方向に延長された直線部、及び該直線部の両端をつなぐ曲線部を含むことができる。このとき、前記直線部は、前記蒸着用マスクx軸方向の縁をなす端部と垂直な角度を有することができる。前記直線部は複数個の貫通ホールを横切る長さを有することができる。前記直線部は、有効領域と非有効領域との境界に位置している第2面孔の終端をつなぐ垂直方向の仮想の線と平行であってもよい。一方、前記曲線部は均等な曲率を有することができる。または、前記曲線部は位置によって異なる曲率を有してもよい。例えば、蒸着用マスクの垂直方向の長さをcとするとき、前記曲線部は1/2c長の地点に近づくにつれて曲率半径が増加してもよい。ただし、実施例はこれに制限されず、長方形のハーフエッチング部を含んでもよいことは勿論である。
【0091】
図6、
図7及び
図9を参照すると、実施例に係る蒸着用マスクは、前記有効領域AAと前記非有効領域UAにおける蒸着用マスク100の段差が小さくなっている。
【0092】
下記の式1によって計算されたk値は、前記非有効領域UA、すなわちエッチングされていない領域における蒸着用マスク100の厚さと、前記有効領域AA、すなわちエッチングされている領域における蒸着用マスク100の厚さとの差の比を表すことができる。
【0094】
前記の式において、前記Tは、前記非有効領域UAで測定された蒸着用マスク100の厚さTである。ここで、前記Tは、エッチングされていない部分で測定されたものを意味することができる。すなわち、ハーフエッチング部が形成されていない領域で測定されたものである。
【0095】
前記H1は、前記複数個の貫通ホールのうち、隣接した2つの貫通ホール間のブリッジの厚さが最大である地点において、前記連結部を基準に前記第1面方向への厚さであり、前記H2は、前記隣接した2つの貫通ホール間のブリッジの厚さが最大である地点において、前記連結部を基準に前記第2面方向への厚さである。
【0096】
前記式1のH1及びH2は、前記複数個の貫通ホールのうち、対角線方向に隣接した2つの貫通ホール間のブリッジで測定した厚さである。
【0097】
例えば、前記H2は、任意のブリッジの厚さが最大である地点で測定された、前記連結部CAから、前記第2面孔V2が配置された前記第2面102までの最短距離を意味するものであり、前記最短距離は基板の厚さ方向において測定することができる。
【0098】
実施例に係る蒸着用マスクは、前記式1によって計算されたk値が0.65〜1未満であってよい。
【0099】
実施例に係る蒸着用マスクは、前記式1によって計算されたk値が0.8〜1.0未満であってもよい。
【0100】
すなわち、エッチングされていない領域で測定された蒸着用マスクの厚さとエッチングされている領域で貫通ホールを連結及び支持する蒸着用マスクの厚さとの差が小さいか、又は段差がなくて済むので、蒸着用マスクを引っ張る時、前記エッチングされている領域で蒸着用マスクの捩れを防止することができる。また、実施例に係る蒸着用マスクは、エッチング工程においてエッチングを防止するフォトレジスト層又は感光性フィルムレジスト層が脱膜することを防止できるので、エッチングの均一性が向上し、貫通ホールの均一性を向上させることができる。実施例は、前記基準ホールと前記隣接ホールとの大きさの偏差を±3μm以下にすることができ、蒸着効率を向上させることができる。
【0101】
前記式1によって計算されたk値が0.65未満の場合には、前記非有効領域UA、すなわちエッチングされていない領域で測定された蒸着用マスクの厚さと、前記有効領域AA、すなわちエッチングされている領域で貫通ホールを連結及び支持する蒸着用マスクの厚さとの差が大きいため、蒸着用マスクを引っ張る時、前記エッチングされている領域で蒸着用マスクの捩れが発生することがある。
【0102】
図10を参照して、H2値が小さい時における問題点を説明する。前記H2値が小さくてk値が小さくなる場合には、エッチング工程においてエッチングを防止するフォトレジスト層又は感光性フィルムレジスト層が脱膜することがある。また、エッチングの均一性が低下することにより、貫通ホールの均一性が低下することがある。複数個の貫通ホールが均一でない場合、蒸着の均一性が低下することがあり、その結果、形成されるパターンの蒸着効率が低下し、工程効率が低下することがある。
【0103】
図7及び
図8を参照して、捩れ指数を説明する。蒸着用マスクを長さ方向、すなわち、水平方向に引っ張った時、前記蒸着用マスクが捩れる程度を、下記式2による捩れ指数αで表現することができる。
【0105】
前記捩れ指数αは、金属板を0.7kgfの力で前記長さ方向に引っ張った際に測定されたものである。
【0106】
前記式2において、
前記d1は、前記第1ハーフエッチング部と該第1ハーフエッチング部に隣接した有効領域との間の非有効領域において測定された金属板の幅であり、
前記d2は、前記第2ハーフエッチング部と該第2ハーフエッチング部に隣接した有効領域との間の非有効領域において測定された金属板の幅であり、
前記Bは、前記有効領域の中間地点で測定された金属板の幅である。
【0107】
前記有効領域と前記非有効領域は、垂直方向において第1境界領域BA1と第2境界領域BA2によって区別することができる。前記第1境界領域BA1と前記第2境界領域BA2との間には複数個の貫通ホールとブリッジを含むことができる。
【0108】
前記非有効領域UAには複数個のハーフエッチング部Eを含むことができる。例えば、前記非有効領域UAには第1及び第2ハーフエッチング部Eを含むことができる。前記第1ハーフエッチング部に隣接した有効領域は前記第1境界領域BA1であってよい。前記第2ハーフエッチング部に隣接した有効領域は前記第2境界領域BA2であってよい。
【0109】
詳しくは、前記第1境界領域BA1に隣接した非有効領域UAには一つのハーフエッチング部Eである第1ハーフエッチング部を配置することができる。前記第2境界領域BA2に隣接した非有効領域UAには、他のハーフエッチング部Eである第2ハーフエッチング部を配置することができる。このとき、ハーフエッチング部Eの曲線部は、それぞれ引っ張られる水平方向に突出した形状であってよい。これによって、前記ハーフエッチング部Eは、引張時に加えられる応力を分散させることができる。
【0110】
前記第1境界領域BA1に隣接したハーフエッチング部Eの一側面は、第3境界領域BA3と定義することができる。前記第2境界領域BA2に隣接したハーフエッチング部Eの一側面は、第4境界領域BA4と定義することができる。
【0111】
すなわち、金属板は、前記第1境界領域BA1、前記第2境界領域BA2を基準に、貫通ホールによって厚さ変化が発生し得る。また、金属板は、前記第3境界領域BA3、前記第4境界領域BA4を基準に、溝によって厚さ変化が発生し得る。詳しくは、前記第1境界領域BA1、前記第2境界領域BA2、前記第3境界領域BA3、前記第4境界領域BA4は、エッチングによって厚さ変化が発生する地点の境界を表す領域であってよい。
【0112】
前記式2において、前記d1は、前記第1ハーフエッチング部と該第1ハーフエッチング部に隣接した有効領域との間の非有効領域において測定された金属板の幅であり、前記d2は、前記第2ハーフエッチング部と該第2ハーフエッチング部に隣接した有効領域との間の非有効領域において測定された金属板の幅である。
【0113】
すなわち、前記d1及び前記d2は、非有効領域UAに位置したハーフエッチング部の直線部と、有効領域及び非有効領域間の境界に位置した第2面孔との間の1/2地点で測定された垂直方向の蒸着用マスクの長さである。
【0114】
前記Bは、前記有効領域の中間地点で測定された金属板の幅である。すなわち、前記Bは、d1の測定地点とd2の測定地点との間の1/2地点で測定された垂直方向の蒸着用マスクの長さである。
【0115】
実施例に係る蒸着用マスクは、前記式2によって計算された捩れ指数αが0.85〜1.15であるものを含むことができる。例えば、実施例は、前記式2によって計算された捩れ指数αが0.9〜1.1のものを含むことができる。
【0116】
実施例は、前記捩れ指数αが0.85〜1.15のものを含むので、引張による力が均等に分散され得る。また、実施例に係る蒸着用マスクは、位置による垂直方向の長さ差が減少し得る。これによって、実施例に係る蒸着用マスクは、前記有効領域AAと前記非有効領域UAにおける金属板の幅の差が小さくて済み、貫通ホールの捩れが減少し得る。
【0117】
前記捩れ指数αが0.85未満である又は1.15を超える場合には、前記貫通ホールを支持する有効領域AAに配置される蒸着用マスクの捩れが増加することがある。これによって、前記蒸着用マスクによって形成されるパターンは、蒸着効率が低下することがある。また、前記蒸着用マスクによって形成されるパターンは互いに重なる部分が発生することがあり、OLEDパターンの製造収率が低下することがある。
【0118】
前記有効領域AAに配置される蒸着用マスク100は、前記非有効領域UAに配置される蒸着用マスク100と一体に形成されたものであってよい。
【0119】
前記有効領域AAに配置される蒸着用マスクは、複数個の貫通ホールを支持するブリッジを含むことができる。
【0120】
前記ブリッジは、前記金属板の前記第1面101上の前記第1面孔V1の間を支持する第1ブリッジ部BR1、及び前記金属板の前記第2面102上の前記第2面孔V2の間を支持する第2ブリッジ部BR2を含むことができる。
【0121】
前記第1ブリッジBR1と前記第2ブリッジBR2は、互いに異なる幅を有することができる。前記第1面における前記第1ブリッジ部BR1の幅は、前記第2面における前記第2ブリッジ部BR2の幅より大きくてよい。ここで、前記第1ブリッジ部BR1の幅は前記第1面で測定されたものであり、前記第2ブリッジ部BR2の幅は前記第2面で測定されたものでよい。詳しくは、前記第1ブリッジ部BR1の幅は、隣接した貫通ホールの間を支持するそれぞれの前記第1ブリッジ部BR1の平均幅を意味することができる。前記第2ブリッジ部BR2の幅は、隣接した貫通ホールの間を支持するそれぞれの前記第2ブリッジ部BR2の平均幅を意味することができる。
【0122】
前記第1ブリッジ部BR1及び前記第2ブリッジ部BR2は、蒸着用マスクの厚さによって幅が変わり得る。したがって、下記の厚さは例示に過ぎず、これに制限されない。
【0123】
一例として、前記第1ブリッジ部BR1の幅は、20μm〜50μmであってよい。例えば、前記第1ブリッジ部BR1の幅は30μm〜45μmであってもよい。例えば、前記第1ブリッジ部BR1の幅は30μm〜40μmであってもよい。
【0124】
一例として、前記第2ブリッジ部BR2の幅は、0.5μm〜7μmであってよい。例えば、前記第2ブリッジ部BR2の幅は1μm〜5μmであってもよい。例えば、前記第2ブリッジ部BR2の幅は1μm〜3μmであってもよい。
【0125】
前記第1ブリッジ部BR1及び前記第2ブリッジ部BR2は、平面積が互いに異なり得る。例えば、前記第1ブリッジ部BR1は前記第2ブリッジ部BR2に比べて、平面積が大きくてもよい。
【0126】
前記第1ブリッジ部BR1は平面領域であってよい。また、前記第2ブリッジ部BR2も平面領域であってよい。前記第1ブリッジ部BR1及び前記第2ブリッジ部BR2が平面であり得るので、エッチング工程においてエッチングを防止するフォトレジスト層又は感光性フィルムレジスト層の付着力を高めることができ、均一性の向上した貫通ホールを形成することができる。
【0127】
前記有効領域AAで測定された前記蒸着用マスク100の第1面の深さは、前記非有効領域UAで測定された前記蒸着用マスク100の第1面の深さに対応し、前記有効領域AAで測定された前記蒸着用マスク100の前記第2面の深さは、前記非有効領域UAで測定された前記蒸着用マスク100の第2面の深さに対応するものでよい。
【0128】
または、前記有効領域AAで測定された前記蒸着用マスク100の第1面の深さと非有効領域UAで測定された前記蒸着用マスク100の第1面の深さとの偏差は、前記有効領域AAで測定された前記蒸着用マスク100の第2面の深さと前記非有効領域UAで測定された前記蒸着用マスク100の第2面の深さとの偏差より小さくてもよい。前記蒸着用マスク100の第2面は前記第2面孔V2が形成される面であり、前記第1面に比べてエッチング面積が大きいため、前記第1面に比べて深さ偏差が大きくなり得る。
【0129】
すなわち、前記第1ブリッジ部BR1における前記第1面101は、前記非有効領域UAにおける前記第1面101に対応する深さを有することができる。これによって、引張による捩れを減少させることができる。
【0130】
または、前記第1ブリッジ部BR1における前記第1面101は、前記非有効領域UAにおける前記第1面101と異なる深さを有してもよい。このとき、前記第1ブリッジ部BR1における前記第1面101は、前記非有効領域UAにおける前記第1面101と向かい合いつつ相互平行に配置され得る。これによって、引張による捩れを減少させることができる。
【0131】
一例として、前記第1ブリッジ部BR1における前記第1面101は、前記非有効領域UAにおける前記第1面101と5μm未満の深さ差を有することができる。ただし、当該数値は、深さ差が0μmのものを含み、蒸着用マスクの厚さによって変わり得るので、それに制限されない。
【0132】
前記第2ブリッジ部BR2における前記第2面102は、前記非有効領域UAにおける前記第2面102に対応する深さを有することができる。これによって、引張による捩れを減少させることができる。
【0133】
または、前記第2ブリッジ部BR2における前記第2面102は、前記非有効領域UAにおける前記第2面102と異なる深さを有してもよい。このとき、前記第2ブリッジ部BR2における前記第2面102は、前記非有効領域UAにおける前記第2面102と向かい合いつつ相互平行に配置され得る。これによって、引張による捩れを減少させることができる。
【0134】
一例として、前記第2ブリッジ部BR2における前記第2面102は、前記非有効領域UAにおける前記第2面102と5μm未満の深さ差を有することができる。ただし、当該数値は、深さ差が0μmのものを含み、蒸着用マスクの厚さによって変わり得るので、それに制限されない。
【0135】
すなわち、実施例に係る蒸着用マスクは、引張による捩れが小さい構造を有し得るので、均一な貫通ホールを形成することができ、よって、実施例に係る蒸着用マスクで作製したOLEDパネルは、パターンの蒸着効率に優れ、且つ蒸着均一性が向上し得る。
【0136】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は本発明をさらに詳しく説明するために例示として提示したものに過ぎない。したがって、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0137】
<実験例1:k値による貫通ホールの均一性評価>
【表1】
【0138】
前記の表1は、k値による貫通ホールの均一性評価結果を示したものである。
【0139】
基準ホールと隣接したホールとの大きさ偏差が±3μmを超えるとき、不良と表示し、基準ホールと隣接したホールとの大きさ偏差が±3μm以下であるとき、良好と表示した。
【0140】
前記表1を参照すると、k値が0.65以上のとき、貫通ホールの均一性が増加することが分かる。これによって、実施例に係る蒸着用マスクを用いて製造される有機物質パターンの蒸着効率が向上することが分かる。
【0141】
一方、k値が0.65未満のとき、貫通ホールの均一性が減少するため、これを用いて製造される有機物質パターンは互いに大きさが異なることがあり、OLEDパネルの製造収率が低下することがある。
【0142】
<実験例2:k値による引張時の捩れ評価>
【表2】
【0143】
前記の表2は、k値による引張時の蒸着用マスクの捩れの評価結果を示したものである。
【0144】
この時、k値は、蒸着用マスク試験片を0.7kgfで引っ張って、捩れを測定したものである。
【0145】
前記蒸着用マスクの捩れによって、基板上に配置される有機物質間に重なりが発生したり、R、G、Bパターンの幅の偏差が不規則な場合、不良と表示し、基板上に配置される有機物質間に重なりが発生しなく、R、G、Bパターンの幅の偏差が規則的な場合、良好と表示した。
【0146】
前記の表2を参照すると、k値が0.8以上のとき、引張時に蒸着用マスクの捩れが減少し得るので、基板上に形成されるパターン層が重なり合うことを防止することができる。
【0147】
また、
図11を参照すると、k値が0.8以上である実施例に係る蒸着用マスクは、R、G、Bパターンが重ならず、R、G、Bパターン間の幅の偏差が規則的であることが分かる。これによって、OLEDパネルの製造収率を向上させることができる。
【0148】
一方、k値が0.8未満のとき、引張時に蒸着用マスクの捩れが増加することがあり、これによって、基板上に形成されるパターン層が重なり合うことがある。
【0149】
図12を参照すると、k値が0.8未満である比較例に係る蒸着用マスクは、R、G、Bパターン間に重なりが発生し、OLEDパネルの製造収率が低下することがある。
【0150】
すなわち、実施例に係る蒸着用マスクは、k値が0.8以上のとき、貫通ホールの均一性が向上すると同時に、引張時に捩れを防止することができる。したがって、前記蒸着用マスクを用いて製造されるOLEDパネルの蒸着効率及び工程効率を向上させることができる。
【0151】
上述した実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例に限定されるわけではない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関連する内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【0152】
また、以上では実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形及び応用が可能であることが分かるだろう。例えば、実施例に具体的に表された各構成要素は、変形して実施できるものである。そして、このような変形及び応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきであろう。