(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682013
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】車速算出方法と装置、及び車速算出装置を備えた運転者の状態監視システム
(51)【国際特許分類】
G01P 1/07 20060101AFI20200406BHJP
B60W 40/105 20120101ALI20200406BHJP
【FI】
G01P1/07 B
B60W40/105
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-555484(P2018-555484)
(86)(22)【出願日】2016年8月18日
(65)【公表番号】特表2019-515268(P2019-515268A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】KR2016009094
(87)【国際公開番号】WO2018034365
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2018年10月22日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0103416
(32)【優先日】2016年8月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518360737
【氏名又は名称】エムテクビジョン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ハン−ノ
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−194034(JP,A)
【文献】
特開2014−113904(JP,A)
【文献】
特開2009−98997(JP,A)
【文献】
特開2002−333452(JP,A)
【文献】
特開2013−88208(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/004675(WO,A1)
【文献】
中国実用新案第202229766(CN,U)
【文献】
特許第3557888(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P3
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車速算出装置において、
GPS信号出力装置と矩形波パルス信号出力装置のいずれか1つである原始データ生成装置が入力ソケットに接続されて入力する原始データをUARTポートとGPIOポートの2つのポートを介して各々出力する信号入力部と;
上記信号入力部より上記UARTポートと上記GPIOポートを介して各々提供された2つの形態の原始データ各々に対する有効性検査を実施して、いずれか1つの原始データを有効な原始データであると判別した後、上記有効な原始データに対応するように生成した信号タイプ情報と上記有効な原始データを出力する信号判別部と;
上記信号タイプ情報と上記有効な原始データを入力され、上記信号タイプ情報に合致するように、予め指定された処理方法に応じて上記有効な原始データを処理して算出した車両速度に対応する車両速度情報を生成する車速算出部と、
を含む車速算出装置。
【請求項2】
上記GPS信号出力装置は、原始データにGPS信号を出力する測位器であり、上記矩形波パルス信号出力装置は、原始データに矩形波パルス信号を出力する車両速度センサーであることを特徴とする請求項1に記載の車速算出装置。
【請求項3】
上記信号判別部は、上記UARTポートを介して入力された原始データについては、NMEA規格に基づいてチェックサムをチェックする有効性検査を実施し、上記GPIOポートを介して入力された原始データに対しては、パルス間隔と隣接しているパルス間隔との差を一定時間の間に測定する有効性検査を実施することを特徴とする請求項2に記載の車速算出装置。
【請求項4】
上記信号判別部は、上記UARTポートと上記GPIOポートを介して各々入力された原始データに対する有効性検査によって入力された原始データのすべてが無効信号であると判別されると、上記信号タイプ情報と、有効な原始データの出力を省略することを特徴とする請求項3に記載の車速算出装置。
【請求項5】
上記信号判別部は、予め指定された条件を満たしている場合にのみ、上記2つの原始データに対する有効性検査を実施し、
上記予め指定された条件は、上記入力ソケットに原始データ生成装置が接続解除されてから、再接続されたと検知された場合、及び車両が始動オフの状態から始動オンに切り替えられた場合のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項2に記載の車速算出装置。
【請求項6】
上記有効な原始データを他の電子装置に提供するための伝達ユニットを更に含み、
上記伝達ユニットは、
上記有効な原始データを上記他の電子装置に出力するための伝達用UARTポートと;
GPIOポートを介して提供された原始データが有効な原始データであると判別された場合、上記有効な原始データをGPS信号規格でエンコードして上記伝達用UARTポートに提供するNMEAエンコーダと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の車速算出装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車速算出装置を含む運転者の状態監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車速算出方法と装置、及び車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
韓国登録特許第10−0412691号公報に開示されているように、最近の画像処理技術と音声認識技術などを活用して、車両の運転者が居眠り運転をしているか否かを検知し、警告音送出等で車両の運転者の注意を喚起させるだけでなく、能動的に緊急状況に対処できるようにする運転者の状態監視装置が多様に開発されてきている。
【0003】
しかし、このような運転者の状態監視装置に備えられた運転者の眠気や不注意を警告する機能は、車両が走行中である場合には、意味があるが、車両が停車した状態では、むしろ運転者の意図された行為を妨害して不快感を招くこともある。
【0004】
したがって、車両の走行や停車の可否が判断され、これをもとに眠気及び不注意の警告機能が適切に運用される必要があるにも関わらず、従来の運転者の状態監視装置は、車両の走行状況とは無関係に警告機能が行われるという限界があった。
【0005】
車両の走行や停車の可否を判断するために、一例として、車両の速度情報を活用することができる。車両の速度情報を算出するための原始データ(Raw Data)は、例えば、車両のOBD(On−Board Diagnostics)端子を介して取得されたり、車両に装着されたGPSモジュールから提供されたり、車両の変速機に装着されたホールセンサなどの車両速度センサーから取得することができる。
【0006】
つまり、OBD端子を介して原始データが取得されると、車速算出装置は、予めインストールされたプログラムを駆動して獲得した原始データを分析し、車両の速度情報を算出する。このとき、車速算出装置には、CANインタフェースが備えられていなければならない。
【0007】
また、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter、汎用非同期送受信機)の通信方式で、車速算出装置がGPSモジュールからの原始データを提供されて、車両の速度情報を算出することもできる。
【0008】
また、車速算出装置は、車両速度センサからGPIO(汎用入出力ポート)を介して原始データを取得し、車両の速度情報を算出することもできる。
【0009】
しかし、従来の車速算出装置は、車両速度の算出が可能なように、様々な原始データ生成装置(例えば、GPSモジュール、車両速度センサ等)から各々提供される様々な形式の原始データを入力されて処理する汎用の装置として具現されず、いずれかの原始データ生成装置のみに限定的に適合するように各々製作及び販売されている。
【0010】
これは、製品の生産、在庫、及び流通管理に困難を生じさせるだけではなく、車両に備えられた原始データ生成装置が異なるタイプに取り替えられる場合には、これを満たすように車速算出装置も取り替える必要があるという問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0412691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、様々な種類の原始データ生成装置と接続されて駆動され得る汎用の車速算出装置を具現することにより、車両速度の算出のために、様々な形式の原始データ(つまり、NMEA規格のGPS信号、車両速度センサーからの矩形波パルス信号など)を制限なく利用できるようにして、車速算出装置に接続された原始データ生成装置が、任意の形式の原始データを入力するかどうか自動判別して処理することのできる車速算出方法と装置、及び車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、汎用の車速算出装置を具現することにより、原始データ生成装置の取替えに関係なく、同じ車速算出装置を継続的に使用することができ、製品の生産、在庫、及び流通管理に便宜を図ることができる車速算出方法と装置、及び車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、車速算出装置で算出された車両速度情報を車両に備えられた様々な電子装置に有無線通信方式で提供して、指定された目的に応じて活用できるようにする車速算出方法と装置、及び車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムを提供することにある。
【0015】
本発明の以外の目的は、下記の説明に基づいて容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一側面によると、車速算出装置において、入力ソケットに接続された原始データ生成装置から入力される原始データをUARTポートとGPIOポートを介して各々提供され、UARTポートとGPIOポートを介して各々提供された2種類の原始データに対する有効性検査を実施して、いずれか1つの原始データを有効な原始データであると判別した後、上記有効な原始データに対応するように生成した信号タイプ情報と上記有効な原始データを出力する信号判別部と;上記信号タイプ情報と上記有効な原始データを入力され、上記信号タイプ情報に合致するように、予め指定された処理方法に応じて上記有効な原始データを処理して算出した車両速度に対応する車両速度情報を生成する車速算出部と、含む車速算出装置が提供される。
【0017】
上記原始データ生成装置は、原始データでGPS信号を出力する測位器または原始データで矩形波パルス信号を出力する車両速度センサであることができる。
【0018】
上記信号判別部は、上記UARTポートを介して入力された原始データについては、NMEA規格に基づいてチェックサムをチェックする有効性検査を実施し、上記GPIOポートを介して入力された原始データに対しては、パルス間隔と隣接しているパルス間隔との差を一定時間の間に測定する有効性検査を実施することができる。
【0019】
上記信号判別部は、上記UARTポートと上記GPIOポートを介して各々入力された原始データに対する有効性検査によって入力された原始データのすべてが無効信号であると判別されると、上記信号タイプ情報と、有効な原始データの出力を省略することができる。
【0020】
上記信号判別部は、予め指定された条件を満たしている場合にのみ、上記2つの原始データに対する有効性検査を実施し、上記予め指定された条件は、上記入力ソケットに原始データ生成装置が接続解除されてから、再び接続されたと検知された場合、及び車両が始動オフの状態から始動オンに切り替えられた場合のいずれか1つ以上を含むことができる。
【0021】
上記有効な原始データを他の電子装置に提供するための伝達ユニットを更に含み、上記伝達ユニットは、上記有効な原始データを上記他の電子装置に出力するためのUARTポートと;GPIOポートを介して提供された原始データが有効な原始データであると判別された場合、上記有効な原始データをGPS信号規格でエンコードして上記UARTポートに提供するNMEAエンコーダと、を含むことができる。
【0022】
本発明の他の側面によると、前述した車速算出装置を含む運転者の状態監視システムが提供される。
【0023】
上記以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によると、様々な種類の原始データ生成装置と接続されて駆動され得る汎用の車速算出装置を具現することにより、車両速度の算出のために、様々な形式の原始データ(つまり、NMEA規格のGPS信号、車両速度センサからの矩形波パルス信号など)を制限なく利用できるようにするという効果がある。
【0025】
また、汎用の車速算出装置が接続された原始データ生成装置からどのような形式の原始データを入力するか自動判別して処理することができるという効果もある。
【0026】
また、汎用の車速算出装置を具現することにより、原始データ生成装置の取替えに関係なく、同じ車速算出装置を継続的に使用することができ、製品の生産、在庫、流通管理に便宜を図ることができるという効果もある。
【0027】
また、車速算出装置で算出された車両速度情報を車両に備えられた様々な電子装置に有無線通信方式で提供して、指定された目的に応じて活用できるようにするという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例に係る車速算出装置の構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムの構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る車速算出方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、様々な変換を加えることができ、複数の実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本発明を特定の実施例について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0030】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書において、“含む”又は“持つ”などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在していることを指定しようとするだけであり、一つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除するわけではないと理解されるべきである。
【0031】
また、各図面を参照して説明する実施例の構成要素は、当該実施例のみに限定的に適用されるものではなく、本発明の技術的思想が維持される範囲内で他の実施例に含まれるように具現することができ、また、別の説明が省略されても、複数の実施例が纏められた一つの実施例で再具現できることも当然なことである。
【0032】
また、添付の図面を参照して説明するに際して、図面符号に関係なく、同じ構成要素は、同じか関連する参照符号を付し、これに関する重複する説明は、省略することにする。本発明を説明するに際して、関連する公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0033】
図1は、本発明の一実施例に係る車速算出装置の構成を示した図である。
【0034】
図1を参照すると、車速算出装置100は、入力ソケット105と主処理ユニット110と、を含むことができる。
【0035】
入力ソケット105は、原始データを入力されるために、原始データ生成装置130の原始データ出力用のプラグに結合される。
【0036】
入力ソケット105は、例えば、イヤホンコネクタソケットの形状に形成されることができ、GPSモジュールを含む測位器132と車両速度センサであって、例えば、ホールセンサであるセンサ134のいずれか1つ(以下、原始データ生成装置130と称する)の原始データ出力用のプラグに結合される。入力ソケット105と原始データ出力用のプラグが結合されることで、接地(GND)端子も相互接続される。
【0037】
また、入力ソケット105は、原始データ出力用のプラグとの結合によって、原始データ生成装置130から入力される原始データを、後述する信号入力部114のUARTポートとGPIOポート(General Purpose Input/Output、多目的入出力ポート)とに分配して各々入力するように構成される。
【0038】
主処理ユニット110は、接続検知部112、信号入力部114、信号判別部116及び車速算出部118を含むことができる。
【0039】
接続検知部112は、入力ソケット105とGND端子とが接続された状態に保持され、入力ソケット105に原始データ出力用のプラグが結合されているかどうかをGPIOポートのGPIO電圧レベルによって検知し、結合されている場合は、接続通知(Con_Noti)を信号判別部116に提供する。
【0040】
例えば、原始データ出力用のプラグが入力ソケット105に結合されて相互間の接地端子が接続されると、接続検知部112のGPIO電圧レベルがハイ(High)レベルからGND電圧レベルに低下し、接続検知部112は、これにより、入力ソケット105に原始データ出力用のプラグが結合されていることを検知することができる。
【0041】
しかし、もし接続検知部112のGPIO電圧レベルがハイ(High)レベルの状態に保持されると、GNDラインがオープン(open)された状態であるため、入力ソケット105に原始データ出力用のプラグが結合されていないことを検知するすることができる。この場合は、接続検知部112は、信号判別部116に接続解除通知を提供することもできる。
【0042】
信号入力部114は、UARTポートとGPIOポートとを備え、入力ソケット105からの原始データ生成装置130から入力される原始データをUARTポートとGPIOポートを介して各々提供される。
【0043】
信号入力部114は、UARTポートとGPIOポートに各々入力された原始データのうち、どのような経路を介して入力された原始データが有効な原始データであるかを判別して利用できるようにするために、UARTポートとGPIOポートを介して入力されるおの各々の原始データを信号判別部116に伝達する。
【0044】
入力ソケット105には、前述したように、UARTポートを介して入出力されるべきGPS信号を出力する測位器132とGPIOポートを介して入出力されるべき矩形波パルス信号を出力するセンサ134のいずれか1つが原始データ生成装置130として結合される。
【0045】
ただし、入力ソケット105にどのような種類の原始データ生成装置130が結合されているかは、後述する信号判別部116で判別されるので、入力ソケット105から信号判別部116までの区間では、入力された原始データがUARTポートとGPIOポートの両方を介して各々入出力されるように処理される。以後、信号判別部116は、測位器132とセンサー134のいずれか1つを入力ソケット105に結合された原始データ生成装置130であると判別した後、車両の速度が算出されるように、有効な原始データだけを車速算出部118に伝達する。
【0046】
このような構成により、入力ソケット105に測位器132とセンサー134のいずれか1つが原始データ生成装置130として結合されて使用されているうちに、原始データ生成装置130が測位器132とセンサー134の残りの1つに取り替えられても、本実施例に係る車速算出装置100は、取り替えることなく続いて使用できるという特徴がある。
【0047】
信号判別部116は、原始データ出力用のプラグが入力ソケット105に結合されたことを検知した接続検知部112から接続通知(Con_Noti)が入力され、信号入力部114のUARTポートとGPIOポートから各々原始データが入力されると、入力された2つの原始データのうちどのような経路を介して入力された原始データが有効な原始データであるかを判別する。
【0048】
信号判別部116は、UARTポートを介して入力された原始データに対しては、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association)規格に基づいてチェックサム(checksum)をチェックすることにより、有効な原始データかどうかを判断することができる。
【0049】
したがって、もし入力ソケット105に接続された原始データ生成装置130が測位器132であり、入力された原始データがGPS信号であるならば、信号判別部116は、UARTポートを介して入力された原始データが有効な原始データであると判断することになる。
【0050】
同様に、信号判別部116は、GPIOポートを介して入力された原始データに対しては、例えば、パルス間隔(つまり、速度に比例する情報)と隣接したパルス間隔との違い(つまり、加速度に比例する情報)を一定時間の間測定して、有効な原始データかどうかを判断する。
【0051】
もし入力ソケット105に接続された原始データ生成装置130が測位器132であり、入力された原始データがGPS信号であるならば、GPIOポートを介して入力されたGPS信号は、最も遅いボーレート(baud rate)でもセンサー134から出力される矩形波パルス信号に比べて一般的に非常に高い周波数を持つため、異常な高速に測定され、無効な原始データであると判断される。
【0052】
信号判別部116は、UARTポートとGPIOポートの各々を介して入力された2つの原始データに対してそれぞれ有効性検査を実施し、有効な原始データであると判断した原始データがどのような経路(つまり、UARTポートまたはGPIOポート)を介して入力されたかによって、入力ソケット105に接続された原始データ生成装置130が測位器132またはセンサー134か、また、原始データのタイプが、GPS信号または矩形波パルス信号かを判別することができる。
【0053】
ここで、信号判別部116が、UARTポートとGPIOポートの各々を介して入力された2つの原始データのうち、どのような経路を介して入力された原始データに対してまず有効性検査を実施すべきであるかについての順序的な制限はなく、必要に応じて多様に設定することができる。
【0054】
この場合、入力された2つの原始データのうち先行して判断したいずれか1つの原始データが有効でないと判断されると、信号判別部116は、追加の有効性検査を省略し、有効性検査が行われていない残りの原始データを有効な原始データであると判別することにより、有効な原始データの判別に関する処理時間を節約することもできる。
【0055】
もちろん、信号判別部116は、異なる経路に各々入力された2つの原始データの両方に対して有効性検査をそれぞれ行った後、入力された2つの原始データの両方が有効でない信号と判断された場合は、入力された2つの原始データの両方が無効信号であると判別することもできる。もし2つの原始データの両方が無効信号であると判断された場合は、信号判別部116は、車速算出部118にどのような原始データも伝達しないように処理することができる。
【0056】
信号判別部116は、有効性検査によっていずれか1つの原始データが有効な原始データであると判断した場合は、有効な原始データに対応する信号タイプ情報(S_Type)と有効な原始データ(A_Signal)を車速算出部118に入力する。
【0057】
信号タイプ情報は、例えば、原始データ生成装置130が測位器132またはセンサー134であるか、あるいは、原始データの種類がGPS信号または矩形波パルス信号であるかのうちいずれか1つ以上を含むか、これに対応するように予め指定された情報であってもよい。
【0058】
また、有効な原始データは、UARTポートとGPIOポートを介して各々入力された2つの原始データのうち、有効であると判断された一つの原始データであり、車速算出部118に入力されるように信号判別部116によってバイパス(bypass)処理することができる。
【0059】
信号判別部116は、信号入力部114から2つの原始データが入力される時点ごとに有効な原始データを判別するための作業を繰り返し行わず、予め指定された条件に合致するときにのみ、予め指定された単位時間の間信号タイプ情報を生成するための処理を行い、指定された条件に再び合致するまでは、信号タイプ情報に対応する原始データを車速算出部118にバイパスさせる処理を行うこともできる。
【0060】
ここで、予め指定された条件は、例えば、接続検知部112から接続解除通知が入力されてから、接続通知が再入力された場合、車両が始動オフの状態から始動オンに切り替えられた場合などがこれに該当する。そして、予め指定された単位時間は、入力された2つの原始データのうち1つ以上に対する有効性検査を完了して、信号タイプ情報を生成するために必要な時間に予め指定することができる。
【0061】
車速算出部118は、信号判別部116から信号タイプ情報と有効な原始データが入力されると、入力された有効な原始データを入力された信号タイプ情報に合致するように処理して、算出した車両速度に対応する車両速度情報を生成する。GPS信号または矩形波パルス信号を入力され、車両速度情報を算出及び生成する過程は、当業者に自明な事項であるので、これに対する説明は省略する。
【0062】
図2は、本発明の一実施例に係る車速算出装置を備えた運転者の状態監視システムの構成を示す図である。
【0063】
図2を参照すると、前述した車速算出装置100は、運転者の状態監視システム200の一構成要素として含まれることができ、運転者の状態監視システム200は、制御部210と運転者警告装置220とを更に含むことができる。
【0064】
運転警告装置220は、運転者が居眠り運転をしているかどうかを判断し、運転者が居眠り運転状態であると判断されると、運転者警告装置220は、音響、振動などを出力して運転者の注意を喚起させる。運転警告装置220は、例えば、運転者の顔映像を撮影し、撮影された映像から運転者の瞳領域を検出することにより、運転者が居眠り運転状態であるかどうかを判断することができる。
【0065】
制御部210は、車速算出装置100によって車両が走行中の状態であると判断された場合にのみ、運転者警告装置220が前述した方式で動作するようにして、車両が停車した状態で運転者の眠気など運転者の意図された行為を妨害して引き起こされる不都合を防止することができる。
【0066】
また、運転者の状態監視システム200は、車速算出装置100で算出した車両速度情報及び/または有効な原始データを車両の他の電子装置に転送するための伝達ユニット230を更に備えることもできる。
【0067】
伝達ユニット230は、例えば、UARTポートとNMEAエンコーダとを含むことができる。つまり、伝達ユニット230は、シリアルインタフェースを介してUART通信方式に有効な原始データを伝達し、有効な原始データがGPS信号である場合には、UARTポートを介してバイパスして転送するようにし、有効な原始データが矩形波パルス信号ある場合には、NMEAエンコーダによってGPS信号規格に合致するように変換された後、UARTポートを介して伝達することができる。
【0068】
伝達ユニット230は、独立した構成要素に具現されることもあり、車速算出装置100に含まれることもある。
【0069】
図3は、本発明の一実施例に係る車速算出方法を示したフローチャートである。
【0070】
図3を参照すると、段階310において、信号判別部116は、接続検知部112から入力される接続通知または接続解除通知を参照して、測位器132またはセンサー134である原始データ生成装置130が入力ソケット105に接続されているかどうかを判断する。
【0071】
もし、原始データ生成装置130が入力ソケット105に接続されていないと、段階310で待機する。しかし、もし原始データ生成装置130が入力ソケット105に接続されていると、段階320に進む。
【0072】
段階320において、信号判別部116は、入力ソケット105から信号入力部114のUARTポートとGPIOポートを介して各々入力された2つの原始データに対する有効性検査を実施して、有効な原始データを判別し、これに対応する信号タイプ情報を生成する。続いて、信号判別部116は、車速算出部118で生成した信号タイプ情報と有効な原始データを提供する。
【0073】
段階330において、車速算出部118は、入力された有効な原始データを入力された信号タイプ情報に合致するように処理して、算出した車両速度に対応する車両速度情報を生成する。GPS信号または矩形波パルス信号を有効な原始データとして入力され、これを用いて、車両速度を算出する過程は、当業者に自明な事項であるので、これに対する説明は省略する。
【0074】
段階340において、号判別部116は、入力ソケット105から信号入力部114のUARTポートとGPIOポートを介して各々入力された2つの原始データのうち、有効な原始データを再判別するための時点に該当するかどうかを判断する。
【0075】
信号判別部116は、信号入力部114から継続的に2つの原始データが入力される時点ごとに有効な原始データを判別するための作業を繰り返し行わず、予め指定された条件に合致したとき、予め指定された単位時間の間のみ有効な原始データの判別及び信号タイプ情報を生成するための処理を行い、指定された条件に再び合致するまでは、信号タイプ情報に対応する原始データを車速算出部118にバイパスさせる処理を行うことができる。
【0076】
ここで、予め指定された条件は、例えば、接続検知部112から接続解除通知が入力されてから、接続通知が再入力された場合、車両が始動オフの状態から始動オンに切り替えられた場合などがこれに該当する。そして、予め指定された単位時間は、入力された2つの原始データのうち1つ以上に対する有効性検査を完了して、信号タイプ情報を生成するために必要な時間に予め指定することができる。
【0077】
もし、有効な原始データの再判別時点に該当すると、段階310に進む。しかし、もし有効な原始データの再判別時点に該当しないと、段階330に進み、信号判別部116は、段階320で生成した信号タイプ情報に対応する原始データを車速算出部118にバイパス処理する。
【0078】
上記では、本発明の実施例を参照して述べたが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることが理解できるだろう。