特許第6682020号(P6682020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682020
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】管制システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20200406BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20200406BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20200406BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20200406BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20200406BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   G08B25/04 K
   G08B21/02
   A61B5/02 G
   G06Q50/04
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-564964(P2018-564964)
(86)(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公表番号】特表2019-526187(P2019-526187A)
(43)【公表日】2019年9月12日
(86)【国際出願番号】KR2018005915
(87)【国際公開番号】WO2018221889
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2018年12月6日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0066957
(32)【優先日】2017年5月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518434957
【氏名又は名称】サンテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNTECH CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ビョンサム
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−126440(JP,A)
【文献】 特開2007−293834(JP,A)
【文献】 特開2016−105261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/02−5/03
G06F19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B19/00−31/00
H04B7/24−7/26
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が着用して位置情報、外部情報および生体情報を検出して伝送する作業者装置と、
記作業者装置を通じて検出された外部情報および生体情報を確認して事故発生の有無を判断する管制サーバーを含み、
前記管制サーバーは、事故の原因と発生範囲によって事故発生位置周辺に位置する前記作業者装置に待避または救助命令を選択的に送信し、
前記作業者装置のそれぞれは、
前記管制サーバーおよび隣接した他の作業者装置とデータおよび音声通信を可能にするLTEまたはLTE−M方式の通信モジュール部;
位置情報を検出するGPSモジュール部;
周辺の振動、電圧、有害ガスのうち少なくとも一つの情報を検出する外部情報検出部;
作業者の体温、心拍数、血圧のうち少なくとも一つの情報を検出する生体情報検出部;
前記作業者の視線方向を撮影するカメラおよび該視線方向を照明する照明部;
一部に設けられたQRコード(登録商標);
音声信号の入出力が可能な音声入出力部;
制御のための制御部;および
前記QRコード(登録商標)を利用して前記作業者と前記作業者装置を1:1にマッチングさせるためのアプリケーションが保存されたメモリーを含む、
管制システム。
【請求項2】
少なくとも前記カメラと前記メモリーは、前記作業者のスマートフォンに装着されたものであり、
前記カメラで前記QRコード(登録商標)をスキャンし、スキャン結果とともに前記アプリケーションのIDまたは電話番号を前記管制サーバーに伝送し、
前記作業者と前記作業者装置を1:1にマッチングさせる、
請求項1に記載の管制システム。
【請求項3】
前記作業者装置が少なくとも前記カメラと前記メモリーを装着しているときに、
前記作業者を認識できる前記QRコード(登録商標)をスキャンし、スキャン結果とともに前記作業者装置を識別できる情報を前記管制サーバーに伝送し、
前記作業者と前記作業者装置を1:1にマッチングさせる、
請求項1に記載の管制システム。
【請求項4】
前記管制サーバーは、
それぞれの前記作業者装置の位置情報を確認して、
それぞれの前記作業者装置から設定された範囲内の前記作業者装置と異なる他の作業者装置をグループ化し、
ある特定の作業者装置から検出された情報が事故状況である場合、前記特定の作業者装置のグループ内の、前記特定の作業者装置と異なる他の作業者装置に待避または救助命令を伝送する、
請求項1に記載の管制システム。
【請求項5】
前記管制サーバーは、
それぞれの前記作業者装置が属するグループ内の、前記作業者装置と異なる他の作業者装置の情報を、それぞれの前記作業者装置に伝送して前記メモリーに保存されるようにし、
故状況の発生時、前記作業者装置は、前記メモリーに保存された前記グループ内の他の作業者装置に事故の発生を伝播することを特徴とする、
請求項4に記載の管制システム。
【請求項6】
前記管制サーバーは、
事故が発生したと判断された前記作業者装置を制御して、
前記照明部を常時点灯または点滅状態にし、
前記音声入出力部を通じて警告音を発生させることを特徴とする、
請求項1に記載の管制システム。
【請求項7】
前記管制サーバーは、
前記作業者の病気または特異な生体情報を保存する作業者情報DBを含み、
前記作業者装置から受信される生体情報の異常の有無を判断するとき、前記作業者の病気または特異な生体情報を考慮して判断することを特徴とする、
請求項1に記載の管制システム。
【請求項8】
a)管制サーバーで作業者と作業者装置を1:1に対応させてその情報を保存する段階;
b)前記作業者装置の位置情報を確認して、ある設定された範囲内の前記作業者装置と異なる他の作業者装置をグループ化する段階;
c)前記管制サーバーによって、ある特定の作業者装置から受信される外部情報または生体情報が事故状況であると判断されると、前記特定の作業者装置が属したグループ内の、前記特定の作業者装置と異なる他の作業者装置に待避または救助命令を伝送する段階を含み、
前記a)段階は、
前記作業者を識別できるQRコード(登録商標)をスキャンした結果と、前記作業者装置を特定できる情報とを前記作業者装置から受信するか、あるいは、
前記作業者装置を識別できる前記QRコード(登録商標)をスキャンした結果と、前記作業者を特定できる情報とを前記作業者装置から受信し、
前記b)段階のグループ化結果をそれぞれの前記作業者装置に伝送してある特定の作業者装置によって、前記特定の作業者装置と同じグループに属した、前記特定の作業者装置と異なる他の作業者装置の情報を保存するようにし、
事故状況を検出した前記特定の作業者装置から、前記特定の作業者装置と同じ該グループに属した、前記特定の作業者装置と異なる他の該作業者装置に該事故状況を伝播する、
管制方法。
【請求項9】
前記管制サーバーは、
事故状況を検出した前記特定の作業者装置を制御して照明を常時点灯または点滅状態にし、警告音が発生するようにする、
請求項8に記載の管制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管制システムおよび方法に関するものであって、ユーザー別生体データを獲得して事故の有無を感知して対応できる、管制システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大規模のプラン卜産業、大規模の建設現場などの大規模な産業現場では管理者が作業者の位置を把握することが難しく、単独で勤務する作業者の安全事故の発生時にも安全事故の発生を直ちに認知し難い。
【0003】
このような問題点を解決するために、韓国公開特許10−2011−0109621号(2011年10月6日公開、安全管理システムおよびその方法)のように作業者の身上情報、位置情報を処理する装置を携帯し、ミドルウェアで検出された周辺環境に対するセンサ情報を受信して作業者に周辺の環境情報を提供する安全管理システムが提案された。
【0004】
しかし、前記の公開特許は作業者の基準で周辺の状況情報を把握するものであって、作業者の安全事故を直接感知できる手段がなく、周辺の状況とは無関係に単独安全事故の発生時には管理者が認知することができないという点では一般的な状況と同じである。
【0005】
他の技術として登録特許10−0854931号(2008年8月22日、無線センサネットワークを利用した作業者安全管理装置)には、作業者の生体信号を検出して管理手段に伝送する手段を含んではいるものの、作業者の安全事故の発生時に周辺に伝播することができず、位置を正確に分からないため、迅速な救助が困難である問題点があった。
【0006】
また、作業者が平素より抱えている疾患や特異な生体情報の特性とは無関係に生体信号の収集を通じて作業者の状態を判断するためエラーの発生可能性があり、作業者が着用する作業者装置に対する管理が難しい問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のような問題点を解決するための本発明が解決しようとする技術的課題は、広範囲で包括的な産業安全管制が可能なシステムおよび方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明は事故の種類に応じて救助または周辺作業者の待避を優先とすることで、追加的な事故の発生を防止できる管制システムおよび方法を提供することにある。
【0009】
併せて、本発明は作業者と作業者が着用した作業者装置を1:1にマッチングさせて、作業者の特異な生体情報と現場で受信される作業者生体情報を比較して事故発生の有無を判断できる管制システムおよび方法を提供することにある。
【0010】
また、作業時に所定の範囲内で作業をする作業者をグループ化し、体系的な管理と事故発生の範囲を容易に判断できる管制システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような課題を解決するための本発明の管制システムは、作業者が着用して位置情報、外部情報および生体情報を検出して伝送する作業者装置および前記作業者装置を通じて検出された外部情報および生体情報を確認して事故発生の有無を判断する管制サーバーを含む管制システムにおいて、前記管制サーバーは事故の原因と発生範囲により事故発生位置周辺に位置する作業者装置に待避または救助命令を選択的に送信する。
【0012】
前記作業者装置のそれぞれは、前記管制サーバーおよび隣接した他の作業者装置とデータおよび音声通信を可能にするLTEまたはLTE−M方式の通信モジュール部と、位置情報を検出するGPSモジュール部と、周辺の振動、電圧、有害ガスのうち少なくとも一つの情報を検出する外部情報検出部と、作業者の体温、心拍数、血圧のうち少なくとも一つの情報を検出する生体情報検出部と、作業者の視線方向を撮影および照明するカメラおよび照明部と、一部に設けられたQRコード(登録商標)と、音声信号の入出力が可能な音声入出力部と、制御のための制御部と、前記QRコード(登録商標)を利用して作業者装置と作業者装置を1:1にマッチングさせるためのアプリケーションが保存されたメモリーを含むことができる。
【0013】
少なくとも前記カメラとメモリーは、前記作業者のスマートフォンに装着されたものであり、前記カメラで前記QRコード(登録商標)をスキャンし、スキャン結果とともに前記アプリケーションのIDまたは電話番号を前記管制サーバーに伝送して作業者と作業者装置を1:1にマッチングさせることができる。
【0014】
前記作業者装置が一体型の場合、作業者を認識できるQRコード(登録商標)をスキャンし、スキャン結果とともに作業者装置を識別できる情報を前記管制サーバーに伝送して作業者と作業者装置を1:1にマッチングさせることができる。
【0015】
前記管制サーバーは、前記作業者装置のそれぞれの位置情報を確認して各作業者装置から設定された範囲内の他の作業者装置をグループ化し、特定の作業者装置から検出された情報が事故状況である場合、グループ内の他の作業者装置に待避または救助命令を伝送することができる。
【0016】
前記管制サーバーは、各作業者装置が属したグループ内の他の作業者装置の情報を、各作業者装置に伝送してメモリーに保存されるようにし、作業者装置は事故状況の発生時、メモリーに保存されたグループ内の他の作業者装置に事故の発生を伝播することができる。
【0017】
前記管制サーバーは、事故が発生したと判断された作業者装置を制御して前記照明部を常時点灯または点滅状態にし、前記音声入出力部を通じて警告音を発生させることができる。
【0018】
前記管制サーバーは、作業者の病気または特異な生体情報を保存する作業者情報DBを含み、前記作業者装置から受信される生体情報の異常の有無を判断する時、前記作業者の病気または特異な生体情報を考慮して判断することができる。
【0019】
本発明の他の側面に係る管制方法は、a)管制サーバーで作業者と作業者装置を1:1に対応させてその情報を保存する段階と、b)作業者装置の位置情報を確認して設定された範囲内の作業者装置をグループ化する段階と、c)前記管制サーバーで特定の作業者装置または作業者装置から受信される外部情報または生体情報が事故状況と判断されると、該当作業者装置が属したグループ内の他の作業者装置に待避または救助命令を伝送する段階を含む。
【0020】
前記a)段階は、作業者を識別できるQRコード(登録商標)をスキャンした結果と作業者装置を特定できる情報を作業者装置から受信したり、作業者装置を識別できるQRコード(登録商標)をスキャンした結果と作業者を特定できる情報を作業者装置から受信することができる。
【0021】
前記b)段階のグループ化結果を各作業者装置に伝送して特定の作業者装置で同じグループに属した他の作業者装置の情報を保存するようにし、事故状況を検出した作業者装置で同じグループに属した他の作業者装置に事故状況を伝播することができる。
【0022】
前記管制サーバーは、事故状況を検出した作業者装置を制御して照明を常時点灯または点滅状態にし、警告音が発生するようにすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の管制システムおよび方法は、包括的で広範囲な産業安全管制が可能であるため、産業現場に適用した時、安全事故に対する対処が容易な効果がある。
【0024】
また、本発明の管制システムおよび方法は、作業者の生体情報、位置情報および周辺の環境情報を利用して、現在の状況が作業者を救助すべき状況なのかそれとも周辺作業者を待避させるべき状況なのかを分析して、分析結果による措置を取ることによって、追加的な安全事故の発生を防止できる効果がある。
【0025】
そして、本発明は作業者と作業者装置を1:1にマッチングさせることによって、作業者の特異な病気や生体信号を考慮した安全事故発生の判断を遂行してより正確な判断が可能である効果とともに作業者装置の管理を容易にすることができる効果がある。
【0026】
また、設定された範囲内の作業者をグループ化して一括した管理が可能であるようにし、管理の便宜性を向上させると共に安全事故の発生時に事故範囲の判断が容易となるようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の好ましい実施例に係る管制システムの構成図。
図2】本発明で作業者と作業者装置の連動を説明するための説明図。
図3】本発明の好ましい実施例に係る管制方法のフローチャート。
図4】本発明の他の実施例に係る管制方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の管制システムおよび方法について添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
本発明の実施例は、当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであって、下記に説明される実施例は多様な他の形態に変形され得、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。かえって、これらの実施例は本発明をより忠実で完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0030】
本明細書で使用された用語は特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使用されたように、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘しない限り、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使用される「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」は、言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらのグループの存在を特定のするものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。本明細書で使用されたように、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0031】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な部材、領域および/または部位を説明するために使用されるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部位はこれらの用語によって限定されはしない。これらの用語は特定の順序や上下、または優劣を意味せず、一つの部材、領域または部位を他の部材、領域または部位と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で詳述する第1部材、領域または部位は、本発明の教示から逸脱することなく第2部材、領域または部位を指し示すことができる。
【0032】
以下、本発明の実施例は本発明の実施例を概略的に図示する図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術および/または公差により、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の実施例は本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば製造上もたらされる形状の変化を含まなければならない。
【0033】
図1は、本発明の好ましい実施例に係る管制システムの構成図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施例に係る管制システムは、作業者が携帯し、作業者の位置、生体情報および周辺情報を検出して伝送すると共に外部の命令を作業者に認知させる多数の作業者装置100と、前記作業者装置100から受信した生体情報を利用して作業者の状態を判断し、周辺情報を利用して該当作業者装置100周辺の作業者装置に命令を伝達して安全事故が発生した作業者の救助または該当領域から待避するように管制する管制サーバー200を含む。
【0035】
前記作業者装置100は、前記管制サーバー200と通信する通信モジュール部111と、作業者装置100の位置を検出して管制サーバー200に伝送するGPSモジュール部112と、外部の情報を検出する外部情報検出部120と、着用者である作業者の生体情報を検出する生体情報検出部130と、作業者の視線方向をそれぞれ撮影および照明するカメラ140および照明部141と、作業者の手動入力を受ける入力部150と、作業者と作業者間または作業者と管制サーバー200間の音声通話のための音声入出力部170と、管制サーバー200の映像メッセージを表示する表示部160と、データおよびアプリケーションの保存のためのメモリー191と、各部の制御のための制御部190および電源を供給する電源部180を含む。
【0036】
前記管制サーバー200は、制御部210、表示部220、作業者情報DB230、通信部240、音声入出力部250、保存部260を含む。
【0037】
以下、前記のように構成される本発明の好ましい実施例に係る管制システムの構成および作用についてより詳細に説明する。
【0038】
まず、作業者装置100はバンド型、ヘルメット型、ベルト型など、作業者が着用できるウェアラブル(wearable)機器であることが好ましい。作業者装置100は一つのハードウェアで構成されたものであり得、複数の結合器機であり得る。
【0039】
ここで複数の結合器機の意味は、先立って羅列された作業者装置100の構成要素が一つの装置に集積されたものではなく、複数の装置に分割されて配置されたものを意味する。
【0040】
例えば、前記作業者装置100の構成で通信モジュール部111、GPSモジュール部112、カメラ140、照明部141、入力部150、表示部160、音声入出力部170、制御部190およびメモリー191は、作業者のスマートフォンを使用することができ、少なくとも外部情報検出部120と生体情報検出部130はウェアラブル機器に装着され得るようにし、この時、スマートフォンとウェアラブル装置はブルートゥース(登録商標)などの通信方式で相互に連結され得る。
【0041】
作業者装置100は大規模の産業現場で勤務する作業者個人が着用するのが適当であるが、小規模の産業現場やレジャー用および家庭用に拡張して使用してもよい。
【0042】
通常の産業現場では、安全帽、安全ベルトなどの安全装具を集めて管理し、作業者個人に特定の安全装具が指定されておらず、作業者ごとに作業位置に移動する前に安全装具を用意して着用することになる。したがって、作業者と安全装具が1:1に対応しない。このような方式で作業者装置100を作業者が任意に着用して現場に移動する場合には、特定の作業者装置100から管制サーバー200に受信される生体情報がどの作業者の生体情報であるかを特定することができない。
【0043】
これを防止するために、作業者装置100を作業者に拂出する管理者を置き、拂出する作業者装置100と受領した作業者を1:1に対応するように記録することはできるが、この場合、時間の消耗が多くなる。
【0044】
図2は、本発明で作業者と作業者装置の連動を説明するための説明図である。
【0045】
図2を参照すると、作業者装置100がスマートフォン102とウェアラブル装置101で構成された場合には、作業者がスマートフォン102を利用して着用するウェアラブル装置101の一部に設けられたQRコード(登録商標)103をスキャンして管制サーバー200に伝送する。
【0046】
この時、スキャンしたQRコード(登録商標)103には該当ウェアラブル装置101のIDを含み、スマートフォン102には作業者を特定できる固有な番号(機器の製造番号または電話番号、アプリケーションログイン情報など)があるため、管制サーバー200では特定の作業者と特定の作業者装置100を1:1にマッチングさせることができる。
【0047】
もう少し具体的に詳察すると、作業者はスマートフォン102のQRコード(登録商標)スキャンアプリケーションを実行して着用する作業者装置100の一部であるウェアラブル装置101に設けられたQRコード(登録商標)103をスキャンする。
【0048】
前記スマートフォン102のアプリケーションは、前記スキャン結果とともに設定されたユーザー情報を前記通信モジュール部111を通じて管制サーバー200に伝送する。
【0049】
前記通信モジュール部111は知られている通信方式を選択的に使うことはできるが、音声およびデータの伝送が可能であって、干渉物による干渉が少ないLTEまたはLTE−M方式を使うことが好ましい。
【0050】
前記通信モジュール部111を通じて送信されたスキャン結果およびユーザー情報は、管制サーバー200の通信部240を通じて受信されて保存部260に保存される。保存部260に保存される記録は、作業者と作業者が着用した作業者装置100に対する毎日の記録となり、したがって作業者装置100の紛失や破損に対する管理責任が明確となる。すなわち、作業者装置100の管理が容易となる。
【0051】
前記例とは異なり、作業者の現場出入証に作業者の情報を含むQRコード(登録商標)を印刷し、該当作業者が着用する作業者装置100を利用して前記QRコード(登録商標)を撮影して管制サーバー200に伝送することによって、特定の作業者とその作業者が着用した作業者装置100をマッチングさせることもできる。
【0052】
このように作業者と作業者装置100をマッチングさせる重要な理由は、作業者の病気や特異な生体信号の特徴を作業者情報DB230に保存しておき、以降前記作業者装置100から受信される作業者の生体信号の正常の有無を判断するためである。例えば普段の心拍数が正常範囲より高い特徴がある作業者がいたり、高血圧または低血圧疾患で正常範囲より高い血圧関連生体信号がある作業者に対しては、異常判断の基準を調整して適用することができる。また、体温が正常であるかどうかの判断のための基準も作業者ごとに異なるように適用することができる。
【0053】
図3は、本発明の好ましい実施例に係る管制方法のフローチャートである。
【0054】
図3を参照すると、前述した通り、作業者と作業者装置100をマッチングさせる段階S31後に、S32段階では作業者が作業位置で作業をする時に管制サーバー200は前記作業者装置100から受信される位置情報を受信し、設定された範囲内の作業者をグループ化する。
【0055】
ここで設定された範囲とは、作業場ごとに異なって適用することができ、安全事故の発生時の波及力によって範囲を調整することができる。例えば有害性ガスを使用または取り扱う現場ではグループ化のための設定範囲をより広く適用することができ、高所作業が多い現場ではグループ化のための設定範囲をより狭く適用することができる。
【0056】
より好ましくは、使用または取り扱う有害性ガスの通常の拡散速度を考慮してグループ化のための設定範囲を決定する。
【0057】
グループ化の長所は、管理の容易性と共に特定の作業者に安全事故が発生した場合、その作業者と同じグループの作業者に安全事故の発生を通知し、応急措置が取れるように案内することに有利であり、安全事故の発生範囲の確認が容易である。
【0058】
グループ化が完了した後、前記管制サーバー200はS33段階のように、作業者装置100から受信される位置情報、外部情報、作業者の生体情報をモニタリングする。
【0059】
この時のモニタリングは、特定の作業者が着用した作業者装置100の入力部150を通じて直接安全事故の発生を知らせる場合を含み、また、作業者装置100の音声入出力部170と通信モジュール部111を通じて送信される作業者の音声信号を含む。
【0060】
前記外部情報は、作業者装置100の外部情報検出部120で検出される情報であり、外部情報検出部120は大気の二酸化炭素、酸素量を測定するガスセンサ、施設の振動や地震を感知する振動センサ、電圧を検出する活線感知センサなどの多様なセンサを含むことができる。
【0061】
また、生体情報は、作業者装置100の生体情報検出部130で検出される情報であり、生体情報検出部130は心拍センサ、体温センサ、血圧センサを含み、作業者の心拍数、体温、血圧を周期的に確認して前記管制サーバー200に伝送する。
【0062】
前記S33段階を遂行しながらS34段階のように、異常兆候の発生の有無をモニタリングする。異常兆候とは、外部情報の異常と生体情報の異常を含む。一般的な大気のCO比率に比べて検出されたCOの比率が高い場合や振動が感知される場合、または生体情報検出部130で検出された生体情報に若干の変化がある場合には、前記管制サーバー200の制御部210で異常兆候があるものと判断する。
【0063】
このような異常兆候の検出は、直接的な事故ではなく事故の予防レベルでなされるものとする。
【0064】
次いで、S35段階では、管制サーバー200の異常兆候があることを感知した後、現在の異常を事故発生と判定するかを判断する。この時の事故発生の判定は異常兆候の持続性を考慮し、検出された情報が基準値を超過するかを判断する。
【0065】
S35段階で事故と判定されない場合には、S36段階のように前記管制サーバー200で異常兆候を感知した作業者装置100に注意情報を伝送する。
【0066】
この時の注意情報は、管制サーバー200の音声入出力部250を通じての管理者の音声を通信部240を通じて伝送して作業者装置100の音声入出力部170を通じて作業者と直接通話をすることによって伝達することができ、保存部260に保存された警告音または警告文を通信部240を通じて作業者装置100に伝送して作業者装置100の音声入出力部170を通じて出力されるか表示部160に表示されるようにする。
【0067】
この時、警告音または警告文は、管制サーバー200で直接伝送するのではなく、前記作業者装置100のメモリー191に保存された警告音または警告文が実行され得る信号を前記管制サーバー200で作業者装置100で伝送して遂行することができる。
【0068】
前記注意情報を受信した作業者は周辺の施設を再び確認して安全事故発生の予防活動をすることができる。
【0069】
前記では、異常兆候の感知を管制サーバー200で遂行し、これを個別の作業者装置100に案内するものと説明したが、振動やCO濃度を感知した作業者装置100の制御部190が表示部160や音声入出力部170を通じて警告文または警告音を出力して作業者に異常兆候があり、予防活動を遂行するように案内することができる。
【0070】
前記S35段階で事故と判断された場合、前記管制サーバー200の制御部210はS37段階のように待避状況であるかの可否を判断する。
【0071】
待避状況は安全事故の原因と規模によって判断され得る。例えば安全事故の発生が有毒ガスの流出などのように範囲が拡張され得る事故であるか、建物の一部又は全部の崩壊などの広範囲な範囲で同時に安全事故が発生した場合等となり得る。
【0072】
有毒ガスの流出の場合は、酸素呼吸器などの防護装備を着用していない作業者も事故範囲の拡張により被害を被り得、崩壊の場合、追加の崩壊の恐れがあるため事故位置周辺の他の作業者を待避させる必要がある。
【0073】
前述したように、本発明の作業者装置100は特定の作業者と1:1にマッチングされ、位置によってグループ化されており、同じグループに属した多数の作業者装置100から事故発生に関連した情報が検出されると、単独事故ではなく広範囲な安全事故の発生と判断することができる。
【0074】
特に事故の範囲を特定するのに容易であり、事故の発生時に事故者の数を直ちに判断することができる。
【0075】
待避状況と判断されると、S38段階のように前記管制サーバー200の制御部210は音声入出力部170を通じて現場の各作業者装置100に待避を指示する音声命令を伝送したり、保存部260に保存された待避文を各作業者装置100に伝送することができる。
【0076】
また、事故の原因によって待避命令を伝送する対象を指定することができる。小規模の崩壊や空気中で希釈される流出ガスの特性によりあらかじめ定められたマニュアルに沿って、管制サーバー200の制御部210は事故の発生位置を中心に特定の範囲内に位置する作業者装置100に待避命令を伝送することができる。
【0077】
前記S37段階の判断結果、待避状況ではない事故の発生である場合には、S39段階のように事故が発生した位置の作業者装置100と最も近接した作業者装置または所定の範囲内にある作業者装置に救助命令を伝送する。
【0078】
この時の救助命令も、音声、警告音、構造文を含むことができる。
【0079】
これと共に前記管制サーバー200の制御部210は事故者の作業者装置100を制御する。
【0080】
この時の制御は事故者の作業者装置100に設置されるアプリケーションを通じて遂行するようになり、作業者装置100に備えられた照明部141を常時点灯または点滅状態に制御して、事故者と隣接して救助命令の伝達を受けた救助者などが事故者をより容易に探すことができるようにする。また、音声入出力部170を制御してメモリー191に保存されたアラーム音を繰り返し再生して事故者の位置を容易に探すことができるるようにすることができる。
【0081】
これと共に事故者の作業者装置100に備えられたカメラ140を動作させて映像を獲得することによって周辺の状況を判断し、状況に応じて適切な措置を取ることができる。例えば獲得した映像を通じて事故者が埋没した状態であると判断されると追加的な装備の支援と救助隊員をさらに投入することができる。
【0082】
また、管理者は持続的に前記事故者の作業者装置100から受信される外部情報および生体情報を確認してその情報を救助者と共有することができ、事故者の意識の有無を確認するために音声入出力部170を通じて通話を試みる。
【0083】
前記待避命令ではなく救助命令の場合には、その殆どが作業者の転倒、落下物による衝撃事故であり得、病気による意識不明状態などを含むことができる。
【0084】
したがって事故者の意識の有無を確認し、事故の発生と判断される前に事故者の作業者装置100から受信された情報を利用して事故発生の原因を確認することができ、事故原因によって適正な措置を取ることができる。
【0085】
このような過程を遂行しながら、S40段階のように管制サーバー200は消防署、病院などの関係機関に事故発生を知らせる動作をする。
【0086】
前記のように本発明は、事故の原因および規模を考慮して事故者周辺の他の作業者が待避することができるように案内して追加的な安全事故の発生を防止することができ、事故の兆候を感知して作業者が安全事故防止のための予防活動をすることができるように案内して安全事故の発生を減らすことができる。
【0087】
図4は本発明の他の実施例に係る管制方法のフローチャートであって、前述されたグループ化の細部作用を示している。
【0088】
前述した通り本発明は特定の作業者装置100から設定された範囲以内の他の作業者装置をグループ化する。前記では、異常兆候の発生を感知して通知する役割と事故の検出、待避または救助命令を管制サーバー200の統制下で各作業者装置100に通知するものと説明した。
【0089】
これに加え、異常兆候、事故の検出時に管制サーバー200と無関係に特定の作業者装置100から隣接した他の作業者装置100に通知することができる。この時、本発明は作業者装置100と管制サーバー200間の通信および作業者装置100間の通信時にLTEまたはLTE−M方式を使用するものであり、特定の作業者装置100は隣接した位置または自分が属したグループ内の他の作業者装置100を認識することができない。
【0090】
したがって、管制サーバー200はグループ化後、作業者装置100ごとに周辺の他の作業者装置に対する情報を提供する必要があり、作業位置の変更によって変更されたグループに対する更新情報を提供する必要がある。
【0091】
このために、まずS41段階のように前記管制サーバー200は、各作業者装置100のGPSモジュール部112を通じて検出された位置情報を確認して各作業者装置100をグループ化する。
【0092】
この時の特定の作業者装置100を中心に同じグループにグループ化する距離は産業現場の特性に合わせて決定することができる。例えば伐木現場や大規模の建設現場の場合には、一つのグループにグループ化される領域の面積を相対的に、より大きくすることができる。
【0093】
また、本発明を多数の人員が参加する登山のようなレジャー活動に適用する場合にも、グループ化される領域の面積を相対的に、より大きくすることができ、ラフティングのようにグループ間の距離が狭いレジャー活動についてはグループ化される領域の面積を相対的に、より狭く設定することができる。
【0094】
次いで、S42段階のように前記管制サーバー200は各作業者装置100ごとに隣接した作業者装置100の情報を送信し、作業者装置100はそれぞれのメモリー191に隣接した作業者装置100の情報を保存する。
【0095】
この時、隣接した作業者装置100の情報は固有の呼び出しIDや電話番号であり得、LTE、LTE−Mデータ通信を選択的に遂行できる区分子情報であればその種類にかかわらず適用することができる。
【0096】
その後、特定の作業者装置100は外部情報検出部120または生体情報検出部130を通じて検出された情報が異常な場合、前記メモリー191に保存された隣接した他の作業者装置100に異常兆候が発生したことを知らせるデータを伝送する。この時、位置情報まで共に伝送して他の作業者装置100を着用した作業者が概略的な位置も確認できるようにする。
【0097】
これを受信した隣接した作業者装置100はアラームまたは画面表示を通じて周辺を点検して安全事故の発生を予防できるようにする。
【0098】
これは、事故の初期兆候の発見と共に周辺に伝播することによって、以降の状況の展開に各作業者が注意を払うようにして事故発生時に迅速な対処ができるようにする。
【0099】
また、特定の作業者装置100で検出された情報が事故発生の情報である場合、その作業者装置100のメモリー191に保存された隣接した作業者装置に事故の発生を知らせるデータを伝送する。
【0100】
この時にも事故を感知した作業者装置100の位置情報を共に伝送し、事故の原因が分かるデータを共に伝送することができる。
【0101】
前記管制サーバー200は、S43段階のように各作業者装置100の位置情報を周期的にモニタリングして作業者装置100の位置移動により特定のグループの変動事項を確認する。
【0102】
すなわち、特定の作業者装置100が移動してグループを構成する作業者装置に変動があるかを確認する。
【0103】
次いで、管制サーバー200はS44段階のように、特定のグループから他のグループの範囲に移動してグループ化情報に変更事項がある時、保存部260に保存されたグループ化情報を更新し、更新した情報を該当グループに属した作業者装置100に伝送して各作業者装置100のメモリー191に保存された隣接した作業者装置情報を更新することができるようにする。
【0104】
このように本発明は作業者装置100と作業者を1:1にマッチングすると共に位置情報により多数の作業者装置100をグループ化し、事故発生時に作業者装置間のデータ通信を通じて自動で事故発生位置および事故の原因が分かる情報を伝播することによって、より迅速な対応が可能となる。
【0105】
本発明は前記実施例に限定されず、本発明の技術的要旨を逸脱しない範囲内で多様に修正、変形して実施できることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において自明である。
【0106】
本発明は作業者と作業者装置をマッチングさせて、作業者の生体情報を利用して作業者の健康状態を確認し、事故発生の有無を確認する時、作業者の特異な生体情報を考慮して確認できる管制システムおよび方法に関するものであって、産業上利用可能性がある。
【符号の説明】
【0107】
100:作業者装置
111:通信モジュール部
112:GPSモジュール部
120:外部情報検出部
130:生体情報検出部
140:カメラ
150:入力部
160:表示部
170:音声入出力部
180:電源部
190:制御部
191:メモリー
200:管制サーバー
210:制御部
220:表示部
230:作業者情報DB
340:通信部
250:音声入出力部
260:保存部
図1
図2
図3
図4