(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6682029
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】ポイント管理システム、ポイント管理方法、およびポイント管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20200406BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20200406BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20200406BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
G06Q30/06
G07F7/02 Z
G07F9/00 110Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-105715(P2019-105715)
(22)【出願日】2019年6月5日
【審査請求日】2019年6月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】浦田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】岡本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】松瀬 侑
(72)【発明者】
【氏名】茨木 孝治
【審査官】
山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−151886(JP,A)
【文献】
特開2019−053568(JP,A)
【文献】
特開2004−030167(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0130536(US,A1)
【文献】
韓国登録特許第10−1631663(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07F 7/02
G07F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を備えるポイント管理システムであって、
前記自動販売機は、
使用者が提示する識別符号を読取可能であるとともに、当該識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成可能な識別情報生成部、
商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収受、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行可能な決済部、
前記管理サーバと通信可能な自動販売機通信部、ならびに、
前記自動販売機通信部に、前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信させる制御部、を有し、
前記管理サーバは、
前記自動販売機から、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信するとともに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信可能なサーバ通信部、
前記商品情報を受信したときに、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理が可能なポイント処理部、
各使用者の前記副ポイント残高を使用者ごとに記憶する副ポイント記憶部、および、
前記商品情報を受信したときに、前記副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理が可能な副ポイント処理部、を有し、
前記ポイント処理部は、
前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算し、
前記副ポイント処理部は、
前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算するポイント管理システム。
【請求項2】
前記識別符号は、一次元コードまたは二次元コードであり、
前記識別情報生成部は、前記一次元コードまたは前記二次元コードを撮影可能な撮影部を有する請求項1に記載のポイント管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、各使用者があらかじめ決済した事前決済額の残高を使用者ごとに記憶する事前決済額記憶部をさらに有し、
前記金銭収受は、さらに、前記事前決済額の残高を減算する事前決済額減算を含む請求項1または2に記載のポイント管理システム。
【請求項4】
前記金銭収受は、電子マネー決済を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のポイント管理システム。
【請求項5】
自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を用いたポイント管理方法であって、
前記自動販売機に対して使用者が提示する識別符号を読み取る符号読取ステップと、
前記識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成する識別情報生成ステップと、
前記自動販売機における商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収受、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行する決済ステップと、
前記自動販売機から前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信する送信ステップと、
前記管理サーバにより、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信する受信ステップと、
前記商品情報を受信したときに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信して、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理ステップと、
前記商品情報を受信したときに、前記管理サーバの副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理ステップと、を有し、
前記ポイント処理ステップにおいて、
前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算し、
前記副ポイント処理ステップにおいて、
前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算するポイント管理方法。
【請求項6】
自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を備えるポイント管理システム上で実行可能なポイント管理プログラムであって、
前記自動販売機に対して使用者が提示する識別符号を読み取る符号読取機能、
前記識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成する識別情報生成機能、
前記自動販売機における商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収受、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行する決済機能、ならびに、
前記自動販売機から前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信する送信機能、を前記自動販売機に実行させる自動販売機側プログラムと、
前記管理サーバにより、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信する受信機能、
前記商品情報を受信したときに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信して、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理機能、ならびに、
前記商品情報を受信したときに、前記管理サーバの副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理機能、を前記管理サーバに実行させる管理サーバ側プログラムと、を含み、
前記ポイント処理機能において、
前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算し、
前記副ポイント処理機能において、
前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、
前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算するポイント管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機と管理サーバとを備えるポイント管理システム、当該ポイント管理システムを用いたポイント管理方法、および、当該ポイント管理システムに使用可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機における商品の販売を促進するため、商品を購入した顧客に対してポイントを付与する取り組みが行われている。たとえば、特開2003−6717号公報(特許文献1)には、商品ごとにあらかじめ定められたサービスポイントを、商品を購入した顧客の非接触カードに書き込む技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、商品販売に係る決済手段が非接触カードに記録された電子マネー、または現金に限られており、非接触カードに蓄積されたポイントを自動販売機において使用することはできなかった。
【0005】
そこで、商品販売に係る決済手段を、ポイントの使用を含む複数の手段から使用者が選択可能な自動販売機の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るポイント管理システムは、自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を備えるポイント管理システムであって、前記自動販売機は、使用者が提示する識別符号を読取可能であるとともに、当該識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成可能な識別情報生成部、商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収受
、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、
および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行可能な決済部、前記管理サーバと通信可能な自動販売機通信部、ならびに、前記自動販売機通信部に、前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信させる制御部、を有し、前記管理サーバは、前記自動販売機から、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信するとともに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信可能なサーバ通信部、前記商品情報を受信したときに、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理が可能なポイント処理部、
各使用者の前記副ポイント残高を使用者ごとに記憶する副ポイント記憶部、および、前記商品情報を受信したときに、前記副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理が可能な副ポイント処理部、を有し、前記ポイント処理部は、前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算
し、前記副ポイント処理部は、前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るポイント管理方法は、自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を用いたポイント管理方法であって、前記自動販売機に対して使用者が提示する識別符号を読み取る符号読取ステップと、前記識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成する識別情報生成ステップと、前記自動販売機における商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収受
、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、
および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行する決済ステップと、前記自動販売機から前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信する送信ステップと、前記管理サーバにより、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信する受信ステップと、前記商品情報を受信したときに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信して、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理ステップと、
前記商品情報を受信したときに、前記管理サーバの副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理ステップ、を有し、前記ポイント処理ステップにおいて、前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算
し、前記副ポイント処理ステップにおいて、前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るポイント管理プログラムは、自動販売機と、前記自動販売機とネットワークを介して通信可能な管理サーバと、を備えるポイント管理システム上で実行可能なポイント管理プログラムであって、前記自動販売機に対して使用者が提示する識別符号を読み取る符号読取機能、前記識別符号に基づいて前記使用者を特定する識別情報を生成する識別情報生成機能、前記自動販売機における商品販売に係る決済を、使用者から金銭を収受する金銭収
受、使用者のポイント残高を減算するポイント減算、
および、使用者の副ポイント残高を減算する副ポイント減算、を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により実行する決済機能、ならびに、前記自動販売機から前記管理サーバに対して、前記使用者の前記識別情報、前記使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および前記使用者が購入した商品の商品情報を送信する送信機能、を前記自動販売機に実行させる自動販売機側プログラムと、前記管理サーバにより、前記識別情報、前記決済手段情報、および前記商品情報を受信する受信機能
、前記商品情報を受信したときに、前記ポイント残高を記憶する外部サーバと通信して、前記外部サーバに記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記ポイント残高を増減して、増減後の前記ポイント残高を前記外部サーバに記憶させるポイント処理機能、
ならびに、前記商品情報を受信したときに、前記管理サーバの副ポイント記憶部に記憶された、前記識別情報により特定される使用者の前記副ポイント残高を増減して、増減後の前記副ポイント残高を前記副ポイント記憶部に記憶させる副ポイント処理機能、を前記管理サーバに実行させる管理サーバ側プログラムと、を含み、前記ポイント処理機能において、前記決済手段が前記金銭収受である場合は、前記商品情報に基づいて、前記ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じたポイントを前記ポイント残高から減算
し、前記副ポイント処理機能において、前記決済手段が前記金銭収受または前記ポイント減算である場合は、前記商品情報に基づいて、前記副ポイント残高を加算し、前記決済手段が前記副ポイント減算である場合は、前記商品の代金に応じた副ポイントを前記副ポイント残高から減算することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、商品販売に係る決済手段を、ポイントの使用を含む複数の手段から使用者が選択できる。これによって、商品販売促進効果が得られやすい。
また、複数の種類のポイントを使用または付与できるうえ、販売促進戦略上の狙いが異なる2種類のポイントに、それぞれ異なる付与および使用条件を設定して、同時に運用できるので、販売促進効果をより高めやすい。
【0010】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0015】
本発明に係るポイント管理システムは、一態様として、前記識別符号は、一次元コードまたは二次元コードであり、前記識別情報生成部は、前記一次元コードまたは前記二次元コードを撮影可能な撮影部を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、簡便な手段により使用者を特定できるので、使用者の利便性が向上する。
【0017】
本発明に係るポイント管理システムは、一態様として、前記管理サーバは、各使用者があらかじめ決済した事前決済額の残高を使用者ごとに記憶する事前決済額記憶部をさらに有し、前記金銭収受は、さらに、前記事前決済額の残高を減算する事前決済額減算を含むことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、事前決済が可能になるので、使用者の利便性が向上するとともに、使用者の再購入を促しやすい。
【0019】
本発明に係るポイント管理システムは、一態様として、前記金銭収受は、電子マネー決済を含むことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、簡便な手段により決済できるので、使用者の利便性が向上する。
【0021】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係るポイント管理システムの概略図
【
図2】本発明の実施形態に係るポイント管理システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るポイント管理システム、ポイント管理方法、およびポイント管理プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係るポイント管理システムを、自動販売機10と管理サーバ20とを備えるポイント管理システム1に適用した例について説明する。
【0024】
〔ポイント管理システムの全体構成および概略〕
ポイント管理システム1は、複数台の自動販売機10と、各自動販売機10とネットワーク2を介して通信可能に構成された管理サーバ20とを備える(
図1、
図2)。なお、管理サーバ20は、ネットワーク2を介して、外部ポイントサーバ3(外部サーバの例)とも通信可能に構成されている。
【0025】
概略について説明すると、ポイント管理システム1は、自動販売機10で購入した商品に対して使用者にポイントを付与すること、および、付与されたポイントを自動販売機10において商品と交換すること、により販売を促進しようとするものである。具体的には、まず、自動販売機10において使用者が商品を購入(またはポイントと交換)するときに、管理サーバ20に対して、使用者を特定する識別情報、使用者が用いた決済手段の決済手段情報、および使用者が購入した商品の商品情報を送信する。そして、管理サーバ20において、当該使用者のポイント残高を、自動販売機10から送信された情報に基づいて増減する。
【0026】
また、本実施形態に係るポイント管理システム1では、各使用者がそれぞれ2種類のポイントを保有する。以降の説明において、2種類のポイントをそれぞれ「ポイントA」および「ポイントB」として区別する。なお、ポイントAは本願の特許請求の範囲の記載における「ポイント」の例であり、ポイントBは本願の特許請求の範囲の記載における「副ポイント」の例である。
【0027】
本実施形態では、ポイントAはポイント管理システム1の運営者と提携する外部事業者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントであり、使用者はポイントAを当該外部事業者と提携する種々の業者(ポイント管理システム1の運営者に限らない。)が提供する商品(またはサービス)と交換できる。これによって、ポイントAには複数の業者に跨る広汎な広告宣伝効果が期待される。ポイント管理システム1の運営者は、ポイントAとの交換により商品を提供した場合は外部事業者から費用の支払いを受け、使用者に対してポイントAを付与した場合は付与したポイントAの数量に応じた費用を外部事業者に支払う。
【0028】
一方、ポイントBはポイント管理システム1の運営者が独自に管理運営するポイントプログラムに基づくポイントである。使用者はポイントBを当該運営者が提供する商品(またはサービス)と交換できる。すなわち、ポイントBには、当該運営者の商品を繰り返し購入する使用者に対して還元利益を与えることで、当該運営者の商品の購入を喚起する効果が期待される。ここで、各使用者のポイントB残高は、管理サーバ20において、ポイントBに係るポイントプログラムにおいて使用者ごとに設けられたユーザーID(ユーザーID−Bと記載する。)に関連付けられて管理されている。
【0029】
各使用者のポイントA残高は、ポイント管理システム1の運営者が管理運営するポイントプログラムに係る管理サーバ20において、ポイントB残高と同様に管理されている。ただし、ポイントAは、外部事業者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントであるので、ポイントA残高のマスターデータは当該外部事業者が管理運営する外部ポイントサーバ3に記憶されている。管理サーバ20は、外部ポイントサーバ3に記憶されたポイントA残高を、ネットワーク2を介して同期する。かかる同期を行うため、管理サーバ20は、使用者のユーザーID−Bと関連付けて、ポイントAに係るポイントプログラムにおいて当該使用者に対して設定されたユーザーID(ユーザーID−Aと記載する。)を管理する。ユーザーID−AとユーザーID−Bとの関連付けの有効または無効は、各使用者が任意に切り替えることができる。
【0030】
また、本実施形態に係るポイント管理システム1では、各使用者があらかじめ決済した事前決済額が、ユーザーID−Bに関連付けられて管理サーバ20に管理されている。使用者は、自動販売機10における商品の購入に際し、事前決済額の減算により商品代金を決済できる。
【0031】
〔自動販売機の構成〕
自動販売機10は、識別情報生成部11、決済部12、自動販売機通信部13、および制御部14を有する(
図2)。なお、自動販売機10は、自動販売機が通常備える商品表示部15、商品貯蔵部(不図示)、および商品払出部16を有し、使用者からの購買要求に応じて商品を払い出すことができる(
図3)。
【0032】
識別情報生成部11は、自動販売機10の前面に設置された読取カメラ11a(撮影部の例)を有する(
図2、
図3)。読取カメラ11aは、使用者が自動販売機10での商品の購入に先立って識別符号を提示した場合は、これを読み取る。ここで識別符号は、演算処理により使用者のユーザーID(識別情報の例)に変換可能な符号であり、使用者が所持するカードに印刷された一次元コードや、使用者が所持するスマートフォンの画面に表示された二次元コード、などを使用できる。識別情報生成部11は、読取カメラ11aが読み取った識別符号を変換して使用者のユーザーID(ユーザーID−AまたはユーザーID−B)を生成する。なお使用者は、識別符号を提示しなくても商品の購入が可能だが、この場合はポイントAおよびポイントBに係る処理は一切行われない。以下の例では、特記しない限り、使用者がユーザーID−Bに変換可能な識別符号を提示する場合を例として説明する。
【0033】
決済部12は、商品の購入に係る決済を実行する。決済部12は、紙幣および硬貨を授受可能な現金授受部12a、非接触ICカードと通信可能な非接触通信部12b、および決済に係る演算処理を実行する決済処理部12cを有する(
図2、
図3)。使用者は、商品代金の決済を、現金授受部12aに紙幣または硬貨を投入して実行する現金決済(金銭収受の例)、電子マネー用のICカードを非接触通信部12bと通信させて実行する電子マネー決済(金銭収受の例)、ならびに、ユーザーID−Bに関連付けられた、ポイントA残高の減算(ポイント減算の例)、ポイントB残高の減算(副ポイント減算の例)、および事前決済額の残高の減算(金銭収受の例)、からなる決済手段群から選択できる。決済処理部12cは、選択された決済手段に対応する現金投入額、電子マネー残高、ポイントA残高、ポイントB残高、または事前決済額残高が、商品の購入(またはポイントとの交換)に必要な値を上回る場合は、決済を実行するとともに、商品払出部に商品を払い出させる。なお、決済処理部12cは、識別情報生成部11が生成したユーザーID−Bに基づいて、ポイントA残高、ポイントB残高、および事前決済額残高を、管理サーバ20から取得できる。
【0034】
自動販売機通信部13は、ネットワーク2を介して、管理サーバ20のサーバ通信部21と通信可能に構成されている。制御部14は、商品の購入が行われた際に、自動販売機通信部13に、管理サーバ20に対して、商品を購入した使用者のユーザーID−B、商品の購入に使用された決済手段を特定する決済手段情報、および購入された商品の商品情報を送信させる。
【0035】
〔管理サーバの構成〕
管理サーバ20は、サーバ通信部21、ポイントA記憶部22a、ポイントB記憶部22b(副ポイント記憶部の例)、ポイントA処理部23a(ポイント処理部の例)、ポイントB処理部23b(副ポイント処理部の例)、事前決済額記憶部24を有する(
図2)。
【0036】
サーバ通信部21は、ネットワーク2を介して、自動販売機10の自動販売機通信部13、および、外部ポイントサーバ3と通信可能に構成されている。前述の通り、管理サーバ20は、自動販売機10において商品の購入が行われた際に、ユーザーID−B、決済手段情報、および商品情報を受信する。
【0037】
ポイントA記憶部22aおよびポイントB記憶部22bは、それぞれ、ポイントAおよびポイントBの残高を、各使用者のユーザーID−Bと関連付けて記憶する。ここで、ポイントBは、ポイント管理システム1の運営者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントであり、ポイントB記憶部22bに記憶されたポイントB残高は、それ自身がマスターデータである。一方、ポイントAは、当該運営者と提携する第三者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントであり、ポイントA残高のマスターデータは外部ポイントサーバ3に記憶されている。ポイントA記憶部22aは、外部ポイントサーバ3に記憶されたポイントA残高を、ネットワーク2を介して同期する。かかる同期を行うため、ポイントA記憶部22aは、使用者のユーザーID−Aを、当該使用者のユーザーID−Bと関連付けて管理する。
【0038】
ユーザーID−AとユーザーID−Bとの関連付けの有効または無効は、各使用者が任意に切り替えることができる。ただし、関連付けが行われていない場合は、識別情報生成部11に提示した識別符号から変換される一方のユーザーID(ユーザーID−AまたはユーザーID−B)に係る一方のポイント(ポイントAまたはポイントB)のみが増減される。
【0039】
ポイントA処理部23aおよびポイントB処理部23bは、それぞれ、ポイントAおよびポイントBの残高を、使用者の購買行動に基づいて増減する。また、事前決済額記憶部24は、事前決済額の残高を、使用者の購買行動および事前決済行動に基づいて増減する。具体的な処理内容については後述する。
【0040】
なお、管理サーバ20は、各使用者が所持するスマートフォンなどの情報端末からもアクセス可能である。各使用者は、ポイントA記憶部22a、ポイントB記憶部22b、および事前決済額記憶部24に記憶された自らの各残高を確認したり、事前決済処理を行って事前決済額の残高を加算したりすることができる。
【0041】
〔決済およびポイント処理〕
続いて、自動販売機10における商品に即したポイント増減処理について、決済手段ごとに説明する。
【0042】
第一に、決済手段が現金決済または電子マネー決済である場合は、ポイントA処理部23aおよびポイントB処理部23bは、それぞれ、ポイントAおよびポイントBの残高を加算する。加算後のポイントAおよびポイントBの残高は、それぞれ、ポイントA記憶部22aおよびポイントB記憶部22bに記憶される。ポイントA記憶部22aに記憶されたポイントAの残高は、その後、外部ポイントサーバ3のマスターデータと同期される。この場合、一度の商品購入によりポイントAおよびポイントBの双方の加算を受けられるので、使用者の購買意欲を喚起しやすい。
【0043】
なお、ポイント管理システム1において、ポイントAおよびポイントBの加算条件は、それぞれ独立に定めることができる。各ポイントの加算条件は、ポイント管理システム1の運営者が意図する販売促進効果に基づいて任意に設定されうる。たとえば、ポイントBの加算率(商品購入代金に対する加算ポイントの割合)をポイントAの加算率より高く設定すると、ポイントBと交換可能である商品またはサービスに使用者を囲い込む効果が期待される。
【0044】
また、ポイント管理システム1において、ポイントAおよびポイントBの加算条件は、商品ごとに独立に定めることができる。たとえば、特に販売を促進したい注力商品のポイント加算率を、他の商品のポイント加算率より高く設定すると、当該注力商品の購入を喚起しやすい。
【0045】
第二に、決済手段がポイントBの減算である場合は、ポイントB処理部23bは、ポイントBの残高から商品との交換に必要な数のポイントを減算する。減算後のポイントBの残高は、ポイントB記憶部22bに記憶される。このとき、ポイントAの残高は増減せず、したがってポイントA処理部23aは何の処理も行わない。
【0046】
この場合、使用者はポイントBとの交換により無償で商品を得られる。ポイントBは前述の通り、ポイント管理システム1の運営者が独自に管理運営するポイントプログラムに基づくポイントである。使用者は、当該運営者の商品を繰り返し購入することでポイントBを蓄積し、蓄積された残高が商品との交換に必要な値を上回ったときに無償で商品を得られる。ポイント管理システム1の運営者は、一定の割合で商品を無償で提供することと引き換えに、自らの商品の購入を喚起する効果を期待する。なお、ポイントBとの交換により商品を提供する場合は、ポイント管理システム1の運営者は商品代金を回収できないので、外部事業者への費用の支払いが生じるポイントAの加算を行わない。
【0047】
第三に、決済手段がポイントAの減算である場合は、ポイントA処理部23aは、ポイントAの残高から商品との交換に必要な数のポイントを減算する。減算後のポイントAの残高は、ポイントA記憶部22aに記憶され、その後、外部ポイントサーバ3のマスターデータと同期される。また、このとき、ポイントB処理部23bは、ポイントBの残高を加算する。加算後のポイントBの残高は、ポイントB記憶部22bに記憶される。
【0048】
この場合、使用者はポイントAとの交換により無償で商品を得られる。ポイントAは前述の通り、ポイント管理システム1の運営者と提携する外部事業者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントである。当該運営者がポイントAとの交換により商品を提供した場合、外部事業者から費用の支払いを受けることができる。すなわち、ポイントAとの交換により商品を提供する場合は、ポイントBとの交換により商品を提供した場合と異なり、当該運営者は商品の費用を回収できる。したがって当該運営者はポイントBの加算を行い、自社商品の購買喚起効果を期待する。
【0049】
第四に、決済手段が事前決済額残高の減算である場合は、決済処理部12cは、管理サーバ20の事前決済額記憶部24に記憶された事前決済額残高から商品代金に相当する額を減算する。このとき、ポイントA処理部23aおよびポイントB処理部23bは、それぞれ、ポイントAおよびポイントBの残高を加算する。その後の処理および期待効果は、決済手段が現金決済または電子マネー決済である場合と同様である。ただし、決済手段が事前決済額残高の減算である場合は、ポイント管理システム1の運営者に対して、まとまった額の入金が事前になされるため、当該運営者にとって好ましい。そのため、商品代金を割り引く、ポイントAおよびポイントBの少なくとも一方の加算率を他の決済手段の場合より高く設定する、などの使用者に有利な販売条件を設定し、事前決済額残高の減算が決済手段として選択されることを奨励してもよい。
【0050】
なお、決済手段が事前決済額残高の減算である場合の他の実施形態として、各使用者が、自身が所持するスマートフォンなどの情報端末上において、購入を希望する商品を事前に選択する形態を取りうる。かかる実施形態においては、情報端末上で購入を希望する商品を選択すると、当該商品に係る情報と、使用者のユーザーID−Bとに変換可能な識別符号が生成され、当該情報端末の画面上に表示される。使用者が、この識別符号を識別情報生成部11に提示すると、ポイント管理システム1は、使用者の特定、払い出すべき商品の特定および当該商品の払い出し、ポイントAおよびポイントBの加算処理、ならびに事前決済額の減算処理を、全て実行する。すなわち使用者は、自動販売機10の前においては、識別符号を識別情報生成部11に提示する操作を行うだけで、商品を購入するとともにポイントAおよびポイントBの付与を受けることができる。
【0051】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るポイント管理システム、ポイント管理方法、およびポイント管理プログラムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0052】
上記の実施形態では、決済部12が、現金決済、電子マネー決済、ポイントA残高の減算、ポイントB残高の減算、および事前決済額の残高の減算からなる決済手段群から使用者が選択する決済手段により商品代金の決済を実行可能に構成された例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る決済部は、金銭収受およびポイント減算を含む決済手段群から使用者が選択する決済手段により決済を実行可能に構成されていれば、上記の実施形態に列挙した決済手段の一部を選択不可能であってもよい。なお、本発明に係る自動販売機および管理サーバは、選択不可能な決済手段の実行に必要な構成要素を有しなくてもよい。たとえば、上記の実施形態において、現金決済に係る現金授受部12a、電子マネー決済に係る非接触通信部12b、ポイントB残高の減算に係るポイントB記憶部22bおよびポイントB処理部23b、ならびに事前決済額の減算に係る事前決済額記憶部24は、対応する決済手段を選択可能に構成しない場合は省略されうる。
【0053】
上記の実施形態では、識別情報生成部11が読み取る識別符号として、使用者が所持するカードに印刷された一次元コード、および、使用者が所持するスマートフォンの画面に表示された二次元コードを例示した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る識別符号は、当該識別符号に基づいて使用者を特定する識別情報を生成できる限り、いかなる態様であってもよい。本発明に係る識別情報生成部は、たとえば、指紋、虹彩、顔などを識別符号として用いる生体認証により識別情報を生成するように構成されてもよいし、使用者が所持する非接触ICカードとの非接触通信により識別符号を取得して識別情報を生成するように構成されてもよい。なお、本発明に係る識別情報生成部が、撮影以外の方法により識別符号を読み取るように構成される場合は、撮影部は省略されうる。また、識別符号に含まれる情報についても、当該識別符号に基づいて使用者を特定する識別情報を生成できる限り、いかなる態様であってもよく、たとえば、事前決済された購入商品を特定する情報や、割引クーポンに関する情報などが含まれうる。
【0054】
上記の実施形態では、ポイント管理システム1が、ポイントAおよびポイントBの増減処理を実行可能に構成された例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係るポイント管理システムは、単一のポイントの増減を処理可能に構成されてもよく、この場合、本発明に係る管理サーバは、副ポイント記憶部および副ポイント処理部を有しなくてもよい。なおこの場合、当該単一のポイントは、本発明に係るポイント管理システムの運営者が運営するポイントプログラムに基づくポイントであってもよいし、当該運営者とは異なる第三者が運営するポイントプログラムに基づくポイントであってもよい。また、本発明に係るポイント管理システムは、3種類以上のポイントの増減を処理可能に構成されてもよい。この場合、当該複数のポイントのそれぞれの運営者は、本発明に係るポイント管理システムの運営者であってもよいし、当該運営者とは異なる第三者であってもよい。
【0055】
上記の実施形態では、管理サーバ20がポイントA記憶部22aを備え、外部ポイントサーバ3に記憶されたポイントA残高と、ポイントA記憶部22aに記憶されたポイントA残高とを同期する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る管理サーバは、たとえば、外部サーバに記憶されたポイント残高に対して直接に増減処理を実行できるように構成されてもよい。
【0056】
上記の実施形態では、管理サーバ20が、ポイント管理システム1の運営者とは異なる外部事業者が管理運営する外部ポイントサーバ3と通信可能に構成された例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る管理サーバが通信する外部サーバは、本発明に係るポイント管理システムと同一の者が運営する外部サーバであってもよい。
【0057】
上記の実施形態では、管理サーバ20が、ポイントBに係るユーザーID−Bに、ポイントAに係るユーザーID−Aを関連付けて管理する構成を例として説明した。しかし、本発明に係るポイント管理プログラムがポイントおよび副ポイントの増減処理を行う場合、複数のポイントプログラムに係る複数のポイントを増減するための管理方法は、上記の実施形態に限定されず任意の態様でありうる。たとえば、識別符号が複数のユーザーIDを生成可能に構成されていてもよい。
【0058】
上記の実施形態では、ポイント管理システム1が増減処理を行うポイントAおよびポイントBについて、ポイントAは当該運営者と提携する外部事業者が管理運営するポイントプログラムに基づくポイントであり、ポイントBはポイント管理システム1の運営者が独自に管理運営するポイントプログラムに基づくポイントである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係るポイント管理プログラムがポイントおよび副ポイントの増減処理を行う場合、当該ポイントおよび当該副ポイントは、双方とも同一の事業者が提供するポイントプログラムに基づくポイントであってもよいし、双方とも本発明に係るポイント管理プログラムの運営者とは異なる第三者が提供するポイントプログラムに基づくポイントであってもよい。
【0059】
ここで、本発明に係るポイント管理プログラムが3種類以上のポイントの増減を処理可能に構成される場合の例として、上記の実施形態の変形例として説明する。当変形例において、ポイント管理システムは、さらに、ポイントAの運営者ともポイントBの運営者とも異なる外部事業者によるポイントプログラムに係る「ポイントC」の増減を管理可能に構成される。管理サーバは、ユーザーID−AとユーザーID−Bとを関連付ける態様のほか、ユーザーID−BとユーザーID−Cとを関連付ける態様でも動作できる。すなわち、前者の態様においてはポイントAとポイントBとの増減処理を行い、後者の態様においてはポイントBとポイントCとの増減処理を行う。使用者は、ポイントAおよびポイントCの蓄積状況などに基づいて、いずれのポイントをポイントBと関連付けて使用するか、いつでも任意に選択できる。なお、前述のように、各ポイントの運営者は、それぞれ、本発明に係るポイント管理システムの運営者と同一であってもよいし、当該運営者とは異なる第三者であってもよい。
【0060】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、自動販売機で購入した商品により付与されるポイントを管理するポイント管理システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 :ポイント管理システム
2 :ネットワーク
3 :外部ポイントサーバ
10 :自動販売機
11 :識別情報生成部
11a :読取カメラ
12 :決済部
12a :現金授受部
12b :非接触通信部
12c :決済処理部
13 :自動販売機通信部
14 :制御部
20 :管理サーバ
21 :サーバ通信部
22a :ポイントA記憶部
22b :ポイントB記憶部
23a :ポイントA処理部
23b :ポイントB処理部
24 :事前決済額記憶部
【要約】
【課題】商品販売に係る決済手段を、ポイントの使用を含む複数の手段から使用者が選択可能な自動販売機を実現する。
【解決手段】自動販売機10と管理サーバ20とを備えるポイント管理システム1であって、自動販売機10は、使用者を特定する識別情報を生成可能な識別情報生成部11、商品販売に係る決済を、使用者が選択する決済手段により実行可能な決済部12、自動販売機通信部13、および制御部14を有し、管理サーバ20は、自動販売機10から情報を受信するとともに外部サーバ3と通信可能なサーバ通信部21、使用者のポイント残高を増減して増減後のポイント残高を外部サーバ3に記憶させるポイント処理が可能なポイント処理部23a、を有し、ポイント処理部23aは、決済手段が金銭収受である場合はポイント残高を加算し、決済手段がポイント減算である場合はポイント残高を減算する。
【選択図】
図2