特許第6682081号(P6682081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6682081
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】冷凍方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20200406BHJP
   F25B 6/04 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   F25B1/00 331Z
   F25B1/00 304Z
   F25B6/04 Z
   F25B1/00 396Z
   F25B1/00 396B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-172569(P2019-172569)
(22)【出願日】2019年9月24日
【審査請求日】2019年10月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501188720
【氏名又は名称】株式会社マック
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】松下 紘晃
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−187370(JP,A)
【文献】 実開昭56−155277(JP,U)
【文献】 国際公開第2016/013077(WO,A1)
【文献】 特開平06−331223(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第00959329(FR,A1)
【文献】 特表平07−504490(JP,A)
【文献】 特開2017−138046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒として、二酸化炭素と低GWP値のHFOガスを混合した非共沸混合冷媒を用いて、冷凍回路の高圧を冷却によって3.0MPa以下とするために、ケーシングの内部に一枚の伝熱プレートを設け、その伝熱プレートによって、冷媒が流通する、同一の容量を有する一次側と二次側を形成し、前記した伝熱プレートの伝熱面積は一次側と二次側で同一とした熱交換器を直列に複数個連接して多段式蒸発減圧機構を構成し、各熱交換器の二次側流入口前には減圧弁を配し、凝縮器から前記多段式蒸発減圧機構へ冷媒が流入する前にはその多段式蒸発減圧機構の全体の圧力調整を行なう全体圧力調整弁を設けたことを特徴とする冷凍方法。
【請求項2】
前記した多段式蒸発減圧機構は前記した熱交換器を三つ連接して三段式の蒸発減圧機構としてあることを特徴とする請求項1に記載の冷凍方法。
【請求項3】
前記した冷媒は二酸化炭素とR1224yd(HFO−1224yd)の混合ガスとしてあることを特徴とする請求項1に記載の冷凍方法。
【請求項4】
前記した減圧弁はキャピラリチューブとし、このキャピラリチューブで減圧度を調整することを特徴とする請求項1に記載の冷凍方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷凍方法に関し、冷媒として二酸化炭素等の低沸点、高圧冷媒を混合した非共沸混合冷媒を使用した冷凍方法に関し、特に回路の高圧側を3.0MPa以下として、特殊な耐圧用仕様とする必要なく、従来の汎用製品を用いて装置を組上げることのできる冷凍方法に関する。二酸化炭素は温暖化係数(GWP値)が低く、低沸点冷媒の特性を有し、高圧であるため、凝縮温度が低く、即ち、凝縮熱源温度として低温を必要とする状態に対応するべく多段式蒸発減圧機構装置を開発し、これを設けて、冷媒ガスの冷却凝縮を進行させて冷凍サイクルを確立することが出来る方法である。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍装置に使用される冷媒はフロンガスを用いることが一般的であったが、このフロンガスの排出は地球環境、特に気象温暖化現象に大きな悪影響を与えることが判り、これを防止するため、温暖化係数(GWP値)の低い自然由来の自然冷媒の使用が求められ、特に自然冷媒のうちでもGWP値が1を示す二酸化炭素の供用が提唱されている。
【0003】
しかしながら、この二酸化炭素は、低沸点冷媒の特性を有し、高圧であるため、凝縮温度が低く、即ち、凝縮熱源温度として低温を必要とするもので、通常、外気温度では、二酸化炭素を冷媒とした冷凍装置は安全に連続運転することが出来ない。そこで、二酸化炭素と低GWP値のHFOガスを混合し、凝縮圧力を低下させる混合冷媒とし、二酸化炭素に近いGWP値が得られる非共沸混合冷媒を使用して、地球環境、特に温暖化現象を防止する冷凍装置もしくは方法が開発された。
【0004】
前記した低GWP値のフロンガスは低圧ではあるが、高沸点冷媒となり、その単体冷媒ではマイナス30℃以下とならない。二酸化炭素は低GWP値であるが、高圧で低沸点であり、マイナス55℃の蒸発温度が可能となる。本発明の実施で使用しようとする冷媒は低GWP値で、低沸点とし、常温で完全凝縮し得る性質を有するもので無く、冷凍機より吐出した過熱蒸気帯で、凝縮器により常温で冷却され湿り蒸気帯の気液二相の未凝縮冷媒を多段式蒸発減圧機構で、凝縮・減圧・蒸発・冷却・凝縮と繰り返しながら低温と低圧に進行して冷媒液となる。二酸化炭素とHFO−1224yd(ハイドロフルオロオレフィン)の冷媒性能は従来のフレオンガスR245fa等と同等以上で、熱的・化学的特徴を持つフレオンと同様であり、二酸化炭素とその他のHFO冷媒との混合もノンフロン冷媒となる。HFO−1224ydの地球温暖化係数(GWP値)は1より小さく、HFO−1234yfのGWP値は4、二酸化炭素のGWP値は1であり、これらはノンフロン冷媒としてフロン排出抑制法の対象外となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−138046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、二酸化炭素にHFO冷媒を混合して非共沸混合冷媒とし、加えて湿り蒸気内での温度勾配の大きな混合冷媒にあっては、特に凝縮工程で格別な低温熱源を必要とするか、または未凝縮となって高圧となってしまい、正常な冷凍連続運転を維持することが困難となってしまう。または特殊な耐圧用仕様を施す必要があったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した問題点を解決するために、本願に係る冷凍方法は、冷媒として、二酸化炭素と低GWP値のHFOガスを混合した非共沸混合冷媒を用いて、冷凍回路の高圧を冷却によって3.0MPa以下とするために、ケーシングの内部に一枚の伝熱プレートを設け、その伝熱プレートによって、冷媒が流通する、同一の容量を有する一次側と二次側を形成し、前記した伝熱プレートの伝熱面積は一次側と二次側で同一とした熱交換器を直列に複数個連接して多段式蒸発減圧機構を構成し、各熱交換器の二次側流入口前には減圧弁を配し、凝縮器から前記多段式蒸発減圧機構へ冷媒が流入する前にはその多段式蒸発減圧機構の全体の圧力調整を行なう全体圧力調整弁を設けたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る冷凍方法は、前記した多段式蒸発減圧機構は前記した熱交換器を三つ連接して三段式の蒸発減圧機構としてあることを特徴とし、前記した冷媒は二酸化炭素とR1224yd(HFO−1224yd)の混合ガスとしてあることを特徴とし、前記した減圧弁はキャピラリチューブとし、このキャピラリチューブで減圧度を調整することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本願に係る冷凍方法は、上記のように構成されている。そのため、本願発明が実施される冷凍回路では、冷媒は凝縮器を通過すると、全体圧力調整弁を通って僅かに減圧されて、多段式蒸発減圧機構へ導入される。この多段式蒸発減圧機構は複数の熱交換器が直列に連接されているもので、各熱交換器で一次側に流入した冷媒と、一次側を通過した冷媒が膨張弁(絞り弁)を通って、再び同一熱交換器の二次側に流入する。この際、一次側の冷媒潜熱は二次側冷媒の蒸発熱源となり、二次側の冷媒潜熱は一次側に流入する冷媒の凝縮熱源となる。即ち熱交換器一次側は凝縮器となり、二次側熱交換器入り口の膨張弁(絞り弁)で膨張・減圧し・二次側熱交換器で蒸発・一次側冷媒の冷却凝縮液化を繰り返し行うシステムとなる。一次側と二次側は熱交換しながら凝縮潜熱を残存させ、次工程に活用される。これを多段式に繰り返すことで、冷媒を膨張、減圧して高圧側を3.0MPa以下の圧力で循環させることが可能となり、そこには格別な耐圧仕様も必要ないものとなって、ノンフロン冷媒による良好な冷凍方法そして装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願発明を実施するための冷凍回路図である。
図2】多段式蒸発減圧機構を構成する熱交換器(特に一段目)を示す図である。
図3】冷媒の流れを示すフローチャート図である。
図4削除
図5】多段式蒸発減圧機構の配置概念図である。
図6削除
図7】本発明を実施する冷凍回路の概略図である。
図8】従来の冷凍回路図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面として示す回路(装置)を使用し、実施例で述べたように実施することで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に本発明の実施例を、図面を参照して説明する。図中20は圧縮機を示しており、この圧縮機20から吐出された高温、高圧の冷媒は凝縮器21で凝縮される。ここで使用される冷媒は二酸化炭素と低GWP値のフロンガス、特にHFO−1224yd(ハイドロフルオロオレフィン)の混合ガスで非共沸混合冷媒となっており、この混合比は二酸化炭素50%、HFOが50%、即ち、1:1が好ましい。凝縮器21では圧縮機20から吐出された高温、高圧の冷媒ガスを常温外気・或いは冷却水で凝縮するとともに凝縮潜熱を内包した気液二相の冷媒となる。圧縮機20より吐出された冷媒ガスは100〜150℃の過熱蒸気帯なので常温凝縮熱源温度でも冷却熱交換できる。過熱蒸気域で一部凝縮した凝縮潜熱を内包する気液二相の冷媒となる。
【0013】
凝縮器21を通過した冷媒は気液二相の湿り蒸気帯に入る。本発明で使用する非共沸混合冷媒は、液相・気相で組成が異なり、熱交換器における蒸発及び凝縮の開始温度と終了温度が異なる(温度勾配もしくは温度すべり)、特に非共沸混合冷媒ではその混合比によっては温度勾配が10℃〜20℃以上発生する。そのため凝縮開始温度が低温で熱源温度に格別な低温を必要とするか未凝縮状態となってしまう。
【0014】
ここで、非共沸混合冷媒は他の混合冷媒と異なり、全組成範囲において、露点と沸点が分離した単なる混合物としての性質しか有しない。しかし、混合した各々の冷媒特性は存在しているので、理論的に計算された沸点が算出できる。温度勾配は特に凝縮温度(高圧域)において大きく、完全凝縮化するには凝縮開始温度(各飽和蒸気温度)以下の凝縮熱源が必要となり、そのため外気による凝縮は非常に困難である。本来、凝縮用外部熱源は凝縮温度より低温熱源が必要であり、この完全な低温熱源は常時取り込むことはできない。
【0015】
ここで本発明の最も大きな特徴は、凝縮用低温熱源を多段式蒸発減圧機構Dで可能としたことである。凝縮器21を通過した冷媒は多段式蒸発減圧機構Dに導入される。この多段式蒸発減圧機構Dの構成は後に詳述するが、その全体の導入前に設けられている減圧弁(絞り弁)22によって僅かに減圧される。この減圧弁22は多段式蒸発減圧機構Dの全体の圧力を調整する。尚、図3のチャート図で減衰装置あるいは減圧装置と記載してあるのは多段式蒸発減圧機構を意味している。
【0016】
減圧弁22を通過した冷媒は本実施例では三段式としてある多段式蒸発減圧機構Dの一段目となる熱交換器23の一次側24へ導入される。この熱交換器23はケーシング内を一枚の伝熱プレートを設け、その伝熱プレートによって冷媒の流通する同一の容量を有する一次側24及び二次側25を形成してあり、伝熱プレートの伝熱面積は一次側24と二次側25で同一となっている。この一次側24に流入した、凝縮器21で放熱冷却した気液二相の冷媒は伝熱プレートを介して二次側25の蒸発熱源となり、同時に冷却される。一次側24へ導入された冷媒は二次側25の蒸発熱源(蒸発冷媒温度より高温)であり、二次側25の蒸発冷媒温度で冷却されて僅かに凝縮液化する。
【0017】
一次側24を通過した冷媒はキャピラリチューブ(細管)26を通って、その一次側24における圧力より低圧とされて二次側25へ流入する。この二次側25に流入した冷媒は内包している凝縮潜熱を消耗する。キャピラリチューブ26を最大限に絞ると圧力、温度は膨張弁から蒸発器のレベルまで下がり、熱交換器23の一次側24と二次側25はバーター熱交換して互いの潜熱を消耗する。高圧冷媒の減圧度はキャピラリチューブ(細管)26によって調節される。
【0018】
こうして、一段目となる熱交換器23を通過した冷媒は二段目となる熱交換器23aの一次側24aに導入され、一段目の熱交換器23と同様の作用を繰り返し、三段目となる熱交換器23bの一次側24bへ導入され、この三段目の熱交換器23bにおいても前記した一段目、二段目の熱交換器23、23aと同様の作用を行なう。多段式蒸発減圧機構Dにあっては、外部との断熱状態で、凝縮、減圧、蒸発を繰り返し、設定する冷媒の中間圧力(3.0MPa以下)と冷媒の温度となる。多段式蒸発減圧機構D内の各熱交換器にあっては一次・二次熱交換器の熱交換により、凝縮潜熱・蒸発潜熱を製造して自己サイクルのみで冷却能力を生み出すことが可能である。
【0019】
多段式蒸発減圧機構Dを通過した冷媒は、冷凍回路としての膨張弁27へ導入され、減圧された低温の冷媒ガスとなり、蒸発器28を通過して圧縮機20へ循環される。蒸発器28では凝縮潜熱の残量が蒸発潜熱となる。
【0020】
通常、飽和液線から飽和蒸気線すべてを冷却、凝縮、液化して相関して蒸発潜熱を引き出す。本発明では、全凝縮潜熱を液化しなくとも、高温な過熱蒸気域で熱交換する凝縮器で、凝縮潜熱を冷媒に内包させ、引き出される蒸発潜熱で冷却能力とすることが出来る。
【0021】
凝縮器21を通過すると多段式蒸発減圧機構Dに導入され、設定の中間圧力(3.0MPa以下)と冷媒温度となり、その後、膨張弁27を通過して設定の蒸発圧力、蒸発温度となる。多段式蒸発減圧機構D内で完全に蒸発にしないで、僅かな減圧にすれば内包する凝縮潜熱を消耗し切らずに残存し、この残存した凝縮潜熱と相関する蒸発潜熱が発生して冷却能力となる。
【0022】
冷媒ガス温度が高温な過熱蒸気域で凝縮器21を通過して、常温外気温度で冷却、液化可能な範囲(凝縮熱源温度よりも高温な冷媒過熱蒸気域)にして冷却、液化する(エンタルピーを消耗)。
【0023】
前記した各熱交換器23、23a、23bでは一次側24、24a、24bの冷媒熱源は二次側25、25a、25bの蒸発熱源となり、二次側25、25a、25bの冷媒潜熱は一次側24、24a、24bの凝縮熱源となり一次側と二次側はバーター熱交換しながら、凝縮潜熱を残存して、次工程に活用させる。この構成で、冷媒は膨張、減圧されて3.0MPa以下の圧力で循環させることが出来る。
【0024】
ここで、凝縮潜熱の放出域で冷媒よりも高温の外部熱源では凝縮はしない。圧縮機20からの吐出した冷媒はプラス100℃〜150℃であり、飽和蒸気線上ではプラス30℃〜40℃となり、プラス30℃〜150℃の吐出された冷媒をプラス27℃〜32℃の外気熱源温度で冷却する。この間で、吐出冷媒は凝縮潜熱を内包する。
【0025】
吐出冷媒が飽和蒸気線を越えて湿り蒸気域に入れば冷媒温度は低下して外気熱源温度では温度差がなく、冷却凝縮は不可能となる。吐出冷媒は湿り蒸気域で断熱膨張させて過熱蒸気域で内包した凝縮潜熱を利用した断熱蒸発等を作動させ、減圧させる。高圧冷媒を減圧させるために冷媒温度が低温となり外気熱源温度では冷却不可能となる。
【0026】
高圧低沸点の非共沸混合冷媒の特性である大きな温度勾配による湿り蒸気域では冷媒温度は低温となり、この特性も常温熱源温度では冷却不可能となる原因である。
【0027】
高圧の冷凍回路のどこかに低圧部が発生すると、高圧冷媒の冷凍回路全体が同圧となる。湿り蒸気域で断熱膨張させれば高圧の冷凍回路は蒸発熱源によって減圧する。圧縮機20から吐出して減圧され、以後も当該圧力に構成される。
【0028】
多段式蒸発減圧機構Dでは繰り返して僅かな凝縮、減圧、蒸発を行ない、残存する凝縮潜熱と低温の冷媒液を構成して蒸発潜熱(冷却能力)を実現する。各熱交換器では一次側、二次側の熱交換によって凝縮潜熱、蒸発潜熱を製造し、自己サイクルのみで冷却能力を生み出すことを可能とし、三段目では次第に冷却された冷媒は十分な凝縮状態となる。
【0029】
低沸点・高圧の冷媒を蒸気圧縮式冷凍機に使用した時、凝縮温度が常温帯であれば、冷媒の凝縮は不可能であり、高圧になるため高圧耐用の特殊な構造にするか、二段圧縮構造に改修する必要があるが、多段式蒸発減圧機構に採用される熱交換器は、その各々が一次側と二次側が一体となっており、各々の熱交換器で冷媒を冷却、低圧にするため、僅かづつの凝縮、蒸発エンタルピーを消耗して最終的に効率よく冷却のための蒸発を可能とする。
【0030】
自己の持つエンタルピーで冷媒を冷却、低圧にして最終的に冷却機能を発揮させることが可能となり、これは熱交換器が一つのみの構成では凝縮潜熱が不足して高圧異常となる。低沸点を高沸点の冷媒の非共沸混合冷媒を常温凝縮熱源温度で凝縮するとき、常温凝縮熱源温度より高温な冷媒過熱蒸気域で凝縮する。非共沸混合冷媒の特性として、湿り蒸気域では冷媒温度が急激に低下し、低温の凝縮熱源が必要となるが、この凝縮用低温熱源を各熱交換器の二次側で実現し、凝縮を可能としている。
【符号の説明】
【0031】
20 圧縮機
21 凝縮器
22 減圧弁(絞り弁)
23、23a、23b 熱交換器
24、24a、24b 一次側
25、25a、25b 二次側
26、26a、26b キャピラリチューブ
27 膨張弁
28 蒸発器
D 多段式蒸発減圧機構
【要約】      (修正有)
【課題】二酸化炭素にHFO冷媒を混合して非共沸混合冷媒とした冷凍方法を提供する。
【解決手段】冷媒として二酸化炭素とノンフロン冷媒を混合した非共沸混合冷媒を用いて、冷凍回路の高圧を冷却によって3.0MPa以下とするために、ケーシングの内部に一枚の伝熱プレートを設け、その伝熱プレートによって、冷媒が流通する、同一の容量を有する一次側と二次側を形成し、前記した伝熱プレートの伝熱面積は一次側と二次側で同一とした熱交換器を直列に複数個連接して多段式蒸発減圧機構を構成し、各熱交換器の二次側流入口前には減圧弁を配し、凝縮器から前記多段式蒸発減圧機構へ冷媒が流入する前にはその多段式蒸発減圧機構の全体の圧力調整を行なう全体圧力調整弁を設けたこととする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図5
図7
図8