(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682092
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】食物摂取方法を訓練できるように構成された装置
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20200406BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G09B5/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-518369(P2015-518369)
(86)(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公表番号】特表2015-523599(P2015-523599A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】SE2013000103
(87)【国際公開番号】WO2013191613
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年6月17日
【審判番号】不服2018-9960(P2018-9960/J1)
【審判請求日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】1200376-0
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】SE
(31)【優先権主張番号】61/679,113
(32)【優先日】2012年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512059109
【氏名又は名称】マンドメーター エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ベルジュ,セシリア
(72)【発明者】
【氏名】ソデルステン,ペル
(72)【発明者】
【氏名】ロアケイミディス,ロアニス
【合議体】
【審判長】
尾崎 淳史
【審判官】
吉村 尚
【審判官】
藤本 義仁
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/037513(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0128992(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0000810(US,A1)
【文献】
特開2012−110717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G09B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物摂取の規制を必要としている利用者向けに、食物の摂取を始まりから終わりまで表示する実画面(10)の前で、食物摂取方法を訓練できるように構成された装置であって、
前記実画面(10)には、仮想画面(18)を表示する仮想機器(12)、皿(20)を載せた秤(16)、および、摂取可能な食物が表示され、
前記仮想画面(18)には目標とすべき食物摂取ペースを表す曲線(28)が表示され、
前記装置は以下のステップ、すなわち、
a)利用者が、目標とすべき量の食物を、前記装置とのインターフェースを通じて、前記摂取可能な食物から選択して前記実画面(10)上の前記皿(20)に載せるステップ、
b)利用者が、仮想の食物摂取を開始するステップ、
c)利用者が、前記皿(20)をクリックして、仮想の食物咀嚼を行うと、仮想の食物咀嚼の頻度に合わせて、前記装置が仮想の食物摂取ペースの曲線(30)を計算して前記仮想画面(18)に重ねて表示するとともに、前記皿(20)に載せられた食物の表示を少なくするステップ、を実行するように構成され、
利用者が、仮想の食物咀嚼に基づく食物摂取ペースを、前記仮想画面に表示された目標とすべき食物摂取ペースに合わせることにより、利用者が目標とすべき食物摂取ペースを体得できることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記目標とすべき食物摂取ペースを表す曲線(28)においては、食物摂取ペースが食事の始まりから終わりにかけて下降していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ステップc)において、目標とすべき食物摂取ペースにおける食物咀嚼頻度を利用者に示唆するために、目標とすべき食物咀嚼頻度に合わせて食物を咀嚼するアバター(36)のグラフィックスを前記実画面(10)に表示することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ステップc)において、目標とすべき食物摂取ペースにおける食物咀嚼頻度を利用者に示唆するために、メトロノームのグラフィックおよび/または音を用いることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ステップc)において、目標とすべき食物摂取ペースにおける食物咀嚼頻度を利用者に示唆するために、点滅/フラッシュするアイコン又はその他のグラフィックを表示する、かつ/または、音を出力することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節された摂食技法を必要としている人々向けに、リアルな第1の画面から摂食を訓練するように構成された方法および装置に関し、この画面は、始まりから終わりまでどのようにして食事を摂取するのかを示す。
【背景技術】
【0002】
100年以上も前に、胃および腸の通路の生理機能のほとんどが、任意の所与の形式の刺激によって強制できるようになることをPavlovが示した。食物すなわち非強制的な刺激は、胃/腸からの生理反応をトリガし、食物関連ではない刺激がこの食物と何度か組み合されると、結局、非食物関連の刺激は、この刺激に対して強制的な反応になるので同様の生理反応をトリガすることになる。Pavlovの強制原理は、神経行動科学の分野を含め、行動科学の分野で最も研究の進んだものの1つである。
【0003】
Berghらの文書、米国特許出願公開第2010/0236839A1号明細書には、食物の摂取量および満腹度評価を測定するために利用される装置が記載されている。この文書では、Pavlovの原理に従って、実際の/本物の食物を摂取することなく人が食物を咀嚼するコンピュータ画面から、どのようにして食物の摂取をシミュレーションするのかが教示されていない。
【0004】
国際公開第2011/037513A1号パンフレットには、米国特許出願公開第2010/0236839A1号明細書に記載されているものの変形形態が記載されている。しかし、この文書でも、Pavlovの原理に従って、実際の/本物の食物を摂取することなく人が食物を咀嚼するコンピュータ画面から、どのようにして食物の摂取をシミュレーションするのかが教示されていない。
【0005】
以下の特許出願文書、米国特許出願公開第2002/0128992号明細書、およびAlabasterの米国特許出願公開第2001/0000810A1号明細書には、画面上でどのようにして食事を構成するのかが記載されている。しかし、Pavlovの原理に従って、実際の/本物の食物を摂取することなく人が食物を咀嚼するコンピュータ画面から、どのようにして食物の摂取をシミュレーションするのかが記載されていない。
【0006】
米国特許出願文書である、Adlerらの米国特許出願公開第2012/0127157A1号明細書にはアバターが記載されており、このアバターは、生理学的事象を識別する入力を受け取ることができる。この文書では、Pavlovの原理に従って、実際の/本物の食物を摂取することなく人が食物を咀嚼するコンピュータ画面から、どのようにして食物の摂取をシミュレーションするのかが教示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0236839A1号明細書
【特許文献2】国際公開第2011/037513A1号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0128992号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0000810A1号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2012/0127157A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、数多くある目的の中の1つとして、コンピュータ画面、TV画面、スマートフォン画面、または知られている他の任意の画面などリアルな画面による仮想シミュレーションを介して、Pavlovの原理などに従って、オンラインで健康に食事することをシミュレーションするよう人々を訓練することを含む。本発明を実現することにより、人が摂食をシミュレーションしたいときはいつでも、また刺激を受ける人がいる場所ではほとんどどこでも、本物の食物を消費することなく摂食をシミュレーションすることが可能である。この技術分野において、このことは決して提案されてこなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書において、本発明では、調節された摂食技法を必要としている人々向けに、リアルな第1の画面の前でシミュレーションされた摂食を訓練するように構成された方法を説明し、この画面は、始まりから終わりまで食事の摂取を説明/制御する。したがって、本発明は、
第1のリアルな画面上での仮想機器のグラフィックスを介して摂食ペース/速度を記録するよう構成された第2の仮想画面のグラフィックスを示すコンピュータ・プログラムを用いて、前記第1のリアルな画面上に仮想の/シミュレーションされた食事用のグラフィカルな画面の画像を生成するステップであって、このプログラムが、仮想秤に配置された様々な食事のデータベースからの食物が入った陶磁器のグラフィックから、シミュレーションされた摂食用のプログラムを利用している人向けのシミュレーションされた画面上で、シミュレーションされた食物摂取を記録し、この食物の摂取が、仮想画面上での摂食ペースの練習曲線上に仮想的/シミュレーション的に記録されるステップと、
仮想画面上にリアルタイム曲線を生成するステップであって、この曲線が、人の摂食ペースならびに食事のシミュレーション中に摂食された食物の量を示し、健康的で許容可能な食事のリアルタイムの摂食ペースが、摂食ペースの練習曲線に忠実に沿わなければならないステップと、
仮想画面からの視覚フィードバックの誘導とともに摂食をシミュレーションする人によって、シミュレーションして食物を咀嚼するステップであって、結果として、胃および腸のホルモンが強制的に解放され、食事のシミュレーションを介して健康的に摂食するよう教示される人において満腹感が生じるステップと
を含む。
【0010】
本発明の一実施形態では、仮想画面上に示されたS字形曲線の形状で満腹度についての練習曲線が得られるとともに、摂食をシミュレーションする人は、自身の満腹感から得られるそのシミュレーションされた満腹度を、グラフ点の形状で断続的に記録し、健康的な満腹度が得られるときは、その曲線はS字形曲線に沿わなければならない。
【0011】
本発明の別の実施形態では、食事の始まりから終わりにかけて下降する練習曲線についての方法を含む。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は、アバターのグラフィックを含んでおり、これが仮想画面上に示された健康的なペースで咀嚼して、摂食をシミュレーションする人のシミュレーションされた咀嚼速度を制御する。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態では、摂食をシミュレーションして健康的なペースで咀嚼する人を制御する、メトロノームのグラフィックおよび/または音によって構成される。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態では、 点滅/フラッシュするアイコンのグラフィックまたは別のグラフィック画像、かつ/または、摂食をシミュレーションして健康的なペースで咀嚼する人を制御する音によって構成される。
【0015】
さらに、本発明では、調節された摂食技法を必要としている人々向けに、リアルな第1の画面からシミュレーションされた摂食を訓練するように構成された装置を説明し、この画面は、始まりから終わりまで食事の摂取を説明する。したがって、この発明性のある装置は、
仮想秤に配置された食物が入った陶磁器のグラフィックから、シミュレーションされた摂食用のプログラムを利用している人向けの仮想画面上の第1のリアルな画面上での仮想機器上のグラフィックスを介して摂食ペースを記録するように構成された第2の仮想画面上にグラフィカルに示された仮想食事用のグラフィック画面の画像を第1のリアルな画面上に作成する手段であって、このプログラムは、仮想食物が摂取/消費されるときに記録し、この食物が、仮想画面上での摂食ペースの練習曲線に対して記録される手段と、
シミュレーションされた食事用のコースとして人が選択する様々な食事を含むデータベースと、
人の摂食ペースならびに食事中に仮想的に摂食された食物の量を示すリアルタイム曲線を仮想画面上に作成する手段であって、健康的で許容可能な食事の実際の摂食ペースが、摂食ペースの練習曲線に忠実に沿わなければならない手段と、
摂食をシミュレーションする人による、仮想画面からの視覚フィードバックの誘導を介して食物の仮想咀嚼に対処する手段であって、結果として、胃および腸のホルモンが強制的に解放され、シミュレーションされた食事を介して健康的に摂食するように教示される人において、満腹の経験がもたらされる手段と
を備える。
【0016】
本発明の添付のシステム従属クレームは、添付の方法従属クレームに忠実に沿うものである。
【0017】
これ以降、本発明の実施形態および所与の実例をより良く理解するため、この説明全体を通して添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】絵で示したコンピュータ画面が、本発明によるシミュレーションされた摂食訓練用の機器を再現する一実施形態を示す概略図である。
【
図2】本発明による、絵で示した用具、皿、およびグラスを追加した、
図1と同じ図を示す概略図である。
【
図3】図中の食物を入れておくための容器ならびに皿に置かれた食物が追加され、この皿が本発明による秤の上に置かれている、
図2と同様の図を示す概略図である。
【
図4】
図3と同じ図を示すが、本発明により、完全な食事のために皿が食物で満たされるとともに、液体がグラスに満たされている状態が追加された概略図である。
【
図5】本発明による、一食分の食物を摂取する前の満腹度記録についての目盛りを画面に示す、摂食を訓練する機器を絵で示す概略図である。
【
図6】画面上での摂食ペースの練習曲線および満腹度、ならびに本発明による皿から食物が仮想的に取り出されたときに人が摂食している際の実際のペースを絵で示す概略図である。
【
図7】本発明による皿から食物が仮想的にさらに取り出されたときの、
図6に従って絵で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、たとえば、過食症、拒食症、肥満/過体重、または他の胃腸症状が原因で摂食する際にサポートを必要とする人の強制的な摂食行動のための、コンピュータ上でのインターネット/ウェブ/コンピュータ・プログラムによる摂食訓練に関する。
【0020】
前述の通り、胃および腸の通路の生理機能のほとんどが、ほとんど任意の種類の刺激によって強制できるようになることを、Pavlovが100年以上前に示した。たとえば、非強制的な刺激である食物は、胃および腸からの生理反応をトリガし、非食物関連である刺激がこの食物と複数回組み合されると、最後に、この非食物関連の刺激はまた、強制的な刺激として機能することによって、胃および腸において同じ生理反応をトリガすることになる。このPavlovの強制原理は、神経行動科学研究の分野を含め、行動科学において最も検討された原理の1つである。
【0021】
仮称Mandomeal(登録商標)としても知られている、本発明による方法および装置は、以下の仮定に基づいている。すなわち、たとえば、コンピュータ画面上に示された仮想食物の摂食を訓練/模倣することによる「仮想の/シミュレーションされた摂食」を介して、胃および腸の通路において強制的で健康的な生理機能を生成することが可能であり、アバター36からの視覚フィードバックの助けを借りてシミュレーションにおいて健康的なペースで人が消費した一口を咀嚼し、また、画面上において健康的なペースで咀嚼することによって、食物が実際のものであった場合と同様に摂食をシミュレーションすることが可能であり、結果として、最終的に胃および腸のホルモンが強制的に解放され、シミュレーションにおいて摂食する人について満腹感が生じる。
【0022】
研究によれば、聴覚フィードバックも、健康的なペースで摂食するよう人を誘導することができ、そのペースは約5gの咀嚼速度で約25〜30g/分であり、本発明の方法および装置を利用する人に、1分間に5回の速度での音/振動を用いて咀嚼速度を示して、実際の食物を摂食することなく、健康的なペースで摂食することをその人が学習することが有益である。
【0023】
本発明での手段は、ソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアを含む。
【0024】
この実施形態において、
図1には、絵に示して機器12が仮想摂食を訓練するようにするコンピュータ画面10が示してあり、この機器12は、秤16に接続(14)されるとともに、コンピュータを利用して本発明によるシミュレーションされた摂食を訓練する人が摂取した仮想摂食のデータを示す画面18を有する機器に接続されている。食物は、シミュレーションされた食事用のコースとして人が選択する様々な食事を含むデータベース(図示せず)を介して提供される。一実施形態では、データベースに記録された食事をリアルな画面10上に示して、たとえば、食事/コースの画像をクリック/タッチすることによって食事を選択することもできる。
【0025】
さらに、
図2には、本発明による、用具、皿20、およびグラスを追加した、
図1と同じ画面の画像が示してある。皿は秤16の上に配置されるものであり、このために、各用具をこの目的のための専用ソフトウェアを介して利用して、たとえばコンピュータのマウス・クリックなどを介したコンピュータ画面10の助けを借りて摂食を訓練している人が、皿20から食物を摂食するのをシミュレーションすることができる。
【0026】
シミュレーションされた摂食の訓練が
図3に従って継続され、コンピュータ画面10は、その人が摂食のプロセスをシミュレーションするための訓練をしている食物コースを提示する。この人は皿の上に仮想食物を置くように要求され、それにより、ほぼ95〜105グラムに対応する本発明による一例では、仮想画面18は、
図3に55グラムの食物を表示/指示することになる。
【0027】
図4では、100グラムの食物が皿の上に置かれており、摂食を訓練している人は、準備ができたら摂食を開始するように促される様子が仮想画面18に示してある。あるいは、画面18は、皿の上の食物のパーセンテージ目盛りを示すことができる。一実施形態では、画面18は、記録された摂食結果を人が見るのを支援するよう、画面10上で引き伸ばされた画像とすることができる。
【0028】
図5には摂食を訓練するための機器が絵で示してあり、その画面には、摂食をシミュレーションしている人が、本発明による食物を摂取する前に満腹感を目盛り16上に記載するよう要求される満腹度記録用の目盛り16が示してあり、この人は、食事の間にこうした記載を要求されることになる。
【0029】
さらに
図6には、画面18上の摂食ペースの練習曲線28および満腹度の練習曲線26、ならびに、本発明により満腹度についてのグラフ点32を記録することに加えて、食物が皿から仮想的に取り出されるときに、人/アバターが摂食/咀嚼をシミュレーションしている実際のペース30が絵で示してある。
【0030】
画面上には、曲線32が概して練習曲線28に従っていることから、摂食を訓練している人が、健康的な摂食ペースを有している様子が示してある。
図6での満腹度の2つの記録32が概してS字形曲線26に沿っているとき、本発明に従って摂食を訓練している人の満腹感でさえ健康的である。この曲線は、本出願人の研究者達が開発した科学的根拠のある測定曲線であり、これは、健康的な摂食者の満腹感を模倣するように示されたものである。さらに
図6では、この人は、咀嚼(34)するため、一口の食物の摂食をシミュレーションするよう要求され/促される。すなわち、この人はコンピュータのカーソルで皿をクリックする。
【0031】
図7には、
図6による絵が示してあり、ここで、本発明に従ってより多くの食物が皿から仮想的に取り出され、満腹度のS字形曲線26とともに摂食ペースの練習曲線28に従う実際の摂食ペース30での満腹度32の記録とともに、
図6による方法が繰り返される。
【0032】
したがって、本発明の条件によれば、方法ならびに装置は、リアルな第1の画面10から摂食を訓練するように構成され、この画面は、食事の始まりから終わりまでどのようにして食事を摂取/消費するのかを、調節された摂食技法を必要としている人に示す。これにより、この目的用のコンピュータ・プログラムを介した仮想の/シミュレーションされた食事用のグラフィカルな画面の画像が、第1のリアルな画面10から生成される。このプログラムは、仮想摂食用のプログラムを利用している人向けに、仮想秤16のグラフィックを介して摂食ペース30を記録するように構成された第2の仮想画面18のグラフィックスを示し、第1のリアルな画面10上、および秤の上に置かれた食物が入った陶磁器20のグラフィック上の仮想画面18上に示される。示してあるのが食物であることは
図3〜7から明らかであり、30において食物が仮想的に摂取されるときに、記録され、ここで、食物の摂取30は、仮想画面18上で健康的に食物を摂取する人々の摂食ペースの練習曲線28に仮想的に接続される。
【0033】
さらに、仮想画面18上に実際の曲線30が生成され、これは食事のシミュレーション中に摂食された食物とともに人の摂食ペース/速度を示し、ここでは、健康的で許容可能な食事において、実際の摂食ペースは、摂食ペースの練習曲線28に一致しなければならない。本発明の一実施形態では、食物摂取の量がグラフのY軸に示してあり、食物摂取のペースがX軸に示してある。
【0034】
仮想摂食している人による食物の咀嚼は、仮想画面からの視覚フィードバックの誘導の下で実行され、結果として、胃および腸のホルモンが強制的に解放され、それにより、健康的に摂食することを仮想的に訓練されている人において満腹感が生じる。さらに
図6〜7には、仮想画面18上に示されるS字形曲線26の形式で満腹度の練習曲線が示してあるとともに、摂食をシミュレーションする人は、自身が感じる満腹度のグラフ点の形式で断続的にその仮想満腹度32を記録し、健康的な満腹度が得られるときは、そのグラフ点はS字形曲線26に沿わなければならない。
【0035】
本発明の一実施形態では、練習曲線28は、食事の始まりから終わりにかけて下降しているが、このことは、健康的な摂食において自然であることが本出願人の研究者達によって科学的に証明されてきた。
【0036】
本発明に従って摂食を訓練している人のプロセスを容易にするため、健康的なペースで咀嚼している
図6および
図7におけるアバター36のグラフィックスが仮想画面18に示されて、摂食をシミュレーションする人の咀嚼ペースを仮想的に誘導する。あるいは一実施形態では、健康的なペースで咀嚼(34)するために摂食をシミュレーションする人を制御するのは、メトロノームのグラフィックスおよび/または音である。同様に、本発明は、点滅/フラッシュし、かつ/または、摂食をシミュレーションして健康的なペースで咀嚼する人を音によって制御するアイコンのグラフィックまたは別のグラフィック画像を含む。本明細書において、咀嚼のペースは、約1噛み/(1.5〜1.7秒)の頻度とすることもでき、これが
図6および
図7でのアバター36によって示してあり、このアバターは、もちろん画面10において動くことができ、咀嚼している人間のより自然な画像を示すこともできる。アバターはたとえば、本発明に従ってコンピュータ画面10の前で摂食しているユーザ/人のグラフィック表現であり、または、ユーザは、ゲームもしくは仮想世界での3D形状として、またインターネット・フォーラムもしくは他のオンライン・ネットワークでのアイコンの形式での2Dで自分の分身/特徴を変更する。
【0037】
添付1組の請求項が、この技術分野の当業者に対して、本発明の他の実現可能な実施形態を確定する。