特許第6682212号(P6682212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682212
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】建付け自動検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20200406BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20200406BHJP
   B62D 65/02 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   G01B11/14 Z
   G01B11/24 A
   B62D65/02
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-149606(P2015-149606)
(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公開番号】特開2017-32300(P2017-32300A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】安永 昌司
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−156214(JP,A)
【文献】 特開昭62−110138(JP,A)
【文献】 特開昭62−181888(JP,A)
【文献】 特開2007−033250(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0359994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
B62D 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を測定する建付け自動検査装置であって、
前記コンベアと、前記コンベアの横側方の床面上に基部が固定され前記コンベアの両横側方に前記コンベアを介して対向して配設した多軸ロボットと、前記多軸ロボットを制御する制御装置と、前記コンベアの上方に配設した車高検知センサと、前記コンベアの両横側方に前記コンベアを介して対向して配設した車幅検知センサと、を有し、
前記多軸ロボットは、6つの可動軸を備えた多軸ロボットであり、アーム先端にスリットレーザ光を用いた変位センサを備え、
前記制御装置は、前記多軸ロボットのアームの動作を制御することで、前記車両の型式に応じて予め最短の軌跡で移動するようにティーチングされた複数の測定箇所に対し、前記アーム先端の動きを前記コンベアによる前記車両の移動速度と移動方向に同期させながら、前記変位センサと前記車両とが相対静止した状態で前記変位センサによ前記測定箇所についての前記隙間と段差の測定と、前記測定箇所間の移動とを順次繰返しい、
前記車高検知センサと前記車幅検知センサにより得られた計測値から前記コンベア上における前記車両の位置を算出し、予め設定された車両の位置と比較してズレ量を算出することで、前記多軸ロボットの前記アーム先端の動きを前記ズレ量に応じてオフセットするように構成したことを特徴とする建付け自動検査装置。
【請求項2】
車両情報が記録され車両の外側面に貼着されるICタグと、
前記コンベアよりも上方に配設され前記ICタグの前記車両情報を読み取るICタグ読取部と
記ICタグ読取部と前記車高検知センサと前記車幅検知センサのいずれよりも前記コンベアの進行方向の前方に配設された車両前端検出センサと、
前記車両前端検出センサよりも前方に配設された測定開始センサと、を備え、
前記車両前端検出センサが前記車両の前端を検出すると同時に前記ICタグ読取部により前記ICタグに記録された前記車両情報を読み取り、更に、前記車高検知センサと前記車幅検知センサにより車高と車幅を計測し、計測された前記車高と前記車幅が前記車両情報と合致し、しかも、前記車両が前記測定開始センサにより検出された場合のみ前記多軸ロボットによる測定を開始するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建付け自動検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を測定する建付け自動検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両は、ドアやボンネットやバンパーやライト類等の各構成部品が組付けられており、これら各構成部品間の隙間や段差が規格内であることが検査された後、完成品として出荷される。また、古くから、いわゆる高級車と呼ばれるような高品質の車両においては、機械的な性能ばかりでなく、均一な隙間で段差の目立たない意匠性に優れた外観を呈することも非常に重要な要素となっていた。また、最近では、いわゆる普通車と呼ばれるような車両においても外観の建付け精度を向上させ付加価値を高めている。
【0003】
しかしながら、隣接する各構成部品は多くの場合曲面を跨ぐような位置に配設されるため、隙間や段差を測定するには手作業で行う必要があり、多大な人件費を必要としていた。しかも、現代の車両は製造装置の飛躍的な進歩や製造技術の向上により曲面が多用されている結果、測定自体が容易ではなく作業者間の測定数値にバラツキが生じやすい状況を伴っていた。
【0004】
このように、手作業による測定は作業者の熟練度に頼るばかりであり、データベースを活用した傾向管理等の弊害となっていたため、レーザセンサやリミットスイッチ等を用いた組付け精度計測システムが検討されている(特許文献1参照)。
【0005】
この組付け精度計測システムは、生産ラインを構成するコンベアを跨ぐように各部品組付け場に設置された門型架構にそれぞれレーザセンサが設置されており、さらに、中間完成品の所望の計測部位を確実にセンシングするために所定地点から計測部位までの所要時間がタイマー制御され、該タイマーのスタートはリミットスイッチを押出すことによって開始されるように構成されている。
【0006】
また、門型架構にはモニターが設置され、各部品組付け場における計測部位の計測結果が随時確認できる構成となっており、コンベア上をランダムに搬送される車種は、コンピュータに伝送された車種情報に基づいて確認でき、車種に応じてタイマー制御のタイマー調整がおこなわれるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−33250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載の組付け精度計測システムでは、門型架構に固定された複数のレーザセンサにより車両各部の隙間や段差を測定できるため、作業者を削減でき、しかも、データベースを活用した傾向管理等を行える点で有利である。
【0009】
しかしながら、該システムでは複数のレーザセンサは門型架構の左右柱に垂直方向に所定の間隔で固定され、略水平方向に向けたレーザ光を車両の側面に照射しているため、車種によっては測定すべき箇所にレーザが照射されず該箇所の測定を手作業で行うかレーザセンサの位置を変更しなければ多車種に対応できなかった。
【0010】
また、レーザセンサのレーザ光は略水平に照射されるため、曲面に形成された隙間や段差に対して必ずしも最適な角度で測定できず、測定精度に問題を有していた。
【0011】
更に、測定をリミットスイッチをトリガーとしたタイマー制御でおこなっているため、測定箇所を増やすにはレーザセンサのみならずリミットスイッチも同様に増設しなければならず、設置スペースの問題から設置できる数には限界があった。
【0012】
しかも、ボンネットとフェンダとの間隙のような車両の上面に存在する隙間や段差については測定できず、たとえ、レーザセンサを門型架構の左右柱間に介設した横桟に固定したとしても、ボンネットよりも上方に突設した運転部を有する一般的な車両に対しては、レーザセンサをボンネットに近接させることができないため実際上測定できなかった。
【0013】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を、車種に依存せず、しかも、任意の測定箇所を常に精度よく測定することができる建付け自動検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0015】
請求項1に係る発明では、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を測定する建付け自動検査装置であって、前記コンベアと、前記コンベアの横側方の床面上に基部が固定され前記コンベアの両横側方に前記コンベアを介して対向して配設した多軸ロボットと、前記多軸ロボットを制御する制御装置と、前記コンベアの上方に配設した車高検知センサと、前記コンベアの両横側方に前記コンベアを介して対向して配設した車幅検知センサと、を有し、前記多軸ロボットは、6つの可動軸を備えた多軸ロボットであり、アーム先端にスリットレーザ光を用いた変位センサを備え、前記制御装置は、前記多軸ロボットのアームの動作を制御することで、前記車両の型式に応じて予め最短の軌跡で移動するようにティーチングされた複数の測定箇所に対し、前記アーム先端の動きを前記コンベアによる前記車両の移動速度と移動方向に同期させながら、前記変位センサと前記車両とが相対静止した状態で前記変位センサによ前記測定箇所についての前記隙間と段差の測定と、前記測定箇所間の移動とを順次繰返しい、前記車高検知センサと前記車幅検知センサにより得られた計測値から前記コンベア上における前記車両の位置を算出し、予め設定された車両の位置と比較してズレ量を算出することで、前記多軸ロボットの前記アーム先端の動きを前記ズレ量に応じてオフセットするように構成したことを特徴とする建付け自動検査装置を提供せんとする。
【0016】
請求項2に係る発明では、車両情報が記録され車両の外側面に貼着されるICタグと、前記コンベアよりも上方に配設され前記ICタグの前記車両情報を読み取るICタグ読取部と、前記コンベアの上方に配設された車高検知センサと、前記コンベアの横側方に配設された車幅検知センサと、前記ICタグ読取部と前記車高検知センサと前記車幅検知センサのいずれよりも前記コンベアの進行方向の前方に配設された車両前端検出センサと、前記車両前端検出センサよりも前方に配設された測定開始センサと、を備え、前記車両前端検出センサが前記車両の前端を検出すると同時に前記ICタグ読取部により前記ICタグに記録された前記車両情報を読み取り、更に、前記車高検知センサと前記車幅検知センサにより車高と車幅を計測し、計測された前記車高と前記車幅が前記車両情報と合致し、しかも、前記車両が前記測定開始センサにより検出された場合のみ前記多軸ロボットによる測定を開始するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建付け自動検査装置を提供せんとする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を測定する建付け自動検査装置であって、前記コンベアと、コンベアの横側方の床面上に基部が固定された多軸ロボットとを有し、多軸ロボットはアーム先端にスリットレーザ光を用いた変位センサを備え、アーム先端は変位センサと車両とが相対静止するようにコンベアの移動速度と移動方向とを同期させながら変位センサにより車両の複数箇所を測定するように構成したことにより、如何なる形状の車両であっても正確な位置に変位センサを移動させて測定することができるため曲面に対しても最適な角度で測定でき、車種を限定することなく稼働させることができる。
また、本発明によれば、多軸ロボットはコンベアの両横側方にコンベアを介し対向して配設したことにより、車両の左右側からそれぞれの可動範囲内で同時に測定を行うことができるので、多軸ロボットが1台の場合に比して測定時間を半減させることができる。
また、本発明によれば、車幅検知センサはコンベアの両横側方にコンベアを介し対向して配設したことにより、車幅の計測精度を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、車高検知センサと車幅検知センサにより得られた計測値からコンベア上における車両の位置を算出し、予め設定された車両の位置と比較してズレ量を算出することで、多軸ロボットのアーム先端の動きをズレ量に応じてオフセットするように構成したことにより、測定毎にコンベア上に載置された車両の位置を正確に認識できるので、より精度の高い測定を行うことができるようになる。
【0021】
また、ボンネットとフェンダとの間隙のような車両の上面に存在する隙間や段差についても測定できるため、1台の車両について全ての測定箇所を自動で測定することができる。
【0022】
更に、作業者の熟練度に頼ることなく自動測定により作業者を削減できるばかりでなく、データベースを活用した傾向管理等を容易に行うことができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、車両情報が記録され車両の外側面に貼着されるICタグと、コンベアよりも上方に配設されICタグの車両情報を読み取るICタグ読取部と、コンベアの上方に配設された車高検知センサと、コンベアの横側方に配設された車幅検知センサと、ICタグ読取部と車高検知センサと車幅検知センサのいずれよりもコンベアの進行方向の前方に配設された車両前端検出センサと、車両前端検出センサよりも前方に配設された測定開始センサと、を備え、車両前端検出センサが車両の前端を検出すると同時にICタグ読取部によりICタグに記録された車両情報を読み取り、更に、車高検知センサと車幅検知センサにより車高と車幅を計測し、計測された車高と車幅が車両情報と合致し、しかも、車両が測定開始センサにより検出された場合のみ多軸ロボットによる測定を開始するように構成したことにより、測定すべき車両の型式を、ICタグに記録された車両情報と、自動測定による車高と車幅の計測値を用いてダブルチェックが可能となり型式を確実に判断できるので、計測ミス等による製造ラインの停止を防ぎ稼働率を向上させることができる。
【0024】
また、検出された車両の型式が測定対象車両と合致した時だけ測定開始センサによる車両の検出を受けて測定が開始されるので、合致しなかった際の多軸ロボットの無駄な動きを防止でき、しかも、多軸ロボットによる測定対象車両の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態に係る建付け自動検査装置による車両測定を示す斜視説明図である。
図2】(a)は同装置を正面から見た部分断面正面図で、(b)は(a)において多軸ロボットを省略した部分断面正面図である。
図3】変位センサにより隙間と段差を測定する様子を示した斜視説明図である。
図4】同装置で測定を行う測定点の一部を示す車両の側面図である。
図5】同装置を側面から見た部分断面側面図である。
図6】同装置による車両の検出と車高の計測前の状態を示す平面図である。
図7】同装置による車高と車幅の検出状態を示す平面図である。
図8】同装置による車高と車幅と車両の前端部の検出状態を示す平面図である。
図9】同装置による車両の前端部の検出状態を示す平面図である。
図10】同装置による車両の隙間と段差の測定状態を示す平面図である。
図11】同装置による車両の隙間と段差の測定状態を示す平面図である。
図12】同装置の一連の動作を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態に係る建付け自動検査装置の要旨は、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を測定する建付け自動検査装置であって、前記コンベアと、コンベアの横側方の床面上に基部が固定された多軸ロボットとを有し、多軸ロボットはアーム先端にスリットレーザ光を用いた変位センサを備え、アーム先端は変位センサと車両とが相対静止するようにコンベアの移動速度と移動方向とを同期させながら変位センサにより車両の複数箇所を測定するように構成したことを特徴とする。すなわち、移動するコンベア上に載置された車両に組付けられた各構成部品間の隙間と段差を、車種に依存せず、しかも、任意の測定箇所を常に精度よく測定することができる建付け自動検査装置の提供を図ろうとするものである。
【0030】
以下、本発明に係る建付け自動検査装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0031】
本発明の実施形態に係る建付け自動検査装置1は、図1図2に示すように、移動するコンベアC上に載置された車両Aに組付けられた各構成部品間の隙間Xと段差Yを測定する建付け自動検査装置1であって、コンベアCと、コンベアCの横側方の床面F上に基部3が固定された多軸ロボット2とを有し、多軸ロボット2はアーム先端13にスリットレーザ光を用いた変位センサ14を備え、アーム先端13は変位センサ14と車両Aとが相対静止するようにコンベアCの移動速度Vと移動方向Eとを同期させながら変位センサ14により車両Aの複数箇所を測定するように構成している。
【0032】
ここで、コンベアCについて説明する。
【0033】
まず、図1に示すように、自動車の組立ラインで使用されるコンベアCは、コンベアC上において車両Aを載置させた状態で、コンベアCを一定速度で一方向へ移動できるように構成されている。また、コンベアCの表面の材質は、金属材料や樹脂材料等で形成され、その外形は、コンベアCの始端部(図示せず)と終端部(図示せず)とで折り返して回転可能となるように環状となっている。
【0034】
また、コンベアC上は略平担に形成され、作業者の歩行が可能である。コンベアCの側縁には、歩行が可能な固定通路Rが形成されている。固定通路Rとは、コンベアCに沿って形成された通路で、工場床面に固定して設けられており、固定通路RとコンベアCとの境界部は、可能な限り隙間や段差が排除され、一体の床のように構成されている。
【0035】
コンベアC上には前部を前方とした車両AがコンベアCの幅方向の略中央部に載置され、コンベアCの移動速度Vで車両Aが移動する。なお、本実施形態では車両Aは前部にボンネットbを有し、中央部に運転部uを有し、後部にトランクtを配設した一般的な乗用車を用いて説明するが、車両Aの形状については特に限定されるものではない。
【0036】
次に、多軸ロボット2は各アームを連結する6つの可動軸を備え、車両A右側の固定通路Raの床面Fa上に基部3が固定され、アーム先端13には図3に示すように、スリットレーザ光15(所定幅をスキャンさせながら移動するレーザ光)を照射自在であると共にその反射光16を受光可能な変位センサ14を備えている。従って、基部3を中心として可動する範囲内で変位センサ14を任意の位置に移動させることができる。
【0037】
測定箇所は、例えば前ドアDfと後ドアDrとの間やボンネットbとフェンダfとの間等の隙間Xと段差Yであって、本実施形態では、車両Aの外観全体に現れる隙間や段差に対して図4に示すような複数の測定箇所を予め多軸ロボット2にティーチングさせてコンピュータPに記憶させ、該箇所を自動で測定するものである。
【0038】
また、コンベアCと共に移動する車両Aに対して変位センサ14を用いて精度よく測定するために、測定時には変位センサ14と車両Aとが相対静止するように構成している。すなわち、アーム先端13の動きをコンベアCの移動方向Eと移動速度Vに符合させた状態で測定を行う。
【0039】
このように移動する車両Aと多軸ロボット2のアーム先端13とを測定時に同期させるには、例えば、コンベアCを連結駆動している図示しないスプロケットの回動軸に図示しないロータリーエンコーダを連結してロータリーエンコーダのパルス数をコンピュータPに伝送し、コンピュータPにてロータリーエンコーダのパルス数からコンベアCの移動距離を算出してこの移動距離情報を多軸ロボット2に出力している。
【0040】
なお、本実施形態においては、後述する測定開始センサ40が車両Aを検出する毎にコンベアCの移動距離、すなわち車両Aの移動距離の開始点をリセットしてロータリーエンコーダのパルス数を車両Aの移動距離として多軸ロボット2に出力している。
【0041】
従って、多軸ロボット2の稼働中は常に車両Aの位置を多軸ロボット2が把握していることになる。
【0042】
なお、多軸ロボット2のアーム先端13とコンベアCとの同期を行う手段は上述の手段に限定されるものではなく、同期可能な如何なる方法であってもよい。
【0043】
以下、本発明の実施形態に係る建付け自動検査装置1の主要部分の具体的構成について詳述する。
【0044】
図1図2に示すように、多軸ロボット2は、固定通路Rの床面F上に固定された基部3に水平回動自在の第一可動軸4を有し、第一可動軸4の上部には垂直回動自在の第二可動軸5を連設し、第二可動軸5には一方の端部を第二可動軸5と連設した長尺の後アーム6を介して垂直回動自在の第三可動軸7を他方の端部に連設し、第三可動軸7の近傍に第四可動軸8を連設し、第四可動軸8には一方の端部を第四可動軸8と連設した長尺の中アーム9を形成している。なお、第四可動軸8は中アーム9自体をその場において第四可動軸8の軸線周りに回動自在とする可動軸である。
【0045】
また、中アーム9の他方の端部には第五可動軸10を連設し、第五可動軸10の近傍に第六可動軸11を連設し、第六可動軸11には一方の端部を第六可動軸11と連設した短尺の先アーム12を形成している。なお、第六可動軸11は先アーム12自体をその場において第六可動軸11の軸線周りに回動自在とする可動軸である。そして、先アーム12の先端に図3に示すような変位センサ14を連設している。
【0046】
このように6軸を備えた多軸ロボット2は、可動範囲において車両Aのいかなる部位にも変位センサ14を移動させることができる。なお、多軸ロボット2は配線j5により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0047】
また、多軸ロボット2は、コンベアCの両横側方にコンベアCを介して対向して配設してもよい。具体的には、車両A左側の固定通路Rbの床面Fb上に同様の多軸ロボット2aをコンベアCに臨ませて対向配置している。このように2つの多軸ロボット2,2aを配設することで1台の多軸ロボット2だけでは測定できない部位を測定できるばかりでなく、測定時間を半減させることができる。なお、多軸ロボット2aは配線j7により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0048】
また、本実施形態に係る建付け自動検査装置1では、図1図2図5に示すように、車両情報が記録され車両Aの外側面に貼着されるICタグ20と、コンベアCよりも上方に配設されICタグ20の車両情報を読み取るICタグ読取部22と、コンベアCの上方に配設された車高検知センサ26と、コンベアCの横側方に配設された車幅検知センサ30と、ICタグ読取部22と車高検知センサ26と車幅検知センサ30のいずれよりもコンベアCの進行方向Eの前方に配設された車両前端検出センサ33と、車両前端検出センサ33よりも前方に配設された測定開始センサ40と、を備え、車両前端検出センサ33が車両Aの前端部mを検出すると同時にICタグ読取部22によりICタグ20に記録された車両情報を読み取り、更に、車高検知センサ26と車幅検知センサ30により車高Hと車幅Wを計測し、計測された車高Hと車幅Wが車両情報と合致し、しかも、車両Aが測定開始センサ40により検出された場合のみ多軸ロボット2による測定を開始するように構成している。
【0049】
ICタグ20は、車両情報として少なくとも車種情報が記録されており、運転部uの上部屋根y後方に貼着される。車種情報とは、車両Aの型式を識別可能な情報であり、型式のみであったり、型式とボディーの色や車幅や車高等といった詳細な情報であってもよい。
【0050】
ICタグ読取部22は、ICタグ20の情報をICタグ20から離間した位置で無線により読み取ることができる受信装置であり、車両A右側の固定通路Raの床面Fa上に固定された略L字状のICタグ読取ステー24の端部にICタグ読取センサ23を配設することで全体としてICタグ読取部22を形成している。なお、ICタグ読取センサ23は配線j1により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0051】
車高検知センサ26は、ICタグ読取部22よりも前方に配設された門型ステー27の上部横桟28中央部に、検出面を下方として配設している。車高検知センサ26は、レーザセンサであり、車高検知センサ26から車両A上部に照射されたレーザ光の反射光を受光して車高検知センサ26と車両A上部との距離H1を測定し、車高Hに換算するものである。
【0052】
すなわち、上部横桟28に配設された車高検知センサ26とコンベアC上面との距離Haを予め算出(設定)しておき、実際の測定時に測定された車高検知センサ26と車両A上部との距離H1を差し引くことで測定値を車高Hそのものとすることができる。なお、このような車高Hへの換算はコンピュータPでの処理であっても、車高検知センサ26自身が有する機能によって実現してもよい。なお、車高検知センサ26は配線j2により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0053】
車幅検知センサ30は、車高検知センサ26よりも更に前方に配設され、車両A右側の固定通路Raの床面Fa上に固定された角柱状のセンサ取付け支柱31の上部において、検出面を車両A側に略水平とし、コンベアCの進行方向Eと略直交するように配設している。車幅検知センサ30は、レーザセンサであり、車幅検知センサ30から車両A側部に照射されたレーザ光の反射光を受光して車幅検知センサ30と車両A側部との距離W1を測定し、車幅Wに換算するものである。なお、車幅検知センサ30は配線j3により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0054】
すなわち、センサ取付け支柱31に配設された車幅検知センサ30とコンベアCの中央部との距離Waを予め算出(設定)しておき、実際の測定時に測定された車幅検知センサ30と車両A側部との距離W1を差し引いて2倍することで測定値を車幅Wそのものとすることができる。なお、このような車幅Wへの換算はコンピュータPでの処理であっても、車幅検知センサ30自身が有する機能によって実現してもよい。
【0055】
また、車幅検知センサ30は、コンベアCの両横側方にコンベアCを介して対向して配設してもよい。具体的には、車両A左側の固定通路Rbの床面Fb上に固定された角柱状のセンサ取付け支柱31aの上部において、検出面を車両A側に略水平とし、コンベアCの進行方向Eと略直交するように配設する。
【0056】
このように、2つの車幅検知センサ30,30aをコンベアCに臨ませて対向配置することで、上述のような、車幅検知センサ30と車両A側部との距離W1を差し引いて2倍することで測定値を車幅Wそのものとするよりも高精度で車幅Wを測定することができる。すなわち、車幅検知センサ30が1箇所であれば、コンベアC上に載置された車両Aの位置が左右いずれかに偏って載置されていた場合に実際よりも幅狭または幅広の車幅として算出される可能性がある。
【0057】
しかしながら、2つの車幅検知センサ30,30aを用いることで、予め算出(設定)した各車幅検知センサ30,30aからコンベアCの中央部への合計距離(Wa+Wb)、または各車幅検知センサ30,30a間の距離(Wa+Wb)を、実際に左右各々の車幅検知センサ30,30aで測定した合計距離(W1+W2)で差し引くことでより実車に近い車幅Wとして測定することができる。なお、追加される車幅検知センサ30aは配線j6により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0058】
なお、車幅検知センサ30を車両Aの長手方向に沿って複数配設すれば、コンベアCの進行方向Eに対してコンベアC上の車両Aの平面方向の傾きを精度よく検出することができる。
【0059】
車両前端検出センサ33は、車幅検知センサ30よりも更に前方に隣接して配設され、車両A右側の固定通路Raの床面Fa上に固定された角柱状のセンサ取付け支柱34の上部において、検出面を車両A側に略水平とし、コンベアCの進行方向Eと略直交するように配設している。車両前端検出センサ33は、レーザセンサであり、車両前端検出センサ33から車両A側部に照射されたレーザ光の反射光を受光してコンベアC上に車両Aが流れてきたことを検出するものである。なお、車両前端検出センサ33は配線j4により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0060】
すなわち、車両前端検出センサ33の検出面の前方に車両Aが移動してきた際、車両Aの前端部mが車両前端検出センサ33のレーザ光の反射を受けて車両Aの存在を検知する。
【0061】
本実施形態に係る建付け自動検査装置1では、車両前端検出センサ33が車両Aを検知すると同時にICタグ読取部22によりICタグ20に記録された車両情報を読み取り、更に、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aにより車高Hと車幅Wを計測し、計測された車高Hと車幅Wが車両情報と合致しているか否かがコンピュータPで照合される。
【0062】
計測された車高Hと車幅Wが車両情報と合致しない場合には、モニターMoや図示しない警光灯や警報音等の報知手段により作業者に報知するように構成している。
【0063】
測定開始センサ40は、車両前端検出センサ33よりも更に前方に隣接して配設され、車両A右側の固定通路Raの床面Fa上に固定された角柱状のセンサ取付け支柱41の上部において、検出面を車両A側に略水平とし、コンベアCの進行方向Eと略直交するように配設している。測定開始センサ40は、レーザセンサであり、測定開始センサ40から車両A側部に照射されたレーザ光の反射光を受光してコンベアC上に車両Aが流れてきたことを検出するものである。なお、測定開始センサ40は配線j8により制御装置としてのコンピュータPと接続している。
【0064】
すなわち、測定開始センサ40の検出面の前方に車両Aが移動してきた際、車両Aの前端部mが測定開始センサ40のレーザ光の反射を受けて車両Aの存在を検知する。
【0065】
本実施形態に係る建付け自動検査装置1では、測定開始センサ40が車両Aを検知し、しかも、上述したコンピュータPによる照合により測定された車高Hと車幅WがICタグ20に記録された車両情報に係る車両Aと合致していた場合のみ車両の建付け検査を開始するように構成している。
【0066】
上述した条件を満たした場合、多軸ロボット2が稼働し車両Aの前方から後方にかけて予め多軸ロボット2,2aにティーチングされた複数の測定箇所の隙間Xと段差Yの測定が開始される。
【0067】
また、本実施形態に係る建付け自動検査装置1においては、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aにより得られた計測値からコンベアC上における車両Aの位置を算出し、予め設定(ティーチング)された車両Aの位置と比較してズレ量を算出することで、多軸ロボット2,2aのアーム先端13の動きをズレ量に応じてオフセットするように構成している。
【0068】
この場合、車幅検知センサ30を車両Aの長手方向に沿って複数配設すれば、コンベアCの進行方向Eに対して車両Aの軸線の傾きを精度よく検出することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、建付け自動検査装置1の後方から順にICタグ読取センサ23、車高検知センサ26、車幅検知センサ30,30a、車両前端検出センサ33、測定開始センサ40の順で配設しているが、車両前端検出センサ33の後方においては、測定開始センサ40を除く上記した他のセンサを如何なる順序で配設しても本発明の要旨の範囲内の構成であることは言うまでもない。
【0070】
[隙間・段差測定の流れ]
次に、本実施形態に係る建付け自動検査装置1を用いた一連の測定の流れの一例を図5図11図12に示すフロー図を用いて説明する。なお、ICタグ20は運転部uの上部屋根yの後方に貼着されているものとして説明する。また、コンベアC上の中央部に前部を前方として載置された車両AがコンベアCの移動速度Vで建付け自動検査装置1の前方に移動して来たところから以下説明する。
【0071】
まず、図6に示すように、ICタグ読取センサ23の下方には、移動して来た車両Aの前端部mからボンネットbへと順次車両Aの各部位が位置するが、この段階ではICタグ20とICタグ読取センサ23とは離反しておりICタグ読取センサ23でICタグ20の情報を受信することはできないため、車両AはそのままコンベアCと共に移動を続ける。
【0072】
次に、図7に示すように、車高検知センサ26の下方に車両Aのボンネットbが位置する。車高検知センサ26は常に計測状態に設定されており、車両Aの前端部mを車高検知センサ26が検知すると車両Aの略中心に沿って前端部mから連続して車高Hが計測され、計測データは順次コンピュータPに時系列データとして伝送される(ステップS1:YES)。
【0073】
なお、車高検知センサ26が車両Aを検知しない限り(ステップS1:NO)、車高検知センサ26は待機状態のままである。また、この段階でもICタグ20とICタグ読取センサ23とは離反しておりICタグ読取センサ23でICタグ20の情報を受信することはない。
【0074】
また、車両Aの移動に伴い車幅検知センサ30,30aの検出面の前方に車両Aの側部が現出すると、車幅検知センサ30,30aにより車両Aの前端部mからコンベアCの移動速度Vに倣って水平方向に計測が開始され、計測データは順次コンピュータPに時系列データとして伝送される(図7、ステップS2:YES)。
【0075】
なお、車幅検知センサ30,30aが車両Aを検知しない限り(ステップS2:NO)、車幅検知センサ30,30aは待機状態のままである。また、この段階でもICタグ20とICタグ読取センサ23とは離反しておりICタグ読取センサ23でICタグ20の情報を受信することはない。
【0076】
次に、車両Aの移動に伴い車両Aの前端部mを車両前端検出センサ33が検知すると(ステップS3:YES)、検知した時点の車高Hと車幅Wの計測値が車両情報との比較用データとしてコンピュータPに伝送される(ステップS4)。
【0077】
なお、車両前端検出センサ33が車両Aを検知しない限り(ステップS3:NO)、車両前端検出センサ33は待機状態のままである。また、車両前端検出センサ33が車両Aを検出した時点での車高Hと車幅Wは、予め車両情報に記録された車高と車幅の計測位置に合致した部位の値となるように各センサ類の位置を調整しており、本実施形態では図8に示すような位置で計測された車高と車幅が車両情報との比較データとして用いられる。
【0078】
また、車両前端検出センサ33が車両Aを検知する近傍に位置すると、ICタグ読取センサ23によりICタグ20の情報を受信することが可能な領域となる。従って、車両前端検出センサ33が車両Aを検知した後(ステップS3:YES)、ICタグ20の車両情報をICタグ読取センサ23が受信し、車両情報がコンピュータPの伝送される(図5図8、ステップS5:YES)。
【0079】
なお、ICタグ読取センサ23がICタグ20の車両情報を受信しない限り(ステップS5:NO)、ICタグ読取センサ23は待機状態である。
【0080】
コンピュータPでは、ICタグ20から読み取った車両Aの型式データに関連付けられ予めコンピュータPに記憶された車高と車幅のデータが、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aによって計測された車高Hと車幅Wと比較され、これらが合致すればICタグ20に記録された型式の車両Aで間違いないと判断する(ステップS6:YES)。
【0081】
なお、比較判断の精度を向上させるために、予めコンピュータPに記憶された車高の時系列データと車幅の時系列データとを、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aによって計測された各時系列データと比較するように構成してもよい。
【0082】
また、予めコンピュータPに記憶された車高等のデータと車高検知センサ26等で計測されたデータとが合致しない場合(ステップS6:NO)には、モニターMOや図示しない警光灯や警報音等の報知手段により作業者に報知する(ステップS7)。
【0083】
また、図9に示すように、各データが合致し車両Aの型式が特定された後(ステップS6:YES)、更に車両Aが移動することで測定開始センサ40の検出面の前方に車両Aの前端部mが現出すると、測定開始センサ40により車両Aを検知する(ステップS8:YES)。
【0084】
なお、測定開始センサ40が車両Aを検知しない限り(ステップS8:NO)、測定開始センサ40は待機状態のままである。
【0085】
このように、車両情報と測定対象の車両Aとが合致し、しかも、測定開始センサ40により車両Aを検知すると、図10図11に示すように、多軸ロボット2,2aによる隙間Xと段差Yの測定が開始される(ステップS9)。
【0086】
隙間Xと段差Yの測定においては、図4に示すような車両Aの型式に応じて予めティーチングされた測定箇所kにアーム先端13の変位センサ14が位置するように移動する。アーム先端13は車両Aの前部から後部にかけて効率よい流れで移動しながら測定されるように車両Aの移動距離に応じた移動速度Vを考慮しつつ最短の軌跡で移動するようにティーチングしている。すなわち、測定と移動を順次繰返しながら車両A全体の複数の測定箇所kを効率よく測定できるように構成している。
【0087】
測定点kにおいては、アーム先端13の動きが車両Aの移動速度Vと移動方向Eに符号するように同期させることで変位センサ14と車両Aとが相対静止した状態で測定が行われる。本実施形態では、上述したようにコンベアCを駆動する図示しないスプロケットの回動軸に連結した図示しないロータリーエンコーダのパルス数をコンピュータPに伝送してコンベアCの移動距離を算出しているため、多軸ロボット2はコンベアC上の車両Aの位置を認識することができる。
【0088】
この場合、測定点kが曲面を跨ぐような位置にあったとしても、アーム先端13に配設された変位センサ14は、多軸ロボット2の柔軟な動きにより可動範囲内で常に最適な位置と角度で測定することができる。
【0089】
次に、多軸ロボット2による測定が終了すると多軸ロボット2は待機位置(図5図9に示す位置)にて後続の車両Aが現出するまで待機状態となり停止する。後続の車両Aの前端部mを車高検知センサ26が検知すると車高検知センサ26により車両Aの略中心に沿って前端部mから連続して車高Hが計測され(ステップS10:YES)、計測データは順次コンピュータPに時系列データとして伝送され、同時に上述したステップS2に戻り、後続の車両Aが無くなるまで(ステップS10:NO)上述した一連の動作を繰り返し、後続の車両Aが無くななった時点で終了となる。
【0090】
なお、上述した隙間と段差の測定の流れは本実施形態に係る建付け自動検査装置1を用いた際の制御方法の一例あって、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0091】
以上、説明したように本実施形態に係る建付け自動検査装置1は構成しており、コンベアCの横側方の床面F上に基部3が固定された多軸ロボット2を有し、多軸ロボット2はアーム先端13にスリットレーザ光15を用いた変位センサ14を備え、アーム先端13は変位センサ14と車両Aとが相対静止するようにコンベアCの移動速度と同期させながら変位センサ14により車両Aの複数箇所を測定するように構成したことにより、如何なる形状の車両Aであっても正確な位置に変位センサ14を移動させて測定することができるため曲面に対しても最適な角度で測定でき、車種を限定することなく稼働させることができる。
【0092】
また、ボンネットbとフェンダfとの間隙のような車両Aの上面に存在する隙間Xや段差Yについても測定できるため、1台の車両Aについて全ての測定箇所を自動で測定することができる。
【0093】
更に、作業者の熟練度に頼ることなく自動測定により作業者を削減できるばかりでなく、データベースを活用した傾向管理等を容易に行うことができる。
【0094】
また、車両情報が記録され車両Aの外側面に貼着されるICタグ20と、コンベアCよりも上方に配設されICタグ20の車両情報を読み取るICタグ読取部22と、コンベアCの上方に配設された車高検知センサ26と、コンベアCの横側方に配設された車幅検知センサ30,30aと、ICタグ読取部22と車高検知センサ26と車幅検知センサ30のいずれよりもコンベアCの進行方向Eの前方に配設された車両前端検出センサ33と、車両前端検出センサ33よりも前方に配設された測定開始センサ40と、を備え、車両前端検出センサ33が車両Aの前端部mを検出すると同時にICタグ読取部22によりICタグ20に記録された車両情報を読み取り、更に、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aにより車高Hと車幅Wを計測し、計測された車高Hと車幅Wが車両情報と合致し、しかも、車両Aが測定開始センサ40により検出された場合のみ多軸ロボット2による測定を開始するように構成したことにより、測定すべき車両Aの型式を、ICタグ20に記録された車両情報と、自動測定による車高Hと車幅Wの計測値を用いてダブルチェックが可能となり型式を確実に判断できるので、計測ミス等による製造ラインの停止を防ぎ稼働率を向上させることができる。
【0095】
また、検出された車両Aの型式が測定対象車両Aと合致した時だけ測定開始センサ40による車両Aの検出を受けて測定が開始されるので、合致しなかった際の多軸ロボット2の無駄な動きを防止でき、しかも、多軸ロボット2よる測定対象車両Aの損傷を防止できる。
【0096】
また、多軸ロボット2はコンベアCの両横側方にコンベアCを介して対向して配設したことにより、車両Aの左右側からそれぞれの可動範囲内で同時に測定を行うことができるので、多軸ロボット2が1台の場合に比して測定時間を半減させることができる。
【0097】
また、車幅検知センサ30はコンベアCの両横側方にコンベアCを介して対向して配設したことにより、車幅Wの計測精度を向上させることができる。
【0098】
更に、車高検知センサ26と車幅検知センサ30,30aにより得られた計測値からコンベアC上における車両Aの位置を算出し、予め設定された車両Aの位置と比較してズレ量を算出することで、多軸ロボット2,2aのアーム先端13の動きをズレ量に応じてオフセットするように構成すれば、測定毎にコンベアC上に載置された車両Aの位置を正確に認識できるので、より精度の高い測定を行うことができるようになる。
【0099】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
A 車両
C コンベア
E 進行方向
F 床面
H 車高
k 測定点
m 前端部
V 移動速度
W 車幅
X 隙間
Y 段差
1 建付け自動検査装置
2 多軸ロボット
2a 多軸ロボット
13 アーム先端
14 変位センサ
15 スリットレーザ光
20 ICタグ
22 ICタグ読取部
26 車高検知センサ
30 車幅検知センサ
30a 車幅検知センサ
33 車両前端検出センサ
40 測定開始センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12