(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ブレードを介してロータを回転させる流体は、ブレードをロータに対して傾けるようにも作用する。一方、ピッチ角回転駆動装置は、ブレード及びロータと接続されている。したがって、ブレードが流体を受けてロータに対して傾くと、回転駆動装置とブレード又はロータとの接続部に荷重が負荷されるようになる。ピッチ角駆動装置の減速機は精密機器であり、荷重が負荷された状態で使用され続けることは、減速機の予期しない破損を生じさせることになる。
【0007】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであって、ブレードのピッチ角を制御する回転駆動装置の出力部の回転軸線が、ブレードのロータに対する回転軸線上に位置する装置において、ブレードが流体を受けて傾倒する際に減速機に発生する荷重を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による第1のブレード及びロータの組立体は、
発電機に接続し前記発電機に回転力を伝達するロータと、
前記ロータに支持され、流体から受ける力により前記ロータを回転させるブレードと、
前記ロータと前記ブレードとを回転可能に連結する軸受と、
前記ブレードを回転駆動させてピッチ角を制御する回転駆動装置と、
前記回転駆動装置は、電動機と、前記電動機から出力される回転を減速させて出力部から出力する減速機と、を有し、
前記回転駆動装置の前記出力部の回転軸線は、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線上に位置し、
前記減速機と、前記ロータ及び前記ブレードの少なくとも一方との接続部に、前記ブレードが流体を受けて傾倒する際に接続部を介して減速機に生じる外力を緩和するための外力緩和機構が構成されている、ブレード及びロータの組立体。
【0009】
本発明による第2のブレード及びロータの組立体は、
発電機に接続し前記発電機に回転力を伝達するロータと、
前記ロータに支持され、流体から受ける力により前記ロータを回転させるブレードと、
前記ロータと前記ブレードとを回転可能に連結する軸受と、
前記ブレードを回転駆動させてピッチ角を制御する回転駆動装置と、
前記回転駆動装置は、電動機と、前記電動機から出力される回転を減速させて出力部から出力する減速機と、を有し、
前記回転駆動装置の前記出力部の回転軸線は、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線上に位置し、
前記減速機と前記ブレードとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。
【0010】
すなわち、前記減速機と前記ブレードとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の転動体を間に挟むようにして互いに対向して設けられた一対の円環状の部分(一対の輪部)の対向面が、位置している領域の両端よりも内側に位置している。
【0011】
好ましくは、前記減速機と前記ブレードとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の重複組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置していてもよい。言い換えると、前記減速機と前記ブレードとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の転動体を間に挟むようにして互いに対向して設けられた一対の円環状の部分(一対の輪部)の対向面の両方が、位置している領域の両端よりも内側に位置していてもよい。
【0012】
本発明による第1又は第2のブレード及びロータの組立体において、前記減速機と前記ブレードとの接続部の全域、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の全域が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置していてもよい。言い換えると、前記減速機と前記ブレードとの接続部の全域、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の全域が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の転動体を間に挟むようにして互いに対向して設けられた一対の円環状の部分(一対の輪部)の対向面が、位置している領域の両端よりも内側に位置していてもよい。
【0013】
好ましくは、前記減速機と前記ブレードとの接続部の全域、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の全域が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の重複組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置していてもよい。言い換えると、前記減速機と前記ブレードとの接続部の全域、或いは、前記減速機と前記ロータとの接続部の全域が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の転動体を間に挟むようにして互いに対向して設けられた一対の円環状の部分(一対の輪部)の対向面の両方が、位置している領域の両端よりも内側に位置していてもよい。
【0014】
本発明による第1又は第2のブレード及びロータの組立体において、
前記減速機は、前記出力部をなす出力軸部材と、前記出力軸部材を回転可能に保持するケースを有し、
前記出力軸部材と前記ロータとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記出力軸部材と前記ブレードとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置していてもよい。
【0015】
本発明による第1又は第2のブレード及びロータの組立体において
前記減速機は、前記出力部をなすケースを有し、
前記ケースと前記ロータとの接続部の少なくとも一部、或いは、前記ケースと前記ブレードとの接続部の少なくとも一部が、前記ブレードの前記ロータに対する回転軸線と平行な方向において、前記軸受の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置していてもよい
【0016】
本発明による第1又は第2のブレード及びロータの組立体において、前記減速機は、偏心揺動型の減速部を含むようにしてもよい。
【0017】
本発明による発電装置は、
上述した本発明による第1及び第2のいずれかのブレード及びロータの組立体と、
前記ロータに接続した前記発電機と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ブレードのピッチ角を制御する回転駆動装置の出力部の回転軸線が、ブレードのロータに対する回転軸線上に位置する装置において、ブレードが流体圧を受けて傾倒する際に減速機に発生する荷重を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0021】
図1〜
図6は本発明による一実施の形態及びその変形例を説明するための図である。
図1及び2に示すように、発電装置10は、ロータ30及びブレード40を有する組立体20と、組立体20のロータ30に接続された発電機12と、を有している。ブレード及びロータの組立体20は、流体中に配置される。この組立体20において、ブレード40は、ロータ30に接続されており、流体から受ける力によってロータ30を回転させる。ロータ30は、発電機12に回転力を伝達する。すなわち、このブレード及びロータの組立体20では、ブレード40が、流体を受け、流体の流れをロータ30の回転力に変換する。そして、ロータ20が、発電機12を回転させることにより、発電機12が発電を行う。
【0022】
図面を参照しながら以下に説明する一実施の形態において、ロータ及びブレードの組立体20、並びに、発電装置10は、風力によって発電を行う風力発電装置、すなわち風車として構成されている。しかしながら、組立体20並びに発電装置10を、風力発電に適用することは一例に過ぎず、流体の流れを利用して発電を行う種々の装置に適用することができる。
【0023】
まず、図示された一実施の形態における発電装置10の全体構成について説明する。
図1及び
図2に示すように、図示された実施の形態において、風車をなす発電装置10は、発電機12を収容するナセル16と、ナセル16を支持する土台としてのタワー18と、をさらに有している。
図2に示すように、ブレード及びロータの組立体20は、ナセル16内に固定された発電機12に、回転軸部材14を介して接続されている。ブレード及びロータの組立体20は、回転軸部材14の中心軸線によって規定される回転軸線ra1を中心として、発電機12及びナセル16に対して回転可能となっている。ブレード及びロータの組立体20の発電機12及びナセル16に対する回転軸線ra1は、例えば、水平方向と平行になっている。タワー18は、ナセル16を回転可能に保持している。ナセル16のタワー18に対する回転軸線ra2は、例えば、鉛直方向と平行になっている。ナセル16のタワー18に対する回転は、図示しない駆動装置によって駆動される。ナセル16をタワー18に対して回転軸線ra2を中心として回転させることで、ブレード及びロータの組立体20の発電機12及びナセル16に対する回転軸線ra1の向きを調節することができる。これにより、ブレード及びロータの組立体20の向きを風向きに応じて変化させることで、風力を組立体20の回転に効率的に変換し、発電装置10での発電効率を改善することができる。
【0024】
次に、ブレード及びロータの組立体20について更に詳述する。ブレード及びロータの組立体20は、上述したように、ロータ30及びブレード40を有している。
図1に示された例において、組立体20は、三つのブレード40を有している。各ブレード40は、等角度あけて、組立体20の回転軸線ra1を中心としてロータ30から放射状に延び出している。三つのブレード40は、等角度離間して、配置されている。
図4に示すように、ブレード及びロータの組立体20は、ロータ30とブレード40とを回転可能に連結する軸受25を、さらに有している。各ブレード40は、細長板状に形成されている。各ブレード40は、その長手方向が、当該ブレード40のロータ30に対する回転軸線raxと平行な方向と平行になるよう、配置されている。回転軸線raxを中心としてブレード40を回転させることで、風等の流体の流れ方向に対してブレード40の向き、すなわちピッチ角を調節することができる。流体の流れ方向に応じてピッチ角を制御することで、流体の流れを組立体20の回転に変換する効率(変換効率)を調節することができる。
【0025】
図2に示すように、ブレード及びロータの組立体20は、ブレード40を回転駆動させてピッチ角を制御する回転駆動装置50を、さらに有している。回転駆動装置50は、本体部50aと、本体部50aに対して相対回転する出力部50bと、を有している。本体部50aは、電動機52と、電動機52から出力される回転を減速させる減速機53の一部分又は全部と、を含む。出力部50bは、電動機52の回転を減速して回転を出力する。
図2に示すように、回転駆動装置50の出力部50bの回転軸線は、ブレード40のロータ30に対する回転軸線rax上に位置している。図示された例では、回転駆動装置50の本体部50aが、ロータ30に固定されるとともに、回転駆動装置50の出力部50bが、ブレード40に連結されている。したがって、出力部50bが回転することで、ブレード40がロータ30に対して回転軸線raxを中心として回転するようになる。
【0026】
ここで、
図3を主に参照しながら、回転駆動装置50の一例について説明する。回転駆動装置50は、電動機52と、電動機52から出力される回転動力を減速させて出力部50bから出力する減速機53と、を有している。
図3に示された例では、減速機53の出力部50bは、後述するキャリア65の一部分をなす出力軸部材51(
図3参照)によって構成されている。この例において、回転駆動装置50の電動機52からの回転動力が、減速機53によって減速されて出力軸部材51から出力される。これにより、減速された回転動力が、回転駆動装置50の出力軸部材51からブレード40に伝達され、ブレード40が回転軸線raxを中心としてロータ30に対して回転する。減速機53の出力軸部材51は、
図2に示すように、ブレード40のロータ30に対する回転軸線rax上に配置されている。
【0027】
図3に示すように、電動機52は、回転動力を出力する駆動軸部材52aを有している。減速機53は、入力軸部材54、ケース55、上述のキャリア65を含む減速部58等を有している。この減速機53の一部が、
図3の紙面で下側となる軸方向daにおける一側にて、ケース55から突出して露出している。出力部50bは、減速機53のケース55から軸方向daの一側に露出した部分によって、形成されている。また、電動機52が、
図3の紙面で上側となる軸方向daの他側から、ケース55に接続している。この例において、ケース55は、電動機52に固定されている。
【0028】
図3に示すように、本実施の形態に係る減速機53の減速部58は、偏心揺動型減速機を構成している。ただし、この例に限られず、遊星歯車型や平歯車型の減速機を用いてもよい。なお、
図1及び
図2に示された回転駆動装置50の適用において、軸方向daにおける一側は、軸方向daに沿ってブレード40側となり、軸方向daにおける他側は、軸方向daに沿ってロータ30側となる。
【0029】
ケース55の内部には、入力軸部材54や減速部58等が収納されている。入力軸部材54は、電動機52の駆動軸部材12aに連結され、ブレード40の回転軸線raxを中心として、駆動軸部材12aと同期して回転することができる。ケース55の内周面には、内歯を構成する複数のピン内歯60が配置されている。ピン内歯60は、ケース55の内部において、内周面の周方向に沿って等間隔に配列されている。ピン内歯60は、後述する外歯歯車66の外歯68と噛み合う。
【0030】
入力軸部材54の軸方向daにおける一側に位置する端部には、減速部58における後述のクランク軸用歯車63と噛み合うギア部54aが設けられている。入力軸部材54は、電動機52から出力される回転動力を減速部58に伝達する。
【0031】
減速部58は、クランク軸用歯車63、クランク軸64、キャリア65、外歯歯車66等を備えている。このうち、クランク軸用歯車63は、平歯車要素として設けられている。クランク軸用歯車63は、入力軸部材54のギア部54aと噛み合うようにギア部54aの周囲に複数(例えば、3つ)配置されている。クランク軸用歯車63は、クランク軸64の他側に対してスプライン結合により固定されている。
【0032】
クランク軸64は、回転軸線raxを中心とした周方向に沿って等間隔に複数(例えば、3台)配置されている。クランク軸64は、その軸方向が軸方向daと平行になるように配置されている。クランク軸64は、外歯歯車66に形成されたクランク用孔67をそれぞれ貫通するように配置されている。クランク軸64は、クランク軸用歯車63を介して入力軸部材54からの回転動力を伝達され、回転する。
【0033】
図示された例において、クランク軸64は、軸本体64cと、軸本体に64cに設けられた第1偏心部64a及び第2偏心部64bと、を有している。第1偏心部64a及び第2偏心部64bは、軸方向daに直交する断面において、円形断面を有している。第1偏心部64a及び第2偏心部64bのそれぞれの中心位置は、クランク軸64の軸本体64cの中心軸線に対して偏心している。第1偏心部64a及び第2偏心部64bは、互いに対して、軸本体64cの中心軸線を中心として対称的に偏心している。これら第1偏心部64a及び第2偏心部64bが、外歯歯車66のクランク用孔67内に位置している。クランク軸64は、軸方向daにおける両端において、キャリア65に回転自在に保持されている。
【0034】
キャリア65は、基部キャリア65aと、端部キャリア65bと、支柱65cと、を含んでいる。基部キャリア65a及び端部キャリア65bが、クランク軸64の端部をそれぞれ回転自在に保持している。基部キャリア65aの軸方向daにおける一側には、出力部50bをなす出力軸部材51が設けられている。出力軸部材51は、基部キャリア65aと一体に形成されていてもよいし、ボルト等の締結具を用いて基部キャリア65aに固定された別の部材としてもよい。支柱65cは、基部キャリア67と端部キャリア65bとを連結する柱状部分として設けられている。支柱65cは、回転軸線raxを中心とした周方向に沿って複数配置され、その軸方向が軸方向daと平行となるように配置されている。キャリア65は、主軸受を介し、ケース55に対して回転自在に保持されている。
図3に示すように、
【0035】
外歯歯車66は、第1外歯歯車66a及び第2外歯歯車66bを有している。第1外歯歯車66a及び第2外歯歯車66bは、円板状に形成されている。第1外歯歯車66a及び第2外歯歯車66bにはそれぞれ、クランク軸64が貫通するクランク用孔67、及び、支柱65cが貫通する支柱貫通孔が形成されている。各外歯歯車66a,66bのクランク用孔67には、クランク軸64の偏心部64a,64bが位置している。したがって、クランク軸64が、入力軸部材54の回転駆動より軸本体64cの中心軸線を中心として回転すると、外歯歯車66a,66bは、キャリア65に対して、偏心揺動する。図示された例において、外歯歯車66a,66bは、回転軸線raxを中心とした周状軌跡に沿って、キャリア65に対して並進移動する。
【0036】
また、第1外歯歯車66a及び第2外歯歯車66bのそれぞれの外周には、ピン内歯60に噛み合う外歯68が設けられている。外歯68の歯数は、ピン内歯60の歯数よりも1個又は複数個少ない。これにより、クランク軸64が回転する毎に、外歯68とピン内歯60との噛み合いがずれ、外歯歯車66(66a、66b)が偏心して揺動回転することになる。外歯歯車66がケース55に対して揺動回転する際、キャリア65及び出力部50bをなす出力軸部材51も、外歯歯車66と同期してケース55に対して回転する。このとき、クランク軸64は、回転軸線raxを中心としてキャリア65とともに公転するとともに、キャリア65に対して軸本体64cの中心軸線を中心として回転(自転)する。
【0037】
以上に説明した減速機53においては、電動機52からの回転動力が入力軸部材54に伝達されると、クランク軸64が回転する。このとき、クランク軸64の第1偏心部64a及び第2偏心部64bは、それぞれ偏心回転する。第1偏心部64a及び第2偏心部64bが偏心回転すると、外歯歯車66は、キャリア65に対して偏心揺動する。このとき、外歯歯車66の外歯68の歯数とケース55のピン内歯60の歯数との相違から、外歯歯車66は、その外歯68をピン内歯60に噛み合わせながら、ケース55に対して回転する。この結果、クランク軸64を介して外歯歯車66を支持するキャリア65が、ケース55に対して回転する。
【0038】
次に、
図4を主として参照しながら、ブレード及びロータの組立体20への回転駆動装置50の組み付けについて説明する。
図4には、回転駆動装置50とロータ30及びブレード40との接続部が示されている。
図4に示された例において、回転駆動装置50は、
図3に示された構造を有している。回転駆動装置50は、その本体部50aにおいて、ロータ30に固定されている。また、回転駆動装置50は、その出力部50bにおいて、ブレード40と接続している。
【0039】
ロータ30は、ブレード40に対して軸方向daから対面する位置に、壁部31を有している。ロータ30の端壁31には、支持孔31aが形成されている。回転駆動装置50は、支持孔31a内に挿入されている。回転駆動装置50の発電機12は、ロータ30内に位置している。一方、回転駆動装置50の出力部50bをなす出力軸部材51は、支持孔31aを通過してロータ30の外部に位置している。回転駆動装置50の本体部50aの一部をなすケース55は、フランジ55dを有している。フランジ55dを貫通したボルト等の締結具21が、ロータ30の端壁31に螺合することで、回転駆動装置50のケース55が、ロータ30の端壁31に固定されている。回転駆動装置50がロータ30に固定された状態で、フランジ55dは、ロータ30の端壁31の内側面に当接している。すなわち、回転駆動装置50のロータ30への接続部は、フランジ55dの軸方向daにおける一側(ブレード側)を向く面と、ロータ30の端壁31の軸方向daにおける他側(ロータ側)を向く面との接触面となる。
【0040】
一方、ブレード40は、ロータ30に対して軸方向daから対面する位置に、端壁41を有している。ブレード40の端壁41には、筒状に形成された筒状壁42が、設けられている。筒状壁42は、端壁41から軸方向daにおける他側(ロータ側)に向けて延び出している。回転駆動装置50の出力部50bをなす出力軸部材51は、筒状壁42の中空部に挿入されている。ここで、出力軸部材51と筒状壁42とはスプライン結合している。つまり、出力軸部材51と筒状部42は、ブレード40のロータ30に対する回転軸線raxと平行な軸方向daへの相対移動を可能にしながら、ブレード40のロータ30に対する回転軸線raxを中心とした回転を伝達する。具体的な構成として、出力軸部材51の外周面51aおよび筒状壁42の内周面42aに、互いに噛み合う歯が形成されているようにしてもよいし、或いは、出力軸部材51の外周面および筒状壁42の内周面42aの一方にキーが形成され、他方にキーと噛み合う溝が形成されるようにしてもよい。すなわち、回転駆動装置50のブレード40への接続部CPは、出力軸部材51の外周面と筒状壁42の内周面との噛み合い部(接続部)となる。
【0041】
図示された例では、回転駆動装置50とブレード40との接続部CP、すなわちスプライン結合部SPは、噛み合いによる動力伝達を行う。このため、回転駆動装置50とブレード40とのスプライン結合部SPは、潤滑材で満たされている。
図4に示された例では、締結具43aを用いて、蓋材43が筒状壁42に固定されている。蓋材43は、軸方向daにおける一側(ブレード側)から筒状壁42の中空部を塞いでいる。筒状壁42の軸方向daにおける一側(ブレード側)を向く端面と、蓋材43の軸方向daにおける他側(ロータ側)を向く面と、の間にOリング44が配置されている。Oリング44は、筒状壁42の軸方向一側端面に形成された溝内に配置されている。Oリング44は、筒状壁42と、蓋材43との間を密封して、潤滑材の漏洩を防止する。また、筒状壁42の軸方向daにおける他側(ロータ側)を向く端面と、出力軸部材51の拡径裾部51bとの間に、オイルシール45が設けられている。オイルシール45は、筒状壁42の軸方向他側端面に形成された溝内に配置されている。オイルシール45は、筒状壁42と、回転駆動装置50の出力軸部材51との間を密封して、潤滑材の漏洩を防止する。Oリング44及びオイルシール45によって、筒状壁42の中空部が、蓋材43および回転駆動装置50との間で密封される。したがって、筒状壁42の中空部内に位置する回転駆動装置50とブレード40とのスプライン結合部SPは、潤滑材で満たされた状態に維持される。
【0042】
図4に示された例において、回転駆動装置50とブレード40とのスプライン結合部SPに通じる筒状部材47が、設けられている。筒状壁42の側面には、外周面から内周面42aまで貫通した貫通孔が形成されている。筒状部材47は、その一端47aを貫通孔内に挿入されて、筒状壁42に保持されている。一方、筒状部材47の他端47bは、軸方向daにおける他側(ロータ側)を向き、軸方向daにおける一側(ブレード側)からロータ30の壁部31に対面している。筒状部材47の他端又は他端近傍には、開閉弁47cが設けられている。開閉弁47cは、筒状部材47を開閉する。この筒状部材47は、ブレード40と同期して、ロータ30に対して回転軸線raxを中心として回転する。一方、ロータ30の壁部31には、回転軸線raxを中心とした円周上となる位置に複数の注入孔31bが、形成されている。各注入孔31bは、ブレード40のロータ30に対する回転位置に応じて、筒状部材47の他端47bに軸方向daから対面する。ロータ30内の作業者は、注入孔31bを介して開閉弁47cを操作し且つ筒状部材47の他端47bに潤滑材を注入することで、スプライン結合部SPに潤滑材を補給することができる。
【0043】
また、上述したように、ロータ30及びブレード40は、軸受25を用いて、連結されている。軸受25は、ロータ30に固定され、ロータ30に対して回転軸線raxを中心として回転可能にブレード40を保持している。図示された例において、軸受25は、互いに対向して配置された第1輪部27及び第2輪部28と、第1輪部27及び第2輪部28の間に設けられた転動体26と、を有している。第1輪部27及び第2輪部28は、それぞれ円環状に形成されている。第1輪部27は、締結具22を用いて、ロータ30に固定されている。第1輪部27は、アウターレースを構成している。第2輪部28は、締結具23を用いて、ブレード40に固定されている。第2輪部28は、インナーレースを構成している。軸受25は、回転軸線raxを中心とした周方向に間隔をあけて配置された複数の転動体26を有している。図示された例において、軸方向daに離間して配置された二つの円周のそれぞれに沿って、複数の転動体26が配置されている。
【0044】
ブレード40は、ロータ30に支持された状態で、流体から作用を受ける。したがって、ブレード及びロータの組立体20において、流体は、ブレード40をロータ30に対して傾けるように作用する。つまり、ブレード40及びロータ30を連結する軸受25は、ブレード40からスラスト荷重だけでなくラジアル荷重も負荷される。軸受25には、このようなスラスト荷重及びラジアル荷重の負荷に耐え得るものが選択される。
【0045】
ところで、このブレード及びロータの組立体20において、ロータ30及びブレード40の軸方向daに沿った相対位置は、軸受25によって、決定される。したがって、背景技術で説明したJP2005−69073Aに開示された公知技術のように、ロータ及びブレードの両方にピッチ角回転駆動装置の減速機を締結具によって固定すると、軸受、ロータ、ブレード及び回転駆動装置が、極めて高精度に作製されていない限り、回転駆動装置、とりわけ回転駆動装置の減速機に軸方向への荷重が負荷されることになる。ピッチ角駆動装置の減速機は精密機器であり、荷重が負荷された状態で使用されることは、減速機の予期しない破損を生じさせることにもなる。
【0046】
この点、本実施の形態では、回転駆動装置50減速機は、ブレード40とスプライン結合している。したがって、減速機53は、スプライン結合されたブレード40に対して軸方向daに相対移動することができる。このため、ピッチ角を制御する回転駆動装置40の出力部50bの回転軸線raxが、ブレード40のロータ30に対する回転軸線rax上に位置する装置において、回転駆動装置50への軸方向荷重の発生を効果的に防止することができる。
【0047】
また、ブレード40は、ロータ30に支持された状態で、流体から作用を受ける。ブレード及びロータの組立体20において、流体は、ブレード40をロータ30に対して傾けるように作用する。すなわち、流体は、ブレード40及びロータ30の回転軸線raxに対して非平行な方向に向け、ロータ30に対して固定されたブレード40に外力を加える。流体が、ロータ30に対してブレード40を傾けるように作用すると、回転駆動装置50とブレード40との接続部CPに荷重が負荷されるようになる。回転駆動装置50がブレード40に接続している接続部CPの位置が、ブレード40のロータ30に対する傾きの中心から軸方向daに沿ってずれるにしたがって、当該接続部CPに負荷される荷重は大きくなる。ここで、ブレード40のロータ30に対する傾きの中心は、通常、軸受の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側となる。
【0048】
そこで、本実施の形態では、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅(組付領域)によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。とりわけ
図4に示された例において、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの全域が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。このような本実施の形態によれば、ブレード40が流体によってロータ30に対して傾いたとしても、回転駆動装置50がブレード40に接続している接続部CPの位置は、大きく変位しない。したがって、回転駆動装置50、とりわけ、回転駆動装置50の減速機53に加えられる外力を効果的に低減することができる。すなわち、図示された例では、ブレード40と減速機53との間の接続部CPが、その位置を調節されたことにより、ブレード40が流体を受けて傾倒する際に接続部CPを介して減速機53に伝達される外力を緩和するための外力緩和機構を構成している。
【0049】
加えて、本実施の形態によれば、回転駆動装置50減速機53は、ブレード40とスプライン結合している。したがって、減速機53とブレード40とをボルト等の締結具で固定する場合と比較して、減速機53とブレード40とのスプライン結合部SPに、若干の隙間が形成される。スプライン結合によって得られるこの隙間も、ブレード40が流体を受けて傾倒する際に接続部CPを介して減速機53に生じる外力を緩和するための外力緩和機構を構成し、回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に軽減することができる。
【0050】
ここで「軸受の組付幅」とは、軸受の転動体を間に挟むようにして互いに対向して位置する一対の円環状の部分(輪部)の対向面が、当該軸受の回転軸線に沿った方向において、占めている領域のことを指す。
図4に示された例において、転動体26は、一対の輪部27,28の間に配置されている。したがって、
図4に示された例において、軸受25の組付幅waとは、第1輪部27の第2輪部28に対面する内周面27a及び第2輪部28の第1輪部27に対面する外周面28aが、軸方向daに沿って占める範囲waのことを指す。
【0051】
なお、
図4に示された例において、第1輪部27の第2輪部28に対面する内周面27aが軸方向daに沿って占める範囲と、第2輪部28の第1輪部27に対面する外周面28aが軸方向daに沿って占める範囲とは異なっている。このような例において、ブレード40のロータ30に対する傾きの中心は、軸方向daに沿って、軸受の重複組付幅wbによって規定される範囲の両端よりも内側、すなわち、一対の円環状の部分(輪部)27,28の対向面27a,28aの両方が、軸方向daにおいて、占めている領域の両端よりも内側に位置しやすくなる。したがって、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部、さらには、接続部CPの全域が、軸方向daにおいて、軸受25の重複組付幅(重複組付領域)wbによって規定される範囲の両端よりも内側に位置していることが、接続部CPに負荷される外力を低減する上でより効果的である。
【0052】
以上のような、本実施の形態によれば、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。ブレード50に作用する流体は、通常、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側となる位置を中心として、ロータ30に対してブレード40を傾倒させるように働く。このとき、ロータ30に対するブレード40の変位量は、傾倒の中心となる位置において最小となり、軸方向daに沿って、この傾倒中心から離間するにつれて増大する。したがって、減速機53とブレード40との接続部CPが、軸方向daに沿って、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置することで、接続部CPに負荷される外力を効果的に低減することができる。すなわち、このブレード40と減速機53との間の接続部CPの配置が、ブレード40が流体を受けて傾倒する際に接続部CPを介して減速機53に生じる外力を緩和するための外力緩和機構を構成する。これにより、回転駆動装置50の出力部50bを支持する軸受25を小型化し、結果として、回転駆動装置50の小型化を実現することができる。
【0053】
とりわけ本実施の形態によれば、ブレード40と減速機53との間の接続部の全域が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。したがって、軸受25の組付幅によって規定される範囲の両端よりも内側に位置することで、接続部CPに負荷される外力をより効果的に低減することができる。これにより、回転駆動装置50の出力部50bを支持する軸受25をより小型化し、結果として、回転駆動装置50の更なる小型化を実現することができる。
【0054】
なお、ピッチ角を制御する回転駆動装置50の出力部50bの回転軸線raxが、ブレード40のロータ30に対する回転軸線rax上に位置するブレード及びロータの組立体20は、背景技術で参照したJP2005−69073Aに開示されているように、構造を簡単とし製造コストを低減しながら、メンテナンスを容易化することができるといった利点を享受することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、減速機53は、出力部50bをなす出力軸部材51と、出力軸部材51を回転可能に保持するケース55を有し、出力軸部材51とブレード40との接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅waによって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。したがって、出力軸部材51とブレード40との接続部CPの径を小型化することができるので、メンテナンスの費用を低減し、且つ、メンテナンスの手間を軽減することができる。
【0056】
さらに、本実施の形態によれば、減速機53は、偏心揺動型の減速部を含んでいる。したがって、減速機53のバックラッシを小さくすることで、高精度な動作を実現することができる。また、小型化した減速機53によって、大きな減速比を確保することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態によれば、回転駆動装置50の減速機53は、ブレード40とスプライン結合している。したがって、減速機53とブレード40とをボルト等の締結具で固定する場合と比較して、減速機53とブレード40とのスプライン結合部SPに、若干の隙間が形成される。スプライン結合によって得られる若干の隙間が、ブレード40が流体を受けて傾倒する際に接続部CPを介して減速機53に生じる外力を緩和するための外力緩和機構を構成する。これにより、その精細な構造故に、ブレード40が流体から作用された際に破損しやすかった減速機53を、破損から効果的に保護することができる。
【0058】
また、減速機53は、スプライン結合されたブレード40に対して軸方向daに相対移動可能となる。このため、ピッチ角を制御する回転駆動装置50の出力部50bの回転軸線raxが、ブレード40のロータ30に対する回転軸線rax上に位置する装置において、回転駆動装置50への軸方向荷重の発生を効果的に防止することができる。これにより、回転駆動装置50の予期せぬ破損を効果的に防止することができる。また、ロータ30、ブレード40、回転駆動装置50、軸受25等といった構成要素の寸法を厳密に管理する必要がない。さらに、回転駆動装置50の出力部50bを回転可能に保持するための軸受25への荷重を効果的に低減することができる。したがって、出力部50bを支持する軸受25を小型化し、結果として、回転駆動装置50の小型化を実現することができる。
【0059】
さらに、本実施の形態によれば、スプライン結合している部分SPが潤滑材で満たされている。したがって、スプライン結合部SPの損傷を防止することができる。
【0060】
さらに、本実施の形態によれば、
図4に示すように、軸方向daにおいて、減速機53のブレード側(一側)の端部53eは、軸受25のブレード側(一側)の端部25eよりもロータ側(他側)に位置している。回転駆動装置50のメンテナンス作業は、通常、ロータ30の側から実施される。典型的には、ロータ30の内部に入った作業者が、回転駆動装置50のメンテナンスを実施する。したがって、回転駆動装置50のメンテナンス作業を容易化することができる。
【0061】
なお、上述した一実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した一実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の一実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0062】
上述した一実施の形態において、減速機53がブレード40とスプライン結合することで、回転駆動装置50への軸方向荷重の発生を効果的に防止することを実現し、さらに、外力緩和機構として機能し、ブレード40が流体を受けて傾倒する際に接続部CPを介して減速機53に生じる外力を緩和することを実現した。しかしながら、この例に限られず、減速機53が、ロータ30とスプライン結合するようにしてもよいし、或いは、減速機53が、ロータ30及びブレード40の両方とスプライン結合するようにしてもよい。減速機53がロータ30及びブレード40の少なくとも一方とスプライン結合することで、回転駆動装置50、とりわけ回転駆動装置50の減速機53への軸方向荷重の発生を効果的に防止することを実現することができる。また、減速機53がロータ30及びブレード40の少なくとも一方とスプライン結合することで、スプライン結合部SPに隙間が形成され、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した場合に回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に軽減することができる。すなわち、スプライン結合が、外力緩和機構として機能する。一例として、
図4に示された例において、回転駆動装置50のケース55が、ロータ30の壁部31と、締結具21による固定ではなく、スプライン結合するようにしてもよい。
【0063】
その一方で、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅wa(又は重複組付幅wb)によって規定される範囲の両端よりも内側に位置するようにすれば、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した際に回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に低減することができる。したがって、ブレード40と減速機53との間の接続部CPは、スプライン結合でなくてもよく、例えば、締結具を用いて固定されていてもよい。
【0064】
また、上述した一実施の形態において、ブレード40と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅wa(又は重複組付幅wb)によって規定される範囲の両端よりも内側に位置するようにして、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した際に回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に低減するようにした。しかしながら、この例に限られず、ロータ30と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅wa(又は重複組付幅wb)によって規定される範囲の両端よりも内側に位置するようにしてもよい。このような例によっても、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した際に、回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に低減することができる。
【0065】
また、上述した一実施の形態において、主として
図3を参照しながら回転駆動装置50の構成を説明したが、
図3に開示された構成は、回転駆動装置50の一例に過ぎず、種々の構成を有する回転駆動装置を用いることができる。一例として、
図5に示すように、減速機53が、出力部50bをなすケース56を有するようにしてもよい。この例において、本体部50aは、電動機52及び減速機53の一部分から形成され、出力部50bは、減速機53の一部分から形成される。
図5に示された例において、出力部50bをなすケース56が、ブレード40とスプライン結合している。ケース56は、拡径部したつば部57を有している。つば部57の外周面57aには歯部が設けられている。つば部57の外周面57aの歯部は、ブレード40の貫通孔の内周面42aに形成された歯部と噛み合い、これにより、回転駆動装置50の出力部50bをなすケース56と、ブレード40との間で、回転動力が伝達される。
【0066】
図5に示された例において、ケース56とロータ30との接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅waによって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。このような変形例によれば、接続部CPの径が大径化するので、接続部CPに負荷される荷重を分散して、接続部CPの面圧を低下させることができる。したがって、ブレード及びロータの組立体20、並びに、発電装置10の耐久性を改善することができる。
【0067】
なお、ケース55が出力部50bをなす回転駆動装置50は、例えば、背景技術で説明したJP2005−69073Aに開示されたピッチ角回転駆動装置を採用することができる。
【0068】
さらに、上述した一実施の形態において、回転駆動装置50の電動機52が、軸方向daにおけるロータ30側に位置し、回転駆動装置50の出力部50bが、軸方向daにおけるブレード40側に位置する例を示したが、この例に限られない。また、回転駆動装置50が、主として、ロータ30内に配置される例を示したが、この例に限られない。例えば、
図6に示された例のように、回転駆動装置50の電動機52が、軸方向daにおけるブレード40側(一側)に位置し、回転駆動装置50の出力部50bが、軸方向daにおけるロータ30側(他側)に位置するようにしてもよい。また、
図6に示された例において、回転駆動装置50が、主として、ブレード40内に配置されている。
図6に示された例において、回転駆動装置50は、
図5に示された例と同様に構成され得る。
【0069】
図6に示された例において、減速機53は、その基端部53fにおいて、締結具21を用いてブレード40に固定されている。一方、減速機53は、ケース56において、ロータ30とスプライン結合している。具体的には、ケース56の外周面57aに形成された歯部が、ロータ30の貫通孔の内周面31cに形成された歯部と噛み合い、これにより、回転駆動装置50の出力部50bをなすケース56と、ブレード40との間で、回転動力が伝達される。
【0070】
図6に示された例において、減速機53がブレード40とスプライン結合することで、回転駆動装置50とりわけ減速機53への軸方向荷重の発生を効果的に防止することを実現することができ、且つ、スプライン結合部SPに隙間が形成されて外力緩和機構として機能し、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した場合に回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に軽減することができる。また、
図6に示された例において、ロータ30と減速機53との間の接続部CPの少なくとも一部が、軸方向daにおいて、軸受25の組付幅wa(又は重複組付幅wb)によって規定される範囲の両端よりも内側に位置している。この結果、流体がブレード40をロータ30に対して傾倒するように作用した際に、回転駆動装置50に負荷される荷重を効果的に低減することができる。
【0071】
さらに、上述した一実施の形態において、軸受25のアウターレースをなす第1輪部27が、締結具22を用いて、ロータ30に固定され、軸受25のインナーレースをなす第2輪部28が、締結具23を用いて、ブレード40に固定されている例を示した。しかしながら、この例に限られず、例えば、第2輪部28に対向して配置される第1輪部27が、ロータ30と一体的に形成されていてもよい。また、第1輪部27に対向して配置される第2輪部28が、ブレード40と一体的に形成されていてもよい。このような例においても、上述したようにして、軸受の組付幅および軸受の重複組付幅は、特定される。
【0072】
さらに、上述した一実施の形態およびその変形例において、外力緩和機構について具体例を挙げて説明したが、以上に説明した構成は外力緩和機構の例示に過ぎず、例えば、ゴムやバネ等の緩衝材により外力緩和機構を構成してもよいし、或いは、種々の分野で用いられている外力吸収機構や振動吸収機構を用いることも可能である。
【0073】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。