(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記訪問者が割り当てられている患者に関する前記計画と、前記訪問者が割り当てられていない患者に関する前記計画と、を区別して前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の訪問計画作成装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0009】
以下の説明において使用される次の用語は以下のように定義される。
・ 訪問サービス: 訪問者が患者宅を訪問し、訪問診療、訪問看護、訪問介護、及び訪問服薬指導のうちいずれかを提供すること。ここで、患者宅は、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、ケアハウス、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)などの施設を含むものとする。
・ サービス事業者: 医療または介護の訪問サービスを行う事業者。サービス事業者は、診療所、訪問看護ステーション、薬局、及び訪問介護事業所を含む。
・ 訪問者: 訪問診療の場合は医師を、訪問看護の場合は看護師を、訪問介護の場合は介護士を、訪問服薬指導の場合は薬剤師を、それぞれ指す。
・ 患者: 訪問サービスを受ける在宅療養者。
・ 訪問計画: 訪問者が患者を訪問する計画。訪問計画は、例えばサービス事業者の事務員によって立案される。
・ 同一建物: 複数の患者が居住する建物。同一建物は、典型的には、上述した特別養護老人ホームなどの施設である。
・ 患者群: 同一建物に居住する複数の患者であり、建物毎に定義される。
・ 基本訪問間隔: 訪問者が患者を訪問する基準となる時間間隔。本実施形態では、基本訪問間隔が2週間に設定されているが、例えば、毎日、毎週、毎月のような間隔が基本訪問間隔として設定されてもよい。
・ 最短訪問間隔: 訪問者が患者を訪問する時間間隔が調整される場合であっても、前回の訪問日から最低限離すべき時間間隔。本実施形態では、最短訪問間隔が1週間に設定されている。
・ 計画期間: 訪問計画を立てる基本的な時間間隔。本実施形態では、計画期間が4週間に設定されているが、例えば1カ月、3カ月のように別の時間間隔が設定されてもよい。
【0010】
[訪問計画作成装置が適用される環境]
図1を参照して、本実施形態に係る訪問計画作成装置が適用される環境の一例を説明する。訪問計画作成装置10は、CPU、RAM、ROM及び通信モジュールを含むサーバコンピュータとして構成され、
図1に示されるように、インターネットを介してサービス事業者の端末装置20に接続されている。端末装置20は、例えばデスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン型コンピュータ、PDAでよく、表示画面21を備えている。端末装置20は1台でもよいし、複数台でもよい。
【0011】
訪問計画作成装置10は、サービス事業者の事務員(計画作成者)が端末装置20の入力デバイス(図示せず)を介して入力した指示に基づいて、訪問計画を作成する。なお、入力デバイスには、キーボード、マウス、及びタッチパネルが含まれる。
【0012】
[訪問計画作成装置の全体構成]
図2を参照して、訪問計画作成装置の機能構成を説明する。
図2に示されるように、訪問計画作成装置100は、入力部110、制御部120、訪問計画作成部130、記憶部140、及び出力部150の各機能部を含んで構成される。以下、各機能部について説明する。
【0013】
入力部110は、サービス事業者の端末装置20との間のインターフェイスである。入力部110には、計画作成者によって入力デバイスを介して、例えば訪問開始日、患者基本情報、基本訪問間隔、最短訪問間隔、計画期間、及び訪問者情報のような各種情報及び指示が入力される。ここで、訪問開始日は、計画期間において訪問者が最初に患者を訪問する日である。患者基本情報は、患者の名前、住所、該当する場合には当該患者が居住している施設の名称、及び、訪問計画を作成する際の所定の地理的区域を表すエリア名を含む。また、訪問者情報は、訪問者の名前、及び、訪問者の職種(例えば医師、看護師のような属性)を含む。
【0014】
入力部110に入力された各種情報は、制御部120において訪問計画の作成のために用いられるとともに、記憶部140に記憶される。
【0015】
制御部120は、例えばCPUであって、記憶部140に記憶された各種プログラム及び情報をRAMに読み込んで各種演算を実行する。かかる制御部120は、特に、訪問者が患者を訪問する訪問計画を作成する機能を有し、かかる機能は、後述する訪問計画作成部130によって実行される。
【0016】
記憶部140は、例えばRAM及びROMであって、制御部120の各機能部を実行するための各種プログラム、入力部110から入力された各種情報及び指示、制御部120の各機能部の実行により生成されたデータなどが記憶される。
【0017】
出力部150は、訪問計画作成部130において作成された計画を、例えばサービス事業者の端末装置20の表示画面21に表示させるべく出力する。表示画面21に表示される訪問計画の例は、追って説明される。
【0018】
[訪問計画作成部の詳細]
ここで、訪問計画作成部130について詳細に説明する。訪問計画作成部130は、同一建物確認部131、患者群調整部132、休業日指定部133、及び訪問順序調整部134の各部を含んで構成され、各部の演算結果に基づいて訪問計画を作成する。以下、上記各部の機能を詳しく説明する。
【0019】
(同一建物確認部)
同一建物確認部131は、同一建物に居住する複数の患者を関連付ける。本実施形態では、このような患者の関連付けは、例えば施設の名称に基づいて行われる。したがって、同一の施設に居住する複数の患者は、患者群を形成することになる。訪問計画作成部130は、このような患者群ごとに、訪問者によって同一日に訪問される患者の数が、訪問者の属性に応じて予め設定された人数以下になるように、訪問計画を作成することになる。
【0020】
ここで、訪問者の属性に応じて予め設定された患者の人数は、訪問者が充実したサービスを患者に提供することができるよう厚生労働省の診療報酬規定にも定められる。本実施形態では、医師の一人当たり、同一建物で同一日に訪問する患者の数は一人と定められ、また、看護師の一人当たり同一建物で同一日に訪問する患者の数は二人までと定められる。ただし、医師は3人まで、同一建物で同一日に訪問させてよいものとする。介護士、及び薬剤師の一人当たり同一建物で同一日に訪問する患者の数は、医師や看護師の場合より多い患者の数を許容し、本実施形態では患者の数を制限しない。
【0021】
(患者群調整部)
患者群調整部132は、訪問者数、計画期間、基本訪問間隔及び最短訪問間隔に基づいて、患者群から対象患者群を決定する。ここで対象患者群とは、訪問者によって同一建物に対して同一日に訪問される患者の数が予め設定された人数以下になるように、患者の数を絞り込んだ患者群である。そして、訪問計画作成部130は、患者群調整部132によって生成された対象患者群について計画を作成する。
【0022】
患者群調整部132は、同一建物に居住する患者の数、つまり患者群の人数が、計画期間(例えば4週間)から計画期間の前後の最低訪問間隔(例えば1週間)を控除した期間(例えば15日間)を算出し、更にサービス事業者と個々の訪問者の休業日(例えば、
図4では医師Aが4日間、医師Bが5日間)を控除して、訪問者毎の訪問可能日数(例えば、医師Aが11日間、医師Bが10日間)を決定する。この訪問者毎の訪問可能日数を合算し(例えば21日間)、同一建物で同一日に訪問する患者の数(例えば、訪問者が医師であると1日当たり患者1人)を乗算して、訪問患者上限数(例えば21名)を決定する。
患者群調整部132は、患者群の人数が訪問患者上限数を超過した場合、患者数が訪問患者上限数以下になるように調整した対象患者群を生成する。他方、患者群の人数が訪問患者上限数以下である場合には、患者群調整部132は患者群をそのまま対象患者群とする。
【0023】
一例を挙げると、追って
図4との関係で詳述するように、「施設ひまわり」に居住する24名の患者から構成される患者群の人数は、該当する計画期間における訪問患者上限数である21名を超えるので、この患者群から、21名の患者で構成される対象患者群が生成されることになる。また、「施設さくら」に居住する10名の患者から構成される別の患者群の人数は、訪問患者上限数を超えないので、この別の患者群は、人数が調整されることなく、そのまま対象患者群を形成することになる。
【0024】
(休業日指定部)
休業日指定部133は、訪問者及び訪問者の所属するサービス提供者の休業日を指定する。休業日の指定は、予め設定されていてもよいし、計画作成者による端末装置20を介した入力に応じて設定されてもよい。いずれの場合でも、訪問計画作成部130は、休業日指定部133による指定結果に基づいて、訪問者が休業日以外の日に患者を訪問するように、計画を作成することになる。
更に本実施形態では、休業日指定部133は、訪問者の出張などのように訪問サービスが実施出来ない日や、外来患者診察や開示などのように訪問サービスが実施できない時間帯を、休業という意味に包含する。この結果、休業日指定部133の処理により、訪問者の予定に整合した訪問計画を、計画作成者が簡易に作成できる効果がある。
【0025】
(訪問順序調整部)
訪問順序調整部134は、訪問者が対象患者群に含まれる患者を訪問する順序を調整する。まず、訪問計画作成部130が、対象患者群を構成する患者への第1回の訪問日から基本訪問間隔だけ離れた日を第2回訪問の基準日として、個々の患者への訪問日がこの基準日の近辺になる様に、患者を訪問する順序を設定する。例えば、
図4の訪問計画例では、「施設ひまわり」における「患者11」から「患者31」までの21名の対象患者群について、訪問計画作成部130が第1回訪問日として、2014年12月3日(水曜日)を設定する。次に第2回の訪問日として2014年12月3日(水曜日)から2014年12月24日(水曜日)までを設定する。訪問順序調整部134は、2014年12月3日(水)は訪問者が医師Aの1人のみなので「患者11」への訪問日として割り当てる。次に、2014年12月4日(木)は訪問者が医師Aと医師Bの2人なので、「患者12」「患者13」への訪問日として割り当てる。このようにして、訪問順序調整部134は、対象患者群の全て(上述した21名)に対して、第2回の訪問を行う患者の順序を決定する。このような訪問順序調整部134における調整結果に基づいて、訪問計画作成部130は各患者に対する訪問日を作成する。
【0026】
訪問順序調整部134は、所定の計画期間毎に、患者を訪問する順序を変更する。例えば、
図4の訪問計画例では、「施設ひまわり」における対象患者群について第3回の訪問日を、訪問計画作成部130が、2014年12月28日(水曜日)に設定する。次に、訪問計画作成部130は、第4回訪問の日程として2015年1月7日(水曜日)から2015年1月21日(水)までを設定する。
ここで患者群調整部132は、第2回訪問の日程では、対象患者群として「患者11」から「患者31」であったが、
図5に示される第4回訪問の計画日程では、対象患者群として「患者12」から「患者32」を割り当てる。患者群調整部132が、対象患者群を計画期間毎に調整することにより、基本訪問間隔で定期的に訪問できる患者と訪問間隔の長短が交互となる患者とを、順番に変更することが可能となり、訪問者が全ての患者に対して、複数の計画期間に亘って訪問間隔を見たときに、訪問間隔が均一化することが期待される。
訪問順序調整部134は、第2回訪問の日程では、対象患者群として「患者11」から「患者31」への降順に訪問日程を割り当てる。次に、第4回訪問の日程では、「患者32」から「患者12」の昇順に訪問日程を割り当てる。
この訪問順序調整部134が無い場合、例えば「患者11」への訪問後に「患者12」への訪問が行われることが固定化すると、例えば「患者12」に対して「患者11」が不満を抱くかもしれない。この点、訪問順序調整部134が有る場合、計画期間ごとの訪問順序の調整ないし変更は、同一建物に居住する患者が抱くかもしれない、このような不満を解消することができる効果が期待される。
【0027】
その他、訪問計画作成部130は、所定の地理的区域に居住する患者に対して、同一の訪問者を割り当ててもよい。例えば、
図4の訪問計画では、同じエリア「北山」に立地する「施設さくら」及び「施設ひまわり」に居住する患者に対して、医師A及びBが割り当てられている。
訪問計画作成部130が、所定の地理的区域に基づいて訪問計画を作成する事により、同一建物に限らず個人宅も含めて、居住している場所の近い患者に対して同一日に訪問計画を作成する事が出来る為、訪問者が移動する時間を短縮して、効率よく患者への訪問サービスを提供することが出来る効果がある。
【0028】
[訪問計画の例]
次いで、
図4及び
図5を参照して、サービス事業者の端末装置20の表示画面21に表示される訪問計画の例を説明する。
【0029】
(訪問計画の画面構成)
図4に示される訪問計画例には、2014年12月1日から同月31日までの1カ月間に2名の医師A及びBが訪問診療を行う計画が一覧表示されている。同様に、
図5の表示画面例には、2015年1月1日から同月31日までの1カ月間における訪問計画が表示されている。ここで、訪問を受ける患者は、「施設さくら」、「施設ひまわり」、「施設たんぽぽ」、及び「グループホーム あい」の各施設に居住する患者と、これら施設に居住しない個々の患者(例えば自宅療養中の患者)と、に区分けされて表示されている。これにより、同一建物に居住する患者に対する訪問計画を作成しやすくなり、計画作成者の作業効率が向上する。
【0030】
また、
図4及び
図5では、「1」から「31」までの日付とそれに対応する曜日が横方向に並べられるとともに、縦方向には、個々の患者の名前が、該当する患者の居住する施設ごとに並べられている。また、患者欄の下方には、訪問者の欄が設けられ、医師A及びBの予定(訪問する患者の人数)が日付毎に表示されている。これにより、訪問者の負荷のバランスを考慮した訪問計画を簡易に作成することが可能となる。
【0031】
また、項目「個人」、「施設さくら」、「施設ひまわり」、「施設たんぽぽ」、及び「グループホーム あい」の外側には、これら項目に含まれる全ての内容及び簡略化された内容を表示させるためのボタン「+」及び「−」が、切替可能に表示されている。例えば、簡略表示されている項目「施設たんぽぽ」に対応する「+」ボタンをマウスなどで選択することで、この施設に居住する全ての患者に関する訪問計画を詳細に表示させることができる。また、詳細表示されている項目「施設さくら」に対応する「−」ボタンを選択することで、この施設に関する詳細な訪問計画を簡略的に表示させることができる。これにより、計画作成者が参照したい施設の対象の患者群に注目でき、画面表示上で離れている施設の詳細表示を比較することが容易となり、作業効率が向上する。
【0032】
本実施形態では、計画期間は4週間であり、
図4及び
図5では、2014年12月1日から同月28日まで、及び、同月29日から翌2015年1月25日までの2個の計画期間が示されている。また、最短訪問間隔は1週間に設定されている。基本訪問間隔は2週間に設定されている。
【0033】
また、サービス事業者の休業日は毎週日曜日に設定され、医師Aの休業日は毎週金曜日に、医師Bの休業日は毎週水曜日に、それぞれ設定されている。
図4及び
図5では、サービス事業者並びに医師A及びB休業日が文字「休」で示され、休業日に該当する日への訪問の入力が禁止される。これにより、計画作成者が誤って休業日に患者への訪問を入力することが防止される。
【0034】
(「施設さくら」の患者群に対する訪問計画)
「施設さくら」に居住する「患者1」から「患者10」までの10名の患者群に関する訪問計画に言及する。
図4に示される2014年12月1日から同月28日までの計画期間における訪問計画によれば、医師Bは、第1回の訪問として、12月2日(火曜日)に10名全員を訪問する。そして、医師A及びBの2名は、12月13日(土曜日)から同月19日(金曜日)にかけて、第2回の訪問を行う。このとき、これら2名の医師は、同一日に医師一名につき一名の患者を訪問して診察を行うので、一人の患者の診察に十分な時間を割り当てることが可能となる。このことは、
図4において、「患者1」から「患者10」の対応する日付欄に、医師A及びBを示す記号「A」及び「B」として表示している。
【0035】
また、施設名の表示に対応する日付欄には、該当する日に訪問者の訪問を受ける患者の数が示されている。例えば、「施設さくら 全患者」の12月2日(火曜日)の欄には、10名の患者が訪問を受けることを示す数字「10」が表示され、同施設の12月17日(水曜日)の欄には、1名の患者が訪問を受けることを示す数字「1」が表示されている。これにより、計画作成者は、計画の全容を簡易に把握することができる。
【0036】
(「施設ひまわり」の患者群に対する訪問計画)
次いで、「施設ひまわり」に居住する「患者11」から「患者34」までの24名の患者群に関する訪問計画に言及する。
図4に示された2014年12月1日から同月28日までの計画期間における訪問計画によれば、医師Aが、第1回の訪問として、12月3日(水曜日)に24名全員を訪問する。そして、医師A及びBの2名は、12月17日(水曜日)を除く12月10日(水曜日)から同月24日(水曜日)までの15日間にわたって、第2回の訪問を行う。このとき、これら2名の医師は、同一日に医師一名につき一名の患者を訪問して診察を行うので、一人の患者の診察に十分な時間を割り当てることが可能となる。ただし、12月17日(水曜日)には、医師Aが4名の患者を訪問する。
【0037】
上述した第2回訪問は、次のように計画される。まず、第1回訪問が行われる12月3日(水曜日)から最短訪問間隔を離した12月10日(水曜日)以降に、第2回訪問が行われることが決まる。また、次の計画期間における第1回訪問が、12月3日(水曜日)の4週間後である12月31日(水曜日)に行われるとして、更に最短訪問間隔を考慮すると、今計画期間の第2回訪問は12月24日(水曜日)以前に行われる必要がある。このようにして第2回訪問が行われる期間が12月10日(水曜日)から同月24日(水曜日)までの15日間に決まる。
【0038】
そして、この15日間から、サービス事業者並びに医師A及びBの休業日が除かれたうえで、訪問日程が決定される。訪問日程は、例えば
図4では「患者11」から「患者31」の順に割り当てられているが、
図5のように「患者31」から「患者11」の順に割り当てられてもよいし、ランダムに割り当てられてもよい。また、計画期間毎に訪問日程が変更されてもよい。
【0039】
しかし、このようにして個々の患者に訪問日を割り当てると、「患者32」から「患者34」までの3名の患者には訪問が割り当てられない。そこで、第1回訪問から2週間後、つまり基本訪問間隔だけ離れた12月17日(水曜日)に、これら3名の患者の訪問診療が行われることとしている。したがって、12月17日(水曜日)には、「患者21」、「患者32」、「患者33」及び「患者34」の4名の患者が医師Aの診察を受けることになる。このことを明らかにするため、これら4名の患者についての12月17日(水曜日)の欄は、医師Aを示す表示「A」が強調して表示されている。
【0040】
このように、「施設ひまわり」における24名の患者群に対して第2回訪問が計画される際には、「患者11」から「患者31」までの21名が「対象患者群」として選択され、残りの「患者32」から「患者34」までの3名と区別される。なお、かかる対象患者群を形成する患者は、計画期間毎に変更されてもよい。
【0041】
ちなみに、「施設ひまわり」と「施設さくら」とは同じエリア「北山」に立地している。そのため、これら施設に居住する患者は、原則として医師A及びBによって担当されるものとされている。これにより、訪問者の業務効率が向上する。
【0042】
(「施設たんぽぽ」及び「グループホーム あい」に居住する患者に対する訪問計画)
次いで、「施設たんぽぽ」及び「グループホーム あい」に居住する患者に対する訪問計画に言及する。
図4及び
図5では、これらの施設に居住する患者に対して、訪問者は未だ割り当てられていない。このことを容易に把握できるように、
図4では、訪問者の割当が未完である日程が強調して表示されるとともに、その日程欄に、訪問者の割当が完了していない患者の人数が表示されることとしている。これにより、計画作成者は、計画作成の進捗状況を容易に把握することができる。
【0043】
また、項目「訪問者」の下方に表示される項目「未割当」には、訪問者が未割当である患者の合計が日ごとに表示されている。かかる表示もまた、計画作成者による計画作成の進捗状況の把握を容易にし、計画作成者による訪問計画の作成漏れに起因して患者への訪問サービスが未実施となる事態を事前に防ぐことが出来る効果がある。
【0044】
[訪問計画作成装置の動作]
図3を参照して、上述した構成を有する訪問計画作成装置100の動作、及び訪問計画作成方法を説明する。
【0045】
ステップS201において、訪問計画の対象とする患者と、訪問計画の開始日が入力される。これら項目の入力は、例えば計画作成者により指定された患者及び開始日の情報を入力部110で受信することで行われてもよい。次いで、ステップS202において、同一建物に居住する複数の患者について、同一建物ごとに患者群が生成される。かかる手順は、同一建物確認部131において行われる。
【0046】
併せて、ステップS203において、サービス事業者に所属する訪問者(例えば医師)の数、基本訪問間隔、最短訪問間隔が、計画作成者によって確認される。次いで、ステップS204において、サービス事業者及び訪問者の休業日が確認される。かかる休業日の確認は、例えば、計画作成者によって指定された休業日の情報を入力部110で受信し、休業日指定部133に入力されることで行われてもよい。
【0047】
次いで、ステップS205において、計画作成の対象とする患者群が同一建物に居住しているかが判定される。当該患者群が同一建物に居住するものではないと判定されると、ステップS220において、基本訪問間隔(例えば2週間)に従って訪問計画が作成される。つまり、当該患者群については、第1回訪問から基本訪問間隔だけ離れた日に第2回訪問が行われることになる。かかる手順は、訪問計画作成部130によって実行される。
【0048】
他方、当該患者群が同一建物に居住していると判定されると、ステップS206において、訪問者の数、基本訪問間隔、最低訪問間隔に基づいて、当該患者群から対象患者群が生成される。かかる手順は、患者群調整部132によって実行される。例えば
図4の訪問計画例では、「施設ひまわり」の24名の患者群から、「患者11」から「患者31」までの21名で構成される対象患者群が生成される。「施設ひまわり」に居住する「患者32」から「患者34」までの3名の患者は、以降の手順においては、対象患者群と同一の建物に居住していないものとして扱われる。
【0049】
次いで、ステップS207において、対象患者群が同一建物に居住しているかが判定される。例えば「施設ひまわり」における「患者11」から「患者31」までの21名の対象患者群は、同一建物に居住しているので、ステップS208に進む。一方、「施設ひまわり」における「患者32」から「患者34」までの3名は、上述のように同一建物に居住していないものと扱われて、ステップS220において、基本訪問間隔に基づいて訪問計画が作成される。
【0050】
ステップS208では、当該訪問期間における訪問可能日から、休業日指定部133において指定された休業日が除外される。そして、ステップS209において、計画期間、最短訪問間隔、前回以前の計画期間における訪問順序に基づいて、今回の訪問順序が調整される。かかる手順は、訪問順序調整部134によって実行される。
【0051】
前述したステップS208における休業日の除外結果、及びS209ステップにおける訪問順序の調整結果を受けて、ステップS210において、対象患者群に対する該当する計画期間の訪問計画が作成される。かかる手順は、訪問計画作成部130によって実行される。
【0052】
次いで、ステップS211において、計画作成者から指定された全ての計画期間において訪問計画が作成されたかどうかが判定される。訪問計画が未作成である計画期間がある場合には、ステップS230において、次の計画期間が処理対象として設定され、ステップS206に戻って、当該の患者群について残りの計画期間の訪問計画が作成される。
【0053】
そして、全ての計画期間において訪問計画が作成されると、ステップS212において、全ての患者群について訪問計画が作成されたかが判定される。訪問計画が未作成である患者群が残っている場合には、ステップS231において、次の患者群が処理対象として設定され、ステップS205に戻って、別の患者群について訪問計画が作成される。そして、全ての患者群について、全ての計画期間で訪問計画が作成されると、一連の手順が終了する。
【0054】
[まとめ]
前述したとおり、訪問者が患者を訪問する計画を作成するための訪問計画作成装置100は、同一建物に居住する複数の患者を関連付ける同一建物確認部131と、同一建物確認部131において関連付けられた複数の患者からなる患者群に対して、訪問者によって同一日に訪問される患者の数が、訪問者の属性に応じて予め設定された人数以下になるように、計画を作成する訪問計画作成部130と、を備える。かかる実施形態によれば、患者の数が多い同一建物の患者に対しても、訪問者による患者訪問が流れ作業の様に短時間になる事を防ぎ、訪問者が個々の患者に対して質の高いサービスを提供するため十分な時間を確保することができる。更に計画作成者が、訪問計画を簡便に作成することが可能となる。
【0055】
また、訪問計画作成部130において作成された計画を端末装置20の表示画面21に表示させる出力部150を更に備えることで、計画作成者は、表示画面21で訪問計画の作成状況を確認しながら訪問計画を作成することが可能となり、作業効率が向上する。
【0056】
また、出力部150は、患者群に関する計画と、患者群以外の患者に関する計画と、を区別して表示画面21に表示させてもよい。かかる実施形態によれば、同一建物に居住する患者群ごとに訪問計画を作成することができるので、計画作成者が効率的に訪問計画を作成する事が可能である。
【0057】
また、出力部150は、訪問者が1日に訪問する患者の数を表示画面21に表示させてもよい。かかる実施形態によれば、計画作成者は、訪問者の1日ごとの負荷を容易に把握できるので、訪問者の負荷バランスを考慮した訪問計画を容易に作成することが可能となる。
【0058】
また、訪問者及び訪問者の所属するサービス提供者の休業日を指定する休業日指定部133を更に備え、訪問計画作成部130は、休業日指定部133による指定結果に基づいて、訪問者が休業日以外の日に患者を訪問するように、計画を作成してもよい。かかる実施形態によれば、サービス事業者及び個々の訪問者の休業日を踏まえた訪問計画を作成することが可能となるので、計画作成者が訪問計画を作成する業務の効率を向上させることができる。
【0059】
また、計画が作成される所定の計画期間、及び、個々の患者について確保されるべき最低限の訪問間隔に基づいて、患者群から、訪問者によって同一日に訪問される患者の数が予め設定された人数以下になるように患者の数が調整された対象患者群を生成する患者群調整部132を更に備え、訪問計画作成部130は、対象患者群について計画を作成してもよい。かかる実施形態によれば、訪問者が質の高い充実したサービスを提供するために、計画作成者が一日に訪問する患者の数を制限した訪問計画を簡便に作成することができる。
【0060】
また、訪問者が対象患者群に含まれる患者を訪問する順序を調整する訪問順序調整部134を更に備え、訪問計画作成部130は、訪問順序調整部134における調整結果に基づいて計画を作成してもよい。また、訪問順序調整部は、所定の計画期間毎に順序を変更してもよい。かかる実施形態によれば、患者が訪問を受ける時間間隔が計画期間によって調整ないし変更されることで、複数の計画期間にわたって見たときに訪問間隔が均一化されるため、患者に訪問サービスに公平性を感じさせることができる。
【0061】
また、訪問計画作成部130は、所定の地理的区域に居住する患者に対して、同一の訪問者を割り当ててもよい。かかる実施形態によれば、訪問者が地理的に近い区域に居住する患者を訪問するように計画することで、訪問者の訪問業務を効率化することが可能となる。
【0062】
また、出力部150は、訪問者が割り当てられている患者に関する計画と、訪問者が割り当てられていない患者に関する計画と、を区別して表示画面21に表示させてもよい。かかる実施形態によれば、計画作成者が、訪問者の割当の有無を確認しながら訪問計画を作成することが可能となるので、訪問計画の作業効率が向上する。
【0063】
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また、本発明はその等価物も含む。
【0064】
例えば、訪問計画作成装置は、スタンドアロン型のコンピュータでもよい。この場合、入力部は例えばキーボード、マウス、及びタッチパネルであり、出力部は例えばディスプレイ及びプリンタである。