特許第6682293号(P6682293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧 ▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

特許6682293フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置
<>
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000002
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000003
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000004
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000005
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000006
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000007
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000008
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000009
  • 特許6682293-フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682293
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/04 20060101AFI20200406BHJP
   H01H 13/16 20060101ALI20200406BHJP
   H01H 13/06 20060101ALI20200406BHJP
   H01H 15/02 20060101ALI20200406BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20200406BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20200406BHJP
   B62L 3/04 20060101ALI20200406BHJP
   B62J 6/22 20200101ALI20200406BHJP
   B60T 7/02 20060101ALI20200406BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20200406BHJP
   G05G 1/38 20080401ALI20200406BHJP
【FI】
   H01H9/04 B
   H01H13/16 A
   H01H13/06 B
   H01H15/02 H
   H01R13/52 D
   B60R16/02 610B
   B62L3/04 A
   B62J6/00 K
   B60T7/02 D
   G05G1/30 B
   G05G1/38
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-28675(P2016-28675)
(22)【出願日】2016年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-144906(P2017-144906A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】山下 明彦
(72)【発明者】
【氏名】金岡 洋司
(72)【発明者】
【氏名】二宮 伸之
(72)【発明者】
【氏名】三河 正明
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−225517(JP,A)
【文献】 特開2003−257538(JP,A)
【文献】 特開2001−244013(JP,A)
【文献】 実開昭61−139880(JP,U)
【文献】 実開平03−035628(JP,U)
【文献】 実開平02−065834(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/04
H01H 13/06
H01H 13/16
H01H 15/02
H01R 13/52
B60R 16/02
B60T 7/02
B62J 6/22
B62L 3/04
G05G 1/30
G05G 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ(10)を備えたブレーキ作動検出装置(101)であって、
前記スイッチ(10)は、スイッチ本体部(12)の一端部(17A)から突出して外部端子(21)を接続する一対の接続端子(15)と、前記一対の接続端子(15)の周囲を覆うカバー部材(16)と、を備え、
前記一対の接続端子(15)を突出する前記スイッチ本体部(12)の一端部(17A)には、前記一端部(17A)の外側ほど前記接続端子(15)の基端側に位置するように傾斜する傾斜外面(30A,30A’)を有する盛部(30,30’)が設けられており、
前記スイッチ(10)は、ブレーキペダル(1)が踏まれて作動部材(13)が引かれると前記一対の接続端子(15)間を通電させ、前記作動部材(13)が引かれる前は前記一対の接続端子(15)間の通電を遮断するフットブレーキスイッチであり、
前記スイッチ(10)は、前記一端部(17A)を上端部として前記一対の接続端子(15)を上方に突出させ、前記傾斜外面(30A,30A’)を前記一端部(17A)の外側ほど下方に位置するように傾斜させて配置されていることを特徴とするブレーキ作動検出装置。
【請求項2】
ブレーキペダル(1)の回動操作に応じてブレーキの作動検出を行うフットブレーキスイッチ(10)において、
スイッチ本体部(12)の一端部(17A)から突出して外部端子(21)を接続する一対の接続端子(15)と、前記一対の接続端子(15)の周囲を覆うカバー部材(16)と、を備え、
当該フットブレーキスイッチ(10)は、前記ブレーキペダル(1)が踏まれて作動部材(13)が引かれると前記一対の接続端子(15)間を通電させ、前記作動部材(13)が引かれる前は前記一対の接続端子(15)間の通電を遮断するものであり、
前記一対の接続端子(15)を突出する前記スイッチ本体部(12)の一端部(17A)には、前記一端部(17A)の外側ほど前記接続端子(15)の基端側に位置するように傾斜する傾斜外面(30A,30A’)を有する盛部(30,30’)が設けられていることを特徴とするフットブレーキスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車などの鞍乗り型車両には、支軸に回動可能に支持されて該支軸から車両の前方に延びるブレーキペダルと、該ブレーキペダルの踏込み動作に応じて制動作動するブレーキ装置と、引張コイルバネ等を介してブレーキペダルに連結されたフットブレーキスイッチと、が具備されている。
このような鞍乗り型車両では、運転者によってブレーキペダルが踏み込まれた場合に、ブレーキ装置が作動するとともに、引張コイルバネを経由してフットブレーキスイッチが作動して、車両後部に位置するリアブレーキライトを点灯させる等の機能を果たす。
【0003】
上記のような鞍乗り型車両に適用されるフットブレーキスイッチでは、屋外等の被水環境で使用されることから、通電用の一対の接続端子間におけるショート防止のために耐水性を考慮した構造が要求される。
一対の接続端子間のショート防止構造としては、例えば特許文献1に示される電源プラグのように、一対の接続端子に防錆のためのメッキ処理を施すとともに、該メッキ処理が施された接続端子の基端側に絶縁部材を一体被覆した上で、該絶縁部材を含む接続端子の基端側を取り囲むように、絶縁材料からなるプラグ本体を形成する構成が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−49330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、鞍乗り型車両に適用されるフットブレーキスイッチにおいては、被水の頻度が高いために、一対の接続端子間のショートを抑止するさらなる改善が要望されている。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、一対の接続端子間のショートを抑止するべく耐水性を高めたフットブレーキスイッチ及びブレーキ作動検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載した発明は、スイッチ(10)を備えたブレーキ作動検出装置(101)であって、前記スイッチ(10)は、スイッチ本体部(12)の一端部(17A)から突出して外部端子(21)を接続する一対の接続端子(15)と、前記一対の接続端子(15)の周囲を覆うカバー部材(16)と、を備え、前記一対の接続端子(15)を突出する前記スイッチ本体部(12)の一端部(17A)には、前記一端部(17A)の外側ほど前記接続端子(15)の基端側に位置するように傾斜する傾斜外面(30A,30A’)を有する盛部(30,30’)が設けられており、前記スイッチ(10)は、ブレーキペダル(1)が踏まれて作動部材(13)が引かれると前記一対の接続端子(15)間を通電させ、前記作動部材(13)が引かれる前は前記一対の接続端子(15)間の通電を遮断するフットブレーキスイッチであり、前記スイッチ(10)は、前記一端部(17A)を上端部として前記一対の接続端子(15)を上方に突出させ、前記傾斜外面(30A,30A’)を前記一端部(17A)の外側ほど下方に位置するように傾斜させて配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明は、ブレーキペダル(1)の回動操作に応じてブレーキの作動検出を行うフットブレーキスイッチ(10)において、スイッチ本体部(12)の一端部(17A)から突出して外部端子(21)を接続する一対の接続端子(15)と、前記一対の接続端子(15)の周囲を覆うカバー部材(16)と、を備え、当該フットブレーキスイッチ(10)は、前記ブレーキペダル(1)が踏まれて作動部材(13)が引かれると前記一対の接続端子(15)間を通電させ、前記作動部材(13)が引かれる前は前記一対の接続端子(15)間の通電を遮断するものであり、前記一対の接続端子(15)を突出する前記スイッチ本体部(12)の一端部(17A)には、前記一端部(17A)の外側ほど前記接続端子(15)の基端側に位置するように傾斜する傾斜外面(30A,30A’)を有する盛部(30,30’)が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,2に記載した発明によれば、一対の接続端子の周囲をカバー部材で覆うので、接続端子への水掛りが抑止されるとともに、一対の接続端子間でスイッチ本体部の一端部に、該一端部の外側ほど接続端子の基端側に位置するように傾斜する傾斜外面を形成したので、この傾斜外面によって一対の接続端子間に水滴が溜まることが抑止され、一対の接続端子間のショートを抑止することができる。
【0018】
また、請求項2に記載した発明によれば、フットブレーキスイッチを上下方向に延在させる等の配置により、前記一端部を上端部として一対の接続端子を上方に起立させ、かつ傾斜外面を前記一端部の外側ほど下方に位置するように傾斜させたので、一対の接続端子間に至った水滴を傾斜外面を通じて良好に排出し、一対の接続端子間のショートを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態におけるブレーキ作動検出装置の側面図である。
図2】上記ブレーキ作動検出装置のフットブレーキスイッチの正面図である。
図3】上記フットブレーキスイッチの側面図である。
図4図3のIV−IV断面図である。
図5】上記フットブレーキスイッチのカバー部材を切り欠いた状態の斜視図である。
図6】上記フットブレーキスイッチの盛部の変形例を示す図5に相当する斜視図である。
図7】上記フットブレーキスイッチのカバー部材付近を示す正面図である。
図8】上記フットブレーキスイッチの接続端子と被結合プラグの雌端子との結合関係を示す斜視図である。
図9】本発明の他の実施形態に係るフットブレーキスイッチのカバー部材付近を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図1図9を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。
【0021】
図1に示すように、鞍乗り型車両としての自動二輪車の下後部には、リヤブレーキ作動装置100が設けられている。
リヤブレーキ作動装置100は、運転者によるブレーキペダル1の踏み込みによって作動するリヤブレーキ装置(図示略)と、運転者によるブレーキペダル1の踏み込みを検出するブレーキ作動検出装置101と、を具備している。図中矢印FRは車両前方、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
【0022】
ブレーキペダル1は、例えば車体フレームFに支持された左右方向に沿う支軸2を中心として回転可能に設けられたブレーキアーム3を具備する。ブレーキアーム3は、支軸2の前方側に延びて全体として折曲形状に設けられた第一アーム5と、支軸2の上方側に延びる第二アーム6と、を有している。第一アーム5の前端部にはペダル踏込部7が設けられ、第二アーム6の上端部にはリヤブレーキ装置(図示略)を作動させるための例えばプルロッド等の作動部材8が連結されている。図中符号40は運転者の足を載せる運転者用ステップ、符号41は鞍乗り型車両の駆動源となるパワーユニットをそれぞれ示す。
【0023】
第一アーム5には、引張コイルバネ4を介して、ブレーキ作動検出装置101のフットブレーキスイッチ10のロッド13が接続されている。
図2図4を併せて参照し、フットブレーキスイッチ10は、例えば車体フレームFに固定されたブラケット9にアジャストナット18Aを介して支持されている。フットブレーキスイッチ10は筒状をなし、その長手方向を概ね上下方向(詳細には、上下方向に対してやや後傾した方向、矢印A−B方向)に沿わせて配置されている。
【0024】
以下、フットブレーキスイッチ10の長手方向をスイッチ軸方向とし、図2図4の上下方向(A−B方向)をフットブレーキスイッチ10の上下方向とし、図2図4の左右方向をフットブレーキスイッチ10の左右方向(スイッチ左右方向)とし、図3の左右方向をフットブレーキスイッチ10の前後方向(スイッチ前後方向)として説明する。
【0025】
ペダル踏込部7が踏まれてブレーキペダル1が回動すると、引張コイルバネ4を介してロッド13が下方に引かれ、スイッチ本体部12内のスイッチ回路14が作動する。例えば、スイッチ回路14は、ロッド13が下方に引かれる前は、後述する一対の接続端子15間の通電を遮断し、ロッド13が下方に引かれると、一対の接続端子15間を通電させるというON/OFFスイッチを構成している。
【0026】
フットブレーキスイッチ10は、ペダル踏込部7が踏まれてロッド13が下方に引かれた際に、スイッチ回路14が一対の接続端子15間を通電させてリアブレーキランプ(不図示)を点灯させる。また、ペダル踏込部7が踏まれたとき、第二アーム6が作動部材8を介してリヤブレーキ装置を制動作動させる。リヤブレーキランプの点灯およびリヤブレーキ装置の制動作動は、ブレーキペダル1の踏み込みを解除することで解除される。
【0027】
次に、フットブレーキスイッチ10について詳細に説明する。
図2図5を参照し、フットブレーキスイッチ10は、スイッチ軸方向に延びる筒状をなして内部に中空部11を形成するスイッチ本体部12と、中空部11の下側にスイッチ軸方向でストローク可能に保持されるロッド13と、ロッド13のストロークに応じてON/OFF作動するスイッチ回路14と、スイッチ回路14に接続される一対の接続端子15と、を有している。
【0028】
フットブレーキスイッチ10は、スイッチ軸方向を上下に起立させた姿勢で配置されている。スイッチ本体部12の上端部17A(一端部)からは、一対の接続端子15がスイッチ軸方向に沿って互いに平行をなして上方に突出している。一対の接続端子15は、それぞれスイッチ左右方向と直交する平板状をなし、互いにスイッチ左右方向(板厚方向)で対向配置されている。図中符号15Aは各接続端子15の突出方向(スイッチ軸方向)に沿う軸線を示す。
【0029】
スイッチ本体部12は、一対の接続端子15の周囲を囲う角筒状のカバー部材16と、カバー部材16の下方に一体に設けられた円筒状のスリーブ18と、カバー部材16およびスリーブ18に跨って嵌入されて一対の接続端子15の基端側を支持する端子支持部材17と、を有しており、全体が絶縁部材により形成されている。スリーブ18の外面には、アジャストナット18Aを螺合させるネジ山が形成されている。カバー部材16は、スイッチ軸線と平行な前後左右の四面を形成している。
【0030】
ロッド13は、スリーブ18の下端部との間に設けられた圧縮コイルバネ19によって上方に付勢されている。ロッド13は、下端部をスイッチ本体部12の下方に突出させ、この下端部に引張コイルバネ4の上端部が係止されている。ロッド13の上端部は、スイッチ回路14に対してストローク位置を変更可能に係合している。
【0031】
スイッチ回路14は、ロッド13のストロークによるON/OFFに応じて、一対の接続端子15間の通電状態を切り替える。すなわち、スイッチ回路14がONで一対の接続端子15間に通電がなされたとき、リヤブレーキランプが点灯し、スイッチ回路14がOFFで一対の接続端子15間の通電が遮断されたとき、リヤブレーキランプが消灯する。
【0032】
フットブレーキスイッチ10は、カバー部材16および一対の接続端子15を含んで雄側接続コネクタ10Aを構成し、雌側接続コネクタ10Bを接続可能としている。
図8を併せて参照し、雌側接続コネクタ10Bは、絶縁材料で形成された被接続側本体部20と、被接続側本体部20内に配置されて一対の接続端子15の各々に接続される一対の雌端子(外部端子)21と、被接続側本体部20内で一対の雌端子21を支持する絶縁部材からなるプラグ支持部材22と、を備えている。一対の雌端子21には、車体側に取り回される導電ハーネス23が接続されている。
【0033】
図3を参照し、雄側接続コネクタ10Aのカバー部材16には、雌側接続コネクタ10Bの被接続側本体部20に係合する係合部材24が設けられている。係合部材24は、スイッチ軸方向に延びる弾性片の先端部に係止爪を有し、雌側接続コネクタ10Bの被接続側本体部20の上端部に設けられた係止孔形成部25に係合可能である。これら係合部材24および係止孔形成部25の係合により、雄側接続コネクタ10Aと雌側接続コネクタ10Bとの連結解除が制限される。これら両コネクタ10A,10Bの連結により、各接続端子15と各雌端子21との導通がなされ、両コネクタ10A,10Bの分離により、各接続端子15と各雌端子21との導通が遮断される。
【0034】
図5を参照し、フットブレーキスイッチ10において、一対の接続端子15間でスイッチ本体部12の端子支持部材17の上端部17Aには、絶縁材料からなる盛部30が設けられている。
盛部30は、一対の接続端子15をこれらの並び方向(対向方向)で結ぶ直線L(図5参照)に対して垂直に交わる断面において、略三角形状の山形の断面形状を形成し、スイッチ前後方向で一対の平面状の傾斜外面30Aを形成している。各傾斜外面30Aは、一対の接続端子15の基端側と交差し、一対の接続端子15よりもスイッチ左右方向の外側まで延びている。各傾斜外面30Aは、盛部30の頂部からスイッチ前後方向の外側へ、前記上端部17Aの外側ほど下方に位置するように傾斜して延びている。この傾斜外面30Aによって、カバー部材16内に上方から浸入した水滴が、一対の接続端子15間に溜まり難くされている。
【0035】
なお、図6に示す盛部30’のように、上記断面において、上方に凸の略円弧形状の断面形状を形成し、円弧状の傾斜外面30A’を形成する構成としてもよい。盛部30’の傾斜外面30A’は、盛部30’の頂部より外側ほど下方への傾斜が大きくなるよう湾曲した形状となっているので、一対の接続端子15間に浸入した水滴の排出が促進される。
【0036】
図2図3図5図7を参照し、カバー部材16の下部における四箇所の角部には、一対の傾斜外面30Aのスイッチ本体部12外側の末端をカバー部材16の外部に露出させる開口部31が形成されている。これらの開口部31により、傾斜外面30Aを流下した水滴は、傾斜外面30Aの外側末端でせき止められることなく、カバー部材16の外部に排出される。各開口部31は、カバー部材16内の空間部16Dを外周側のみならず下方に向けても開放しており、カバー部材16内に浸入した水滴をより良好に排出可能としている。
【0037】
図4図5図7図8を参照し、一対の接続端子15間でスイッチ本体部12の端子支持部材17上には、カバー部材16内の空間部16Dを各接続端子15側に仕切る隔壁32が設けられている。
隔壁32は、各接続端子15と平行な平板状をなし、下端部は盛部30に接続され、前後縁部はカバー部材16の前後内面に接続または密接されている。この隔壁32により、カバー部材16内に水滴が浸入しても、一対の接続端子15間における水滴によるショートが抑止される。
また、隔壁32は、端子支持部材17の盛部30から上方への長さ寸法が、接続端子15のそれよりも大きく設定されており、一対の接続端子15間のショートの虞をより一層低減している。
【0038】
以上詳細に説明したように、本実施形態のフットブレーキスイッチ10によれば、スイッチ本体部12の上端部17Aから上方に突出して外部端子(雌端子21)を接続可能とする一対の接続端子15の間で、スイッチ本体部12の上端部17Aに、該上端部17Aの外側ほど接続端子15の基端側(下方)に位置するように傾斜する傾斜外面30Aを有する盛部30を設けたので、傾斜外面30Aによって一対の接続端子15間に水滴が溜まり難くすることができる。これにより、一対の接続端子15間の水滴によるショートを抑止し、安定的なスイッチ作動を維持することができる。
【0039】
また、本実施形態のフットブレーキスイッチ10では、盛部30が、一対の接続端子15の並び方向で、接続端子15の先端側に凸の断面形状をなして延びているので、一対の接続端子15間から良好に排水可能となり、一対の接続端子15間の全体で水滴が溜まることが抑止され、一対の接続端子15間のショートを効果的に抑止することができる。
【0040】
また、本実施形態のフットブレーキスイッチ10では、一対の接続端子15の周囲を間隔を空けて覆うカバー部材16に、傾斜外面30Aのスイッチ本体部12外側の末端をカバー部材16の外方に臨ませる開口部31を形成したので、カバー部材16により接続端子15への水掛りを抑止しつつ、傾斜外面30Aを流れた水滴をカバー部材16の外方へ良好に排出可能となり、一対の接続端子15間のショートをより効果的に抑止することができる。
【0041】
また、本実施形態のフットブレーキスイッチ10では、角筒状のカバー部材16の周囲の四箇所の角部にそれぞれ開口部31を形成したので、角筒状のカバー部材16で一対の接続端子15の周囲をコンパクトに覆いつつ、カバー部材16内の隅部に水滴が滞留し難くし、かつカバー部材16の何れの側からも排水可能として、一対の接続端子15間のショートをより効果的に抑止することができる。
【0042】
また、本実施形態のフットブレーキスイッチ10では、一対の接続端子15間で盛部30上に、カバー部材16内の空間部16Dを仕切る隔壁32を設けたので、カバー部材16内に水滴が残留しても、この水滴による一対の接続端子15間のショートを抑止することができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば図9に示すように、一対の接続端子15を囲むカバー部材16の一側面を、ヒンジ16Aを介して開閉可能な扉部16Bとした構成としてもよい。この場合、扉部16Bを開いてカバー部材16内の接続端子15の状況を容易に目視で確認可能となり、メンテナンス性を向上できる。扉部16Bには、閉状態を維持する係止片16Cを設けることが好ましい。
スイッチ回路14は、ロッド13のストロークによりON/OFFを切り替えるものであるが、例えばロッド13のストロークにより電気的な信号を出力するスイッチ素子であってもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ブレーキペダル
10 フットブレーキスイッチ
12 スイッチ本体部
15 接続端子
16 カバー部材
16D 空間部
17A 上端部(一端部)
21 雌端子(外部端子)
30,30’ 盛部
30A,30A’ 傾斜外面
31 開口部
32 隔壁
101 ブレーキ作動検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9