特許第6682372号(P6682372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682372
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】航空機の降着装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 25/10 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   B64C25/10
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-117935(P2016-117935)
(22)【出願日】2016年6月14日
(65)【公開番号】特開2017-222236(P2017-222236A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183369
【氏名又は名称】住友精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】井上 光平
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−067697(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0278394(US,A1)
【文献】 特開2007−230352(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/116658(WO,A1)
【文献】 米国特許第04556179(US,A)
【文献】 米国特許第05029775(US,A)
【文献】 特表2012−528759(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10305374(DE,A1)
【文献】 米国特許第04603908(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方端部が航空機本体に接続され、他方端部に車輪が取り付けられ、前記航空機本体の内外に格納および展開可能な脚柱と、
第1支柱および第2支柱を含み、前記脚柱を支持する折り畳み可能なブレースと、
前記第1支柱および前記第2支柱の各々のロック機構取付部に接続され、前記ブレースの折り畳みを制限する状態と折り畳みを許容する状態とに切り替えるロック機構とを備え、
前記第1支柱および前記第2支柱の各々は、連結軸を介して互いに回動可能に連結されるとともに、回動軸に回動可能に取付られた支柱本体部を含み、
前記第1支柱および前記第2支柱の少なくとも一方の前記ロック機構取付部が、接続部を介して一方の前記支柱本体部と接続されており、
前記支柱本体部に対する前記接続部の接続位置が、前記支柱本体部の延びる方向において、下記の(a)〜(c)のいずれかとなっている、航空機の降着装置。
(a)前記回動軸と前記連結軸との間で、かつ、前記ロック機構取付部よりも前記連結軸側の位置に配置されている
(b)前記連結軸と一致する位置に配置されている
(c)前記連結軸に対して前記回動軸とは反対側の位置に配置されている
【請求項2】
前記接続部は、前記接続位置において前記支柱本体部から分離または分岐あるいは延長して、前記ロック機構取付部まで延びるように構成されている、請求項1に記載の航空機の降着装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記支柱本体部から分離した別部材として、前記支柱本体部に取り付けられ、前記支柱本体部と前記ロック機構取付部とを接続するリンク部材からなる、請求項2に記載の航空機の降着装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記支柱本体部から分岐して、前記支柱本体部と前記ロック機構取付部とを接続する分岐部分からなる、請求項2に記載の航空機の降着装置。
【請求項5】
前記接続部の接続位置が、前記回動軸と前記連結軸との間で、かつ、前記ロック機構取付部よりも前記連結軸側の前記連結軸近傍の位置に配置されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の航空機の降着装置。
【請求項6】
前記第1支柱および前記第2支柱の一方の前記ロック機構取付部は、前記接続部を介して、前記支柱本体部の前記接続位置に接続され、
前記第1支柱および前記第2支柱の他方の前記ロック機構取付部は、前記支柱本体部の延びる方向において、前記連結軸と略一致する位置に接続されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の航空機の降着装置。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記第1支柱のロック機構取付部に接続された第1リンクと、前記第2支柱のロック機構取付部に接続された第2リンクとを含み、
前記ブレースは、前記第1リンクおよび前記第2リンクが内部に配置される貫通溝部を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の航空機の降着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、航空機の降着装置に関し、特に、脚柱を支持するブレースをロックするロック機構を備えた降着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の脚柱を支持するブレースをロックするロック機構(ダウンロック機構)を備えた降着装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、脚柱と、脚柱を支持するブレースと、ブレースをロックするロック機構とを備えた航空機の降着装置が開示されている。脚柱は、航空機内に格納および外部に展開するために回動可能に構成されている。ブレースは、展開位置の脚柱が格納位置へ回動しないように支持する支持柱である。ブレースは、連結された2つの支柱により折り畳み可能に構成されており、展開状態では、ロック機構によってブレースの折り畳みが制限される。
【0004】
上記特許文献1では、ロック機構の一端がブレースに接続され、他端が脚柱に接続されている構成が開示されているが、降着装置を小型化するために、ロック機構の両端をブレースの一方の支柱と他方の支柱とにそれぞれ接続することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2012−528759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、本願発明者は、ロック機構の両端がブレースに接続される構成では、航空機の脚柱の使用時に、脚柱を支持するブレースに圧縮荷重が作用した場合に、ブレースの変形に起因してロック機構に外力が作用することがあることを見出した。そのため、ブレースが圧縮変形した場合の外力にも十分耐えられるようにロック機構の剛性または強度を高める必要があるため、ロック機構が大型になってしまう。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、ロック機構の両端がブレースに接続される構成においても、ロック機構を小型化することが可能な航空機の降着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、ブレースが圧縮荷重を受けた場合にロック機構に外力が作用するのは、ブレースの圧縮変形に伴って、ブレースに対するロック機構の取付点(取付部)間の距離が小さくなるためであるという知見を得た。この知見に基づき、この発明による航空機の降着装置は、一方端部が航空機本体に接続され、他方端部に車輪が取り付けられ、航空機本体の内外に格納および展開可能な脚柱と、第1支柱および第2支柱を含み、脚柱を支持する折り畳み可能なブレースと、第1支柱および第2支柱の各々のロック機構取付部に接続され、ブレースの折り畳みを制限する状態と折り畳みを許容する状態とに切り替えるロック機構とを備え、第1支柱および第2支柱の各々は、連結軸を介して互いに回動可能に連結されるとともに、回動軸に回動可能に取付られた支柱本体部を含み、第1支柱および第2支柱の少なくとも一方のロック機構取付部が、接続部を介して一方の支柱本体部と接続されており、支柱本体部に対する接続部の接続位置が、支柱本体部の延びる方向において、下記の(a)〜(c)のいずれかとなっている。
(a)回動軸と連結軸との間で、かつ、ロック機構取付部よりも連結軸側の位置に配置されている
(b)連結軸と一致する位置に配置されている
(c)連結軸に対して回動軸とは反対側の位置に配置されている
なお、本明細書において、「支柱本体部に対する接続部の接続位置が、支柱本体部の延びる方向において、連結軸と一致する位置に配置されている」とは、支柱本体部の延びる方向における接続位置が支柱本体部の延びる方向における連結軸の位置と一致していることを意味し、接続部が連結軸と同軸で接続されている場合(接続位置が連結軸と完全に一致する場合)のみならず、支柱本体部の延びる方向と直交する方向には接続位置が連結軸と異なる位置に配置される場合(支柱本体部の延びる方向以外では接続位置と連結軸の位置とが一致しない場合)も含む概念である。
【0009】
この発明による航空機の降着装置では、上記のように、第1支柱および第2支柱の少なくとも一方のロック機構取付部を、接続部を介して一方の支柱本体部と接続し、支柱本体部に対する接続部の接続位置を、支柱本体部の延びる方向において、上記の(a)〜(c)のいずれかとする。ここで、ロック機構の取付点(取付部)間の支柱本体部の延びる方向における距離Lは、第1支柱のロック機構取付部と連結軸との間の距離L1と、第2支柱のロック機構取付部と連結軸との間の距離L2との和で表すことができる。そのため、支柱本体部に対する接続部の接続位置を、支柱本体部の延びる方向において、(a)回動軸と連結軸との間で、かつ、ロック機構取付部よりも連結軸側の位置に配置する場合には、ロック機構取付部から連結軸までの距離L1(またはL2)よりも、連結軸から接続部の接続位置までの距離が小さくなる。このため、ブレースが圧縮変形を生じた場合、ブレースの圧縮変形に伴ってロック機構取付部が変位するのは、連結軸から接続部の接続位置までの部分の圧縮変形によるものとなり、接続部の接続位置からロック機構取付部までの部分は圧縮変形の影響を受けなくなるので、その分だけロック機構取付部の変位を抑制することができる。また、ブレースには、回動軸と連結軸との間で圧縮荷重が加わるため、支柱本体部において、連結軸の配置位置や回動軸−連結軸間を越えて延長した位置では、圧縮変形は生じない。そのため、支柱本体部に対する接続部の接続位置を、支柱本体部の延びる方向において、(b)連結軸と一致する位置に配置する場合、または、(c)連結軸に対して回動軸とは反対側の位置に配置する場合には、ブレースが圧縮変形を生じた場合でも、ロック機構取付部から連結軸までの距離L1(またはL2)が変化しないようにすることができる。
【0010】
以上の結果、本発明によれば、ブレースの圧縮変形に伴う距離L1または距離L2の少なくとも一方の変化を抑制(または防止)することができるので、ロック機構取付部を単純に各支柱に配置した場合と比べて、ロック機構取付部間の距離Lの変化を小さくする(または距離Lが変化しないようにする)ことができる。ブレースの圧縮変形に起因するロック機構取付部間の距離変化が小さくなる分だけ、ロック機構に作用する外力を軽減することができるので、剛性または強度確保のためにロック機構が大型になるのを抑制することができる。その結果、ロック機構の両端がブレースに接続される構成においても、ロック機構を小型化することができる。
【0011】
上記発明による航空機の降着装置において、好ましくは、接続部は、接続位置において支柱本体部から分離または分岐あるいは延長して、ロック機構取付部まで延びるように構成されている。このように構成すれば、ロック機構取付部と支柱本体部を接続する接続部を、容易に、上記(a)〜(c)のいずれかを満たす接続位置に設けることができる。
【0012】
この場合において、好ましくは、接続部は、支柱本体部から分離した別部材として、支柱本体部に取り付けられ、支柱本体部とロック機構取付部とを接続するリンク部材からなる。このように構成すれば、支柱本体部から分離した別部材としてのリンク部材にロック機構取付部を設けるという単純な構成により、容易に、リンク部材を介してロック機構取付部を接続位置(支柱本体部)へ接続させることができる。また、リンク部材を設ける場合、支柱本体部の形状を従来から大きく変更する必要がないため、従来設計を大きく変更することなく、ロック機構を小型化することができる。
【0013】
上記接続部が支柱本体部から分離または分岐あるいは延長してロック機構取付部まで延びる構成において、好ましくは、接続部は、支柱本体部から分岐して、支柱本体部とロック機構取付部とを接続する分岐部分からなる。このように構成すれば、部品点数を増大させることなく、分岐部分を介してロック機構取付部を接続位置(支柱本体部)に接続させることができる。そのため、装置構成が複雑化することを抑制しながら、ロック機構に作用する外力を軽減してロック機構の小型化を図ることができる。
【0014】
上記接続部が支柱本体部から分離または分岐あるいは延長してロック機構取付部まで延びる構成において、好ましくは、接続部の接続位置が、回動軸と連結軸との間で、かつ、ロック機構取付部よりも連結軸側の連結軸近傍の位置に配置されている。このように構成すれば、連結軸から接続部の接続位置までの距離を小さくすることができるので、ブレースの圧縮変形が発生した場合のロック機構取付部間の距離変化を効果的に抑制することができる。その結果、ブレースが圧縮荷重を受けた場合にロック機構に作用する外力をより効果的に軽減することができる。
【0015】
上記接続部が支柱本体部から分離または分岐あるいは延長してロック機構取付部まで延びる構成において、好ましくは、第1支柱および第2支柱の一方のロック機構取付部は、接続部を介して、支柱本体部の接続位置に接続され、第1支柱および第2支柱の他方のロック機構取付部は、支柱本体部の延びる方向において、連結軸と略一致する位置に接続されている。このように構成すれば、接続部を介して支柱本体部の接続位置に接続される一方のロック機構取付部については、接続位置が上記(a)〜(c)のいずれかを満たすことにより、ブレースの圧縮変形によるロック機構取付部−連結軸間の距離変化を抑制(または防止)することができる。他方のロック機構取付部については、連結軸と略一致する位置に配置することにより、支柱本体部の延びる方向における連結軸からの距離をゼロまたはゼロに近づけることができるので、圧縮変形によるロック機構取付部−連結部間の距離変化を極力抑制することができる。この結果、ブレースが圧縮荷重を受けた場合におけるロック機構取付部間の距離変化(距離Lの変化)を極力抑制することができるので、ロック機構に作用する外力を、より一層効果的に軽減することができる。
【0016】
上記発明による航空機の降着装置において、好ましくは、ロック機構は、第1支柱のロック機構取付部に接続された第1リンクと、第2支柱のロック機構取付部に接続された第2リンクとを含み、ブレースは、第1リンクおよび第2リンクが内部に配置される貫通溝部を有する。このように構成すれば、ロック機構のリンクをブレースの内部に収納するように配置することができるので、ロック機構の小型化を図ることができる。この場合でも、ブレースが圧縮荷重を受けた場合にロック機構に作用する外力を軽減することが可能な本発明によれば、剛性または強度確保のために第1リンクおよび第2リンクを大型にする必要がないので、ブレースおよびロック機構の小型化を図ることができ、その結果、航空機への搭載に際しての寸法上の制約の軽減や、軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、ロック機構の両端がブレースに接続される構成においても、ロック機構を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態による降着装置を示した斜視図である。
図2】ロック機構の周辺部分を示した拡大斜視図である。
図3】ブレースおよびロック機構の構造を説明するための断面図である。
図4】ロック状態におけるロック機構を示した模式図である。
図5】リリース状態におけるロック機構を示した模式図である。
図6】第1実施形態および比較例におけるブレースに圧縮荷重が作用した場合の変位を示した図である。
図7】比較例のブレースおよびロック機構を示した模式図である。
図8】比較例においてブレースの圧縮変形によってロック機構に引張荷重が作用する過程を時系列的に示した模式図(A)〜(C)である。
図9】第2実施形態によるブレースおよびロック機構の構造を説明するための模式図である。
図10】第2実施形態および比較例におけるブレースに圧縮荷重が作用した場合の変位を示した図である。
図11】接続部の接続位置の第1変形例を示した模式図である。
図12】接続部の接続位置の第2変形例を示した模式図である。
図13】接続部の接続位置の第3変形例を示した模式図である。
図14】ロック機構取付部の配置位置の変形例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
まず、図1図6を参照して、本実施形態による航空機の降着装置について説明する。
【0021】
本実施形態による航空機の降着装置100は、主として航空機本体(機体)の下部に取り付けられ、航空機を地上で支持する装置である。降着装置100は、航空機本体の内部に格納可能に構成されている。本実施形態による降着装置100は、航空機の主脚、前脚、尾脚などのいずれに適用されてもよい。本明細書および図面では、航空機本体の構造については省略する。
【0022】
(降着装置の全体構成)
図1に示すように、降着装置100は、脚柱1と、ブレース2と、ロック機構3とを備えている。
【0023】
脚柱1は、車輪11が取り付けられた支持柱である。脚柱1は、円柱形状を有し、一方端部(展開状態における上端)が航空機本体に接続され、他方端部(展開状態における下端)に車輪11が取り付けられている。脚柱1は、脚揚降アクチュエータ4により移動して、航空機本体の内外に格納および展開可能に構成されている。図1の構成例では、脚柱1は、一端において、展開軸12周りに回動可能に取り付けられている。図1は展開状態を示しており、格納時には、脚柱1は、展開軸12周りにC方向に回動して、図示しない航空機本体内部の格納位置に配置される。脚揚降アクチュエータ4は、たとえば油圧式アクチュエータであり、航空機本体からの圧力供給により作動する。脚揚降アクチュエータ4は、電動アクチュエータでもよい。図1では、展開軸12が航空機の前後方向に延びる(C方向が航空機の左右方向を向く)例を示しているが、展開軸12が航空機の左右方向に延びる(C方向が航空機の前後方向を向く)構成であってもよい。
【0024】
脚柱1は、ピストン式の緩衝構造を有する。すなわち、脚柱1は、中空円筒状のシリンダ部13と、シリンダ部13の内側に挿入されたピストン部14とを含み、ピストン部14の移動に伴うシリンダ部13内の容積変化を利用して衝撃が吸収される。
【0025】
車輪11は、脚柱1の他端において、脚柱1の両側に一対(2つ)設けられている。車輪11の数は、航空機本体のサイズ(重量)に応じて様々であり、1輪、4輪、6輪などであってもよい。
【0026】
ブレース2は、脚柱1を支持する折り畳み可能な支持柱である。ブレース2は、降着装置100の展開状態において脚柱1を支持して、脚柱1が格納方向(C方向)に移動するのを阻止する。したがって、ブレース2は、格納位置に向けて脚柱1が移動する側に設けられる。ブレース2は、降着装置100の格納時に、脚柱1の回動に伴い折り畳まれて格納される。
【0027】
ブレース2は、第1支柱21および第2支柱22を含む。第1支柱21および第2支柱22の各々は、一端の端部が互いに連結されるとともに、他端の端部が脚柱1と航空機本体とにそれぞれ接続されている。すなわち、第1支柱21は、第2支柱22と連結される第1支柱連結部21aと、脚柱1に接続される脚柱接続部21bとを含む。第2支柱22は、第1支柱21の第1支柱連結部21aと連結される第2支柱連結部22aと、航空機本体に接続される本体接続部22bとを含む。
【0028】
第1支柱21および第2支柱22の各々は、柱状の支柱本体部24を含んでいる。各支柱本体部24は、直線状に延びるように形成されている。第1支柱21および第2支柱22の各々の支柱本体部24は、連結軸23aを介して互いに回動可能に連結されている。これにより、第1支柱21と第2支柱22とが、第1支柱連結部21aと第2支柱連結部22aとを連結する連結軸23a周りに互いに回動可能に連結されている。第1支柱21および第2支柱22の各々の支柱本体部24は、回動軸23bに回動可能に取り付けられている。つまり、第1支柱21が、脚柱接続部21bにおいて回動軸23bを介して脚柱1に回動可能に接続されており、第2支柱22が、本体接続部22bにおいて回動軸23bを介して航空機本体に回動可能に接続されている。ブレース2は、第1支柱21および第2支柱22が連結軸23a周りに回動することにより、連結軸23a中心で折り畳み可能に構成されている。
【0029】
ロック機構3は、ブレース2の折り畳みを制限する状態と折り畳みを許容する状態とに切り替えるように構成されている。ロック機構3は、降着装置100(脚柱1)の展開状態において、ブレース2の折り畳みを制限するダウンロック機構である。以下、ロック機構3がブレース2の折り畳みを制限する状態を「ロック状態」といい、ロック機構3がブレース2の折り畳みを許容する状態を「リリース状態」という。ロック状態では、ブレース2の第1支柱21および第2支柱22が直線状に並んた状態が維持される。リリース状態では、ロック機構3による制限が解除されることにより、直線上に並んだブレース2を折り畳みながら降着装置100(脚柱1)を格納することができる。
【0030】
第1実施形態では、ロック機構3は、ブレース2の外部に接続されることなく、ブレース2に設けられている。すなわち、ロック機構3は、第1支柱21および第2支柱22の各々のロック機構取付部25に接続されている。具体的には、図2に示すように、ロック機構3の一端が第1支柱21のロック機構取付部25aに接続され、ロック機構3の他端が第2支柱22のロック機構取付部25bに接続されている。
【0031】
ロック機構3は、第1リンク31および第2リンク32を含む。第1リンク31および第2リンク32の各々は、一端が互いに連結されるとともに、他端が第1支柱21および第2支柱22のロック機構取付部25にそれぞれ接続されている。すなわち、第1リンク31は、第1支柱21のロック機構取付部25aに接続され、第2リンク32は、第2支柱22のロック機構取付部25bに接続されている。ブレース2は、第1リンク31および第2リンク32が内部に配置される貫通溝部27を有する。図2の構成例では、ブレース2の第2支柱22(支柱本体部24)が、連結軸23a側において、対向する2つの板部26によって二股に分かれた形状を有しており、2つの板部26が連結軸23aを介して第1支柱21と連結されている。これにより、ブレース2には、2つの板部26の間の領域によって構成される貫通溝部27が設けられている。貫通溝部27内を通過して、第1リンク31の他端がブレース2の一方側(図2の下側)に配置され、第2リンク32の他端がブレース2の他方側(図2の上側)に配置されている。第1リンク31と第2リンク32との連結部分は、貫通溝部27の内部に配置されている。
【0032】
(ロック機構およびブレースの詳細構造)
図3に示すように、第1リンク31は、第1支柱21のロック機構取付部25aに回動可能に接続されている。第2リンク32は、ロック機構取付部25bに回動可能に接続されている。第1リンク31および第2リンク32は、リンク軸33により互いに回動可能に連結されている。
【0033】
第1実施形態および後述する各構成例では、第1支柱21および第2支柱22の少なくとも一方のロック機構取付部25(25aまたは25b)が、接続部28を介して一方の支柱本体部24と接続されている。そして、支柱本体部24に対する接続部28の接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、下記の(a)〜(c)のいずれかとなっている。
(a)回動軸23bと連結軸23aとの間で、かつ、ロック機構取付部25(25aまたは25b)よりも連結軸23a側の位置に配置されている。
(b)連結軸23aと一致する位置に配置されている。
(c)連結軸23aに対して回動軸23bとは反対側の位置に配置されている。
なお、「一方のロック機構取付部25が、接続部28を介して一方の支柱本体部24と接続されている」とは、第1支柱21のロック機構取付部25aであれば、(第2支柱22ではなく)第1支柱21の支柱本体部24と接続され、第2支柱22のロック機構取付部25bであれば、(第1支柱21ではなく)第2支柱22の支柱本体部24と接続されることを意味する。
【0034】
第1実施形態では、第1支柱21および第2支柱22のロック機構取付部25のうち、一方の第2支柱22のロック機構取付部25bが、接続部28を介して第2支柱22の支柱本体部24と接続されている例を示している。また、第1実施形態では、接続部28の接続位置Pが、上記(b)を満たす例を示している。すなわち、支柱本体部24に対する接続部28の接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aと一致する位置に配置されている。より具体的には、第1支柱21および第2支柱22の一方のロック機構取付部25bは、接続部28を介して支柱本体部24の接続位置Pに接続され、第1支柱21および第2支柱22の他方のロック機構取付部25aは、支柱本体部24の延びる方向において、接続部28を介さずに、連結軸23aと略一致する位置に接続されている。
【0035】
詳細には、第1支柱21の支柱本体部24には、長手方向(支柱本体部24の延びる方向)と直交する横方向に突出した取付金具21cが第1支柱連結部21aに一体的に形成されており、取付金具21cに、ロック機構取付部25aが形成されている。取付金具21cにより、支柱本体部24の延びる方向における連結軸23aの位置とロック機構取付部25aの位置とが略一致している。
【0036】
一方のロック機構取付部25bは、第2支柱22に対して長手方向と直交する横方向にずれた位置に配置されている。接続部28は、ロック機構取付部25bと第2支柱22の支柱本体部24との間を接続するように設けられている。
【0037】
接続部28は、接続位置Pにおいて支柱本体部24から分離または分岐あるいは延長して、ロック機構取付部25bまで延びるように構成されている。第1実施形態では、接続部28は、支柱本体部24から分離した別部材として、支柱本体部24に取り付けられ、支柱本体部24とロック機構取付部25bとを接続するリンク部材281(図1参照)からなる。ロック機構取付部25bは、リンク部材281を介して支柱本体部24の接続位置Pに取り付けられている。なお、図2図5では、便宜的にリンク部材281を二点鎖線で示している。
【0038】
リンク部材281は、ロック機構取付部25bが形成された板状部材である。第1実施形態では、ロック機構取付部25bは、リンク部材281により、第2支柱22の支柱本体部24から離間した位置に配置されている。
【0039】
リンク部材281は、第2支柱22の支柱本体部24の長手方向に沿って、連結軸23aからロック機構取付部25bに向けて回動軸23b側へ延びるように形成されている。リンク部材281は、第2支柱連結部22a側の端部で第2支柱22の支柱本体部24に接続されており、本体接続部22b側の端部にロック機構取付部25bが配置されている。リンク部材281は、ロック機構取付部25bにおいて軸部材32aを挿入するための取付穴28a(図6参照)を有し、軸部材32aを介して第2リンク32を回動可能に支持している。
【0040】
第1実施形態では、接続部28の接続位置Pは、支柱本体部24の延びる方向(長手方向)のみならず、長手方向と直交する横方向においても、支柱本体部24の連結軸23aと一致する位置に配置されている。具体的には、図3では、リンク部材281は、第1支柱21と第2支柱22との連結軸23aに取り付けられている。つまり、連結軸23aが、リンク部材281を第2支柱22の支柱本体部24に接続するための接続位置Pとしても機能する。リンク部材281は、連結軸23aを挿入するための取付穴28b(図6参照)を有し、第1支柱21および第2支柱22と共通の連結軸23aに同軸で取付られている。また、第2支柱22の支柱本体部24には、連結軸23aから横方向にずれた位置に設けられた固定部22dが設けられ、リンク部材281は、連結軸23a(接続位置P)と固定部22dとに取り付けられている。固定部22dによって、リンク部材281は、連結軸23a周りに回動不能な状態で第2支柱22に固定されている。このように第2支柱22の第2支柱連結部22aに固定されたリンク部材281のロック機構取付部25bに、ロック機構3の第2リンク32の他端が回動可能に支持されている。
【0041】
ロック機構3は、ストッパ34と、ロックリリースアクチュエータ35と、スプリング36と、をさらに備えている。
【0042】
ストッパ34は、第1リンク31および第2リンク32の移動を規制することにより、ロック機構3のロック状態を維持するように構成されている。ロック状態において、第1リンク31および第2リンク32は、ロック機構取付部25aとロック機構取付部25bとを結ぶ線分Sよりもリンク軸33が一方側(B1方向側)に所定量だけ行き過ぎた状態で、第2リンク32がストッパ34と当接するように構成されている。後述するように、ロック機構3は、線分Sよりもリンク軸33が他方側(B2方向側)に移動することにより、リリース状態に切り替わる。
【0043】
ロックリリースアクチュエータ35は、ロック機構3をロック状態からリリース状態に切り替える機能を有する。ロックリリースアクチュエータ35は、第2リンク32に接続されており、第2リンク32をロック機構取付部25b周りに回動させることができる。これにより、ロックリリースアクチュエータ35は、リンク軸33を線分SよりもB2方向側に移動させることによりリリース状態に切り替える。
【0044】
ロックリリースアクチュエータ35は、油圧アクチュエータまたは電動アクチュエータでもよい。ロックリリースアクチュエータ35は、作動側の一端が、第2リンク32の取付金具32bに接続され、固定側の他端が第2支柱22の本体接続部22b近傍に接続されている。ロックリリースアクチュエータ35は、図3のロック状態から第2リンク32の取付金具32bを引っ張ることにより、第2リンク32をロック機構取付部25b周りにストッパ34と逆側(B2方向)に回動させる。
【0045】
スプリング36は、ロック機構3に付勢力を付与して、ロック状態を維持する機能を有する。スプリング36は、一端が第2リンク32の取付金具32bに接続され、他端側が第2支柱22の第2支柱連結部22a近傍に接続されている。スプリング36は、たとえば引張バネであり、取付金具32bを引っ張ることにより、リンク軸33がストッパ34側(B1方向側)に移動するように第2リンク32を付勢している。なお、ロック状態において、ロックリリースアクチュエータ35は、取付金具32bを押すことにより、スプリング36と同様にリンク軸33がストッパ34側(B1方向側)に移動するように第2リンク32に付勢力を作用させている。スプリング36は、油圧システムの停止時などロックリリースアクチュエータ35が機能しない場合にも付勢力を発生する。
【0046】
(ロック状態とリリース状態との切替)
次に、ロック機構3のロック状態とリリース状態との切替について説明する。
【0047】
図4に示すように、ロック状態では、ロックリリースアクチュエータ35およびスプリング36による取付金具32bへの付勢力により、第2リンク32がロック機構取付部25b周りにストッパ34側(B1方向側)へ回動するように付勢されている。連結軸23aにA1方向の力が作用する場合、ロック機構3のロック機構取付部25aが連結軸23a周りに時計方向に回動しようとするため、第1リンク31および第2リンク32に引張力が作用し、リンク軸33がB2方向に移動する。この場合、ロック機構取付部25aとロック機構取付部25bとを結ぶ線分S上にリンク軸33が到達した時点で、第1リンク31および第2リンク32の向きと引張力の作用方向とが一致して、それ以上リンク軸33がB2方向には移動しなくなるため、ロック状態が維持される。
【0048】
連結軸23aにA2方向の力が作用する場合、ロック機構3のロック機構取付部25aが連結軸23a周りに反時計方向に回動しようとするため、第1リンク31および第2リンク32に圧縮力が作用し、リンク軸33がB1方向に移動しようとする。この場合、ストッパ34との当接によってリンクの移動が制限されることにより、ロック状態が維持される。
【0049】
リリース状態に切り替える場合、図5に示すように、ロックリリースアクチュエータ35が第2リンク32の取付金具32bを引っ張り、スプリング36の付勢力に抗して第2リンク32をロック機構取付部25b周りにB2方向側へ回動させる。リンク軸33が、線分Sを越えてB2方向に移動することにより、ロック機構3がリリース状態に切り替わる。リリース状態では、ロック機構取付部25aが連結軸23a周りに反時計方向に回動する際のリンク軸33の移動方向がB2方向側になるため、連結軸23aをA2方向に移動させてブレース2を折り畳むことが可能となる。したがって、リリース状態で脚揚降アクチュエータ4を作動させて脚柱1をC方向(図1参照)に移動させることにより、ブレース2をA2方向に折り畳みながら、脚柱1を格納することが可能となる。
【0050】
(降着装置のロック解除抑制機能)
次に、第1実施形態の降着装置100における、ブレース2に圧縮荷重が作用した場合のロック解除抑制機能について説明する。まず、ブレース2に圧縮荷重が作用した場合に生じる現象を説明するため、図7に示す比較例の場合について説明する。
【0051】
〈比較例〉
図7の比較例によるロック機構80は、ロック機構取付部25bが、ブレース2に作用する圧縮荷重の作用する位置に接続される場合の構成例を示している。具体的には、比較例では、ロック機構取付部25bが、第2支柱82の支柱本体部84の長手方向中間部において、横方向に突出して形成された取付金具82aに設けられている。この場合、ブレース2に圧縮荷重が作用した場合の圧縮変形によって、ロック機構取付部25bの位置が移動し、ロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の距離Lが変化する。なお、図11に示したように、ロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の距離Lは、ロック機構取付部25a−連結軸23a間の距離L1と、ロック機構取付部25b−連結軸23a間の距離L2との和として定義することができる。図4の第1実施形態では、第1支柱21側のロック機構取付部25aが第1支柱21の延びる方向において連結軸23aと略一致する位置に設けられているため、L1≒0となり、L≒L2となる。図7の比較例でも同様に、第1支柱81側のロック機構取付部25aが第1支柱81の延びる方向において連結軸23aと略一致する位置に設けられているため、L1≒0となり、L≒L2となる(図8(A)参照)。
【0052】
比較例では、図8(A)に示すように、ブレース2に圧縮荷重F1が作用すると、第1支柱81および第2支柱82の各支柱本体部84が長手方向に沿って圧縮変形する。ブレース2の圧縮変形に伴うロック機構取付部25bの変位(2点鎖線部参照)がD1であると仮定すると、ロック機構取付部25間の距離L(L2)が小さくなる。すなわち、図6に示したように、ブレース2に圧縮荷重F1が作用すると、比較例では支柱本体部84の圧縮変形に伴ってロック機構取付部25bの位置が距離D1だけ移動して、距離L(L2)が、距離D1分だけ小さくなる。このとき、図8(A)に示すロック機構80では、ロック機構取付部25bの距離D1分の変位に伴って、ロック機構取付部25aが同じ方向(変位D1の方向)に押されることになる。ロック機構取付部25aが押されることにより、図8(A)の2点鎖線に示すように、第1支柱81が時計方向に回動するように変形し、その結果、支柱本体部84は屈曲する。図8では、説明の便宜のため、変形を誇張して示している。
【0053】
図8(B)に示すように、屈曲した支柱本体部84に作用する圧縮荷重F1は、第1支柱81を連結軸23a周りに時計方向に回動させる方向に働き、屈曲を増加させるように作用する。第1リンク31および第2リンク32がロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の線分Sに沿って直線状になると、第1支柱81が連結軸23a周りにそれ以上回動することができなくなる。このため、ロック機構取付部25aの時計方向への移動に伴って第1リンク31および第2リンク32に引張荷重(外力)F2が作用する。
【0054】
図8(C)に示すように、第1リンク31および第2リンク32に引張荷重F2が作用する状態では、ロック機構取付部25aは移動できないため、圧縮荷重F1がブレースの屈曲を増加させるよう作用し、連結軸23aを下方(E方向)に移動させると、第1リンク31および第2リンク32の引張荷重F2が増大する。この結果、第1リンク31および第2リンク32には、ブレース2に作用する圧縮荷重F1に応じた大きな引張荷重F2が作用することになる。
【0055】
ロック機構80は、ブレース2と異なり荷重を受け持つ支持部材ではないため、過大な引張荷重が作用し、たとえばリンクの変形や破断が発生すればロック状態を維持することができなくなる。このため、比較例において、ブレース2に圧縮荷重F1が作用した場合にもロック状態を維持するためには、ロック機構80の剛性または強度を向上させる必要がある。
【0056】
〈第1実施形態〉
これに対して、第1実施形態の降着装置100では、図6に示したように、ロック機構取付部25bが、リンク部材281を介して第2支柱22の支柱本体部24の接続部28の接続位置P(連結軸23a)に接続されている。したがって、ブレース2に圧縮荷重F1が作用しても、リンク部材281には圧縮荷重は作用せず、リンク部材281には圧縮変形は発生しない。つまり、図6の比較例では、支柱本体部84のうち距離L2の部分に生じた圧縮変形D1によって、ロック機構取付部25bが変位してしまうが、図6の第1実施形態では、支柱本体部24の距離L2の部分に圧縮変形が生じたとしても、ロック機構取付部25bは変位しない。なお、ロック機構取付部25b−連結軸23a間の距離L2は、リンク部材281の長さに略等しい。
【0057】
そのため、第1実施形態では、支柱本体部24の圧縮変形が発生した場合でも、ロック機構取付部間の距離L(=連結軸23a−ロック機構取付部25b間の距離L2)は変化しない。したがって、第1実施形態では、図8(A)に示したようなロック機構取付部25aを移動させて第1支柱21を回動させる作用力が発生しなくなる。これにより、その後の図8(B)および(C)に示した一連の変形が発生することが防止される。第1実施形態の降着装置100では、ブレース2に圧縮荷重が作用した場合にも、第1リンク31および第2リンク32に引張荷重F2が作用することを抑制できるので、ロック状態を維持することが可能である。
【0058】
(第1実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、少なくとも第2支柱22のロック機構取付部25bを、接続部28を介して第2支柱22の支柱本体部24と接続し、支柱本体部24に対する接続部28の接続位置Pを、支柱本体部24の延びる方向において、(b)連結軸23aと一致する位置に配置する。これにより、ブレース2が圧縮変形を生じた場合でも、ロック機構取付部25bから連結軸23aまでの距離L1(またはL2)が変化しないようにすることができる。その結果、ブレース2の圧縮変形に伴う距離L1または距離L2の少なくとも一方の変化を防止することができるので、ロック機構取付部25bを単純に各支柱に配置した場合にロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の距離Lが変化するのと異なり、距離Lが変化しないようにすることができる。これにより、ロック機構3に作用する外力(引張荷重F2)を軽減することができるので、剛性または強度確保のためにロック機構3が大型になるのを抑制することができる。その結果、ロック機構3の両端がブレース2に接続される構成においても、ロック機構3を小型化することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、接続部28を、接続位置Pにおいて支柱本体部24から分離して、ロック機構取付部25bまで延びるように構成する。これにより、ロック機構取付部25bと支柱本体部24を接続する接続部28を、容易に、支柱本体部24の延びる方向において、(b)連結軸23aと一致する接続位置Pに設けることができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、支柱本体部24から分離した別部材として、支柱本体部24に取り付けられ、支柱本体部24とロック機構取付部25bとを接続するリンク部材281により接続部28を構成する。これにより、支柱本体部24から分離した別部材としてのリンク部材281にロック機構取付部25bを設けるという単純な構成により、容易に、接続部28を介してロック機構取付部25bを接続位置P(支柱本体部24)へ接続させることができる。また、リンク部材281を設ける場合、支柱本体部24の形状を従来から大きく変更する必要がないため、従来設計を大きく変更することなく、ロック機構3を小型化することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、第2支柱22のロック機構取付部25bを、接続部28を介して、支柱本体部24の接続位置Pに接続し、第1支柱21のロック機構取付部25aを、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aと略一致する位置に接続する。これにより、一方のロック機構取付部25bについては、(b)連結軸23aと一致する位置に配置する位置に接続位置Pが配置されることにより、ブレース2の圧縮変形によるロック機構取付部25b−連結軸23a間の距離L2の変化をゼロにすることができる。他方のロック機構取付部25aについては、連結軸23aと略一致する位置に接続することにより連結軸23aからの距離L1をゼロまたはゼロに近づけることができるので、圧縮変形によるロック機構取付部25a−連結軸23a間の距離L1の変化を極力抑制することができる。この結果、ブレース2が圧縮荷重を受けた場合におけるロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の距離Lの変化を極力抑制することができるので、ロック機構3に作用する外力を、より一層効果的に軽減することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、ブレース2に、第1リンク31および第2リンク32が内部に配置される貫通溝部27を設ける。これにより、ロック機構3のリンクをブレース2の内部に収納するように配置することができるので、ロック機構3の小型化を図ることができる。この場合でも、ブレース2が圧縮荷重を受けた場合にロック機構3に作用する外力を軽減することが可能な第1実施形態の降着装置100によれば、剛性または強度確保のために第1リンク31および第2リンク32を大型にする必要がないので、ブレース2およびロック機構3の小型化を図ることができ、その結果、航空機への搭載に際しての寸法上の制約の軽減や、軽量化を図ることができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2実施形態による降着装置について説明する。第2実施形態では、第2支柱22の支柱本体部24から分離した別部材であるリンク部材281をブレース2に設けた例を示した上記第1実施形態とは異なり、支柱本体部24から分岐する分岐部分128を支柱本体部24に設ける例について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
【0065】
図9に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様、第2支柱122のロック機構取付部25bは、支柱本体部24に対する接続部28の接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、(b)連結軸23aと一致する位置に配置されている。
【0066】
第1支柱21のロック機構取付部25aは、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aと略一致する位置に接続されている。第2支柱122のロック機構取付部25bは、接続部28を介して支柱本体部24に接続されている。接続部28は、接続位置Pにおいて支柱本体部24から分岐して、ロック機構取付部25bまで延びるように構成されている。
【0067】
第2実施形態では、接続部28は、支柱本体部24から分岐して、支柱本体部24とロック機構取付部25bとを接続する分岐部分128からなる。ロック機構取付部25bは、分岐部分128を介して第2支柱122の支柱本体部24に接続されている。したがって、第2実施形態では、別部材であるリンク部材281が設けられていない。
【0068】
第2実施形態では、分岐部分128の接続位置Pは、支柱本体部24の延びる方向において、支柱本体部24の連結軸23aと一致する位置に配置されている。すなわち、分岐部分128は、支柱本体部24において、連結軸23aが配置された第2支柱連結部22a(接続位置P)から横方向(支柱本体部24の長手方向と直交する方向)に突出するように分岐した後、ロック機構取付部25bに向けて直線状に延びるように形成されている。分岐部分128は、第2支柱122の支柱本体部24の長手方向に沿って延びるように形成されている。分岐部分128は、連結軸23a側の端部で第2支柱122の支柱本体部24に接続され、回動軸23b側の端部にロック機構取付部25bが配置されている。分岐部分128は、ロック機構取付部25bにおいて軸部材を挿入するための取付穴128aを有し、軸部材を介して第2リンク32を回動可能に支持している。ロック機構取付部25b−連結軸23a間の距離L2は、分岐部分128の長さに略等しい。
【0069】
第2実施形態においても、ブレース2に圧縮荷重F1が作用した場合に、上記第1実施形態の降着装置100と同様の効果が得られる。すなわち、図10に示すように、ロック機構取付部25bが、分岐部分128を介して第2支柱122の支柱本体部24の接続位置P(連結軸23a)に接続されているため、ブレース2に圧縮荷重F1が作用しても(支柱本体部24のうち距離L2の部分に圧縮変形が発生しても)、分岐部分128には圧縮変形は発生しない。
【0070】
第2実施形態(図9参照)においても、第1支柱21側のロック機構取付部25aが連結軸23aと略一致する位置に設けられているため、L1≒0となり、L≒L2となる。そのため、支柱本体部24の圧縮変形が発生した場合でも、ロック機構取付部25間の距離L(連結軸23a−ロック機構取付部25b間の距離L2)は変化しない。その結果、図8(A)〜(C)に示した一連の変形が発生することを防止できる。
【0071】
第2実施形態のその他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0072】
(第2実施形態の効果)
【0073】
第2実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、接続部28の接続位置Pを、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aと一致する位置に配置する。これにより、剛性または強度確保のためにロック機構3が大型になるのを抑制することができる。その結果、ロック機構3の両端がブレース2に接続される構成においても、ロック機構3を小型化することができる。
【0074】
また、第2実施形態では、上記のように、接続部28を、接続位置Pにおいて支柱本体部24から分岐して、ロック機構取付部25bまで延びるように構成する。これにより、ロック機構取付部25bと支柱本体部24を接続する接続部28を、容易に、回動軸23bと連結軸23aとの間で、かつ、ロック機構取付部25bよりも連結軸23a側の接続位置Pに配置することができる。
【0075】
また、第2実施形態では、上記のように、支柱本体部24から分岐して、支柱本体部24とロック機構取付部25bとを接続する分岐部分128により接続部28を構成する。これにより、部品点数を増大させることなく、分岐部分128を介してロック機構取付部25bを接続位置Pに接続させることができる。そのため、装置構成が複雑化することを抑制しながら、ロック機構3に作用する外力を軽減してロック機構の小型化を図ることができる。
【0076】
第2実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
【0077】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0078】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、第2支柱22のロック機構取付部25bを、接続部28を介して支柱本体部24に接続し、第1支柱21のロック機構取付部25aを、接続部28を介さずに支柱本体部24に接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1支柱21のロック機構取付部25aを、接続部28を介して支柱本体部24に接続し、第2支柱22のロック機構取付部25bを、接続部28を介さずに支柱本体部24に接続してもよい。上記第1実施形態および第2実施形態における第1支柱21側の構造と第2支柱22側の構造とを、全て逆にしてもよい。また、図11に示すように、両方のロック機構取付部25を、それぞれ接続部28を介して支柱本体部24の接続位置に接続してもよい。
【0079】
図11に示す変形例では、第1支柱21のロック機構取付部25aが、接続部28を介して、接続位置P1で第1支柱21(支柱本体部24)に接続されている。第2支柱22のロック機構取付部25bが、接続部28を介して、接続位置P2で第2支柱22(支柱本体部24)に接続されている。図11では、ロック機構取付部25aが、分岐部分228aを介して、接続位置P1に接続されている。ロック機構取付部25bが、分岐部分228bを介して、接続位置P2に接続されている。図示しないが、分岐部分228aおよび228bに代えて、それぞれ上記第1実施形態に示したリンク部材281を設けてもよい。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、支柱本体部24に対する接続部28の接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、(b)連結軸23aと一致する位置に配置されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。図12に示した変形例のように、接続部28の接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、(a)回動軸23bと連結軸23aとの間で、かつ、ロック機構取付部25bよりも連結軸23a側の位置に配置されている構成であってもよい。図12では、ロック機構取付部25bが、分岐部分228cを介して、回動軸23bと連結軸23aとの間で、かつ、ロック機構取付部25bよりも連結軸23a側の接続位置Pに接続している。この場合、圧縮荷重F1が作用する場合には、連結軸23aと接続位置Pとの間の長さL11の部分の圧縮変形量D11の分だけロック機構取付部25bの位置が変化し、接続位置Pとロック機構取付部25bとの間の長さL12の分岐部分228cは、圧縮変形しない。そのため、連結軸23aとロック機構取付部25bとの間の位置に接続位置Pを配置する場合には、圧縮変形量D11の分だけロック機構取付部間の距離Lが変化することになる。
【0081】
しかし、図12に示した比較例のように、ロック機構取付部25bが支柱本体部84に直接接続している場合には、連結軸23aとロック機構取付部25bとの間の長さL2の部分の圧縮変形量D12の分だけ距離L2が小さくなる。圧縮変形量は、圧縮荷重F1が作用する部分の長さに比例するので、圧縮変形量D11は、圧縮変形量D12より小さくなる。そのため、比較例と比べると、接続位置Pを、連結軸23aとロック機構取付部25bとの間の位置に配置した場合でも、圧縮変形しない長さL12の分だけロック機構取付部25間の距離変化を小さくできるので、ブレース2が圧縮荷重を受けた場合にロック機構3に作用する引張荷重F2を軽減することができる。これにより、ロック機構3に作用する外力(引張荷重F2)を軽減することができるので、剛性または強度確保のためにロック機構3が大型になるのを抑制することができる。その結果、ロック機構3の両端がブレース2に接続される構成においても、ロック機構3を小型化することができる。
【0082】
この場合、より好ましくは、接続部28の接続位置Pが、回動軸23bと連結軸23aとの間で、かつ、ロック機構取付部25bよりも連結軸23a側の連結軸23a近傍の位置に配置されている。たとえば、接続位置Pは、距離L12よりも距離L11が小さくなるように配置される。このように構成すれば、連結軸23aから接続位置Pまでの距離L11を小さくすることができるので、ブレース2の圧縮変形が発生した場合のロック機構取付部25間の距離変化を効果的に抑制することができる。その結果、ブレース2が圧縮荷重を受けた場合にロック機構に作用する外力をより効果的に軽減することができる。なお、分岐部分228cに代えて、リンク部材を設けた場合でも同様である。
【0083】
また、図13の変形例に示すように、接続位置Pが、支柱本体部24の延びる方向において、(c)連結軸23aに対して回動軸23bとは反対側の位置に配置されている構成であってもよい。図13の例では、ロック機構取付部25bが、接続部28を介して、連結軸23aに対して回動軸23bとは反対側の接続位置Pに接続している。図13では、接続部28が、支柱本体部24の連結軸23a側の端部(第2支柱連結部22a)からさらに延長して、ロック機構取付部25bまで延びるように構成されている。この場合でも、ブレース2には、回動軸23bと連結軸23aとの間で圧縮荷重が加わるため、支柱本体部24において、回動軸23b−連結軸23a間を越えて延長した接続位置Pでは、圧縮変形は生じない。そのため、上記第1および第2実施形態と同様に、ブレース2が圧縮変形を生じた場合でも、ロック機構取付部25bから連結軸23aまでの距離L2が変化しないようにすることができる。図13ではロック機構取付部25b(第2支柱22)について示しているが、ロック機構取付部25a(第1支柱21)についても同様である。
【0084】
この観点から、上記第1および第2実施形態のように接続位置Pを支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aと一致する位置に配置する場合や、図13のように、接続位置Pを連結軸23aに対して回動軸23bとは反対側(支柱本体部24を延長した位置)に配置する場合には、支柱本体部24の圧縮変形による距離L2の変動を排除できる点で特に好ましい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態や、上記図11図13の変形例では、ロック機構取付部25bを、支柱本体部24の延びる方向において、第2支柱22の回動軸23bと連結軸23aとの間(第2支柱連結部22aと本体接続部22bとの間)の位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロック機構取付部25bが、支柱本体部24の延びる方向において、回動軸23bと連結軸23aとの間(第2支柱連結部22aと本体接続部22bとの間)以外の位置に配置されてもよい。
【0086】
たとえば、図14の変形例では、接続部328bを介して第2支柱22に接続されるロック機構取付部25bが、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aよりも第1支柱21側に配置されている。また、接続部328aを介して第1支柱21に接続されるロック機構取付部25aが、支柱本体部24の延びる方向において、連結軸23aよりも第2支柱22側に配置されている。このため、ロック機構3の第1リンク31がロック機構取付部25bに接続され、第2リンク32がロック機構取付部25aに接続されており、上記第1および第2実施形態とは逆になっている。
【0087】
図14の変形例においても、図13と同様に、接続部328a(328b)を介した各ロック機構取付部25a(25b)の接続位置Pが連結軸23aに対して回動軸23bとは反対側に配置されているので、ブレース2が圧縮変形を生じた場合でも、ロック機構取付部25a−ロック機構取付部25b間の距離Lが変化しないようにする(L1およびL2が変化しないようにする)ことができる。
【0088】
また、上記第1および第2実施形態では、ロック機構3の第1リンク31および第2リンク32を、ブレース2の貫通溝部27の内部に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示した変形例のように、ブレース2に貫通溝部27を設けることなく、第1リンク31および第2リンク32をブレース2の外側に配置してもよい。この場合でもロック機構3の両端がブレース2に取り付けられており、本発明によりロック機構3の小型化を図ることができる。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態に示したロック機構3の各部(ストッパ34、ロックリリースアクチュエータ35、スプリング36)の配置は、あくまでも一例であり、第1および第2実施形態に示した構成に限られない。たとえば、上記第1および第2実施形態では、ストッパ34が第2リンク32と当接する構成の例を示したが、本発明では、ストッパ34は第1リンク31またはリンク軸33と当接するように配置されていてもよい。また、ストッパ34は、第1リンク31および第2リンク32の各々に突起状に設けられ、図3に示したロック状態で突起同士が互いに当接する(係合する)ことによって、第1リンク31および第2リンク32のB1方向側への移動を規制する構成であってもよい。また、上記第1および第2実施形態では、ロックリリースアクチュエータ35およびスプリング36が、共に第2リンク32に接続される構成の例を示したが、ロックリリースアクチュエータ35およびスプリング36が第1リンク31に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 脚柱
2 ブレース
3 ロック機構
11 車輪
21 第1支柱
22、122 第2支柱
24 支柱本体部
25、25a、25b ロック機構取付部
27 貫通溝部
28、328a、328b 接続部
31 第1リンク
32 第2リンク
100 航空機の降着装置
128、228a、228b、228c 分岐部分
281 リンク部材
F1 圧縮荷重
L ロック機構取付部間の距離
P、P1、P2 接続部の接続位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14