(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の保持部は、前記バッテリユニットを前記第2の保持位置に保持した状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す力によって前記バッテリユニットの保持を解除するように変形可能な変形部を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバッテリホルダ。
前記板ばねは、前記第1の保持部側に設けられる第1のばね端部、および、前記第1のばね端部よりも前記第1の保持部から離れた位置に設けられる第2のばね端部を含み、
前記第1のばね端部は、前記第1の基部に着脱可能に固定される、請求項10に記載のバッテリホルダ。
前記第2の保持部は、前記バッテリユニットが前記第1の保持位置から前記第2の保持位置に移動する過程において前記バッテリユニットと接触可能な摩擦部をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のバッテリホルダ。
前記被保持部は、前記第2の保持部が前記バッテリユニットを前記第2の保持位置に保持した状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す力によって前記第2の保持部による保持が解除されるように前記第2の保持部を変形させることが可能である、請求項19または20に記載のバッテリユニット。
前記ハウジングに設けられ、前記バッテリユニットが前記第1の保持位置から前記第2の保持位置に移動する過程において前記第2の保持部と接触可能な接触部をさらに含む、請求項19〜22のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
前記第2の被保持部は、前記第2の保持部と接触可能な接触位置、および、前記第2の保持部から離間する非接触位置に変位可能に前記ハウジングに設けられる、請求項26に記載のバッテリユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記バッテリコンポーネントでは、キー操作によってバッテリホルダによるバッテリユニットの保持が解除される。バッテリユニットを取り付ける向きによっては、キー操作によってバッテリユニットの保持が解除されたときに、バッテリユニットが自重でバッテリホルダから離反してしまうので、ユーザはバッテリユニットを支えながらキー操作する必要があり、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業を煩わしく感じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕本発明に従うバッテリホルダの一形態は、少なくとも第1の保持位置に配置されたバッテリユニットを保持可能なバッテリホルダであって、前記第1の保持位置に配置された前記バッテリユニットの第1の端部に対向する第1の基部と、前記第1の基部に設けられる第1の保持部および第2の保持部とを含み、前記第1の保持部は、前記バッテリユニットに設けられる被保持部に接触することによって前記バッテリユニットを前記第1の保持位置に保持する第1の位置、および、前記被保持部から離間する第2の位置の間を変位可能であり、前記第2の保持部は、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す方向において、前記第1の保持部よりも下流側に少なくとも一部が配置され、前記第1の保持位置よりも下流側の第2の保持位置に前記バッテリユニットを保持可能である。第1の保持位置に配置されたバッテリユニットがバッテリホルダから取り外される過程において、バッテリユニットは、第2の保持部によって第2の保持位置に保持される。このため、バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に向けて移動するときにバッテリユニットを手で支える必要がなく、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業の煩わしさが低減される。
【0006】
〔2〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第1の保持部を前記第1の位置に保持可能なロック機構をさらに含む。ロック機構によって第1の保持部を第1の位置に保持すると、バッテリユニットをバッテリホルダにロックすることができる。
【0007】
〔3〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記ロック機構は、前記第1の基部内に設けられる。第1の基部内にロック機構を設けると、ロック機構に外部からアクセスし難くなり、防犯性を向上させることができる。
【0008】
〔4〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記ロック機構は、キーシリンダを含む。第1の保持部によるバッテリユニットの保持を解除するためにキー操作が必要であるため、防犯性を向上させることができる。
【0009】
〔5〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第2の保持部は、前記バッテリユニットを前記第2の保持位置に保持した状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す力によって前記バッテリユニットの保持を解除するように変形可能な変形部を含む。第2の保持位置に保持されたバッテリユニットにユーザが力を加えることによって第2の保持部が変形して、バッテリホルダをバッテリユニットから取り外すことができる。この構成によれば、バッテリユニットが第2の保持位置に保持されている状態から、ユーザがバッテリユニットに力を加えることで、バッテリホルダからバッテリユニットを容易に取り外すことができる。
【0010】
〔6〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第2の保持部は、前記被保持部に接触することによって前記バッテリユニットを前記第2の保持位置に保持可能である。第1の保持部と第2の保持部とが同じ被保持部に接触するので、第2の保持部に接触させるために被保持部とは別の要素がバッテリユニットに設けられる場合と比較して、バッテリユニットの構成が簡素化される。
【0011】
〔7〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第2の保持部は、弾性部材を含む。第2の保持部が弾性変形することによって、バッテリユニットが移動する軌道および軌道の外側に、第2の保持部の一部を容易に移動させることができ、第2の保持部の構成が簡素化される。
【0012】
〔8〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記弾性部材は、板ばねを含む。板ばねを用いることによって、バッテリユニットの形状に合わせて第2の保持部を最適な形状に形成しやすい。
【0013】
〔9〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記板ばねは、前記第1の保持部側に設けられる第1のばね端部、および、前記第1のばね端部よりも前記第1の保持部から離れた位置に設けられる第2のばね端部を含み、前記第1のばね端部は、前記第1の基部に着脱可能に固定される。第1のばね端部が第1の基部に着脱可能に固定されるため、板ばねが劣化した場合でも容易に交換できる。またバッテリホルダの使用環境によっては、第2の保持部を第1の基部から取り外して使用することもでき、利便性を向上させることができる。
【0014】
〔10〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第2のばね端部は、前記第1の基部に対して移動可能である。第2のばね端部が第1の基部に対して移動することによって、板ばねの変形量を大きくして、バッテリユニットが移動する軌道および軌道の外側に、板ばねの一部を容易に移動させることができる。
【0015】
〔11〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第1の基部は、前記第1の保持位置に配置された前記バッテリユニットの端面と対向する支持面を含み、前記第1の保持部および前記第2の保持部は、前記支持面から突出している。第1の保持部および第2の保持部の両方が同じ支持面から突出するため、バッテリユニットの被保持部を、バッテリユニットにおいても1つの端面に纏めて設けることができ、バッテリユニットの構造が複雑になることを抑制することができる。
【0016】
〔12〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第2の保持部は、前記バッテリユニットが前記第1の保持位置から前記第2の保持位置に移動する過程において前記バッテリユニットと接触可能な摩擦部をさらに含む。第2の保持部の摩擦部とバッテリユニットとが接触することによって、バッテリユニットが第1の保持位置から取り外す方向に移動する速度が低減されるため、第2の保持部がバッテリユニットを第2の保持位置で安定して受け止めやすくなる。
【0017】
〔13〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第1の保持位置に配置された前記バッテリユニットが前記取り外す方向とは反対の方向に移動することを規制可能な第1の支持部をさらに含む。第1の支持部によって、バッテリユニットが第1の保持位置で安定して保持される。
【0018】
〔14〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第1の保持位置に配置された前記バッテリユニットの前記取り外す方向に沿う側面に対向する第2の支持部をさらに含む。第2の支持部によって、バッテリユニットが第1の保持位置でさらに安定して保持される。
【0019】
〔15〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記バッテリホルダが取り付けられる対象部材に着脱可能な着脱部を含む。着脱部によってバッテリホルダを様々な対象部材に取り付けることができ、また対象部材からバッテリホルダを取り外してメンテナンスを容易に行うことができる。
【0020】
〔16〕前記バッテリホルダの一例によれば、前記第1の基部から間隔をあけて配置される第2の基部と、前記第2の基部に設けられ、前記第1の保持位置に配置された前記バッテリユニットの第2の端部を保持する第3の保持部をさらに含む。第1の保持位置に配置されたバッテリユニットは、第1の保持部および第3の保持部によって保持されるので、第1の保持位置に安定して保持される。
【0021】
〔17〕本発明に従うバッテリユニットの一形態は、少なくとも第1の保持位置に配置された状態でバッテリホルダに保持されるバッテリユニットであって、バッテリセルを収容可能なハウジングと、前記ハウジングのうち、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す方向の下流側の端部から離間した位置に設けられる被保持部とを含み、前記被保持部は、前記第1の保持位置で前記バッテリユニットが保持されるように前記バッテリホルダの第1の保持部に接触可能であり、かつ、前記第1の保持位置から前記取り外す方向に移動した前記バッテリユニットが第2の保持位置で保持されるように前記バッテリホルダの第2の保持部に接触可能である。第1の保持位置に保持されたバッテリユニットがバッテリホルダから取り外される過程において、バッテリユニットが第2の保持位置に保持されるように被保持部が第2の保持部と接触する。このため、バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に向けて移動するときにバッテリユニットを手で支える必要がなく、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業の煩わしさが低減される。また第1の保持部と第2の保持部とが同じ被保持部に接触するので、第2の保持部に接触させるために被保持部とは別の要素がバッテリユニットに設けられる場合と比較して、バッテリユニットの構成が簡素化される。
【0022】
〔18〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記被保持部は、前記第2の保持部が前記バッテリユニットを前記第2の保持位置に保持した状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す力によって前記第2の保持部による保持が解除されるように前記第2の保持部を変形させることが可能である。第2の保持位置に保持されたバッテリユニットにユーザが力を加えることによって、被保持部よって第2の保持部が変形して、バッテリホルダからバッテリユニットが取り外される。この構成によれば、バッテリユニットが第2の保持位置に保持されている状態から、ユーザがバッテリユニットに力を加えることで、バッテリホルダからバッテリユニットを容易に取り外すことができる。
【0023】
〔19〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記被保持部は、金属を含んで構成される。これによって被保持部の耐久性が高められる。
〔20〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記ハウジングに設けられ、前記バッテリユニットが前記第1の保持位置から前記第2の保持位置に移動する過程において前記第2の保持部と接触可能な接触部をさらに含む。バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に移動するときに、バッテリホルダの第2の保持部と接触部とが接触するので、バッテリユニットが取り外す方向に移動する速度を低減させることができ、バッテリユニットを第2の保持部で安定して受け止めさせやすくなる。
【0024】
〔21〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記接触部は、前記取り外す方向における下流側の端部から上流側に向かうに連れて、前記第2の保持部側への突出量が大きくなるように形成されている。接触部の取り外す方向における下流側の端部から上流側に向かうに連れて第2の保持部側への突出量が大きくなるため、バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に移動する過程において、第2の保持部と接触部とが接触する強さが徐々に強められる。このため、バッテリユニットが取り外す方向に移動する速度を徐々に低減させることができ、バッテリユニットを第2の保持部でより安定して受け止めさせやすくなる。
【0025】
〔22〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記被保持部は、前記接触部の少なくとも一部と一体的に形成される。被保持部と接触部の少なくとも一部とを一体的に形成することによって、部品点数を削減することができる。
【0026】
〔23〕本発明に従うバッテリユニットの一形態は、少なくとも第1の保持位置に配置された状態でバッテリホルダに保持されるバッテリユニットであって、バッテリセルを収容可能なハウジングと、前記ハウジングのうち、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す方向の上流側に設けられ、前記第1の保持位置で前記バッテリユニットが保持されるように前記バッテリホルダの第1の保持部に接触可能な第1の被保持部と、前記ハウジングのうち、前記第1の被保持部よりも前記取り外す方向の下流側の位置に設けられ、前記第1の保持位置から前記取り外す方向に移動した前記バッテリユニットが第2の保持位置で保持されるように前記バッテリホルダの第2の保持部に接触可能な第2の被保持部と、を含む。第1の保持位置に保持されたバッテリユニットがバッテリホルダから取り外される過程において、バッテリユニットが第2の保持位置に保持されるように被保持部が第2の保持部と接触する。このため、バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に向けて移動するときにバッテリユニットを手で支える必要がなく、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業の煩わしさが低減される。
【0027】
〔24〕前記バッテリユニットの一例によれば、前記第2の被保持部は、前記第2の保持部と接触可能な接触位置、および、前記第2の保持部から離間する非接触位置に変位可能に前記ハウジングに設けられる。バッテリユニットが第2の保持位置に保持された状態において、第2の被保持部を接触位置から非接触位置に変位させることによって第2の保持部による保持が解除される。このため、第2の保持位置に保持されたバッテリユニットをバッテリホルダから容易に取り外すことができる。
【0028】
〔25〕本発明に従うバッテリコンポーネントの一形態は、上記〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載のバッテリホルダと、上記〔17〕〜〔24〕のいずれかに記載のバッテリユニットとを含む。上記バッテリコンポーネントによれば、上記〔1〕〜〔16〕のバッテリホルダによって得られる効果、および、上記〔17〕〜〔24〕のバッテリユニットによって得られる効果と実質的に同じ効果が得られる。
【発明の効果】
【0029】
上記バッテリホルダ、バッテリユニット、および、これらを含むバッテリコンポーネントによれば、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業の煩わしさが低減される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施形態)
図1に示されるバッテリコンポーネント10は、例えば対象部材Fの収容空間Sに少なくとも一部が収容された状態で使用される。バッテリコンポーネント10を収容空間Sに収容して使用する場合、バッテリコンポーネント10の全体が収容空間Sに配置されることが好ましい。対象部材Fの一例は、自転車である。自転車にバッテリコンポーネント10を設ける場合、バッテリコンポーネント10は、自転車のフレーム、フロントフォーク、ハンドルバー、ステム、シートポスト、リアキャリア、フロントキャリアのいずれかに設けられることが好ましい。自転車のフレームは、トップチューブ、ヘッドチューブ、ダウンチューブF1、シートチューブ、チェーンステイ、および、シートステイのうちの少なくとも1つを含む。本実施形態では、ダウンチューブF1にバッテリコンポーネント10が設けられる場合について説明する。ダウンチューブF1は、自転車が平地に置かれた状態で、フロントフォークからクランク軸に向かって上方から下方に延びている。ダウンチューブF1には、自転車が平地に置かれた状態で下側に開口する開口FAが設けられている。開口FAの大きさは、バッテリコンポーネント10を収容空間Sに挿入可能な大きさである。ダウンチューブF1は、例えば収容空間Sが略直方体となるように形成されている。
【0032】
バッテリコンポーネント10は、バッテリホルダ12およびバッテリユニット60を含む。バッテリホルダ12は、少なくとも第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60を保持可能である。
図1は、バッテリユニット60が第1の保持位置に配置された状態を示す。
【0033】
図2に示すように、バッテリユニット60は、長手方向を有する略直方体に形成される。バッテリユニット60は、第1の保持位置(
図1参照)でバッテリホルダ12に保持されることによって、バッテリホルダ12に電気的に接続されている要素にバッテリホルダ12を介して電力を供給可能に構成されている。バッテリホルダ12に電気的に接続されている要素は、電動コンポーネントを含む。電動コンポーネントは、アシストドライブユニット、電動変速機、電動サスペンション、電動シートポスト、表示装置、サイクルコンピュータ、および、電動操作装置のうちの少なくとも1つを含む。バッテリユニット60は、ハウジング62を含む。ハウジング62は、バッテリセル62A(
図1参照)を収容可能である。ハウジング62は、合成樹脂によって形成される。ハウジング62は、長手方向を有する略直方体に形成される。
【0034】
バッテリホルダ12は、第1のバッテリホルダ20および第2のバッテリホルダ40を含む。第1のバッテリホルダ20および第2のバッテリホルダ40は、互いに間隔をあけて配置され、対象部材Fに個別に取り付けられる。第1のバッテリホルダ20は、バッテリユニット60の第1の端部64Aを保持可能である。第2のバッテリホルダ40は、バッテリユニット60の第2の端部64Bを保持可能である。第1の端部64Aは、第1の保持位置に配置されるバッテリユニット60の第1の方向Xの一端部である。第2の端部64Bは、第1の保持位置に配置されるバッテリユニット60の第1の方向Xの他端部である。第1の方向Xは、バッテリユニット60の長手方向に沿う。バッテリコンポーネント10を自転車に取り付けた状態で、第1の方向Xは、自転車のダウンチューブF1の延びる方向に沿う。対象部材Fにおいて、第1のバッテリホルダ20は第2のバッテリホルダ40よりも上方の配置されるのが好ましいが、第2のバッテリホルダ40が第1のバッテリホルダ20よりも上方に配置されてもよい。
【0035】
バッテリユニット60は、第1の方向Xに沿う側面部67を含む。側面部67は、相互に反対側を向く2つの第1の側面部67Aと、第2の側面部67B(
図4参照)と、第3の側面部67Cとを含む。第1の側面部67Aは、バッテリユニット60のうち、バッテリユニット60をバッテリホルダ12から取り外す方向に沿う側面を含む。取り外す方向は、バッテリユニット60がバッテリホルダ12から取り外されるときに移動する方向に沿う。第1の側面部67Aは、第1の方向Xおよび取り外す方向に直交する第2の方向Y(
図4参照)におけるバッテリユニット60の側面を含む。第2の側面部67Bは、バッテリユニット60のうち、取り外す方向とは反対の方向(以下では「取り付け方向」)の側面を含む。取り付け方向は、バッテリユニット60をバッテリホルダ12に取り付けるときにバッテリユニット60を移動させる方向に沿う。第3の側面部67Cは、バッテリユニット60のうち、取り外す方向の側面を含む。バッテリコンポーネント10を自転車に取り付けた状態で、第2の方向Yは、自転車の進行方向に対して左右となる幅方向に沿う。
【0036】
図3に示すように第1のバッテリホルダ20は、第1の基部22、第1の保持部30、および、第2の保持部32を含む。第1の基部22は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第1の端部64A(
図2参照)に対向する。第1の端部64Aは、バッテリユニット60の第1の端面66A(
図4参照)、および、バッテリユニット60の側面部67A〜67Cのうちの第1の端面66A側の端部を含む。
【0037】
第1の基部22は、本体22Aおよび第1の部分26Aを含む。本体22Aおよび第1の部分26Aは、一体に形成されていてもよく、別体に形成されていてもよい。本体22Aは、1つまたは複数の部品を含んで構成されてもよい。本体22Aは、支持面22Bを含む。支持面22Bは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第1の端面66Aと対向する。第1の部分26Aは、バッテリユニット60の第1の側面部67A(
図4参照)と対向する。第1の部分26Aは、第2の方向Yに間隔をあけて、第2の方向Yにおける本体22Aの両端部にそれぞれ設けられることが好ましい。各第1の部分26Aは、バッテリユニット60の各第1の側面部67Aにそれぞれ対向するように本体22Aから延びる。第1の部分26Aは、取り外す方向において本体22Aの一端部から他端部にわたって設けられる。
【0038】
第1の保持部30は、第1の基部22に設けられる。第1の保持部30は、第1の位置および第2の位置に変位可能である。第1の位置は、第1の保持部30がバッテリユニット60に設けられる被保持部68(
図4参照)に接触することによって、バッテリユニット60を第1の保持位置に保持可能な位置である(
図12参照)。第2の位置は、第1の保持部30が被保持部68から離間する位置である(
図12参照)。第1の保持部30は、第1の位置に配置されているとき、支持面22Bから突出している。第1の保持部30は、第2の位置に配置されているときは、支持面22Bから突出していてもよく、支持面22Bから突出していなくてもよい。第1の保持部30は、第1の位置および第2の位置のいずれかの位置に配置可能に、第1の基部22に対して旋回可能な状態で第1の基部22に支持される。
【0039】
第2の保持部32は、第1の基部22に設けられる。第2の保持部32は、取り外す方向において、第1の保持部30よりも下流側に少なくとも一部が配置され、第1の保持位置よりも下流側の第2の保持位置(
図14参照)にバッテリユニット60を保持可能である。本実施形態では、第1の保持部30よりも取り外す方向の下流側に第2の保持部32の全体が配置される。第2の保持部32は、第1の保持部30から離間している。第2の保持部32は、バッテリユニット60が第1の保持位置に配置されている状態で、第1の保持部30よりもバッテリユニット60の第3の側面部67C(
図2参照)に近い位置に設けられている。第2の保持部32は、バッテリユニット60がバッテリホルダ12に取り付けられた状態において、第1の保持部30よりも対象部材Fの開口FA(
図2参照)に近い位置に設けられている。第2の保持部32は、被保持部68と接触することによってバッテリユニット60を第2の保持位置に保持可能である。
【0040】
第2の保持部32は、支持面22Bから突出している。第2の保持部32は、第1の基部22に着脱可能に設けられている。第2の保持部32は、弾性部材34を含む。弾性部材34は、板ばねを含む。弾性部材34は、支持面22Bから突出するように支持面22Bに取り付けられる。第1のバッテリホルダ20では、第2の保持部32が第1の基部22に着脱可能であるので、ユーザにとって第2の保持部32が不要の場合には、第1のバッテリホルダ20から第2の保持部32を取り外した状態で、第1のバッテリホルダ20を使用することもできる。
【0041】
第2の保持部32は、変形部34Aを含む。第2の保持部32は、摩擦部34Bをさらに含む。変形部34Aおよび摩擦部34Bは、弾性部材34に設けられる。弾性部材34は、第1のばね端部34Cおよび第2のばね端部34Dをさらに含む。変形部34Aは、第2の保持部32がバッテリユニット60を第2の保持位置に保持した状態において、バッテリユニット60を第1のバッテリホルダ20から取り外す力によってバッテリユニット60の保持を解除するように変形可能である。摩擦部34Bは、バッテリユニット60が第1の保持位置から第2の保持位置に移動する過程においてバッテリユニット60と接触する。第1のばね端部34Cと第2のばね端部34Dとの間に、変形部34Aおよび摩擦部34Bが配置される。弾性部材34は、第1のばね端部34Cと第2のばね端部34Dとの間の中間部が、第1のばね端部34Cおよび第2のばね端部34Dよりも支持面22Bから離反するように折れ曲がっており、略L字状に形成されている。摩擦部34Bは、弾性部材34のうち支持面22Bから最も離反した部分に含まれている。弾性部材34は、樹脂製であってもよく、金属製であってもよい。弾性部材34が金属製の場合、弾性部材34は板状の金属を折り曲げて形成されることが好ましい。
【0042】
第1のばね端部34Cは、弾性部材34のうちの第1の保持部30側に設けられる。第2の保持部32は、固定部34Eをさらに含む。第1のばね端部34Cは、固定部34Eによって第1の基部22に着脱可能に固定される。固定部34Eの一例は、ファスナーである。ファスナーは、ボルトを含む。第2のばね端部34Dは、弾性部材34のうちの第1のばね端部34Cよりも第1の保持部30から離れた位置に設けられる。第2のばね端部34Dは、第1の基部22に固定されず、変形部34Aの変形によって第1の基部22に対して移動可能である。第2の保持部32は、第1の基部22に着脱不能に設けられていてもよい。この場合、固定部34Eは省略されてもよく、第1の基部22に第1のばね端部34Cを嵌め込んで、弾性部材34を第1の基部22に固定してもよく、接着または溶着によって第1のばね端部34Cを第1の基部22に固定してもよい。第2のばね端部34Dは、支持面22Bに接触する。第2のばね端部34Dの支持面22Bに接触する端面は、曲面に形成されることが好ましい。弾性部材34が、板状の金属によって形成される場合、第2のばね端部34Dは板状の金属の端部を折り曲げることによって端面を曲面に形成することができる。第2のばね端部34Dは、第1の基部22に着脱可能または着脱不能に固定される構成としてもよい。
【0043】
第1のバッテリホルダ20は、第1の支持部24および第2の支持部26をさらに含む。第1の支持部24および第2の支持部26は、第1の基部22にそれぞれ設けられ、本実施形態ではそれぞれ一対設けられている。第1の支持部24は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60が取り付け方向に移動することを規制可能である。一対の第1の支持部24は、その間にケーブル(図示略)を配置するために間隔をあけて第1の基部22に設けられる。ケーブルは、例えばボーデンケーブルまたは電気ケーブルである。第1の支持部24の取り付け方向の下流側の端部は、対象部材Fに接触するように構成される。
【0044】
第1の支持部24は、第2の部分24Aを含む。第2の部分24Aは、バッテリユニット60の第2の側面部67B(
図4参照)と対向するように本体22Aから延びる。第2の部分24Aは、本体22Aおよび第1の部分26Aの少なくともいずれか一方とは、一体に形成されていてもよく、別体に形成されていてもよい。
【0045】
第1の支持部24は、弾性部材24Bをさらに含む。弾性部材24Bは、第2の部分24Aのうち第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60と対向する第2の面24C(
図5参照)に設けられる。弾性部材24Bは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の側面部67Bに接触するように構成されることが好ましい。弾性部材24Bの一例は、エラストマである。エラストマは、ゴムを含む。弾性部材24Bは、省略してもよい。弾性部材24Bを省略する場合、第2の部分24Aが第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の側面部67Bに接触するように構成されることが好ましい。
【0046】
各第2の支持部26は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の各第1の側面部67Aのそれぞれに対向する。第2の支持部26は、第2の方向Yにおいて第1のバッテリホルダ20に対するバッテリユニット60の移動を規制可能である。第2の支持部26は、第1の部分26Aおよび弾性部材26Bを含む。弾性部材26Bは、第1の部分26Aのうち第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60と対向する第1の面26Cに設けられる。弾性部材26Bは、第1の支持部24に隣接して設けられる。弾性部材26Bの一例は、エラストマである。エラストマは、ゴムを含む。弾性部材24Bと弾性部材26Bとは、一体に形成されている。弾性部材24Bと弾性部材26Bとは別体に形成されていてもよい。弾性部材26Bは、省略してもよい。弾性部材26Bを省略する場合、一対の第1の部分26Aは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の2つの第1の側面部67Aにそれぞれ接触するように構成されることが好ましい。弾性部材26Bは、板ばねによって構成されてもよい。
【0047】
第1のバッテリホルダ20は、第1の規制部28をさらに含む。第1の規制部28は、第1の基部22に設けられ、バッテリユニット60と第1の基部22との第1の方向Xにおける相対的な移動を規制可能である。本実施形態では、第1の規制部28は、第1の部分26Aの第1の面26Cのうちの取り外す方向の下流側に設けられる。第1の規制部28は、一対の第1の部分26Aのそれぞれに設けられることが好ましい。第1の規制部28は、第1の基部22の少なくとも一部と一体的に形成される。第1の規制部28は、第1の基部22とは別体に形成され、第1の基部22にファスナー、接着または溶着によって取り付けられてもよい。第1の規制部28は、第1の凸部28Aを含む。第1の凸部28Aは、バッテリユニット60のうちの第1の側面部67Aに設けられる第1の凹部72A(
図4参照)に挿入可能である。第1の凸部28Aは、取り外す方向に沿って延びる。第1の規制部28は、第2の部分24Aの第2の面24Cに設けられてもよい。第1の規制部28が、第2の部分24Aの第2の面24Cに設けられる場合、第2の面24Cに第1の凸部28Aを設け、バッテリユニット60のうちの第2の側面部67Bに第1の凸部28Aを挿入可能な第1の凹部72Aを設けてもよい。
【0048】
第1のバッテリホルダ20は、着脱部36をさらに含む。着脱部36は、第1のバッテリホルダ20が取り付けられる対象部材F(
図1参照)に着脱可能である。着脱部36は、第1の基部22に設けられる。着脱部36はファスナーを含む。ファスナーはボルトを含む。着脱部36は、第1の基部22のうち取り付け方向の下流側の端部に設けられることが好ましい。着脱部36がボルトを含む場合、第2の方向Yに間隔をあけて設けられる2つのボルトを第1の基部22に設けることが好ましい。着脱部36がボルトを含む場合、第1の基部22のうち取り付け方向の下流側の端部から突出するようにボルトを設けることが好ましい。着脱部36がボルトを含む場合、ボルトを対象部材Fに形成される孔に挿入させ、ナットと第1の基部22とによって対象部材Fを挟み込んで第1のバッテリホルダ20を対象部材Fに固定する。着脱部36は、ナットまたはねじ孔を含んでいてもよい。着脱部36がナットまたはねじ孔を含む場合、ボルトを対象部材Fに形成される孔に挿入させ、ボルトと着脱部36のナットまたはねじ孔とによって対象部材Fを挟み込んで第1のバッテリホルダ20を対象部材Fに固定する。
【0049】
図4に示すようにバッテリユニット60は、被保持部68および接触部70をさらに含む。被保持部68は、ハウジング62の第1の端面66Aのうちの取り外す方向の下流側の端部66Cから離間した位置に設けられる。被保持部68は、第1の端面66Aのうちの第2の側面部67Bに隣接する端部に設けられることが好ましい。被保持部68を、第1の端面66Aのうちの第2の側面部67Bに隣接する端部に設けることによって、バッテリユニット60が第2の保持位置で保持されているときに、バッテリユニット60がFの開口FAから突出する量をできるだけ大きくすることができる。この構成では、第2の保持位置で保持されたバッテリユニット60が手で保持されやすいため、バッテリユニット60の取り外し作業が容易になる。
【0050】
被保持部68は、バッテリユニット60が第1の保持位置(
図1参照)に配置されているときに、第1の保持部30(
図3参照)と対向するようにハウジング62に設けられる。被保持部68は、バッテリユニット60の第2の方向Yにおける両端部を除く中間部に設けられている。被保持部68は、金属を含んで構成される。被保持部68は、第1の方向Xにおいてハウジング62から外方に突出する突起68Aを含む。被保持部68は、突起68Aの表面に設けられる金属板68Bを含む。金属板68Bは、突起68Aの表面を覆うように形成されている。突起68Aは、ハウジング62と一体に形成されている。被保持部68は、突起68Aを省略して、金属板68Bのみによって形成されてもよい。
【0051】
ハウジング62には、金属板68Bを取り付ける取り付け機構69が設けられる。取り付け機構69は、ハウジング62の第1の端面66Aに形成される係合溝69Aと、ねじ孔69Bとを含む(
図12参照)。係合溝69Aは、取り付け方向の下流側に開口している。ねじ孔69Bは、ハウジング62の第1の端面66Aに開口している。金属板68Bの取り付け方向の下流側の第1の端部68Cは、折れ曲がって係合溝69Aに係合する。金属板68Bには、突起68Aの取り外す方向の下流側に、第1の方向Xに貫通する孔68Dが形成されている。金属板68Bは、第1の端部68Cを係合溝69Aに係合した状態で、ボルト69Cを孔68Dに貫通させてハウジング62のねじ孔69Bに取り付けることによって、ハウジング62の第1の端面66Aに着脱可能に固定される。金属板68Bは、ハウジング62の第1の端面66Aに着脱不能に固定されてもよい。被保持部68の突起68Aは、金属によって形成されていてもよい。この場合、突起68Aと金属板68Bとを一体に形成してもよく、金属板68Bを省略してもよい。被保持部68は、金属板68Bが省略され、金属を含まない構成としてもよい。
【0052】
被保持部68は、第1の保持位置でバッテリユニット60が保持されるように第1の保持部30に接触可能である。被保持部68が第1の保持部30に接触することによって、バッテリユニット60が第1の保持位置で保持される。バッテリユニット60が第1の保持位置に配置され、第1の保持部30が第1の位置に配置されているとき、第1の保持部30が被保持部68に接触して、第1の保持位置でバッテリユニット60が保持される。被保持部68は、第1の保持位置から取り外す方向に移動したバッテリユニット60が第2の保持位置(
図14参照)で保持されるように第2の保持部32(
図3参照)に接触可能である。被保持部68は、第2の保持部32がバッテリユニット60を第2の保持位置に保持した状態において、バッテリユニット60を第1のバッテリホルダ20から取り外す力によって第2の保持部32による保持が解除されるように第2の保持部32を変形させることが可能である。
【0053】
接触部70は、ハウジング62の第1の端面66Aのうちの被保持部68よりも取り外す方向の下流側に設けられる。接触部70は、取り外す方向において被保持部68よりも第3の側面部67C(
図2参照)に近い位置に配置されている。接触部70は、バッテリユニット60の第2の方向Yにおける両端部を除く中間部に設けられている。接触部70は、被保持部68の少なくとも一部と一体的に形成されることが好ましい。接触部70は、金属製である。接触部70は、金属板を含む。接触部70は、被保持部68の金属板68Bと一体に形成される。接触部70は、取り外す方向における下流側の端部から上流側に向かうに連れて、第2の保持部32側への突出量が大きくなるように形成されている。接触部70における第2の保持部32側への突出量は、第1の方向Xの突出量である。
【0054】
接触部70は、傾斜部70Aと、退避部70Bとを含む。傾斜部70Aは、例えば取り外す方向における下流側の端部から上流側に向かうに連れて、第1の方向Xの突出量が大きくなるように形成される。取り外す方向における接触部70の下流側の端部は、ハウジング62に接触し、好ましくは、取り外す方向への移動が規制されるようにハウジング62に係合する。退避部70Bは、取り外す方向における傾斜部70Aの上流側の端部に連なり、ハウジング62の第2の端部64B側に延びている。退避部70Bは、取り外す方向において被保持部68の下流側の端部に繋がっている。接触部70を構成する金属板は、板ばねであってもよい。接触部70と被保持部68とは、接触部70が最も突出する部分と、被保持部68が最も突出する部分との、第1の方向Xにおける位置がほぼ等しいか、または接触部70が最も突出する部分のほうが、被保持部68が最も突出する部分よりも、支持面22Bに近くなるように形成されることが好ましい。接触部70は、合成樹脂によって形成されてもよい。この場合、接触部70は、ハウジング62と一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。一体に形成される接触部70と金属板68Bとを、ハウジング62とは異なる材料で一体に形成される合成樹脂板に置き換えてもよい。接触部70は、バッテリユニット60が第1の保持位置から第2の保持位置に移動する過程において、第2の保持部32の摩擦部34B(
図3参照)と接触する。
【0055】
バッテリユニット60は、第3の規制部72をさらに含む。第3の規制部72は、ハウジング62の第1の端部64Aに設けられ、バッテリユニット60と第1のバッテリホルダ20との第1の方向Xにおける相対的な移動を規制可能である。第3の規制部72は、取り外す方向において、第1の規制部28に対応する位置に設けられる。バッテリユニット60が第1の保持位置に配置されているとき、第3の規制部72は、第1の規制部28に対向する。本実施形態では、第3の規制部72は、バッテリユニット60の第1の端部64Aのうちの取り外す方向の下流側の端部に設けられる。第1の規制部28が、第2の部分24Aの第2の面24Cに設けられる場合、第3の規制部72は、バッテリユニット60の第1の端部64Aのうちの取り付け方向の下流側の端部に設けられる。第3の規制部72は、第1の凹部72Aを含む。第1の凹部72Aは、第1の規制部28の第1の凸部28A(
図3参照)を挿入可能である。本実施形態では、第1の凹部72Aは、第1の側面部67Aにそれぞれ設けられている。第1の凹部72Aは、取り外す方向に沿って延びる。
【0056】
図5に示すように、バッテリユニット60を第1のバッテリホルダ20に取り付ける過程において、第1の凹部72Aに第1の凸部28Aが挿入されるようにバッテリユニット60を第1のバッテリホルダ20に対して取り付け方向に移動させる。
図6に示されるとおり、第1の凸部28Aと第1の凹部72Aとが適切に嵌め合わせられることによって、バッテリユニット60と第1のバッテリホルダ20との第1の方向Xにおける相対的な移動が規制される。例えば、バッテリコンポーネント10に外部から衝撃が加わり、バッテリユニット60と第1のバッテリホルダ20とが第1の方向Xに離反するような力が与えられたとしても、第1の規制部28および第3の規制部72によってバッテリユニット60と第1のバッテリホルダ20の相対位置が保持されるので、第1のバッテリホルダ20は、バッテリユニット60を安定して保持することができる。
【0057】
第1のバッテリホルダ20は、ロック機構38をさらに含む。ロック機構38は、第1の保持部30(
図3参照)を第1の位置に保持可能である。ロック機構38は、第1の基部22内に設けられる。ロック機構38は、キーシリンダ38Aを含む。キーシリンダ38Aは、キー操作によって第1の保持部30が第1の位置および第2の位置のいずれかに配置されるように第1の保持部30に結合される。第1の保持部30は、第1の位置に付勢部材によって付勢されていることが好ましい。この場合、キー操作によって、第1の保持部30を第1の位置から第2の位置に変位させる。第1の保持部30が第1の位置に配置されているときにキーシリンダ38Aに挿入したキーを回転させると、第1の保持部30が第1の位置から第2の位置に移動する構成としてもよい。また第1の保持部30が第1の位置に配置されているときにキーシリンダ38Aに挿入したキーを回転させた状態で、キーを押す操作を行うことによって、第1の保持部30が第1の位置から第2の位置に移動する構成としてもよい。また第1の保持部30が第2の位置に配置されているときにキーシリンダ38Aに挿入したキーを回転させると、第1の保持部30が第2の位置から第1の位置に移動する構成としてもよい。
【0058】
図7に示すように第2のバッテリホルダ40は、第2の基部42および第3の保持部48を含む。第3の保持部48は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の端部64Bを保持可能である。第3の保持部48は、一対のリブ48Aを含む。第2のバッテリホルダ40は、第3の支持部44、第2の規制部46、および、プラグ50をさらに含むことが好ましい。
【0059】
第2の基部42は、第1の方向Xにおいて第1の基部22から間隔をあけて配置され、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第1の方向Xの第2の端部64Bを保持可能である(
図2参照)。第2の基部42は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の端部64Bに対向する。第2の端部64Bは、バッテリユニット60の第1の方向Xの第2の端面66B(
図8参照)、および、バッテリユニット60の側面部67A〜67Cのうちの第2の端面66B側の端部を含む。
【0060】
第3の支持部44は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の側面部67B(
図2参照)と対向するように第2の基部42から延びる。第3の支持部44は、第2の基部42に一対設けられる。一対の第3の支持部44は、その間にケーブルを配置するために間隔をあけて第2の基部42に設けられる。第3の支持部44の取り付け方向の下流側の端部は、対象部材Fに接触するように構成される。第3の支持部44は、第2の基部42と一体的に形成されていてもよく、別体で形成されていてもよい。第3の支持部44は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60が取り付け方向に移動することを規制する構成であってもよい。この場合、第3の支持部44は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の側面部67Bに接触する。第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の側面部67Bと、第3の支持部44との間に弾性部材24Bと同様な弾性部材を設けてもよい。
【0061】
一対のリブ48Aは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第1の側面部67A(
図8参照)を挟み込むように第2の基部42に設けられる。一対のリブ48Aは、第2の方向Yにおいて第2の基部42の両端部に設けられることが好ましい。第1の方向Xおよび第2の方向Yに垂直な方向において、第2の基部42の中央部に設けられることが好ましい。リブ48Aは、バッテリユニット60の第1の側面部67Aに沿って延びる。リブ48Aの先端部48Bは、第2の方向Yから見て、第1の方向Xに突き出るように円弧状に湾曲した形状を有する。リブ48Aは、バッテリユニット60の第1の側面部67Aに設けられる第5の凹部76(
図8参照)に挿入可能である。一対のリブ48Aは、第5の凹部76に挿入された状態において、第5の凹部76から第2の方向Yに突出しないように形成されることが好ましい。
【0062】
第2の規制部46は、第2の基部42に設けられ、バッテリユニット60と第2の基部42との第1の方向Xにおける相対的な移動を規制可能である。第2の規制部46は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の端部64Bに対向する。第2の規制部46は、第2の基部42のうちの取り外す方向の下流側の端部で、第2の方向Yの両端部を除く中間部に設けられている。第2の規制部46は、規制基部46Aおよび第3の凸部46Bを含む。規制基部46Aは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第3の側面部67C(
図8参照)と対向するように第2の基部42から延びる。
【0063】
第3の凸部46Bは、規制基部46Aの先端に設けられる。第3の凸部46Bは、バッテリユニット60のうちの第3の側面部67Cに設けられる第3の凹部74A(
図8参照)に挿入可能である。第3の凸部46Bは、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60がバッテリホルダ12(
図2参照)から取り外されるときに、バッテリユニット60が旋回するための旋回支点を構成する。第3の凸部46Bは、バッテリユニット60をバッテリホルダ12に取り付けるときにも旋回支点を構成する。第3の凸部46Bの先端部46Cは、丸みを帯びた形状を有する。第3の凸部46Bの先端部46Cは、第2の方向Yから見て、取り付け方向に突き出るように円弧状に湾曲した形状を有する。
【0064】
第2の規制部46は、第3の保持部48とともに、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の端部64Bを保持可能に構成されてもよい。また第2の規制部46を、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60の第2の端部64Bを保持可能に構成して、第3の保持部48を省略してもよい。
【0065】
プラグ50は、第2の基部42に設けられ、バッテリユニット60と電気的に接続可能である。プラグ50は、第2の基部42のうちのバッテリユニット60の第2の端面66Bと対向する支持面42Aから突出して設けられることが好ましい。プラグ50は、バッテリユニット60が第1の保持位置に配置されている状態で、バッテリユニット60の第2の端面66Bに設けられるプラグ穴78(
図8参照)に接続されるように構成される。第2の基部42の内部には、プラグ50と電気的に接続される電子部品(図示略)が設けられてもよい。電子部品は、回路基板および電気配線などを含む。プラグ50の周囲にはプラグ保護部50Aが形成されていてもよい。プラグ保護部50Aは、第2の基部42の支持面42Aから突出、または、第2の基部42の支持面42Aから凹むように構成されている。プラグ保護部50Aは、支持面42Aのうちのプラグ50の全周にわたって形成されることが好ましい。第2の基部42にプラグ保護部50Aが設けられる場合、バッテリユニット60の第2の端面66Bには、プラグ穴78の周囲に、プラグ穴保護部78Aが形成される。プラグ穴保護部78Aは、バッテリユニット60が第1の保持位置に配置されている状態で、プラグ保護部50Aに嵌るように構成される。プラグ保護部50Aおよびプラグ穴保護部78Aが設けられる場合、バッテリコンポーネント10に外部から衝撃が加わったときに、プラグ50の端子に負荷が与えられることを抑制することができ、電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0066】
第2のバッテリホルダ40は、着脱部52をさらに含む。着脱部52は、第2のバッテリホルダ40が取り付けられる対象部材F(
図1参照)に着脱可能である。着脱部52はファスナーを含む。ファスナーはボルトを含む。着脱部52は、第2の基部42のうち取り付け方向の下流側の端部に設けられることが好ましい。着脱部52がボルトを含む場合、第2の方向Yに間隔をあけて設けられる2つのボルトを第2の基部42に設けることが好ましい。着脱部52がボルトを含む場合、第2の基部42のうち取り付け方向の下流側の端部から突出するようにボルトを設けることが好ましい。着脱部52がボルトを含む場合、ボルトを対象部材Fに形成される孔に挿入させ、ナットと第2の基部42とによって対象部材Fを挟み込んで第2のバッテリホルダ40を対象部材Fに固定する。着脱部52は、ナットまたはねじ孔を含んでいてもよい。着脱部52がナットまたはねじ孔を含む場合、ボルトを対象部材Fに形成される孔に挿入させ、ボルトと着脱部52のナットまたはねじ孔とによって対象部材Fを挟み込んで第2のバッテリホルダ40を対象部材Fに固定する。
【0067】
図8に示すようにバッテリユニット60は、第4の規制部74、第5の凹部76、および、プラグ穴78をさらに含むことが好ましい。第4の規制部74は、ハウジング62の第3の側面部67Cに設けられ、バッテリユニット60と第2のバッテリホルダ40との第1の方向Xにおける相対的な移動を規制する。第4の規制部74は、バッテリユニット60の第2の端部64Bに設けられる。第4の規制部74は、第3の凹部74Aを含む。第3の凹部74Aは、第2の規制部46の第3の凸部46B(
図7参照)を挿入可能である。第3の凹部74Aは、ハウジング62の第2の方向Yの両端部を除く中間部分に設けられる。第3の凹部74Aの第2の方向Yの寸法は、第3の凸部46Bの第2の方向Yの寸法よりもわずかに大きい。第3の凹部74Aの外表面は、第3の凸部46Bの外表面に沿う形状とすることが好ましい。
【0068】
第5の凹部76は、バッテリユニット60の第2の端部64Bに設けられる。第5の凹部76は、ハウジング62に一対設けられている。一対の第5の凹部76は、ハウジング62の第1の側面部67Aにそれぞれ設けられる。第5の凹部76は、ハウジング62の第2の端面66B側にも開口する。第5の凹部76は、バッテリユニット60の挿入方向における中央部に設けられる。第5の凹部76の空間の形状は、リブ48Aの形状と略相似形である。プラグ穴78は、ハウジング62の第2の端面66Bに設けられ、プラグ50を挿入可能である。プラグ穴78は、第3の側面部67C寄りに形成されることが好ましい。
【0069】
図9〜
図11を参照して、バッテリユニット60のバッテリホルダ12への取付手順について説明する。ここでは、第1の保持部30が付勢部材によって第1の位置に付勢されており、バッテリユニット60のバッテリホルダ12への取り付けにキーを用いる必要がない場合について説明する。第1の取付手順では、
図9に示すようにバッテリユニット60の第3の凹部74Aを第2のバッテリホルダ40の第3の凸部46Bに引っ掛ける。
【0070】
第2の取付手順では、バッテリユニット60がバッテリホルダ12に対して取り付け方向に移動するように、第3の凸部46Bを旋回支点としてバッテリユニット60を旋回させる。これによって、
図10に示すように、第2のバッテリホルダ40のリブ48Aがバッテリユニット60の第5の凹部76に挿入される。
【0071】
バッテリユニット60を取り付け方向にさらに旋回させると、
図11に示すように、第2のバッテリホルダ40のプラグ50がバッテリユニット60のプラグ穴78(
図8参照)に挿入され、バッテリユニット60の第1の凹部72Aに第1のバッテリホルダ20の第1の凸部28Aが挿入される(
図5参照)。
【0072】
バッテリユニット60を第1の保持位置に向けて旋回させる間に、第2の保持部32が被保持部68に接触するが、第2の保持部32が被保持部68に接触した状態でバッテリユニット60を取り付け方向にさらに旋回させると、第2の保持部32が変形して被保持部68が第2の保持部32を乗り越える。さらにバッテリユニット60を取り付け方向に旋回させると、付勢部材に付勢されて第1の位置に配置されている第1の保持部30を、被保持部68が第2の位置に向かって押し、被保持部68が第1の保持部30の先端部30Aを乗り越える。被保持部68が第1の保持部30の先端部30Aを乗り越えると、第1の保持部30が付勢部材に付勢されて第1の位置に戻ることによって、第1の保持部30の先端部30Aが被保持部68に取り付け方向の下流側から接触する。この手順によって、バッテリユニット60がバッテリホルダ12に取り付けられる。
【0073】
バッテリユニット60のバッテリホルダ12への取り付けにキーを用いる必要がある場合では、キーシリンダ38Aに挿入したキーを回転させて、第1の保持部30を第1の位置から第2の位置に移動させた状態で、上記と同様な手順を行なう。バッテリユニット60を第1の保持位置に配置すると、この状態で、キーシリンダ38Aに挿入したキーを回転させて、第1の保持部30を第2の位置から第1の位置に移動させる。
【0074】
図12〜
図14を参照して、バッテリホルダ12からバッテリユニット60を取り外す取外手順について説明する。第1の取外手順では、
図12に示すようにキー操作によって第1の保持部30を第1の位置から第2の位置に変位させ、第1の保持部30を被保持部68から離間させる。これによって、第1の保持部30による保持が解除され、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60がバッテリホルダ12に対して取り外す方向に移動し始める。
図12の二点鎖線は、第2の位置に配置された第1の保持部30を示す。対象部材Fの開口FA(
図1参照)が下を向いている場合には、バッテリユニット60は自重によって第3の凸部46Bを旋回支点として旋回する。
【0075】
バッテリユニット60が第1の保持位置から第2の保持位置に移動する過程において、
図13に示すように第2の保持部32の摩擦部34Bとバッテリユニット60の接触部70とが接触する。バッテリユニット60は自重によって第3の凸部46Bを旋回支点として旋回する場合、摩擦部34Bと接触部70との接触によって、バッテリユニット60の移動速度は低減するが、バッテリユニット60の移動自体は妨げられないように摩擦部34Bと接触部70とを構成することが好ましい。
【0076】
取り外す方向に接触部70が摩擦部34Bを乗り越えた後、
図14に示すように弾性部材34が被保持部68と接触することによって、バッテリユニット60が第2の保持位置に保持される。第2の取外手順では、バッテリユニット60を把持して、バッテリユニット60に取り外す方向の力を加える。これによって、被保持部68が弾性部材34の変形部34Aを変形させ、取り外す方向に被保持部68が弾性部材34を乗り越え、バッテリユニット60が第1のバッテリホルダ20から取り外される。第3の取外手順では、バッテリユニット60の第3の凹部74Aが第2のバッテリホルダ40の第3の凸部46Bから取り外される。この手順によって、バッテリユニット60がバッテリホルダ12から取り外される。
【0077】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のバッテリコンポーネント110は、以下に説明する点において第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と相違し、その他の点において第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と実質的に同じ構成を備える。なお、第2の実施形態のバッテリコンポーネント110の説明は、第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0078】
第2の実施形態のバッテリコンポーネント110は、バッテリホルダ112およびバッテリユニット160を含む(
図16参照)。バッテリホルダ112は、第1のバッテリホルダ120および第2のバッテリホルダ40を含む。
【0079】
図15に示されるとおり、第2の実施形態のバッテリユニット160は、第1の被保持部80および第2の被保持部82を含む。第1の被保持部80は、第1の実施形態の被保持部68(
図4参照)と実質的に同じ構成を有するため、その説明を省略する。第2の被保持部82は、ハウジング62の第1の端面66Aのうちの第1の被保持部80よりも取り外す方向の下流側の位置に設けられる。第2の被保持部82は、第1の保持位置に配置されたバッテリユニット60が取り外す方向に移動したときに、第2の保持位置(
図16参照)でバッテリユニット60が保持されるように第1のバッテリホルダ120の第2の保持部84(
図16参照)に接触可能である。バッテリユニット160は、接触部70(
図4参照)が省略されている。
【0080】
図16に示されるとおり、第1のバッテリホルダ120は、第2の保持部32(
図3参照)に代えて第2の保持部84を含む。第2の保持部84は、第1の基部22に設けられ、第1の保持部30よりも取り外す方向の下流側に少なくとも一部が配置される。本実施形態では、第1の保持部30よりも取り外す方向の下流側に第2の保持部84の全体が配置される。第2の保持部84は、第1の基部22の支持面22Bのうちの取り外す方向の下流側の端部22Cに設けられる。第2の保持部84は、第2の被保持部82と接触することによってバッテリユニット60を第2の保持位置に保持する。第2の保持部84は、第1の基部22に一体に形成されていてもよく、別体に形成されていてもよい。第2の保持部84は、第1の基部22の支持面22Bから第1の保持位置に配置されるバッテリユニット160に向かって突出する。
【0081】
第2の被保持部82は、接触位置および非接触位置に変位可能にハウジング62に設けられる。接触位置は、第2の保持部84と接触可能な位置である。非接触位置は、第2の保持部84から離間した位置である。第2の被保持部82は、ハウジング62に対して第1の方向Xに移動することによって接触位置および非接触位置のいずれかに配置される。なお、
図16の二点鎖線は、第1の位置に配置された第1の保持部30、および、非接触位置に配置される第2の被保持部82を示す。
【0082】
第2の被保持部82は、フック82Aおよび支持部82Bを含む。フック82Aは、支持部82Bと一体的に形成される。フック82Aは、バッテリユニット60に設けられた弾性部材(図示略)によって支持部82Bが押されることによって接触位置に配置される。弾性部材は、ハウジング62と支持部82Bとの間に設けられる。弾性部材の一例は、ばねである。フック82Aは、支持部82Bが第1の方向Xにハウジング62に向けて押されることによって非接触位置に配置される。
【0083】
バッテリユニット60がバッテリホルダ112から取り外される過程において、第2の被保持部82を接触位置に配置した状態で、バッテリホルダ112が第1の保持位置から取り外す方向に移動すると、第2の保持部84と第2の被保持部82のフック82Aとが接触し、バッテリユニット60が第2の保持位置に保持される。
図16に示される例では、バッテリユニット60が第2の保持位置に配置されているときに、支持部82Bの一部が外部に露出する。支持部82Bの露出した部分を第1の方向Xにハウジング62に向けて押されることによって、フック82Aが接触位置から非接触位置に移動して、第2の保持部84による保持が解除され、バッテリユニット160がバッテリホルダ112から取り外される。
【0084】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のバッテリコンポーネント210は、以下に説明する点において第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と相違し、その他の点において第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と実質的に同じ構成を備える。なお、第3の実施形態のバッテリコンポーネント210の説明は、第1の実施形態のバッテリコンポーネント10と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0085】
第3の実施形態のバッテリコンポーネント210は、バッテリホルダ212およびバッテリユニット260を含む(
図18参照)。バッテリホルダ212は、第1のバッテリホルダ220および第2のバッテリホルダ40を含む。
【0086】
図17に示されるとおり、第3の実施形態のバッテリユニット260は、被保持部90を含む。被保持部90は、第1の実施形態の被保持部68(
図4参照)と実質的に同じ構成を有するため、その説明を省略する。ハウジング62のうちの第1の側面部67Aのそれぞれには、段差部92が設けられる。バッテリユニット260は、接触部70(
図4参照)が省略されている。
【0087】
段差部92は、第1の側面部67Aのうちの第3の側面部67Cの縁から第2の側面部67Bの縁にかけて設けられ、第2の側面部67B側の部分が第1の端面66A側に向けて湾曲して延びている。段差部92は、段差部92の第1の端面66A側の部分が、第2の端面66B側の部分よりも第2の方向Yの寸法が小さくなるように形成されている。
【0088】
図18に示すように、第1のバッテリホルダ220は、第2の保持部32(
図3参照)に代えて第2の保持部94を含む。第2の保持部94は、第2の方向Yに延びる棒状の部材である。第2の保持部94は、第1の基部22に設けられ、第1の保持部30よりも取り外す方向の下流側に少なくとも一部が配置される。第2の保持部94は、一対の第1のアーム94Aおよび第2のアーム94Bを含む。第2のアーム94Bは、第2の方向Yの両端部が一対の第1のアーム94Aの端部に支持されている。本実施形態では、第1の保持部30よりも取り外す方向の下流側に第1のアーム94Aの一部および第2のアーム94Bの全体が配置される。第2のアーム94Bは、第1のアーム94Aと一体的に形成されてもよい。
【0089】
一対の第1のアーム94Aは、第1の基部22または第1の支持部24に取り付けられる。第1のアーム94Aは、旋回支持部94Cを含む。旋回支持部94Cは、第1の基部22または第1の支持部24に、第2の方向Yに平行な軸線まわりに旋回可能に設けられる。第1のアーム94Aは、例えば段差部92の段差に沿う形状を有している。第1のアーム94Aは、バッテリユニット260が第1の保持位置(
図18参照)から取り外す方向に移動するとき、段差部92の段差面92Aに押されて、第2のアーム94Bが第1の基部22に近づく方向に旋回する。第1の保持位置に配置されたバッテリユニット260が取り外す方向に移動したとき、バッテリユニット260の第3の側面部67Cと第2のアーム94Bとが接触し、第2のアーム94Bが第3の側面部67Cを支持することによって、バッテリユニット260が第2の保持位置(
図19参照)に保持される。バッテリユニット260が第1の保持部30によって第1の保持位置に保持されるとき、第1のアーム94Aと段差部92の段差面92Aとが接触するように第2の保持部94が配置される。
【0090】
図18〜
図20を参照して、バッテリホルダ12からバッテリユニット60を取り外す取外手順の一例について説明する。第1の取外手順のうち第1の保持部30と被保持部90との係合状態を解除する手順は、第1の実施形態で記載した手順と実質的に同じであるため、その説明を省略する。
図18の二点鎖線は、第1の位置に配置された第1の保持部30を示す。
【0091】
図19に示すように、バッテリユニット60が第1の保持位置から取り外す方向に移動することによって段差部92が第1のアーム94Aを押し、第1のアーム94Aが旋回支持部94Cまわりに旋回し始める。第1のアーム94Aが所定の位置まで旋回するとバッテリユニット60が第2のアーム94Bに接触して、バッテリユニット60が第2のアーム94Bによって第2の保持位置で保持される。
【0092】
第2の取外手順では、バッテリユニット60を把持しながら、第2の保持部94を把持して第1のアーム94Aをさらに旋回させて、第2の保持部94とバッテリユニット60との接触を解除する。この手順によって、バッテリユニット60が取り外す方向に移動可能になり、
図20に示されるように、バッテリユニット60がバッテリホルダ12から取り外される。
【0093】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従うバッテリホルダ、バッテリユニット、および、これらを含むバッテリコンポーネントが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明は、以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0094】
・第1の実施形態の変形例のバッテリコンポーネント10は、第2の保持部32および弾性部材34に代えて、細長部材および取付部を含む。細長部材は、所定の長さを有する。細長部材は、紐、チェーンまたはベルトを含む。細長部材の材質は、合成樹脂、金属、天然素材であってもよい。細長部材の一方の端部は、第1の基部22に固定される。細長部材の他方の端部は、取付部に着脱可能に構成される。取付部は、バッテリユニット60の第1の端部64Aに設けられる。
【0095】
バッテリユニット60がバッテリホルダ12に取り付けられる過程において、細長部材が取付部に連結される。バッテリユニット60がバッテリホルダ12から取り外される過程においてバッテリユニット60が取り外す方向に移動したとき、紐状部材によってバッテリユニット60が第1の保持位置よりも取り外す方向の下流側の第2の保持位置に保持される。このため、バッテリユニットが第1の保持位置から第2の保持位置に向けて移動するときにバッテリユニットを手で支える必要がなく、バッテリホルダからバッテリユニットを取り外す作業の煩わしさが低減される。紐状部材を取付部から取り外されることによって、バッテリユニット60がバッテリホルダ12から取り外される。
【0096】
・第1の凹部72Aが取り外す方向に沿って延びるか否かは任意に変更可能である。一例では、第1の凹部72Aは、取り外す方向から傾斜した方向に延びていてもよい。第1の凸部28Aにおいても、取り外す方向から傾斜した方向に延びていてもよい。
【0097】
・第3の規制部72は、
図21に示すように第1の凹部72Aに代えてまたは加えて、第2の凸部72Bを含んでいてもよい。この変形例における第1の規制部28は、第1の凸部28Aに代えてまたは加えて、第2の凹部28Bを含んでいてもよい。第3の規制部72の第2の凸部72Bは、第1の規制部28の第2の凹部28Bに挿入可能である。
図21に示される例では、第3の規制部72は第1の凹部72Aに代えて第2の凸部72Bを含み、第1の規制部28は第1の凸部28Aに代えて第2の凹部28Bを含む。
【0098】
・第1の実施形態のバッテリユニット60において、接触部70を省略してもよい。この変形例によれば、第2の保持部32から摩擦部34Bが省略される。このため、バッテリユニット60が第1の保持位置から第2の保持位置に移動する過程において、バッテリユニット60と第1のバッテリホルダ20とが干渉しない。
【0099】
・被保持部68が接触部70と一体的に形成されるか否かは、任意に変更可能である。被保持部68は、接触部70とは個別に設けられてもよい。
・第5の凹部76は、省略されてもよい。この場合、第2の規制部46が、第3の保持部として機能する。
【0100】
・一対のリブ48Aのうちの少なくとも一方を省略し、省略されたリブ48Aに対応する第5の凹部76もバッテリユニット60から省略されてもよい。
・第3の凸部46Bの先端部46Cは、角を含む形状に形成されてもよい。
【0101】
・第2の規制部46は、
図22に示すように第3の凸部46Bに代えてまたは加えて、第4の凹部46Dを含でいてもよい。この変形例における第4の規制部74は、第3の凹部74Aに代えてまたは加えて、第4の凸部74Bを含んでいてもよい。第2の規制部46の第4の凹部46Dは、第4の規制部74の第4の凸部74Bを挿入可能である。
図22に示される例では、第2の規制部46は第3の凸部46Bに代えて第4の凹部46Dを含み、第4の規制部74は第3の凹部74Aに代えて第4の凸部74Bを含む。
【0102】
・第2のバッテリホルダ40から、第2の規制部46を省略して、バッテリユニット60から第4の規制部74を省略してもよい。
・ロック機構38が第1の基部22内に設けられるか否かは、任意に変更可能である。ロック機構38は、第1の基部22の外面に取り付けられてもよい。
【0103】
・第1のバッテリホルダ20,120,220から、ロック機構38を省略してもよい。この場合、第1の保持部30を第1の位置および第2の位置の間で変位させるため、ユーザが操作可能な操作部が第1の基部22に設けられる。操作部は、ボタンまたはレバーを含む。例えば、操作部を操作していないときに、第1の保持部30が付勢部材によって第1の位置に付勢され、操作部を操作すると、第1の保持部30が第1の位置から第2の位置に移動する構成としてもよい。
【0104】
・第1のバッテリホルダ20,120,220から、着脱部36を省略してもよい。第1のバッテリホルダ20,120,220は、対象部材Fに接着または融着によって固定されてもよい。第1のバッテリホルダ20,120,220の着脱部36は、第1のバッテリホルダ20,120,220の第2の方向Yの端部、第1の方向Xにおいて支持面22Bとは反対側の端部、取り外す方向の下流側の端部のいずれに設けられてもよい。第1のバッテリホルダ20,120,220は、少なくとも一部が対象部材Fと一体に形成されていてもよい。
【0105】
・第2のバッテリホルダ40から、着脱部52を省略してもよい。第2のバッテリホルダ40は、対象部材Fに接着または融着によって固定されてもよい。第2のバッテリホルダ40の着脱部52は、第2のバッテリホルダ40の第2の方向Yの端部、第1の方向Xにおいて支持面42Aとは反対側の端部、取り外す方向の下流側の端部のいずれに設けられてもよい。第2のバッテリホルダ40は、少なくとも一部が対象部材Fと一体に形成されていてもよい。
【0106】
・第1のバッテリホルダ20,120,220と、第2のバッテリホルダ40とは、少なくとも一部が一体に形成されていてもよい。第1のバッテリホルダ20,120,220と、第2のバッテリホルダ40とを一体的に形成する場合、一側面に開口が形成される箱型に形成してもよい。
【0107】
・第2の保持部32は、バッテリユニット60に設けられた被保持部68とは別の被保持部に接触することによって、バッテリユニット60を第2の保持位置に保持するように構成されてもよい。
【0108】
・弾性部材34は、エラストマ、または樹脂バネによって構成されていてもよい。
・第1の保持部30および第2の保持部32の少なくとも一方は、ハウジング62の第1の側面部67Aに接触するように第1の部分26Aに設けられてもよい。被保持部68および接触部70の少なくとも一方は、第1の保持部30および第2の保持部32に対応するように、ハウジング62の第1の側面部67Aに設けられてもよい。
【0109】
・第1の規制部28は、第1の基部22とは個別に形成され、第1の基部22に取り付けられてもよい。
・第1の規制部28は、第1の支持部24に設けられてもよく、支持面22Bに設けられてもよい。
【0110】
・第1のバッテリホルダ20,120,220から、第1の規制部28を省略し、バッテリユニット60から第3の規制部72を省略してもよい。
・第1の支持部24は、一対の第1の支持部24が一体的に形成されていてもよく、一対の第1の支持部24の間にケーブルを配置するための間隔をあけないようにしてもよい。第1の支持部24には、ケーブルを配置するための孔または溝が形成されていてもよい。第3の支持部44は、一対の第3の支持部44が一体的に形成されていてもよく、一対の第3の支持部44の間にケーブルを配置するための間隔をあけないようにしてもよい。第3の支持部44には、ケーブルを配置するための孔または溝が形成されていてもよい。
【0111】
・バッテリホルダ12,112,212は、第1の支持部24、第2の支持部26、および、第3の支持部44のうちの少なくとも1つを省略した形態を取り得る。
・バッテリホルダ12,112,212は、第2のバッテリホルダ40を省略してもよい。
【0112】
・バッテリユニット60は、略正六面体に形成されていてもよい。
・対象部材Fは、自転車以外であってもよく、車両、建物および電子機器を含む。バッテリホルダ12に電気的に接続されている要素は、電子部品を含む。
【0113】
・バッテリコンポーネント10が設けられる自転車の開口FAは、自転車が平地に置かれた状態で自転車の側方または上方に開口していてもよい。