【文献】
Journal of the Electrochemical Society,2011年,158(3),J66-J70
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蛍光体組成物は、前記モールディング部に分散タイプ(dispersive type)、コンフォーマルタイプ(conformal type)またはリモートタイプ(remote type)で含まれる、請求項5乃至10のいずれかに記載の発光素子パッケージ。
色温度(CCT)2,000〜10,000Kの条件で演色指数(CRI)が60Ra以上99Ra以下である、請求項5乃至12のいずれかに記載の発光素子パッケージ。
前記青緑色蛍光体の重量比率が5%〜35重量%であるとき、演色指数(CRI)は90Ra以上99Ra以下である、請求項5乃至16のいずれかに記載の発光素子パッケージ。
440nm〜460nmの領域の第1ピーク、490nm〜510nmの領域の第2ピーク、530nm〜540nmの領域の第3ピーク、及び650nm〜655nmの領域の第4ピークの発光波長ピークを有する、請求項5乃至17のいずれかに記載の発光素子パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、上記の目的を具体的に実現できる本発明の実施例を、添付の図面を参照して説明する。
【0041】
本発明に係る実施例の説明において、各構成要素(element)の「上(上部)又は下(下部)(on or under)」に形成されると記載される場合において、上(上部)又は下(下部)は、2つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、1つ以上の他の構成要素が前記2つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上(上部)又は下(下部)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0042】
以下で使用される「第1」及び「第2」、「上部」及び「下部」などのような関係的用語は、かかる実体又は要素間のいかなる物理的又は論理的関係、または順序を必ず要求したり、内包したりすることなく、ある一つの実体又は要素を他の実体又は要素と区別するためにのみ利用されてもよい。
【0043】
図面において、各構成要素の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたり、省略されたり、又は概略的に図示されている。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0044】
実施例に係る青緑色蛍光体は、下記の化学式1で表すことができる。
A
aB
bO
cN
dC
e:RE
h・・・(化学式1)
前記化学式1において、Aは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raの元素のうち少なくとも1種以上であり、Bは、Si、Ge、Snの元素のうち少なくとも1種以上であり、Cは、C、Cl、F、Brの元素のいずれか1つであり、REは、Eu、Ce、Sm、Er、Yb、Dy、Gd、Tm、Luの元素のうち少なくとも1種以上であり、0<a≦15、0<b≦15、0<c≦15、0<d≦20、0<e≦10及び0<h≦10である。
【0045】
図1乃至
図4は、化学式1の組成を有する青緑色蛍光体の実施例の励起スペクトル及び発光スペクトルの結果を示したものである。
【0046】
化学式1の組成式による青緑色蛍光体は、一例として、前記C元素がC、F、Cl、Brの元素のいずれか1つであり、Cのモル比率(e)は、例えば、0<e≦6であってもよい。
【0047】
例えば、化学式1において、AはBaであってもよい。また、BはSiであり、REはEuであってもよい。
【0048】
すなわち、化学式1の青緑色蛍光体は、下記の化学式1−1の組成式で表すことができる。
A
aB
bO
cN
dC
e:RE
h・・・(化学式1−1)
前記において、AはBaであり、BはSiであり、CはC、Cl、F、Brの元素のいずれか1つであり、REはEuであり、このとき、0.05≦a≦15、0.5≦b≦15、0.1≦c≦15、0.67≦d≦20、0<e≦6、0.01≦h≦10である。
【0049】
すなわち、化学式1−1で表される青緑色蛍光体の一実施例は、Ba
aSi
bO
cN
dC
e:Eu
hであってもよい。
【0050】
図1乃至
図4は、化学式1−1の組成式を有する一実施例に対する光特性を示した図である。
【0051】
例えば、
図1乃至
図4は、化学式1−1の組成式におけるCをC、F、Cl、Brの元素のいずれか1つとして光特性を測定した結果である。
【0052】
図1乃至
図4の図示を参照すると、化学式1−1で表される実施例の蛍光体は、300nm〜500nmの波長領域を励起波長とし、460nm〜540nmの発光波長を放出することができる。また、発光中心波長は490nm〜510nmであり得、このような発光波長の特性から、実施例の蛍光体は青緑色蛍光体であることを確認することができる。
【0053】
上述した化学式1の組成式で表される青色発光蛍光体は、高い輝度及び狭い半値幅を有し、優れた色相具現が可能である。
【0054】
図5は、化学式1において、AがBa及びMgを含む場合、Mgの含量による励起スペクトル及び発光スペクトルを示した図である。
【0055】
図5を参照すると、化学式1において、AがBa及びMgを含む場合においても、励起波長は300nm〜500nmであり、460nm〜540nmの発光波長を有し、また、発光中心波長は490nm〜510nmを示すことがわかる。
【0056】
また、一実施例の青緑色蛍光体は、下記の化学式2で表すことができる。
Ba
xMg
yB
bO
cN
dC
e:RE
h・・・(化学式2)
前記化学式2において、Bは、Si、Ge、Snの元素のうち少なくとも1種以上であり、Cは、C、Cl、F、Brの元素のいずれか1つであり、REは、Eu、Ce、Sm、Er、Yb、Dy、Gd、Tm、Lu、Pr、Nd、Pm、Hoの元素のうち少なくとも1種以上であり、0.5<x≦15、0<y≦10、0.5<x+y≦15であり、0<e≦10、0<h≦10である。
【0057】
化学式2において、BはSiであり、REはEuであってもよい。
【0058】
前記化学式2の組成式による青緑色発光蛍光体は、カチオンBa
2+イオンサイトに、前記Ba
2+イオンよりもイオン半径の小さいMg
2+イオン(原子半径が160pm)が母体(lattice)にさらに組み込まれるようにすることによって、単一相の結晶構造内の格子欠陥を最小化して高い効率及び温度安定性の向上を達成することができる。
【0059】
化学式2において、Mgイオンの量であるyは、0よりも大きく、10以下であってもよい。具体的に、yは、0<y≦2のモル比率であってもよい。
【0060】
MgがBaと共に含まれることによって蛍光体の格子結合の安定性が増加し、光特性が増加することができるが、Mgのモル比率が2を超える場合、Mgをさらに含むことによって生じる光特性の改善効果が小さくなることがある。
【0061】
図5は、化学式2の組成式において、A元素にBa及びMgが含まれ、Mgが0.01以上であり、2よりも小さいモル比率で混入されるとき、得られた青緑色蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルを示したものである。
【0062】
図5を参照すると、実施例の青緑色蛍光体は、300nm〜500nmの波長領域を励起源とし、460nm〜540nmの発光波長を放出し、その発光中心波長が490nm〜510nmである範囲を満たす。
【0063】
化学式2において、Baのモル比率であるxに対する、Mgのモル比率であるyの比率は、0<y/x≦2であってもよい。2つの元素のモル比率であるy/xが2よりも大きい場合には、青緑色蛍光体の発光特性を外れる光学特性を有することがある。
【0064】
例えば、y/xは0<y/x≦0.4であってもよく、y/xが0.4よりも大きい場合、光束値の減少幅が大きくなり得る。また、例えば、y/x値は0<y/x≦0.1であってもよい。
【0065】
化学式2の組成式において、Baのモル比率であるxは0.5<x≦2.5であってもよく、Mgのモル比率であるyは0<y≦2であってもよい。具体的に、Mgのモル比率は0<y≦0.5であってもよい。このとき、x+yは、0.5<x+y≦2.5であってもよい。
【0066】
また、化学式2の組成式を有する一実施例は、Baのモル比率であるxが1.5<x≦3.5であってもよく、Mgのモル比率であるyは0<y≦2.5であってもよい。具体的に、Mgのモル比率は0<y≦0.8であってもよい。このとき、x+yは、1.5<x+y≦3.5であってもよい。
【0067】
また、化学式2の組成式を有する他の実施例は、Baのモル比率であるxが3.5<x≦7.5であってもよく、Mgのモル比率であるyは0<y≦5であってもよい。具体的に、Mgのモル比率は0<y≦1.7であってもよい。このとき、x+yは、3.5<x+y≦7.5であってもよい。
【0068】
また、化学式2の組成式を有する更に他の実施例は、Baのモル比率であるxが7.5<x≦14.5であってもよく、Mgのモル比率であるyは0<y≦10であってもよい。具体的に、Mgのモル比率は0<y≦2.5であってもよい。このとき、x+yは、7.5<x+y≦14.5であってもよい。
【0069】
図6乃至
図9は、化学式2の実施例に対する発光スペクトルを示した図である。
【0070】
図6乃至
図9を参照すると、Mgの含量が増加するにつれて光束が増加するが、一定範囲のMg含量以上で再び光束が減少することがわかる。
【0071】
他の実施例の青緑色蛍光体は、下記の化学式3の組成式で表すことができる。
A
aB
bO
cN
dC
eD
fE
g:RE
h・・・(化学式3)
前記化学式3において、Aは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raの元素のうち少なくとも1種以上であり、Bは、Si、Ge、Snの元素のうち少なくとも1種以上であり、Cは、C、Cl、F、Brの元素のいずれか1つであり、Dは、Li、Na及びKから選択される単独又はその混合形態であり、Eは、P、As、Bi、Sc、Y及びLuから選択される元素のうち少なくとも1種以上であり、REは、Eu、Ce、Sm、Er、Yb、Dy、Gd、Tm、Lu、Pr、Nd、Pm、Hoの元素のうち少なくとも1種以上であり、0<a≦15、0<b≦15、0<c≦15、0<d≦20、0<e≦10、0<f≦10、0<g≦10、0<h≦10である。
【0072】
例えば、化学式3において、Dは、Li及びKのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0073】
また、化学式3において、EはPであってもよい。
【0074】
例えば、化学式3の組成式を有する青緑色発光蛍光体は、前記化学式3の組成式において、A元素はBa及びMgを含み、Mgが0.01以上2未満のモル比率で混入され、D元素がKであり、Kのモル比率(f)は0<f≦10であり、E元素がPであり、Pのモル比率(g)は0<g≦10の範囲で含まれてもよい。
【0075】
また、化学式3は、下記の化学式3−1の形態で表される実施例を含むことができる。
Ba
xMg
yB
bO
cN
dC
eLi
vK
wP
z:RE
h・・・(化学式3−1)
前記化学式3−1において、Bは、Si、Ge、Snの元素のうち少なくとも1種以上であり、Cは、C、Cl、F、Brの元素のいずれか1つであり、REは、Eu、Ce、Sm、Er、Yb、Dy、Gd、Tm、Lu、Pr、Nd、Pm、Hoの元素のうち少なくとも1種以上であり、0<b≦15、0<c≦15、0<d≦20、0<e≦10、0<h≦10、0.5<x≦15、0<y≦10、0.5<x+y≦15であり、0<v≦6、0<w≦6、0<z≦2であってもよい。
【0076】
例えば、Kのモル比率であるwは、0<w≦6であってもよく、Pのモル比率であるgは、0<g≦6であってもよい。具体的に、Kのモル比率であるwは、0.2≦w≦0.6であってもよい。
【0077】
図10は、化学式3−1の組成式で表される青緑色蛍光体の実施例において、Kの含量による発光波長スペクトルを示した図である。
【0078】
図10を参照すると、Kの含量が増加するほど光束の値が増加するが、Kが0.6よりも多く含有された場合、光束が再び減少した。
【0079】
すなわち、Kの含有によって青緑色蛍光体の格子結合の強度が強くなって光束が増加するが、0.6よりも多い量で含まれる場合、不純物として作用し、実施例の蛍光体の物性を低下させることがある。
【0080】
また、Pのモル比率は、0よりも大きく、2以下であってもよく、例えば、Pのモル比率であるzは、0よりも大きく、0.2以下であってもよい。
【0081】
また、化学式3−1において、C元素はFであり、Liのモル比率は、0よりも大きく、6以下であってもよい。
【0082】
図11は、Li含量による青緑色蛍光体の実施例の発光特性を示した図である。
【0083】
図11は、化学式3−1の組成式で表される青緑色蛍光体の実施例に対してLiの含量による発光特性を示した図である。
【0084】
図11を参照すると、Liの含量が増加するほど青緑色蛍光体の光特性は改善されるが、Liが1.4のモル比率よりも多く含まれる場合、光束が減少する傾向を確認することができる。
【0085】
例えば、Liの含量であるvは、0<v≦1.4であってもよく、具体的にvは、0<v≦1であってもよい。
【0086】
化学式3−1の組成式において、Liの含有によって青緑色蛍光体の格子結合の強度が強くなって光束が増加するが、1.4よりも多い量で含まれる場合、不純物として作用し、実施例の蛍光体の物性を低下させることがある。
【0087】
例えば、化学式3−1の実施例は、
Ba
1.84Mg
0.11Si
4.95O
2.395N
8.6F
0.32K
0.3P
0.1Li
0.1:Eu
0.15、
Ba
1.84Mg
0.11Si
4.95O
2.395N
8.6F
0.72K
0.3P
0.1Li
0.5:Eu
0.15、
Ba
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.395N
7.93F
0.22K
0.3P
0.1Li
0.7:Eu
0.15、
Ba
2.84Mg
0.11Si
5.9O
3.64N
7.93F
0.67K
0.48P
0.16Li
0.67:Eu
0.15、
Ba
2.79Mg
0.11Si
6O
3.62N
8F
0.66K
0.465P
0.155Li
0.66:Eu
0.15、
Ba
5.32Mg
0.53Si
12.1O
3.3N
8.2F
0.67K
0.48P
0.16Li
0.67:Eu
0.15からなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
【0088】
すなわち、本発明の青緑色発光蛍光体は、結晶性を最も良くすることができるBa及びMgなどを含むことができ、アニオンであるNイオンとOイオンとの組み合わせにより発生する結晶内の格子欠陥を安定化させることができるように、組成式においてDで表されるカチオン及びCとEで表されるアニオンの成分をさらに含むことができる。
【0089】
例えば、化学式3において、DはLi及びKであってもよく、CはFであり、EはPであってもよい。
【0090】
図12は、一実施例の青緑色蛍光体の粒子相に対する図である。
【0091】
例えば、
図12の写真上の青緑色蛍光体の実施例は、化学式1の組成式を有することができ、具体的にBa
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15であってもよい。
【0092】
化学式1〜化学式3で表される上述した実施例の青緑色蛍光体は、D10のとき、1μm以上10μm未満、D50のとき、10μm以上30μm未満、D90のとき、20μm以上70μm未満の粒子サイズ分布を有することができる。
【0093】
図13は、青緑色発光蛍光体の一実施例に対する粒子サイズ分布(PSA)の測定結果を示したものである。
【0094】
実施例の青緑色蛍光体は、D10:1μm以上10μm未満、D20:5μm以上15μm未満、D30:10μm以上20μm未満、D40:10μm以上25μm未満、D50:10μm以上30μm未満、D60:15μm以上30μm未満、D70:15μm以上35μm未満、D80:20μm以上40μm未満、D90:20μm以上70μm未満、D100:25μm以上100μm未満の粒子サイズ分布(PSA)を有することができる。
【0095】
特に、D50であるとき、10μm以上30μm未満の粒子サイズを満たすので、LEDパッケージに応用する際に要求される粒子サイズ分布を満たすことができる。一方、D50で30μmよりも粒子サイズが大きくなる場合、LEDパッケージに適用するとき、沈殿が発生するという問題があり得る。
【0096】
したがって、実施例の青緑色発光蛍光体は、LEDパッケージに応用するのに適した蛍光体としての活用が可能である。
【0097】
図14は、一実施例の青緑色蛍光体に対する蛍光X線分析結果を示した成分分布グラフである。
【0098】
図14から、実施例の青緑色蛍光体はBa、Mg、Si、O、N、F、Euの元素を含むことを確認することができる。
【0099】
また、
図15は、一実施例の青緑色蛍光体の温度による発光強度の変化を示したグラフである。
【0100】
図15を参照すると、200℃まで温度が上昇しても実施例の蛍光体の輝度値の減少が10%以内であるので、実施例の青緑色蛍光体は温度安定性を有することがわかる。
【0101】
上述した実施例の青緑色蛍光体は、イオン半径が相対的に小さいMg
2+イオンを含むことによって、その結合比に応じて、合成される蛍光体の発光中心波長及び結晶構造を制御することができ、発光効率に優れ、温度安定性及び信頼性を改善することができる。
【0102】
図16は、青緑色蛍光体の一実施例に対するXRDデータを示した図である。
【0103】
(a)及び(b)は、化学式1でのAがBa及びMgを含む場合であり、(c)は、AにMgのみが含まれた場合である。
【0104】
また、
図17は、
図16で(a)又は(b)の組成を有する青緑色発光蛍光体のXRD結果による結晶構造の基本形状を概略的に示したものである。
【0105】
例えば、(a)又は(b)に使用された青緑色蛍光体の実施例は、Ba
2.84Mg
0.11Si
5.95O
5.4N
6.33F
0.22:Eu
0.15の組成式で表すことができ、実施例の青緑色蛍光体の基本結晶構造は斜方晶系(orthorhombic)構造(space group Cmcm、#63)の変形形態であってもよい。
【0106】
例えば、青緑色蛍光体の結晶構造は、共有度を高めるために設定された原子の結合によって様々な形状を有し得る構造であって、格子欠陥が容易に形成される構造であり得る。
【0107】
したがって、実施例の場合、カチオンサイトでBaイオンにMgイオンを一部置換し、アニオンは、ハロゲンイオンを追加的に使用することで、工程上で発生し得る格子欠陥を最小化することができる。すなわち、
図17に示したように、結晶性が向上することを確認することができ、このとき、結晶性の主ピークである(3,1,1)面対比(1,1,1)面でのX−rayの反射率は30%以上増大させることができる。
【0108】
一方、
図16(c)の蛍光体の結晶構造は、Mgイオンが20%以上含まれた蛍光体であって、新しい相が形成されるなどの著しい変化を確認することができる。
【0109】
したがって、実施例の青緑色蛍光体の発光強度は、Baイオン及びMgイオンが同時に含まれるとき、最大の発光強度を具現することができる。
【0110】
上述した実施例の青緑色蛍光体は、化学式1〜化学式3に含まれるカチオンとアニオンの混合比の調整及び工程の改善を通じて、量子効率90%以上の高信頼性を有することができる。
【0111】
実施例の青緑色蛍光体の製造方法は、1)アルカリ土金属の2価金属イオン;Siイオン;及びEuイオンを含んでいる金属塩を定量した後、混合して蛍光体製造用原料塩を準備するステップ、及び2)前記混合された原料塩を1000℃〜1600℃及び還元ガス100〜1000sccmに制御された還元雰囲気で熱処理するステップを含むことができる。
【0112】
実施例の蛍光体の製造方法のうちステップ1)において、青緑色発光蛍光体母体を形成するための原料塩として、金属元素は、アルカリ土金属の2価金属イオンにおけるイオン半径が異なる組成との組み合わせによって、蛍光体の構造及び特性を最適化することができる。
【0113】
そこで、アルカリ土金属の2価金属イオンとして、好ましくはBa
2+イオン単独、または、前記Ba
2+イオンにイオン半径が相対的に小さいMg
2+イオンが含まれてもよい。
【0114】
Ba
2+及びMg
2+の結合比に応じて、合成される蛍光体の発光中心波長及び結晶構造を有益にすることができ、それによって、効率に優れ、温度安定性及び信頼性に優れた青緑色蛍光体を提供することができる。
【0115】
このとき、金属元素の酸化物を生成できる化合物は、特に限定されるものではないが、高純度化合物の入手容易性、大気中での取り扱いの容易さ、及び価格の面で有利なアルカリ土金属類の炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、過酸化物、水酸化物から選択される少なくとも1つ以上のアルカリ土金属類化合物が好ましい。
【0116】
例えば、アルカリ土金属類の炭酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、フッ化物である。特に、アルカリ土金属類化合物は炭酸塩の形態を使用することができる。また、アルカリ土金属類化合物の性状も特に限定されないが、高性能の蛍光体を製造するためには、アルカリ土金属類化合物は粉末状であってもよい。
【0117】
上述した化学式1の組成式において、アルカリ土金属のA元素は、0よりも大きく、15以下のモル濃度で使用されるとき、青緑色蛍光体を製造することができ、A元素のモル濃度は、酸素元素のモル濃度と同一または異なる比率で含有されてもよい。
【0118】
実施例の青緑色蛍光体母体を形成するための原料塩として、Si、Ge、Snの元素のうち少なくとも1種以上を使用することができる。
【0119】
例えば、ケイ素(Si)化合物を、0よりも大きく、15以下のモル濃度で使用することができる。このとき、ケイ素化合物は、通常の蛍光体組成物に使用されるケイ素化合物であれば、特に限定されないが、高性能の蛍光体を製造するための要件として、好ましくは、窒化ケイ素(Si
3N
4)、シリコンジイミド(Si(NH)
2)または酸化ケイ素(SiO
2)を使用することができる。
【0120】
実施例の化学式1の組成式を有する蛍光体において、B元素に該当するケイ素化合物のモル比率に応じて、窒素元素の濃度と関連して蛍光体が製造され得る。
【0121】
実施例の青緑色蛍光体は、活性剤(activator)として、Eu、Ce、Sm、Er、Yb、Dy、Gd、Tm、Luの元素のうち少なくとも1種以上が使用されてもよい。例えば、実施例では、アルカリ土金属を含む2価金属対比、ユーロピウム(Eu
2+)イオン0.01〜10のモル濃度で原料塩に混合されてもよい。
【0122】
また、実施例の蛍光体の製造方法において、ステップ1)の原料塩には、NH
4Cl、KCl、MgCl
2、SrCl
2、BaCl
2、BaF
2、SrF
2、CaF
2、NH
4F、H
3BO
3、K
3PO
4及びKNO
3からなる群から選択される少なくとも1種以上の融剤をさらに含有することができる。
【0123】
使用される融剤は、原料塩の総質量に対して、1重量%以上、最大10重量%未満含有されてもよい。
【0124】
このとき、融剤が1重量%未満である場合、各化合物間の混合が不十分であるため、反応が不安定に終了することがあり、10重量%以上である場合、蛍光体に不純物として作用し、反応後に洗浄が難しいことがある。
【0125】
その後、製造方法におけるステップ2)は、混合された原料塩を1000℃〜1600℃の焼成温度、及び100sccm〜600sccmに制御された還元ガス雰囲気下で熱処理を行うものであってもよい。
【0126】
このとき、焼成温度が1000℃未満である場合、発色効率が低下し、1600℃を超える条件で行われる場合、色純度が低下して高品質の蛍光体を得ることができない。
【0127】
製造ステップ2)において、還元ガス雰囲気は、窒素及び水素の混合ガスによって組成された還元ガス雰囲気であってもよく、常圧条件で行われてもよい。例えば、混合ガスは、窒素及び水素の混合比率が95:5〜90:10であってもよく、特に、焼成温度及び混合ガスの供給速度に応じて、焼成時間が変わり得、蛍光体の発色及び効率を制御することができる。
【0128】
上述した製造方法は、化学式1のみならず、化学式2及び3でもそのまま用いることができ、但し、追加されるカチオン及びアニオンの原料混入過程が異なり得る。
【0129】
上述した製造方法で獲得される化学式1〜化学式3の組成式を有する青緑色発光蛍光体は、SiON系蛍光体においてカチオンとアニオンの成分及びその組成比の最適の組み合わせによって、商用蛍光体製品と比較して、同等又は優れた光放出特性だけでなく、温度特性に優れているので、白色光を放出する発光素子パッケージに適用することができる。
【0130】
以下では、上述した実施例の青緑色蛍光体を含む発光素子パッケージの実施例について、図面を参照して説明する。
【0131】
発光素子パッケージの実施例は、少なくとも1つの発光素子、及び少なくとも1つの発光素子上に配置され、蛍光体組成物を含むモールディング部を含み、蛍光体組成物は、上述した実施例の青緑色蛍光体を含むことができる。
【0132】
図18は、発光素子パッケージの一実施例を示した図である。
【0133】
図18の発光素子パッケージは、パッケージボディー100、パッケージボディー100上に配置される発光素子104、及び発光素子104を取り囲み、パッケージボディー100上に配置されるモールディング部108を含むことができ、モールディング部には、上述した実施例の青緑色蛍光体を含む蛍光体組成物111,112,113が配置されてもよい。
【0134】
パッケージボディー100は、シリコン材質、合成樹脂材質または金属材質を含んで形成されてもよく、熱伝導性に優れたセラミック物質からなることができる。
【0135】
パッケージボディー100には、発光素子との電気的接続のためのリードフレーム(図示せず)を含むことができる。パッケージボディー100にリードフレームが形成される場合、リードフレームは銅などの導電性物質からなることができ、一例として、金(Au)をメッキして配置することができる。リードフレームは、発光素子104から放出された光を反射させることもできる。
【0136】
発光素子104は、発光ダイオードなどが配置されてもよい。
【0137】
発光素子パッケージの実施例において、発光素子104は、少なくとも1つが含まれてもよい。
【0138】
発光素子は、青色光又は紫外線(UV)波長領域の光を放出することができ、蛍光体層に含まれる蛍光体の励起光源として使用することができる。
【0139】
また、複数の発光素子が含まれる場合、発光素子は、互いに異なる波長領域の光を放出するものであってもよく、例えば、赤色発光素子又は緑色発光素子を含むことができる。
【0140】
発光素子104は、ワイヤ105,106を介してパッケージボディー100又はリードフレームと電気的に接続されてもよい。
【0141】
モールディング部108は、ドーム(dome)タイプからなることができ、発光素子上に配置されてもよい。
【0142】
モールディング部は、発光素子パッケージの光出射角を調節するために、他の形状に配置されてもよい。モールディング部は、発光素子104を包囲して保護し、発光素子104から放出される光の進路を変更するレンズとして作用することもできる。
【0143】
モールディング部108は、樹脂部を含んでなることができ、樹脂部は、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂のいずれか1つを含む混合物、またはその化合物の群から選択された樹脂を含むことができる。
【0144】
実施例の発光素子パッケージ100では、上述した実施例の青緑色蛍光体を含むことができる。
【0145】
このとき、青緑色蛍光体は、所望の色座標に応じて含量が調整されてもよいが、シリコン、エポキシ樹脂または封止材100重量部に対して、0.1以上99以下の重量部が含まれてもよい。
【0146】
蛍光体組成物には、緑色又は黄色蛍光体のいずれか1つ及び赤色蛍光体をさらに含むことができる。
【0147】
緑色蛍光体又は黄色蛍光体は、LuAG系列又はYAG系列の蛍光体であってもよい。
【0148】
例えば、緑色蛍光体又は黄色蛍光体は、(Lu,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+または(Y,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+であってもよい。
【0149】
赤色蛍光体は、(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu
2+または(Sr,Ba,Ca)
2Si
5N
8:Eu
2+であってもよい。
【0150】
しかし、緑色蛍光体又は黄色蛍光体のいずれか1つまたは赤色蛍光体は、例を挙げて説明した蛍光体の種類に限定されず、緑色又は黄色発光波長を有するか、または赤色発光波長を有する様々な種類の蛍光体が使用されてもよい。
【0151】
青緑色蛍光体を含む上述した実施例の発光素子パッケージは、白色光を放出することができる。
【0152】
図19は、実施例の青緑色蛍光体を含んで製造された発光素子パッケージ及び商用白色LED素子に対する光スペクトルを、演色指数(CRI)90に色温度5000Kの基準下で比較した結果である。
【0153】
例えば、発光素子パッケージに含まれる青緑色蛍光体は、化学式1〜化学式3の組成式で表されるものであってもよく、Ba
2.95Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15、Ba
2.84Mg
0.11Si
5.95O
5.4N
6.33F
0.22:Eu
0.15、Ba
2.79Mg
0.11Si
6O
3.62N
8F
0.66K
0.465P
0.155Li
0.66:Eu
0.15からなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
【0154】
図19を参照すると、赤色のグラフは、5000Kの色温度条件下での演色指数(CRI)90が具現される現在の商用白色LED素子のスペクトルであり、青色のグラフは、実施例の青緑色発光蛍光体を使用して製作された白色LED素子の光スペクトルであって、実施例の青緑色蛍光体を含む白色LED素子の場合、赤色領域のスペクトルが減少して全般的に光束が向上する結果を有することができる。
【0155】
図20は、実施例の青緑色蛍光体を用いて製作された白色LED素子に対して演色指数(CRI)80に色温度5000Kの基準下で観察した光スペクトルであって、500nmの領域の付近に発光領域が生じて演色指数(CRI)を向上させ、素子の白色光を具現することを確認することができる。
【0156】
図20を参照すると、緑色蛍光体と赤色蛍光体に加えて、実施例の青緑色蛍光体をさらに含有して製作された白色LED素子は、商用白色LED素子と同等な演色指数(CRI)値を維持しながらも、光束を10%前後に向上させることができる。
【0157】
したがって、実施例の発光素子パッケージは、上述した実施例の青緑色蛍光体を含むことによって、赤色蛍光体成分の過度な使用を抑制しながら、演色性及び光束を著しく向上させて、LEDの発光強度を高め、熱安定性を向上させることができる。
【0158】
実施例の発光素子パッケージにおいて、発光素子は、青色波長領域の光を放出するものであってもよく、300nm〜420nmのUV発光素子であるか、または420nm〜480nmの青色発光素子であってもよい。
【0159】
このようなUV光又は青色光を発光する発光素子を励起光源として使用し、発光素子は、GaN発光素子であってもよい。
【0160】
一実施例の発光素子パッケージは、510nm〜570nmの領域の中心発光波長を有する緑色又は黄色蛍光体、610nm〜670nmの領域の中心発光波長を有する赤色蛍光体、及び上述した実施例の化学式1〜化学式3の組成式で表される青緑色蛍光体を含むことができる。
【0161】
実施例の青緑色蛍光体は、300nm〜490nmの領域の光によって励起されてもよく、460nm〜540nmの領域の中心発光波長を有することができる。
【0162】
例えば、発光素子パッケージの第1実施形態としては、525nm〜535nmの領域の中心発光波長を有する緑色又は黄色蛍光体、及び625nm〜635nmの領域の中心発光波長を有する赤色蛍光体であるとき、化学式1〜化学式3の組成式を有する青緑色(BG)蛍光体は、下記の重量比率を有することができる。
0重量%<M<50重量%
ここで、M={mb/(mb+mg+mr)}*100であり、mbは、前記青緑色蛍光体の重量、mgは、前記緑色又は黄色蛍光体のいずれか1つの重量、mrは、前記赤色蛍光体の重量に該当する。
【0163】
また、第2実施形態の発光素子パッケージは、520nm〜530nmの領域の中心発光波長を有する緑色又は黄色蛍光体、及び650nm〜665nmの領域の中心発光波長を有する赤色蛍光体であるとき、化学式1〜化学式3の組成式を有する青緑色(BG)発光蛍光体は、下記の重量比率で含まれてもよい。
0重量%<M<20重量%
ここで、M={mb/(mb+mg+mr)}*100であり、mbは、前記青緑色蛍光体の重量、mgは、前記緑色又は黄色蛍光体のいずれか1つの重量、mrは、前記赤色蛍光体の重量に該当する。
【0164】
更に他の実施例である第3実施形態の発光素子パッケージは、535nm〜545nmの領域の中心発光波長を有する緑色又は黄色蛍光体、及び650nm〜665nmの領域の中心発光波長を有する赤色蛍光体であるとき、化学式1〜化学式3の組成式を有する青緑色(BG)発光蛍光体は、下記の重量比率で含まれてもよい。
0重量%<M<40重量%
ここで、M={mb/(mb+mg+mr)}*100であり、mbは、前記青緑色蛍光体の重量、mgは、前記緑色又は黄色蛍光体のいずれか1つの重量、mrは、前記赤色蛍光体の重量に該当する。
【0165】
また、第3実施形態において、青緑色蛍光体の重量比率が5重量%〜35重量%であるとき、発光素子パッケージの演色指数(CRI)は90Ra以上99Ra以下であり得る。
【0166】
前記第1実施形態〜第3実施形態では、青緑色蛍光体を含み、その含量を調節して、光効率に不利な赤色の代わりに青緑色を多量使用するように配合することによって、色温度(CCT)が2,000K〜10,000Kである条件で、演色指数(CRI)60Ra以上99Ra以下を有する発光素子パッケージを実現することができる。
【0167】
また、実施例の発光素子パッケージは、440nm〜460nmの領域の第1ピーク、490nm〜510nmの領域の第2ピーク、530nm〜540nmの領域の第3ピーク、及び650nm〜655nmの領域の第4ピークのピークパターンを有する発光スペクトルを有することができる。
【0168】
例えば、
図21、
図23及び
図25に示された発光スペクトルは、青緑色蛍光体を含有せず、従来の緑色蛍光体及び赤色蛍光体が配合されて製作されたLED素子の発光スペクトルを示したものである。
【0169】
例えば、
図21は第1実施形態、
図23は第2実施形態、
図25は第3実施形態でそれぞれ青緑色蛍光体が除外された発光素子パッケージに対する発光スペクトルであり得る。
【0170】
一方、
図22、
図24及び
図26は、前記第1実施形態〜第3実施形態で提示された青緑色蛍光体が配合されて製造された場合、440nm〜460nmの領域(第1ピーク)、490nm〜510nmの領域(第2ピーク)、530nm〜540nmの領域(第3ピーク)及び650nm〜655nmの領域(第4ピーク)でのピークパターンを有する発光スペクトルを確認することができる。
【0171】
例えば、
図22は第1実施形態、
図24は第2実施形態であり、
図26は第3実施形態の発光素子パッケージに対する発光スペクトルであり得る。
【0172】
上述した発光素子パッケージの実施例において、色温度(CCT)2700K〜6500Kの条件で演色指数(CRI)が65以上98以下に維持され、また、改善された光束特性を有することができる。
【0173】
例えば、発光素子パッケージの実施例は、発光素子上に緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青緑色発光蛍光体が分散分布するタイプ(dispersive type);コンフォーマルタイプ(conformal type);またはリモートタイプ(remote type);で製作されたLEDパッケージを含む。
【0174】
図27は、蛍光体が発光素子上に分散分布するタイプ(dispersive type)で製作された白色LED素子の概略的な構成図であって、通常の方法を用いて製作される。
【0175】
図28は、蛍光体組成物がコンフォーマルタイプ(conformal type)で発光素子上にコーティングされて形成される発光素子パッケージの実施例を示した図であって、蛍光体は、発光素子と隣接して形成されてもよい。
【0176】
図29は、蛍光体がリモートタイプ(remote type)で配置される実施例を示した図である。
図29の実施例において、リモートタイプの蛍光体層は、セラミック、ポリマー、PIG(Phosphor In Glass)などのプレートで形成されてもよい。
【0177】
図30は、発光素子パッケージの他の実施例であって、蛍光体組成物は、発光素子上にスプレー方式で塗布された後、硬化して形成されてもよい。
【0178】
上述した実施例の発光素子パッケージは、照明装置の光源として含まれてもよい。
【0179】
例えば、実施例の発光素子パッケージは、輝度及び演色性に優れるため、カメラフラッシュ、ノートパソコン、モバイル、スマートフォン、TV用バックライトユニット及びディスプレイからなる群から選択される電子部品分野用光源として含まれてもよい。
【0180】
または、車両用ヘッドランプ、室内灯、室外灯、街灯、電光板照明、競技場照明、医薬用光源、展示場用光源及び農業用光源などの各種照明製品あるいは光源に含まれてもよい。
【0181】
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0182】
本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0183】
<実施例1> 青緑色蛍光体の製造及び物性評価
BaCO
3、Si
3N
4及びEu
2O
3などの原料塩をそれぞれ定量し、ボールミル(Ball Mill)に入れ、8〜24時間の間、イソプロピルアルコールを溶媒としてボールミリングした後、乾燥させた。その後、1300℃の温度で、3時間の間、水素ガスを100sccmの流量に制御された還元雰囲気下で焼成して、蛍光体を製造した。このとき、融剤を使用した。
【0184】
表1〜表4は、化学式1の組成式で表される実施例に対する光特性の結果である。
【0185】
表1〜表4では、Ba
aSi
bO
cN
dC
e:Eu
hの組成式において各元素イオンのモル比率に従って蛍光体を製造し、その蛍光体の物性を、下記の表1〜表4に示す。
【0190】
前記表1〜表4の蛍光体の物性評価、及び
図1〜
図4で化学式1の組成式から得られた蛍光体の励起スペクトルと発光スペクトルの特性から、カチオンとアニオンの成分及びその組成比によって製造された蛍光体は、300nm〜500nmの波長領域を励起源とし、460nm〜540nmの発光波長を放出し、その発光中心波長が490nm〜500nmである青緑色発光蛍光体であることを確認することができる。
【0191】
表5は、化学式1において、AがBaであり、BがSi、CがFであり、REがEuである場合における青緑色蛍光体の実施例を示したものである。
【0192】
すなわち、表5の実施例は、Ba
aSi
bO
cN
dF
e:Eu
gにおいて、aが0<a≦15であるときの光特性を示したものである。上記の化学組成式において、5≦b≦15であり、2≦c≦7、5≦d≦20、0<e≦1、0<g≦1であってもよい。
【0193】
例えば、実施例1−1〜実施例1−4は、他の成分の組成比は同一であり、単にBaの含量が異なるケースに該当し得る。
【0195】
表5の結果を参照すると、化学式1の組成式において、Baのモル比率であるaが0<a≦15である場合、光束に優れた青緑色蛍光体を具現することを確認することができる。
【0196】
<実施例2> 青緑色蛍光体の製造及び物性評価
下記の表6〜表9では、提示されたBaCO
3、MgF
2、Si
3N
4及びEu
2O
3を使用する以外は、前記実施例1と同様に行って蛍光体を製造した。
【0197】
前記製造された蛍光体の物性を、下記の表6〜表9に示す。
【0198】
表6〜表9では、化学式2で表される実施例に対してBaとMgの組成比を異にして製造された青緑色蛍光体に対する光特性を示す。
【0199】
表6〜表9において、光束(Intensity)は、発光スペクトルでの発光ピークの面積を示すもので、測定した蛍光体の総発光量に該当し得る。
【0200】
表6〜表9での実施例は、化学式2の組成式を有する実施例であって、例えば、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
e:Eu
gであり、組成式において、5≦b≦15であり、2≦c≦7、5≦d≦20、0<e≦1、0<g≦1であってもよい。
【0201】
表6は、Ba
xMg
ySi
5.45O
2.8N
7F
0.22:Eu
0.15でのBaとMgの組成比を調節して測定した光特性値を示したものである。
【0202】
表6の結果を参照すると、化学式2において、Baのモル比は、0.5よりも大きく、2.5以下であってもよく、Mgのモル比は、0よりも大きく、2以下であってもよく、化学式2のx+yの値は、0.5<x+y≦2.5であってもよい。
【0203】
また、例えば、Mgのモル比は、0よりも大きく、0.5以下であってもよい。
【0205】
図6は、表6の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0206】
表6及び
図6を参照すると、化学式2の組成式で表される表6の実施例は、490nm〜500nmの発光中心波長を有する青緑色蛍光体であることを確認することができる。
【0207】
図6の図示を参照すると、Mgの含量が増加すると光束値が増加するが、Mgの値が0.5以上では、光束の減少が大きくなることがわかる。
【0208】
前記表6から確認されるように、発光中心波長495nmの青緑色発光蛍光体が製造され、また、その物性評価における輝度及び半値幅の結果から、BaイオンサイトにMgイオンが充填されて、結晶性が安定化することを確認することができる。
【0209】
表7は、Ba
xMg
ySi
5.45O
2.8N
7F
0.22:Eu
0.15でのBaとMgの組成比を調節して光特性を測定した結果である。
【0210】
表7で使用された化学式2の実施例において、Baのモル比は、1.5よりも大きく、3.5以下であってもよく、Mgのモル比は、0よりも大きく、2.5以下であってもよく、化学式2のx+yの値は、1.5よりも大きく、3.5以下であってもよい。
【0211】
例えば、Mgのモル比は、0よりも大きく、0.8以下であってもよい。
【0213】
図7は、表7の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0214】
図7を参照すると、Mgの含量が増加すると光束値が増加するが、Mgの値が0.8よりも大きい場合、光束の減少が大きくなることがわかる。
【0215】
表8は、Ba
xMg
ySi
12.1O
3.3N
18F
0.22:Eu
0.15でのBaとMgの組成比を調節して光特性を測定した結果である。
【0216】
表8で使用された化学式2の実施例において、Baのモル比は、3.5よりも大きく、7.5以下であってもよく、Mgのモル比は、0よりも大きく、5以下であってもよく、化学式2のx+yの値は、3.5よりも大きく、7.5以下であってもよい。
【0218】
図8は、表8の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0219】
例えば、表8及び
図8を参照すると、実施例において、Mgのモル比率は、0よりも大きく、1.7以下であってもよく、Mgの含量が増加するにつれて光束が増加するが、Mgが0.5のときに最大値を有し、その後に再び光束が減少することがわかる。
【0220】
表9は、Ba
xMg
ySi
14.95O
5.3N
19.9F
0.67:Eu
0.15でのBaとMgの組成比を調節して光特性を測定した結果である。
【0221】
表9で使用された化学式2の実施例において、Baのモル比は、7.5よりも大きく、14.5以下であってもよく、Mgのモル比は、0よりも大きく、10以下であってもよく、化学式2のx+yの値は、7.5よりも大きく、14.5以下であってもよい。
【0223】
図9は、表9の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0224】
例えば、表9と
図9を参照すると、実施例において、Mgのモル比率は、0よりも大きく、2.5以下であってもよく、Mgの含量が増加するにつれて光束が増加するが、Mgが1.5以上のとき、光束が再び減少することを確認することができる。
【0225】
表6〜表9でBaとMgの比率を変化させた実施例を記述したが、化学式2で表される実施例の青緑色蛍光体においてBaとMgのモル比率は、表で提示されたものに限定されない。
【0226】
表6〜表9の実施例を参考すると、Baのモル比率であるxの値が0.5<x≦14.5であるとき、Mgのモル比率であるyは、0<y≦10であり、0.5<x+y≦14.5であってもよい。
【0227】
例えば、Baのモル比率であるxの値が2≦x≦5であるとき、Mgのモル比率であるyは0<y≦2であり、2<x+y≦7であるとき、実施例の青緑色蛍光体は優れた発光特性を示すことができる。
【0228】
しかし、化学式2の実施例においてBaとMgのモル比率は、これに限定されず、xとyの値は、提示された比率と異なってもよい。
【0229】
表6〜表9の実施例の結果を参照すると、蛍光体の実施例においてBaとMgを含むことによって、青緑色の発光波長特性を有し、且つ光束が改善された蛍光体を得ることができる。
【0230】
また、Baに対するMgの含量を増加させて青緑色蛍光体の光束を改善することができる。
【0231】
すなわち、2価カチオンとしてBa
2+以外にMg
2+を追加することによって、Ba
2+イオンよりもイオン半径の小さいMg
2+イオン(原子半径が160pm)が母体(lattice)にさらに組み込まれて結晶構造を形成することができる。
【0232】
イオン半径がさらに小さいMgが含まれることによって、BaとMgを含む青緑色蛍光体は、単一相の結晶構造内の格子欠陥を最小化し、高い光効率及び温度安定性を有することができる。
【0233】
図6乃至
図9を参照すると、化学式2で表される青緑色蛍光体の発光波長は460nm〜540nmであり、発光ピークの中心波長は490nm〜500nmであり得る。
【0234】
実施例の青緑色発光蛍光体は、結晶性を最も良くすることができるBa、Mgなどを含むことができ、BaとMgの組成比の調節と共に、追加されるカチオンとアニオンの成分及び組成比を最適化することができる。
【0235】
例えば、アニオンであるNイオンとOイオンの組み合わせにより発生する結晶内の格子欠陥を安定化させることができるように、カチオンとアニオンを追加し、組成比を最適化することができる。
【0236】
<実施例3> 青緑色蛍光体の製造及び物性評価
下記の表10では、提示されたBaCO
3、MgF
2、Si
3N
4、Eu
2O
3及びK
3PO
4を使用する以外は、前記実施例1と同様に行って蛍光体を製造した。
【0237】
前記製造された蛍光体の物性を、下記の表6〜表9に示す。
【0238】
表10では、化学式3で表される実施例に対してKとPの組成比を異にして製造された青緑色蛍光体に対する光特性を示す。
【0239】
表10において、光束(Intensity)は、発光スペクトルでの発光ピークの面積を示すもので、測定した蛍光体の総発光量に該当し得る。
【0241】
表10で示される実施例は、化学式3の組成式で表すことができ、例えば、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
WP
Z:Eu
hの組成式で表すことができる。
【0242】
表10は、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
WP
Z:Eu
hの組成式において、他の成分の含量は固定し、KとPの含量を調節して測定した光特性値を示したものである。
【0243】
例えば、表10の実施例は、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
WP
Z:Eu
hにおいて、0.5<x≦15、0<y≦10、0.5<x+y≦15、5≦b≦15であり、2≦c≦7、5≦d≦20、0<e≦1、0<h≦1であってもよい。
【0244】
表10の結果を参照すると、化学式2において、Kのモル比は、0よりも大きく、6以下であってもよく、Pのモル比は、0よりも大きく、2以下であってもよい。
【0245】
例えば、Kのモル比は、0.2以上であり、0.6以下であってもよい。
【0246】
図10は、表10の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0247】
表10及び
図10を参照すると、Kの含量に応じて光束が変化し、Kが0.6モル以下のときは、Kの含量が増加すると光束値が増加するが、Kのモル比率の値が0.6モルよりも大きいときは、光束の減少が大きくなることがわかる。
【0248】
また、
図10を参照すると、実施例の発光中心波長は490nm〜500nmにおいて青緑色発光特性を有することがわかる。
【0249】
前記表10から確認されるように、発光中心波長492nm〜495nmの青緑色発光蛍光体が製造され、また、Kが青緑色蛍光体の格子結合をさらに堅固にすることで、実施例の青緑色蛍光体は、光特性及び熱安定性を改善する効果を有することができる。
【0250】
一方、表10の実施例において、例えば、Pの含量は、0よりも大きく、0.2以下であってもよい。
【0251】
<実施例4> 青緑色蛍光体の製造及び物性評価
下記の表11では、提示されたBaCO
3、MgF
2、Si
3N
4、Eu
2O
3、K
3PO
4及びLiFを使用する以外は、前記実施例1と同様に行って蛍光体を製造した。
【0252】
表11では、化学式3の組成比を有するように製造された蛍光体の物性を示す。
【0253】
表11では、化学式3で表される実施例に対してLiとFの含量を異にして製造された青緑色蛍光体に対する光特性を示す。
【0254】
表11において、光束(Intensity)は、発光スペクトルでの発光ピークの面積を示すもので、測定した蛍光体の総発光量に該当し得る。
【0256】
例えば、化学式3の組成式は、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
wP
zLi
v:Eu
hで表すことができ、表11は、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
wP
zLi
v:Eu
hの組成式において他の成分の含量は固定し、Li及びFの含量を調節して測定した光特性値を示したものであり得る。
【0257】
例えば、表11の実施例である化学式3の組成式は、Ba
xMg
ySi
bO
cN
dF
eK
wP
zLi
v:Eu
hであってもよく、ここで、0.5<x≦15、0<y≦10、0<x+y≦15、5≦b≦15、2≦c≦7、5≦d≦20、0<e≦1及び0<h≦1及び0<w≦6であり、0<z≦2であってもよい。
【0258】
表11の結果を参照すると、化学式3において、Liのモル比は、0よりも大きく、6以下であってもよい。また、Fのモル比は、0よりも大きく、6以下であってもよい。
【0259】
例えば、Liの量は、0よりも大きく、1.4以下であってもよい。
【0260】
図11は、表11の実施例の組成式を有する青緑色蛍光体に対して発光波長特性を示した図である。
【0261】
表11及び
図11を参照すると、LiとFの含量に応じて光束が変化し、LiFが1.4モル以下では、LiFの含量が増加すると光束値が増加するが、LiFのモル比率の値が1.4よりも大きいときは、光束の減少が大きくなることがわかる。
【0262】
また、
図11を参照すると、実施例の発光中心波長は490nm〜500nmにおいて青緑色発光特性を有することがわかる。
【0263】
前記表11から確認されるように、発光中心波長492nm〜495nmの青緑色発光蛍光体が製造され、また、Liが青緑色蛍光体の格子結合をさらに堅固にすることで、実施例の青緑色蛍光体は、光特性及び熱安定性を改善する効果を有することができる。
【0264】
<実験例1> 蛍光体の粒子サイズ分布(PSA)の測定
図13は、実施例の青緑色発光蛍光体に対して粒子サイズ分布(PSA)を測定したものである。例えば、粒子サイズ分布の実験例に使用された実施例の蛍光体は、Ba
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15の組成式で表すことができ、具体的な結果を、下記の表10に記載した。
【0265】
下記の表12の結果から、本発明の青緑色発光蛍光体は、分布度(Dispersive)D10:1μm以上10μm未満、D20:5μm以上15μm未満、D30:10μm以上20μm未満、D40:10μm以上25μm未満、D50:10μm以上30μm未満、D60:15μm以上30μm未満、D70:15μm以上35μm未満、D80:20μm以上40μm未満、D90:20μm以上70μm未満、D100:25μm以上100μm未満の粒子サイズ分布(PSA)を有することを確認した。
【0267】
<実験例2> 蛍光体のEDX分析
実施例の青緑色発光蛍光体に対してエネルギー分散型分光計(Energy Dispersive Spectrometer)(Thermo、Noran)を用いて分析(EDX)を行った。
【0268】
そこで、EDX分析の結果、本発明の青緑色発光蛍光体が含む成分に対するWt%及びAt%を、下記の表13に記載し、
図14に分析結果を示す。
【0270】
前記表13からわかるように、蛍光X線分析で本発明の青緑色発光蛍光体を定量的に分析した結果、Ba、Mg、Si、O、N、F、Euの元素を確認した。より具体的には、それぞれの元素のAt%対して、20≦Ba≦35、1≦Mg≦10、25≦Si≦45、10≦O≦20、10≦N≦20、1≦F≦10、0.1≦Eu≦5の範囲を有し、元素の総At%が100になる蛍光体が製造されたことを確認した。
【0271】
<実施例5> 青緑色(BG)蛍光体を含む発光素子パッケージの実施例
<実施例5−1〜5−4> 第1実施形態による発光素子パッケージの製作
第1実施形態の発光素子パッケージに含まれる蛍光体組成物には、緑色蛍光体として、525nm〜535nmの中心発光波長を有するLuAG系蛍光体(Lu,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+、赤色蛍光体として、625nm〜635nmの中心発光波長を有する(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu
2+、及び化学式3の青緑色蛍光体(BG)が含まれ得る。例えば、化学式3の組成式において、AはBa及びMgであり、BはSiであり、CはFであり、DはLi及びKを含み、EはPであり、REはEuであってもよい。
【0272】
緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青緑色蛍光体は、表14に提示された割合で配合し、紫外線又は青色光を励起源として放出する発光素子上に塗布又は薄膜型に配置された後、100℃〜160℃で1時間の間硬化させて固定されてもよい。
【0273】
<比較例1〜2>
下記の表14に提示された割合で配合すること以外は、比較例の発光素子パッケージは、前記実施例5−1〜5−4と同一に製造された。
【0275】
<実施例5−5〜5−6> 第2実施形態の発光素子パッケージの製作
第2実施形態の発光素子パッケージに含まれる蛍光体組成物には、緑色蛍光体として、520nm〜530nmの中心発光波長を有するLuAG系蛍光体(Lu,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+、赤色蛍光体として、650nm〜665nmの中心発光波長を有する(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu
2+、及び化学式3の組成式を有する青緑色蛍光体の実施例が含まれ得る。
【0276】
緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青緑色蛍光体は、表15に提示された割合で配合し、紫外線又は青色光を励起源として放出する発光素子上に塗布又は薄膜型に配置された後、100℃〜160℃で1時間の間硬化させて固定されてもよい。
【0277】
<比較例3>
下記の表15に提示された割合で配合すること以外は、前記実施例5−5と同一に製造された。
【0279】
<実施例5−7〜5−10> 第3実施形態の発光素子パッケージの製作
第3実施形態の発光素子パッケージに含まれる蛍光体組成物には、緑色蛍光体として、535nm〜545nmの中心発光波長を有するLuAG系蛍光体(Lu,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+、赤色蛍光体として、650nm〜665nmの中心発光波長を有する(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu
2+、及び化学式3の組成式を有する実施例の青緑色蛍光体を含むことができる。
【0280】
緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青緑色蛍光体は、表16に提示された割合で配合し、紫外線又は青色光を励起源として放出する発光素子上に塗布又は薄膜型に配置された後、100℃〜160℃で1時間の間硬化させて固定されてもよい。
【0281】
<比較例4>
下記の表16に提示された割合で配合すること以外は、前記実施例5−7と同一に行った。
【0283】
<実験例1> 演色指数(CRI)の測定
前記で製造された白色を放出する発光素子パッケージと商用LED素子との間の演色指数(CRI)を測定した。
【0284】
演色指数(CRI)は、人工光源がどれくらい基準量と類似に物体の色を表すかを示す数値であって、演色指数100に近いほど好ましい。その結果を、下記の表17〜表19に記載した。
【0288】
前記表17〜表19の結果から確認されるように、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の発光波長領域別に青緑色(BG)発光蛍光体の含量が調節され得る。
【0289】
例えば、第3実施形態において、上述した化学式3の組成式を有する青緑色蛍光体が10〜15重量%含有される場合、演色指数(CRI)の範囲が95Ra以上99Raを具現し、白色光を放出する発光素子パッケージを提供することができる。
【0290】
また、実施例の発光素子パッケージは、実施例の青緑色蛍光体の含量において、従来の緑色蛍光体及び赤色蛍光体の配合で製造された場合(比較例1〜比較例4)と比較して、演色指数(CRI)が著しく増加した。
【0291】
前記第1実施形態〜第3実施形態で提示された青緑色蛍光体の含量に調節され、光効率に不利な赤色の代わりに青緑色を多量使用するように配合することによって、実施例の発光素子パッケージは、色温度(CCT)が2,000K〜10,000Kの条件で、演色指数(CRI)60Ra以上99Ra以下を具現することができる。
【0292】
<実施例5−11〜5−14> 化学式2の組成式を有する青緑色(BG)蛍光体を含む発光素子パッケージ
化学式2の組成式で表される青緑色(BG)発光蛍光体を使用し、表20に記載された組成のように配合すること以外は、前記実施例5−1と同一に行って発光素子パッケージを製造した。例えば、化学式2の組成式において、BはSiであり、CはFであり、REはEuであってもよい。
【0293】
<比較例5> 第3実施形態による発光素子パッケージの製作
下記の表20に提示された割合で配合すること以外は、前記実施例5−1と同一に行った。
【0295】
以上の化学式2の組成式による青緑色(BG)蛍光体を使用し、第3実施形態の緑色蛍光体と赤色蛍光体との組み合わせによって製作された白色LED素子の場合も、色温度(CCT)が2,000K〜10,000Kの条件で、60Ra以上99Ra以下を具現する演色指数(CRI)を確認した。
【0296】
<実験例3> 演色指数(CRI)の測定
例えば、実験では、前記で製造された蛍光体のうち、Ba
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15蛍光体を用いた白色LED素子であり得、このような実施例の白色LED素子と商用LED素子との間の演色指数(CRI)を測定した。
【0297】
演色指数(CRI)は、人工光源がどれくらい基準量と類似に物体の色を表すかを示す数値であって、演色指数100に近いほど好ましい。その結果を、下記の表21に記載した。
【0299】
表21から確認されるように、商用白色LED素子は、440〜465nmの領域の青色LED発光素子上に520〜560nmの緑色蛍光体と600〜670nmの赤色蛍光体を組み合わせて具現するものであって、色温度(CCT)が2700〜6500Kで演色指数(CRI)Ra>90の具現が可能である。
【0300】
また、本発明のBa
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15青緑色蛍光体を用いた白色LED素子の場合も、色温度(CCT)が2700〜6500Kで演色指数(CRI)Ra>90を具現した。
【0301】
現在のLED発光素子を含む発光素子パッケージでは、色温度(CCT)が2700〜6500Kで演色指数(CRI)が1増加するに伴い、光束が約2〜3%の効率で低下するが、本発明の一実施例であるBa
2.84Mg
0.11Si
5.95O
3.4N
8.33F
0.22:Eu
0.15青緑色蛍光体を使用することによって、演色指数(CRI)の増加に伴い、光束が1〜2%の効率で低下して、光束が低下する部分を大幅に減少させるので、全体的に発光素子パッケージの光束を向上させることができる。
【0302】
例えば、緑色蛍光体(Lu
3Al
5O
12:Ce)と赤色蛍光体(CaAlSiN
3:Eu)を用いて通常の方法で白色を具現する場合、演色指数(CRI)が80から90に増加しながら、色温度(CCT)が2700K〜6500Kの条件で、光束が約20〜30%低下する。このとき、演色指数(CRI)が80のとき、光束が100%であれば、演色指数(CRI)が90のとき、光束が約70〜80%の水準である。
【0303】
一方、青緑色蛍光体の実施例を緑色蛍光体と赤色蛍光体に加えてさらに含有させて、白色光を放出する発光素子パッケージを製作する場合、演色指数(CRI)が80のとき、光束が100%であれば、演色指数(CRI)が90のとき、光束が約80〜90%の水準に観察され、光束が10%前後に向上することができる。
【0304】
結果的に、商用白色LED素子と同一のCRI値を維持しながらも、本発明の青緑色発光蛍光体をさらに含有して製作された白色LED素子は、8.9〜9.6lmで、約8%の光束が増加する結果を確認することができる。
【0305】
したがって、実施例の青緑色蛍光体を使用した白色光を放出する発光素子パッケージは、赤色蛍光体成分の過度な使用を抑制しながら、赤色蛍光体が一部の他の蛍光体の効率を減少させる部分を緩和して光束を向上させ、演色性を増加させて、発光効率を高めることができる。