(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記1つ又は複数のコンポーネントは、SAWフィルタ、BAWフィルタ、水晶フィルタ、セラミックフィルタ、メカニカルフィルタ、LC共振器、アクティブRC、RC又はLCの変形回路のうちの1つ又は複数であって、
ここで、Cは可変キャパシタ、又は可変容量を有するアクティブコンポーネントに置き換えられる請求項4記載のシステム。
低雑音増幅器の相補回路として使用するためのシステムであって、通信装置の受信チェーンにおける上記低雑音増幅器の後段又は前段に配置されるように構成されたシステムであり、上記システムは、
第1の周波数を有するシステムの入力において入力信号を受信し、入力信号に基づいて発振を発生するように構成された増幅回路と、
上記増幅回路に接続され、上記発振を周期的にクランプして再起動するように所定のしきい値に基づいて発振を停止することで電圧スパイク列を発生するように構成されたサンプリング回路と、
上記増幅回路に接続され、上記システムの動作周波数を確立するように構成された第1の共振回路と、
上記第1の共振回路又は上記増幅回路のうちの少なくとも1つに接続され、第2の周波数を有するシステムの出力において出力信号を発生するように構成された第2の共振回路とを備え、
上記第2の周波数は上記第1の周波数と実質的に同じであり、
上記出力信号は上記入力信号の周波数変換なしに上記出力において発生され、
上記出力信号は第2の周波数を有し、
上記第2の共振回路は、1つ又は複数のコンポーネントを備え、上記1つ又は複数のコンポーネントは出力インピーダンスに整合するように最適化されたシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
対数検出器の新しいタイプは本明細書に記載される。既存の対数検出器の構造及び実装の例としては2011年3月22日に発行された特許文献1に記載され、これは参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示された対数検出器についてさらに
図1に示す実施形態を参照して説明する。
【0009】
図1は、対数検出器100の実施形態を示すブロック図である。本実施形態では、「入力」とラベル付けされた入力端子からの入力信号は増幅回路104によって受信される。増幅回路104は入力信号を増幅するように構成され、例えばオペアンプ、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、電界効果トランジスタ(FET)、又は他のディスクリートトランジスタ、真空管、RFアンプ等の任意の適切な増幅素子を含むことができる。発振は電気的ノイズ及び/又は所望の信号に応答して増幅回路104において開始する。当該発振は、入力信号の大きさに応じて、周期的に停止させる。フィードバック回路であるように構成される共振回路108は動作周波数を制御するために、増幅回路104と並列に接続される。
図1の実施形態において、共振回路108は直列LC回路を含むことができ、LとCの値は、対数検出器100の動作周波数に対応する共振周波数を有するように選択されていてもよい。上記発振はLとCの値によって決定される周波数で増幅回路104に設定される。これにより、LC共振の外側のノイズは、LC回路の動作に最小限の影響を有する。LC共振の帯域内の入力信号は、より迅速に、単独でランダムノイズよりも発振を開始する。回路の評価係数又はQ値は、共振回路108に使用される複数のコンポーネントによって主に決定される。高いQ値を有する回路は、共振回路108において例えば水晶発振子を使用することによって達成することができる。周波数選択性、スカート比、全体のLDA再生、Q値はまた、他の可能な複数のパラメータの中で、例えば瞬時利得、1サイクル消光利得、周波数F_rep、
図5のキャパシタC1、及び増幅器の入力バイアスレベル(電圧又は電流)などの他の複数のパラメータ依存する。
【0010】
サンプリング回路112は増幅回路104に接続される。サンプリング回路112は増幅回路104への電圧供給ラインに流れる電流を効果的にサンプリングするように構成することができる。所定のしきい値に到達すると、サンプリング回路112は発振を停止するように動作する。すなわち、しきい値に達したとき毎に、サンプリング回路112は、周期的に発振を停止するために使用される。周波数/電圧変換器116は、サンプリング回路112に接続される。周波数/電圧変換器116への入力は、本明細書でさらに後述されるようにF_repとして示される電圧スパイク列を含む。上記電圧スパイク列の周波数は、入力信号の電力の対数に従って実質的に変化する。周波数/電圧変換器116の出力は、例えば入力スパイクの周波数に比例するDC電圧である。
【0011】
入力信号が変調される場合には、周波数/電圧変換器116の出力は直流電圧成分と交流電圧成分を含むことができる。交流成分は入力された変調に対応し、事実上ベースバンドにおける復調された入力信号のコピーである。
【0012】
対数検出器の実施形態は、上述の様々なエレクトロニクスのアプリケーションのために実装される様々な方法で適合させることができる。対数検出アンプ(LDA)システムは、特定の基本的な特性を備えていてもよく、目標のアプリケーションで適切な性能の増大のために変形することができる。
図2はLDAシステムの実施形態200を示すブロック図である。LDAシステム200は、分離回路204と、マッチング回路網208と、LDAコア212と、ブースタ回路216と、周波数/電圧変換器220とを含む。出力1としてラベル付けされた出力は、この例では周波数/電圧変換器220に接続される。ブースタ回路216及び/又は周波数/電圧変換器220はオプションの素子であってもよく、それらの一方又は両方は対象アプリケーションに応じて省略することもできる。LDAシステム200は、ブースタ回路216と周波数/電圧変換器220とを含まない場合、
図2の出力2で表されるように、出力ポートはLDAコア212から直接に設けてもよい。LDAコア212は、
図1の対数検出器100の増幅回路104、共振回路108及びサンプリング回路112と同様に動作して機能するように構成された、増幅回路224、共振回路228及びサンプリング回路232を含む。
【0013】
分離回路204は、受信チェーンを保護して再生を最適化するために、特定のTxチェーンにおいて、LDAコア212からの電力漏洩及び複数の反射信号と、周囲の回路からの他の干渉効果をフィルタにより除去するために用いられる。特に、入力信号に対して未知の位相を有してLDAコアから分離回路204に反射されて戻ってくる複数の信号は、再生ビルドアッププロセスが同期しているときに信号再生に有害な影響を与える。位相信号のうち入力信号と混合して反射される信号は所望に応じて再生処理を実現することができず、性能の低下が生じることがある。
【0014】
漏洩された電力はまた、例えばアンテナのような受信機入力への経路において発見され、不要輻射及びEMIとして放射される。分離回路204は、分離のためにサーキュレータを含むことができる。受信チェーンのサーキュレータは複数のRx信号を通過するように、またグランドに対する不要な漏れ及び反射を短絡するように構成してもよい。典型的なサーキュレータはフェライトなどの強磁性素子を含み、非直線性を補正する。しかしながら、強磁性素子は一般的に大型で高価である。サーキュレータの他の種類は、大幅な小型化を可能にするナノ強磁性構造及びメタマテリアルを含んでもよい。サーキュレータの代わりに、分離回路204は(能動回路のための)増大利得、改良された分離、信号対雑音比及び帯域幅を提供する、低雑音増幅器(LNA)又は任意の受動又は能動素子を有するように構成してもよい。もし入力信号及び/又は雑音指数の低減の減衰が許容される場合は、抵抗減衰器、抵抗性スプリッタ、ウィルキンソンスプリッタ、又はカプラを使用することができる。マッチング回路網208は、インピーダンス整合及び/又は位相補正のために使用することができる。
図1を参照して説明したものと同様の機構に基づいて、LDAコア212は電圧スパイク列を出力し、その周波数F_repは入力信号の電力の対数として実質的に変化する。信号F_repは出力2から出力されて、もしくはブースタ回路216及び/又は周波数/電圧変換器220に送信することができ、さらに処理されて出力1から出力される。ブースタ回路216は、例えば約100mVから数Vまでの信号F_repを増幅するために、1つ又は複数のトランジスタ又は任意の他の適切な増幅構成要素を含むことができる。ブースタ回路はさらに、増幅された信号F_repをデジタル化してクリーンでシャープなスパイクを得るためにデジタルインバータとして、シュミットトリガ回路又は任意の簡単なデジタル回路を含むことができる。ブースタ回路216からの出力信号は、周波数/電圧変換器220を送信することができ、ここで、例えば可聴範囲のような信号は直流プラス交流電圧に変換されて出力1から出力される。
【0015】
前述したように、LDAシステム200は、目標のアプリケーションに適した性能の向上のごとく
図1に示すように対数検出器の特定の基本的な特性を含む。例えば、動作周波数は共振回路におけるLとCの値を選択することによって決定することができる。従って、LDAコア増幅回路と接続させて、帯域外の大きな除去、高スカート比、高い信号対雑音比は、種々に変形されるように、LDAシステム200を使用することによって達成することができる。すなわち、LDAシステム200は高度な周波数選択的アプリケーションのために実装されてもよい。また、サンプリング回路は、しきい値に達したとき毎に、周期的に発振を停止するために使用することができ、自己消光及び時間依存サンプリング機能を提供する。このように、複数の発振の再生特性は、増幅回路の低瞬時再生利得及び複数の発振のクランプ及び再起動することによって向上させることができ、高いRx感度を生じさせる。増幅回路の低瞬時再生利得は、実施形態において1〜5の範囲であってもよい。しかしながら、再生のサイクル全体にわたるLDA利得は、実質的により高くなる可能性がある。一般に低利得から高利得にすることができ、例えば−10dBから+50デシベルまでの範囲にある。典型的なLNAと比較して、信号対雑音比を向上させることができ、受信した出力信号強度インジケータ(RSSI)レベルが高くなることがある。このことは、より小さい又はさらなる増幅が不要であることから、LDAシステム200が使用される以下又は通信装置における複数の受信段階で有利である。LDAの受信感度は、LDAコアの周波数帯域幅を低減することによって増大させることができ、このことは共振回路に高Q値部品を使用することによって達成することができ、ここで、共振回路としては、キャパシタ、インダクタ、SAWフィルタ、BAWフィルタ、セラミック発振子、メカニックの共振器などで構成される。複数のインダクタ及び複数のキャパシタのための高いQ値は、複数の実施形態では25〜200の範囲であってもよい。特に、SAWフィルタ、BAWフィルタ、セラミックフィルタ、及び機械的フィルタのための高いQ値は500〜20,000の範囲であってもよい。
【0016】
実施形態は、弱い受信信号を強い受信信号に再生することができ、通常、対数アンプに関連付けられる周波数の変換せずに、最小限のノイズを加えて選択的にそれを増幅する。
【0017】
図3は、LDAシステムの別の実施形態300を示すブロック図である。LDAシステム300は、分離回路304と、マッチング回路網308、及びLDAコア312を含む。LDAコア312は、
図1の対数検出器100の増幅回路104、共振回路108及びサンプリング回路112と同様に動作して機能するように構成される、増幅回路324、共振回路328、サンプリング回路332を含む。出力Aは、
図2の出力2に対応する。ここで、LDAコア312は電圧スパイク列F_repを出力する。また、周波数F_repが出力されず、ここで開いたままになることがある。LDAシステム300の一例では、共振回路328は、出力Bを介して複数のRF信号を出力するように構成される。出力Bの信号は、電力レベルが高いときに入力信号の実質的に再生されたコピーであるが、出力信号は消光周波数のレートで時間的にサンプリングされてもよいことを除いて、周波数が実質的に同じである。時間サンプリングのために、周波数スペクトルは繰り返して見える場合がある。いくつかのケースでは、クエンチ周波数のパルスは非常に小さいので、当該システムは、クエンチ周波数及び出力B上の出力信号が時間経過で連続して出現しないならば動作する。
【0018】
分離回路304は、電力漏洩、複数の反射信号、周囲の回路からの信号と他の干渉の効果を除去するために使用することができ、特にTxチェーンにおいて、上述のようにRxチェーンを保護し、再生の効率性を軽減させることやEMIとして放射される電力漏洩を回避するためである。分離回路304は分離のためにサーキュレータを含む。Rxのチェーンにおけるサーキュレータは、受信信号をグランドに短絡し、不要な漏れや反射を通過させるように構成することができる。典型的なサーキュレータは、フェライト等の強磁性素子を含むことができ、非直線性を補正する。しかしながら、強磁性素子は、一般的に大型で高価である。サーキュレータの他の種類のサイズの大幅な削減を可能にするナノ強磁性構造とメタマテリアルを含むことができる。サーキュレータ代わりに、分離回路304はLNAを有してもよく、もしくは(能動回路のために)増大利得、分離、信号対雑音比、及び帯域幅を提供するために任意の受動素子又は能動素子を有するように構成してもよい。
【0019】
マッチング回路網308は、インピーダンス整合及び/又は位相補正のために使用することができる。
図1を参照して上述したように同様の機構に基づいて、LDAコア312は、電圧スパイク列F_repを出力する。ここで、F_repは出力Aから出力され、もしくは単に出力されずにオープン状態のままになる。
【0020】
従って、出力Bを介してRF信号を出力するように共振回路328を構成することにより、
図3に示すように、LDAシステムは、様々なRFアプリケーション用に実装されるとともに、従来のRF通信装置と比較して向上した性能レベルを提供する。
図3の回路と
図1の回路との間には以下のような実質的な違いがある。すなわち、
図3の出力Bは、中心周波数の周りに実質的に同一の周波数スペクトルを(ほぼ0.05%〜20%の比率の範囲)を伝送し、入力信号に対して実質的に同じ中心周波数で伝送する。入力と出力Bとの間に周波数シフトは存在しないが、実質的に0.01%から10%の範囲内の周波数比で入力及び出力Aの周波数との間に有意な差がある。しかしながら、出力Aは、入力に対して中心周波数の周りに実質的に同一の周波数スペクトルを有していてもよいが、そのようなより低い中間周波数(IF)として異なる周波数において、周波数F_repは、入力に対する出力Aに実質的に同一である周波数スペクトルのためのために、入力周波数スペクトルよりも大きくする必要がある。例えば、入力周波数信号は500MHzの正弦波とすることができ、当該正弦波は1.5MHzを占有する1MbpsのBPSK変調波を伝送する。LDAは、出力Bの500メガヘルツの周波数を提供するように設計することができ、出力Aは1.5MHzでのBSPK変調を有する5MHzの繰り返し周波数F_repを1.5MHzのBPSK変調波を有して伝送する。
図4は、RF信号を送受信する従来の通信装置の実施形態を示す図である。単一のアンテナ404は、両方の送信(Tx)及び受信(Rx)モードは、この実施形態で使用することができる。Tx/Rxスイッチ408は時間間隔の間にモードに応じてTxチェーン又はRxチェーンのいずれかを選択するためにアンテナ404に接続されてもよい。Rxチェーンは、典型的には、Rxフィルタ412及びLNA416を有することができる。追加のRxフィルタは、フィルタリングレベル及び周波数範囲に依存してLNA416の前段又は後段に、または両方に追加してもよい。LNAは、一般に、感度を上げるためにできるだけ少ないノイズと歪みを添加しながら、受信信号を増幅するために使用される。Rx信号は、LNA416から送受信機420に増幅して出力することができ、最終的にはモデムなどのベースバンド処理部424に到達する。Txチェーンは、電力増幅器(PA)428及び送信フィルタ432を有することができる。追加のTxフィルタは、フィルタリングレベル及び周波数範囲に応じて、PA428の前段又は後段のいずれか又は両方に追加することができる。送受信機420から出力された送信信号は、PA428に送信することができ、ここで、Tx信号は本実施形態に示すように増幅されてTxフィルタ432に出力され、さらにアンテナ404に送られる。送受信機420は、RF信号を処理するために、様々な回路を含んでもよい。これらの回路は、
図4に示されるように、Rxチェーンのための受信信号処理回路436、Txチェーンのための送信信号処理回路440とを含む。Rx信号処理回路436は、ダウン周波数変換のためのダウンコンバータと、変調された信号を復調する復調器と、ベースバンドプロセッサ424に入力されるデジタル信号を発生するアナログ/デジタル変換器と、時間的に遠隔の送信機から受信機とを有する受信シンボルデータストリームを同期させるための同期機能とを含む。
【0021】
例えば、
図4に示すような従来のRF通信装置において、LNA416は、一般的には可能な限り小さなノイズや歪みを追加して受信信号を増幅する。上述したように、LDAシステムは、不要なノイズを最小限に抑えながら複数の信号を増幅する。従って、増大された性能レベルとのRF通信装置の新しいタイプは、
図4の点線のボックスで示すようにRF出力(出力B)を送受信機420に接続することでLNA416をLDAシステム300に置き換えることによって、LDAシステムは、増幅された信号を提供することができる。代替的に、LDAシステムはLNAを相補(補完)するために、受信感度のブースタとしての最初の増幅段として追加してもよい。Rxフィルタ412及び他のコンポーネントもLDAシステムに含まれてもよい。実施形態において、Rxフィルタ412は、削除又は大幅に緩和することができる(すなわちより次数の低いより少ない周波数帯域外を除去し、より手頃な価格となる)。LDAは、周波数選択的であり、高いスカート比のアクティブフィルタ装置として動作するためである。通信装置がWiFiシステムである場合には、約2.4ギガヘルツのRF信号はLDAシステム300によって増幅され、送受信機420に出力される。ここで送受信機420はダウンコンバータを含む。典型的なダウンコンバータは、非常に低い周波数を中心とするベースバンド信号を中間周波数を中心とするデジタル化信号に変換する。そのため、LDAシステム300の出力BであるRF出力から約2.4GHzのRF受信信号を得ることにより、ダウンコンバータを含む既存の送受信技術は変更なしに使用することができる。これにより、ベースバンドプロセッサ424に信号を送信する前において、WiFi(IEEE802.11bから802.11n)のために20MHzから40MHzまでのオーダーでダウンコンバートされた信号を得る。
【0022】
他のアプリケーションは、168MHz、433MHz又は868MHzで使用するためのサブ1GHzの狭帯域送受信機に関する。ここで、変調信号の帯域幅は、数kHzのように低くてもよい。
【0023】
さらに他のアプリケーションは、例えば、1.5GHzでGPSの衛星通信に関する。ここで、受信された無線信号は、非常に低い電力レベルであり、LDAは、非常に低い受信レベルと、比較的低いデータレートアプリケーションのための受信ブースタの候補であってもよい。
【0024】
さらに他のアプリケーションは、60GHz帯のような非常に高い周波数に関する。ここで非常に高速なトランジスタを有する簡単な電子トポロジーが必要とされる。60GHzのCMOSプロセスは、受信ブースタ又は非常に敏感な受信機を提供するためにLNA置換を設計するために使用されてもよい。
【0025】
また他のアプリケーションは、例えばIEEE802.11a−c(5〜6GHzにおいて20Mhzから160MHzまでの帯域幅を有する)、BLUETOOTH、Z−Wave、Zigbee、DECT、DECT6.0、2.5GHzでのDECTなどのWLAN通信規格に関係する他のアプリケーションに関する。
【0026】
さらに他のアプリケーションは以下のようなセルラー通信規格に関する。すなわち、AMPS、PCS、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、CDMA、IS−95、cdmaOne、CDMA2000、エボリューション・データ最適化(EV−DO)、GSM進化のための拡張データレート(EDGE)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、デジタルAMPS(IS−136/TDMA)、統合デジタル拡張ネットワーク(iDENは)、3G、4G、WIMAX、LTEなどであり、これらは数百MHzから数GHzまでの種々の周波数帯域幅を有する。
【0027】
さらに他のアプリケーションは、ケーブル、電力線、電話線、光ファイバを介して無線又は有線システムから送信された様々な変調された通信信号に関する。ここで、搬送波電力及び/又は変調信号は高感度でかつ低い付加ノイズで増幅され、さらに受信機によって処理されることが所望される。
【0028】
図3のLDAシステムは、変調信号に従って、CW RF信号(非変調)又はRF搬送波信号のいずれかを増幅することができる。変調信号はそれぞれ、AM、FM又はPMとして略語化されるアナログ振幅、周波数変調又は位相変調のいずれであってもよし、ASK、OOK、直交m−AM、FSK、MSK、GFSK、GMSK、4−FSK、4GMSK、M−FSK、PSK、QPSK、M−QAMのようなデジタル変調、これらの全ては、変調の異なるタイプのための当技術分野で公知の略語である。より複雑な変調を使用することができ、このような例として、BPSK、QPSK、M−QAM、OFDM、FH−SS、DS−SS、OFDM、MIMO N×Nなどがあり、これらはまた当該分野で公知の略語である。一般的な意味で、
図3に示すLDAシステム300はその再生周波数帯域内の入力からの入力信号を、高い受信感度及び低雑音係数で再生して増幅し、出力B上の周波数変換なしで(すなわち同じ周波数、同じスペクトルで)信号を出力する。これには、搬送波と変調波が含まれている。
【0029】
前述したように、LDAシステム300は、LDA416を置き換えること無く、むしろ、ブロック412と416の間の受信パス内で相補形式でLDAシステム300に対して追加することにより受信ブースタとして
図4の通信装置において実装することができる。この構成では、受信感度は、LDAの高感度、低ノイズ指数、及び増幅の特徴により増大させることができる。
【0030】
別の実施形態において、LDAシステムは、増大するスカート比を有するパルス発振器と増幅器に起因する周波数選択回路とすることができるので、フィルタ412を除去することができる。このことはフィルタ412を置き換えて帯域外の除去性能を超えるように構成してもよい。
【0031】
図5は、LDAシステム300の回路構成の一実施形態を示す。分離回路は入力ポートに接続され、受信チェーンを保護するために、電力漏洩、複数の反射信号、周囲の回路からの他の干渉効果を除去するために用いられ、上述のように、EMIなどの再生効率の低下や放射電力の漏洩を回避することができる。分離回路は、分離の目的のためにサーキュレータを含むことができる。サーキュレータの古いタイプは大型化の傾向があり、高価な強磁性素子を含む。サーキュレータの新しいタイプは、サイズの大幅な削減を可能にするナノ強磁性構造とメタマテリアルを含むことができる。分離回路は、サーキュレータの代わりに、LNAを有するように構成され、もしくは、増大された利得(能動回路用)、分離、信号対雑音比、及び帯域幅を提供する任意の受動又は能動素子を有するように構成することができる。マッチング回路網は、インピーダンス整合及び/又は位相補正のために使用することができる。マッチング回路網は本実施形態においてキャパシタC2を介して、増幅回路の入力部に臨界的に接続されてもよい。不十分な入力エネルギーをLDAに注入されるので、アンダー結合カップリングは再生処理に悪影響を与え得る。システムが過結合され、逆の場合には、再生にも影響を与えることがあり、あまりにも多くの入力エネルギーはLDAに転送されるため、増幅回路は、入力信号を増幅するように構成されてもよく、例えばオペアンプ、BJT、FET、RF増幅器、又は他のディスクリートトランジスタなどの任意の適切な増幅素子を含むことができる。
【0032】
図1の対数検出器において、共振回路108は増幅回路104と並列に接続され、フィードバックループを形成する。対照的に、
図5のLDAシステムは、増幅回路の出力側の増幅回路と直列に接続された共振回路と、増幅回路と並列に接続されたキャパシタC1とを含む。とって代わって、共振回路は、増幅回路の入力側の増幅回路と直列に接続されてもよい。動作周波数は、共振回路におけるL値とC値を選択することによって設定することができる。複数の発振はそのように決定された周波数での増幅回路に設定することができる。サンプリング回路は、本実施形態におけるダイオードD1を介して増幅回路に接続されてもよい。サンプリング回路は、効果的に増幅回路への電圧供給ラインに流れる電流をサンプリングするように構成することができる。所定のしきい値に到達すると、サンプリング回路は発振を停止するように動作することができ、すなわち、サンプリング回路は発振をしきい値に達する毎に周期的に中止することで使用することができる。
図1に示した対数検出器と同様に、サンプリング回路の出力は、電圧スパイク列F_repであってもよい。ここで、F_repは、出力Aから出力されたか、単に出力されずに終端されることができる。
【0033】
LDAシステムの特性に影響を与えることなくRF周波数で複数の信号を出力するために、
図3又は
図5のLDAシステムの共振回路は、
図2におけるLDAシステム200の共振回路228とは異なるように構成することができる。ここで、この目標を達成するために使用することができる様々な技術が存在してもよい。
図6は、LDAの特性に影響を与えることなく、RF信号を出力するための共振回路の実施形態を示す図である。この共振回路は、以下の2つの主要な部分を含んでもよい:直列共振回路部分と並列共振回路部分。この図において、VCCは直流電圧源を示し、共振回路の入力ポートには、増幅回路に接続されるように構成されてもよい。出力ポートは、複数のRF信号を出力するための出力Bに接続されてもよい。直列共振部は、キャパシタCSとインダクタLSを含むことで直列共振を提供する。並列共振回路部分は、分割キャパシタCP1とCP2と並列に接続されたインダクタLPと、キャパシタCP1、CP2の共通ノードに接続された第3のキャパシタCCとを含む。互いに臨界的に接続(結合)させかつ出力インピーダンスのために最適化するようにCP1、CP2及びCCの値を決定することによって、RF信号は最適にタップ出力することができる。また、並列共振回路部分のインダクタとキャパシタのいくつかは、増大された感度で狭い帯域幅を持っているために、高いQ値のインダクタと高いQ値のキャパシタであるように構成することができる。帯域幅は1サイクルのクエンチ利得と同様に瞬時の増幅利得によってさらに決定することができる。増幅器の利得は、典型的には、
図5のキャパシタC1と増幅器のバイアスレベル(電圧又は電流)を設定してもよい。
【0034】
図7Aは、LDAの特性に影響を与えることなく、RF信号を出力するための共振回路の別の実施形態を示す。この図において、VCCは直流電圧源を表し、共振回路の入力ポートには増幅回路に接続されるように構成されてもよく、出力ポートはRF信号を出力するための出力Bに接続されてもよい。この共振回路は、VCCに接続されたインダクタL1と、出力B及び出力ブランチの共振器に接続されたキャパシタC1を含む。ここで、共振器は、RF周波数で信号を通過させるために、表面弾性波(SAW)フィルタ、バルク弾性波(BAW)フィルタ、又は水晶フィルタだけでなく、セラミックフィルタ、メカニカルフィルタ、LC共振器、アクティブRC、RC又はLCの変形回路を含むことができる。ここで、Cは可変キャパシタ、又は可変容量を持つアクティブコンポーネントに置き換えられる。
【0035】
図7Bは、LDAの特性に影響を与えることなく、RF信号を出力するための共振回路の別の実施形態を示し、差動入力/出力共振器が使用されていてもよい。この図において、VCCは直流電圧源を表す。共振回路の入力ポートの一方は、増幅回路、VCCに互いに接続されるように構成されてもよい。第2の出力は接地され、一方の出力ポートの1つは、RF信号を出力するための出力Bに接続されてもよい。この共振回路は、VCCに接続されたインダクタL1と、出力Bに接続されたキャパシタC1と、出力分岐上の差動入力/出力を有する共振器とを含む。
【0036】
共振回路構成の3つの実施形態は
図6、
図7A、及び
図7Bに図示される。各構成では、出力ブランチはさらにアイソレータを含むことができ、すなわち、システムの分離を向上させるために例えば低い利得から中間の利得を有するLNAを含むことができる。さらなる実施形態において、出力ブランチは50Ωパッドを含むことができる。スプリットキャパシタCP1、CP2の構成に代わる構成として、
図6に示すように、インダクタLPをLP1とLP2に分割することができる。このことは相互インダクタンスとともに接続することができる。この構成では、RF出力信号は、LP2の一方の出力ノードにタップすることができる一方、第2のノードは、シングルエンド構成でグランドに接続される。これら及び他の方法のいくつかは、最適のLDAの特性に影響を与えることなくRF信号を出力するために、共振回路を構成するために組み合わされてもよい。
【0037】
図5に戻って、LDAシステムは、増幅回路の出力側の増幅回路と直列に接続された共振回路を含んでもよい。なお、共振回路は、増幅回路の入力側の増幅回路と直列に接続することができる。
図8は、LDAシステム300の回路構成の別の実施形態を示す。ここで、共振回路はフィードバック回路としての増幅回路と並列に接続される。共振回路は、入力/出力シングルエンド又は差動であるように構成することができる。増幅回路の出力側には、チョークL1を介してVCCに接続されてもよいし、キャパシタC1は出力Bに接続される。回路の残りの部分は、
図5に示したものと同様であってもよい。共振回路は、RF周波数で信号を通過させるように、LCフィルタ、SAWフィルタ、BAW、水晶フィルタと、を含むことができる。
図8の例では、VCC、L1及びC1は共振回路に外付け素子として示される。
【0038】
図9は、LDAシステムの回路構成の別の実施形態を示す。共振回路は、増幅回路の入力側の増幅回路と並列に接続されていてもよい。なお、共振回路は、増幅回路の出力側の増幅回路と並列に接続することができる。共振回路の他端はグランドに短絡される。共振回路は、シングルエンド又は差動入力/出力とすることができ、出力の一方は、回路をロードしないために開いた状態のままにすることができる。増幅回路の出力側には、チョークL1を介してVCCに接続される。キャパシタC3は、出力Bに接続される。回路の残りの部分は、
図5に示したものと同様である。
図9の例では、VCC、L1、及びC3は共振回路の外部の構成要素として示される。
【0039】
1つ又は複数の共振回路は、本明細書に示さLDAシステムで使用することができる。少なくとも1つの共振回路は、増幅回路の入力側又は出力側の増幅回路と直列に接続されてもよい。代替的に、少なくとも1つの共振回路は、増幅回路と並列に接続されてもよい。まだあるいは、少なくとも1つの共振回路は、増幅回路の入力側又は出力側の増幅回路と並列に接続されてもよい。また、直列、シャント、並列構成の組み合わせも同様に使用することができる。共振回路のそれぞれは以下に属するグループから選択された1つ又は複数のコンポーネントを含むように構成することができる。すなわち、SAWフィルタ、BAWフィルタ、水晶フィルタ、セラミックフィルタ、メカニカルフィルタ、LC共振器、アクティブRC、又はRC又はLCの変形回路からなるグループから選択される1つ又は複数のコンポーネントを含む。ここで、Cは、可変キャパシタに置き換えられる場合、例えば、バラクタダイオード、又は可変容量を持つアクティブコンポーネントである。さらに、マッチング回路網は、入力、RF出力、又はその両方に接続されるように構成されてもよく、又は省略することができる。同様に、分離回路は、入力、RF出力、又はその両方に接続されるように構成されてもよく、又は省略されてもよい。
【0040】
図10は、トポロジーの実施形態を示す。ここで、LDAシステムは、位相同期ループ(PLL)で実施することができる。
図10では、
図3の概略図が、例えば非常に狭い調整可能な捕捉周波数帯域として追加の特徴を提供するように修正される。ここで、使用する周波数帯域内の特定のチャネルとすることができる基準周波数に同期すること、もしくは、基準周波数は「キャリア抽出回路」(ここで図示せず)を用いて入力搬送波周波数から得られる。元の出力Bは電力スプリッタで以下の2つに分割される:1つは
図10の新しい出力Bであり、他方は第2の出力であって、第2の出力は、Nで除算されたデジタルプログラム可能な又は固定分周器に供給するために増幅器又は減衰器を介して出力信号を通過させる。Nごとにこの分周器は、周波数プリスケーラを含むことができ、ここで、最大周波数はマイクロ波周波数にスケールアップすることができる。結果として得られる信号は、位相/周波数比較器を用いて係数Mで除算した基準周波数F_referenceと比較することができる。位相/周波数比較器は位相差は3ステートスイッチチャージポンプを介して低域通過フィルタに供給することができるアナログ又はデジタルであってもよい。その結果、スイッチが開いているとき、出力電圧はローパスフィルタで一定に保持される。スイッチが閉じているとき、チャージポンプは、低域通過フィルタの出力において電圧を減少又は増加する正又は負の電流パルスを注入する。フィルタの出力電圧は、LDAコア、VTの入力を駆動することができ、これは、電圧制御発振モードで発振周波数を変えることができる。ここで、LDAの入力は、例えば直流電圧が発振周波数を変化させる共振回路又は別のLDA入力ノードにおいて、可変容量ダイオード又はバラクタダイオードであってもよい。LDAコアの入力マッチング回路と入力に絶縁回路を介して接続されてもよい。一方、デジタル整形回路とオプションの調整可能な遅延機能を通過した、出力Aからの信号は位相比較器の3状態のスイッチを駆動する。分周比NとMを調整することにより、PLL及びLDAの捕捉帯域幅は、変更して調整され、又はプログラムされてもよい。最低データレートよりも実質的に遅くなるように、ループ帯域幅を調整することができる。この構成では、PLLは、データレート対遅い反応時間を有しており、データレートは、位相と周波数差をバランスしようとするPLLループに影響されない。変調された入力又はデータレートはそれに影響を与えることなく、PLLを通過することができ、PLLなしで再生することができる。再生処理はPLLとは独立に維持されるから、LDAの受信高感度はPLLによって影響されない。
【0041】
LDAプラスPLLの最初のアプリケーションは、例えば3〜10個のチャンネルの間でチャンネルの場合に、キャプチャ周波数帯域幅を減少させ、使用の帯域の特定のチャネルに周波数帯域幅を低減することができる。このトポロジーは、調整可能な又は固定された帯域幅を有する電子的に調節可能なバンドパスフィルタの機能を提供する。LDAは、その高いスカート比(左と右の周波数エッジの鮮鋭度)と、受信機の選択と不要な干渉除去を高めるのに役立つ可能性があるという事実によりこのようなアプリケーションにおいて有用である。PLLにおいてLDAをロックするとまた温度と周波数ドリフトを補正することを可能にすることができ、その結果、LDAコアのデフォルトの発振周波数が(N/M)×F_referenceの関係を有する。
【0042】
LDA及びPLLの他の構成は、追加の機能を提供するために考案されてもよい。PLLの位相比較器を駆動する基準周波数F_referenceは、入力同期シンボルレートを有する同期信号を提供する回路から得られる。そうすることによって、LDAは、上記同期信号に同期して1シンボル当たり1クエンチ(消光)を提供する。このことは、周波数F_repを、入力変調信号と同じ値に低減することを援助できる。逆の場合には、周波数F_repはナイキスト基準を満たすために少なくとも2回の入力変調である必要がある。
【0043】
この明細書では、多くの詳細を含んでいるが、これらは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、それらのいくつかはクレームにおいて請求するものであるが、むしろ、本開示の特定の実施形態に固有の機能の説明などを含む。個々の実施形態の文脈では、この明細書に記載される特定の機能はまた、単一の実施形態に組み合わせて実施することができる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、別々に複数の実施形態で、又は適切なサブコンビネーションで実施することができる。また、特徴が特定の組み合わせで動作し出願当初に請求項で記載され得るが、請求項の組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、その組合せから行使することができる。そして、権利主張する組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とすることができる。