(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリマーパッチは前記ポリマー複合構造体と同じポリマーマトリックスを有するポリマー複合材料を備え、任意選択で、前記ポリマー複合構造体と同じ補強材料を備える、請求項1に記載の方法。
可撓性テクスチャードシリコーンシートの上に加熱要素を配置するステップをさらに含み、前記加熱要素は熱を加えて前記ポリマーパッチを加熱する、請求項5に記載の方法。
前記圧力を前記ポリマーパッチおよび前記テクスチャードシートに加えるステップは、減圧バッグの縁部が前記ポリマー複合構造体に対して密封されるように前記ポリマーパッチおよびテクスチャードシートの上に減圧バッグを配置し、前記減圧バッグに連通するポートを介して減圧を引くステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記圧力を前記ポリマーパッチおよび前記テクスチャードシートに加えるステップは、前記テクスチャードシート上に配置した熱源の上部にサンドバッグを配置するステップと、任意選択で機械的力を前記サンドバッグに加えるステップとを含む、請求項1に記載の方法。
前記ポリマーパッチを加熱するステップは、前記ポリマー複合構造体の融点よりも30℃高い温度を超えない温度で前記ポリマーパッチを加熱するステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記ポリマーパッチおよび前記ポリマー複合構造体は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、これらのコポリマーからなる群から個々に選択される熱可塑性ポリマーを含み、前記ポリマー複合構造体は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維、高分子量ポリエチレン繊維、麻すさ、およびそれらの組合せからなる群から選択される補強材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ポリマーパッチは前記ポリマー複合構造体と同じポリマーマトリックスを有する熱可塑性ポリマー複合材料を備え、任意選択で、前記ポリマー複合構造体と同じ補強材料を備える、請求項12に記載の方法。
前記ポリマーパッチおよび前記テクスチャードシートに前記圧力を加えるステップは、0.005MPa以上から1MPa以下までの圧力を加えるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022]いくつかの図面の図を通じて、対応する参照番号は対応するパーツを示す。
[0023]当業者に対して本開示を完全にするため、かつ本開示の範囲を十分に伝えるために、例示的の実施形態が提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の組成物、構成要素、デバイス、および方法の例などの多くの特定の詳細が記載される。特定の詳細を採用する必要はないこと、例示的な実施形態は多くの異なる形式で具現化され得ること、および本開示の範囲を制限すると解釈するべきではないことは、当業者には明白となろう。いくつかの例示的な実施形態において、よく知られた処理、よく知られたデバイス構造、およびよく知られた技術の詳細は説明されない。
【0011】
[0024]本明細書で使用される専門用語は、特定の例示的な実施形態を説明する目的のみのためであり、限定を意図するものではない。本明細書で使用される単数形「1つの(a、an、the)」は、別途状況が明白に示されない限り、複数形もまた含むことが意図され得る。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」の用語は、提示された特徴、要素、組成物、ステップ、整数、動作、および/または構成要素の存在を含み、したがって指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/もしくはそれらの群の存在または追加を排除しない。オープンエンドの用語「備える」は、本明細書に記載された様々な実施形態を説明かつ特許請求するために使用する、非制限的な用語として理解されるべきだが、ある態様ではこの用語は、「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)などの、より限定的かつ制限的なものに代わるものと、代替的に理解され得る。したがって、所与の実施形態が列挙する任意の組成物、材料、構成要素、要素、特徴、整数、動作、および/または処理ステップについて、本開示もまた、列挙された組成物、材料、構成要素、要素、特徴、整数、動作、および/もしくは処理ステップなどからなる、または本質的になる実施形態を具体的に含む。「からなる」の場合、代替の実施形態は任意の追加の組成物、材料、構成要素、要素、特徴、整数、動作、および/または処理ステップを除外する。一方「から本質的になる」の場合、基本的特性および新規の特性に物質的に影響を与える任意の追加の組成物、材料、構成要素、要素、特徴、整数、動作、および/または処理ステップは、そのような実施形態から除外されるが、基本的特性および新規の特性に実質的に影響を与えない任意の追加の組成物、材料、構成要素、要素、特徴、整数、動作、および/または処理ステップは、実施形態に含むことができる。
【0012】
[0025]本明細書で説明される任意の方法ステップ、処理、および動作は、実行の順番が具体的に特定されない限り、必ずしも説明または例示された特定の順番での実行を要すると解釈するべきではない。別段示されない限り、追加または代替のステップが採用され得ることも理解されたい。
【0013】
[0026]構成要素、要素、または層が、別の要素もしくは層に「接する(on)」、「係合する(engaged to)」、「接続する(connected to)」、または「結合する(coupled to)」と称される場合は、構成要素、要素、もしくは層は、他の構成要素、要素、または層に直接接する、係合する、接続する、あるいは結合し得る。または、間に仲介する要素もしくは層が存在し得る。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接接する(directly on)」、「直接係合する(directly engaged to)」、「直接接続する(directly connected to)」、または「直接結合する(directly coupled to)」と称される場合は、間に仲介する要素もしくは層が存在できない。要素間の関係を説明するために使用される他の用語は、同様の方法で解釈すべきである(たとえば、「との間(between)」と「との直接の間(directly between)」、「隣接する(adjacent)」と「直接隣接する(directly adjacent)」など)。本明細書で使用される場合、「および/または(and/or)」という用語は、任意かつ全ての、関連して列記された項目の内で1つまたは複数の組合せを含む。
【0014】
[0027]「前(before)」、「後(after)」、「内部(inner)」、「外部(outer)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下位(lower)」、「上方(above)」、「上位(upper)」などの空間的または時間的な関連用語は、図に示すような、1つの要素または1つの特徴と別の要素または別の特徴との関係を述べるための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的または時間的な関連用語は、図中に示した方向に加えて、使用中または動作中のデバイスまたはシステムの異なる方向を包含するよう意図され得る。
【0015】
[0028]本明細書全体で、数値は、近似的な測定値、または所与の値および言及されたおよその値を有する実施形態ならびに言及された正確な値を有する実施形態からの僅かな逸脱を包含する範囲の限定を表わす。添付の特許請求の範囲を含む本明細書におけるパラメータ(たとえば、量または条件)の全ての数値は、数値の前に「約(about)」が実際に現われるか否かに関わらず、全ての場合に「約」という用語によって修正されることを理解されたい。「約」は、提示された数値がある僅かな曖昧さを許容することを示す(値の正確さへのある近似、値へのおおよそまたは妥当な接近、ほとんど)。「約」によってもたらされる曖昧さがこの通常の意味として当技術分野で理解されない場合、本明細書で使用される「約」は、少なくともこのようなパラメータを測定および使用する通常の方法から生じ得る変形を示す。
【0016】
[0029]また範囲の開示は、全ての値、ならびに端点および範囲に与えられた部分範囲を含む全ての範囲内のさらなる分割範囲の開示を含む。本明細書で言及されるように、別段で指定されない限り、範囲は端点を含み、全ての別個の値および全範囲内のさらなる分割範囲の開示を含む。したがって、たとえば「AからB」の範囲、または「約Aから約B」の範囲は、AおよびBを含む。
【0017】
[0030]次に、例示的な実施形態が添付の図面を参照して、より十分に説明される。
[0031]ポリマー複合材料は、自動車、自動二輪車、ボート、牽引車、バス、移動住宅、キャンピングカー、戦車などの車両に広く使用されており、車両重量をさらに軽減する取り組みによってポリマー複合材料の利用は将来的に増加するであろう。補強された複合材料は、自動車または他の車両(たとえば自動二輪車、ボート)の構成要素に使用することに特に好適である。しかしまた、非限定的例として、宇宙空間の構成要素、産業設備および機械、農業設備、重機械を含む、他の様々な産業および用途にも使用し得る。たとえば、補強された複合材料は、なめらかな形状または複雑な三次元形状を有する自動車の構造的構成要素を形成するために使用され得る。非限定的例として、ガスタンク防護シールド、車両底部シールド、構造用パネル、ドアパネル、室内フロア、フロアパン(たとえばカーゴバンのフロアパン)、ルーフ、外面、グローブボックスとコンソールボックスとトランクとトランクフロアとトラックの荷台とを含む格納領域などが挙げられる。
【0018】
[0032]既存の金属材料と比べ、ポリマー複合材料は異なる修復方法を要する。したがって、損傷を受けたポリマー複合材料を効果的に修復する方法を開発することが求められる。外観修復のため、表面の欠陥に充填するために使用される材料は、修復の耐久性を確保にするために元のポリマー複合構造体に良好に接着し、元のポリマー複合材料の色とテクスチャに整合する色とテクスチャを有することが望ましい。ポリマー複合構造体の外観修復に使用された従来の方法は、良好な紫外線抵抗性、耐摩耗性、および美観の整合を確実には実現しない。したがって、ポリマー複合構造体の外観的欠陥を修復する新しい方法が望まれている。
【0019】
[0033]様々な態様において、本開示はポリマーパッチを用いたポリマー複合構造体の欠陥を修復する方法を提供する。ポリマー複合材料は、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの補強材料を備える。ある態様において、ポリマーは
熱可塑性ポリマーであり得る。たとえば、ポリマー複合構造体は
熱可塑性炭素繊維補強複合材料であり得る。欠陥は、ひび割れ、くぼみ、もしくはピットなどの外観的欠陥、またはポリマー複合構造体の2面に広がる大きいひび割れもしくは穴などの構造的欠陥の場合がある。構造的欠陥はひび割れの拡散、または他の故障メカニズムを助長する位置である場合がある一方、外観的欠陥はポリマー複合構造体の露出領域の美観を損ねる。ポリマー複合構造体は、たとえばパネルのような、車両のポリマー複合材料から構成された任意の構造とすることができる。したがって、ポリマー複合構造体は、トラックの荷台または前述した任意の用途に使用されるパネルなどの、平滑なパネル、曲線パネル、または波状パネルとすることができる。ある態様において、ポリマー複合構造体の欠陥を修復するために使用されるポリマーパッチは、
熱可塑性ポリマーを備える
熱可塑性パッチである。他のある態様において、ポリマーパッチはポリマー複合材料であり得る。ポリマーパッチは、同程度の同じ補強材料(たとえば、同様の繊維含有量)を含むポリマー複合構造体の組成物と同じ組成物を有し得る。またはポリマー複合構造体とは異なるポリマー複合材料組成物および/または繊維含有量を有し得る。たとえば、ポリマーパッチはポリマー複合構造体の組成物と同じ組成物を有し得るが、ポリマー複合構造体の繊維含有量より少ないまたは多くの繊維含有量を含み得る。
【0020】
[0034]
図1を参照すると、本技術は、ポリマー複合材料から構成されるポリマー複合構造体12の欠陥10を修復する例示的方法を提供する。ポリマー複合構造体12は、ボディパネルまたはトラックの荷台のフロアを画定するパネルなど、車両の一部であり得る。欠陥10は、外観的欠陥または構造的欠陥であり得る。ある実施形態において、欠陥10が深い傷、打痕、穴、または刺し穴である場合など、方法は、以下でさらに説明するように、充填材を用いて欠陥10を充填することを含み得る。他の実施形態において、欠陥10が浅い傷である場合など、充填材を用いて欠陥10を充填する必要はない。
図1に示すように、ポリマー複合構造体12は視認可能に露出された表面16および視認可能に露出されない表面18を含む。
【0021】
[0035]
図2Aおよび
図2Bは、
図1のポリマー複合構造体12と同様のポリマー複合構造体の断面を示す。
図2Aにおいてポリマー複合構造体12aの外観的欠陥10aが、一方で
図2Bにおいてポリマー複合構造体12bの構造的欠陥10bが示される。
図2Aおよび
図2Bに示すように、ある実施形態において、本方法は充填材14を用いてポリマー複合構造体の欠陥を充填することを含む。より詳細には、
図2Aはポリマー複合構造体12aの傷または打痕の形状の外観的欠陥10aを示す。
図2Aにおける方法は、充填材14を用いて外観的欠陥10aを充填することを含み得る。充填材14は、硬化して欠陥10aを充填する任意の充填材でよい。好適な充填材14の例として、非限定的例としてポリアミド、アクリル、ポリカーボネート、
熱可塑性ポリエステル、ポリスルホン、およびそれらのコポリマーなどの
熱可塑性樹脂、ならびに非限定的例として、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビニルエステル、ポリエステル、アクリレイト、およびポリウレタンなどの熱硬化性物質が挙げられる。
図2Aに示すように、充填材14はたとえばスクレイピングまたはスムージングによって平らにされ、その結果充填材14は、ポリマー複合構造体12の露出面、すなわち視認できる表面16と同一平面となる。
【0022】
[0036]
図2Bは、
図2Aのポリマー複合構造体12aと同様のポリマー複合構造体12bを示すが、代わりに、露出面16から非露出面すなわち視認できない表面18まで延びる穴の形状の構造的欠陥10bを有する。
図2Bに示すように、方法は、欠陥10bを跨ぐようにプレート20を非露出面18に取付けることを含む。プレート20は、充填材14を支持できる任意の材料から構成され得る。非限定例として、プレート20は金属、合金、鋼鉄、繊維ガラス、ポリマー、またはポリマー複合材料から構成され得る。当技術分野で知られた任意の方法、たとえば接着剤、金属類すなわちねじ、またはそれらの組合せなどによって、プレート20をポリマー複合構造体12の非露出面18に取付けることができる。
図2Bに示すように、方法は充填材14を用いて構造的欠陥10bを充填することを含む。次に
図2Bに示すように、充填材14はスクレイピングまたはスムージンされ、その結果充填材は、ポリマー複合構造体の露出面、すなわち視認できる表面16と同一平面となる。
【0023】
[0037]
図2Aおよび
図2Bにおいて、方法はまた、充填材14を凝固、乾燥、または重合させることを含み、それによって充填材が硬化して外観的欠陥10aまたは構造的欠陥10bを充填する。充填材14の組成物によって、充填材14を凝固、乾燥、または重合させることは、充填材14を加熱すること、充填材14に活性剤を加えること、充填材14を紫外線(UV)光に露出すること、一定時間保温すること、またはそれらの組合せを含み得る。充填材14を適用、スムージング、および重合させた後に、本開示のある態様による、さらなるポリマー複合構造体の欠陥の修復処理が行なえる。
【0024】
[0038]再び
図1を参照すると、方法はパッチ22をポリマー複合構造体12の欠陥10の上に配置することを含む。パッチ22の欠陥10上への位置付けが、ポリマー複合構造体12の上のパッチの輪郭23によって図示されている。パッチ22の配置は、欠陥10が充填材で充填されるか否かによって行われる。欠陥が充填材で充填された場合、パッチ22は、充填材が硬化した後に欠陥10の上に配置される。パッチ22は、
熱可塑性ポリマーまたは未硬化の熱硬化性ポリマーなどのポリマー材料から構成される。したがって、パッチ22は熱硬化性ポリマーパッチ、
熱可塑性ポリマーパッチであり得る。ある変形において、ポリマーパッチは、ポリマーおよびその中に分散した補強材料を有する、ポリマー複合材料パッチである。パッチ22は、修復した表面を覆いかつ隙間を充填するのに十分な厚みを有する一方、マスキングまたはカモフラージュするため、すなわち、ポリマー複合構造体12に調和するように十分薄くする。そのため、パッチ22は任意選択で、約1μm以上から約1mm以下の厚さを有する。ある態様において、方法が完了した後に、欠陥10を覆ったパッチ22が目立たないか僅かしか目立たないように、パッチ22はポリマー複合構造体12の色および/または組成物と実質的に整合する。あるいは、パッチ22は透明であり得、そのためポリマー複合構造体12の色はパッチ22を通して見える。したがって、色の整合は外観検査によって行われる。カーボンブラックまたは二酸化チタンなどのフィラーは、非限定例として、パッチ材料に含めることができ、パッチ材料の色をポリマー複合構造体12に整合させるために微調整ができる。別の態様において、パッチ22は、ポリマー複合構造体12の色および/または組成物と整合する必要がない。ある変形において、好適なパッチ材料はポリマー複合構造体12と同じポリマーマトリックスまたは樹脂も含むが、補強繊維は含まない。
【0025】
[0039]他の態様において、ポリマー複合構造体12およびパッチ22は、米国特許第2013/0122262号、第2013/0272780号、および第2015/0108793号、ならびにPCT国際公開WO2012/117593、WO2012/105716、WO2012/102315、WO2012/105080、WO2012/105387、WO2012/105389、WO2012/105717、WO2012/108446、WO2012/140793に開示された、任意の繊維補強複合材料から構成されるものでよく、これらの各々はその全てが参照として本明細書に組み込まれている。種々の態様において、パッチ22は、ポリマー複合構造体12と同じ繊維補強複合材料、またはポリマー複合構造体12とは異なる繊維補強複合材料でポリマー複合構造体12と互換性のある材料のどちらかから構成され得る。さらにパッチ22は、ポリマー複合構造体12と同じ繊維補強複合材料であるが、より高いまたはより低い繊維含有量を有する材料から構成され得る。
【0026】
[0040]したがってパッチ22は、補強繊維によって補強されたポリマーマトリックスまたは樹脂を備えるパッチ材料から構成され得る。パッチ22またはポリマー複合構造体12のための繊維の好適で非限定的例として、炭素繊維、ガラス繊維(繊維ガラスまたは石英など)、アラミド繊維(KEVLAR(登録商標)パラアラミド合成繊維、TWARON(登録商標)パラアラミド合成繊維など)、ボロン繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維、高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維、麻すさ、バサルト繊維、およびそれらの組合せが挙げられる。繊維は、相互接続繊維または接触繊維を有する繊維マットとして提供され得る。または樹脂マトリックス内の個々の繊維としてランダムに分配され得る。好適な繊維は、比較的短い長さの繊維(約0.1mm以上から約10mm以下までの長さを有する)、比較的長い繊維(約10mm以上から約100mm以下までの長さを有する)、または連続繊維(約100mm以上の長さを有する)を含み得、またそれらの任意の組合せを含み得る。長い繊維は、成形性、生産性、機械的性能の良好なバランスを提供できる。繊維は切断することもできる。
【0027】
[0041]ポリマー複合材料またはパッチ内の繊維は、たとえば、実質的に二次元ランダムに配向されるランダム配向による方法、または特定の方向に配向される方法で構成され得る。ある変形において、繊維マットは、高度に平面配向された繊維、もしくは単一方向に配向された繊維、またはそれらの組合せで使用され得る。繊維マットは、成形性、生産性、機械的性能の良好なバランスの、ランダム配向された繊維を有し得る。ある変形において、ランダム繊維マットが使用されてよい。ランダムマットは、平均繊維長さが約3mm以上から約100mm以下までの補強繊維、および
熱可塑性樹脂を含み得る。このようなランダム繊維マットは、上述のWO2012/105080でさらに説明されている。さらに、単一方向に配向された炭素繊維層が、局部剛性および載荷支持構造の強度を高めるために、含まれ得る。種々の実施形態において、パッチ材料は、ポリマー複合構造体の繊維濃度以下の繊維濃度を有する。
【0028】
[0042]上述のように、パッチ材料は、ポリマーマトリックスまたは樹脂に分散された補強材料から構成され、パッチ材料はポリマー複合構造体材料と同じまたは異なる材料であり得る。ポリマー樹脂の非限定例として、ポリアミド樹脂(PA6、PA11、PA12、PA46、PA66、PA610、またはカプロラクタムなど)、ビニルエステル、フェノール樹脂、ビスマレイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリラクチド樹脂、ポリカーボネート樹脂、またはこれらの樹脂の任意の組合せもしくはコポリマーを挙げることができる。したがって、パッチ材料すなわち
熱可塑性パッチ材料の非限定例として、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む)、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(メチルアクリレート)(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(ポリカプロラクタム(ナイロン)を含む)、ポリ乳酸(PLA)、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)
、低密度ポリエチレン(LDPE)、架橋ポリエチレン(PEX)を含む)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、これらのコポリマー、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0029】
[0043]当業者は理解されるように、繊維補強複合材料はさらに、他の補強材料、有機/無機フィラーなどの機能性フィラーまたは添加剤、難燃剤、耐紫外線放射剤(UV安定剤)、酸化防止剤、カーボンブラック粉末などの着色剤または顔料、離型剤、軟化剤、可撓剤、界面活性剤などを含む、他の従来の材料を含み得る。着色剤または顔料に関して、それらはポリマー複合構造体12の色に整合するよう使用され得る。
【0030】
[0044]
図1をさらに参照すると、方法はまた、テクスチャードシート24をパッチ22の上に配置することを含む。ある態様において、表面テクスチャは、たとえばクロスハッチング、グレインパターン、または他の表面微細パターンなどの視認できるパターンを含む。したがってテクスチャードシート24は、ポリマー複合構造体12の表面テクスチャとは逆、ネガ像、もしくは鏡像である表面テクスチャまたはグレインを有し、そのためポリマー複合構造体12の表面テクスチャはパッチ22内に取り込まれ得る。またテクスチャードシート24は、高圧高温に耐えることができる当技術分野で知られている任意の可撓性材料から構成されてよい。ある実施形態において、テクスチャードシート24はシリコーンで構成される。すなわちテクスチャードシート24はテクスチャードシリコーンシートである。他の実施形態において、テクスチャードシート24は耐熱性ゴムもしくはポリイミドのテクスチャードシート、または柔軟でしなやかな金属のテクスチャードシートである。以下でさらに詳細に説明するように、テクスチャードシート24の表面テクスチャはパッチ22に転写され、それによってパッチ22はポリマー複合構造体12の表面テクスチャまたはグレインに整合する表面テクスチャまたはグレインを有する。したがって、方法の完了後、パッチ22はポリマー複合構造体12と同じテクスチャを有することになり、それによってパッチ22はポリマー複合構造体12の露出面16と視覚的に調和する。実施形態において、ポリマー複合構造体12が表面テクスチャを有さない、すなわち平滑である場合、テクスチャードシートは必要ない。同様に、方法で採用される他の構成要素がポリマー複合構造体12の表面テクスチャと整合する表面テクスチャを有する場合、本明細書でさらに説明するように、テクスチャードシートは必要ない。
【0031】
[0045]方法はさらに、熱源すなわち加熱要素26を、テクスチャードシートが存在するときはテクスチャードシート24に、もしくはテクスチャードシート24が存在しないときはパッチ22に、配置または適用することを含む。たとえば、熱源26はテクスチャードシート24またはパッチ22に接触する下面28を有する。いくつかの実施形態において、熱源26の下面28は、ポリマー複合構造体12のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを含む。このような実施形態において、テクスチャは熱源26の下面28からパッチ22に転写され、テクスチャードシート24は必要ない。熱源26は、ヒートブランケットまたは誘導加熱器のような、当技術分野で知られている任意の熱源でよい。
【0032】
[0046]
図3Aは、
図1に関連して説明したものと同様であるが、熱源26がヒートブランケット26aである方法を示す。ヒートブランケット26aは下面28aを有する。下面28aは、ポリマー複合構造体12のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを有さない場合はテクスチャードシート24に接触する。あるいは下面28aは、ポリマー複合構造体12のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを有する場合はパッチ22に接触する。言い換えると、ヒートブランケット26aの下面28aがテクスチャまたはグレインを含む場合、テクスチャードシート24はパッチ22の露出面16に接触するヒートブランケット26aの表面である。
【0033】
[0047]
図3Bは、
図1に関連して説明したものと同様であるが、熱源26がインデューサ30に関連付けられた伝導性シート26bから発生した誘導熱である方法を示す。伝導性シート26bは下面28bを有する。下面28bは、ポリマー複合構造体12のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを有さない場合はテクスチャードシート24に接触する。あるいは下面28bは、ポリマー複合構造体12のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを有する場合はパッチ22に接触する。したがって、ある態様において、伝導性シート26bの下面28bは、ポリマー複合構造体12の外形と整合する外形を有し得る。インデューサ30はポリマー複合構造体12の非露出面18に設置され、したがってパッチ22およびテクスチャードシート24(存在する場合)は伝導性シート26bとインデューサ30との間に位置付けられる。あるいは、インデューサ30は伝導性シート26bまたは圧力源32の上に配置されてもよい。インデューサ30は伝導性シート26bと協働して、熱を発生させる。
【0034】
[0048]再び
図1を参照すると、方法はさらに、パッチ22、テクスチャードシート24(テクスチャードシートが必要な場合)、および熱源26に圧力を加えることを含む。パッチ22およびテクスチャードシート24に圧力を加えることは、熱源26の上に圧力源32を適用することを含む。圧力源32は、減圧バッグによる力、機械的力(サンドバッグを用いたものなど)、または磁気力(電磁石を用いたものなど)のような、当技術分野で知られている任意の圧力源とすることができる。パッチ22に圧力を加えることは、約0.001MPa以上から約1MPa以下まで、または約0.005MPa以上から約0.1MPa以下までの標準気圧を、熱源26とテクスチャードシート24(存在する場合)とパッチ22とポリマー複合構造体12とに加えることを備える。
【0035】
[0049]
図4Aは、
図1に関連して説明したものと同様であるが、圧力源32が減圧バッグアセンブリ32aである方法を示す。減圧バッグアセンブリ32aは、その下の構成要素、すなわち熱源26、テクスチャードシート24(存在する場合)、パッチ22、および欠陥10を有するポリマー複合構造体12の領域を完全に覆い、それによって減圧バッグアセンブリ32aがポリマー複合構造体12の露出面16に継続的に接触する。減圧バッグアセンブリ32aは、非限定例として接着パテを用いてポリマー複合構造体の露出面16に取付けられ得る。減圧バッグアセンブリ32aは、負圧源に関連付けられた管を受け入れるポート34を備える。それによってポート34は減圧バッグアセンブリ32aの減圧バッグに連通する。負圧源が動作すると、減圧バッグアセンブリ32aの下で減圧が生み出され、それによって熱源26、テクスチャードシート24、パッチ22、およびポリマー複合構造体12が一体で押しつけられ、すなわち圧搾される。言い換えれば、減圧バッグアセンブリ32aの縁部はポリマー複合構造体12に対して密閉され、減圧すなわち負圧が減圧バッグアセンブリ32aを通して引かれる。さらに、種々の実施形態において、熱源26は減圧バッグアセンブリ32aの下に直接位置付けられる。したがって、熱源26が減圧バッグを溶かすことを防ぐため、耐熱または実質的に耐熱である可撓性マスクが熱源26と減圧バッグアセンブリ32aとの間に位置付けられてもよい。「実質的の耐熱」とは、マスクを介して減圧バッグアセンブリ32aを溶かす、さもなければ減圧バッグアセンブリ32aに悪影響を与えるような大きい熱量を、可撓性マスクが伝えないことを意味する。マスクは、たとえばシリコーンなど、任意の可撓性耐熱材で構成されてよい。
【0036】
[0050]
図5Aは、減圧バッグアセンブリ32aの使用に伴って起こり得る潜在的な課題を示す、代替的な変形である。
図5Aはポリマー複合構造体12および減圧バッグアセンブリ32aの断面を示す。ポリマー複合構造体12が平坦でない、すなわち曲面または波状の表面を有し、減圧バッグアセンブリ32aがポリマー複合構造体12の露出面16に据えられた場合、負圧源が作動したときに図中の矢印のように、減圧バッグアセンブリ32aが露出面16の角部または接合部36から浮き上がる可能性がある。この減圧バッグアセンブリ32aの浮き上がりによってポリマー複合構造体12との接触が不足することがあり、熱源26、テクスチャードシート24、パッチ22、およびポリマー複合構造体12を負圧によって一体で押しつける際に悪影響を与える。そのため
図5Bに示すとおり、ポリマー複合構造体12の露出面16上に配置されているように、ひだ38を減圧バッグアセンブリ32aに含めることができる。たとえば、ひだ38は、角部または接合部36の近くの減圧バッグアセンブリ32aに、たるみをもたせることによって生じさせることができる。負圧が加えられると、減圧バッグはポリマー複合構造体12の露出面16上に引っ張られ、ひだ38を利用しない場合と比較して、より効果的に(ブロック矢印で示すように)角部または接合部36を包含する。
【0037】
[0051]
図4Bは、
図1に関連して説明したものと同様であるが、圧力源がサンドバッグ32bである方法を示す。サンドバッグ32bは熱源26上に配置され、それが熱源26、テクスチャードシート24(存在する場合)、パッチ22、およびポリマー複合構造体12を一体で押しつける。サンドバッグ32bによって提供される圧力を増加させるため、剛性板40は、ポリマー複合構造体12の方向へ、サンドバッグ32bに機械的に押しつけられ得る。いくつかの実施形態において、機械的な下方への力は剛性板40に対して押しつけられる。
【0038】
[0052]圧力がポリマーパッチ22をポリマー複合構造体12に順応させる一方で、方法は熱をポリマーパッチ22に加えることを含む。熱は、熱源26によって供給または提供される。熱は、パッチ22および任意選択でパッチの下にあるポリマー複合構造体12の露出面16の一部を僅かに溶かし、それによって、熱した後にパッチはポリマー複合構造体に接着して欠陥10を覆う。パッチ22およびパッチの下のポリマー複合構造体12の露出面16の一部の両方が溶けると、溶けた部分は融合してパッチ22とポリマー複合構造体12との間の強い結合を形成する。たとえば、パッチ22とポリマー複合構造体12とが同じ材料で構成される場合、パッチ22とポリマー複合構造体12の一部は溶けて互いに融合する。さらに、圧力がテクスチャードシート24(またはテクスチャの表面を含む熱源26)をパッチ22に押しつけるため、テクスチャはパッチ22が加熱中に軟化する際にパッチ22に転写される。
【0039】
[0053]ポリマー複合構造体12が加熱されるとポリマー複合材料は軟化し、それによって、ポリマー複合材料を製造するための元の処理の間に発達してポリマー複合材料によって維持された固有の圧縮力の結果として、ポリマー複合構造体12内に取り込まれた繊維が露出面16に向かって移動することが可能である。この現象は「スプリングバック」と称される。スプリングバックは、パッチ22に囲まれて視覚的に不均一な領域をまねく。たとえば、スプリングバックが起こらない領域、すなわちポリマー複合構造体12がほとんどまたは全く加熱されない領域よりも、スプリングバックのためにポリマー複合構造体12の中の繊維はより目立つ。したがって、スプリングバックを防ぐまたは軽減するために、ポリマーパッチ22に熱を加えることは、ポリマーパッチ22を溶かすのに十分に高い温度であるが、スプリングバックもしくはポリマー複合構造体12の熱変形を防ぐまたは最小限にする十分に低い温度で、パッチ22を加熱することを含む。種々の実施形態において、温度はポリマー複合構造体の融点より約50℃を超え
ず、或いは、当該融点より30℃を超えない。したがって、温度はパッチ材料によって大きく変化し左右される。たとえば、パッチ22を加熱することは、パッチ22を約190℃以上から約230℃以下までの温度で加熱することを含み得る。加熱は約0.1分以上から約120分以下、または、加熱を停止してパッチを冷まして硬化させるときパッチ22がポリマー複合構造体12に接着するよう、パッチ22の十分な部分が溶けるまで実行される。
【0040】
[0054]
図6は、波状のポリマー複合構造体112の欠陥110を修復する別の方法を示す図である。より詳細には、
図6は
図1に示した方法の変形の例示である。欠陥110および波状のポリマー複合構造体112は、ポリマー複合構造体112が波状であること、すなわち高い部分と低い部分の繰り返し(丘/地上および谷/溝)を含むこと以外は、本明細書で説明した任意のタイプの欠陥またはポリマー複合構造体とすることができる。しかし本方法は、波状以外の不規則な表面外形を有するポリマー複合構造体、または平滑もしくは平坦な表面形状のポリマー複合構造体に適用され得ることが理解される。波状のポリマー複合構造体112は、露出面すなわち第1の波状面116および非露出面118を含む。
【0041】
[0055]
図6に示す方法は、パッチ122を波状のポリマー複合構造体112の欠陥110の上に配置すること、およびテクスチャードシート124をパッチ122の上に配置することを含む。パッチ122およびテクスチャードシート124の配置は、
図1に関する上記説明のように行われる。パッチ122の欠陥110上への位置付けが、ポリマー複合構造体112の上のパッチの輪郭123によって図示されている。
図3Bに示す方法と同様、
図6に示す方法は、剛性板150の底面152をテクスチャードシート124またはパッチ122に接触させるように、剛性板150をテクスチャードシート124(存在する場合)およびパッチ122の上に配置することを含む。上述のように、波状のポリマー複合構造体112は第1の波状面を有する。したがって、剛性板150の底面152は、対応するまたは整合する波型、すなわち剛性板150が波状のポリマー複合構造体112の第1の波状面に順応して配置されるような第2の波状面を有する。そのため方法は、パッチ122を有する第1の波状面116の領域上に、第1の波状面116に対して相補的な第2の波状面152を有する剛性板150を配置することを含む。同様に、ポリマー複合構造体112が不規則な外形の露出面116を有する場合、剛性板150は露出面116の不規則な外形に対して相補的な表面を有する。言い換えると、剛性板150はポリマー複合構造体112の露出面116に対して相補的な表面を有し、露出面は平滑もしくは平坦な外形、波状の外形、または不規則な外形を有し得る。
【0042】
[0056]剛性板150は、たとえば金属、合金、鋼鉄などの熱伝導材料から、または高充填(すなわち約50%(wt./wt.)以上から約90%(wt./wt.)までの)炭素複合材料などの高熱導電性複合材料で構成される。いくつかの実施形態において、剛性板150の底面152は、波状のポリマー複合構造体112のテクスチャまたはグレインのネガ像であるテクスチャまたはグレインを含む。このような実施形態において、剛性板150の底面152に含まれるテクスチャまたはグレインは、方法の実行中にパッチに転写されるが、これによってテクスチャードシート124を含む必要がなくなる。
【0043】
[0057]方法はさらに、熱源126を剛性板150に設置する、または適用することを含む。たとえば、熱源126は剛性板150に接触する下面128を有する。上述のように、熱源126はヒートブランケットまたは誘導加熱器のような、当技術分野で知られている任意の熱源とすることができる。
【0044】
[0058]
図7Aは、熱源126がヒートブランケット126aである
図6と同様の方法を示す。ヒートブランケット126aは剛性板150と接触する下面128aを有する。理由は、剛性板150は熱を伝導し、ヒートブランケット126aによって提供された熱は剛性板150を介してパッチ122に転写されるためである。
【0045】
[0059]
図7Bは、熱源126がインデューサ130に関連付けられた伝導性シート126bから発生した誘導熱である
図6と同様の方法を示す。伝導性シート126bは剛性板150と接触する下面128bを有する。インデューサ130は波状のポリマー複合構造体112の非露出面118に設置され、それによってパッチ122、テクスチャードシート124(存在する場合)および剛性板150は伝導性シート126bとインデューサ130との間に位置付けられる。あるいは、インデューサ130は伝導性シート126bまたは圧力源132の上に配置されてもよい。インデューサ130は伝導性シート126bと協働して熱を発生させ、その熱は熱伝導性剛性板150を介してパッチ122に転写される。
【0046】
[0060]いくつかの実施形態において、剛性板150は伝導性であり、それによってインデューサ130は剛性板150と協働して熱を発生させ、その熱はパッチ122に転写される。そのため、剛性板150がパッチ122に十分な圧力を提供するほどの十分な重さがない場合、または追加の圧力が望まれる場合に、
図6に示した方法は、パッチ122、テクスチャードシート124(テクスチャードシートが必要な場合)、剛性板150、および熱源126に圧力を加えることを任意選択で含む。圧力を加えることは、熱源126の上に圧力源132を適用することを含む。圧力源132は、減圧バッグによる力、機械的力、または磁気力のような、当技術分野で知られている任意の圧力源とすることができる。圧力源は
図4Aおよび
図4Bに関して上述したように適用することができる。
【0047】
[0061]
図6に示した方法はまた、熱をポリマーパッチ122に加えることを含む。熱は、熱源126によって供給または提供される。
図1に関して上述したように、パッチ122を熱することでパッチを波状のポリマー複合構造体112に接着することができる。
【0048】
[0062]実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供されてきた。開示を網羅する、または開示を限定することは意図されない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、適用できる場合、特に図示または説明がなくとも、個々の要素または特徴は互換性があって、選択された実施形態に使用され得る。また、同じことが多くの方法で変形され得る。そのような変形は、本開示から逸脱するものと見做すべきではない。全てのそのような改良は本開示の範囲の中に含まれるよう意図される。