(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2拡張器は、前記第2拡張器の近位領域と前記第2拡張器の遠位領域との間における剛性の滑らかな移行を提供する中央の中間部分を有する、請求項1に記載のシステム。
前記第1拡張器の前記内部管腔は、直径が0.035〜0.038インチのガイドワイヤに適合し、前記第2拡張器の前記内部管腔は、直径が0.014〜0.018インチのガイドワイヤに適合する、請求項1に記載のシステム。
前記第2拡張器は、外側拡張器と、共軸配置で前記外側拡張器にスライド可能に取り付ける1つ以上の内側拡張器とから形成された二部式拡張器である、請求項1に記載のシステム。
前記外側拡張器は、直径が0.035〜0.038インチのガイドワイヤに適合し、前記内側拡張器は、直径が0.014〜0.018インチのガイドワイヤに適合する、請求項13に記載のシステム。
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分とを有し、前記シース本体の全長に対する前記最遠位部分の全長の比率は、前記シース本体の全長の1/10〜1/2である、請求項1に記載のシステム。
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分とを有し、前記最遠位部分は、長さが2.5〜5cmであり、全体の前記シース本体は、長さが20〜30cmである、請求項1に記載のシステム。
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分と、柔軟な前記最遠位部分と前記近位部分との間の移行部分とを有し、前記最遠位部分は、長さが2.5〜5cmであり、前記移行部分は、長さが2〜10cmであり、全体の前記シース本体は、長さが20〜30cmである、請求項1に記載のシステム。
前記第1および第2拡張器の少なくとも1つは、前記動脈アクセスシースの前記内部管腔に配置されたときに前記動脈アクセスシースに固定されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、血管内介入を実行するための医療方法、システム、およびデバイスに関する。より詳細には、本開示は、血管疾患および血管系と関連した他の疾患の処置において介入手技を実行するために、頸動脈中に直接アクセスするための方法およびシステムに関する。
【0003】
介入手技は、血管疾患、例えば、狭窄、閉塞、動脈瘤、または瘻孔を治療するために実行される。介入手技は、神経伝導、腫瘍または他の組織への血流を制限するための血管の塞栓術、および治療または診断目的のための血管内または血管外のターゲットに対する薬物造影剤、または他の化学物質の送達において介在するために、血管アクセス可能である臓器または組織ターゲットでの手技、例えば、除神経または組織切除(または焼灼:ablation)などを実行するためにも使用される。介入手技は、典型的には、冠動脈、神経血管、および末梢血管のカテゴリーに分けられる。最も多い手技は、動脈アクセス部位を介した動脈系で実行される。
【0004】
これらの手技を実行するための動脈アクセスを得るための方法は、十分に確立され、経皮的アクセスと外科的切開の大きく2つに分類される。介入手技の大多数は、経皮的アクセスを利用する。このアクセス方法のために、ニードル穿刺は、皮膚から、皮下組織層および筋肉層を通して血管壁に、そして血管そのものの中へと行われる。血管および周囲の構造を撮像し、血管の中へのニードルの正確な挿入を容易にするために、血管の超音波がしばしば使用される。動脈およびアクセスデバイスのサイズに応じて、方法は変更される。例えば、セルジンガー(Seldinger)技術または改良されたセルジンガー技術は、ニードルを通して血管の中にシースガイドワイヤを置くことからなっている。典型的には、シースガイドワイヤは、0.035”(インチ)または0.038”である。いくつかの例では、マイクロ穿刺またはマイクロアクセス技術が使用され、それによって、血管は、小さいゲージニードルによって最初にアクセスされ、シースガイドワイヤが置かれる4Fマイクロ穿刺カニューレによって連続的に拡張される。ガイドワイヤが置かれると、アクセスシースおよびシース拡張器が、動脈中のガイドワイヤ上に挿入される。他の例では、橈骨動脈がアクセス部位として使用される場合、小さいシースガイドワイヤが、初期ニードル穿刺、例えば、0.018”ガイドワイヤを通して使用される。アクセスシースおよび拡張器が動脈中の0.018”ワイヤ上に挿入されることができるように、橈骨アクセスシースの拡張器は、この小さいサイズのガイドワイヤに適合(または収納:accommodate)するように設計されている。
【0005】
外科的切開部では、皮膚切開が行われ、組織は、ターゲット動脈のレベルまで切断される。手技が大きいアクセスデバイスを必要とする場合、経皮的アクセスによる血管に対するリスクがある場合、および/または手技の終わりに、アクセス部位での信頼できない閉塞の可能性がある場合には、この方法がしばしば使用される。動脈およびアクセスデバイスのサイズに応じて、ナイフで血管壁の中への切開が行われ、またはシースガイドワイヤが置かれるアクセスニードルによって血管壁が直接穿刺される。マイクロ穿刺技術は、シースガイドワイヤを配置するためにも使用されてもよい。上述のように、アクセスシースおよびシース拡張器は、動脈中のシースガイドワイヤ上に挿入される。アクセスシースが置かれたら、拡張器およびシースガイドワイヤは抜去される。デバイスは、手技を実行するために、ターゲット部位に対して標準的な介入技術および蛍光透視法を使用して、アクセスシースを介して、動脈の中に導入され、前進されることができる。
【0006】
ターゲット部位へのアクセスは、皮膚から容易に入れられる動脈アクセス部位から達成される。通常、これは大腿動脈であり、大腿動脈は、比較的大きくかつ比較的表面にあり、手技の完了時には直接圧縮または様々な血管閉鎖デバイスの1つを使用して閉鎖するのが容易である。このため、血管内デバイスは、特に、この大腿部アクセス部位のために設計されている。しかしながら、大腿動脈およびその付近は、時には、疾患があり、この部位から安全にアクセスする、または血管系の中にデバイスを導入することを困難にし、または不可能にする。さらに、処置ターゲット部位は、非常に長く面倒なデバイスを必要とするような、大腿部アクセス点からのいくらかの距離があるかもしれない。さらに、大腿部アクセス点からターゲット部位に到達することは、手技に時間およびリスクを加える蛇行性および/または疾患のある動脈を横断することを含むかもしれない。これらの理由のために、代替のアクセス部位が時には採用される。これらは、橈骨動脈、上腕動脈、および腋窩動脈を含む。しかしながら、それらは小さい動脈を含み、アクセスとターゲット部位との間の蛇行セグメントおよびいくらかの距離を含むかもしれないので、これらのアクセス部位は、常に理想的であるとは限らない。
【0007】
[現在の技術によるいくつかの例示的な問題]
いくつかの例では、所望のアクセス部位は、頸動脈である。例えば、頸動脈分岐部および内頸動脈の疾患を処置するための手技は、このアクセス部位にかなり近い。頭蓋内および脳の動脈における手技は、同様に、大腿動脈よりもこのアクセス部位に、はるかに近い(closure)。この動脈も、上に示した代替のアクセス動脈のいくつかよりも大きい。(総頸動脈は、典型的に、直径が6〜10mmであり、橈骨動脈は、直径が2〜3mmである。)
【0008】
介入手技で使用される最も多くのアクセスデバイスは、大腿部アクセスのために設計されているので、これらのデバイスは、長さおよび機械的特性の両方において、代替の頸動脈アクセス部位に対して理想的ではない。頸動脈アクセス手技で大腿部アクセスのために設計されたデバイスを使用する場合、これは、手技をより面倒にし、いくつかの場合、より危険にする。例えば、いくつかの手技では、頸動脈分岐部にステントを置くことを含む手技において、アクセスシースの遠位先端を、頸動脈分岐部の下方に、または頸動脈分岐部から離れるように維持することが望ましい。少ない分岐部、短い首、または極めて深部に頸動脈を有する患者に対して、(動脈の長手方向軸線に対して)シースが動脈の中に入る角度は、動脈の長手方向軸線に対して極めて鋭い角度、すなわち、動脈の長手方向軸線に対して平行であるよりも垂直である。この鋭角は、シース挿入およびシースを通したデバイスの挿入における困難性およびリスクを上昇させる。これらの手技では、シースの最小の長さのみが挿入可能なとき、シース脱落(dislodgement)のリスクもある。大腿部または橈骨アクセスの場合では、急勾配(または急峻な:steep)のシース挿入角度およびシース脱落の問題が大腿部アクセス部位に生じないように、典型的には、シースをシースのハブまで動脈の中に挿入し、シース位置を動脈と平行にしっかりと固定する。
【0009】
他の手技、例えば、脳の血管へのアクセスを必要とする手技において、シース先端を、内頸動脈の錐体部分まで、場合によっては内頸動脈の錐体部分を含めて、配置することが望ましい。従来の介入のシースおよびシース拡張器は、この部位で安全に配置されるのに十分に柔軟ではない。
【0010】
さらに、作業領域がアクセス部位に近い場合、経頸動脈アクセス部位を利用する手技では、オペレータの手に対する放射線暴露は問題であるかもしれない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
頸動脈の領域にある経頸動脈アクセス点を介して血管系にアクセスし処置するための方法、システム、およびデバイスが開示される。
【0020】
図1は、頸動脈の中にガイドワイヤを導入できるようにするために、頸動脈への初期アクセスを達成するためのデバイスの経頸動脈初期アクセスシステム100の第1実施形態を示す。頸動脈へのアクセスは、患者の頸動脈の領域などの患者の首に位置するアクセス部位で生じる。経頸動脈初期アクセスシステム100のデバイスは、特に、総頸動脈壁を通して頸動脈に直接アクセスするのに適している。
【0021】
図1に示されるように、経頸動脈初期アクセスシステム100は、アクセスニードル120、アクセスガイドワイヤ140、およびマイクロ穿刺カニューレ160を含む。アクセスニードル120、アクセスガイドワイヤ140、およびマイクロ穿刺カニューレ160は、全て、さらに後述されるように、頸動脈の中への頸動脈穿刺によって導入されるように適合されている。頸動脈穿刺は、例えば、経皮的に、または外科的切開部を介して達成してもよい。初期アクセスシステム100の実施形態は、さらに後述されるように、穿刺の1つまたは他の方法に適合されてもよい。
【0022】
初期アクセスシステム100を使用して頸動脈へのアクセスを確立すると、アクセスシースをアクセス部位で頸動脈の中に挿入してもよく、アクセスシースは経頸動脈アクセスシースシステムの一部分であることができる。
図2は、頸動脈中のシースガイドワイヤ上にアクセスシースを挿入するための、デバイスの経頸動脈アクセスシースシステム200の第1実施形態を示す。アクセスシースは、頸動脈の中に挿入されたときに、血管系の領域で介入手技を実行するために、アクセスシースの管腔を介して頸動脈への少なくとも1つの介入デバイスの導入を可能に、または導入を許容する。経頸動脈アクセスシースシステム200は、アクセスシース220、シース拡張器260、およびシースガイドワイヤ300を含む。アクセスシース220、シース拡張器260、およびシースガイドワイヤ300は、全て、さらに後述されるように、頸動脈への頸動脈穿刺を介して導入されるように適合されている。頸動脈穿刺は、経皮的に、または外科的切開部を介して達成してもよい。システム200の実施形態は、さらに後述されるように、穿刺の1つまたは他の方法に適合してもよい。
【0023】
1つの実施形態では、経頸動脈初期アクセスシステム100および経頸動脈アクセスシースシステム200の、構成要素のいくつかまたは全ては、例えば、単一の、パッケージの、コンテナの、またはひと纏めにされたコンテナ集合体の中で構成要素を組み合わせることによって、1つの経頸動脈アクセスシステムキットとしてもよい。
【0024】
図3は、頸動脈のステント留置手技のために総頸動脈310にアクセスするのに使用されるアクセスシース220を示す。アクセスシース220は、外科的切開部315を介して総頸動脈310の中に挿入される。さらに後述されるように、アクセスシース220は、アクセスシース220の近位および遠位の先端または領域に開口を備えた内部管腔を有する。頸動脈内のアクセスシース220の遠位部分と、患者の体外の近位部分とを有する内部管腔は、動脈の中に介入デバイスを挿入するための通路を提供する。
【0025】
図4は、頭蓋内または神経血管手技のために内頸動脈405にアクセスするのに使用される経頸動脈アクセスシステムのアクセスシース200を示す。動脈アクセスシース200は、経頸部的な穿刺による挿入によって総頸動脈310にアクセスする。アクセスシース220の遠位先端は、総頸動脈310の中に挿入されると、遠位頸部(distal cervical)または錐体のICA(内頸動脈)405に向かって、またはそれを通り越えて内頸動脈ICA320の中に、(
図4の穿刺に対して)上向きに前進される。
【0026】
図3および
図4の両方は、患者の首を通って患者の脳に向かって上向きに前進される動脈アクセスシース220を示す。別の実施形態では、動脈アクセスシース220は、患者の心臓に向かって、例えば大動脈に向かって、(
図3〜
図4のアクセス位置に対して)下向きに前進されてもよい。例えば、(参照によって本明細書に取り込まれる)「トランスカテーテル(Transcatheter)大動脈弁処置のためのシステムおよび方法」と表題が付けられた米国特許第8,545,552号明細書には、アクセスシースを頸動脈の中に直接挿入し、大動脈に向かって、最終的には大動脈弁に向かって、介入デバイスを前進させる例示的な方法が記載されている。
【0027】
[動脈アクセスシース]
図2を再び参照すると、経頸動脈用動脈アクセスシース220の1つの実施形態は、細長いシース本体222と、アクセスシース220の細長いシース本体222の近位端にある近位アダプタ224とを含む。細長いシース本体222は動脈アクセスシース220の一部分であり、動脈の中に挿入されるように寸法が決められて成形されており、細長いシース本体の少なくとも一部分は、手技中に動脈の中に実際に挿入される近位アダプタ224は、止血弁226と、シース本体222の内部管腔と連通する内部管腔を有する細長い噴出ライン228とを含む。近位アダプタ224は、シース本体222よりも大きい直径または断面の寸法を有していてもよい。止血弁226はシース本体222の内部管腔と連通しており、手技中に、内部管腔を介した血液損失を回避または最小限にしつつ、その中にデバイスを導入することを可能にしている。1つの実施形態では、止血弁226は、静的シール(static seal)タイプパッシブ弁である。(
図5に示された)動脈アクセスシース220の代替の実施形態では、止血弁226は、ツイボースト(Tuohy−Borst)弁227または回転止血弁(RHV)などの調整可能な開口弁である。代わりに、アクセスシース220は、パッシブシール弁、ツイボースト(Tuohy−Borst)弁、または回転止血弁(RHV)のいずれかの独立した止血弁の構成要素を取り付けることができる、メスのルア(Luer)アダプタの近位端で終端してもよい。
【0028】
動脈アクセスシース220の細長いシース本体222は、頸動脈への動脈アクセスを提供するように適合された、または特に最適化された直径を有する。1つの実施形態では、細長いシース本体222は、5〜9フレンチのサイズ範囲、または代わりに0.072インチ〜0.126インチの内側直径の範囲にある。1つの実施形態では、細長いシース本体222は、6フレンチまたは7フレンチのシースである。シースが吸引または逆流のために、または大きいデバイスを導入するためにも使用される実施形態では、シースは、8フレンチのシースである。
【0029】
動脈アクセスシース220の細長いシース本体222は、脳内の処置位置または総頸動脈CCAの動脈アクセス部位に対して脳方向にある処置部位に到達するのに適した、近位アダプタ224から細長いシース本体222の遠位先端までの長さを有する。例えば、CCAアクセス部位から、頸動脈分岐部または近位の内頸動脈ICAにアクセスするために、アクセスシース220の細長いシース本体222(すなわち、動脈の中に挿入することができる部分)は、7〜15cmの範囲の長さを有していてもよい。1つの実施形態では、細長いシース本体222は、10〜12cmの範囲の長さを有する。大腿部アクセス部位から同一のターゲット部位へのアクセスのためには、典型的なアクセスシースは、80〜110cmでなければならず、またはガイドカテーテルは、動脈アクセスシースを通して挿入されてターゲット部位まで前進されなければならない。アクセスシースを通るガイドカテーテルは、管腔領域を占有(take up)し、したがって、ターゲット部位に導入できるデバイスのサイズは制限される。したがって、ガイドカテーテルなしに介入デバイスをターゲット部位に到達できるアクセスシースは、介入デバイスをターゲット部位に到達させるためにガイドカテーテルの使用を必要とするアクセスシースに対して利点を有する。
【0030】
代わりに、アクセス部位に対して、細長いシース本体222の遠位先端をより遠位に配置するため、例えば、CCAアクセス部位から頭蓋内または神経血管手技を実行するために、シース遠位先端の所望のターゲット位置に応じて、アクセスシース220の細長いシース本体222は、10cm〜30cmの範囲の長さを有していてもよい。例えば、ターゲット位置が、遠位のCCAまたは近位のICAである場合、細長いシース本体222は10cm〜15cmの範囲にあってもよい。所望のターゲット位置がICAの遠位頸部、錐体、または海綿状のセグメントの中間である場合、細長いシース本体222は15〜30cmの範囲にあってもよい。
【0031】
代わりに、アクセス部位が総頸動脈に存在しているとき、動脈アクセスシース220は、動脈アクセス部位の近位に位置する(すなわち、大動脈に向かう)処置部位またはターゲット位置に対して構成され、または適合されている。例えば、処置部位は、CCAの近位領域、CCA小孔(ostium)、上昇するあるいは下降する大動
脈、または大動脈弓、大動脈弁、冠動脈、または他の末梢動脈であってもよい。これらのターゲット位置に対して、細長いシース本体222の適切な長さは、ターゲット位置からアクセス部位までの距離に依存する。この構成では、細長いシース本体222は、動脈アクセス部位を通して置かれ、大動脈に向かって下方に方向付けられる。
【0032】
アクセスシース220は、放射線不透過性先端マーカー230を含んでもよい。1つの例では、放射線不透過性先端マーカーは、アクセスシース220のシース本体222の遠位端の近くに埋め込まれた金属バンド、例えば、プラチナ・イリジウム合金である。代わりに、アクセスシース先端の材料は、独立した放射線不透過物質、例えば、バリウムポリマーまたはタングステンポリマーのブレンドであってもよい。シース先端そのものは、シースアセンブリを形成するためにアクセスシース220をシース拡張器260と組み立てたときに、シースアセンブリを、動脈の穿刺を通ってシースガイドワイヤ300の上に、最小の抵抗で、滑らかに挿入できるように構成されている。1つの実施形態では、アクセスシース220の細長いシース本体222は、動脈の中への挿入中の摩擦を減少させるために、滑らかなまたは親水性のコーティングを有する。1つの実施形態では、穿刺部位のシースの安全性または挿入中にシースをしっかりとつかむオペレータの能力を損なうことなしに、挿入を容易にするように、遠位コーティングは、細長いシース本体222の最遠位の0.5〜3cmに限定される。代替の実施形態では、シースは、コーティングを有しない。
【0033】
図2を参照すると、1つの実施形態では、動脈アクセスシース220は、手技中のシースの固定を支援するための特徴を有する。例えば、アクセスシース220は、(細長いシース本体222の近位端に位置する)アダプタ224に、モールド成型したまたは取り付けた縫合穴(suture eyelet)234または1つ以上のリブ236を有していてもよく、それらは、オペレータがシースハブを患者に縫合糸で結ぶ(suture tie)のを可能にする。
【0034】
頸動脈分岐部へのアクセスのために総頸動脈の中に挿入されるように適合されたシースでは、細長いシース本体222の長さは、7〜15cmの範囲にすることができ、通常、10cm〜12cmである。内側直径は、典型的に、5Fr(1Fr=0.33mm)から10Frの範囲であり、通常、6〜8Frである。頭蓋内または脳の血管へのアクセスのために、中間または遠位の内頸動脈に総頸動脈を介して挿入されるように適合されたシースでは、細長いシース本体222の長さは、10〜30cmの範囲にすることができ、通常、15cm〜25cmである。内側直径は、典型的に、5Fr(1Fr=0.33mm)から10Frの範囲にあり、通常、5〜6Frである。
【0035】
具体的には、細長いシース本体222は、シースが経頸動脈アプローチによって鎖骨より上側で頸動脈分岐部より下側に導入されるときに、ねじれ(kinking)またはゆがみ(または座屈:buckling)に抗するために、フープ強度(hoop strength)を保持しつつ、柔軟であることが望ましい。これは、動脈の中へのシース挿入量を限定した手技において特に重要であり、頸動脈が深部にある患者および/または首の短い患者への経頸動脈アクセスと同様に、挿入の角度が急勾配になる。これらの例では、シースの剛性によって、シース本体先端が動脈の後壁に向かって方向付けられる傾向がある。これにより、シース本体そのものの挿入による損傷のリスク、またはシースを通して動脈の中に挿入されるガイドワイヤなどのデバイスによる損傷のリスクが生じる。代わりに、シース本体の遠位領域は、錐体ICAなどの1つ以上の曲がった部分を含む遠位頸動脈(distal carotid artery)に置かれてもよい。したがって、動脈に挿入されたときにねじれはしないが曲げることができるように、シース本体222を構成することが望ましい。1つの実施形態では、シース本体222は、例えば、ステンレス鋼またはニチノールブレイド(braid)、らせん形のリボン、らせん形のワイヤ、切断されたステンレス鋼またはニチノールハイポチューブ(hypotube)、切断された固いポリマーなど、および内側ライナーによって周方向に補強されており、補強構造体が外側ジャケット層と内側ライナーとの間に挟み込まれるように、内側ライナーがある。内側ライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの低摩擦材料であってもよい。外側ジャケットは、ペバックス(Pebax)(登録商標)、熱可塑性ポリウレタン、またはナイロンを含む一群の材料の1つ以上であってもよい。
【0036】
1つの実施形態では、シース本体222は、その長さにおいて柔軟性を変更してもよい。この柔軟性の変更は、様々な方法によって達成してもよい。例えば、外側ジャケットは、様々な部分でデュロメーター(durometer)および/または材料で変更してもよい。代わりに、補強構造体または材料は、シース本体の長さにおいて変更してもよい。1つの実施形態では、シース本体の残りの部分よりも柔軟であるシース本体222の最遠位部分がある。例えば、最遠位部分の曲げ剛性は、シース本体222の残りの部分の曲げ剛性の1/3〜1/10である。1つの実施形態では、最遠位部分は、50〜300N−mm
2の範囲の曲げ剛性(flexural stiffness)(E*I)を有し、シース本体222の残りの部分は、500〜1500N−mm
2の範囲の曲げ剛性を有している。ここで、上式では、Eは弾性係数であり、Iはデバイスの領域の慣性モーメントである。CCAアクセス部位のために構成されたシースでは、柔軟な、最遠位の部分は、比率として表すことができるシース本体222のかなりの部分を含む。1つの実施形態では、シース本体222の全長に対する柔軟な最遠位部分の長さの比率は、シース本体222全体の長さの少なくとも1/10、多くとも1/2である。
【0037】
いくつかの例では、動脈アクセスシースは、CCAアクセス部位から頸動脈分岐部または近位の内頸動脈ICAにアクセスするように構成されている。この例では、シース本体222の1つの実施形態は、3〜4cmである最遠位部分223を有し、シース本体222全体は、10〜12cmである。この実施形態では、シース本体222の全長に対する柔軟な最遠位部分の長さの比率は、シース本体222の全長の約1/4〜1/2である。別の実施形態では、シース本体の最遠位部分と残りの部分との間の柔軟性を変更する1つ以上の部分を有する、最遠位の柔軟な部分と近位部分231との間の移行部分225がある。この実施形態では、最遠位部分は2〜4cmであり、移行部分は1〜2cmであり、シース本体222全体は10〜12cmである。または比率として表され、最遠位の柔軟な部分および移行部分は、シース本体の全長の少なくとも1/4、多くとも1/2を共に(またはひとまとめにして:collectively)形成する。
【0038】
いくつかの例では、動脈アクセスシースのシース本体222は、動脈アクセス位置に対して、内頸動脈の中に、場合により、内頸動脈の頭蓋内の部分の中に、より遠位に挿入されるように構成されている。例えば、細長いシース本体222の最遠位部分223は2.5〜5cmであり、シース本体222全体は、長さが20〜30cmである。この実施形態では、シース本体の全長に対する柔軟な最遠位部分の長さの比率は、シース本体222全体の1/10〜1/4である。別の実施形態では、最遠位部分が2.5〜5cmであり、移行部分が2〜10cmであり、シース本体222全体が20〜30cmである、最遠位の柔軟な部分と近位部分231との間の移行部分225がある。この実施形態では、最遠位の柔軟な部分および移行部分は、シース本体の全長の少なくとも1/6から多くとも1/2を共に形成する。
【0039】
他の実施形態は、後部の動脈壁に面して接する最遠位のシース先端によって引き起こされる動脈への損傷のリスクを減少させ、最小にし、または排除するように適合されている。いくつかの実施形態では、シース本体の遠位領域の長手方向軸線が血管の管腔の長手方向または中心軸線とほぼ平行となるように、シースは、動脈の管腔にシース本体先端の中心を置くように構成された構造を有する。
図6に示された実施形態では、シースアラインメント機構(またはシース整列機構)は、動脈アクセスシース220の外壁に位置する、膨張式または拡大式バンパー(enlargeable bumper)、例えば、バルーン608である。バルーン608は、動脈の内側に力をかけるためにサイズを増加し、動脈アクセスシースの細長い本体222に接して、動脈壁から離れるように押圧する。
【0040】
別の実施形態では、シースアラインメント機構は、シース先端から外向きに延びるように作動させることができる、シース本体の1つ以上の機械的構造である。1つの実施形態では、動脈アクセスの特定の端部が動脈の後壁に対して存在するように、シース本体222は、動脈の中に挿入されるように構成されている。この実施形態では、シースアラインメント機構要求は、後部の動脈壁から離れるようにシース先端を持ち上げるまたは押すために、シース本体222の長手方向軸線に対して1つの方向から外向きに延びることのみである。例えば、
図6に示されるように、膨張式バンパー608は、シース本体の片側にある膨れ(blister)である。別の例では、機械的機構は、シース本体の片側にのみ延びる。
【0041】
別の実施形態では、急勾配のシース挿入角度であっても、シース挿入後に先端が血管の長軸線とより整列されるように、シース本体222の少なくとも一部分は予め成形されている。この実施形態では、シースガイドワイヤの上でシースを挿入中に拡張器がシースと組み立てられたときには、シース本体はほぼ直線であるが、拡張器およびガイドワイヤを抜去すると、シース本体の最遠位部分は、湾曲したまたは角度が付いた形になると想定される。1つの実施形態では、シース本体は、約0.5”の曲率半径を有するシース本体の主軸線から測定されたとき、最遠位の0.5〜1cm部分が、10〜30度の角度が付けられるように成形されている。挿入中に直線にされた後、シース本体の湾曲したまたは角度が付いた形を保持するために、シースは、製造中、角度が付いたまたは湾曲した形にセットされて加熱されてもよい。代わりに、補強構造体は、ニチノールから構成されてもよく、製造中、湾曲したまたは角度が付いた形に熱成形されてもよい。代わりに、追加のバネ要素は、シースの補強層に加えられた、正確な形を有するシース本体、例えば、バネ鋼またはニチノールのストリップに加えられてもよい。
【0042】
代替の実施形態では、チャン(Chang)に対する米国特許第7,998,104号、およびクライアド(Criado)に対する米国特許第8,157,760号に記載されたようなアクセスシースを通る流れ抵抗を最小にすることが望ましい手技があり、これら両方は、参照によって本明細書に取り込む。
図7は、このようなシース本体222の実施形態を示し、シース本体は、(シースの残りの部分に対して直径が小さくなった)減径遠位領域705を有するステップ状またはテーパ状の形状を有する。ステップ状のシースの遠位領域705は、頸動脈への挿入のために寸法を決めることができ、典型的には、内側直径は0.110インチ〜0.135インチの範囲にあり、シースの残りの部分の近位領域はより大きい外側および管腔の直径を有し、内側直径は典型的には0.065インチ〜0.115インチの範囲にある。シース本体の残りの部分の大きい管腔の直径は、シースを通る全体の流れ抵抗を最小にする。1つの実施形態では、減径遠位部分705は、およそ2cm〜4cmの長さを有する。減径遠位部分705の比較的短い長さは、シース本体の遠位端が分岐部Bに接するリスクを減らした経頸動脈手法によって、この部分を総頸動脈CCAに配置できるようにする。さらに、減径部分は、流れ抵抗のレベルでの最小の影響を有する一方、動脈の中にシースを導入するための動脈切開のサイズの減少も許容する。さらに、減径遠位部分は、柔軟であり、したがって、血管の管腔に一致してもよい。
【0043】
いくつかの例では、例えば、遠位塞栓を作り出す可能性がある手技において、シース本体222が配置された動脈をシース本体222が閉塞できることも望ましい。これらの場合では、動脈を閉塞することは、動脈の順行性の血流を停止させ、それによって、一過性脳虚血発作(TIA)または脳卒中などの神経症状につながるかもしれない遠位塞栓のリスクを減少させる。
図8は、シース本体222の内部の膨張管腔を膨張デバイスに順次接続することができる栓(stopcock)229に接続する膨張ライン810を介して膨張できる、遠位領域の膨張式バルーン805を有する動脈アクセスシース220の一実施形態を示す。この実施形態では、遠位塞栓のリスクをさらに減少させるために、パッシブまたはアクティブ吸引源に接続することができるYアーム815もある。
【0044】
いくつかの例では、シースの挿入可能なシース本体222の長さを維持する間、シースの遠位先端から離れるように、止血弁を移動させることが望ましい。この実施形態は、オペレータの手、実際には、彼または彼女の体全体を、ターゲット部位から離れるように、それゆえに、透視下でターゲット部位を撮像するために使用されるイメージ増強管から移動させ、したがって、手技の間、ユーザへの放射線暴露を減少させるように構成されている。本質的に、これは、体の外側にある動脈アクセスシース220の部分を長くする。この部分は、シース本体222よりも大きい内側直径および外側直径であることができる。シースの中に挿入されるカテーテルの外側直径がシース本体の内側直径に近い例では、流れに対して利用可能な管腔の環状空間は、制限的である。したがって、シース本体長さを最短にすることにより、例えば、シースに生理食塩水または造影剤溶液を流す間、またはシースからの吸引または逆流の間に、この抵抗を最小限にするのに有利である。
図9に示された実施形態では、動脈アクセスシース220は、挿入可能な細長いシース本体222(すなわち、動脈の中に挿入するように構成された部分)と近位伸長部分905とを有する。1つの実施形態では、シース本体222は、6フレンチのシースサイズに一致する、約0.087”の内側直径および約0.104”の外側直径を有し、近位伸長部は、約0.100”〜0.125”の内側直径および約0.150”〜0.175”の外側直径を有する。別の実施形態では、シース本体222は、8フレンチのシースサイズに一致する、約0.113”の内側直径および約0.136”の外側直径を有し、近位伸長部は、約0.125”の内側直径および約0.175”の外側直径を有する。さらなる別の実施形態では、シース本体222は、
図7におけるように、流れ制限をさらに減少させるために、小径遠位部分705を有してステップ状である。1つの実施形態では、近位伸長部905は、経頸動脈アクセス手技中、ユーザへの放射線暴露を有意に減少させるのに適した長さである。例えば、近位伸長部905は、10〜25cmであり、または15〜20cmである。代わりに、近位伸長部905は、アクセスシースの挿入可能な長さに応じて、止血弁226とシース本体の遠位先端との間に約30cm〜60cmの距離を提供するように構成された長さを有する。コネクタ構造体915は、細長いシース本体222を近位伸長部905に連結することができる。この実施形態では、コネクタ構造体915は、アクセスシースを患者に固定することを補助するために、縫合穴920および/またはリブ925を含んでもよい。1つの実施形態では、止血弁226は、静的シールタイプのパッシブ弁である。代替の実施形態では、止血弁226は、ツイボースト(Tuohy−Borst)弁227または回転止血弁(RHV)などの調整可能な開口弁である。代わりに、近位伸長部は、独立した止血弁構成要素がパッシブシール弁、ツイボースト(Tuohy−Borst)弁、または回転止血弁(RHV)が取り付けられることができるメスのルアアダプタの近位端で終端してもよい。
【0045】
典型的には、血管閉鎖デバイスは、シース本体の遠位先端と止血弁の近位面との間の最大距離が約15cmである動脈アクセスシースを必要とし、ここでシース本体222が約11cm、残りの4cmに近位止血弁の長さを含む。したがって、アクセスシースが15cmよりも長い距離を有する場合、手技の終わりに、近位伸長部905を取り外すことが望ましい。1つの実施形態では、近位伸長部905は、取り外し後に止血が維持されるような方法で取り外し可能である。例えば、止血弁は、シース本体222と近位伸長部905との間のコネクタ915に作られる。止血弁は、近位伸長部905がデバイスの流体連通および挿入を可能にするように取り付けられたときには開かれるが、近位伸長部905が取り外されたときにはシースから血液が流れ出ることを回避する。手技が完了した後、近位伸長部905は取り外すことができ、止血弁の近位面(proximal aspect)とシース先端との間の距離を、15cmよりも長い距離から、15cmに等しいまたは15cmよりも少ない距離まで減少させ、これにより血管閉鎖デバイスをアクセスシース220とともに使用してアクセス部位を閉塞することができるようになる。
【0046】
いくつかの手技では、チャン(Chang)に対する米国特許第7,998,104号明細書、およびクライアド(Criado)に対する米国特許第8,157,760号明細書で説明されたようなアクセスシースに接続された流れ抵抗(大きいボア)フローラインまたはシャントを有することは、望ましく、これら両方は、参照によって本明細書に取り込む。
図10に示された動脈シースの実施形態は、コネクタ915のYアーム1015への内部管腔を有するフローライン1005を有する。このフローラインは、シース本体の管腔に流体的に接続(または流体連通)された管腔を有する。フローライン1005は、静脈リターンサイトまたはタンク(リザーバー)などの低い圧力のリターンサイトに接続されてもよい。フローライン1005は、ポンプまたはシリンジなどの吸引源に接続されてもよい。1つの実施形態では、1つの閉塞要素は、シース本体222、例えば、閉塞バルーンの遠位端に含まれてもよい。これは、血管が血管ループまたは血管クランプなどの血管外科的手段によって閉塞されることができない経皮的手技において望ましい。
【0047】
いくつかの手技では、例えば、ターゲット領域が動脈アクセス部位に極めて近い手技においては、動脈の中へのシース本体挿入量を限定することが望ましい。頸動脈分岐部のステントの手技では、例えばシース先端がステント展開を妨げないまたは疾患領域に入らないように、場合によっては捕まえた塞栓を自由にさせないように、シース先端は、処置部位よりも(アクセス位置に対して)近位側に配置されるべきである。
図11Aおよび
図11Bに示された動脈シース220の実施形態では、シースストッパ1105は、シース本体の遠位部分の外側の上に、スライド可能に接続または装着されている。シースストッパ1105は、シースの遠位部分よりも短く、シース本体222に沿って一定の長さで凸の止め部を作り出すことによって、シース本体222の挿入可能な部分を効率的に短くする。シースストッパ1105は、シース本体222に配置されたときに、シース本体の遠位部分を露出したままにする長さを有しシース本体222にスライド可能に適合するチューブであってもよい。この長さは、2〜4cmの範囲にあることができる。より詳細には、長さは2.5cmである。
図11Aに示されるように、管が動脈の中に挿入されたときに、シースが動脈の中に挿入されると、血管に対してストッパが面一になるように(または、飛び出さないように:flush)、かつ動脈壁に対して止め部としての機能を果たすように、シースストッパ1105の遠位端は、角度を付けられ、方向付けられてもよい。代わりに、シースストッパの遠位端は、
図11Bに示されるように、動脈壁に接する角度が付いたフランジ1115に形成してもよい。フランジ1115は、動脈壁に対して凸で傷つけない止め部を作り出すために、丸いまたは傷つけない形を有する。シースストッパ1105は、動脈シースに恒久的に固定されてもよく、例えば、シースストッパの近位端は、動脈アクセスシースのコネクタ915に接着されていてもよい。代わりに、シースストッパ1105は、ユーザによって、動脈アクセスシース220から取り外し可能であってもよく、そのため、手技で任意に利用可能であることができる。この例では、シースストッパ1105は、例えば、コネクタの突起に係合する近位シースストッパのスロットまたは凹部などの、コネクタ915の対応する固定機構と係合する近位部分の固定機構を有していてもよい。他の固定機構も利用してもよい。
【0048】
シース本体の挿入が2〜3cmに限定される状況で、特に、シース本体が急勾配の角度で挿入されたときには、シースは、患者に固定されたときにバヨネット形と一致してもよい。例えば、バヨネット形は、第1軸線に沿って延びる第1部分と、第1軸線から軸線方向にオフセットされた、および/または第1軸線に平行でない第2軸線に沿って延びる第2部分とを備えていてもよい。適切に固定されない場合、シース本体の弾力性は、挿入部位で血管に力をかけてこの形にさせ、血管から出ようとするシースの特性を増加させる。血管にかかる応力を減少させるために、シースストッパは、湾曲したときのシース本体の応力が血管よりもむしろシースストッパに伝えるように、湾曲したまたはバヨネットの形に予め成形されてもよい。シースストッパは、シースストッパは、弾性があるが曲げられる材料から作製してもよく、またはステンレス鋼またはニチノールのワイヤまたはストリップなどのバネ要素を含んでもよく、拡張器がシースおよびシースストッパアセンブリの中に挿入されたときには、シースは比較的直線であるが、拡張器が抜去されたときには、シースストッパは、シースが管壁に与える力を減少させるために予め湾曲した形になると想定される。代わりに、シースストッパは、可鍛材料で作製してもよく、または曲げられる金属のワイヤまたはストリップなどの可鍛要素を含んでもよく、シースが挿入された後に所望の曲率に成形して、シースが管壁に与える応力を再び減少させることができる。
【0049】
[シース拡張器]
図2を再び参照すると、シース拡張器260は、経頸動脈アクセスシースシステム200の構成要素である。シース拡張器260は、動脈の中に挿入される細長い本体であり、動脈壁の穿刺部位を通して、シースガイドワイヤ300の上へのアクセスシース220の滑らかな挿入を可能にする。したがって、拡張器260の遠位端は、拡張器を動脈中のシースガイドワイヤ300上に挿入することができるように、そしてニードル穿刺部位を、アクセスシース220そのものの挿入のために大きい直径に拡張させるために、一般に、テーパ状である。これらの機能に適合するために、拡張器260は、(拡張器の長手方向軸線に対する)全体的な角度(または全体を含む角度:total included angle)が概ね6〜12度のテーパを有し、丸い先端(leading edge)を備えたテーパ端部268を有する。シース拡張器は、動脈の中への挿入のために組み立てられたとき、典型的に、アクセスシースに固定される。例えば、シース拡張器260の近位ハブ264は、動脈アクセスシース220の止血弁226の対応する構造の中または上方に嵌めこまれるように構成されている。拡張器260の内部管腔は、例えば、シースガイドワイヤサイズに応じて、0.037〜0.041”の内側直径を有するシースガイドワイヤ300に適合する。
【0050】
経頸動脈アクセスシースシステム200では、アクセスシース220の柔軟性を増加させた部分と対応するように、シース拡張器260の遠位部分をより柔軟にすることが望ましい。例えば、シース拡張器260の遠位の2〜5cmは、シース拡張器260の近位部分よりも20〜50%柔軟であってもよい。この実施形態は、経頸動脈アクセス手技によくあることだが、挿入するシースおよび拡張器を急勾配の挿入角度に適合することができ、かつ、拡張器の支柱(columnar support)を維持しつつガイドワイヤ上に滑らかに挿入できる。支柱は、穿刺部位を拡張させアクセスシースを挿入するのに必要とされる挿入力を提供することが望ましい。
【0051】
いくつかの経頸動脈アクセスシースシステムでは、シースおよび拡張器を動脈の中に案内するために、(例えば、0.014”〜0.018”の範囲の直径の)小径アクセスガイドワイヤを使用することも望ましい。この実施形態では、シース拡張器テーパ端部268は、より小さいワイヤサイズからアクセスシースへの滑らかな移行を提供するように構成されている。1つのバリエーションでは、シースガイドワイヤは、0.018”であり、内側拡張器管腔は、0.020”〜0.022”の範囲にある。別のバリエーションでは、シースガイドワイヤは0.014”であり、内側拡張器管腔は、0.016”〜0.018”の範囲にある。テーパも同様に改良されて、例えば、テーパ長さは、小径からアクセスシースの内側直径までのテーパに適合するために長くされており、またはテーパの全長を過度に長くすることなしに小径ワイヤからアクセスシースへの滑らかな移行を提供するように、2つのテーパ角度を含んでもよい。
【0052】
いくつかの手技では、上で説明されたように、ICAの遠位頸部、錐体、または海綿状のセグメントの中間に、動脈アクセスシース220のシース本体222の遠位先端を配置することが望ましい。これらのセグメントは、90度よりもしばしば大きな曲率を有する。動脈への損傷のリスクなしに容易に曲げられるように、柔らかく長いテーパを備えたシース拡張器を有することが望ましい。しかしながら、動脈の穿刺を通ってシースに挿入するために、拡張器は、拡張力を提供するために一定の剛性およびテーパを有するのが望ましい。1つの実施形態では、経頸動脈アクセスシースシステム200は、2つ以上のテーパ拡張器260A,260Bを含むキットで供給され、またはキットに含まれる。第1テーパ拡張器260Aは、動脈の中への入口を得るために、動脈アクセスデバイスとともに使用され、したがって、標準的な導入シース拡張器と同様の方法で寸法が決められて構成される。テーパ拡張器に使用できる例示の材料は、例えば、高密度ポリエチレン、72Dペバックス(Pebax)(登録商標)、90Dペバックス(Pebax)(登録商標)、または同等の剛性および潤滑材料を含む。キットの第2テーパ拡張器260Bは、柔らかい遠位部分、または第1テーパ拡張器の遠位部分に比べて低い曲げ剛性を有する遠位部分を備えた動脈アクセスデバイスが供給されてもよい。すなわち、第2拡張器は、対応する第1拡張器の遠位領域よりも、柔らかく、可撓性のある、または関節のある(articulates)、あるいは容易に曲がる遠位領域を有する。したがって、第2拡張器の遠位領域は、対応する第1拡張器の遠位領域よりも容易に曲がる。1つの実施形態では、第1拡張器260Aの遠位部分は、50〜100N−mm
2の範囲の曲げ剛性を有し、第2拡張器260Bの遠位部分は、5〜15N−mm
2の範囲の曲げ剛性を有する。
【0053】
動脈アクセスデバイスが、内頸動脈の中に、動脈の曲率とほぼ同じ曲率で、そして第2拡張器の柔らかい遠位部分による血管の不当な力または外傷なしに挿入できるように、(低い曲げ剛性を有する遠位部分を有する)第2拡張器260Bは、初期の第1拡張器と交換されてもよい。柔らかい第2拡張器の遠位部分は、例えば72Dペバックス(Pebax)(登録商標)でできた近位部分を有する、例えば35Dまたは40Dペバックス(Pebax)(登録商標)であってもよい。単数または複数の中央の中間部分は、柔らかい遠位部分と固い近位部分との間の滑らかな移行を提供するために、第2拡張器に含まれてもよい。1つの実施形態では、蛍光透視法で拡張器先端位置を見ることができるように、一方または両方の拡張器は、放射線不透過性先端マーカーを有していてもよい。1つのバリエーションでは、放射線不透過性マーカーは、拡張器の遠位先端に熱溶着した、ペバックス(Pebax)(登録商標)またはポリウレタンがロードされたタングステンの一部分である。他の放射線不透過物質は、同様に、遠位先端で放射線不透過性マーカーを作り出すように使用されてもよい。
【0054】
第1拡張器の第2拡張器への交換を容易にするために、一方または両方の拡張器は、拡張器の遠位部分が、テーパの単一管腔チューブから構成されるが、拡張器の近位部分および近位端の任意のアダプタが側部開口を有するように構成されてもよい。
図12は、動脈の中に挿入されるように寸法が決められて成形された細長い部材と、近位ハブ1210と、から形成された拡張器1205の一例を示す。拡張器は、例えば細長い本体および近位ハブ1210に沿って、拡張器1205の長さの少なくとも一部分に沿って延びる、スロットなどの側部開口1215を有する。1つの実施形態では、これは変更してもよいが、側部開口1215は、近位ハブ1210を通って拡張器1205の近位領域にのみ位置する。側部開口1215は、例えば管腔の中へまたは管腔からガイドワイヤを挿入および/または抜去するための拡張器1205の内部管腔へのアクセスを提供する。片側にスロットを有する、環状の、移動可能なスリーブ1220は、拡張器1205の近位ハブ1210に、またはその近くに位置する。スリーブ1220は、以下で説明されるように、例えば、ハブ1210の長手方向軸線の回りの回転によって移動させてもよい。拡張器1205の遠位端が組織を拡張させるためのテーパ形状を有することに留意する。
【0055】
図13は、拡張器1205の近位領域の拡大図を示す。上述したように、拡張器1205は、拡張器1205および近位ハブ1210の長さに沿って延びるスロット状の側部開口1215を有する。スリーブ1220は、拡張器の外周面の周りに配置され、側部開口1215の少なくとも一部分を覆うように成形されている。したがって、スリーブ1220は、拡張器1205の内部に配置されたガイドワイヤが、側部開口1215を通って拡張器を出ていくことを回避することができる。上述したように、スリーブ1220は、拡張器1205および近位ハブ1210に対して回転可能である。示された実施形態では、他のタイプの相対的な動きはこの開示の範囲内にあるが、スリーブ1220は、拡張器1205の長手方向軸線の回りに回転可能である。
図14に示されるように、スリーブ1220は、側部開口1215と整列されることができるスロット1225を有する。そのように整列されると、スロット1225および側部開口1215は、拡張器1205の内部管腔に挿入され、または拡張器1205の内部管腔から取り出せるように、ガイドワイヤのための開口を共同で提供する。スリーブ1220は、(それが側部開口1215を覆う)
図13に示された位置と、(側部開口1215と整列されるスロット1225によって側部開口が覆われていない)
図14に示された位置との間で回転させることができる。
【0056】
このアクセスシースキットの実施形態の使用方法がここに記載されている。0.035”ガイドワイヤなどのシースガイドワイヤは、改良されたセルジンガー技術またはマイクロ穿刺技術を使用して、総頸動脈の中に挿入される。ガイドワイヤの遠位端は、内頸動脈または外頸動脈の中に配置することができ、または分岐部の手前の総頸動脈で止めることができる。第1の固い拡張器を有する動脈アクセスシースは、0.035”ワイヤ上で動脈の中に挿入される。動脈アクセスシースは、シース本体222の少なくとも2.5cmが動脈の中に存在するように挿入される。追加の獲得(purchase)が望まれた場合、動脈アクセスシースは、さらに、内頸動脈の中に方向付けられてもよい。動脈アクセスシースおよび0.035”ワイヤの両方を適当な位置に維持しながら、第1拡張器は抜去される。拡張器の近位部分の側部開口1215により、拡張器の抜去中に、アクセスデバイスの外側にあるガイドワイヤの大部分を直接把持することができるような「迅速な交換」方法で拡張器を抜去することができる。その後、第2拡張器は、0.035”ワイヤにロードされ、シースの中に挿入される。再び、拡張器の近位部分の側部開口1215を有する拡張器は、「迅速な交換」技術でのガイドワイヤ挿入中、0.035”ワイヤを直接把持することができるように使用してもよい。第2拡張器が動脈アクセスデバイスの中に完全に挿入されると、柔らかい先端の第2拡張器を有する動脈アクセスシースは、内頸動脈および近くに前進され、血管外傷への不当な力または心配なしに、動脈の中で曲がる。この形状は、動脈の中に挿入されるために、デバイスの能力を損なうことなく、動脈アクセスシースのより遠位に置くことを許容する。
【0057】
代わりに、1つ以上の標準的な拡張器は、側部開口なしに使用してもよい。側部開口なしの標準的な拡張器が使用される場合、アクセスデバイスが、第1拡張器を有する動脈中のガイドワイヤ上に挿入された後、第1拡張器は、適当な位置にアクセスデバイスだけを残して、ガイドワイヤと一緒に抜去されてもよい。中央管腔の中へと予めロードされたガイドワイヤを有する第2拡張器は、動脈アクセスデバイスの中に一緒に挿入されてもよい。完全に挿入されると、アクセスデバイス、および柔らかい先端を有する第2拡張器は、上述のように遠位に内頸動脈を前進されてもよい。この代替の方法では、初期ガイドワイヤは、第2の柔らかい先端の拡張器とともに挿入されたとき、両方の拡張器とともに使用しても、または柔らかい先端のガイドワイヤに交換してもよい。
【0058】
いくつかの例では、頸動脈中の0.035”ワイヤ上にアクセスシースシステムを挿入し、その後、ワイヤを0.014”〜0.018”の範囲の小さいガイドワイヤに交換することが望ましい。頸動脈へのアクセスは、入口の急勾配の角度を必要としてもよいので、0.035”ワイヤなどの良好な支持を提供することができるワイヤは、最初にCCA中へアクセスシースを導入するのに望ましい。しかしながら、シースが動脈に存在するが、ユーザが、小さいガイドワイヤの上に、それをさらに前進させたいと思うと、0.035”ワイヤを小さいガイドワイヤに交換することが望ましい。代わりに、ユーザは、拡張器並びに柔らかい拡張器のための0.035”ワイヤおよび0.014”〜0.018”の範囲の小さいガイドワイヤの両方を交換してもよい。代わりに、ユーザは、シースおよび拡張器がなお適当な位置に配置しつつ、0.014”ガイドワイヤを配置しその後に彼または彼女が介入デバイスを導入することを望んでもよい。拡張器は、このガイドワイヤへのアクセスおよび支持を提供してもよく、厳しいアクセスシース角の例では、ワイヤが管腔の損傷のリスクなく、血管管腔の中に安全に前進されることができるように、動脈の後壁から離れるようにワイヤを方向付けることを支援してもよい。
【0059】
図15に示された実施形態では、シース拡張器260は、共軸線の配置で互いにスライド可能に取り付ける内側拡張器269および外側拡張器270を有する二部式(two-part)拡張器アセンブリである。両方の拡張器は、近位ハブ264a,264bを有する。2つの拡張器が一緒に組み立てられると、2つのハブ264a,264bは、2つの拡張器が1つのユニットとして扱われることができるように、それらを一緒に固定されることができる機構、例えば、スナップフィットまたはねじによる嵌合機構を有する。1つの実施形態では、内側拡張器269は、外側拡張器270の近位ハブ264a上の外側のねじ山に係合する内側のねじ山を有する回転カップラーを含む近位ハブ264bを有する。内側拡張器269は、0.035”または0.038”ワイヤに適合する拡張器から0.018”または0.014”ワイヤに適合する拡張器への拡張器アセンブリを効率的に変換し、外側拡張器の遠位端の外に延びる。
図16に示された実施形態では、内側拡張器は、拡張器の残りの部分の長手方向軸線に対して曲げられたまたは角度が付いた先端276を有する。1つの実施形態では、角度は45度である。この角度が付いた先端276は、ユーザが、1つまたは別の枝の管の中により容易にガイドワイヤを方向付けることができるようにする。内側拡張器は、
図15に示されるように直線のテーパ先端または
図16に示されるように角度が付いた先端を有していてもよい。代わりに、内側拡張器は、丸い先端を有する遠位端まで一定の外側直径を有していてもよい。1つの実施形態では、蛍光透視法の下での拡張器の視覚化を支援するために、遠位先端で、またはその近くで、内側拡張器は、放射線不透過性マーカー274を有する。1つの実施形態では、内側拡張器は、角度が付いた先端を特定の方向に方向付けることを支援するために、よりトルカブル(またはトルク伝達可能:torquable)になるように補強されている。例えば、拡張器は、コイルまたはブレイド補強層を有していてもよい。介入ワイヤが配置されると、二部式拡張器は抜去され、その後、ワイヤは、動脈シースを通して動脈の中に介入デバイスを挿入するために使用され、処置部位に前進されてもよい。
【0060】
図17に示された代替の実施形態は、2つの別々のワイヤサイズを、拡張器とともに使用することができるようにする。この実施形態は、デバイスの長さに沿って延びる2つのガイドワイヤ内部管腔を有する拡張器1705を含む。
図17は、この実施形態の遠位端を示す。断面図の
図18により明瞭に見られるように、1つの管腔1805は、0.035”または0.038”ガイドワイヤのために構成され、他の管腔1815は、0.014”〜0.018”ガイドワイヤのために存在する。この実施形態では、小さい管腔1815が、テーパの中心線からオフセットされる一方、大きい管腔1805は、テーパ268の中心線の近くに中心が置かれる。この構造では、アクセスシースは、大きい管腔1805に配置された大きいガイドワイヤ上で動脈中に導入される。介入ワイヤは、配置されると、第2管腔1815を通して配置することができる。大きいガイドワイヤおよび拡張器は、その後、アクセスシースから取り外され、介入ワイヤは、その後、動脈シースを通って動脈の中に介入デバイスを挿入するために使用され、上述したような処置部位に前進されてもよい。
【0061】
[シースガイドワイヤ]
動脈アクセスシースは、典型的に、0.035”または0.038”直径のシースガイドワイヤ上で、動脈中に導入される。拡張器の遠位先端の内側直径およびテーパ長さは、このようなガイドワイヤと一致するように寸法が決められる。例えば、橈骨動脈アクセスのためのいくつかのシースは、遠位先端の内側直径およびテーパ長さを有する対応する拡張器とともに、0.018”直径のシースガイドワイヤに適合するように寸法が決められる。シースガイドワイヤは、傷つけない直線状の、角度が付いた、またはJ先端を有していてもよい。ガイドワイヤは、近位端の固いセグメントに滑らかに移行する。この構造は、シースが動脈中のワイヤ上に導入されたときにシースのための支持を可能にしつつ、動脈の中へのワイヤの傷つけない侵入および前進を可能にする。典型的には、傷つけない先端からの移行は、固い部分に対して、約4〜9cmである。シースが挿入されたときに、ワイヤの固いセグメントが動脈の侵入部位に存在するように、シースは、通常、動脈の中に15〜20cm挿入される。
【0062】
しかしながら、経頸動脈アクセス侵入点の場合では、遠位の血管に潜在的に傷を生じさせないワイヤの挿入可能な量は、15cmよりもはるかに短い。頸動脈のステントまたはPTA手技のための経頸動脈アクセスの場合では、頸動脈疾患の部位でシースガイドワイヤによって生じる遠位塞栓のリスクを回避するためにワイヤ挿入長さを限定することは、極めて重要である。したがって、挿入の長さを限定しつつ、潜在的な急勾配のシース侵入角度への支持を提供することができるガイドワイヤを提供することが望ましい。1つの実施形態では、経頸動脈シースガイドワイヤは、傷つけない先端部分を有するが、固い部分への極めて遠位でかつ短い移行を有する。例えば、柔らかい先端部分は1.5〜2.5cmであり、次いで3〜5cmの長さを有する移行部分、そして固い近位セグメントと続いており、固い近位部分は、ワイヤの残りの部分を含む。
【0063】
拡張器に対してどこにワイヤの先端が存在するかをユーザが決定することを手助けするために、シースガイドワイヤは、ガイドワイヤマーキング318を有していてもよい。例えば、ワイヤの先端がマイクロアクセスカニューレ先端を出ようとしているときに対応するワイヤの近位端のマーキングであってもよい。ユーザがワイヤ挿入量を限定することを手助けするために、このマーキングは、迅速なワイヤ位置フィードバックを提供する。別の実施形態では、ワイヤは、設定距離、例えば、5cmだけカニューレから出たこと(existed)をユーザに知らせるために追加のマークを含んでもよい。
【0064】
[マイクロアクセス構成要素]
図1を参照すると、初期経頸動脈アクセスのためのマイクロアクセスキット100は、アクセスニードル120、アクセスガイドワイヤ140、およびマイクロアクセスカニューレ160を含む。マイクロアクセスカニューレ160は、本体162と、本体162の管腔の内部でスライド可能に配置された内側拡張器168とを含む。典型的には、動脈アクセスのために、改良されたセルジンガー技術が使用される場合、初期ニードル穿刺は、21Gまたは22Gアクセスニードル、または18Gニードルにより行われてもよい。経頸動脈アクセスでは、さらに小さいニードル穿刺によってアクセスすることが望ましい。頸動脈の経皮的アクセスは、典型的に、大腿動脈のものよりも困難である。頸動脈は、厚い壁の動脈であり、頸動脈シースとして知られた組織スリーブに囲まれており、それは、筋肉組織を取り囲むのと同様に固定されておらず、それゆえに、初期ニードル刺し(initial needle stick)は難しく、不安定な動脈に、より大きな力で刺さなければならず、したがって、誤った部位への穿刺、動脈の切断、または後壁穿刺のリスクが増加する。小さい初期ニードル穿刺、例えば、23Gまたは24Gニードルは、ニードル侵入の容易性を増加させ、これらのリスクを減少させる。シースガイドワイヤは、小さいニードル、例えば、0.016”または0.014”ワイヤに適合するように適切に寸法が決められるべきである。アクセスニードル120は、超音波ガイドによる動脈中へのニードル挿入を支援するために、超音波でそれを見ることができる状態にするように、遠位端にテクスチャー加工した表面を含んでもよい。ニードル長さは、長さ4cm〜8cmの範囲にあってもよい。
【0065】
シースガイドワイヤと同様に、マイクロアクセスガイドワイヤは、柔らかい遠位先端から遠位先端または遠位領域よりも固いコア部分への移行セグメントを有する。このようなマイクロアクセスガイドワイヤは、典型的に、直径が0.018”であり、柔らかい、約1〜2cmの遠位セグメント、および固いセグメントまで5〜6cmの移行領域を有する。1つの実施形態では、経頸動脈アクセスガイドワイヤは、直径が0.014”〜0.018”からなっており、固い支持部分を遠位先端のかなり近くに持ってくるために、1cmの柔らかいセグメントと、2〜3cmの移行領域を有する。これは、急勾配のアクセス角度、および限定されたワイヤ挿入長さであっても、ユーザが、彼のマイクロアクセスカニューレ挿入のための良好な支持を有することを可能にする。
【0066】
シースガイドワイヤと同様に、ワイヤの先端がマイクロカニューレに対してどこに存在するかをユーザが決定することを手助けするために、マイクロアクセスガイドワイヤは、ガイドワイヤマーキング143を有していてもよい。例えば、ワイヤの先端がマイクロカニューレを出ようとしているときに対応するワイヤの近位端に、マーキングが位置することができる。このマーキングは、ユーザがワイヤ挿入量を限定することを手助けするために、迅速なワイヤ位置フィードバックを提供する。別の実施形態では、ワイヤは、設定距離、例えば、5cmだけ拡張器から出たこと(existed)をユーザに知らせるための追加のマークを含んでもよい。
【0067】
マイクロアクセスカニューレそのものは、経頸動脈挿入のために構成されていてもよい。典型的には、マイクロアクセスカニューレ160は、カニューレ162と、テーパ先端を有する内側拡張器168とを含む。内側拡張器168は、カニューレとアクセスガイドワイヤとの間の滑らかな移行を提供する。カニューレは、0.035”ワイヤを受け入れるように寸法が決められており、0.038”〜0.042”の範囲の内側直径を有している。1つの実施形態では、マイクロアクセスカニューレ160は、経頸動脈アクセスのために構成されている。例えば、カニューレの拡張器は、より小さい0.014”アクセスガイドワイヤ140のために寸法が決められていてもよい。さらに、ユーザが挿入量を限定することを支援するために、カニューレそのものは、深さマーキングを有していてもよい。1つの実施形態では、ユーザが、蛍光透視法の下で先端位置を視覚化することを手助けするために、マイクロアクセスカニューレ160は、カニューレ162の遠位先端に放射線不透過性マーカー164を有する。これは、例えば、ユーザが、例えば、ICAまたはECAにカニューレの配置を望む場合に、有用である。
【0068】
[例示のキット]
上で説明されたデバイスのいずれかまたは全ては、システムの1つ以上の構成要素が一般的なパッケージまたはパッケージの集合に含まれるように、ユーザにキットの形で提供されてもよい。アクセスシースキットの1つの実施形態は、上で説明されたような経頸動脈アクセスのために構成されたアクセスシース、シース拡張器、およびシースガイドワイヤの全てを備える。
【0069】
1つの実施形態では、マイクロアクセスキットは、アクセスニードル、マイクロアクセスガイドワイヤ、およびマイクロアクセスカニューレ並びに拡張器を含み、ガイドワイヤは0.014”であり、マイクロアクセスカニューレおよび拡張器は、0.014”ガイドワイヤに適合するように寸法が決められている。
【0070】
1つの実施形態では、アクセスキットは、全てが経頸動脈アクセスのために構成されたアクセスシース、シース拡張器、シースガイドワイヤ、アクセスニードル、マイクロアクセスガイドワイヤおよびマイクロアクセスカニューレ、並びに拡張器を含む。
【0071】
代替の実施形態では、アクセスガイドワイヤは、シースガイドワイヤとしても使用される。この実施形態では、アクセスキットは、アクセスニードル、アクセスガイドワイヤ、アクセスシース、および拡張器を備える。シースおよび拡張器は、血管の中に挿入され、それによってより大きいシースガイドワイヤに交換するのに必要とされる工程を回避するためにアクセスガイドワイヤを使用する。この実施形態では、拡張器のテーパ長さおよび内部管腔は、小さいアクセスガイドワイヤに適合するように寸法が決められている。1つの実施形態では、アクセスガイドワイヤは、0.018”である。代替の実施形態では、アクセスガイドワイヤは、0.016”である。代替の実施形態では、アクセスガイドワイヤは、0.014”である。
【0072】
[例示の方法]
ここに、経頸動脈アクセスシステムのための例示の使用方法を記載する。頸動脈狭窄を処置するための例示の経頸動脈手技では、ユーザが、総頸動脈に至るまで切断を実行することによって開始する。その後、ユーザは、所望のアクセス部位でアクセスニードル120を総頸動脈の中に挿入する。経頸動脈アクセスのために構成されたテーパを有するアクセスガイドワイヤ140は、ニードルを通して総頸動脈の中に挿入され、CCAの中に前進される。アクセスニードル120は抜去され、マイクロアクセスカニューレ160は、CCA中のワイヤ140上に挿入される。マイクロアクセスカニューレは、ガイドとして、カニューレのマーク166を使用して所望の深さに挿入され、過挿入を回避する。
【0073】
ユーザは、カニューレの内側拡張器168およびガイドワイヤ140を抜去し、カニューレ162を適当な位置に残す。必要に応じて、ユーザは、カニューレ162によって造影を実行する。そのとき、ユーザは、ワイヤを所望の挿入長さまで挿入することを支援するために、ガイドワイヤマーキング318を使用して、カニューレを通してシースガイドワイヤ300を置く。カニューレ162は、ガイドワイヤから取り外され、アクセスシース220およびシース拡張器260は、CCA中のシースガイドワイヤ300上にアセンブリとして挿入される。シースストッパ1105のシースストッパフランジ1115は、動脈シースの挿入長さを限定する。配置したら、拡張器260およびガイドワイヤ300は抜去される。その後、シースは、固定穴234および/またはリブ236を使用して、患者に縫合される。その後、介入手技は、動脈シースの近位端の止血弁226を通して所望の処置部位への介入デバイスの導入によって実行される。造影剤注入は、動脈シース220の噴出アーム228を介して、手技中、必要に応じて行われてもよい。
【0074】
代わりに、シースガイドワイヤ300は、大きいアクセスニードル、例えば、18Gニードルによって、単一のニードル穿刺を介して、CCAの中に置かれる。この実施形態では、アクセスカニューレおよびアクセスガイドワイヤは必要とされない。この実施形態は、動脈にアクセスするのに必要とされる工程の数を減少させ、いくつかの状況で、ユーザに望ましい。
【0075】
代わりに、シース拡張器は、内側拡張器269および外側拡張器270を有する、
図15に示されるような二部式シース拡張器アセンブリ260である。外側拡張器270は、0.035”シースガイドワイヤ300を受け入れるように、そして0.035”ワイヤからアクセスシース220への滑らかな移行を提供するように構成されている。内側拡張器269は、0.014”〜0.018”の範囲の小さいガイドワイヤを受け入れるように、そして小さいガイドワイヤから外側拡張器270への滑らかな移行を提供するように構成されている。シースガイドワイヤがCCAに配置されると、アクセスシースおよび外側シース拡張器270は、CCA中の0.035”シースガイドワイヤ300上に挿入される。その後、ガイドワイヤは抜去され、内側シース拡張器269が外側シース拡張器の中に挿入される。1つの実施形態では、
図16に見られるように、内側シース拡張器は、角度が付いた先端276を有する。介入の0.014”ガイドワイヤは、ガイドワイヤを配置することを支援するために、内側シース拡張器を通して挿入され、角度が付いた先端を使用して、ターゲット処置部位に方向付けられる。代わりに、内側シース拡張器は、直線の先端を有し、ガイドワイヤをCCAの中に安全に配置することを支援するために使用される。0.014”ワイヤがターゲット処置部位にまたはターゲット処置部位にわたって配置されると、その後、シース拡張器260およびシース0.035”ガイドワイヤ300が抜去され、介入が進む。
【0076】
代替の実施形態では、シース拡張器は、2つの管腔シース拡張器1705である。この実施形態では、シースおよび拡張器は、拡張器1705の大きい管腔1805に配置されたシースガイドワイヤ300上に挿入される。シースおよび拡張器が適当な位置に位置付けされると、介入の0.014”ガイドワイヤが小さい管腔1815を通して配置される。拡張器は、遠位の支持を提供し、血管管腔の軸線方向にシース先端の位置を維持し、したがって、拡張器が抜去され、シース先端が、少なくとも部分的に動脈の後壁に向かって方向付けられた場合よりも潜在的により安全でより容易な0.014”ワイヤの前進を許容する。0.014”ワイヤがターゲット処置部位にまたはターゲット処置部位にわたって配置されると、その後、シース拡張器1705およびシースガイドワイヤ0.035”が抜去され、介入が進む。
【0077】
さらなる別の実施形態では、塞栓の順行性の流れを最小限にするために、介入中、CCAを閉塞することが望ましい。この実施形態では、閉塞工程は、例えば血管ループ、止血帯、または血管クランプによる血管外科的手段によって実行してもよい。代替の実施形態では、アクセスシース220は、遠位先端に閉塞バルーン250などの閉塞要素を有する。この実施形態では、バルーンは、CCA閉塞が必要な場合、膨張させられる。さらなる変形例では、CCAを、外科的にまたはバルーン閉塞を介して閉塞しつつ、動脈シースをフローシャントに接続して、例えば、遠位塞栓を最小限にするために処置部位の領域のそばに逆流システムを作り出すのが望ましい。この実施形態では、動脈シース220は、フローライン256へのY接続を有する。フローラインは、例えば、外部のタンク(リザーバ)、または大腿静脈または内頸静脈などの中央の静脈リターンサイトのように、動脈の圧力よりも低い圧力のリターンサイトに接続して、シャントを通って逆流を生じる圧力勾配を作り出してもよい。に。代わりに、フローラインは、吸引ポンプまたはシリンジなどの吸引源に接続されてもよい。
【0078】
別の実施形態では、経頸動脈アクセスシステムは、経皮的神経介入手技を実行するために使用される。この実施形態では、ユーザは、所望のアクセス部位でアクセスニードル120によって総頸動脈CCAの経皮的穿刺を実行する。超音波は、適したアクセス部位を正確に特定し、ニードル穿刺をガイドするのに使用してもよい。アクセスガイドワイヤ140は、ニードルを通して総頸動脈の中に挿入されて、CCA中に前進される。アクセスニードル120は抜去され、マイクロアクセスカニューレ160は、CCA中のワイヤ140上に挿入される。ユーザは、カニューレの内側拡張器168およびガイドワイヤ140を抜去し、カニューレ162を適当な位置に残す。必要に応じて、ユーザは、カニューレ162を通して造影を実行する。その後、ユーザは、所望の挿入長さを支援するためにガイドワイヤマーキング318を使用して、カニューレを通してシースガイドワイヤ300を置く。カニューレ162がガイドワイヤから取り外され、アクセスシース220およびシース拡張器260は、CCA中のシースガイドワイヤ300上にアセンブリとして挿入される。
【0079】
代わりに、小さいアクセスガイドワイヤ140は、アクセスシース220およびシース拡張器260をCCAの中に配置するために使用される。この実施形態では、シース拡張器のテーパ先端266は、アクセスガイドワイヤ140からアクセスシース220へ滑らかに移行するように構成されている。1つの変形例では、アクセスニードルは21Gであり、アクセスガイドワイヤは0.018”である。別の変形例では、アクセスニードルは24Gであり、アクセスガイドワイヤは0.014”である。シースが配置されたら、ガイドワイヤおよびシース拡張器が抜去され、その後、介入手技は、動脈シースの近位端の止血弁226を通り所望の処置部位への介入デバイスの導入によって実行される。造影剤注入は、動脈シース220の噴出アーム228を介して、手技中、必要に応じて行ってもよい。
【0080】
代わりに、シースがCCAに設置したら、それをICAの中、例えば、遠位頸部ICA、錐体ICAの中間に、またはさらに遠位に、さらに前進させることが望ましい。この実施形態では、シース拡張器は、遠位頸部ICAを損傷するリスクなしにシースを前進することができるように、柔らかいシース拡張器と置換してもよい。この実施形態では、シースの配置中、ユーザがシースおよび拡張器アセンブリの先端を容易に視覚化できるように、柔らかい拡張器は、遠位放射線不透過性マーカーを有する。アクセスシースが配置されたら、拡張器およびシースガイドワイヤは抜去されてもよく、介入を進めることができる。代わりに、シースがCCAに設置されたら、0.035”ガイドワイヤは抜去されてもよく、0.014”〜0.018”の範囲の小さいガイドワイヤを有する内側拡張器は、シース拡張器の中に挿入されてもよい。内側拡張器および小さいガイドワイヤを有するシース拡張器アセンブリは、その後、血管外傷のリスクを減少してICAでより遠位に配置されてもよい。
【0081】
1つの実施形態では、脳に流れる遠位塞栓の機会を減少させるために、手技の部分の間にCCAまたはICAを閉塞することが望ましい。この実施形態では、CCAまたはICAは、アクセスシース220上で閉塞バルーン250によって閉塞される。例えば、遠位塞栓を最小限にするために処置部位の領域のそばに逆流システムを作り出すのに、動脈シースをフローシャントに接続することが望ましい。この実施形態では、動脈シース220は、フローライン256へのY接続を有する。フローラインは、シャントを通って逆流を生じる圧力勾配を作り出すために、動脈の圧力よりも低い圧力のリターンサイトに接続されてもよい。代わりに、フローラインは、吸引ポンプまたはシリンジなどの吸引源に接続されてもよい。
【0082】
この明細書が多くの特質を含む一方、これらは、請求される発明または請求されることができるものの範囲の限定と解釈されるべきではないが、むしろ、特定の実施形態に対して具体的な特徴の説明と解釈されるべきである。独立した実施形態の文脈で、この明細書で説明された特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて実施することもできる。反対に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、独立して、またはいかなる適した副次的な組み合わせでも、複数の実施形態で実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作動するように、上で説明されていてもよく、最初はそのように請求されてもよいが、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合、組み合わせから削除されることができ、請求された組み合わせは、副次的な組み合わせ、またはバリエーションの副次的な組み合わせに向けられてもよい。同様に、操作は、図では、特定の順番で描かれているが、これは、所望の結果を達成するために、このような操作が、示された特定の順番または連続的な順番で実行されること、または全ての示された操作が実行されることを必要とするものと理解されるべきではない。
【0083】
様々な方法およびデバイスの実施形態は、特定のバージョンを参照して、ここで詳細に説明されたが、他のバージョン、実施形態、使用方法、およびそれの組み合わせも考えられる点が評価されるべきである。それゆえに、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、ここに含まれた実施形態の説明に限定されるべきではない。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
介入デバイスを頸動脈中に導入するためのデバイスのシステムであって、
カテーテルを動脈中に導入するように適合された動脈アクセスシースであって、前記動脈アクセスシースは、頸動脈アクセス部位を介して総頸動脈中に導入するように寸法が決められて成形されたシース本体を含み、前記シース本体は、前記総頸動脈内に配置されたときに前記カテーテルを前記総頸動脈中に導入するための通路を提供する内部管腔を画定する、動脈アクセスシースと、
前記シース本体の前記内部管腔の内部に配置可能な細長い第1拡張器であって、前記第1拡張器は、動脈中への前記動脈アクセスシースの挿入のためにニードル穿刺部位をより大きい直径に拡張させるように寸法が決められて成形されたテーパ状の遠位先端を有し、前記第1拡張器は、動脈中のシースガイドワイヤ上に該拡張器を挿入できるようにするための前記内部管腔を有し、前記第1拡張器の少なくとも一部分が第1曲げ剛性を有し、前記動脈アクセスシースおよび前記第1拡張器を前記総頸動脈中に共に導入できる、細長い第1拡張器と、
前記シース本体の前記内部管腔の内部に配置可能な細長い第2拡張器であって、テーパ状の遠位先端を有し、動脈中の前記ガイドワイヤ上に前記第2拡張器を挿入できるようにするための内部管腔を有し、前記第1拡張器の前記第1曲げ剛性よりも少ない第2曲げ剛性を有する遠位領域を有する、細長い前記第2拡張器と
を含むシステム。
(態様2)
前記第1拡張器は、動脈中への急峻な挿入角度に適合するように、前記第1拡張器の近位部分よりも柔軟な遠位部分を有する、請求項1に記載のシステム。
(態様3)
前記第1拡張器の遠位部分は、長さが2〜5cmである、請求項2に記載のシステム。
(態様4)
前記第1拡張器の遠位部分は、前記第1拡張器の近位部分よりも20%〜50%柔軟である、請求項2に記載のシステム。
(態様5)
前記第2拡張器の遠位領域は、前記第1拡張器の遠位部分よりも柔軟である、請求項1に記載のシステム。
(態様6)
前記第2拡張器の遠位領域は、長さが2〜5cmである、請求項1に記載のシステム。
(態様7)
前記第2拡張器の遠位領域は、前記第2拡張器の近位領域よりも20%〜50%柔軟である、請求項1に記載のシステム。
(態様8)
前記第2拡張器は、前記第2拡張器の近位領域と前記第2拡張器の遠位領域との間における剛性の滑らかな移行を提供する中央の中間部分を有する、請求項1に記載のシステム。
(態様9)
前記第1拡張器の遠位領域は、50〜100N−mm2の範囲の曲げ剛性を有し、前記第2拡張器の遠位領域は、5〜15N−mm2の範囲の曲げ剛性を有する、請求項1に記載のシステム。
(態様10)
前記第1および第2拡張器の少なくとも1つに放射線不透過性先端マーカーをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
(態様11)
前記第2拡張器の前記内部管腔は、前記第1拡張器の前記内部管腔の直径よりも小さい直径を有する、請求項1に記載のシステム。
(態様12)
前記第1拡張器の前記内部管腔は、直径が0.035〜0.038インチのガイドワイヤに適合し、前記第2拡張器の前記内部管腔は、直径が0.014〜0.018インチのガイドワイヤに適合する、請求項1に記載のシステム。
(態様13)
前記第1拡張器および前記第2拡張器の少なくとも1つの近位領域は、それぞれの拡張器の前記内部管腔中への前記ガイドワイヤの挿入または前記内部管腔からの抜去を許容するために、それぞれの拡張器の前記内部管腔へのアクセスを提供する側部開口を有するハブを含む、請求項1に記載のシステム。
(態様14)
前記ハブは、前記側部開口をカバーする前記第1位置と前記側部開口をカバーしない前記第2位置との間を移動するスリーブを含む、請求項13に記載のシステム。
(態様15)
前記第2拡張器は、外側拡張器と、共軸配置で前記外側拡張器にスライド可能に取り付ける1つ以上の内側拡張器とから形成された二部式拡張器である、請求項1に記載のシステム。
(態様16)
前記外側拡張器は、直径が0.035〜0.038インチのガイドワイヤに適合し、前記内側拡張器は、直径が0.014〜0.018インチのガイドワイヤに適合する、請求項15に記載のシステム。
(態様17)
前記内側拡張器および前記外側拡張器は、前記内側拡張器および前記外側拡張器を互いに固定するために、互いを固定する近位ハブを含む、請求項15に記載のシステム。
(態様18)
前記内側拡張器の少なくとも1つは、それぞれの拡張器の長手方向軸線から離れるように角度付けられた角度付き先端を有する、請求項15に記載のシステム。
(態様19)
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分とを有し、前記シース本体の全長に対する前記最遠位部分の全長の比率は、前記シース本体の全長の1/10〜1/2である、請求項1に記載のシステム。
(態様20)
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分とを有し、前記最遠位部分は、長さが2.5〜5cmであり、全体の前記シース本体は、長さが20〜30cmである、請求項1に記載のシステム。
(態様21)
前記シース本体は、近位部分と、前記近位部分よりも柔軟である最遠位部分と、柔軟な前記最遠位部分と前記近位部分との間の移行部分とを有し、前記最遠位部分は、長さが2.5〜5cmであり、前記移行部分は、長さが2〜10cmであり、全体の前記シース本体は、長さが20〜30cmである、請求項1に記載のシステム。
(態様22)
前記第1および第2拡張器の少なくとも1つは、前記動脈アクセスシースの前記内部管腔に配置されたときに前記動脈アクセスシースに固定されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。