特許第6682517号(P6682517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6682517ネットワーク補助式干渉除去と抑制方法、その制御方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682517
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】ネットワーク補助式干渉除去と抑制方法、その制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20200406BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20200406BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20200406BHJP
【FI】
   H04W72/04 111
   H04L27/26 100
   H04W24/10
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-516726(P2017-516726)
(86)(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公表番号】特表2017-535139(P2017-535139A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2015080381
(87)【国際公開番号】WO2016045404
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年3月28日
【審判番号】不服2018-17300(P2018-17300/J1)
【審判請求日】2018年12月26日
(31)【優先権主張番号】201410505308.1
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507144104
【氏名又は名称】チャイナ モバイル コミュニケーションズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】トン、ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、キシン
(72)【発明者】
【氏名】フー、ツェンピン
【合議体】
【審判長】 岩間 直純
【審判官】 脇岡 剛
【審判官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/017155(WO,A1)
【文献】 Nokia Networks et al.,On RRC signalling for NAICS,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #87 R2−143485,3GPP,2014年 8月18日,インターネット<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2−143485.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク補助式干渉除去と抑制(NAICS:Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)方法であって、
ユーザ装置UEは、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を基地局に報告することと、
前記UEは、前記基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信することと、
前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことと、を含み、
前記干渉除去指示メッセージは、前記基地局によって前記NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて確定された、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記コンポーネントキャリアは、UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記UEが、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信することを更に含み、
前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことは、
前記UEは、前記干渉除去指示メッセージと、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことを含む、前記方法。
【請求項2】
前記UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、該方法は、
前記UEは、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告することを更に含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択することは、
各コンポーネントキャリアの干渉が最も強い隣接セルの干渉パラメータ値の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は
各コンポーネントキャリアの全ての干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は
各コンポーネントキャリアのm個の干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択することを含み、
mは、予め定められた、UEがいずれかのコンポーネントキャリアに対して除去できる干渉隣接セルの数である
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記干渉パラメータは、
参考信号受信電力RSRP、参考信号受信品質RSRQ、受信信号の強度指示RSSIのうちの1つ以上を含む
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ネットワーク補助式干渉除去と抑制(NAICS:Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)の制御方法であって、
基地局は、ユーザ装置UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信することと、
前記基地局は、前記ユーザ装置UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することと、
前記基地局は、前記UEへ干渉除去指示メッセージを送信することと、を含み、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記干渉除去指示メッセージは、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記基地局はUEへ干渉除去指示メッセージを送信する前に、
前記基地局は、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信して、前記UEが該干渉測定通知によって各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うことを指示することと、
前記基地局は、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアを受信することと、を更に含み、
前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択され、
前記基地局は、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することを含む、前記方法。
【請求項6】
ネットワーク補助式干渉除去と抑制(NAICS:Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)装置であって、
基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信するように構成される第一ユニットと、
前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される第二ユニットと、を備え
前記干渉除去指示メッセージは、前記基地局によって前記NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて確定された、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を前記基地局に報告するように構成され
前記第一ユニットは、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信するように構成され、
前記第二ユニットは、具体的に、前記干渉除去指示メッセージと、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される、前記装置。
【請求項7】
前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告するように構成される
請求項に記載の装置。
【請求項8】
ネットワーク補助式干渉除去と抑制(NAICS:Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)の制御装置であって、
ユーザ装置UEによって報告された、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、該UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される確定ユニットと、
前記UEへ干渉除去指示メッセージを送信するように構成される指示ユニットと、を備え、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記干渉除去指示メッセージは、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記確定ユニットは、さらに、前記UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信するように構成され
前記確定ユニットは、さらに、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信して、前記UEが該干渉測定通知によって各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うことを指示し、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアを受信するように構成され、前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択され、
前記確定ユニットは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される、前記装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互引用】
【0001】
本願は、出願日が2014年09月26日であり、出願番号が201410505308.1であり、発明の名称が「ネットワーク補助式干渉除去と抑制方法、その制御方法及び装置」である中国特許出願の優先権を出張し、当該中国特許のすべての内容を本願に引用して参照する。
【技術分野】
【0002】
本発明は通信技術分野に関し、特にネットワーク補助式干渉除去と抑制(NAICS:Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)方法、その制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信技術の急速な発展に伴い、第3世代移動通信システムの標準化プロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)のリリース12(R12)について、ネットワーク補助式干渉除去と抑制(Network Assisted Interference Cancellation and Suppression、以下、NAICSを略称する)という技術が提案され、その原理について、ユーザ装置(UE:User Equipment)に先進的な受信機を設置し、ネットワーク側によって通知された干渉除去情報を利用し、自身のブラインド検出を参照し、干渉を効果的に除去して受信性能を向上させる。
【0004】
先進的な受信機は、線形の強化の線形最小二乗平均誤差即ち干渉抑制の組合(E−LMMSE−IRC:Enhanced Linear Minimum Mean Square Error− Interference Rejection Combining)、非線形のシンボルレベルの干渉除去(IC:Interference Cancellation)(SLIC:Symbol−level Interference Cancellation)、最尤法(ML:Maximum Likelihood)、又は低複雑度ML(R−ML:Reduced complexity ML)、コードワードレベルIC(CWIC:Code word level SIC)などを含む。ここで、E−LMMSE−IRCは、上位層から取得された干渉セルのパイロットコンフィギュレーション及びプリコーディング行列を使用して、干渉チャネルを推定し、更に干渉抑制の合併を行い、受信性能を向上させる。非線形受信機は干渉関連情報を利用し、干渉信号を推定して再構成し、受信信号からそれを除去し、受信性能を大幅に向上させる。
【0005】
UEが干渉を効果的に除去するために、取得する必要な干渉除去情報は以下の表1のように示される。
【表1】
【0006】
現在、3GPP Rel−12標準化に対し、上位層シグナリング通知又はUEブラインド検出であるこれらの干渉除去情報の取得方式を検討している。上位層シグナリング通知の方式により、ブラインド検出の複雑度を低減し且つ正確性を向上することができるが、ユーザレベルの動的パラメータに対して、上位層シグナリング通知のタイムリー性及びオーバーヘッドが制限され、ブラインド検出が不可欠な方式となる。干渉除去情報の5つのタイプに基づいて、シグナリング設計の原則として下記のように示される。
【0007】
シグナリングのオーバーヘッドが小さいセルの関連且つ半静的干渉除去情報(干渉セルID、CRSポート数、MBSFNフォーマットなど)は上位層シグナリングによってUEに通知する。
【0008】
UEのブラインド検出により、ブラインド検出複雑度を受け入れる可能なユーザ関連動的干渉除去情報(復調次数、DMRSポート数など)を取得する。
【0009】
ブラインド検出複雑度が高いユーザ関連動的干渉除去情報(PA、DMRS VCIDなど)は、サブセットを設定する方式により、複雑度を低減することができる。
【0010】
しかしながら、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)シーンにおいて、UEがキャリアアグリゲーションの全てのコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)に対してNAICSを行う場合、UEの処理複雑度に対して大きな挑戦をさせる。従来技術において、CAとNAICSの結合のシーンに対し、UEの処理複雑度をどのように低減するかという技術案を提案していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、CAシーンに対するために、ネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS方法、その制御方法、装置を開示し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がない及びUEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にしない場合、UEがNAICSを行うときに処理の複雑度を低減する。
【0012】
本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS方法を提供し、前記方法は、
ユーザ装置UEは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信することと、
前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことと、を含み、
前記干渉除去指示メッセージは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記コンポーネントキャリアの識別子は、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0013】
該方法により、UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行い、該干渉除去指示メッセージには、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子が含まれるので、UEがコンポーネントキャリアに対して対応的にNAICSを行うことができ、必ずしも全てのコンポーネントキャリアに対してNAICSを行う必要がない。従って、CAシーンに対し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がなくUEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にせず、UEがNAICSを行うときに処理の複雑度を低減する。
【0014】
好ましくは、前記UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、該方法は、
前記UEは、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を前記基地局に報告することを更に含む。
【0015】
好ましくは、前記UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、該方法は、
前記UEは、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告することを更に含む。
【0016】
ここで、前記目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子だけではなく、コンポーネントキャリアの識別子に対応する候補優先順位を含めてよい。前記候補優先順位は、基地局が、送信した干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子を確定するように指示するためである。
【0017】
前記UEはコンポーネントキャリアの候補優先順位を確定するときに、干渉測定の測定結果により確定してよく、例えば、受けられた干渉が強から弱までの順位によりコンポーネントキャリアの候補優先順位を確定してよく、最も強い干渉を受けたコンポーネントキャリアの候補優先順位が最も高く、最も弱い干渉を受けたコンポーネントキャリアの候補優先順位が最も低い。
【0018】
好ましくは、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択することは、
各コンポーネントキャリアの干渉が最も強い隣接セルの干渉パラメータ値の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は
各コンポーネントキャリアの全ての干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は
各コンポーネントキャリアのm個の干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、mは、予め定められた、UEがいずれかのコンポーネントキャリアに対して除去できる干渉隣接セルの数であること、を含む。
【0019】
好ましくは、前記干渉パラメータは、
参照信号受信電力RSRP、参照信号受信品質RSRQ、受信信号の強度指示RSSIのうちの1つ以上を含む。
【0020】
好ましくは、前記目標コンポーネントキャリアにはプライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアが含まれる。
【0021】
好ましくは、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含む。
【0022】
好ましくは、該方法は、前記UEが、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信することを更に含み、
前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことは、
前記UEは、前記干渉除去指示メッセージと、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことを含む。
【0023】
本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICSの制御方法を提供し、
基地局は、ユーザ装置UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することと、
前記基地局は、前記UEへ干渉除去指示メッセージを送信することと、を含み、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記干渉除去指示メッセージは、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0024】
該方法により、基地局が干渉除去メッセージをUEに送信し、UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行い、該干渉除去指示メッセージには、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子が含まれるので、UEがコンポーネントキャリアに対して対応的にNAICSを行うことができ、必ずしも全てのコンポーネントキャリアに対してNAICSを行う必要がない。従って、CAシーンに対し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がなくUEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にせず、UEがNAICSを行うときに処理の複雑度を低減する。
【0025】
好ましくは、前記基地局はUEへ干渉除去指示メッセージを送信する前に、該方法は、
前記基地局は、前記UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信することを含み、
前記基地局はUEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することを含む。
【0026】
好ましくは、前記基地局はUEへ干渉除去指示メッセージを送信する前に、該方法は、
前記基地局は、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信し、前記UEが該干渉測定通知によって各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うように指示することと、
前記基地局は、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアを受信することと、を更に含み、
前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択され、
前記基地局は、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することを含む。
【0027】
好ましくは、前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子は、プライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0028】
好ましくは、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含み、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択し、且つ選択されたコンポーネントキャリアに対応する識別子を、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子に確定することを含む。
【0029】
好ましくは、前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、メディアアクセス制御MAC層によってディアクティブ(deactivate)されないコンポーネントキャリアを選択することを含む。
【0030】
本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS装置を提供し、前記装置は、
基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信するように構成される第一ユニットと、
前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される第二ユニットと、を備え、
前記干渉除去指示メッセージは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0031】
好ましくは、前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を前記基地局に報告するように構成される。
【0032】
好ましくは、前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告するように構成される。
【0033】
好ましくは、前記第一ユニットは、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択するときに、具体的に、
各コンポーネントキャリアの干渉が最も強い隣接セルの干渉パラメータ値の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、又は
各コンポーネントキャリアの全ての干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、又は
各コンポーネントキャリアのm個の干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択するように構成され、mは、予め定められた、UEがいずれかのコンポーネントキャリアに対して除去できる干渉隣接セルの数である。
【0034】
好ましくは、前記干渉パラメータは、
参照信号受信電力RSRP、参照信号受信品質RSRQ、受信信号の強度指示RSSIのうちの1つ以上を含む。
【0035】
好ましくは、前記目標コンポーネントキャリアにはプライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアが含まれる。
【0036】
好ましくは、前記目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含む。
【0037】
好ましくは、前記第一ユニットは、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信するように構成され、
前記第二ユニットは、具体的に、前記干渉除去指示メッセージと、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される。
【0038】
本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICSの制御装置を提供し、
ユーザ装置UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される確定ユニットと、
前記UEへ干渉除去指示メッセージを送信するように構成される指示ユニットと、を備え、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属し、
前記干渉除去指示メッセージは、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0039】
好ましくは、前記確定ユニットは、前記UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信するように構成され、
前記確定ユニットはUEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、前記UEによって報告された、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される。
【0040】
好ましくは、前記確定ユニットは、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信して、前記UEが該干渉測定通知によって各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うことを指示し、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアを受信するように構成され、前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択され、
前記確定ユニットは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される。
【0041】
好ましくは、前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子は、プライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0042】
好ましくは、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含み、
前記確定ユニットは、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、
前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択し、且つ選択されたコンポーネントキャリアに対応する識別子を、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子に確定するように構成される。
【0043】
好ましくは、前記確定ユニットは、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択するときに、具体的に、
前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、メディアアクセス制御MAC層によってディアクティブされないコンポーネントキャリアを選択するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の実施形態におけるUE側でのNAICS方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態におけるネットワーク側でのNAICSの制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態におけるUE側とネットワーク側がNAICSを共同に実現するフローチャートである。
図4】本発明の実施形態におけるUE側でのNAICS装置の構成図である。
図5】本発明の実施形態におけるネットワーク側でのNAICSの制御装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS方法、その制御方法及び装置を開示し、CAシーンに対し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がなく、UEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にせず、UEがNAICSを行うときに処理の複雑度を低減する。
【0046】
CAとNAICSの結合のシーンに対し、以下の2つの技術案を容易に想到する。
【0047】
技術案一:ネットワーク側は、UEのNAICS能力に関わらず、UEがサポートできる全てのCCに対し、NAICSの必要な上位層シグナリングを送信する。UEが自身のNAICS能力により、対応のCCを選択してNAICSを行う。即ち、ネットワーク側はどのCCがNAICSを行うかを知る必要はない。
【0048】
ここで、前記UEのNAICS能力は、具体的に、UEがNAICSを行うときに、サポートできるCC又はbandの個数を指す。
【0049】
この技術案は、NAICSできないCCにも上位層シグナリングを送信するので、上位層シグナリングのオーバーヘッドが無駄にすることを引き起こす。
【0050】
技術案二:ネットワーク側はUEのNAICS能力により、該UEに対応する個数のCCを割り当てキャリアアグリゲーションを行う。
【0051】
この技術案は、UEに提供したキャリアアグリゲーション伝送のCCの個数を限定し、UEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にする。
【0052】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態における改良された技術案を説明する。
【0053】
図1に示すように、本発明の実施形態はネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS方法を提供し、以下のステップを含む。
【0054】
S101:ユーザ装置UEは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信し、前記干渉除去指示メッセージは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含み、前記コンポーネントキャリアの識別子は、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0055】
該干渉除去指示メッセージにはUEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子が含まれるので、UEが対象となるコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことができ、全てのコンポーネントキャリアに対してNAICSを行う必要がない。
【0056】
前記基地局は、進化型の基地局(eNB:Evolved NodeB)であってよい。
【0057】
S102:前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行う。
【0058】
該方法により、UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うので、前記の技術案一及び技術案二に比べて、CAシーンに対し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がなくUEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にせず、UEがNAICSを行うときに処理の複雑度を低減する。
【0059】
好ましくは、前記UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、該方法は、
前記UEは、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を前記基地局に報告することを更に含む。即ち、UEは自身のNAICS能力を基地局に報告し、基地局が該UEのNAICS能力を知ってる場合、UEによって報告される必要がない。
【0060】
好ましくは、前記UEは基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、該方法は、
前記UEは、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告することを更に含む。即ち、基地局が参照するために、UEが、自身によって測定し選択された一つ又は複数のコンポーネントキャリアを基地局に報告することで、基地局はUEから報告されたコンポーネントキャリアからコンポーネントキャリアを選択し、且つUEが選択された該コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことを指示する。
【0061】
好ましくは、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択することは、
各コンポーネントキャリアの干渉が最も強い隣接セルの干渉パラメータ値の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は、
各コンポーネントキャリアの全ての干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択すること、又は、
各コンポーネントキャリアのm個の干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、mは、予め定められた、UEがいずれかのコンポーネントキャリアに対して除去できる干渉隣接セルの数であることと、を含む。
【0062】
例えば、UEは上記三つの方式を採用して、干渉が最も強いM個のCC識別子を報告する。
【0063】
好ましくは、前記干渉パラメータは、
参照信号受信電力(RSRP:Reference signal received power)、参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)、受信信号の強度指示(RSSI:Received Signal Strength Indication)のうちの1つ以上を含む。
【0064】
Pcellの重要度を考えると、好ましくは、前記目標コンポーネントキャリアにはプライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアが含まれる。
【0065】
好ましくは、該方法は、前記UEが、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信することを更に含み。
【0066】
ここで、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報は、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージに含まれてもよいし、基地局によって単独に送信されてもよい。
【0067】
そして、前記UEは前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことは、
前記UEは、前記干渉除去指示メッセージと、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことを含む。
【0068】
対応的に、図2を参照し、本発明の実施形態は、ネットワーク側でのネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICSの制御方法を提供し、以下のステップを含む。
【0069】
S201:基地局は、ユーザ装置UEがNAICSを行うとき対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定し、前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0070】
前記基地局はeNBであってよい。
【0071】
S202:前記基地局は、前記UEへ干渉除去指示メッセージを送信し、前記干渉除去指示メッセージは、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0072】
該制御方法により、基地局はUEに干渉除去指示メッセージを送信するので、UEが該干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行い、該干渉除去指示メッセージには、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子が含まれるので、UEが対象になるコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うことができ、全てのコンポーネントキャリアに対してNAICSを行う必要がない。従って、CAシーンに対し、より多い上位層シグナリングオーバヘッドの必要がなくUEのキャリアアグリゲーション能力を無駄にせず、UEがNAICS処理を行う複雑度を低減する。
【0073】
好ましくは、前記基地局はUEへ干渉除去指示メッセージを送信する前に、該方法は、
前記基地局は、前記UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信することを含み、
前記基地局はUEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することを含む。
【0074】
即ち、基地局はUEのNAICS能力に応じて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定する必要があり、UEのNAICS能力について、ネットワーク側とUE側で予めに決定されても良く、あるいは後でUEによって基地局に報告されてもよい。UEのNAICS能力が更新されても、UEによって更新されたNAICS能力を基地局に報告することができる。
【0075】
好ましくは、前記基地局はUEへ干渉除去指示メッセージを送信する前に、該方法は、
前記基地局は、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知(具体的に、このステップは従来技術を採用してよい)を送信して、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うことを指示することと、
前記基地局は、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアを受信し、ここで、前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択されたコンポーネントであることと、を更に含み、
前記基地局は、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することを含む。
【0076】
ここで、前記基地局は、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信することについて、具体的に、下記のように説明する。
【0077】
測定開始のトリガー:
1つはトリガー式であって、基地局はUEに測定閾値を割り当て、条件に満足すれば、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信する。
【0078】
他は周期性的なトリガーであってよく、即ち、所定の周期に基づいて、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信する。
【0079】
基地局が自身によって維持された隣接セルのリストにより、前記UEへ送信した干渉測定通知は測定周波数と該セルリストなどの測定情報を含む。
【0080】
UEは該通知によって隣接セルに対してパイロット信号強度値の測定などの操作を行う必要がある。
【0081】
好ましくは、前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子は、プライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0082】
好ましくは、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含み、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択し、且つ選択されたコンポーネントキャリアに対応する識別子を、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子に確定することを含む。
【0083】
例えば、UEが基地局に目標コンポーネントキャリアに関するリストを報告してよく、その中に、目標コンポーネントキャリアの識別子と候補優先順位の関係を含み、基地局が選択するために、該リストにおけるコンポーネントキャリアの識別子を高い候補優先順位の順に排列してよく、基地局がコンポーネントキャリアを選択するとき、高い候補優先順位から直接に選択する。
【0084】
好ましくは、前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択することは、
前記基地局は、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、メディアアクセス制御MAC層によってディアクティブされないコンポーネントキャリアを選択することを含む。即ち、UEによって報告された目標コンポーネントキャリアのうちのCCがMAC層によってディアクティブされた場合、基地局は次の低い候補優先順位のCCを選択してUEがNAICSを行うときに対応するCCとしてよい。
【0085】
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0086】
図3に示すように、本発明の実施形態は、NAICSを実現するためのプロセスを提供し、以下のステップを含む。
【0087】
S301:UEは、NAICSを行うときにサポートできるCCの個数Nを報告する。
【0088】
ここで、Nは、UEがサポートできるコンポーネントキャリアのCCの個数より小さい又は等しい。
【0089】
UEとネットワーク側との間に、Nがデフォルト値があれば、該ステップS301を省略してよい。
【0090】
S302:eNBは、自身によって維持された隣接セルのリストにより、UEに対応の干渉測定を行うことを通知する。
【0091】
S303:UEは干渉が最も強いM個のCCの識別子を報告する。
【0092】
複数のCCに対し、以下の1つの方式により干渉強度を判断してよい。
【0093】
干渉が最も強い隣接セルのRSRP/RSRQ/RSSIの大きさを比較し、又は、
隣接リストにおける全ての干渉隣接セルのRSRP/RSRQ/RSSIの総和の大きさを比較し、又は、
UEが除去できる干渉隣接の個数mに基づいて、最強のm個の干渉セルのRSRP/RSRQ/RSSIの総和を比較する。
【0094】
Pcellの重要度を考えると、上記干渉強度の判断結果により選択されたCCに加え、Pcellに対応するメインキャリアを報告する。
【0095】
又は、干渉強度により直接に選択してよく、Pcellの干渉が小さい場合、Pcellに対応するメインキャリアを報告しなくてもよい。
【0096】
ここで、M>=Nであり、M個のCCの干渉強度を排列し、排列結果を報告する。
【0097】
S304:eNBはUEによって報告されたM個のCCの識別子により、UEにNACISを行うためのCC識別子を通知する。
【0098】
Pcellの重要度を考えると、通知の内容には少なくともPcellが含まれる。
【0099】
又は、UEによって報告されたM個のCC識別子のみからNACISを行うためのCC識別子を選択してよい。
【0100】
UEがM個のCCの排列結果を報告することに対し、あるCCがMAC層によってディアクティブされた場合、排列結果から次のCCを順番に選択してNAICSを行うことができる。
【0101】
最後、eNBは、UEにNACISを行うためのCCに対応する干渉除去情報を通知し、且つUEがNACISを行うためのCCに対し、干渉除去メッセージのブラインド検出を行い、UEは、eNBによって通知された干渉除去情報と自身によってブラインド検出された干渉除去情報を結合し、eNBによって通知されたCC識別子に対応するCCに対してNAICSを行う。
【0102】
図4に示すように、本発明の実施形態は、UE側でのネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICS装置を提供し、前記装置は、
基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信するように構成される第一ユニット11と、
前記干渉除去指示メッセージに基づいて、コンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される第二ユニット12と、を備え、
前記干渉除去指示メッセージは、コンポーネントキャリアの識別子を含み、前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0103】
好ましくは、前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、NAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を前記基地局に報告するように構成される。
【0104】
好ましくは、前記第一ユニットは、基地局によって送信された干渉除去指示メッセージを受信する前に、前記基地局によって送信された干渉測定通知を受信し、且つ該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択し、且つ前記基地局に目標コンポーネントキャリアの情報を報告するように構成される。
【0105】
好ましくは、前記第一ユニットは、測定結果に基づいて目標コンポーネントキャリアを選択するときに、具体的に、
各コンポーネントキャリアの干渉が最も強い隣接セルの干渉パラメータ値の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、又は
各コンポーネントキャリアの全ての干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択し、又は
各コンポーネントキャリアのm個の干渉隣接セルの干渉パラメータ値の総和の大きさに基づいて、所定個数の目標コンポーネントキャリアを選択するように構成され、mは、予め定められた、UEがいずれかのコンポーネントキャリアに対して除去できる干渉隣接セルの数である。
【0106】
好ましくは、前記干渉パラメータは、
参照信号受信電力RSRP、参照信号受信品質RSRQ、受信信号の強度指示RSSIのうちの1つ以上を含む。
【0107】
好ましくは、前記目標コンポーネントキャリアにはプライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアが含まれる。
【0108】
好ましくは、前記第一ユニットは、前記基地局によって前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対して送信された干渉除去情報を受信するように構成され、
前記第二ユニットは、具体的に、前記干渉除去指示メッセージ、前記基地局によって送信された前記干渉除去情報及び前記UEが前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してブラインド検出して得られた干渉除去情報に基づいて、前記干渉除去指示メッセージには含まれたコンポーネントキャリアの識別子に対応するコンポーネントキャリアに対してNAICSを行うように構成される。
【0109】
好ましくは、前記第一ユニットと第二ユニットは、送受信機能を有する処理装置によって実現される。
【0110】
好ましくは、該NAICS装置はUEであってよい。
【0111】
図5に示すように、本発明の実施形態は、ネットワーク側でのネットワーク補助式干渉除去と抑制NAICSの制御装置を提供し、前記装置は、
ユーザ装置UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される確定ユニット21と、
前記UEへ、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む干渉除去指示メッセージを送信するように構成される指示ユニット22と、を備え、
前記コンポーネントキャリアは、該UEに対してキャリアアグリゲーション伝送を行うコンポーネントキャリアに属する。
【0112】
好ましくは、前記確定ユニットは、前記UEが報告した、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数を受信するように構成され、
前記確定ユニットは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、
前記UEによって報告された、該UEがNAICSを行うときにサポートできるコンポーネントキャリアの個数に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される。
【0113】
好ましくは、前記確定ユニットは、自身が維持する隣接セルのリストにより、前記UEへ干渉測定通知を送信して、前記UEが該干渉測定通知によって各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行うことを指示し、前記UEが報告したコンポーネント目標コンポーネントキャリアを受信するように構成され、ここで、前記目標コンポーネントキャリアは、前記UEが該干渉測定通知に基づいて各コンポーネントキャリアに対して干渉測定を行い、測定結果に基づいて選択されたものである。
【0114】
前記確定ユニットは、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するように構成される。
【0115】
好ましくは、前記干渉除去指示メッセージに含まれたコンポーネントキャリアの識別子は、プライマリセルPcellに対応するコンポーネントキャリアの識別子を含む。
【0116】
好ましくは、前記UEが報告した目標コンポーネントキャリアの情報は、目標コンポーネントキャリアの識別子及びその候補優先順位を含み、
前記確定ユニットは、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの情報に基づいて、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子を確定するときに、具体的に、
前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択し、且つ選択されたコンポーネントキャリアに対応する識別子を、前記UEがNAICSを行うときに対応するコンポーネントキャリアの識別子に確定するように構成される。
【0117】
好ましくは、前記確定ユニットは、前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、コンポーネントキャリアを選択するときに、具体的に、
前記UEによって報告された目標コンポーネントキャリアの候補優先順位に基づいて、メディアアクセス制御MAC層によってディアクティブされないコンポーネントキャリアを選択するように構成される。
【0118】
好ましくは、前記確定ユニットと指示ユニットは、送受信機能を有する処理装置によって実現される。
【0119】
好ましくは、該NAICS制御装置は基地局であってよく、例えばeNBである。
【0120】
本分野の当業者であれば、本発明の実施例は方法、システム、或いはコンピュータプログラム製品を提供してよい。従って、本発明はハードウエア実施例、ソフトウエア実施例、或いはソフトウエアとハードウエアを結合する実施例の形式を採用してよい。且つ、本発明はコンピュータプログラムコードを含み、一つ又は複数のコンピュータ記憶媒体(ディスク記憶装置と光学記憶装置などが含まれるが、それに限らない)に行われるコンピュータプログラム製品の形式を採用してよい。
【0121】
本発明は本発明の実施例における方法、装置(システム)、コンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図により表れる。コンピュータプログラム命令がフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はプロセス、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はプロセスの結合を実現してよい。このコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込プロセッサー或いは他のプログラミングデータプロセス装置のプロセッサへ提供して1つの機器を生成することで、コンピュータ或いは他のプログラミングデータプロセス装置のプロセッサーに実行された命令によってフローチャートにおける1つ或いは複数のフロー及び/又はブロック図における1つ或いは複数のプロセスには指定される能力を実現するために用いられる装置を生成する。
【0122】
上記のコンピュータプログラム命令はコンピュータ或いは他のプログラミングデータプロセス装置が特定方式で動作させるように起こすコンピュータ読取メモリに記憶されてよく、該コンピュータ読取メモリに記憶された命令が命令装置を備える製造品を生成させ、該命令装置はフローチャートにおける1つ或いは複数のフロー及び/又はブロック図における1つ或いは複数のプロセスには指定される能力を実現する。
【0123】
上記のコンピュータプログラム命令がコンピュータ或いは他のプログラミングデータプロセス装置にインストールされてよく、コンピュータ或いは他のプログラミングデータプロセス装置に一連の動作ステップを実行させてコンピュータが実現するプロセスを生成し、そしてコンピュータ或いは他のプログラミングデータプロセス装置が実行された命令はフローチャートにおける1つ或いは複数のフロー及び/又はブロック図における1つ或いは複数のプロセスには指定される能力を実現するために用いられるステップを提供する。
【0124】
本発明の主旨精神と保護範囲を逸脱しない限り、当業者は、本発明に対して、各種の改修と変化を行うことができる。それで、本発明のこれらの改修と変化が本発明の請求項及び相当な技術範囲内に含まれば、本発明は、これらの改修と変化を含むことを旨とする。
図1
図2
図3
図4
図5