【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様によれば、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、エアブローイング配置構成は少なくとも2つの出口孔を有し、ブローイング配置構成は、少なくとも1つの前記出口孔に隣接して(随意的に手前に)位置決めされるように構成された表面部材を含み、表面部材は、その延長された構成において、車体表面から概して離れる方に延び、且つ車体表面にわたって横方向に延び、少なくとも2つの前記出口孔は別個のダクティングによって別個の空気入口に接続される、装置が提供される。
【0011】
これは、横風を受けるとき又はコーナリング時であっても別個の流れを別個の出口孔に確実に提供することができる。これは、装置を通る流れの横風を回避する一助となり、出口孔がすべて空力的に動作可能であり且つ有用であることを保証するのを支援する。
【0012】
少なくとも1つの前記出口孔は、ダクティングによって車体表面の右側の空気入口に接続するように配置構成されてよく、さらなる少なくとも1つの前記出口孔は、ダクティングによって車体表面の左側の空気入口に接続するように配置構成されてよい。
【0013】
ブローイング配置構成は、少なくとも1つの前記出口孔が、車両ボディワークの固定部分に対して動くことができる可動車両表面パネル(リアデッキリッドなど)に存在するように構成されてよく、ダクティングは、車両表面パネルと車両ボディワークの固定部分との間の移動を可能にするための開放可能ジョイントを有する。
【0014】
ジョイントは、トランクリッド周囲又はラゲッジスペース開口部の手前の表面などの、車両の固定部分の排水可能区域よりも上に存在してよい。
【0015】
開放可能ジョイントは、1つのダクティング要素上のウェッジ形カップと、ウェッジ形カップ内に係合するように配置構成される別のダクティング要素上のコネクタ部分を含んでよく、随意的に、ウェッジ形カップ及びコネクタ部分のうちの少なくとも1つは、ゴム又はゴム状材料で形成されてよい。この場合、カップは、トランクリッド周囲面よりも上の定位置に概して又は実質的に固定された状態で存在してよく、この場合、コネクタ部分は、車両リアデッキリッドのB面側に取り付けられる。ウェッジ形カップは、ウェッジ形カップのドレイン部分がトランクリッド周囲面よりも上に存在する状態でコネクタ部分よりも下に存在するように配置構成されてよい。
【0016】
ダクティングは、少なくとも1つの可撓性部分を有してよい。可撓性部分は、蛇腹要素を含んでよい。
【0017】
ダクティングは、概して幅よりも大きい高さを有する空気入口を有してよく、前記空気入口から離間されたダクティングの少なくとも一部は高さよりも大きい幅を有してよい。
【0018】
ダクティングを通る空気流の断面積は、空気入口から前記出口孔まで実質的に一定であってよく、空気流の断面積は、前記入口から前記出口孔までのすべてにわたってその平均値からプラス又はマイナス50%未満だけ、例えば40%未満、25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満だけ随意的に変化する。
【0019】
ダクティングは、ダクティングの低い部位に配置されるように構成された少なくとも1つの排水部を有してよい。
【0020】
ダクティングは、内部のすべての部位から空気入口又は排水部のいずれかに排水するように形状設定された、例えば傾斜された内面を有するように構成されてよい。
【0021】
装置は、雨水などの水をウォーターシェダー配置構成よりも下に存在するラゲージコンパートメントなどのスペースからそらすために車体表面よりも下に位置するように構成されたウォーターシェダー配置構成を含んでもよい。
【0022】
ウォーターシェダー配置構成は、少なくとも1つのプレート状表面を含んでよい。ダクティングは、プレート状表面を通る状態で存在してよい。
【0023】
装置は、表面部材を車体表面に対して延長及び後退させるためのアクチュエータを含んでもよい。
【0024】
打込みねじを含んでよいアクチュエータは、例えば表面部材を隣接する又は周囲の車体表面に対してその延長された構成と後退された構成との間で駆動するために、表面部材を単一の中央位置で駆動するように配置構成されてよい。
【0025】
装置は、表面部材を車体表面に対して少なくとも上昇した構成又は下降した構成に位置合わせするための位置合わせシステムを含んでよい。この場合、位置合わせシステムは、車体表面及び表面部材のうちの他方に対して固定される孔と係合するように適合される、車体表面及び表面部材のうちの一方に対して固定される円錐面を含んでよい。
【0026】
ブローイング配置構成は、周囲空気に対する動きのみによって生成される、ダクトワークを通る空気流を有する受動型であってよい。代替的に、ダクティングを通る空気に動力を与えるための少なくとも1つのファンが設けられてよい。
【0027】
表面部材は前方に凹であってよい。その湾曲は、車両のリアデッキリッドのリアドロップラインの形状などの、近傍のボディ特徴の形状に従ってよい。
【0028】
表面部材は、その延長された構成と後退された構成との間で直線的に運動可能であってよく、随意的に、車体表面の隣接する領域の実質的に法線方向に直線的に運動可能である。
【0029】
表面部材は、表面部材がその後退された構成にあるときに前記出口孔の少なくとも一部に覆いかぶさるように配置構成されるカバーフランジを有してよい。
【0030】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、ブローイング配置構成が、車両ボディワークの固定部分に対して動くことができる可動車両表面パネル(リアデッキリッドなど)に存在する少なくとも1つの出口孔を有するように構成され、ダクティングが、車両表面パネルと車両ボディワークの固定部分との間の移動を可能にするための開放可能ジョイントを有する、装置を提供する。
【0031】
これは、実用的なシステムを可能にする。例えば、車両表面パネルがデッキリッドを備えるとき、これは、デッキリッドが開閉されることを可能にする。
【0032】
ジョイントは、トランクリッド周囲又はラゲッジスペース開口部の手前の表面などの、車両ボディワークの固定部分の排水可能区域よりも上に存在してよい。これは、したがって、配置構成がデッキリッドよりも下のラゲージコンパートメントの中に水漏れする可能性が低いので、良好な雨水保全性を提供する。
【0033】
開放可能ジョイントは、1つのダクティング要素上のウェッジ形カップと、ウェッジ形カップ内に係合するように配置構成される別のダクティング要素上のコネクタ部分を含んでよい。ウェッジ形カップは、良好な水密及び気密シールを可能にする。
【0034】
ウェッジ形カップ及びコネクタ部分のうちの少なくとも1つは、ゴム又はゴム状材料で形成されてよい。これは、良好な水密及び気密シールを可能にする。これを達成するためにゴム又はゴム状材料を若干圧縮してよい。
【0035】
カップは、トランクリッド周囲面よりも上の定位置に概して又は実質的に固定された状態で存在してよい。コネクタ部分は、車両リアデッキリッドのB面側に取り付けられてよい。デッキリッドは、車両ボディワークの固定部分に対してヒンジシステムを中心として回転するように構成されてよい。ヒンジシステムは、コネクタ部分のヒンジ運動中にコネクタ部分が車両のトランクリッド周囲面よりも上又はその前方に確実にとどまるように配置される単一のヒンジを備えてよい。これは、ラゲージコンパートメントを利用するべくデッキリッドが開けられるときに、雨水などの水がデッキリッドよりも下のラゲージコンパートメントの中に排水されないことを保証する一助となる。
【0036】
ウェッジ形カップは、ウェッジ形カップのドレイン部分がトランクリッド周囲面よりも上に存在する状態でコネクタ部分よりも下に存在するように配置構成されてよい。
【0037】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える気流制御装置であって、少なくとも1つの可撓性部分を有するダクティングが設けられる、装置を提供する。これは、装置の容易な設置を保証するのを支援する。
【0038】
可撓性部分は、蛇腹要素を含んでよい。
【0039】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、概して幅よりも大きい高さを有する空気入口を有するダクティングが設けられ、前記空気入口から離間されたダクティングの少なくとも一部が高さよりも大きい幅を有する、装置を提供する。これは、入口が、B又はCピラーの近くの車両ウィンドウに隣接するなどの、車両の概して直立した面の近くに配置されることを可能にし、なおかつ、ダクティングが大きい垂直方向の範囲を占めずにラゲージコンパートメントの上を通ることを可能にし、これにより、車両ラゲッジ容量を最適化する。
【0040】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、ダクティングが設けられ、ダクティングを通る空気流の断面積が、ブローイング配置構成の空気入口から出口孔まで実質的に一定であり、空気流の断面積が、前記入口から前記出口孔までのすべてにわたってその平均値からプラス又はマイナス50%未満だけ、例えば40%未満、25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満だけ随意的に変化する、装置を提供する。これは、小さな加速又は減速並びに小さな圧力の増加及び減少を有する状態でダクティングを通る空気のスムーズな流れを可能にする。
【0041】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、ダクティングが設けられ、ダクティングが、ダクティングの低い部位に配置されるように構成された少なくとも1つの排水部を有する、装置を提供する。これは、装置が良好な雨水保全性を有することを可能にする。
【0042】
ダクティングは、内部のすべての部位から空気入口又は排水部のいずれかに排水するように形状設定された、例えば傾斜された内面を有するように構成されてよい。
【0043】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、雨水などの水をウォーターシェダー配置構成よりも下に存在するラゲージコンパートメントなどのスペースからそらすために車体表面よりも下に位置するように構成されたウォーターシェダー配置構成を含む、装置を提供する。これは、装置が良好な雨水保全性を有することを可能にする。
【0044】
ウォーターシェダー配置構成は、少なくとも1つのプレート状表面を含んでよく、ダクティングはプレート状表面を通る状態で存在する。
【0045】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、ブローイング配置構成が、表面部材がその延長された構成において車体表面にわたって横方向に延びる状態でブローイング配置構成の少なくとも1つの出口孔に隣接して位置決めされるように構成された表面部材(流れの前に、流れの方向になどの)を含み、表面部材を車体表面に対して延長及び後退させるためのアクチュエータを含み、打込みねじを含んでよいアクチュエータが、表面部材を単一の中央位置で駆動するように配置構成される、装置を提供する。これは、1つだけのモータを用いながら表面部材を作動させるための信頼できるシステムを可能にする。
【0046】
装置は、表面部材を車体表面に対して少なくとも上昇した構成又は下降した構成に位置合わせするための位置合わせシステムを含んでよく、位置合わせシステムは、随意的に、車体表面及び表面部材のうちの他方に対して固定される孔と係合するように適合される、車体表面及び表面部材のうちの一方に対して固定される円錐面を含む。これは、その上昇した延長された構成又は下降した後退された構成にあるときに簡単な方法で1つだけのモータを用いて表面部材の良好な位置合わせを可能にする。また、円錐面/孔の互いに対する位置は、延長された構成及び後退された構成を明確に設定するべく車両の組立中に容易に調整することができる。
【0047】
本開示のさらなる態様は、車両を通過する気流に空気を吹き込むための車体表面に又は車体表面内に(好ましくは車体表面のリア付近に)存在するエアブローイング配置構成を備える車両気流制御装置であって、ブローイング配置構成が、表面部材がその延長された構成において車体表面にわたって横方向に延びる状態でブローイング配置構成の少なくとも1つの出口孔に隣接して位置決めされるように構成された表面部材(流れの前に、流れの方向になどの)を含み、表面部材が、少なくとも前記延長された構成において前方に凹である、装置を提供する。表面部材は、この形状で良好な性能を提供することが見出されており、リアデッキリッドドロップ面ラインなどの車両の隣接する又は近傍の特徴にマッチするスタイルにされてよい。
【0048】
上記の開示のいずれか1つ又は複数を実装するときに組み込まれ得るいくつかの特徴をここで説明する。
【0049】
空気流ブローイング配置構成は、車両の前進運動時に車体表面から離れる方にリフトを減少させるために車体上面に又は車体上面内に存在してよく、エアブローイング配置構成は、上側車両ボディワークの下向き傾斜領域の後方又は内にある。
【0050】
車両ボディワークの下向き傾斜領域は、水平に対して5度を超える傾き角をなして下向きに傾斜してよい。傾きは、5〜およそ60度、好ましくは約10〜40度、例えば15〜30度以内であってよく、一例は実質的に20度である。
【0051】
空気流ブローイング配置構成は、車両の前進運動時に車体表面から離れる方にリフトを減少させるために車体表面に又は車体表面内に存在してよく、ブローイング配置構成及び車体表面は、装置を装着した車両が2×10
6を上回る又は3×10
6を上回るレイノルズ数で前方へ走行しているときにリフト及び/又はドラッグを減少させるように配置構成及び構成される。
【0052】
空気流ブローイング配置構成は、車両の前進運動時に車体表面から離れる方にリフトを減少させるために車体表面に又は車体表面内に存在してよく、ブローイング配置構成は、車体表面にわたって延びるスロットを含み、スロットは、2から10mmまでの間の装置の動きの意図された長手方向の長さを有する。
【0053】
空気流ブローイング配置構成は、車両の前進運動時に車体表面から離れる方にリフトを減少させるために車体表面に又は車体表面内に存在してよく、エアブローイング配置構成及び車体表面は、装置の少なくとも1つの横方向位置及び少なくとも1つの空気流速度において、ブローイング配置構成から自由流の気流へ向けて吹き出される空気流が、車体表面前方のリアでの圧力点を、ブローイング配置構成が塞がった状態又は非アクティブの状態でのその位置に対して(a)10cmを超える、通常25cmを超える、一部の例では40〜50cm前方などの40cmを超える前方へ、又は(b)装置が装着されることになる車両のホイールベース長の5%を超える前方へ、通常15から20%までの間などの10%又は15%を超える前方へ移動させるのに十分であるように構成される。圧力点は、圧力が自由流の圧力に等しい又はそれを上回る点であってよい(しかし必ずしもそうである必要はない)。
【0054】
表面部材は、車体表面から概して離れる方に延び、且つ意図された自由流の流れに対してそれを横切る横方向に延びるように配置構成されてよく、表面部材は、その表面の一部が車体表面の隣接する部分に実質的に垂直な状態で位置決め可能であり、表面部材は、第1の位置から、表面部材が第1の位置におけるよりも車体表面からさらにせり出す第2の位置に移動可能である。第1の位置において、表面部材は、車体表面と面一であってよく又はほぼ面一であってよい。表面部材は、ガーニーフラップとして作用するように配置構成されてよい。
【0055】
表面部材は、車体表面から概して離れる方に延び、且つ意図された自由流の流れ及び通過する気流に空気を吹き込むための表面部材の近傍のブローイング配置構成に対してそれを横切る横方向に延びるように配置構成されてよい。ブローイング配置構成は、表面部材内の空気出口孔と共に形成されてよい。出口孔は、少なくとも1つのスロットを含んでよい。表面部材は、ガーニーフラップとして動作するように配置構成されてよい。
【0056】
上記の開示の特徴は、直線操作及びコーナリング操作中の車両道路速度範囲にわたる改善された車両応答及び安定性を提供することがテストにおいて見出されている。
【0057】
空気流ブローイング配置構成は、自由流又は少なくとも近傍の通過する気流に空気を吹き込んで、車体表面の上を移動する流れへの妨げを生み出し、ブローイング配置構成から出口の上流に高圧領域を生み出すように適合された出口孔を含んでよい。ブローイング配置構成は、少なくとも1つの出口孔又は出口につながるダクトを備えてよい。ブローイング配置構成は、車体表面を通る流れに実質的に垂直な方向にジェット噴射するように配置構成されてよい。しかしながら、ジェット噴射方向は、他の実施形態において任意の他の方向であってよいが、特に装置を装着した車両の長手方向であり、且つ垂直面内であってよい。ブローイング配置構成は、ブローイング配置構成の出口からの流れの実質的にすべてが出口から実質的に同じ全体的方向に出るようなジェット噴射を提供するように配置構成されてよい。
【0058】
ブローイング配置構成は、車体表面にわたって実質的に横方向に延びるブローイング要素のアレイを備えてよい。アレイは、少なくとも1つの細長いスロットを含んでよい。アレイは、2、3、又は4つの前記スロットなどの複数の前記スロットを備えてよく、これらは実質的に位置合わせされ、車体表面にわたって並んで配置構成され、例えば、位置合わせされた左スロット、中央スロット、及び右スロットなどを含む。各スロットは、装置の動きの意図された方向のその長手方向の長さよりも実質的に長い横方向の幅を有してよい。車体表面は、好ましくはA面である。一部の実施形態において、必要に応じて、1つ以上のスロットに加えて又はその代替として、一連の小さい穿孔を有する1つ以上の穿孔されたパネル領域が用いられてよい。
【0059】
車体表面は、好ましくは上側ボディ表面を含む。車体表面は、車両の乗員スペースのルーフ部分及び/又はリアウィンドウ部分を含んでよく、ルーフ部分及び/又はリアウィンドウ部分は、ブローイング配置構成の手前にある。車体表面は、リアブートリッド又はデッキリッドなどのブートリッド又はデッキリッドを備えてよい又は含んでよい。車体表面がブートリッド部分又はデッキリッド部分を含むときに、ブローイング配置構成は、前記ブートリッド又はデッキリッド部分内に少なくとも部分的に又は十分に形成されてよい。ブートリッド部分又はデッキリッド部分は、ラゲッジ及び/又は車両モータ/エンジンコンポーネントのためのエンクロージャなどの車両のリアエンクロージャを覆うように配置構成されてよい。
【0060】
ブローイング配置構成が少なくとも1つのブローイングスロットを含むときに、各スロットは、約2〜15mm又は2〜8mm、一部の例では約3mm及び約5mm又は約8mm又は約10mmの、流れの長手方向の長さを有してよい。
【0061】
車体表面は、車体表面のリアエッジよりも下に存在するリアドロップダウン面に接続されてよい。ドロップダウン面は、張り出して車体表面のリアエッジから下方に及び前方に延びてよい。ブローイング配置構成は、車体表面のリアエッジから約0.5〜100mm、より一般には約3〜50mm以内、一部の例では約35mm及び約10mm、例えばリアエッジから約7mm又は5mmのところに存在する最後部を有してよい。
【0062】
ドロップダウン面及び車体表面は、(長手方向の平面内の少なくとも1つの垂直区域において)互いに実質的に垂直に配向されてよく、車体表面のリアエッジ(それらの間の縁である)は、10cm未満、好ましくは5cm未満、一部の例では約1、約2、又は約3cmの半径を有する。
【0063】
ブローイング配置構成は、その出口孔につながるダクトを含んでよく、ダクトは、好ましくは、該孔の方に徐々に湾曲する。ダクトは、出口孔の方にまっすぐ向かって又は約20度以内でまっすぐ向かって延びるダクト供給部分を有してよく、ダクト供給部分は、ブローイング装置の出口孔/スロット長(自由流の流れの方向の)の長さの5倍を超える流路長(ダクトの内部の流れの方向の)を有し、ダクト部分の流路長は、例えばこの長さの5〜10倍又は約10〜15倍である。これは、ブローイング配置構成の性能を有利に高めることが見出されている。
【0064】
一部の好ましい実施形態において、ブローイング配置構成、及び/又は、ブローイング配置構成の手前の車体表面及び車両構造体は、車体表面付近の少なくとも1つの速度の流れが実質的に随伴される及び/又は実質的な渦又は乱流を欠如するように構成されてよい。ブローイング配置構成は、したがって、こうした流れに吹き出すものである。
【0065】
一部の実施形態では、ブローイング配置構成は、車体表面から概して離れる方に延び、且つ車体表面にわたって横方向に延びるように配置構成されたガーニー部材又は表面部材を含んでよく、表面部材は、好ましくは、ブローイング配置構成の流れ出口孔又は出口スロットの上流に位置決めされる前部を有する。表面部材は、少なくとも延長された構成にあるときに、ブローイング配置構成の出口孔又はスロットの十分に手前の車体表面における位置から延びてよい。
【0066】
ブローイング配置構成の前記孔又はスロットは、表面部材内に配置されてよい。しかしながら、表面部材は、例えば前記孔又はスロットの前方の位置から車体表面から延び出るように配置構成される別個の要素であってよい。
【0067】
表面部材は、その表面の一部が車体表面の隣接する部分に実質的に垂直な状態で位置決め可能であってよい。表面部材は、車体表面内に及び/又は車体表面よりも下に後退可能であってよい。表面部材を延長及び/又は後退させるために制御部が設けられてよい。表面部材は、車両の静止、エンジンオフ、又は低速走行を示す信号に応答して後退可能であってよい。表面部材は、車両の動き又は高速走行を示す信号に応答して又は押しボタンなどのドライバ入力に応答して車体表面から延長可能であってよい。表面部材が後退されるときに表面部材及び/又はブローイング配置構成を退避させる及び覆うためにカバー部材が設けられてよい。カバー部材は、装置を装着した車両が静止している状態では、気流制御装置の領域内に突起が存在しない又は実質的に存在しないように車体表面と実質的に位置合わせされた位置に移動するように配置構成されてよく、僅かな突起が存在する又は突起が存在しないことに関する高レベルの美的デザイン又はデザイン目的を達成することができる。
【0068】
ブローイング配置構成の前記孔又はスロットは、可動車体表面区域に形成されてよい。車体表面区域は、車両の幅にわたって延びる表面を備えてよい。
【0069】
可動車体表面区域は、表面部材に実質的に垂直であってよい。
【0070】
可動車体表面区域は、その表面の一部が車体表面の隣接する部分と実質的に位置合わせされた状態で位置決め可能であってよい。車体表面区域は、隣接する車体表面よりも上に上昇させてもよい。車体表面区域の一部を含んでよい表面部材は、次いで、車両の上流に面してよい。
【0071】
ブローイング配置構成は、少なくとも2つの出口孔又は横方向に延びるスロットを備えてよい。各スロットは、例えば車両の各側部上に設けられた別個のそれぞれの空気入口に流体接続されてよい。したがって、車両が横風を受けるとき又はコーナリング時であっても、流れを各出口孔又はスロットに提供することができる。
【0072】
ブローイング配置構成のための加熱装置が設けられてよい。したがって、氷、雪、又は他の降水がブローイング配置構成を塞ぐ及び性能に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。
【0073】
ブローイング配置構成は、車体表面で気流制御装置の出口部分への空気流を供給するための空気入口を含んでよい。空気入口は、車両のリア三角窓の領域内に存在する少なくとも1つの孔を含んでよい。空気入口は、他の方法では、サイドポッド、スクープ、又は不連続なシャットライン配置構成などの別のタイプの単純なA面吸気口を含んでよい。代替的に、空気入口は、気流制御装置が装着されることになる車などの車両の下のアンダーフロアスクープ、又は圧縮機、タービン、又は別の形態の電気機械的システム又は機械的システムなどに関係する動力を与えられるエアフィード入口を含んでよい。
【0074】
ブローイング配置構成は、これを装着した車両が、例えば2×10
6を上回る又は3×10
6を上回る、他の例では10×10
6を上回る、12×10
6、又は15×10
6、達成可能と考えられるのは2×10
6から35×10
6までの間、まさに典型的なのは3×10
6から30×10
6までの間、一部の功を奏する適用例では3.39×10
6、16.9×10
6、及び25.44×10
6のレイノルズ数で走行しているときに、リフト及び/又はドラッグを減少させるように構成されてよい。本明細書でのレイノルズ数の計算において、特性長は、車両の長手方向の長さである。
【0075】
本開示のさらなる態様は、本開示の上記の態様のいずれか1つに記載の車両気流制御装置を有する車両を含む。車両は、道路車両を含んでよい。道路車両は、自動車を含んでよい。自動車は、200kphを超える又はさらには250又は300kphを超える走行が可能であってよく、一部の自動車配置構成では約450〜500kphまでの又はそれを超える走行が想定される。車両は、例えば、ファーストバック、GT、サルーン、エステート、ハッチバック、SUV、又はコンバーチブルを含んでよい。
【0076】
本発明は、テストを通じて、直線操作及びコーナリング操作中の全速度範囲にわたる良好な車両応答及び安定性と共に高速で及び比較的高いレイノルズ数で走行することができる自動車を提供することができることが見出されている。測定では、およそ900Paのブローイング配置構成の上流の車体表面(それがデッキリッドであるとき)上の表面圧力の増加が示された。これは、車両のリアでの空力リフトの非常に顕著な減少となり、ドラッグの減少とも関連付けることができ、したがって、良好な高速ハンドリングをもたらしながら効率を向上させる。
【0077】
ブローイング配置構成は、通過する気流に、自由流の空気速度よりも高い速度で空気を放出してよい。他の場合には、ブローイング配置構成は、通過する気流に、自由流の空気速度と実質的に同じ又はより低い速度で空気を放出してよい。
【0078】
本発明は種々の方法で実施されてよく、本発明に係る好ましい車両気流制御装置の種々の説明的開示実施形態が単なる例として添付図を参照してここで説明される。