特許第6682551号(P6682551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6682551回転センサ装置を有するボールジョイント組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682551
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】回転センサ装置を有するボールジョイント組立体
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/06 20060101AFI20200406BHJP
   B60G 3/20 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   F16C11/06 G
   F16C11/06 N
   F16C11/06 Z
   B60G3/20
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-548113(P2017-548113)
(86)(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公表番号】特表2018-511747(P2018-511747A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】IB2016050976
(87)【国際公開番号】WO2016147068
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2018年10月15日
(31)【優先権主張番号】BG2015A000016
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517295746
【氏名又は名称】サーメ・ドイツ−ファール・イタリア・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】SAME DEUTZ−FAHR ITALIA S.p.A
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ヘロデット、ローラン
(72)【発明者】
【氏名】スタッキ、ルカ
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−503553(JP,A)
【文献】 特表2008−546955(JP,A)
【文献】 特表平08−507015(JP,A)
【文献】 特開2002−333011(JP,A)
【文献】 特開2002−115712(JP,A)
【文献】 特開2007−055409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00−11/12
B60G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(R−R)の周りの相互の回転運動を可能にするように、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントを動作可能に接続することに適したジョイント群(1)であって、
i)第1の端(11)と第2の球状端(12)との間の旋回軸(P−P)に亘って伸張するピン(10)と、
ii)前記ピン(10)の前記第2の球状端(12)に合わせられ、一体的に接続された中心体(21)と、前記回転軸(R−R)の周りの前記中心体(21)の自由な回転を可能にするのに適した回転手段(25)とを備える回転装置(20)と、
iii)前記回転軸(R−R)上に位置付けられ、前記回転軸(R−R)の周りの前記中心体(21)の回転の角度を検出するのに適している検出要素(31)を備える回転センサ装置(30)と、
iv)前記第2のコンポーネントに固定可能であり、前記回転装置(20)と前記回転センサ装置(30)を収容するのに適した筐体(50)とを備え、
前記ピン(10)の前記第1の端(11)は、前記第1のコンポーネントと係合するように、前記筐体(50)から突出している、ジョイント群(1)。
【請求項2】
前記中心体(21)は、収容壁(210’)によって区切られたボール収容部(210)を備え、前記第2の球状端(12)は、横ピン(121)によって前記中心体(21)に接続されており、前記横ピン(121)は、前記ピン(10)が横軸(Y−Y)の周りを自由に回転できるように前記収容壁(210’)を係合するために、回転軸(R−R)と垂直な横軸(Y−Y)に沿って伸長し、前記第2の球状端(12)の中心Cを通っている、請求項1に記載のジョイント群(1)。
【請求項3】
前記中心体(21)は、前記収容壁(210’)上に、前記回転軸(R−R)に対して半径方向に対向した、2つのピンスロット(215)を有し、前記ピンスロット(215)は、前記回転軸(R−R)と平行して伸長しており、その中に、前記横ピン(121)の端が運動自在に収容されている、請求項2に記載のジョイント群(1)。
【請求項4】
前記中心体(21)は、前記中心(C)を前記回転軸(R−R)に沿って固定するように保つのに適している接合要素(212)を備える、請求項2又は3に記載のジョイント群(1)。
【請求項5】
前記回転手段(25)は、前記中心体(21)に動作可能に接続されている内表面(251’)と前記筐体(50)に動作可能に接続されている外表面(251’’)を有する、1つ以上のベアリング(251)を備える、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
【請求項6】
前記中心体(21)は、前記ボール収容部(210)を区切るように、前記回転軸(R−R)に沿って互いに係合するのに適した、第1の部分(21a)と第2の上部部分(21b)を備えている、請求項2に従属する請求項から5のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
【請求項7】
前記回転センサ装置(30)は、前記回転センサ装置(30)を固定するためのフランジ(32)を備え、前記フランジ(32)は、前記回転軸(R−R)に沿って、前記中心体(21)と整合するように前記検出要素(31)が挿入される、検出開口(320)を有している、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
【請求項8】
前記フランジ(32)は、前記回転軸(R−R)に沿って、前記検出要素(31)を収容するためのシート(321)を有し、前記シート(321)は、前記検出開口(320)と通じている、請求項7に記載のジョイント群(1)。
【請求項9】
前記検出要素(31)は、ゼロポジションから開始し、±90°まで、好ましくは±60°までの、前記回転軸(R−R)の周りの回転の角度を検出するのに適している、請求項7又は8に記載のジョイント群(1)。
【請求項10】
前記筐体(50)は、前記回転軸(R−R)に沿って、軸対称空洞(500)を有する、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
【請求項11】
前記フランジ(32)と前記回転手段(25)は、前記筐体(50)上で、前記中心体(21)と前記ピン(10)とを支持するのに適している、請求項7から9のうちのいずれか一項に従属する請求項10記載のジョイント群(1)。
【請求項12】
前記ピン(10)の前記第1の端(11)に一体的に接続され、前記第1のコンポーネントに固定されるのに適しているフランジ(55)を備える、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
【請求項13】
単一サスペンション車輪操舵システム(100)であって、
車輪キャリア(150)と、サスペンションアーム(151)と、前記車輪キャリア(150)を前記サスペンションアーム(151)に接続する請求項1から12のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)とを備え、単一サスペンション車輪操舵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、ジョイント群、及び、前記ジョイント群を備える農業利用のための車両の単一サスペンション車輪操舵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 力学において、及び、一般に、機械的な相互作用では、運動の変換システムは、運動が直線運動から回転運動に変換されるものとして長く知られており、さまざまな解決法の中には、接続ロッド−クランクシステム又はシャフトの回転を制御するジャッキを有するシステムがある。
【0003】
[0003] しかしながら、相互係合中に含まれるその中のコンポーネントは、しばしば、幾何学的又は機械的問題の結果として、単一の軸上の限定された運動を示さず、実際には、さまざまなコンポーネント間の相互係合は、当然に、3軸中のその球状端に対する回転運動を可能にする、球状ジョイントを使用することによって達成される。
【0004】
[0004] 球状ジョイントの使用における主な欠点は、回転やジョイントの軸の周りの回転角度を、単純で効果的に評価、検出ができないことである。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本発明の目的は、ジョイントの回転の主な角度を検出することが可能なジョイント群、すなわち、先行技術の典型的な上述の欠点が解消されたジョイント群を提供することである。
【0006】
[0006] このような目的は、請求項1に記載のジョイント群によって達成され、このような目的は、例えば、請求項13に記載の車両の単一サスペンション車輪操舵システムにおいても達成される。従属請求項は、さらに好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 本発明に係る、ジョイント群の特徴及び利点は、添付の図に係る非限定的な例として、以下の説明から明らかになるだろう。
図1図1は、好ましい実施形態に係る、本発明のジョイント群の側面図を示す。
図1a図1aは、断面V−Vに沿った、図1中のジョイント群の断面図を示す。
図1b図1bは、図1中のジョイント群の上方からの図である。
図2図2は、図1中のジョイント群の別の部分の斜視図を示す。
図3図3は、前述の図面中に示された、ジョイント群を備える単一サスペンション車輪操舵システムの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0008] 添付の図面を参照すると、参照番号1は、全体として、好ましい実施形態に係るジョイント群を全体的に示している。
【0009】
[0009] 好ましくは、ジョイント群は、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントを動作可能に接続することに適している。特に、ジョイント群1は、第2のコンポーネントに対する第1のコンポーネントの運動を可能にすることに適しており、前記運動は、好ましくは回転軸R−Rの周りの、回転式のものである。したがって、ジョイント群1により、第1コンポーネントが第2のコンポーネントに関連して回転することに適しており、及び/又は逆もまた同じである。
【0010】
[00010] 本発明は、ジョイント群1に及びジョイント群1から接続されるコンポーネントのタイプに限定されないことに留意すべきである。以下の説明にしたがうと、ジョイント群1が取り付け可能な任意のコンポーネントは、これによって別のコンポーネントに動作可能に接続されることに適している。例えば、一実施形態では、ジャッキの運動が前記シャフトの回転運動を引き起こさせて、ジョイント群1が、ジャッキ及びシャフトに動作可能に接続される。
【0011】
[00011] 好ましい実施形態では、本発明に係るジョイント群1は、農業のための車両、例えば、トラクタに適用される。好ましくは、ジョイント群1は、トラクタの単一サスペンション車輪操舵システム100に、すなわち、車輪組み立ての、又は、タイヤの回転の支持及び制御システムに適用される。好ましくは、単一サスペンション車輪操舵システム100は、農業利用のための車両の前方にある。好ましくは、単一サスペンション車輪操舵システム100は、駆動輪である。
【0012】
[00012] 好ましい実施形態にしたがうと、システム100は、車輪群のための車輪キャリア150と、車輪群の支持及び緩衝のための少なくとも1つのサスペンションアーム151とを備えている。したがって、以下の説明にしたがうと、ジョイント群1は、前記車輪キャリア150をサスペンションアーム151に動作可能に接続することに適しており、第1及び第2のコンポーネントは、ジョイント群1によってそれぞれ動作可能に接続される。
【0013】
[00013] 好ましくは、ジョイント群1は、第1の端11と第2の球状端12との間の旋回軸P−Pに沿って伸長するピン10を備えている。
【0014】
[00014] 好ましくは、ジョイント群1は、以下の説明にしたがって、第2のコンポーネントに固定可能であり、球状端12を収容するのに適した筐体50を備えている。好ましい実施形態では、筐体50には、例えば、ねじボルトによって第2のコンポーネントが固定されるのに適している、少なくとも1つの固定壁505が設けられている。
【0015】
[00015] 好ましい実施形態にしたがうと、代わりに、第1の端11は、第1のコンポーネントに固定されるのに適している。
【0016】
[00016] 好ましい実施形態にしたがうと、第1の端11は、第1のコンポーネントに固定可能であり、例えば、それにねじ止めされる。好ましくは、第1の端11は、特別な止めねじ161がねじ留め可能である、ねじ切りされた空洞111を備えている。
【0017】
[00017] 好ましくは、ジョイント群1は、例えば、特別な止めねじ161によって固定された前記第1の端11上に合わせられ、例えば、ねじ結合により、第1の端11に一体的に接続された、フランジ要素55を備えている。前記フランジ要素55は、第1のコンポーネントが固定されるのに適した組立体表面555を備えている。
【0018】
[00018] 好ましい実施形態にしたがうと、ジョイント群1は、ピン10の第2の球状端12に合わせられ、一体的に接続されている中心体21と、回転軸R−Rの周りの中心体21の自由な回転を可能にするのに適した回転手段25とを備える、回転装置20を備えている。
【0019】
[00019] 言い換えると、筐体50は、好ましくは軸対称であり、回転軸R−Rに沿って伸張する、収容空洞500を備えている。このように、ジョイント群1は、全体として、収容空洞500に実質的に含まれ、実際に、ピン10の一部のみが、前記収容空洞500、特に、第1の端11の外側に伸長する。
【0020】
[00020] 好ましくは、中心体21は、第2の球状端12が収容される、収容壁210’によって区切られたボール収容部210を備えている。
【0021】
[00021] 好ましい実施形態にしたがうと、第2の球状端12は、回転軸R−Rと垂直な横軸Y−Yに沿って伸張し、第2の球状端12の中心Cから通る、横ピン121によって中心体21に接続される。横ピン121は、ピン10が前記横軸Y−Yの周りを自由に回転できるように、前記収容壁210’と係合する。言い換えると、横ピン121は、第2の球状端12が、すべての自由度で、中心Cの周りを自由に回転することを防ぐ。
【0022】
[00022] 好ましい実施形態にしたがうと、中心体21は、回転軸R−Rに対して半径方向に対向した、2つのピンスロット215を有している。好ましくは、ピンスロット215は、収容壁210’上に作られ、回転軸R−Rと平行して伸長する。前記ピンスロット215には、横ピン121の端が収容され、自由に運動する。
【0023】
[00023] 言い換えると、2つのピンスロット215は、例えば、第1及び第2のコンポーネント間の相対運動の振とうとコンポーネント間の任意の組み立て許容範囲を回復するように、横ピン121の運動を可能にする。スロット215中のピン121の角運動は、図1a中に点線によって表されていることに留意すべきである。
【0024】
[00024] さらに、好ましくは、中心体21は、中心Cを回転軸R−Rに沿って固定するように保つのに適している接合要素212を備えている。言い換えると、中心体21は、その内部に、第2の球状端212が作用する接合要素212を有しており、実際に、第2の球状端12の一部分の収容及び支持を可能にするように、凹形状を有している接合要素12を自由に動かす。好ましくは、前記凹部分の曲率は、第2の球状端12と同じ半径を有し、言い換えると、その半径は、第2の球状端12の外壁の中心Cからの距離と等しい。
【0025】
[00025] 好ましい実施形態にしたがうと、接合要素212は、減摩材であり、すなわち、低摩擦係数を有し、好ましくは、ブロンズ合金のような、低摩擦係数を有する又は低摩擦の、ポリマー又は金属の群から選択された材料である。
【0026】
[00026] 好ましい実施形態にしたがうと、回転手段25は、中心体21に動作可能に接続されている内表面251’と回転装置20が収容されるコンポーネントに動作可能に接続されている外表面251’’を有している、1つ以上のベアリング251を備えている。
【0027】
[00027] 好ましい実施形態では、回転手段25は、利用可能な円錐の角が対向し、好ましくは第2の球状端12が配置されているジョイント群1の中心に向くように構成されている、テーパーがなされた2つのローラーベアリング251を備えている。しかしながら、回転手段25が1つ以上のボール又はスライディングベアリングを備える実施形態は既知である。
【0028】
[00028] 言い換えると、回転手段25は、軸方向荷重と半径方向荷重の両方を管理するのに適している。
【0029】
[00029] 好ましい実施形態にしたがうと、中心体21は2つの主要部分から成っている。
【0030】
[00030] 好ましくは、中心体21は、ボール収容部210を区切るように、回転軸R−Rに沿って互いに係合するのに適した、第1の部分21aと第2の部分21bを備えている。言い換えると、垂直に沿って、第1の部分21aと第2の部分21bは、例えば、互いにねじ留めすることにより、互いに係合するように適合している。好ましくは、第1の部分21aと第2の部分21bは、それぞれのフランジ間で回転手段25を挟むように、半径方向にフランジ付けされる。
【0031】
[00031] 好ましい実施形態にしたがうと、ジョイント群は、前記回転軸R−Rの周りの中心体21の回転の角度を検出するのに適した回転センサ装置30をさらに備えており、言い換えると、回転センサ装置30は、第2のコンポーネントの回転の角度を検出するのに適している。
【0032】
[00032] さまざまな実施形態に依存して、回転センサ装置30は、筐体50に固定される。
【0033】
[00033] 好ましくは、回転センサ装置30は、回転軸R−R上に位置付けられた検出要素を備えている。
【0034】
[00034] 好ましい実施形態では、回転センサ装置30は、回転センサ装置30を筐体50に固定するためのフランジ32を備えている。
【0035】
[00035] 好ましくは、フランジ32は、回転軸R−Rに沿って、中心体21と整合するように検出要素31が挿入される、検出開口320を有している。
【0036】
[00036] 好ましい実施形態では、検出要素31は、第2の部分21bと整合する。
【0037】
[00037] 好ましくは、フランジ32は、回転軸R−Rに沿って、検出要素31を収容するためのシート321を有し、前記シート321は、検出開口320と通じている。
【0038】
[00038] 好ましい実施形態にしたがうと、検出要素31は、ゼロポジションから開始し、±90°まで、好ましくは±60°までである、中心体21の回転軸R−Rの周りの回転の角度を検出するのに適している。
【0039】
[00039] したがって、構成のタイプに依存して、検出要素31は、例えば、フランジ32に関して、横ピン121を通してピン10によって誘導され、中心体21の回転を検出するのに適している。他の実施形態では、逆に、中心体21は、横ピン121を用いて、ピン10によって固定位置に保持され、回転するのは、筐体50と、したがって、筐体50に固定されるフランジ32であり、検出要素31は、これらに関して、中心体21の相対的回転を検出するのに適している。
【0040】
[00040] 好ましい実施形態では、回転センサ装置30は、例えば、組み立て許容範囲に関連する、回転軸R−Rに関するセンサのどの調整不良も回復するのに適した、再調整スリーブ300も備えている。言い換えると、検出要素31は、スリーブ300が固定されている本体21によって誘導される、前記スリーブ300の相対運動を検出するのに適している。
【0041】
[00041] 好ましい実施形態では、再調整スリーブ300は、弾性柔軟材料、例えば、ポリマーゴム材料でてきている。
【0042】
[00042] 革新的なことに、本発明のジョイント群は、本発明の意図した目的、すなわち、2つの動作可能に接続されたコンポーネント間の相対的回転の角度の正確な検出を提供することを達成することができる。
【0043】
[00043] 有利なことに、ジョイント群は、これらの実施形態において必要とされる3つの自由度で確実に結合することを継続する、回転の軸の周りの回転の角度の検出を実行するのに適している。
【0044】
[00044] さらに、有利なこと、代わりに回転ジョイントの運動によって条件付けされることなく、中心体に関して得られるこの検出は常に信頼性があり、リアルタイムで正確である。
【0045】
[00045] さらなる利点は、3つの運動軸が互いに分離される結合群を有することであり、したがって、これらの周りの回転は、効果的に測定可能である。したがって、有利なことに、1つの軸の周りの運動は、他の軸の周りの運動に影響を及ぼさない。
【0046】
[00046] さらなる利点は、ジョイント群が固く、丈夫であるという事実にあり、したがって、機械的用途に関連する環境のような、厳しく過酷な環境で使用されるのに適している。
【0047】
[00047] さらに、有利なことに、ジョイント群は、特に厄介ではなく、複数の互いに異なるコンポーネントに合せることができる。
【0048】
[00048] 有利なことに、ジョイント群は、例えば、単一サスペンション車輪操舵システム上のような、さまざまな機械的用途に応用されるのに適している。
【0049】
[00049] さらに、ジョイント群は、2つの一般的コンポーネントが動作可能に互いに接続される相対回転運動において配置されなければならない、さまざまな機械的用途に有利に適しており、言い換えると、ジョイント群は、確実に3つの自由度を継続するボールジョイントの使用を置き換えることに適しており、有利なことに、ジョイント群は、ロッド−クランクシステムを接続する際にも適用であり、また、ジャッキを回転シャフトに接合するためも適用可能である。
【0050】
[00050] 偶発的な要件を満たすように、当業者はジョイント群に修正をしてもよいことは明らかであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような保護の範囲内にすべてが含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 回転軸(R−R)の周りの往復回転運動を可能にするように、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントを動作可能に接続することに適したジョイント群(1)であって、 i)第1の端(11)と第2の球状端(12)との間の旋回軸(P−P)に亘って伸張するピン(10)と、
ii)前記ピン(10)の前記第2の球状端(12)に合わせられ、一体的に接続された中心体(21)と、前記回転軸(R−R)の周りの前記中心体(21)の自由な回転を可能にするのに適した回転手段(25)とを備える回転装置(20)と、
iii)前記回転軸(R−R)上に位置付けられ、前記回転軸(R−R)の周りの中心体(21)の回転の角度を検出するのに適している、検出要素(31)を備える回転センサ装置(30)と、
iv)前記第2のコンポーネントに固定可能であり、前記回転装置(20)と前記回転センサ装置(30)を収容するのに適した筐体(50)とを備え、
前記ピン(10)の前記第1の端(11)は、前記第1のコンポーネントと係合するように、前記筐体(50)から突出している、ジョイント群(1)。
[2] 前記中心体(21)は、収容壁(210’)によって区切られたボール収容部(210)を備え、前記第2の球状端(12)は、横ピン(121)によって前記中心体(21)に接続されており、前記横ピン(121)は、前記ピン(10)が横軸(Y−Y)の周りを自由に回転できるように前記収容壁(210’)を係合するために、回転軸(R−R)と垂直な横軸(Y−Y)に沿って伸長し、前記第2の球状端(12)の中心Cを通っている、[1]に記載のジョイント群(1)。
[3] 前記中心体(21)は、前記収容壁(210’)上に、前記回転軸(R−R)に対して半径方向に対向した、2つのピンスロット(215)を有し、前記ピンスロット(215)は、前記回転軸(R−R)と平行して伸長しており、その中に、前記横ピン(121)の端が運動自在に収容されている、[2]に記載のジョイント群(1)。
[4] 前記中心体(21)は、前記中心(C)を前記回転軸(R−R)に沿って固定するように保つのに適している接合要素(212)を備える、[2]又は[3]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[5] 前記回転手段(25)は、前記中心体(21)に動作可能に接続されている内表面(251’)と前記筐体(50)に動作可能に接続されている外表面(251’’)を有する、1つ以上のベアリング(251)を備える、[1]から[4]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[6] 前記中心体(21)は、ボール収容部(210)を区切るように、前記回転軸(R−R)に沿って互いに係合するのに適した、第1の部分(21a)と第2の上部部分(21b)を備えている、[1]から[5]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[7] 前記回転センサ装置(30)は、前記回転センサ装置(30)を固定するためのフランジ(32)を備え、前記フランジ(32)は、前記回転軸(R−R)に沿って、前記中心体(21)と、好ましくは第2の部分(21b)と整合するように前記検出要素(31)が挿入される、検出開口(320)を有している、[1]から[6]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[8] 前記フランジ(32)は、前記回転軸(R−R)に沿って、前記検出要素(31)を収容するためのシート(321)を有し、前記シート(321)は、前記検出開口(320)と通じている、[7]に記載のジョイント群(1)。
[9] 前記検出要素(31)は、ゼロポジションから開始し、±90°まで、好ましくは±60°までの、前記回転軸(R−R)の周りの回転の角度を検出するのに適している、[7]又は[8]に記載のジョイント群(1)。
[10] 前記筐体(50)は、前記回転軸(R−R)に沿って、軸対称空洞(500)を有する、[1]から[9]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[11] 前記フランジ(32)と前記回転手段(25)は、前記筐体(50)上で、前記中心体(21)と前記ピン(10)とを支持するのに適している、[7]から[9]のうちのいずれか一項に従属する[10]記載のジョイント群(1)。
[12] 前記ピン(10)の前記第1の端(11)に一体的に接続され、前記第1のコンポーネントに固定されるのに適しているフランジ(55)を備える、[1]から[11]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)。
[13] 単一サスペンション車輪操舵システム(100)であって、
車輪キャリア(150)と、サスペンションアーム(151)と、[1]から[12]のうちのいずれか一項に記載のジョイント群(1)とを備え、前記車輪キャリア(150)を前記サスペンションアーム(151)に接続する、単一サスペンション車輪操舵システム。
図1
図1a
図1b
図2
図3