(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記酸素消費特性に基づいて前記通気部を制御して前記通気量を変更し、前記堆積物への酸素供給量を制御する請求項2または3に記載の炭化物処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から
図6に基づいて、本発明の実施形態に係る炭化物処理装置および炭化物処理方法について説明する。
【0024】
〔第一実施形態〕
〔全体構成の説明〕
図1から
図4に基づいて、第一実施形態に係る炭化物処理装置100を説明する。第一実施形態に係る炭化物処理装置100は、
図1に示すように、例えば、下水汚泥などの有機汚泥をリサイクル燃料Fとして再利用する有機汚泥リサイクルシステム200の炭化物処理に用いられる。本実施形態では、有機汚泥リサイクルシステム200に、あらかじめ乾燥しペレット状に造粒された有機汚泥である乾燥汚泥Lが供給される場合を例示して説明する。有機汚泥リサイクルシステム200は、乾燥汚泥Lを炭化などして、リサイクル燃料Fを得る。
【0025】
図2に示すように、炭化物処理装置100は、後述する炭化物処理方法により、乾燥汚泥Lから得た炭化物Mの自己発熱性を低下させる処理(いわゆる、エージング処理(低温酸化処理)、以下では、「炭化物処理」と称する)を行う。
【0026】
有機汚泥リサイクルシステム200は、炭化物処理装置100に加えて、主として炭化炉10と、冷却器20と、ストックタンク27とを備える。
【0027】
乾燥汚泥Lは、例えば押し出し造粒法により円筒ペレット状に造粒されている。乾燥汚泥Lもしくは乾燥汚泥Lから得た炭化物Mやリサイクル燃料Fの粒子形状、かさ密度などの粒子物性を均質化して、有機汚泥リサイクルシステム200や炭化物処理装置100における炭化物Mなどのハンドリング性や炭化物処理の均一性を向上させるためである。
【0028】
図1に示すように、乾燥汚泥Lは、炭化炉10に供給されて炭化される。これにより円筒ペレット状の炭化物Mを得る。炭化炉10から排出された炭化物Mは冷却器20で加湿および冷却される。その後、炭化物処理装置100に所定時間貯留される。炭化物処理装置100は、貯留された炭化物Mに所定時間酸素を含有する処理用ガスGを通気して、炭化物処理を行う(
図2参照)。炭化物処理をなされた炭化物Mは、安全にタンクなどに貯留可能なリサイクル燃料Fとなり、炭化物処理装置100から排出される。炭化物処理装置100から排出されたリサイクル燃料Fは、市場への出荷に備えてストックタンク27に貯留される。以下では、炭化炉10からストックタンク27に向かう炭化物Mもしくはリサイクル燃料Fの搬送経路の下流側を単に下流側と称し、その逆を上流側と称する。
【0029】
〔各部の説明〕
炭化炉10は、乾燥汚泥Lを低酸素雰囲気下で加熱(以下では、「炭化処理」と称する場合がある)して炭化物Mを得る装置である。炭化炉10は、ロータリーキルンで構成されている。炭化炉10は、ロータリーキルン方式のほか流動床式やスクリュー式などでもよい。炭化炉10は、乾燥汚泥Lを温度250℃から600℃程度で炭化処理する。
【0030】
本実施形態において炭化炉10では、炭化処理の際、乾燥汚泥Lから可燃性ガスが生成する。当該可燃性ガスは、例えば二次燃焼炉12に供給されて燃焼された後、排熱回収機やスクラバなどの排ガス処理設備13を経て燃焼排気Efとして外部に排出される。炭化物Mは、炭化炉10から排出された後、シュート11などを介して冷却器20に投入される。
【0031】
冷却器20は、炭化物Mを冷却する装置である。冷却器20は、本実施形態では、ケーシング内に設けたスクリューによって炭化物Mを移動させるスクリュー搬送装置に冷却水CWを供給するノズル20Eを取り付けた装置である。本実施形態では、冷却器20は、炭化物Mをスクリューで一方向に搬送し、当該搬送される炭化物Mに冷却水CWを噴霧供給している。
【0032】
冷却器20の内部の炭化物Mは、冷却水CWの蒸発潜熱により冷却される。本実施形態では、炭化物Mは60℃未満まで急冷される。本実施形態では、冷却水CWの噴霧供給により、炭化物Mは冷却されると共に加湿される。本実施形態では、炭化物Mが、ドライベース(完全に乾燥した炭化物重量に対する重量比)で5%から20%、特に好ましくは7%から15%程度の水分となるように加湿される。
【0033】
本実施形態において冷却器20には、炭化物Mの流れと対向する向きに、窒素などの不活性ガスであるキャリアガスCGが通流されている。冷却器20では、キャリアガスCG、および、冷却水CWの水蒸気に加えて、一酸化炭素ガスなどの可燃性ガスや臭気を有するガスが生じる。そのため、本実施形態では、冷却器20の排気は、排気管14を介して二次燃焼炉12に導入している。冷却された炭化物Mは、冷却器20からフライトコンベア22に供給される。本実施形態では、炭化物Mが、冷却器20とフライトコンベア22の投入口(図示せず)とを仕切るロータリーバルブ21を介してフライトコンベア22に供給される。
【0034】
冷却器20から排出された炭化物Mは、フライトコンベア22によりクッションタンク23に搬送され、クッションタンク23から炭化物処理装置100に供給される。本実施形態では、クッションタンク23に搬送された炭化物Mは、ロータリーバルブ31a(
図2参照)を介して炭化物処理装置100に供給される。なお、フライトコンベア22などを用いる代わりに、冷却器20から排出された炭化物Mを、シュートなどを経て炭化物処理装置100に供給してもよい。また、フライトコンベア22で搬送する代わりに、空気輸送、ベルトコンベヤ、バケットコンベヤなどを用いて搬送してもよい。
【0035】
炭化物処理装置100は、炭化物Mを炭化物処理して、リサイクル燃料Fを得る装置である。炭化物処理装置100については後述する。炭化物処理装置100で得たリサイクル燃料Fは、フライトコンベア25からクッションタンク26に輸送される。この際、フライトコンベア25の上流にはチラーから冷媒が供給されている熱交換器などの空気冷却装置25aが配置され、この空気冷却装置25aで冷却された空気Aを用いてリサイクル燃料Fを冷却する場合がある。リサイクル燃料Fは、クッションタンク26からストックタンク27に投入されて出荷時まで保管される。
【0036】
炭化物処理装置100について詳述する。炭化物処理装置100は、
図2に示すように、炭化物Mを貯留して炭化物処理を行う貯留槽3と、貯留槽3に貯留された炭化物Mの堆積物Bに処理用ガスGを通気(給気)する通気部4と、貯留槽3の槽内温度を計測する温度計測部Tと、貯留槽3の槽内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部Sと、炭化物処理装置100の動作全体を制御する制御部9と、を備えている。なお、後述するように、処理用ガスGは空気Aなどの酸素を含有する第一処理用ガスG1を少なくとも含む気体である。本実施形態では、通気部4は、第一処理用ガスG1と第二処理用ガスG2とを混合した処理用ガスGを給気している。本実施形態では、通気部4は、給気ファン41と、循環ファン42とを含む。貯留槽3の槽内温度とは、堆積物Bの温度を計測した値のことをいう。
【0037】
炭化物処理装置100は、後述するように、炭化物Mを貯留槽3に貯留する貯留工程と、炭化物Mの堆積物Bに酸素を含有する処理用ガスGを通気する通気工程と、炭化物Mを所定時間滞留させて排出する排出工程とを行って、炭化物Mの炭化物処理を実現し、リサイクル燃料Fを得る。
【0038】
炭化物処理装置100は、後述するように、リサイクル燃料Fの安全性(低い自己発熱性)と、炭化物処理装置100による炭化物処理の安全性とを確実に担保すべく、貯留槽3の槽内温度を計測する温度計測工程を行うと共に、通気工程として、炭化物Mの堆積物Bに第一処理用ガスG1を通気する第一通気工程と、堆積物Bに第二処理用ガスG2を通気する第二通気工程と、を実行する。また、炭化物処理装置100は、第一処理用ガスG1、および、第二処理用ガスG2の少なくとも一方により、貯留槽3の槽内温度を所定の閾値(温度)以下になるように制御する温度制御工程を実行する。さらに、炭化物処理装置100は、堆積物Bの層高さ方向における複数の層領域ごとに判定閾値を設定する判定閾値設定工程と、当該層領域における当該判定閾値に基づいて、通気工程における通気量、または、排出工程における滞留時間を制御する制御工程と、を実行している。
【0039】
貯留槽3は、炭化物Mを鉛直方向に積み増して層状に貯留する金属製の容器である。また、貯留槽3は当該層状に貯留した炭化物Mを、層状態を維持しつつ次工程に供給(マスフローで排出)する供給容器である。貯留槽3は、貯留槽3の容器本体30の内部空間に炭化物Mを投入する投入口となる供給部31と、貯留槽3の内部空間からリサイクル燃料Fを排出する排出部32とを有する。
【0040】
本実施形態の貯留槽3の容器本体30は、上端を閉塞する天板30aを有する筒状の上部容器と、当該上部容器から下方に向けてすり鉢状(コーン状)に窄む下部容器と、を一体的に備えている。貯留槽3の断面形状は円形であり、下部容器が窄む角度(コーン角度)は、排出部32から炭化物M(リサイクル燃料F)がマスフローで排出される角度に設定されている。なお、下部容器が窄む角度がマスフローで排出される角度に設定できない場合は、例えば貯留槽3の槽内における上部容器と下部容器との境界近傍であって、貯留槽3の径方向の中央付近に、陣笠形状の邪魔板(いわゆる、コーンバッフル)を設けてもよい。
【0041】
貯留槽3は、容器本体30の上端部に供給部31を有する。供給部31は、貯留槽3の容器本体30の上端である容器上面の天板30aに設けられ、貯留槽3の内部空間とつながる供給管と、当該供給管に設けられたロータリーバルブ31aとを有する。貯留槽3は、ロータリーバルブ31aにより、上流側の雰囲気と縁切りされた状態で炭化物Mを内部空間に投入することができる。本実施形態では、供給部31に一定の供給速度で連続的に炭化物Mが供給される。
【0042】
貯留槽3は、容器本体30の下端部に排出部32を有する。排出部32は、貯留槽3の容器本体30の下端である下部容器の端部30bに設けられている。貯留槽3の内部空間とつながる排出管32bと、排出管32bに設けられた炭化物M(リサイクル燃料F)の排出装置としてのロータリーバルブ32aとを有する。
【0043】
排出管32bは、本実施形態では円筒状の管であり、下部容器の端部30bから下方に向けて設けられている。貯留槽3は、ロータリーバルブ32aにより、下流側の雰囲気と縁切りされた状態で、リサイクル燃料Fを貯留槽3の内部空間から貯留槽3の下方に排出することができる。本実施形態では、排出部32から連続的にリサイクル燃料Fが排出される。
【0044】
本実施形態では、上述のごとく、貯留槽3には、一定の供給速度で連続的に炭化物Mが投入されて、貯留槽3から、連続的にリサイクル燃料Fが排出される。炭化物M(リサイクル燃料F)の貯留槽3での平均滞留時間は、例えば2日(48時間)となるように制御される。滞留時間は、炭化物Mからリサイクル燃料Fを得るために必要十分な長さが設定されている。滞留時間が短すぎると、炭化物Mの自己発熱性を十分に低下せしめることができず、リサイクル燃料Fの安全性を担保できない。滞留時間が長すぎると、リサイクル燃料Fの生産効率が低下して不経済となるため好ましくない。
【0045】
貯留槽3は、下端部に、処理用ガスGを内部空間に導入し堆積物Bに酸素を含有する処理用ガスGを供給するガス供給ポート34を有する。ガス供給ポート34は、排出部32の排出管32bにおけるロータリーバルブ32aの上流側(貯留槽3の内部空間側)に接続されている。これにより、ガス供給ポート34から供給された処理用ガスGは、貯留槽3の下部容器の下端の端部30bから堆積物Bの粒子層に通気される。処理用ガスGは、堆積物Bの粒子層を通過しつつ炭化物Mの粒子表面と固気接触し、当該粒子表面における表面官能基などを酸化する。
【0046】
堆積物Bの粒子層を通過した排気ガスE(処理用ガスG)は、貯留槽3の上端部に設けられた排気管33から排気ガスEとして外部に排気される。排気ガスEは、二次燃焼炉12(
図1参照)などに導入されて浄化された後、大気に排出される。
【0047】
なお、本実施形態では、処理用ガスGに含まれる酸素は、堆積物Bによりほぼ消費し尽くされる条件で堆積物Bに供給する。ここで、処理用ガスGに含まれる酸素が堆積物Bによりほぼ消費し尽くされる条件、とは、酸素濃度がおよそゼロ%になるまで排気ガスE中の酸素を消費するが完全なゼロ%にはしないことを意味し、堆積物Bの上部でも酸化反応が進行するように排気ガスE中に酸素を残留させておくことを言う。そのため排気ガスEは、窒素および二酸化炭素が主体となる。このように排気ガスEは、本実施形態ではほぼ無酸素であるため、炭化物粒子表面の活性の高い表面官能基と接触しても酸化反応を促進しない。
【0048】
貯留槽3には、温度計測部Tのセンサプローブである温度センサT1〜T5(以下では、温度センサT1〜T5を総称して、単に「温度センサ」と称する場合がある)が取り付けられている。本実施形態では、温度センサは先端に温度の検出部(以下では単に「センサの先端」と称する)を有する棒状のセンサプローブであり、測温抵抗体を用いている。温度センサは、熱電対や、その他のセンサを用いてもよい。
【0049】
温度センサは、貯留槽3の壁部に設置されている。温度センサは、棒状のセンサプローブを貯留槽3の側面外側から容器本体30の壁部に貫通させ、貯留槽3の槽内の内部にセンサの先端が配置されるように容器本体30の径方向に沿うように取り付けられている。温度センサは、
図2に示すように、貯留槽3の下方(下流側)から上方(上流側)に向けて温度センサT1から温度センサT5の順に貯留槽3に取り付けられている。なお、温度センサは、容器本体30の径方向に沿うように取り付けられる場合に限られず、容器本体30の径方向に沿う向きから鉛直方向の上向きもしくは下向きに傾斜して取り付けてもよいし、径方向に沿う向きから容器本体30の周方向に沿う向きに傾斜して取り付けてもよい。また、温度センサの取り付け方は、壁部を貫通させる方法に限られず、例えば、天板30aから垂下させるように取り付けてもよい。
【0050】
温度センサT1は、排出部32の排出管32bにおけるロータリーバルブ32aの上流側に設けられ、センサの先端は、排出管32bの管の径方向における中央部に挿入されている。
【0051】
温度センサT2は、貯留槽3の上部容器の下方部位の壁部から槽内に向けて挿入されている。本実施形態において温度センサT2は、上部容器と下部容器との接続部分のやや上方位置に設けられている。温度センサT3〜T5は、貯留槽3の上部容器の壁部から槽内に向けて挿入されている。温度センサT2〜T5は、本実施形態では、それぞれ3つのセンサプローブを含んで構成されている。
【0052】
温度センサT3は、貯留槽3の壁部における同じ高さ位置において、例えば
図3に示すように、それぞれ等間隔で、貯留槽3の上方から見て時計回りに、温度センサT31、温度センサT32、温度センサT33を有している。これら温度センサT31〜T33で計測された値を平均して温度センサT3の計測値とする。なお、温度センサT3は、温度センサT31〜T33のいずれか1つでもよいし、温度センサT31〜T33のいずれか2つの組合せもよい。また、温度センサT31〜T33で計測された値の平均値ではなく、温度センサT31〜T33で計測された値のうち最も高い値を温度センサT3の計測値としてもよい。
【0053】
温度センサT31は、センサの先端が、貯留槽3の径方向における中央部の深さまで挿入されている。温度センサT32は、そのセンサの先端が、貯留槽3の壁部と、貯留槽3の径方向中央部との間の位置の深さまで挿入されている。温度センサT33は、センサの先端が、貯留槽3の壁部からやや内側の位置の深さまで挿入されている。なお、本実施形態では温度センサT31〜T33はそれぞれ挿入の深さが異なるが、それぞれ挿入の深さが同じでもよい。
【0054】
温度センサT2、および温度センサT4、温度センサT5は、取付高さが異なるが、それぞれ取付態様は温度センサT3と同様であるため説明は省略する。
【0055】
貯留槽3には、
図2に示すように、酸素濃度計測部Sの空気サンプリングノズルである吸引管S1〜S5(以下では、吸引管S1〜S5を総称して、単に「酸素プローブ」と称する場合がある)が取り付けられている。吸引管S2〜S5は、酸素濃度計(図示せず)に接続された管を貯留槽3の側面外側から容器本体30の壁部に貫通させて容器本体30の径方向に沿い設けられている。吸引管S2〜S5は、容器本体30の径方向における中央部分に管の先端が配置されている。吸引管S1は、排出部32の排出管32bにおけるロータリーバルブ32aの上流側に排出管32bの径方向に沿い設けられている。吸引管S1は、排出管32bの管の径方向における中央部分に管の先端が配置されている。このように酸素プローブは、貯留槽3内の気体を管で吸引して酸素濃度計で酸素濃度を計測できるように取り付けられている。なお、酸素プローブは、貯留槽3の下方(下流側)から上方(上流側)に向けて吸引管S1〜S5の順に貯留槽3に取り付けられている。
図4には、吸引管S3の取り付け態様の一例を図示している。なお、吸引管S3以外の酸素プローブの取り付け態様も同様である。酸素プローブは、温度センサの場合と同様に、鉛直方向の上向きもしくは下向きや周方向に沿う向きに傾斜して取り付けてもよい。
【0056】
排気管33は、本実施形態では
図2に示すように、貯留槽3の天板30aに設けられている。排気管33には、貯留槽3の内部空間を正圧に維持すべく、排気ガスEの通流の抵抗となる抵抗体33aが設けられている。抵抗体33aは、例えばバタフライバルブなどの開度調整可能なバルブ装置などを用いることができる。抵抗体33aの開度の変更により排気ガスEの通流の抵抗を変更可能である。排気ガスEの通流の抵抗を大きくすると貯留槽3の内部空間の圧力は正圧側に変化する。貯留槽3の内部空間の圧力を正圧側に維持することで、ガス供給ポート34以外から貯留槽3の内部空間に酸素を含有する気体が流入(侵入)することを防止している。つまり、貯留槽3の内部空間への侵入を防ぐことで、当該侵入により炭化物Mが局所的に発熱して発火するなどを未然防止している。
【0057】
処理用ガスGは、空気Aなどの酸素を含有する第一処理用ガスG1を少なくとも含む気体である。処理用ガスGは、本実施形態では、第一処理用ガスG1と、ほぼ無酸素となっている排気ガスEをリサイクルした第二処理用ガスG2とを混合した気体である。したがって、処理用ガスGの酸素濃度は第一処理用ガスG1と第二処理用ガスG2との混合比で決定される。処理用ガスGの酸素濃度は第二処理用ガスG2の混合割合が大きいほど小さい値になる。
【0058】
第一処理用ガスG1は、給気ファン41(通気部の一例)で空気A(外気)を吸引し、ガス供給ポート34に接続される給気配管41a(通気部の一例)に送風(給気)することで、貯留槽3に供給される。
【0059】
第一処理用ガスG1は、本実施形態では炭化物Mに酸素を供給するキャリアガスである。また、第一処理用ガスG1は、炭化物Mを冷却する冷媒である。第一処理用ガスG1の通気量に応じて、すなわち、酸素供給量に応じて炭化物Mの酸化が進行する。この酸化に応じて、炭化物Mは発熱する。第一処理用ガスG1の供給量を増加させると、すなわち、酸素供給速度を増加させると炭化物Mの酸化速度(処理速度)は早くなる。これにより、炭化物Mの単位時間当たりの発熱量が増加して、堆積物Bの温度、すなわち貯留槽3の槽内温度は上昇する。
【0060】
第二処理用ガスG2は、排気管33とガス供給ポート34とを連通する循環路40(通気部の一例)を介して排気ガスEの一部をガス供給ポート34に送風(給気)することで貯留槽3に供給される。なお、第二処理用ガスG2は、その供給量を増減しても排気管33から排気される排気ガスEの総量は変化しない。なぜならば、第二処理用ガスG2は、貯留槽3を循環しているにすぎないためである。
【0061】
第二処理用ガスG2は、炭化物Mに対して不活性なガスである。また、第二処理用ガスG2は、炭化物Mを冷却する冷媒である。第二処理用ガスG2の供給により、処理用ガスGの酸素濃度を低下させることで炭化物Mの酸化反応の反応速度を低下させている。これにより、貯留槽3内で炭化物Mが局所的に発熱することを回避することができる。また、第一処理用ガスG1による冷却に加えて、第二処理用ガスG2の供給により、炭化物M(堆積物B)を冷却することができる。
【0062】
循環路40には、循環ファン42と、加湿器45が設けられている。循環路40は、排気管33から循環ファン42に排気ガスEを導く配管40aと、循環ファン42から加湿器45に排気ガスEを導く配管40bと、加湿器45からガス供給ポート34に排気ガスEを導く配管40cとを有する。
【0063】
循環ファン42は、循環路40において、排気管33からガス供給ポート34に向けて、第二処理用ガスG2である排気ガスEを通風させる送風機である。循環ファン42は、ブロアやファンなどを用いることができる。
【0064】
加湿器45はノズル45aを有し、加湿用水Wを第二処理用ガスG2に噴霧供給して第二処理用ガスG2を加湿する装置である。なお、本実施形態では第二処理用ガスG2を加湿する場合を説明しているが、第一処理用ガスG1を併せて加湿する場合もある。加湿器45では、第二処理用ガスG2は、加湿用水Wの顕熱、および、加湿用水Wの蒸発潜熱により冷却される。
【0065】
制御部9について説明する。制御部9は、炭化物処理装置100の全体的な動作を制御する中央制御機構である。制御部9は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、該CPUによって制御される各種ハードウェアなどによって構成することができる。本実施形態では、制御部9は、CPUと入出力回路などとを包含して有するコンピュータである。制御部9の動作に必要なプログラムやデータ、制御パラメータは、本実施形態では記憶部(図示せず)に保存される。なお、これらプログラムやデータ保存先は特に限定されない。これらプログラムやデータは、別途専用に設けられたディスクやフラッシュメモリなどの記憶装置に保存される態様であってもよい。また、通信可能に接続された外部のサーバや記憶部などであっても構わない。
【0066】
制御部9は、記憶部に記憶されたプログラムの実行により、制御部9が制御を行うための判定閾値を設定する判定閾値設定部99と、判定閾値に基づいて通気部4を制御する通気制御部91と、判定閾値に基づいて通気部4の通気温度や貯留槽3の槽内温度を制御する温度制御部92と、判定閾値に基づいて堆積物Bの滞留時間を制御する滞留時間制御部93と、をソフトウェア的に実現させている。
【0067】
判定閾値設定部99は、堆積物Bの槽高さ方向における複数の層領域ごとに、炭化物Mの酸素消費特性と、当該酸素消費特性に基づいた判定閾値を設定し、制御部9はこの判定閾値に基づいて後述する制御を行う。また、判定閾値設定部99は、温度計測部Tから貯留槽3の槽内温度を取得し、後述する給気上限温度を設定している。
【0068】
複数の層領域について説明する。本実施形態において上述の複数の層領域は、
図2に示す堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3である。以下では、堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3を堆積物Bの粒子層として包括的に説明する際は、単に「層領域」と称する。
【0069】
本実施形態において判定閾値設定部99は、上述の層領域として、貯留槽3における堆積物Bの下方(下流)から上方(上流)に向けて順に、堆積層B1、堆積層B2、堆積層B3を仮想的に定めている。本実施形態では、各層領域の体積はそれぞれ等しくなるように定められている。なお、各層領域の体積をそれぞれ異るように定めてもよい。
【0070】
堆積層B1は、貯留槽3の槽内の最底部から、
図2に示す温度センサT2および吸引管S2を覆う程度の範囲までを含む層である。堆積層B2は、堆積層B1の上層(上流側の層)であり、
図2に示す温度センサT3および吸引管S3を覆う程度の範囲までを含む層である。堆積層B3は、堆積層B2の上層であり、
図2に示す温度センサT4および吸引管S4を覆う程度の範囲までを含む層である。なお、本実施形態では、温度センサT5および吸引管S5は、堆積物Bに覆われておらず、堆積物Bを通過した排気ガスEと接触している。
【0071】
酸素消費特性について説明する。酸素消費特性は、単位質量あたりの炭化物Mが単位時間当たりに消費する酸素の質量である。酸素消費特性は、貯留槽3内における炭化物Mの活性(酸素により酸化される活性)の度合いを意味する。酸素消費特性が大きいほど、炭化物Mは酸素含有雰囲気下で発熱し、発火などの危険が増大する。したがって、炭化物Mをリサイクル燃料Fとするためには、この酸素消費特性を所定値以下に低下させることが要請される。
【0072】
判定閾値設定部99は、層領域ごとに酸素消費特性を求めている。なお、本実施形態にいう「層領域ごとに酸素消費特性を求めている」とは、少なくとも一つの特定の層領域(例えば堆積層B1)に対して酸素消費特性を求めることを言い、二つ以上の層領域(例えば堆積層B1〜B3)のそれぞれに対して層領域ごとに酸素消費特性を求めることを含む。
【0073】
酸素消費特性は、各層の質量と、各層領域に供給される酸素量と、各層領域から排出される酸素量により求めることができる。本実施形態では、各層領域の体積は一定になるように定めているため、層領域ごとの酸素消費特性は、各層領域に供給される処理用ガスGに含まれる酸素濃度から、各層領域から排出される処理用ガスGに含まれる酸素濃度を差し引いた差分に、処理用ガスGの単位時間当たりの通気量である通風速度を乗じた値に比例する値として求めることができる。層領域に供給される処理用ガスGに含まれる酸素濃度および層領域から排出される処理用ガスGに含まれる酸素濃度は酸素濃度計測部Sで計測される酸素濃度を用いればよい。例えば、堆積層B2の酸素消費特性は、吸引管S2で計測される酸素濃度から吸引管S3で計測される酸素濃度の差分に通風速度を乗じた値に比例する値として求められる。以下では、酸素消費特性および酸素消費特性に比例する値を包括して単に「酸素特性値」と称する。
【0074】
判定閾値設定部99は、層領域ごとの酸素特性値から層領域ごとの判定閾値を求めて(算出して)いる。判定閾値は、各層領域の炭化物Mの酸素特性値がリサイクル燃料Fに要請される酸素特性値以下になることを目標として求められる。本実施形態における判定閾値は、例えば層領域ごとの、最小の滞留時間、最小の残り通気量、最大の酸素供給速度などを例示列挙することができる。本実施形態では、判定閾値はあらかじめ固定の初期値が設定されており、各層領域において酸素特性値を算出する際、当該初期値、もしくは、直前に算出された判定閾値を更新するようになっている。
【0075】
最小の滞留時間について説明する。最小の滞留時間とは、炭化物Mを外気雰囲気と接触しても安全に貯留することができるリサイクル燃料Fとする(炭化物処理をする)ために少なくとも必要な残りの処理時間である。本実施形態では、初期値として2日(48時間)が設定されている。最小の滞留時間は、酸素特性値を求めた時点以降に必要な最小の処理時間を意味する。最小の滞留時間は、酸素特性値が大きい場合に長くする。処理用ガスGの通風速度が大きい場合に短くする。また、処理用ガスGに含まれる酸素濃度が大きいほど短くする。例えば、処理用ガスGの通気状態(通風速度と酸素濃度)を仮に維持した場合は、最小の滞留時間を酸素特性値の大小におよそ比例させる。
【0076】
最小の残り通気量について説明する。最小の残り通気量とは、炭化物Mを外気雰囲気と接触しても安全に貯留することができるリサイクル燃料Fとする(炭化物処理をする)ために少なくとも必要な残りの通気量である。最小の残り通気量は、酸素特性値を求めた時点以降に必要な最小の通気量を意味する。最小の残り通気量は、最小の滞留時間とは異なり、酸素特性値が大きい場合に大きくする。処理用ガスGの通風速度の大小にはさほど依存しない。最小の滞留時間と同様に、最小の残り通気量は処理用ガスGに含まれる酸素濃度が大きいほど小さい値にする。例えば、処理用ガスGの酸素濃度を維持した場合は、最小の残り通気量を酸素特性値の大小におよそ比例させる。
【0077】
最大の酸素供給速度について説明する。最大の酸素供給速度は、酸素特性値を求めた時点において各層領域に許容される単位時間当たりの最大の発熱量(以下では単に発熱量と記載する場合がある)を決定する値である。ここで、酸素供給速度は、処理用ガスGの通気量と処理用ガスGの酸素濃度とに基づいて導かれる値である。各層領域の発熱量は、各層領域で消費される酸素量におおよそ比例する。したがって、各層領域に供給する最大の酸素供給速度を規定することで、各層領域の発熱量を所定値以下に制限することができる。これにより、炭化物処理過程における、炭化物Mの発火などの危険を回避することができる。
【0078】
最大の酸素供給速度は、各層領域に供給される酸素量と酸素特性値とに基づいて導かれる単位時間当たりの各層領域の発熱量が、処理用ガスGによる各層領域の冷却能力を上回る場合に、単位時間当たりの各層領域の最大の発熱量が処理用ガスGによる各層領域の冷却能力以下になるように決定する。
【0079】
温度制御部92について説明する。温度制御部92は、処理用ガスG(第一処理用ガスG1のみ、または第一処理用ガスG1および第二処理用ガスG2の混合物)のガス温度を制御する機能部である。温度制御部92は、処理用ガスGのガス温度が、貯留槽3の槽内温度よりも低い温度に設定される給気上限温度以下になるように制御する。
【0080】
また、温度制御部92は、温度センサが検出した貯留槽3の槽内温度のうち、最も高い温度(以下では、単に「最高温度」と称する)が所定の閾値(以下では、「層温度上限」と称する)未満になるように、処理用ガスGの温度を制御している。本実施形態では、上述のごとく、堆積層B1には温度センサT2が、堆積層B2には温度センサT3が、堆積層B3には温度センサT4が対応している。このため、温度制御部92は、最も高い温度の層領域の温度(温度センサT2〜T4の計測値の最高温度)が層温度上限未満になるように処理用ガスGなどの温度を制御している。
【0081】
給気上限温度について説明する。給気上限温度は、処理用ガスGのガス温度の上限として設定される閾値である。判定閾値設定部99は、温度計測部Tから温度センサが検出した温度情報を取得し、温度センサが検出した貯留槽3の槽内温度のうち、最高温度よりも低い温度を給気上限温度として設定する。本実施形態では、給気上限温度は、当該最高温度よりも低い温度、かつ、60℃未満に設定される。
【0082】
層温度上限は、60℃未満になるように設定されている。つまり、温度制御部92は、処理用ガスGなどの温度を制御して最高温度が60℃未満になるように制御している。これにより、処理用ガスGの通気
むらや炭化物Mの品質むらにより、炭化物Mが発火するような危険を未然防止している。
【0083】
給気上限温度は、少なくとも層温度上限未満に設定されている。給気上限温度は、例えば55℃未満に設定されている。また、給気上限温度は、温度センサが検出した最も高い貯留槽3の槽内温度よりも低い温度に設定される。これにより、処理用ガスGなどの温度ないし温度制御のブレにより、炭化物Mが発火するような危険を未然防止している。
【0084】
図2に示すように、本実施形態では、第一処理用ガスG1がそのまま外気を吸引しているため、第一処理用ガスG1の温度は通常、給気上限温度以下になる。また、第二処理用ガスG2は加湿器45で冷却されている。つまり、温度制御部92は、例えば加湿器45で第二処理用ガスG2に供給する加湿用水Wの供給量を増減させたり、加湿用水Wの温度を増減させたりするなどして、第二処理用ガスG2、ひいては処理用ガスGの温度を制御することができる。例えば処理用ガスGの温度を低下させたい場合は、加湿器45で第二処理用ガスG2に供給する加湿用水Wの供給量を増加させたり、加湿用水Wの温度を低下させたりすればよい。なお、第一処理用ガスG1の温度を調整させたい場合は、給気配管41aに熱交換器などを設ければよい。
【0085】
通気制御部91について説明する。通気制御部91は、通気部4を制御して、第一処理用ガスG1および/または第二処理用ガスG2の通風量を制御する機能部である。通気制御部91は、まず、上述の最大の酸素供給速度を調整する制御を行う。最大の酸素供給速度の調整は、通気制御部91が給気ファン41を制御して第一処理用ガスG1の通風速度を調整することで行う。さらに、最大の酸素供給速度が守られている前提で、通気制御部91は、第一処理用ガスG1および/または第二処理用ガスG2の通風速度を、貯留槽3の槽内温度の内、最高温度が層温度上限未満になるように制御する。
【0086】
本実施形態では、貯留槽3の最高温度が層温度上限に近づいて当該槽内温度を低下させる必要が生じた場合、通気制御部91は第二処理用ガスG2の通風速度を増加させる制御を行う。これにより、処理用ガスGの通風速度が増大して堆積物Bを冷却することが可能となる。
【0087】
また、通気制御部91は、第一処理用ガスG1の供給速度に対する第二処理用ガスG2の供給速度の比を増加させる制御により処理用ガスGの酸素の総量を一定としつつ酸素濃度を低下させることで、貯留槽3内の炭化物Mの最大の酸化反応速度を低下させて、貯留槽3の最高温度を低下させることができる。この場合、処理用ガスGの酸素の総量は一定であるから、貯留槽3内の炭化物M全体の平均的な酸化速度は維持される。
【0088】
なお、第二処理用ガスG2の通風速度を増加させても十分に槽内温度ないし最高温度を低下させることができない場合は、通気制御部91は、第一処理用ガスG1の通風速度を低下させる制御を行う。これにより、貯留槽3内の堆積物Bへの酸素供給速度を低下せしめ、堆積物B全体の発熱量を低下させることができる。なお、処理用ガスGの酸素濃度を低下させて貯留槽3内の炭化物Mの最大の酸化反応速度を低下させるために、第二処理用ガスG2の通風速度を変更せず、第一処理用ガスG1の通風速度を低下させる場合もある。
【0089】
滞留時間制御部93は、排出部32からのリサイクル燃料Fの排出速度を制御する機能部である。本実施形態では、滞留時間制御部93は、排出部32のロータリーバルブ32aの回転速度を制御することでリサイクル燃料Fの排出速度を制御する。滞留時間制御部93がロータリーバルブ32aの回転速度を早くすると、リサイクル燃料Fの排出速度が速くなり滞留時間が短くなる。滞留時間制御部93がロータリーバルブ32aの回転速度を遅くすると、リサイクル燃料Fの排出速度が遅くなり滞留時間が短くなる。
【0090】
滞留時間制御部93は、全ての層領域の炭化物Mについて、少なくとも上述の最小の滞留時間以上の滞留時間を確保するようにロータリーバルブ32aを制御する。これにより、十分に炭化物処理されていない炭化物Mがリサイクル燃料Fとして大気雰囲気下で貯留され、また、市場に出荷されて発火などすることを未然に防止する。
【0091】
滞留時間制御部93の制御と、最も下流側の層領域である堆積層B1の最小の滞留時間について補足する。上述のごとく、判定閾値の一つである最小の滞留時間は、各層領域の炭化物Mの酸素特性値がリサイクル燃料Fに要請される酸素特性値以下になることを目標として求められる。また、滞留時間制御部93は、堆積層B1を含む全ての層領域の炭化物Mについて、少なくとも上述の最小の滞留時間以上の滞留時間を確保するようにロータリーバルブ32aを制御する。したがって、堆積層B1の炭化物M(リサイクル燃料F)は、その酸素特性値がリサイクル燃料Fに要請される酸素特性値以下になるまでロータリーバルブ32aから排出されない。これにより、所定の酸素特性値以下のリサイクル燃料Fを製造することができる。
【0092】
〔第二実施形態〕
図5に基づいて、第二実施形態に係る炭化物処理装置100を説明する。第二実施形態の炭化物処理装置100の構成は、第一実施形態に係る炭化物処理装置100に対して通気部4の構成が異なる。
【0093】
第二実施形態の炭化物処理装置100は、第一実施形態に係る炭化物処理装置100の循環路40が、排気管33とガス供給ポート34とを連通するものであるのに対し、第二実施形態の炭化物処理装置100の循環路40が、排ガス処理設備13の排気管(図示せず)とガス供給ポート34とを連通するものである点で異なり、他は同じである。
【0094】
この第二実施形態において、循環路40は、排気ガスEの代わりに、排ガス処理設備13の燃焼排気Efの一部をガス供給ポート34に送風(給気)する。つまり、第二処理用ガスG2として燃焼排気Efを用いている。燃焼排気Efは、二次燃焼炉12で燃焼された排気ガスであるため、酸素の含有量の少ないガスである。したがって、第二処理用ガスG2として排気ガスEの代わりに燃焼排気Efを用いることも可能である。
【0095】
〔第三実施形態〕
図6に基づいて、第三実施形態に係る炭化物処理装置100を説明する。第三実施形態の炭化物処理装置100の構成は、第一実施形態に係る炭化物処理装置100に対して通気部4の構成が異なる。
【0096】
第三実施形態の炭化物処理装置100は、第一実施形態に係る炭化物処理装置100では、給気配管41aと循環路40とが一つのガス供給ポート34に接続されているのに対し、第三実施形態の炭化物処理装置100では、循環路40と給気配管41aとがそれぞれ、第一ガス供給ポート34aと第二ガス供給ポート34bとに別々に接続されている点で異なり、他は同じである。
【0097】
この第三実施形態において、第一ガス供給ポート34aと第二ガス供給ポート34bとは、排出部32の排出管32bにおけるロータリーバルブ32aの上流側(貯留槽3の内部空間側)に接続されている。これにより、第一ガス供給ポート34aと第二ガス供給ポート34bとから別々に供給された第一処理用ガスG1と第二処理用ガスG2とは、排出管32bおよび貯留槽3の下部容器の下端の端部30b近傍で相互拡散しながら、堆積物Bの粒子層に通気される。第一処理用ガスG1は、堆積物Bの粒子層を通過しつつ第二処理用ガスG2と相互拡散しながら炭化物Mの粒子表面と固気接触し、当該粒子表面における表面官能基などを酸化する。つまり、第一処理用ガスG1と第二処理用ガスG2とはあらかじめ混合して処理用ガスGとしてから堆積物Bの粒子層に通気される場合に限られない。
【0098】
〔変形例の説明〕
上記実施形態では、貯留槽3の最高温度(温度センサが検出した貯留槽3の槽内温度のうち、最も高い温度)が層温度上限に近づいて当該槽内温度を低下させる必要が生じた場合、通気制御部91は第二処理用ガスG2の通風速度を増加、もしくは、第一処理用ガスG1の通風速度を低下させる場合を説明した。このように、第二処理用ガスG2を供給する比率(第一処理用ガスG1に対する第二処理用ガスG2の比率)を変更する場合、温度センサが検出した貯留槽3の槽内温度に加えて、さらに外気の温度を加味することもできる。
【0099】
この場合、例えば温度計測部Tが外気温度センサ(図示せず)を備え、当該外気温度センサが検出した温度に基づいて、通気制御部91が通気部4により第二処理用ガスG2を供給する比率を変更することができる。例えば、貯留槽3の最高温度が層温度上限に近づいて当該槽内温度を低下させる必要が生じて第二処理用ガスG2の通風速度を増加、もしくは、第一処理用ガスG1の通風速度を低下させる場合に、当該増加もしくは低下させる変化割合を、外気温度センサが検出した温度に基づいて変更することができる。具体的には、当該外気温度センサが検出した温度が高い場合(例えば、夏場や日中)は、当該変化割合を増加させるとよく、当該外気温度センサが検出した温度が低い場合(例えば、冬場や夜中)は、当該変化割合を低下させるとよい。これにより、外気温度が高い場合は確実に貯留槽3の最高温度が層温度上限を超えることを回避し、外気温度が低い場合は過剰に変化割合を大きくしてしまって処理効率が低下するような不具合を回避することができる。
【0100】
以上のようにして、処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理炭化物処理装置および炭化物処理方法を提供することができる。
【0101】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第二処理用ガスG2として、排気ガスEもしくは燃焼排気Efを用いる場合を例示した。しかしながら、第二処理用ガスG2は、有機汚泥リサイクルシステム200で生成(排出)されるものに限られず、窒素や二酸化炭素など不活性ガスを導入してもよいし、他の産業装置、例えば、ごみ焼却炉の排気ガスや、火力発電所の排気ガスを用いることもできる。また、有機汚泥リサイクルシステム200で生成(排出)される排気ガスEもしくは燃焼排気Efに加えて、必要に応じて窒素や二酸化炭素など不活性ガスを導入してもよい。第二処理用ガスG2は、窒素や二酸化炭素など不活性ガスを主体(たとえば、97体積パーセント以上)としていればよい。第二処理用ガスG2は、空気よりも酸素濃度が低ければ良く、好ましくは酸素が3体積パーセント未満である。
【0102】
(2)上記実施形態では、貯留槽3からリサイクル燃料Fを排出するための排出装置としてロータリーバルブ32aを用い、下流側の雰囲気と縁切りされた状態で、リサイクル燃料Fを排出する場合を例示した。しかしながら、排出装置は、ペレット状などのリサイクル燃料Fの形状に応じて使用可能な装置であって、下流側の雰囲気が制限なく貯留槽3に流入しない状態でリサイクル燃料Fを貯留槽3の内部空間から排出できる装置、もしくは構成を有していればよい。
【0103】
例えば、ロータリーバルブ32aの代わりに、貯留槽3を下流側の雰囲気と物理的に縁切りしながら排出することができる排出装置であるダブルダンパを用いてもよい。もしくは、スクリュー式の排出機やテーブルフィーダー式の排出装置を用い、その排出口に処理用ガスGや第二処理用ガスG2を向流で通流させて、下流側の雰囲気が制限なく貯留槽3に流入しない状態を維持する構成を採用することもできる。
【0104】
(3)上記実施形態では、貯留槽3の下端である下部容器の端部30bから下方に向けて設けられている排出管32bにロータリーバルブ32aが設けられており、貯留槽3の下方にリサイクル燃料Fを排出する場合を例示した。しかしながら、排出装置は、貯留槽3の下方にリサイクル燃料Fを排出する構成に限られない。
【0105】
例えば貯留槽3の側面にスクリュー式の排出機やテーブルフィーダー式の排出装置の排出口を設け、貯留槽3の側面からリサイクル燃料Fを排出してもよい。
【0106】
(4)上記実施形態では、判定閾値設定部99は、層領域ごとの酸素特性値から層領域ごとの判定閾値を求める場合を説明した。また、判定閾値はあらかじめ固定の初期値が設定されており、各層領域において酸素特性値を算出する際、当該初期値、もしくは、直前に算出された判定閾値を更新するようになっている場合を説明した。そして、特に最小の滞留時間については、固定の初期値として3日(72時間)が設定されている場合を説明した。しかし、判定閾値の初期値は、固定値が定められている場合に限られない。
【0107】
(5)上記実施形態では、循環路40に加湿器45が設けられ、加湿用水Wを第二処理用ガスG2に噴霧供給して第二処理用ガスG2を加湿する場合を説明した。しかし、第二処理用ガスG2のみが加湿される場合に限られない。
【0108】
例えば、第二処理用ガスG2を加湿する場合に加えて、さらに第一処理用ガスG1を加湿してもよい。また、第二処理用ガスG2を加湿する場合に代えて、第一処理用ガスG1を加湿してもよい。第一処理用ガスG1を加湿する場合、たとえば給気配管41aに加湿器(図示せず、第二加湿部の一例)を設けるなどする。
【0109】
判定閾値の初期値は、供給される炭化物Mの酸素特性値に基づいて、設定することもできる。例えば、貯留槽3に投入する炭化物Mをサンプリングし、酸素特性値を求め、当該酸素特性値に基づいて、判定閾値設定部99が、滞留時間の初期値を求めて設定してもよい。
【0110】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。