(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682577
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】支持体に構成素子を実装する方法、支持体に構成素子を実装するための顔料および顔料の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20200406BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L21/60 311Q
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-130148(P2018-130148)
(22)【出願日】2018年7月9日
(65)【公開番号】特開2019-16794(P2019-16794A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】10 2017 115 410.8
(32)【優先日】2017年7月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス プレースル
【審査官】
大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/043092(WO,A1)
【文献】
特表2017−501577(JP,A)
【文献】
特開2011−071274(JP,A)
【文献】
特開2010−045145(JP,A)
【文献】
特開2007−335629(JP,A)
【文献】
特開2007−235123(JP,A)
【文献】
特表2006−511969(JP,A)
【文献】
特開2002−353263(JP,A)
【文献】
特開2002−280613(JP,A)
【文献】
特開平08−018104(JP,A)
【文献】
特開平07−235566(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0012997(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0007237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
H01L 21/52
H01L 21/58 − 21/607
H01L 23/12 − 23/15
H05K 1/18
H05K 3/30 − 3/34
H05K 13/00 − 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(200)に構成素子(1)を実装する方法であって、
A)複数の顔料(100)を用意するステップであって、
各顔料(100)は、
実装面(10)、前記実装面(10)に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面(11)および前記実装面(10)の反対側の上面(12)を有する電子構成素子(1)と、
前記構成素子(1)の前記実装面(10)に直接に接しかつ材料結合により前記実装面(10)にはんだ付けされた、溶融可能なはんだ材(2)と
を含み、
各顔料(100)の少なくとも63体積%が前記はんだ材(2)によって形成されており、
前記はんだ材(2)の材料、前記実装面(10)の材料、前記側面(11)の材料および前記上面(12)の材料は、前記実装面(10)が溶融した前記はんだ材(2)につき前記上面(12)および前記側面(11)より高い濡れ性を有するように選択されている、
ステップと、
B)複数の顔料ランド面(201)を有する支持体(200)を用意するステップであって、
前記支持体(200)の材料は、前記顔料ランド面(201)が前記顔料(100)の溶融した前記はんだ材(2)につき、前記顔料ランド面(201)に横方向で隣接する領域よりも、かつ前記構成素子(1)の前記側面(11)および前記上面(12)よりも、高い濡れ性を有するように選択されている、
ステップと、
C)前記支持体(200)上に前記複数の顔料(100)を塗布するステップと、
D)前記複数の顔料(100)を加熱し、これにより各顔料(100)の前記はんだ材(2)を溶融させるステップであって、
表面エネルギおよび界面エネルギを最小化することにより、各顔料(100)の溶融した前記はんだ材(2)によって各顔料ランド面(201)を濡らし、各顔料ランド面(201)上で、対応する顔料(100)の構成素子(1)を、その実装面(10)が前記支持体(200)に面するように位置決めする、
ステップと、
を含み、
前記はんだ材(2)が前記構成素子(1)を完全に包囲している、
方法。
【請求項2】
前記ステップA)において、各顔料(100)の縁面(101)を前記はんだ材(2)によって形成する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
各顔料(100)は実質的に球状である、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記顔料(100)の前記構成素子(1)は、LEDである、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記はんだ材(2)は、金属または金属合金である、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記顔料(100)の前記構成素子(1)は、それぞれ最大100μmの直径を有する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記構成素子(1)の前記上面(12)はそれぞれ前記構成素子(1)の光出力面を形成している、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記ステップA)において、前記顔料(100)を液体(300)中に導入し、
前記ステップC)において、前記顔料を含む液体(300)を前記支持体(200)上に塗布する、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(C)において、前記顔料(100)を含む液体(300)を、インクジェットプリンタまたはエアロゾル噴射法により前記支持体(200)に塗布する、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記顔料(100)を、はんだボール噴射法により塗布する、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記ステップC)の前に、スタンプ(400)に複数の前記顔料(100)を装着させ、
前記ステップC)において、前記スタンプ(400)により、前記顔料(100)を前記支持体(200)上の予め定められた位置に施与する、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
各顔料(100)では、前記構成素子(1)の電気的接続に用いられる第1のコンタクト素子(13)が前記実装面(10)に配置されており、前記構成素子(1)の電気的接続に用いられる第2のコンタクト素子(14)が前記上面(12)に配置されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
各顔料(100)では、前記構成素子(1)の電気的接続に用いられる第1のコンタクト素子(13)と、前記構成素子(1)の電気的接続に用いられる第2のコンタクト素子(14)とが前記実装面(10)に配置されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
支持体(200)に構成素子(1)を実装するための顔料(100)であって、
実装面(10)、前記実装面(10)に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面(11)および前記実装面(10)の反対側の上面(12)を有する、電子構成素子(1)と、
前記構成素子(1)の前記実装面(10)に直接に接しかつ材料結合により前記実装面(10)にはんだ付けされた、溶融可能なはんだ材(2)と
を含み、
前記はんだ材(2)は、材料結合によるはんだ接続部を介して、前記構成素子(1)のみに接続されており、
前記顔料(100)の少なくとも63体積%が、前記はんだ材(2)によって形成されており、
前記はんだ材(2)の材料、前記実装面(10)の材料、前記側面(11)の材料および前記上面(12)の材料は、前記実装面(10)が、溶融した前記はんだ材(2)につき、前記上面(12)および前記側面(11)より高い濡れ性を有するように選択され、
前記はんだ材(2)が前記構成素子(1)を完全に包囲している、
顔料(100)。
【請求項15】
請求項14記載の顔料(100)を複数含む顔料混合物(1000)であって、
前記顔料(100)は前記顔料混合物(1000)内で自由に運動可能である、
顔料混合物(1000)。
【請求項16】
顔料(100)の製造方法であって、
A)実装面(10)、前記実装面(10)に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面(11)および前記実装面(10)の反対側の上面(12)を有する電子構成素子(1)を用意するステップと、
B)前記実装面(10)上および前記上面(12)上に溶融可能なはんだ材(2)を塗布するステップであって、
前記はんだ材(2)の材料、前記実装面(10)の材料、前記側面(11)の材料および前記上面(12)の材料は、前記実装面(10)が溶融した前記はんだ材(2)につき前記上面(12)および前記側面(11)よりも高い濡れ性を有するように選択されており、
塗布された前記はんだ材(2)の体積は、前記構成素子(1)の体積の少なくとも1.7倍の大きさである、
ステップと、
C)前記はんだ材(2)を溶融させ、これにより前記はんだ材(2)が、液状の前記はんだ材(2)によって前記構成素子(1)を完全に包囲し、前記実装面(10)と前記はんだ材(2)とによって材料結合によるはんだ接続部を形成するステップと、
D)前記はんだ材(2)を完全硬化するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
支持体に構成素子を実装する方法を提供する。また、支持体に構成素子を実装するための顔料を提供する。さらに、顔料の製造方法を提供する。
【0002】
解決すべき課題は、効率的であって信頼性の高い、支持体に構成素子を実装する方法を提供することにある。解決すべき別の課題は、こうした方法のための顔料を提供することにある。解決すべきさらなる課題は、こうした顔料の製造方法を提供することにある。
【0003】
これらの課題は、とりわけ、各独立請求項の方法および対象により解決される。有利な発展形態および構成は各従属請求項の対象となっている。
【0004】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体に構成素子を実装する方法は、複数の顔料を用意するステップA)を含む。
【0005】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料は、特に、実装面、当該実装面に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面および当該実装面の反対側の上面を有する、正確に1つの電子構成素子を含む。
【0006】
電子構成素子は、好ましくは光電構成素子、例えばLEDまたは半導体チップ、例えばLEDチップである。半導体チップは、サファイアチップまたはフリップチップまたは薄膜半導体チップであってもよい。半導体チップは、表面実装可能な半導体チップであってもよい。好ましくは、光電構成素子は、規定通りの動作において可視スペクトル領域の放射を放出する。
【0007】
実装面は、特には構成素子の主面である。実装面は、好ましくは、構成素子の電気的接続のための1つもしくは複数のコンタクト素子を含む。実装面とは、構成素子のうち、支持体に構成素子を実装した後にこの支持体に面する面である。
【0008】
構成素子の上面は、特に、実装面に対して実質的に平行に延在している。当該上面は、好ましくは構成素子の主面でもある。当該上面は、例えば、規定通りの動作において構成素子から放出される放射の大部分、特にその少なくとも15%または少なくとも30%または少なくとも50%または少なくとも80%を出力する、構成素子の発光面を形成することができる。当該上面には、構成素子の電気的接続のためのコンタクト素子を配置することができる。これに代えて、当該上面にコンタクト素子が存在しなくてもよい。
【0009】
側面は、実装面と上面とを接続しており、かつ実装面および上面に対して横断方向に延在している。各側面は、実装面に対して平行な横方向で構成素子を画定している。
【0010】
電子構成素子は、例えば、好ましくは正確に1つの、連なった形態の活性層を含む半導体積層体を含む。規定通りの動作では、当該活性層により、例えば電磁放射が形成される。活性層は、好ましくは、実装面および上面に対して実質的に平行に延在する。構成素子の横方向寸法は、例えば、実質的に活性層の横方向寸法に相当する。特に、構成素子の横方向寸法は、例えば、活性層の横方向寸法の最大105%または最大110%または最大120%である。
【0011】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料は、構成素子の実装面に直接に接しかつ材料結合により実装面にはんだ付けされた、溶融可能なはんだ材を含む。
【0012】
構成素子の実装面上のはんだ材は、好ましくは完全硬化されている。すなわち、顔料は、ステップA)において、好ましくは固相温度を下回る温度で、例えばはんだ材の固相温度を下回る少なくとも20℃または少なくとも50℃で用意されている。ただし、顔料は、ステップA)において、はんだ材が既に溶融した温度で用意されてもよい。
【0013】
はんだ材は、好ましくは一体型に構成される。好ましくは、はんだ材は、金属または帰属合金、特に共晶合金であってもよい。はんだ材は、好ましくは多層体としては構成されない。
【0014】
また、はんだ材は溶融可能である。すなわち、顔料をはんだ材の液相温度を上回る温度まで加熱することにより、はんだ材が完全に液化される。好ましくは、はんだ材の固相温度を中心とした最大50℃の温度範囲において、はんだ材の全体が溶融される。
【0015】
さらに、はんだ材は、材料結合により実装面にはんだ付けされている。すなわち、はんだ材を実装面に固定するために、はんだ材は既に一度溶融されており、実装面、特にそのコンタクト素子が部分的にもしくは完全に濡らされ、その後例えば再び完全硬化されている。特に、実装面のはんだ材は、構成素子の金属領域にはんだ付けされている。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料の少なくとも63体積%または少なくとも70体積%または少なくとも75体積%または少なくとも80体積%または少なくとも85体積%または少なくとも90体積%または少なくとも95体積%がはんだ材によって形成される。特には、各顔料は、はんだ材および電子構成素子のみから成る。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材の材料、実装面の材料、側面の材料および上面の材料は、実装面が、溶融したはんだ材につき、上面および側面より高いもしくは良好な濡れ性を有するように選択される。すなわち、各構成素子の外面の材料は、はんだ材が好ましくは構成素子の実装面を濡らすように選択される。
【0018】
実装面の高い濡れ性とは、特に、はんだ材が溶融する際にこのはんだ材自体が実装面を濡らし、ここでの濡れ密度または濡れ率、すなわち実際に濡らされる面積の割合が、上面および側面でのそれよりも大きいことを意味しうる。例えば、溶融したはんだ材は、上面および側面を全く濡らさないかまたはこれらそれぞれの面積の最大20%もしくは最大10%もしくは最大5%しか濡らさない。実装面の面積は、溶融したはんだ材によって、好ましくは少なくとも50%または少なくとも70%または少なくとも90%濡らされる。濡らされると、溶融したはんだ材は、構成素子に直接に接触する。高い濡れ性とは、溶融したはんだ材と実装面とのなす接触角もしくは限界角が、溶融したはんだ材と上面および側面とのなす接触角もしくは限界角よりも例えば少なくとも20°または少なくとも40°または少なくとも60°だけ小さいことも意味しうる。
【0019】
特に、例えば実装面の面積全体にわたって平均された界面エネルギは、構成素子の残りの面積にわたって平均された界面エネルギより、例えば少なくとも係数5または少なくとも係数10または少なくとも係数50または少なくとも係数100小さい。界面エネルギとは、ここでは、溶融したはんだ材とこれに接する材料との界面が等温条件のもとで1m
2拡がるのに使用されることになるエネルギであると理解されたい。
【0020】
例えば、各材料は、溶融したはんだ材が最大90°または最大60°または最大30°の限界角で実装面の材料を濡らすように、選択される。側面および上面の材料は、溶融したはんだ材により、例えば少なくとも50°または少なくとも80°または少なくとも90°または少なくとも120°の接触角で濡らされる。ここに挙げた角度は、特に、それぞれ一滴のみの液状のはんだ材が著しく大きな面積に塗布されるケースに関連する。
【0021】
好ましくは、溶融したはんだ材の表面エネルギは、溶融したはんだ材と実装面との界面エネルギより大きく、例えば少なくとも係数5または少なくとも係数10または少なくとも係数50または少なくとも係数100大きい。表面エネルギとは、ここでは、ガス状媒体、例えば空気との界面での界面エネルギであると理解されたい。
【0022】
実装面の良好な濡れ性を達成するために、実装面を部分的に、例えば少なくとも50%または少なくとも60%または少なくとも70%または少なくとも80%または完全に、金属から形成することができる。上面および/または側面は、例えばその最大30%または最大10%または最大5%が、金属から形成される。
【0023】
少なくとも1つの実施形態によれば、本方法は、顔料ランド面を有する支持体を用意するステップB)を含む。支持体は、好ましくは電子構成素子用の電気接続支持体である。接続支持体は、規定通りの動作において例えば構成素子の電気的接続および通電に用いられる。このために、支持体は、例えば金属製の接続面を含む。
【0024】
顔料ランド面は特に、支持体の接続面上で、構成素子の把持のために構成された領域である。例えば、各顔料ランド面は、1つずつの構成素子を収容しこれを把持するように構成される。顔料ランド面は、例えば、支持体の電気接続素子によって形成可能である。特には、顔料ランド面は、連なった形態の、好ましくは単一に連なった形態の金属製の面であり、この面は、構成素子を支持体の接続面に塗布する前には露出されている。
【0025】
支持体の接続面に沿った顔料ランド面の横方向の広がりは、例えば、構成素子の横方向の広がりの少なくとも50%または少なくとも100%または少なくとも150%である。これに代えてまたはこれに加えて、顔料ランド面の横方向の広がりは、構成素子の横方向の広がりの最大300%または最大200%または最大150%であってもよい。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体の材料は、顔料ランド面が、顔料の溶融したはんだ材につき、顔料ランド面に横方向で隣接する領域よりも高いもしくは強いもしくは良好な濡れ性を有するように選択されている。さらに、顔料ランド面は、溶融したはんだ材につき、構成素子の側面および上面よりも高い濡れ性を有する。
【0027】
すなわち、支持体の外面の材料は、溶融したはんだ材が好ましくは支持体の顔料ランド面を濡らすように選択されている。特に、顔料ランド面は、溶融したはんだ材の少なくとも50%または少なくとも70%または少なくとも90%濡らされる。支持体のうち、顔料ランド面の外側の領域は、溶融したはんだ材によって例えば全く濡らされないかまたは最大20%もしくは最大10%もしくは最大5%の面積しか濡らされない。特に、溶融したはんだ材と顔料ランド面との接触角または限界角は、溶融したはんだ材と顔料ランド面に横方向で隣接する領域との接触角または限界角よりも小さく、例えば少なくとも20°または少なくとも40°または少なくとも60°小さい。
【0028】
特に、例えば顔料ランド面の全面積にわたって平均された界面エネルギは、例えば顔料ランド面間に位置する領域の面積にわたって平均された界面エネルギよりも小さく、例えば少なくとも係数5または少なくとも係数10または少なくとも係数50または少なくとも係数100小さい。好ましくは、また、顔料ランド面にわたって平均された界面エネルギは、構成素子の側面および上面にわたって平均された界面エネルギならびに溶融したはんだ材の表面エネルギよりも小さく、例えば少なくとも係数5または少なくとも係数10または少なくとも係数50または少なくとも係数100小さい。
【0029】
顔料ランド面の良好な濡れ性を保証するために、顔料ランド面を特に金属によって形成可能である。支持体のうち、顔料ランド面に横方向で隣接する領域は、例えば電気絶縁性材料から形成される。例えば、当該領域には、溶融したはんだ材による当該領域の濡れを低減もしくは防止するため、例えば有機材料、例えばはんだストップレジストまたは無機材料、例えばケイ素酸化物から形成される濡れ防止層がコーティングされる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップC)において、支持体上に顔料が塗布される。顔料を支持体上に塗布するために、例えば、印刷プロセスまたは注入プロセスまたははんだボール噴射法を使用することができる。特に、顔料は、支持体のうち、顔料ランド面が配置された面に塗布される。特に、各顔料ランド面には、正確に1つもしくは複数の顔料が塗布される。好ましくは、塗布後、2つの顔料は相互に直接に接触しない。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、本方法は、顔料を加熱し、これにより各顔料のはんだ材、好ましくははんだ材の全体を溶融させるステップD)を含む。表面エネルギおよび界面エネルギが最小化されることにより、各顔料の溶融したはんだ材が顔料ランド面を濡らし、これにより、各顔料ランド面上で、対応する顔料の構成素子の実装面が支持体に面するように、構成素子が位置決めされる。
【0032】
顔料は、好ましくは、はんだ材の液相温度を上回る温度まで加熱され、これによりはんだ材は完全に溶融する。
【0033】
はんだ材の溶融は、顔料を支持体に塗布する前に既に行われていてもよい。
【0034】
特に、ステップD)では、液状のはんだ材による、支持体上への構成素子の自動のアライメントおよび位置決めが活用される。溶融したはんだ材についての、実装面および顔料ランド面での濡れ性が支持体または構成素子の他の領域での濡れ性よりも高いことにより、溶融したはんだ材は、表面エネルギおよび界面エネルギが最小化となって、最大限に顔料ランド面および実装面を濡らし、相互に反対方向へ向かおうとする。これにより、溶融したはんだ材が好ましくは実装面と顔料ランド面との間に位置する。この場合、例えば、最初に存在したはんだ材の少なくとも75体積%または少なくとも85体積%または少なくとも93体積%または少なくとも96体積%が実装面と顔料ランド面との間に位置する。よって、結果として、この場合、各構成素子において一般的に、実装面が支持体に面する。各構成素子の上面は、一般に、支持体の反対側となる。
【0035】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)〜ステップD)が、提示した順序で順に行われる。ただし、顔料を支持体に塗布する前にはんだ材を溶融させることもできる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体に構成素子を実装する方法は、複数の顔料を用意するステップA)を含む。各顔料は、実装面、この実装面に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面およびこの実装面の反対側の上面を有する電子構成素子を含む。さらに、各顔料は、構成素子の実装面に直接に接しかつ材料結合により実装面にはんだ付けされた、溶融可能なはんだ材を含む。ここで、各顔料の少なくとも63体積%がはんだ材によって形成されている。はんだ材の材料、実装面の材料、側面の材料および上面の材料は、実装面が、溶融したはんだ材につき、上面および側面より高い濡れ性を有するように選択されている。本方法のステップB)では、顔料ランド面を有する支持体が用意され、ここで、支持体の材料は、顔料ランド面が、顔料の溶融したはんだ材につき、顔料ランド面に横方向で隣接する領域ならびに構成素子の側面および上面よりも高い濡れ性を有するように選択されている。ステップC)では、支持体上に顔料が塗布される。ステップD)では、顔料が加熱され、これにより各顔料のはんだ材が溶融される。ここで、表面エネルギおよび界面エネルギを最小化することにより、各顔料の溶融したはんだ材が顔料ランド面を濡らし、各顔料ランド面上で、対応する顔料の構成素子の実装面が支持体に面するように、構成素子が位置決めされる。
【0037】
本発明は、特に、ルミネセンスダイオード(LED)などの多数の小さな構成素子を所期の通りに施与するという着想を基礎としている。このために、液体を用いた、支持体上への構成素子の自動の施与およびアライメントが利用される。特に、ここでは、印刷可能な要素(顔料)を形成するため、容易に溶融可能な材料によって初期的に包囲された構成素子が使用される。印刷時には材料が溶融され、溶融した材料が構成素子を顔料ランド面に位置合わせし、予め定められた方向でこれを配向して、硬化の際にこれを支持体上に固定する。
【0038】
本発明は、とりわけ、構成素子および支持体の定められた領域の濡れ性を所期の通りに調整することにより、自動の施与およびアライメントの後に構成素子の配向を予め定めることができるという認識に基づいている。このように、構成素子のつねに同じ面またはほぼつねに同じ面すなわち実装面を、支持体に面するように位置決めすることが達成可能となる。構成素子の上面、例えば構成素子の発光面を形成する上面は、この場合つねに支持体の反対側となる。
【0039】
ここで説明している方法は、さらに、構成素子をきわめて迅速に配設できるという利点を提供する。従来のチップの把持および配設を省略可能である。ゆえに、構成素子が少なくとも90μmまたは少なくとも100μmまたは少なくとも150μmのエッジ長さの最小寸法を遵守する必要もない。特には、きわめて多数の小さな構成素子をここに示している方法によって処理し、所期の通りに配設することができる。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料は、ステップA)において、各顔料のはんだ材が構成素子を完全に包囲するように選択される。すなわち、各構成素子の全ての外面がはんだ材によって覆われる。例えば、はんだ材は、構成素子の全ての外面で、この構成素子に直接に接触する。この場合、はんだ材は、好ましくは形状結合により完全に構成素子を包囲する。つまり、はんだ材は、完全にかつ一体的に構成された構成素子の包囲材を形成する。
【0041】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)において、各顔料の縁面がはんだ材により形成され、特には完全にはんだ材によって形成される。言い換えれば、顔料の、全方向において顔料を画定する界面が、はんだ材によって形成される。特に、構成素子と顔料の界面または縁面または外面との間にははんだ材しか存在しない。
【0042】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料は実質的に球状である。実質的に球状であるとは、縁面が製造差の範囲で球面を形成していることをいい、ここでは、数学的に完全な形状からの、製造に起因する偏差は生じていてもよい。例えば、実質的に球状の顔料は、楕円形への傾向を有する湾曲部を有していてもよい。実質的に球状の顔料は、特に容易に、例えばはんだボール噴射法により、処理可能でありかつ支持体上に塗布可能である。
【0043】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)において、各顔料で、はんだ材が実装面上のボールを形成する。特に、はんだ材は、実装面のみを覆うかまたは主として実装面を覆う。上面および側面にははんだ材は存在しなくてもよい。例えば、はんだ材の少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも99%が、ステップA)において、構成素子の実装面に配置されている。
【0044】
はんだ材が実装面上のボールを形成するとは、はんだ材が実質的に実装面上で完全な球を形成することを意味する。特に、はんだ材と実装面との間の移行部では、はんだ材の形状が球状から偏差する。例えば製造差に起因する楕円形状の湾曲部も生じうる。こうした形状によっても、顔料を特に容易に支持体上に塗布可能である。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料の構成素子はLEDである。例えば、LEDは、規定通りの動作において主として赤色光もしくは緑色光もしくは青色光もしくは白色光もしくはUV放射もしくはIR放射を放出する。特に、各顔料は正確に1つずつのLEDを含む。
【0046】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材は、金属、例えばガリウム、インジウム、ビスマス、銀、銅、金、亜鉛、鉛もしくはスズまたはこれらの金属の金属合金、例えばガリンスタン(GaInSn)、GaIn、BiIn、SnAgCu、SnCu、AuSn、InSn、AgIn、SnZn、AgSn、AuBi、AgBiである。
【0047】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材として、少なくとも60℃もしくは少なくとも100℃もしくは少なくとも120℃の液相点または固相点を有する金属もしくは金属合金が用いられる。これに代えてまたはこれに加えて、液相点または固相点は、最大450℃もしくは最大300℃もしくは最大260℃であってもよい。
【0048】
例えば、はんだ材は、少なくとも150mJ/m
2または少なくとも200mJ/m
2または少なくとも300mJ/m
2または少なくとも500mJ/m
2の表面エネルギを有する。
【0049】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料の構成素子は、それぞれ、実装面に沿って最大100μmもしくは最大50μmもしくは最大20μmもしくは最大10μmの直径または横方向の広がりを有する。特に小さな構成素子に対しては、こうした小さな構成素子の把持および配設が困難となりうるため、ここで説明している方法が有利である。
【0050】
少なくとも1つの実施形態によれば、構成素子の上面はそれぞれ構成素子の光出力面を形成する。例えば、各構成素子の上面を介し、規定通りの動作において、構成素子から放出される全電磁放射の少なくとも15%もしくは少なくとも30%もしくは少なくとも50%もしくは少なくとも80%もしくは少なくとも90%もしくは少なくとも95%が出力される。
【0051】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)において、顔料が液体に導入される。液体とは、例えば水または油またはシリコーン油またはエチレングリコールであってもよい。特に、当該液体は、顔料とともにインクを形成する。当該インクは、ステップC)において支持体上に塗布される。液体内では、顔料は好ましくは自由に運動可能であり、特には、重なり合うが、相互に持続的には接続されない。
【0052】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップC)において、顔料を含む液体がインクジェットプリンタにより塗布される。インクジェットプリンタを用いれば、支持体のどの領域に構成素子を配設すべきかを正確に定めることができる。特に、インクジェットプリンタを用いると、顔料を含む液体を顔料ランド面の領域のみに塗布することができ、これにより支持体の実装の効率が高められる。
【0053】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料は、ステップC)においてはんだボール噴射法により塗布される。はんだボール噴射法では、顔料が、ノズルを用いて、支持体の予め定められた領域に所期の通りに噴射される。はんだボール噴射法またはソルダスフィア噴射法は、例えば論文Thomas Oppert et al., "Wafer level solder bumping and flip chip assembly with solder balls down to 30μm"に開示されており、この論文の内容は引用により本願に組み込まれるものとする。
【0054】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップC)の前に、スタンプに複数の顔料が装着される。例えば、こうしたスタンプは、負圧を用いて顔料を吸入可能であり、かつ負圧により内部に顔料を保持可能な、複数の凹部を有する。ついで、ステップC)において、スタンプにより顔料を支持体の予め定められた位置に施与できる。こうしたいわゆるウェハレベルソルダスフィアトランスファ(WLSFT)法も、同様に上掲した論文に説明されている。
【0055】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料は、構成素子の電気的接続に用いられる、実装面上の第1のコンタクト素子と、構成素子の電気的接続に用いられる、上面上の第2のコンタクト素子とを有する。構成素子を顔料ランド面上に配置した後、例えば、第1のコンタクト素子がはんだ材を介して支持体に導電接続される。この場合、顔料ランド面は、特に、構成素子のための電気接続素子を形成する。第2のコンタクト素子は、例えば、付加的なボンディングワイヤまたは導体路を介して電気的に接続可能である。
【0056】
少なくとも1つの実施形態によれば、各顔料では、構成素子の電気的接続に用いられる第1のコンタクト素子と、構成素子の電気的接続に用いられる第2のコンタクト素子とが実装面に配置される。この場合、構成素子は特に、この構成素子の接続に必要な全てのコンタクト素子が実装面に配置された表面実装可能な構成素子である。2つのコンタクト素子は、例えばはんだ材を介して、支持体の相応の接続素子に導電接続可能である。
【0057】
さらに、支持体に構成素子を実装するための顔料を提供する。顔料は、特に、ここで説明している支持体の実装方法のための顔料に適する。したがって、顔料に関連して開示する全ての特徴が支持体の実装方法についても開示されていることになり、逆に支持体の実装方法に関連して開示した全ての特徴が顔料についても開示されていることになる。
【0058】
少なくとも1つの実施形態によれば、支持体の実装のための顔料は、実装面、この実装面に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面およびこの実装面とは反対側の上面を有する電子構成素子を含む。
【0059】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料は、構成素子の実装面に直接に接しかつ材料結合により実装面にはんだ付けされた、溶融可能なはんだ材を含む。溶融可能なはんだ材は、好ましくは室温で、特に好ましくは100℃を下回る温度で完全硬化されている。しかし、溶融可能なはんだ材は、室温で既に液状であってもよい。
【0060】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材は、材料結合によるはんだ接続部を介して専ら構成素子と接続される。つまり、はんだ材は、材料結合によるはんだ接続部を介しては、構成素子以外の別の電子モジュールに接続されない。特に、構成素子は、電気的に接続されない。よって、好ましくは、顔料において、はんだ材は構成素子とのみ持続的に機械的に接続される。はんだ材は、別の素子、特に電気接続支持体または支持体には、はんだ付けされない。はんだ材を当該構成素子以外の素子に接続する別の機械的な各接続部は、例えば破壊なしに再解離可能である。
【0061】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料の少なくとも63体積%がはんだ材によって形成される。
【0062】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材の材料、実装面の材料、側面の材料および上面の材料は、実装面が、溶融したはんだ材につき、構成素子の上面および側面より高い濡れ性を有するように選択される。
【0063】
好ましくは、顔料は実質的に球状であり、最大500μmまたは最大300μmまたは最大100μmまたは最大50μmの直径を有する。顔料またはその縁面は、特に、他の要素に対して解離不能な接続を形成しない。
【0064】
さらに、顔料混合物を提供する。顔料混合物は、特には、ここで説明している顔料を複数含む。したがって、顔料混合物に関連して開示する全ての特徴が顔料についても開示されていることになり、逆に顔料に関連して開示した全ての特徴が顔料混合物についても開示されていることになる。
【0065】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料混合物は、内部で自由に運動可能な複数の顔料を含む。例えば、顔料混合物は、顔料の導入された液体を含む。この場合、各顔料は、好ましくは他の顔料から独立に液体内で運動可能である。
【0066】
これに代えて、顔料混合物は、専ら顔料のみから形成されてもよい。この場合、各顔料間には、例えばガスまたは空気のみが存在し、特に液体が存在しない。各顔料は重なり合って直接に接触しているが、相互にはんだ付けされてはいない。よって、特には、各顔料間の接続は、持続的な性質を有することなく、例えば顔料混合物を震動させることにより、解離可能である。顔料混合物を震動させることにより、例えば、顔料混合物内の顔料を新たに分散させることができる。
【0067】
さらに、顔料の製造方法を提供する。本方法は、特にここで説明している顔料の製造に適する。顔料に関連して開示した全ての特徴が当該方法についても開示されていることになり、逆に当該方法に関連して開示する全ての特徴が顔料についても開示されていることになる。
【0068】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料の製造方法は、実装面、当該実装面に対して横断方向に延在する少なくとも1つの側面および当該実装面の反対側の上面を有する電子構成素子を用意するステップA)を含む。
【0069】
少なくとも1つの実施形態によれば、顔料の製造方法は、実装面上および上面上に溶融可能なはんだ材を塗布するステップB)を含む。はんだ材は、例えば蒸着可能もしくはスパッタリング可能もしくは電気化学的に(ガルバニックに)形成可能である。
【0070】
少なくとも1つの実施形態によれば、はんだ材の材料、実装面の材料、側面の材料および上面の材料は、実装面が、溶融したはんだ材につき、上面および側面よりも高いもしくは良好なもしくは強い濡れ性を有するように選択される。
【0071】
少なくとも1つの実施形態によれば、実装面上および上面上に塗布されたはんだ材の体積は、構成素子の体積より、少なくとも係数1.7または少なくとも係数2または少なくとも係数3または少なくとも係数4または少なくとも係数5または少なくとも係数6または少なくとも係数10大きい。
【0072】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップC)において、はんだ材が溶融され、これにより少なくとも実装面が液状のはんだ材によって濡らされ、実装面とはんだ材とにより、材料結合によるはんだ接続部が形成される。この場合特に、液状のはんだ材が収縮して、実装面または構成素子を包囲するように変形する。
【0073】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ステップD)において、はんだ材が完全硬化される。はんだ材の完全硬化により、固体の顔料が形成され、機械的負荷が規定通りであれば顔料の界面または縁面が変形しない。
【0074】
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)〜ステップD)が、提示した順序で順に実行される。
【0075】
以下に、ここに説明している支持体に構成素子を実装する方法、ここで説明している支持体に構成素子を実装するための顔料およびここで説明している顔料の製造方法を、図を参照しながら実施例に則して詳細に説明する。ここで、個々の図の同じ要素には同じ参照番号を付してある。ただしここでは、図は縮尺通りに描かれておらず、むしろ良好な理解のために個々の要素を意図的に拡大して示したところがある。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】顔料混合物の一実施例および顔料の一実施例の側面図である。
【
図3A】支持体に構成素子を実装する方法の一実施例の1つの位置を示す図である。
【
図3B】支持体に構成素子を実装する方法の
図3Aの実施例における別の位置を示す図である。
【
図4A】支持体に構成素子を実装する方法の一実施例の1つの位置を示す図である。
【
図4B】支持体に構成素子を実装する方法の別の実施例の1つの位置を示す図である。
【
図4C】支持体に構成素子を実装する方法の別の実施例の1つの位置を示す図である。
【
図5A】顔料の製造方法の一実施例の1つの位置を示す図である。
【
図5B】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5C】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5D】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5E】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5F】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5G】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【
図5H】顔料の製造方法の
図5Aの実施例の別の位置を示す図である。
【0077】
図1には、顔料混合物1000の一実施例が示されている。顔料混合物1000は、容器内に設けられた複数の顔料100を含む。各顔料100は重なり合って接触しているが、持続的には相互に機械的に接続されていない。例えば容器を揺動させることにより、顔料100は新たに混合される。各顔料100は、特に外面または縁面を有するので、他の顔料100との接触は外面の変形を生じない。
【0078】
図1に示されている構成のほか、顔料100を液体に導入して、例えば液体内部で泳動可能または漂遊可能とすることもできる。
【0079】
さらに、
図1には、顔料100の拡大図も示されている。顔料100は、表面実装可能な光電構成素子1を含む。構成素子1は、特にはLEDまたはLEDチップである。LEDチップは、例えば、pn接合部または量子井戸構造の形態の活性層を含むAlGaInN半導体積層体を含む。
【0080】
構成素子1はさらに、実装面10、側面11および上面12を有する。実装面10および上面12は、構成素子1の、実質的に平行な主面を形成する。側面11は、上面12と実装面10とを接続している。実装面10は、構成素子1の電気的接続のための2つのコンタクト素子13,14を含む。
【0081】
構成素子1は、例えば、横方向に、すなわち実装面10に対して平行に、3μmのエッジ長さを有し、また1μmの厚さを有する。
【0082】
さらに、顔料100は、溶融可能な、好ましくは完全硬化されたはんだ材2を含む。はんだ材2は例えばSnである。はんだ材2は、形状結合によって構成素子1を完全に包囲している。つまり、構成素子1は、はんだ材2に完全に埋め込まれている。よって、構成素子1の全面がはんだ材2によって覆われている。
【0083】
顔料100は、ここでは球状を有する。顔料100の外面または縁面101は、ここでは完全にはんだ材2によって形成されている。はんだ材2および構成素子1以外、顔料100は、別の要素または別の材料を含まない。
【0084】
球の直径は約4.4μmであり、これにより顔料100の約80体積%ははんだ材2によって形成される。
【0085】
顔料100では、実装面10の材料、側面11の材料、上面12の材料およびはんだ材2の材料は、実装面10が、溶融したはんだ材2につき、構成素子1の他の面よりも高い濡れ性、特に側面11および上面12より高い濡れ性を有するように選択される。ここでは特に、実装面10が主として金属製のコンタクト素子13,14によって形成されることにより、溶融したはんだ材2についての実装面10の高い濡れ性が得られる。
【0086】
図2Aには、顔料100の別の実施例が側面図で示されている。
図1とは異なり、ここでは、はんだ材2が全構成素子1を包囲せず、実装面10上のボールを形成している。特に、実装面10上のコンタクト素子13,14がはんだ材2によって覆われる。ここでは、例えばはんだ材2の少なくとも90体積%が実装面10上に配置されている。
【0087】
図2Bの実施例では、第1のコンタクト素子13のみを実装面10に配置した顔料100が示されている。ここでは、第1のコンタクト素子13が例えば構成素子1の実装面10の少なくとも80%を形成している。第1のコンタクト素子13により、例えば、構成素子1の規定通りの動作において、正孔または電子が構成素子1内へ注入される。上面12には、第1のコンタクト素子13の対向コンタクトを形成する第2のコンタクト素子14が配置されている。第2のコンタクト素子14により、例えば規定通りの動作において、正孔または電子が構成素子1内へ注入される。
【0088】
はんだ材2は、ここでは再び、実装面10上に配置されたボールを形成している。実装面10が主として金属製の第1のコンタクト素子13によって形成されることにより、実装面10は、はんだ材2について特に高い濡れ性を有する。側面11および上面12は、例えば、僅かな割合しか金属材料を含まないかまたは全く金属材料を含まないので、液化したはんだ材2による側面11および上面12の濡れ性は小さい。
【0089】
第1のコンタクト素子13のみを実装面10上に配置し、第2のコンタクト素子14を上面12上に配置する構成は、
図1の実施例に示されているような、構成素子1が完全にはんだ材によって包囲される場合にも実現可能である。
【0090】
図3Aには、支持体に構成素子を実装する方法における第1の位置が示されている。ここでは、横方向にそれぞれ離間した複数の顔料ランド面201を有する支持体200が用意されていることが見て取れる。支持体200は、例えば構成素子1の電気接続支持体200である。顔料ランド面201は、例えば支持体200の接続面に連なった形態で露出した金属面であり、構成素子1の電気的接続のために構成されている。接続面に沿った顔料ランド面201の横方向の広がりは、約4.5μmである。顔料ランド面201に横方向で隣接する領域および顔料ランド面201間の領域は、例えば電気絶縁材料、例えばプラスチックから形成されている。
【0091】
顔料ランド面201および支持体200の他の領域の材料は、ここでは、顔料ランド面201が、顔料100の液状のはんだ材2につき、横方向でこの顔料ランド面201を取り囲む他の領域よりも高い濡れ性を有するように、選択される。また、顔料ランド面201は、はんだ材2につき、顔料100の構成素子1の側面11および上面12よりも良好な濡れ性を有する。
【0092】
図3Aでは、各顔料ランド面201上に顔料100がどのように塗布されるかが見て取れる。
図3Aの位置では、構成素子1は接続支持体200にまだ持続的には接続されていない。顔料100は、例えば支持体200上に載置されているのみである。
【0093】
図3Bには、本方法の第2の位置が示されている。当該位置では、構成素子1がはんだ材2を介して機械的に持続的に接続支持体200に接続されている。特に、構成素子1は、はんだ材2によって顔料ランド面201上にはんだ付けされている。特に発光面として用いられる上面12は全て、支持体200の反対側を向いている。実装面10はそれぞれ支持体200に面している。
【0094】
図3Bの配置を得るために、
図3Aの顔料100を、顔料100のはんだ材2が液化するまで加熱した。構成素子1の実装面10および顔料ランド面201の濡れ性が構成素子1および支持体200の他の領域の濡れ性よりも高いことにより、構成素子1は、実装面10が顔料ランド面201に向き合い、液状のはんだ材2によって相互に接続されるように自動的にアライメントされる。このことは、液化したはんだ材2の表面エネルギおよび界面エネルギの最小化によって、自動的に行われる。
【0095】
図3Bには、液化したはんだ材2が再び完全硬化された後の位置が示されている。はんだ材2により、第1のコンタクト素子13と顔料ランド面201との間の電気的なはんだ接続部が形成されている。
【0096】
図4Aには、本方法の一実施例の1つの位置が示されており、ここでは、
図3Aとは異なり、顔料100が、液体300、例えば水または油またはシリコーン油とともに支持体200上に塗布されている。顔料100を含有する液体300は、例えばインクを形成している。当該インクは、インクジェットプリンタまたはエアロゾル噴射法を用いて、支持体200の顔料ランド面201の領域に所期の通りに塗布することができる。
【0097】
個々の顔料100のはんだ材2の溶融後または溶融前に、液体300を、例えば蒸発によって除去することができる。はんだ材2が溶融した後、構成素子1は顔料ランド面201上に自動的に正しい配向でアライメントされる。はんだ材2が完全硬化した後、
図3Bに示されている装置が得られる。
【0098】
図4Bには、本方法の、顔料100を支持体200に塗布するためにスタンプ400が使用される実施例における1つの位置が示されている。スタンプ400は、例えば、顔料100を導入するための凹部を有する。スタンプ400が支持体200の上方にアライメントされている間、顔料100は負圧により凹部内に保持可能である。スタンプ400がアライメントされた後、負圧は例えば遮断され、顔料100は、配置されている顔料ランド面201上に施与される。続いて、再び、顔料100のはんだ材2が溶融され、これにより、溶融したはんだ材2の界面エネルギおよび表面エネルギが最小化されることに基づいて、構成素子1が支持体200上で自動的にかつ正確にアライメントされる。
【0099】
図4Cには、本方法の、顔料100をいわゆるはんだボール噴射法によって支持体200上に塗布する実施例における1つの位置が示されている。はんだボール噴射法では、ノズル500が使用される。ノズル500の開口部は、顔料100の直径より幾分小さい。加熱素子501を用いてノズル500の開口部を加熱することにより、はんだ材2が短時間で溶融される。この場合、ガス流により、顔料100がノズル500の開口部を通ることで押し潰され、支持体200上または配置されている顔料ランド面201上に施与される。顔料100が施与された後、この顔料100は、はんだ材2の溶融によって再び自動的かつ正確に支持体200上にアライメントされる。
【0100】
特に、
図4B,
図4Cの方法では、
図1に示されているような球状の顔料も使用可能である。
【0101】
図5Aには、顔料100の製造方法の第1の位置が示されている。このために、成長基板30、例えばサファイア基板30が用意される。成長基板30上には、例えばAlInGaNをベースとした半導体積層体31,32,33が成長される。半導体層31は例えばn型層であり、半導体層33はp型層である。層32は、規定通りの動作において電磁放射を形成する活性層である。半導体積層体31,32,33の、成長基板30とは反対側の面には、上面12が形成されている。
図5Aに示されているのとは異なり、上面12に、半導体積層体31,32,33の電気的接続のためのコンタクト素子を配置することもできる。
【0102】
活性層32の主延在方向に沿った半導体積層体31,32,33の横方向の広がりは、例えば3μmである。半導体積層体31,32,33の厚さは、例えば1μmである。
【0103】
図5Bに示されている本方法の第2の位置では、上面12に、2μm厚さのはんだ材2、例えばSnから形成される層が塗布される。はんだ材2は、例えば蒸着可能またはスパッタリング可能である。
【0104】
図5Cに示されている本方法の第3の位置では、成長基板30、半導体積層体31,32,33およびはんだ材2の層から成る構造体が補助支持体上に被着される。これにより、成長基板30は、半導体積層体31,32,33の、補助支持体とは反対の側で露出される。
【0105】
本方法の、
図5Dに示されている位置では、成長基板30が、例えばレーザーリフトオフプロセスにより、半導体積層体31,32,33から剥離される。
【0106】
図5Eには、成長基板30が剥離された後、n型半導体層31に第1のコンタクト素子13と第2のコンタクト素子14とをコーティングし、これにより実装面10を生じさせる方法における1つの位置が示されている。各コンタクト素子13,14は、規定通りの動作における半導体積層体31,32,33の電気的接続のために用いられる。コンタクト素子13,14を形成することにより、光電構成素子1がLEDチップの形態で完成される。実装面10と上面12とは、構成素子1の側面11を介して相互に接続されている。
【0107】
上面12に既にコンタクト素子が配置されている上述したケースでは、実装面10には例えば1つのコンタクト素子のみが被着される。
【0108】
ついで、
図5Fの位置では、実装面10上に、2μm厚さのはんだ材2から成るさらなる層が、例えば再びスパッタリングまたは蒸着によって形成される。
【0109】
本方法の
図5Gに示されている位置では、補助支持体が再び剥離される。構成素子1の実装面10および上面12は、完全にはんだ材2の層によって覆われる。
【0110】
図5Hには、本方法の、
図5Gの位置に続く位置が示されている。液相温度を上回るまではんだ材2を加熱することにより、実装面10のはんだ材2と上面12のはんだ材とがまとまり、構成素子1が完全に覆われる。これによりはんだ材が改めて完全硬化された後、実質的に球状の顔料100が得られる。顔料100の縁面または外面は、完全に、硬化したはんだ材2によって形成されている。
【0111】
本願は、独国特許出願第102017115410.8号の優先権を主張し、この出願の開示内容は引用により本願に含まれるものとする。
【0112】
本発明は、各実施例に則した説明に限定されない。むしろ、本発明は、新規な各特徴および特に特許請求の範囲の特徴の各組み合わせを含む特徴の各組み合わせそのものが特許請求の範囲または各実施例に明示されていなくとも、これらの特徴の全ておよびその組み合わせの全てを含む。
【符号の説明】
【0113】
1 電子構成素子
2 はんだ材
10 実装面
11 側面
12 上面
13 第1のコンタクト素子
14 第2のコンタクト素子
30 成長基板
31,33 半導体層
32 活性層
100 顔料
101 縁面
200 支持体
201 顔料ランド面
300 液体
400 スタンプ
500 ノズル
501 加熱素子
1000 顔料混合物