(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態に関し、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態における技術的解決手段を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施形態は全ての実施形態ではなく一部に過ぎない。創作的労力なしに本開示の実施形態に基づいて当業者により得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護範囲内に属する。
【0017】
本開示は、タッチスクリーンを有するインテリジェント電子デバイスが別のインテリジェント・デバイスを制御するために使用される状況に適用可能である。制御端末として使用されるインテリジェント電子デバイスはタッチスクリーンを有する。例えば、制御端末は、モバイル・フォン、携帯コンピュータ、タブレット・コンピュータ、又はその他のタッチスクリーンを備えるものであってよい。制御される端末(被制御端末)として使用されるインテリジェント・デバイスは、演算及び処理の能力を有するが、タッチスクリーン又はディスプレイ・スクリーンを有していなくてもよい。
【0018】
制御端末として使用されるインテリジェント電子デバイスは、有線又は無線の方式で被制御端末として使用されるインテリジェント・デバイスに接続されてよい。例えば、制御端末及び被制御端末は、ブルートゥース又はWiFi又はその他の無線方式で互いに接続されてもよいし、或いはユニバーサル・シリアル・バス(USB)のような物理的な回路を利用することにより互いに直接的に接続されてもよい。
【0019】
制御端末として使用されるインテリジェント電子デバイスは、タッチスクリーンにおけるユーザーのタッチ・アクション(接触動作)を検出し、タッチ・イベントを生成し、そして、被制御端末として使用されるインテリジェント・デバイスへ、タッチ・イベントをデータ・パケットの形式で送信してもよい。制御端末により送信されたデータ・パケットを受信した後に、被制御端末として使用されるインテリジェント・デバイスは、データ・パケットに含まれるタッチ・イベントを解析し、タッチ・イベントを実行し、以てユーザーのオペレーションに応答する。ゲーム・コンソールを制御するモバイル・フォンを例にとると、ユーザーがモバイル・フォンのタッチスクリーン上でタッチ・アクションをアウトプットし、モバイル・フォンはそのタッチを検出してタッチ・イベントを生成し、タッチ・イベントを受信した後に、ゲーム・コンソールが応答を行い、それにより、ゲーム・コンソールのゲーム・インターフェース上で対応するアクションが実行される。
【0020】
図1を参照すると、
図1は本開示によるデータ処理方法の実施形態の概略フローチャートである。この実施形態の方法は以下のステップS101ないしS104を含んでよい。
【0021】
S101において、制御端末により送信された第1データ・パケットが受信される。
【0022】
第1データ・パケットは第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とを含む。第1識別子は、タッチスクリーン上で共存する異なるタッチ・ポイント同士を区別するために使用され、タッチスクリーン上で順次に存在する個々のタッチ・ポイントは同じ第1識別子を有する。
【0023】
第1識別子は、タッチスクリーン・デバイスのタッチスクリーン上に共存する複数の地点どうしを区別するために使用される。例えば、アンドロイド・システムのマルチタッチ(multi-touch)の場合、システムは、各々のタッチ・ポイントにIDを割り振り、IDsに従って複数のタッチ・ポイントどうしを区別する。理解を容易にするため、例えば、3つのタッチ・ポイントがタッチスクリーン上に共存する場合、3つのタッチ・ポイントの第1識別子はそれぞれ「ポイントID0」、「ポイントID1」、「ポイントID2」であり得る。或る時点で3つのタッチ・ポイント全てについてタッチ・アップが実行されたと仮定した場合において、その後、タッチスクリーン上で再び2つのタッチ・ポイントが検出されると、タッチスクリーンの2つのタッチ・ポイントに第1識別子「ポイントID0」及び「ポイントID1」が順に割り当てられる。3つのタッチ・ポイントのうち識別子「ポイントID1」のタッチ・ポイントでタッチ・アップが実行されたと仮定すると、第1識別子「ポイントID1」はリリースされる。その後、2つのタッチ・ポイントが再び検出されると、この時点では、4つのタッチ・ポイントがタッチスクリーン上で共存している。第1識別子「ポイントID0」及び「ポイントID2」は占有されているので、第1識別子「ポイントID1」及び「ポイントID3」それぞれが、以後に検出された2つのタッチ・ポイントに割り当てられる。
【0024】
S102において、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とに従って、第1タッチ・イベントに連続して実行される第2タッチ・イベントを含む第2データ・パケットが欠落しているか否かが判断される。
【0025】
実施例では、第2データ・パケットは、第1タッチ・イベントが帰属するタッチ・オペレーションが被制御端末によって識別され得ない、ということを引き起こすデータ・パケットである。例えば、第2データ・パケットにおける第2タッチ・イベントが欠落すると、被制御端末は、第1タッチ・イベントを識別できない、或いは第1タッチ・イベントが識別され得たとしても、被制御端末は第1タッチ・イベントを終了できない。
【0026】
実際のアプリケーションにおいて、ユーザーのタッチ・オペレーションは一連のタッチ・アクションであり、それに応じて生成されるタッチ制御イベントは連続的なタッチ・イベント・シーケンスを含む。タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・ムーブ・イベント、及びタッチ・アップ・イベントを、列挙したその順序で含んでもよい。タッチ・スライド(又はムーブ)・イベントは選択的であってもよい。即ち、タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント及びタッチ・アップ・イベントのみを含んでいてもよい。
【0027】
例えば、タッチスクリーンにおけるユーザーのタッチ・オペレーションは、次のようなものであってもよい:先ずユーザーがスクリーンに触れ、スクリーン上でスライドし、最終的にタッチ・ポイントを離れる。この場合、取得されるタッチ・イベント・シーケンスは、順序も含めて、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・スライド・イベント、及びタッチ・アップ・イベントであってもよい。代替的に、ユーザーのタッチ・オペレーションは次のようなものであってもよい:ユーザーがスクリーンに触れ、そしてタッチ・ポイントを離れる。この場合、取得されるタッチ・イベント・シーケンスは、順序も含めて、タッチ・ダウン・イベント、及びタッチ・アップ・イベントである。
【0028】
タッチ・ポイントについてのタッチ・ダウン・イベントが受信された後、仮にタッチ・ポイントでトリガされるタッチ・アップ・イベントが受信されなかった場合、そのタッチ・ポイントに対応するタッチ・アップ・イベントは欠落したことを示しているということを、タッチ・イベント・シーケンスから学ぶことが可能である。その結果、被制御端末は、タッチ・オペレーションが終了したか否かを判断できない。これに対応して、被制御端末が、タッチ・ポイントについてのタッチ・ダウン・イベントを受信せず、タッチ・ポイントにおいてタッチ・アップ・イベントのみを受信した場合、それは、タッチ・ポイントについてのタッチ・ダウン・イベントが欠落していることを示す。その結果、タッチ・アップ・イベントの前に対応するタッチ・ダウン・イベントが存在せず、即ち、受信したタッチ・イベントのイベント・シーケンスは、タッチ・イベント・シーケンスのものと矛盾したものとなり、従って被制御端末はタッチ・アップ・イベントを識別できない。
【0029】
第2データ・パケットに含まれる第2タッチ・イベントの第1識別子が、第1タッチ・イベントの第1識別子と同じである場合に限り、被制御端末は2つのタッチ・イベントを、順次に存在するタッチ・イベントとして解釈することが可能であることが理解される。その結果、同じ第1識別子によって指定される2つの隣接するタッチ・オペレーションにより生成されるタッチ・イベントが欠落した場合に限り、被制御端末は、タッチ・イベント・シーケンスに従って、順次に受信したタッチ・イベントを識別することができない。従って、第1データ・パケットは、第2タッチ・イベントと第2タッチ・イベントの第1識別子とを含むデータ・パケットであってもよく、第2タッチ・イベントの第1識別子は第1タッチ・イベントの第1識別子と同じである。
【0030】
本開示のこの実施形態では、第2データ・パケットは、制御端末が第1データ・パケットを送信する前に送信したデータ・パケットであってもよいし、或いは第1データ・パケットが送信された後に送信されたデータ・パケットであってもよいことが、理解され得る。
【0031】
S103では、第2データ・パケットが欠落している場合に、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントが生成される。
【0032】
第2タッチ・イベントを生成することは、コード、命令等の第2タッチ・イベントを表現するものを生成することとして理解されてよい。
【0033】
S104において、第2タッチ・イベントが帰属するタッチ・オペレーションを被制御端末が実行するように制御するために、第2タッチ・イベントが処理される。
【0034】
欠落したデータ・パケットは第2タッチ・イベントを含む第2データ・パケットであることが確認された後、第2データ・パケットにおける第2タッチ・イベントが作り直され、タッチ制御シーケンスにおけるタッチ・イベントが欠落したことに起因して、被制御端末が第1タッチ・イベントを識別できない問題、或いは第1タッチ・イベントを終了できない問題を解決する。
【0035】
第2タッチ・イベントを処理することは:ドライバ・レイヤで第2タッチ・イベントを実行するために、被制御端末のオペレーティング・システムのドライバ・レイヤ(a driver layer)へ、第2タッチ・イベントを送信することを含んでもよい。
【0036】
欠落した第2データ・パケットは、第1データ・パケットより前に送信されたデータ・パケットであるかもしれず、或いは第1データ・パケットの後に送信されたデータ・パケットであるかもしれず、被制御端末がデータ・パケットにおけるタッチ・イベントを実行する順序は、タッチ・イベントの実際の送信シーケンスに基づくことが、理解される。従って、第2データ・パケットが、第1データ・パケットを送信する前に送信側端末により送信されたデータ・パケットである場合、先ず、第2データ・パケットの第2タッチ・イベントが被制御端末のドライバ・レイヤで実行されるべきであり、その後に第1タッチ・イベントが実行される。第2データ・パケットが、第1データ・パケットを送信した後に制御端末により送信されたタッチ・イベントである場合、第2タッチ・イベントがドライバ・レイヤで実行される前に、第1タッチ・イベントがドライバ・レイヤで実行されている。
【0037】
第2データ・パケット及び第1データ・パケットが確認された後、2つのデータ・パケットの生成順序が決定される。即ち、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間に、指定された生成順序(指定生成順序)が存在する。従って、選択的に、第2タッチ・イベントは指定生成順序に基づいて処理されてもよく、それにより、被制御端末は、その生成順序と同じ順序で第2タッチ・イベント及び第1タッチ・イベントを処理する。
【0038】
例えば、第2データ・パケットがタッチ・ダウン・イベントであり、第1データ・パケットがタッチ・アップ・イベントである。また、先ず、送信側端末が第2データ・パケットを送信し、その後に第1データ・パケットを送信していることが、確認されることが可能である。この場合、第2データ・パケットに対応するタッチ・ダウン・イベントが生成された後に、タッチ・ダウン・イベントがドライバ・レイヤへ実行のために送信され、その後に、第1データ・パケットのタッチ・アップ・イベントがドライバ・レイヤへ実行のために送信されている。
【0039】
本開示のこの実施形態では、第1データ・パケットを受信した後に、被制御端末は、第1データ・パケットに含まれる第1タッチ・イベントの第1識別子に従って、第2データ・パケットが欠落しているか否かを判断する。第2データ・パケットが欠落している場合、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントが生成及び実行される。このようにして、タッチ・イベントを含むデータ・パケットの欠落に起因する例外制御は軽減されることが可能である。
【0040】
制御端末が、第2データ・パケット及び第1データ・パケットを異なる順序で送信している場合、被制御端末は、第2データ・パケットが欠落しているか否かを様々なプロセスで判断してよいことが、理解されるであろう。
【0041】
以下、欠落した第2データ・パケットを確認する様々なプロセスが説明される。
【0042】
図2に関し、
図2は本開示によるデータ処理方法の別の実施形態の概略フローチャートである。この実施形態の方法は以下のステップS201ないしS205を含んでよい。
【0043】
S201において、制御端末により送信された第1データ・パケットが受信される。
【0044】
第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とを含む。第1識別子は、タッチスクリーン上で共存する異なるタッチ・ポイント同士を区別するために使用され、タッチスクリーン上で順次に存在する個々のタッチ・ポイントは同じ第1識別子を有する。
【0045】
S202において、第1データ・パケットが受信される場合に、第1データ・パケットが受信される前に、最終受信データ・パケットである第3データ・パケットが取得される。
【0046】
第3データ・パケットは第3タッチ・イベントと前記第3タッチ・イベントの第1識別子とを含む。ステップS202で取得される第3データ・パケットは、第1タッチ・イベントの第1識別子と同じ第3タッチ・イベントの第1識別子を含むデータ・パケットであることに、留意すべきである。
【0047】
この実施形態では、タッチ・イベントを含むデータ・パケットが受信される場合に、タッチ・イベントのイベント内容(例えば、タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであること)のようなタッチ・イベントに対応するステータス情報又はタッチ・イベントの第1識別子が記録される。確かに、タッチ・イベントのステータス情報は:タッチ・イベントのタッチ位置の座標、タッチ・イベントの発生時間などを更に含んでもよい。
【0048】
S203において、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で第2タッチ・イベントが欠落しているか否かが、所定のタッチ・イベント・シーケンスに従って検出される。
【0049】
タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・ムーブ・イベント、及びタッチ・アップ・イベントをその順序で含んでもよい。確かに、タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント、及びタッチ・アップ・イベントをその順序で含むように設定されてもよい。
【0050】
第3タッチ・イベントの第1識別子が第1タッチ・イベントのものと同じである場合、第3タッチ・イベント及び第1タッチ・イベントの順序は、タッチ・イベント・シーケンスのシーケンス・ループ実行順序(a sequence looping execution order)に一致しているべきであることが理解される。即ち、同じ第1識別子を有する複数の連続的なタッチ・イベントのシーケンスは循環する順序(サイクリック・シーケンス)であるべきである:即ち、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・スライド・イベント(複数の連続的なタッチ・スライド・イベントが存在してもよい)、タッチ・アップ・イベント、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・スライド・イベント、...であり、この場合においてタッチ・スライド・イベントは任意的である。従って、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で可能なケースは、サイクリック・シーケンスに従って決定されてよい。第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとがサイクリック・シーケンスに従っていない場合、それはデータ・パケットが欠落していることを示す。更に、1つ以上のタッチ・イベントが欠落しているデータ・パケットは、サイクリック・シーケンスに応じて判断されてもよい。
【0051】
例えば、制御端末のタッチスクリーン上のポジション・ポイントAにおけるタッチ・ポイントAの第1識別子が「ポイントID0」であるとする。タッチ・ポイントAにおいてトリガされるイベントは、順次に、タッチ・ダウン・イベントA1及びタッチ・アップ・イベントA2である。タッチ・アップがタッチ・ポイントAで実行された後に、タッチスクリーン上のポジション・ポイントBでタッチ・ポイントBが新たに生じ、タッチ・ポイントBの第1識別子も「ポイントID0」である。タッチ・ポイントBで順次にトリガされるタッチ・イベントは、タッチ・ダウン・イベントB1及びタッチ・ムーブ・イベントB2であることが、仮定される。被制御端末により送信され且つ現時点で被制御端末により受信された第1データ・パケットは、タッチ・ムーブ・イベントB2を含んでいることが、仮定される。仮に、被制御端末により最後に受信したデータ・パケットである、第1識別子を有する第3データ・パケットが、タッチ・アップ・イベントA2を含んでいた場合、タッチ・ムーブ・イベントはタッチ・ダウン・イベントなしに生じることは不可能であることがタッチ・イベント・シーケンスにより知ることが可能であるので、その場合は、タッチ・ムーブ・イベントB2に対応するタッチ・ダウン・イベントB1が欠落していることを示している。
【0052】
確かに、実際には、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で第2タッチ・イベントが欠落しているか否かを、タッチ・イベント・シーケンスに従って検出する複数の方法が存在し得る。
【0053】
選択的に、検出方法は以下のステップを含んでよい:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントである場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントが欠落していると判断するステップ(欠落したタッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している)。
【0054】
本方法は更に以下のステップを含んでもよい:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではない場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・ダウン・イベントが欠落していると判断するステップ(欠落したタッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している)。
【0055】
確かに、欠落した第2タッチ・イベントについての可能なケースは、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとが様々な可能なタッチ・イベントである様々な条件の下でタッチ・イベント・シーケンスに従う分析により事前に得られてもよく、その後、第3タッチ・イベント、第1タッチ・イベント、及び欠落した第2タッチ・イベントの対応するテーブルが生成される。従って、欠落した第2タッチ・イベントは、対応するテーブルを調べることにより決定されてもよい。
【0056】
例えば、以下のテーブル1が設定されてもよい。
テーブル1
【表1】
【0057】
テーブル1における(x,y)及び(x’,y’)は2つのタッチ・イベントの2つのタッチ・ポジション・ポイントを示すために使用される。(x,y)及び(x’,y’)は同じポジション・ポイントであってもよいし、或いは異なるポジション・ポイントであってもよい。
【0058】
「DOWN」はタッチ・ダウン・イベントを示す。例えば、DOWN(x,y)はポジション・ポイント(x,y)におけるタッチ・ダウン・イベントを示す。「MOVE」はタッチ・ムーブ・イベントを示す。「UP」はタッチ・アップ・イベントを示す。「N/A」はタッチ・イベントが欠落していることを示す。
【0059】
例えば、第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントDOWN(x,y)であり、第3タッチ・イベントがDOWN(x’,y’)である場合、タッチ・アップ・イベントが欠落していることが表1から分かり、タッチ・アップ・イベント及び第3タッチ・イベントDOWN(x’,y’)は同じタッチ・オペレーションに帰属しており、即ち、ポジション・ポイント(x’,y’)におけるタッチ・アップ・イベントUP(x’,y’)が欠落している。
【0060】
S204において、第2データ・パケットが欠落している場合、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントが作成される。
【0061】
欠落した第2タッチ・イベントが確認された後、第2タッチ・イベントが直接的に生成されてもよい。
【0062】
選択的に、実施形態において、第1データ・パケットは第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。それに応じて、第3データ・パケットは第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。このように、決定された第2タッチ・イベントのタッチ・イベント・タイプのみが決定される場合、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標又は第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標が決定されてもよい。第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、タッチ・ポジションの座標を含む第2タッチ・イベントが生成される。
【0063】
例えば、第1タッチ・イベントと第2タッチ・イベントとが同じタッチ・オペレーションに帰属している場合、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標が、第2タッチ・イベントのポジションの座標として使用される。第3タッチ・イベントと第2タッチ・イベントとが同じタッチ・オペレーションに帰属している場合、第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標が、第2タッチ・イベントのポジションの座標として使用される。
【0064】
確かに、第1タッチ・イベント及び第3タッチ・イベントの双方がタッチ・ポジションの座標を含む場合、ステップS203で決定される第2タッチ・イベントは、第2ポジション座標における第2タッチ・イベントであってもよい。第2ポジション座標は、第2タッチ・イベントが、第1タッチ・イベント又は第3タッチ・イベントと同じタッチ・オペレーションに帰属するか否かに従って決定されてもよいし、或いは、テーブル1に従って決定されてもよい。
【0065】
S205において、第2タッチ・イベントが処理され、それにより、被制御端末は識別情報により表現されるタッチ・オペレーションを識別することが可能である。
【0066】
この実施形態では、生成された第2タッチ・イベントは、先ずドライバ・レイヤへ実行のために送信されてもよく、その後、第1タッチ・イベントがドライバ・レイヤへ実行のために送信される。
【0067】
第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとが異なるタッチ・イベントに帰属する場合、欠落した第2タッチ・イベントの全てが
図2に示されるような実施形態により決定できるわけではないことが、理解される。この場合、制御の正確さは改善され得ないが、例外制御は実施形態2の方法を利用することによってのみ軽減されることが可能である。
【0068】
例えば、テーブル1を参照すると、第1タッチ・イベントがMOVE(x,y)であり、第3タッチ・イベントがMOVE(x’,y’)である場合、テーブル1によれば、第3タッチ・イベントは欠落していない。しかしながら、ユーザーは、制御端末のタッチスクリーン上のポジション・ポイント(x,y)においてタッチ・スライド・オペレーションを実行した後に指を持ち上げたかもしれない。この場合、制御端末により生成されるタッチ・イベントはMOVE(x,y)及びUP(x,y)となるべきである。第3タッチ・イベントMOVE(x’,y’)の前に、ユーザーは、タッチスクリーン上でタッチ・ダウン・オペレーション、例えばタッチ・ダウン・イベントDOWN(x’,y’)も実行したはずである。第1タッチ・イベントと第3タッチ・イベントとがテーブル1に従って同じタッチ・オペレーションに帰属していると考えられるので、UP(x,y)及びDOWN(x’,y’)が欠落していると判断されることが可能である。この場合、被制御端末は2つのイベントを作り直さず、被制御端末におけるイベント実行プロセスと制御端末におけるユーザーによる実際の入力との間に矛盾を生じさせてしまう。
【0069】
理解を容易にするため、
図3を参照すると、
図3は、同じ第1識別子により表現される2つのタッチ・オペレーションのタッチ・プロセスについての概略図である。
図3では、ユーザーが、タッチ・ポイントAを押下し(指を降ろし)、移動し、タッチ・ポイントBで持ち上げ、タッチ・オペレーションを完了している。その後に、ユーザーは別のタッチ・オペレーションを開始するためにタッチ・ポイントCを押下し、スライドし続け、タッチ・ポイントDで持ち上げている。(3)及び(4)により表現されるタッチ・イベントが欠落すると、(5)により表現されるタッチ・イベントは被制御端末によりMOVE(x’,y’)として受信され、被制御端末により最後に受信されたタッチ・イベントは(2)により表現されるMOVE(x,y)とすべきであったことが、
図3から理解できる。(5)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x’,y’)と(2)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x,y)とが同じタッチ・オペレーションに帰属する場合、タッチ・アップ・イベントもタッチ・ダウン・イベントも欠落していない。(5)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x’,y’)と(2)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x,y)とが
図3に示されるような2つのタッチ・オペレーションである場合、それは、(5)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x’,y’)が帰属するタッチ・オペレーションのタッチ・ダウン・イベントDOWNが欠落していることを示す。それに応じて、(2)により表現されるタッチ・イベントMOVE(x,y)が帰属する別のタッチ・オペレーションのタッチ・アップ・イベントUPが欠落している。
【0070】
従って、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとが異なるタッチ・オペレーションに帰属するか否かを区別するために、第1識別子を有するタッチ・ポイントにおける異なるタッチ・オペレーションに、第2識別子が更に割り当てられてもよい。第2識別子は、同じ第1識別子を有する異なるタッチ・オペレーションを識別するために使用される。
【0071】
それに応じて、被制御端末により受信される第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントの第2識別子を更に含み、第3データ・パケットも第3タッチ・イベントの第2識別子を含んでよい。この場合、第2タッチ・イベントが欠落しているか否かを判断することは、所定のタッチ・イベント・シーケンス、第3タッチ・イベントの第2識別子、及び第1タッチ・イベントの第2識別子に従って、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で第2タッチ・イベントが欠落しているか否かを検出することを含んでもよい。
【0072】
第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとが同じタッチ・オペレーションに帰属しているか否かは、第2識別子に従って判断されることが可能である。このように、(i)タッチ・イベント・シーケンスの循環する順序及び(ii)第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとが同じタッチ・オペレーションに帰属するか否かに応じて、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間でタッチ・イベントが欠落しているか否かが判断されることが可能であり、欠落した第2タッチ・イベントが決定されてもよい。
【0073】
選択的に、検出する方法は以下のステップを含んでもよい:
【0074】
第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントである場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであるか否かが判断される。第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントが欠落していると判断され、この場合において、欠落したタッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0075】
第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではない場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントであるか否かが判断される。第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントでもタッチ・ムーブ・イベントでもない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・ダウン・イベントが欠落していると判断され、この場合において、欠落したタッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0076】
第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではなく、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントである場合に、第3タッチ・イベントの第2識別子が、第1タッチ・イベントの第2識別子と同じであるか否かが判断される。第3タッチ・イベントの第2識別子が、第1タッチ・イベントの第2識別子と同じではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントとタッチ・ダウン・イベントとが順次に欠落していると判断され、この場合において、タッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属し、タッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0077】
確かに、実際には、第3タッチ・イベントと、第1タッチ・イベントと、第2タッチ・イベントとの間の対応関係が、テーブル1の方式で事前に設定されてもよく、その後に、テーブルを調べることによって少なくとも1つの欠落した第2タッチ・イベントが決定される。
【0078】
理解を容易にするために、第3タッチ・イベントと、第1タッチ・イベントと、第2タッチ・イベントとの間の対応関係に従って、第2タッチ・イベントが決定される場合、事前に設定される第2タッチ・イベントは、一例として
図3における欠落ステータスを利用することにより簡易に記述される。
【0079】
第1タッチ・イベントと第3タッチ・イベントとが異なるタッチ・オペレーションに帰属する場合、対応関係は以下のテーブル2のように設定されてもよい。
テーブル2
【表2】
【0080】
テーブル2の「欠落イベント」の列の内容は
図3のケースに関して示されているに過ぎず、
図3のケースに関してテーブル2の対応物を確認するために使用されているに過ぎない点に留意すべきである。テーブル2における対応物は別のケースにも適用可能であることが理解される。
【0081】
図3における(3)及び(4)により表現されるタッチ・イベントが欠落した場合、被制御端末により現在受信される第1タッチ・イベントはMOVE(x,y)であり、第3タッチ・イベントはMOVE(x’,y’)であり、2つのタッチ・イベントは同じタッチ・オペレーションに帰属していないことを、テーブル2から知ることが可能である。この場合、欠落したタッチ・イベントは、ポジション・ポイント(x’,y’)におけるタッチ・アップ・イベントUP(x’,y’)と、ポジション・ポイント(x,y)におけるタッチ・ダウン・イベントDOWN(x,y)とであることを、テーブル2を調べることにより知ることが可能である。
【0082】
選択的に、
図2の実施形態と同様に、この実施形態において、第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。それに応じて、第3データ・パケットは、第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。この場合、第2タッチ・イベントを生成する場合において、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標又は第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標が決定されてもよい。第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、タッチ・ポジションの座標を含む第2タッチ・イベントが生成される。
【0083】
図4を参照すると、
図4は本開示によるデータ処理方法の別の実施形態の概略フローチャートである。この実施形態の方法は以下のステップS401ないしS405を含んでもよい。
【0084】
S401において、制御端末により送信された第1データ・パケットが受信される。
【0085】
第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とを含む。第1識別子は、タッチスクリーン上で共存する異なるタッチ・ポイント同士を区別するために使用され、タッチスクリーン上で順次に存在する個々のタッチ・ポイントは同じ第1識別子を有する。
【0086】
S402において、第1タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合に、第1データ・パケットが受信される時点により、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されたか否かがモニタリングされる。
【0087】
指定データ・パケットにおける第1識別子は、第1データ・パケットの第1識別子と同じである。
【0088】
第1タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、それは、タッチ・オペレーションが未だ終了していないことを示すことが、理解されるであろう。この場合において、同じ第1識別子により識別されるタッチ・イベントが長時間にわたって受信されないならば、それは、タッチ・オペレーションのタッチ・アップ・イベントのデータ・パケットが欠落していることを示す。
【0089】
例えば、ユーザーが制御端末のタッチスクリーン上でタッチ・ダウン・オペレーションを実行する場合、被制御端末で現在受信される第1データ・パケットはタッチ・ダウン・イベントである。ユーザーは現時点の後にタッチスクリーン上のタッチ・ポイントを離れるが、制御端末が被制御端末へ送信したタッチ・アップ・イベントを示すデータ・パケットは欠落したとする。この場合、被制御端末は現在のタッチ・オペレーションのタッチ・アップ・イベントが生成されたことを知り得ないので、命令の受信を待機し続ける。ユーザーが長時間にわたってタッチ・オペレーションを入力しない場合、被制御端末は待機状態のまま残り、例外制御を引き起こしてしまう。
【0090】
データ・パケットの欠落に起因する例外制御の上記問題を解決するために、この実施形態では、データ・パケットが受信された後、データ・パケットに含まれるタッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第1識別子を含むデータ・パケットが指定持続時間内に受信されるか否かをモニタリングするために、データ・パケットが受信された時点がモニタリングの開始点として使用される。
【0091】
選択的に、ステップ402は、第1データ・パケットが受信された時点でタイマーをスタートさせ、第1データ・パケットが受信された時点を開始時点として使用し、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されたか否かをモニタリングすることを含んでもよい。
【0092】
S403において、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されない場合、第2データ・パケットは欠落していると判断される。
【0093】
第2データ・パケットはタッチ・アップ・イベントを含み、第2データ・パケットと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属する。
【0094】
選択的に、この実施形態では、指定データ・パケットは、タッチ・ポイントのタッチ・ポジションの座標を含んでもよい。この場合、決定された第2データ・パケットも欠落したタッチ・アップ・イベントのタッチ・ポジションの座標を含んでいてもよい。例えば、指定データ・パケットに含まれるタッチ・ポジションの座標は、タッチ・アップ・イベントのタッチ・ポジションの座標として使用されてよい。
【0095】
S404において、第2データ・パケットに対応するタッチ・イベントが作成される。
【0096】
上記の実施形態と同様に、生成されるタッチ・アップ・イベントは、タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであることを表現するコードであってもよく、タッチ・アップ・イベントのタッチ・ポジションの座標を含んでいてもよい。
【0097】
S405において、生成されたタッチ・アップ・イベントが実行される。
【0098】
例えば、生成されたタッチ・アップ・イベントは、被制御端末のドライバ・レイヤへ実行のために送信されてよい。
【0099】
端末のタッチスクリーンに指が触れている場所が不変のままである場合、制御端末は何らのタッチ・イベントも生成しないことが、理解される。この場合、被制御端末は、制御端末により送信される如何なるタッチ・イベントも長時間にわたって受信することができない。従って、
図4の実施形態における方法が使用される場合、被制御端末は、タッチ・アップ・イベントが欠落した場合のように、タッチ・ポイントが不変のまま残るケースを解釈するかもしれない。その結果、被制御端末は、タッチ・ポイントが不変のまま残るケースと、タッチ・アップ・イベントが欠落しているケースとを区別することができない。
【0100】
選択的に、心拍センシング機構が制御端末に加えられていてもよい。タッチ・ポイントが指定持続時間を超えてムーブメント信号を送信しないことを、制御端末が検出した場合、制御端末は、そのような状況を被制御端末へ通知するために、タッチ・ポイントのポジションが不変のままである期間にわたって所定のインターバルで被制御端末へ心拍メッセージを送信してもよい。例えば、制御端末は200ms毎に心拍メッセージを送信する。
【0101】
それに応じて、被制御端末は指定持続時間内に心拍メッセージを受信した場合、被制御端末は、心拍メッセージが受信された時点をスタートとして使用することにより、指定持続時間が終了するターゲット時点を決定する。即ち、指定持続時間の終了時点が、ターゲット時点として更新される。被制御端末は、更新された指定持続時間内に、指定データが受信されたか否かをモニタリングする。
【0102】
選択的に、
図4の実施形態において、指定持続時間のタイミングに関してタイマーが使用される場合、タイマーが指定持続時間に到達する前に、心拍メッセージが受信されると、タイマーは更新されてもよく、それにより、タイマーは、心拍メッセージが受信された時点でタイミングをリスタートするように設定される。
【0103】
本開示の上記実施形態では、第2データ・パケットが欠落したか否かを判断する複数の方法は独立に実行されてよい点に留意すべきである。選択的に、例外制御を可能な限り減らすために、第2データ・パケットを判別する上記複数の方法が組み合わせられてもよい。
【0104】
例えば、第1データ・パケットに対応する第3データ・パケットは、第1データ・パケットが受信された後に取得されるかもしれない。第1データ・パケットと第3データ・パケットとの間で第2データ・パケットが欠落したか否かを、タッチ・イベント・シーケンスに従って検出する場合に、第1データ・パケットに含まれる第1タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第1データ・パケットが受信された時点を開始時点として利用することにより、第1データ・パケットが受信された後に指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されたか否かを更にモニタリングしてもよい。
【0105】
それに応じて、
図4の実施形態において、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信された場合、指定データ・パケットが第1データ・パケットとして使用され、過去の第1データ・パケットは第3データ・パケットとして使用される。そして、決定された第1データ・パケットと第3データ・パケットとの間で第2データ・パケットが欠落しているか否かが、上記の実施形態で説明された方式に従って判断されてもよい。
【0106】
以下、本開示の実施形態によるデータ処理装置を説明する。以下に説明されるデータ処理装置及び上記のデータ処理方法は、互いに対応していてもよく、相互に参照されるように利用されてよい。
【0107】
図5を参照すると、
図5は本開示によるデータ処理装置の実施形態についての概略構造図である。この実施形態の装置は、受信ユニット501と、判断ユニット502と、イベント生成ユニット503と、イベント処理ユニット504とを含んでよい。
【0108】
受信ユニット501は、制御端末により送信された第1データ・パケットを受信するように構成される。第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とを含む。第1識別子は、タッチスクリーン上で共存する異なるタッチ・ポイント同士を区別するために使用され、タッチスクリーン上で順次に存在する個々のタッチ・ポイントは同じ第1識別子を有する。
【0109】
判断ユニット502は、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とに従って、第1タッチ・イベントに連続して実行される第2タッチ・イベントを含む第2データ・パケットが欠落しているか否かを判断するように構成される。
【0110】
イベント生成ユニット503は、第2データ・パケットが欠落している場合に、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントを生成するように構成される。
【0111】
イベント処理ユニット504は、第2タッチ・イベントが帰属するタッチ・オペレーションを被制御端末が実行するように制御するために、第2タッチ・イベントを処理するように構成される。
【0112】
選択的に、第2データ・パケットに対応する前記第2タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間に指定生成順序が存在する。
【0113】
この場合、イベント処理ユニットは、第2タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとを指定生成順序と同じ順序で被制御端末が処理するように制御するために、指定生成順序に基づいて第2タッチ・イベントを処理するように構成される。
【0114】
選択的に、可能な実施例において、判断ユニットは、経時的取得ユニットとイベント検出ユニットとを含んでもよい。
【0115】
経時的取得ユニットは、第1データ・パケットが受信される場合において、第1データ・パケットが受信される前に、最終受信データ・パケットである第3データ・パケットを取得するように構成される。第3データ・パケットは第3タッチ・イベントと第3タッチ・イベントの第1識別子とを含み、第3タッチ・イベントの第1識別子は、第1タッチ・イベントの第1識別子と同じである。
【0116】
イベント検出ユニットは、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で第2タッチ・イベントが欠落しているか否かを、所定のタッチ・イベント・シーケンスに従って検出するように構成される。
【0117】
選択的に、タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・ムーブ・イベント、及びタッチ・アップ・イベントをその順序で含む。
【0118】
イベント検出ユニットは第1検出サブユニットと第2検出サブユニットとを含む。
【0119】
第1検出サブユニットは:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントである場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントが欠落していると判断するように構成され、この場合において、欠落したタッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0120】
第2検出サブユニットは:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではない場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・ダウン・イベントが欠落していると判断するように構成され、その場合において、欠落したタッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0121】
選択的に、第1データ・パケットが第2識別子を更に含み、第2識別子は、同じ第1識別子を有する異なるタッチ・オペレーションを識別するために使用される。
【0122】
この場合、イベント検出ユニットはイベント検出サブユニットを含む。イベント検出サブユニットは、所定のタッチ・イベント・シーケンス、第3タッチ・イベントの第2識別子、及び第1タッチ・イベントの第2識別子に従って、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で第2タッチ・イベントが欠落しているか否かを検出するように構成される。
【0123】
選択的に、タッチ・イベント・シーケンスは、タッチ・ダウン・イベント、タッチ・ムーブ・イベント、及びタッチ・アップ・イベントをその順序で含む。
【0124】
この場合、イベント検出サブユニットは、第1検出サブユニットと、第2検出サブユニットと、第3検出サブユニットとを含む。
【0125】
第1検出サブユニットは:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントである場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントが欠落していると判断するように構成され、その場合において、欠落したタッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0126】
第2検出サブユニットは:第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではない場合に、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・ダウン・イベントが欠落していると判断するように構成され、この場合において、欠落したタッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0127】
第3検出サブユニットは、第1タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベントではなく、第3タッチ・イベントがタッチ・ダウン・イベント又はタッチ・ムーブ・イベントである場合に、第3タッチ・イベントの第2識別子が、第1タッチ・イベントの第2識別子と同じであるか否かを判断し、第3タッチ・イベントの第2識別子が、第1タッチ・イベントの第2識別子と同じではない場合、第3タッチ・イベントと第1タッチ・イベントとの間で、タッチ・イベント・シーケンスにおけるタッチ・アップ・イベントとタッチ・ダウン・イベントとが順次に欠落していると判断するように構成され、この場合において、タッチ・アップ・イベントと第3タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属し、タッチ・ダウン・イベントと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属している。
【0128】
選択的に、第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。
【0129】
第3データ・パケットは、第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を更に含む。
【0130】
イベント生成ユニットはポジション決定サブユニットと作成サブユニットとを含む。
【0131】
ポジション決定サブユニットは、第1タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標又は第3タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標を決定するように構成される。
【0132】
作成サブユニットは、第2タッチ・イベントのタッチ・ポジションの座標に従って、タッチ・ポジションの座標を含む第2タッチ・イベントを生成するように構成される。
【0133】
選択的に、可能な別の実施例において、判断ユニットはモニタリング・ユニットと欠落判断ユニットとを含んでもよい。
【0134】
モニタリング・ユニットは、第1タッチ・イベントがタッチ・アップ・イベントではない場合に、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されたか否かを、前記第1データ・パケットが受信される時点によりモニタリングするように構成される。指定データ・パケットにおける第1識別子は、第1データ・パケットの第1識別子と同じである。
【0135】
欠落判断ユニットは、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されない場合、第2データ・パケットは欠落していると判断するように構成される。第2データ・パケットはタッチ・アップ・イベントを含み、第2データ・パケットと第1タッチ・イベントとは同じタッチ・オペレーションに帰属する。
【0136】
選択的に、本装置は心拍モニタリング・ユニットを更に含んでいてもよい。
【0137】
心拍モニタリング・ユニットは、指定持続時間内に心拍メッセージをモニタリングするように構成される。
【0138】
この場合、検出ユニットは、心拍メッセージが指定持続時間内に受信される場合に、指定データ・パケットが指定持続時間内に受信されたか否かを、心拍メッセージが受信される時点によりモニタリングするように構成される。
【0139】
本開示の実施形態はインテリジェント・デバイスを更に提供する。インテリジェント・デバイスは、上記のデータ処理装置を含んでよい。
【0140】
図6はインテリジェント・デバイスのハードウェア構造のブロック図である。
図6を参照すると、インテリジェント・デバイスは、プロセッサ1と、通信インターフェース2と、メモリ3と、通信バス4とを含んでいてもよい。
【0141】
プロセッサ1、通信インターフェース2、及びメモリ3は通信バス4を介して互いに通信する。
【0142】
選択的に、通信インターフェース2は、GSMモジュールのインターフェースのような通信モジュールのインターフェースであってもよい。
【0143】
プロセッサ1はプログラムを実行するように構成されている。
【0144】
メモリ3はプログラムを保存するように構成されている。
【0145】
プログラムはプログラム・コードを含んでもよく、プログラム・コードはコンピュータ・オペレーシング・インストラクションを含む。
【0146】
プロセッサ1は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は1つ以上の集積回路であって本願の実施形態を実現するように構成されるものであってよい。
【0147】
メモリ3は、高速RAMメモリを含んでもよいし、或いは少なくとも1つの磁気ディスク・メモリのような不揮発性メモリを更に含んでもよい。
【0148】
プログラムは以下のステップに関して実行される:
制御端末により送信された第1データ・パケットを受信するステップであって、第1データ・パケットは、第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とを含み、第1識別子は、タッチスクリーン上で共存する異なるタッチ・ポイント同士を区別するために使用され、タッチスクリーン上で順次に存在する個々のタッチ・ポイントは同じ第1識別子を有する、ステップ;
第1タッチ・イベントと第1タッチ・イベントの第1識別子とに従って、第1タッチ・イベントに連続して実行される第2タッチ・イベントを含む第2データ・パケットが欠落しているか否かを判断するステップ;
第2データ・パケットが欠落している場合に、第2データ・パケットに対応する第2タッチ・イベントを生成するステップ;及び
第2タッチ・イベントが帰属するタッチ・オペレーションを被制御端末が実行するように制御するために、第2タッチ・イベントを処理するステップ。
【0149】
本明細書における実施形態は段階的に進行する形式で全て説明されている点に留意すべきである。各実施形態の説明は他の実施形態に対する相違点に着目している。これらの実施形態の中で同一又は類似する部分に関し、実施形態は相互に参照されてよい。実施形態において開示される装置は、実施形態において開示される方法に対応し、従って概略的に説明されている。関連する部分については、方法の説明を参照してよい。
【0150】
当業者は、本願で開示される実施形態とのコンビネーションで説明される実施例のユニット及びアルゴリズム・ステップは、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを利用して実現され得ることを、更に理解するであろう。ハードウェア及びソフトウェア間の可換性を明確に説明するために、具体例の構成及びステップは、上記の説明における機能に応じて一般的に説明されている。これらの機能がハードウェア又はソフトウェアのモードで実現されるか否かは、特定のアプリケーションや、技術的解決手段の設計制約条件に依存する。当業者は、各々の特定のアプリケーションに関して説明された機能を実現するために様々な方法を利用することが可能であるが、そのような実現が本開示の範囲を超えてしまうように解釈されるべきではない。
【0151】
本願で開示される実施形態とのコンビネーションで説明される方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェア・モジュール、或いはそれらの組み合わせにより直接的に実現されてもよい。ソフトウェア・モジュールは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ、リード・オンリ・メモリ(ROM)、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なROM(EEPROM)、レジスタ、ハード・ディスク、取り外し可能な磁気ディスク、CD-ROM、又は当該技術分野で既知の他の形式の任意の記憶媒体に配置されてよい。
【0152】
開示される実施形態の上記説明は、本開示を実現又は使用することを当業者に可能にする。これらの実施形態に対する様々な変形は当業者にとって自明である。本願で規定される一般的な原理は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実現されてよい。従って、本開示は本願で説明されたこれらの実施形態に限定されず、本願で開示される原理及び新規な特徴と矛盾しない最広義の範囲に従う。