【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本出願によって提供される技術的方案は以下のようである。
【0006】
発電所の共通接続点の電圧変動を抑制する方法であって、
予め設定された条件を満たす場合に、有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得することと、
有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流に基づいて、電力網インピーダンスを算出することと、
前記電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて、無効電力補償係数を算出することと、
前記無効電力補償係数に基づいて、発電所の出力する必要がある無効電力を算出して発電所内の各インバータに発行することとを含む。
【0007】
好ましくは、前記した予め設定された条件を満たす場合に有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得することは、
予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の有効電力差分が第1の閾値よりも大きいと、前記予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の電圧をそれぞれ前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧とし、前記予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の電流をそれぞれ前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電流とし、
又は、発電所の共通接続点の有効電力が第2の閾値よりも大きい場合、制限コマンドを発電所内の各インバータに発行して、発電所の共通接続点の有効電力の変化差分を前記第1の閾値よりも大きくし、取得した入力情報に基づいて、前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得することとを含む。
【0008】
好ましくは、前記した有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流に基づいて、電力網インピーダンスを算出することは、
V
p1=V
d1+jV
q1、V
p2=V
d2+jV
q2、I
p1=I
d1+jI
q1、I
p2=I
d2+jI
q2及びα=[(V
d1.V
d2)×(I
d1-I
d2)+(V
q1-V
q2)×(I
q1-I
q2)]÷[(V
q1-V
q2)×(I
d1-I
d2)-(V
d1-V
d2)×(I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンス角αを算出することと、
r=α×(V
d1-V
d2) ÷[α×(I
d1-I
d2)-(I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンスrを算出することと、
x=(V
d1-V
d2) ÷[α×(I
d1-I
d2)- (I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンスxを算出することと、を含み、
なお、V
p1は有効電力の変化前の発電所共通接続点の電圧であり、V
p2は有効電力の変化後の発電所の共通接続点の電圧であり、I
p1は有効電力の変化前の発電所の共通接続点の電流であり、I
p2は有効電力の変化後の発電所の共通接続点の電流である。
【0009】
好ましくは、前記した前記電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて無効電力補償係数を算出することは、
及び
に基づいて、無効電力補償係数Kを算出することを含み、
なお、rとxは前記電力網インピーダンスであり、Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の有効電力であり、V
Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧の絶対値である。
【0010】
好ましくは、前記した前記無効電力補償係数に基づいて発電所の出力する必要がある無効電力を算出することは、
に基づいて、発電所の出力する必要がある無効電力Qを算出することを含み、
なお、Kは前記無効電力補償係数であり、Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の有効電力である。
【0011】
発電所の共通接続点の電圧変動を抑制する装置であって、
予め設定された条件を満たす場合に、有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得するための取得ユニットと、
有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流に基づいて、電力網インピーダンスを算出するための第1の算出ユニットと、
前記電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて、無効電力補償係数を算出するための第2の算出ユニットと、
前記無効電力補償係数に基づいて、発電所の出力する必要がある無効電力を算出するための第3の算出ユニットと、
前記発電所の出力する必要がある無効電力を発電所内の各インバータに発行するための発行ユニットとを含む。
【0012】
好ましくは、前記取得ユニットは、
予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の有効電力差分が第1の閾値よりも大きい場合、前記予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の電圧をそれぞれ前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧とし、前記予め設定された時間内の2つの時点における発電所の共通接続点の電流をそれぞれ前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電流とするための自動取得ユニットと、
発電所の共通接続点の有効電力が第2の閾値よりも大きい場合、前記発行ユニットが制限コマンドを発電所内の各インバータに発行することによって、発電所の共通接続点の有効電力の変化差分を前記第1の閾値よりも大きくし、取得した入力情報に基づいて前記有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得するための手動取得ユニットとを含む。
【0013】
好ましくは、前記第1の算出ユニットは、
V
p1=V
d1+jV
q1、V
p2=V
d2+jV
q2、I
p1=I
d1+jI
q1、I
p2=I
d2+jI
q2及びα=[(V
d1-V
d2)×(I
d1-I
d2)+(V
q1-V
q2)×(I
q1-I
q2)]÷[(V
q1-V
q2)×(I
d1-I
d2)-(V
d1-V
d2)×(I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンス角αを算出するための第1のサブ算出ユニットと、
r=α×(V
d1-V
d2) ÷[α×(I
d1-I
d2)- (I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンスrを算出するための第2のサブ算出ユニットと、
x=(V
d1-V
d2) ÷[α×(I
d1-I
d2)- (I
q1-I
q2)]に基づいて、電力網インピーダンスxを算出するための第3のサブ算出ユニットと、を含み、
なお、V
p1は有効電力の変化前の発電所の共通接続点の電圧であり、V
p2は有効電力の変化後の発電所の共通接続点の電圧であり、I
p1は有効電力の変化前の発電所の共通接続点の電流であり、I
p2は有効電力の変化後の発電所の共通接続点の電流である。
【0014】
好ましくは、前記第2の算出ユニットが前記電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて無効電力補償係数を算出する際に、具体的に、
及び
に基づいて、無効電力補償係数Kを算出し、
なお、rとxは前記電力網インピーダンスであり、Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の有効電力であり、V
Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧の絶対値である。
【0015】
好ましくは、前記第3の算出ユニットが前記無効電力補償係数に基づいて発電所の出力する必要がある無効電力を算出する際に、具体的に、
に基づいて、発電所の出力する必要がある無効電力Qを算出し、
なお、Kは前記無効電力補償係数であり、Pはリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の有効電力である。
【0016】
本発明によって提供される発電所の共通接続点の電圧変動を抑制する方法は、まず、予め設定された条件を満たす場合に、有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流を取得し、その後、有効電力の変化前後の発電所の共通接続点の電圧及び電流に基づいて、電力網インピーダンスを算出し、さらに、前記電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて、無効電力補償係数を算出し、最後に、前記無効電力補償係数に基づいて、発電所の出力する必要がある無効電力を算出して発電所内の各インバータに発行し、電力網インピーダンスが大きい弱い網に適用される場合であっても、電圧変動を抑制するための無効電力補償係数は、電力網インピーダンスとリアルタイムで取得する発電所の共通接続点の電圧と有効電力との関係に基づいて算出されるものであり、即ち、本出願の無効電力係数の算出は、適用される電力網インピーダンスに直接関係して、電圧変動を根本的に抑制することができ、従来技術における問題が解決される。
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術的方案をより明確に説明するために、以下、実施例や従来技術の説明に用いられる図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎない。当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な作業を行うことなく他の図面を得ることもできる。