(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6682713
(24)【登録日】2020年3月27日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】スツール
(51)【国際特許分類】
A47C 9/00 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-4830(P2020-4830)
(22)【出願日】2020年1月16日
【審査請求日】2020年1月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000151092
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】堀田 峰布子
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−227878(JP,A)
【文献】
特開平11−278586(JP,A)
【文献】
特開2016−106836(JP,A)
【文献】
実開平06−041573(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3196499(JP,U)
【文献】
特開2017−105513(JP,A)
【文献】
特開2017−196326(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104386363(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第102641056(CN,A)
【文献】
来客にサプライズを。紙でできた折りたたみ椅子『DuCote(デュコテ)』がお洒落で便利。,インターネット,2019年 5月10日,[検索日:令和2年2月7日],URL,https://www.fukulow.info/ducote/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの辺を有する布製のシート部材が、前記4つの辺のうち互いに向かい合う第1辺と第3辺が互いに平行になるように折り曲げられ、
前記シート部材が折り曲げられることにより形成される折り目部に、前記折り目部と交差する方向に切り込みが入れられて、前記折り目部に複数の小片部が設けられ、
前記折り曲げられた前記シート部材が、前記4つの辺のうち第2辺が中心側となるように、前記第2辺から第4辺に向けて巻き上げられることにより本体部が形成され、
前記折り目部に設けられた前記小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより座面が構成されることを特徴とするスツール。
【請求項2】
前記切り込みは、前記折り目部に対して垂直に入れられている、請求項1に記載のスツール。
【請求項3】
前記切り込みは、前記折り目部に対して斜めに交差するように入れられている、請求項1に記載のスツール。
【請求項4】
前記切り込みの深さは、前記第2辺の側の切り込みよりも前記第4辺の側の切り込みのほうが浅くなるように設定されている、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項5】
前記切り込みの深さは、前記第2辺の側の切り込みよりも前記第4辺の側の切り込みのほうが深くなるように設定されている、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項6】
前記切り込みの間隔は、前記第4辺の側の切り込みよりも前記第2辺の側の切り込みのほうが細かくなるように設定されている、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項7】
前記シート部材には、前記第1辺が前記第3辺に向けて折り曲げられることにより、第1の折り目部が形成されるとともに、前記第3辺が前記第1辺に向けて折り曲げられることにより第2の折り目部が形成され、
前記第1の折り目部に、前記第1の折り目部と交差する方向に第1の切り込みが入れられて、複数の第1の小片部が設けられるとともに、前記第2の折り目部に、前記第2の折り目部と交差する方向に第2の切り込みが入れられて、複数の第2の小片部が設けられ、
前記第1の折り目部に設けられた前記第1の小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより座面が構成されるとともに、前記第2の折り目部に設けられた前記第2の小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより底面が構成される、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項8】
異なる色の複数の前記シート部材が重ねられた状態で構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項9】
前記折り曲げられた前記シート部材が、前記第2辺が中心側となるように、前記第2辺から前記第4辺に向けて巻き上げられることにより第1の座面が構成されるとともに、前記第4辺が中心側となるように、前記第4辺から前記第2辺に向けて巻き上げられることにより第2の座面が構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスツール。
【請求項10】
前記シート部材には、前記シート部材を巻き上げられた状態で固定するための固定部が設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布製のスツールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々なスツール(背もたれのない椅子)が提案されている。例えば、人間工学に適合し、積み重ねて保管しやすく、加工製造しやすいスツールが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3221517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスツールは、木製や金属製であり、製造コストが高いという問題があった。また、木製や金属製のスツールは、重量があり省スペース化も困難であるという問題があった。また、木製や金属製のスツールは、汚れた場合に簡単に洗うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、これまでにない布製のスツールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスツールは、4つの辺を有する布製のシート部材が、前記4つの辺のうち互いに向かい合う第1辺と第3辺が互いに平行になるように折り曲げられ、前記シート部材が折り曲げられることにより形成される折り目部に、前記折り目部と交差する方向に切り込みが入れられて、前記折り目部に複数の小片部が設けられ、前記折り曲げられた前記シート部材が、前記4つの辺のうち第2辺が中心側となるように、前記第2辺から第4辺に向けて巻き上げられることにより本体部が形成され、前記折り目部に設けられた前記小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより座面が構成されている。
【0007】
この構成によれば、布製のシート部材でスツール(背もたれのない椅子)を作ることができる。この場合、布製のシート部材を材料としているので、木製や金属製のスツールに比べて、低コストでスツールを作ることができる。また、布製のシート部材を材料としているので、木製や金属製のスツールに比べて、軽量かつ省スペース化が可能であり、保管や輸送(持ち運び)に適している。また、布製のシート部材を材料としているので、スツールが汚れた場合に簡単に洗うことができる。また、布製のシート部材を材料としているので、様々なデザインバリエーションを容易に採用することができ、意匠性の高いスツールを提供することができる。
【0008】
また、本発明のスツールでは、前記切り込みは、前記折り目部に対して垂直に入れられてもよい。
【0009】
この構成によれば、切り込みの角度を折り目部に対して垂直にすることにより、スツールの座面のクッション性を高くすることができる。
【0010】
また、本発明のスツールでは、前記切り込みは、前記折り目部に対して斜めに交差するように入れられてもよい。
【0011】
この構成によれば、切り込みの角度を折り目部に対して斜めにすることにより、スツールの座面の面積を大きくすることができる。
【0012】
また、本発明のスツールでは、前記切り込みの深さは、前記第2辺の側の切り込みよりも前記第4辺の側の切り込みのほうが浅くなるように設定されてもよい。
【0013】
この構成によれば、切り込みの深さを変えることにより、スツールの座面を中心側のほうが低くなるように構成でき、スツールに深く座るときの座り心地が良好となる。
【0014】
また、本発明のスツールでは、前記切り込みの深さは、前記第2辺の側の切り込みよりも前記第4辺の側の切り込みのほうが深くなるように設定されてもよい。
【0015】
この構成によれば、切り込みの深さを変えることにより、スツールの座面を中心側のほうが高くなるように構成でき、スツールに浅く腰掛けるときの座り心地が良好となる。
【0016】
また、本発明のスツールでは、前記切り込みの間隔は、前記第4辺の側の切り込みよりも前記第2辺の側の切り込みのほうが細かくなるように設定されてもよい。
【0017】
この構成によれば、切り込みの間隔を変えることにより、花のようなデザインのスツールを作ることができ、意匠性の高いスツールを提供することができる。
【0018】
また、本発明のスツールでは、前記シート部材には、前記第1辺が前記第3辺に向けて折り曲げられることにより、第1の折り目部が形成されるとともに、前記第3辺が前記第1辺に向けて折り曲げられることにより第2の折り目部が形成され、前記第1の折り目部に、前記第1の折り目部と交差する方向に第1の切り込みが入れられて、複数の第1の小片部が設けられるとともに、前記第2の折り目部に、前記第2の折り目部と交差する方向に第2の切り込みが入れられて、複数の第2の小片部が設けられ、前記第1の折り目部に設けられた前記第1の小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより座面が構成されるとともに、前記第2の折り目部に設けられた前記第2の小片部が、前記中心側から外側に向けて折り曲げられることにより底面が構成されてもよい。
【0019】
この構成によれば、第1の小片部によりスツールの座面が形成されるとともに、第2の小片部によりスツールの底面が形成されるので、スツールの安定感が向上する。
【0020】
また、本発明のスツールは、異なる色の複数の前記シート部材が重ねられた状態で構成されてもよい。
【0021】
この構成によれば、異なる色の複数のシート部材を重ねることにより、スツールのデザインバリエーションを増やすことができ、意匠性の高いスツールを提供することができる。
【0022】
また、本発明のスツールでは、前記折り曲げられた前記シート部材が、前記第2辺が中心側となるように、前記第2辺から前記第4辺に向けて巻き上げられることにより第1の座面が構成されるともに、前記第4辺が中心側となるように、前記第4辺から前記第2辺に向けて巻き上げられることにより第2の座面が構成されてもよい。
【0023】
この構成によれば、2つの座面(第1の座面と第2の座面)が形成され、二人掛けのスツールを提供することができる。
【0024】
また、本発明のスツールでは、前記シート部材には、前記シート部材を巻き上げられた状態で固定するための固定部が設けられてもよい。
【0025】
この構成によれば、シート部材を巻き上げられた状態で固定することができ、スツールを安定した状態で使用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、これまでにない布製のスツールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施の形態におけるスツールの説明図である。
【
図2】切り込みの深さと本体部の高さ(座高)と座面の面積(座面積)の説明図である。
【
図3】切り込みの角度を変えたスツールの説明図である。
【
図4】切り込みの深さを変えたスツールの説明図である。
【
図5】上下に切り込みを入れたスツールの説明図である。
【
図6】異なる色の2枚のシート部材で構成したスツールの説明図である。
【
図8】切り込みの間隔を変えたスツールの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態の布製のスツールについて、図面を用いて説明する。
【0029】
本発明の実施の形態のスツールの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のスツールの説明図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態のスツール10は、4つの辺を有する四角形状の布製のシート部材1から構成されている。
図1(b)に示すように、まず、4辺のうち互いに向かい合う第1辺(
図1(a)における上辺A)と第3辺(
図1(a)における下辺C)が互いに平行になるように、シート部材1が半分に折り曲げられる。
【0030】
シート部材1が折り曲げられると、シート部材1の中央(
図1(a)における中央)に折り目部2が形成される。そして、この折り目部2に、折り目部2と交差する方向に切り込み3が入れられると、
図1(b)に示すように、折り目部2に複数の小片部4が設けられる。
【0031】
つぎに、
図1(c)に示すように、折り曲げられたシート部材1が、4辺のうち第2辺(
図1における左辺B)が中心側となるように、第2辺(
図1(a)における左辺B)から第4辺(
図1(a)における右辺D)に向けて巻き上げられる。これにより、スツール10の本体部5が形成される。
【0032】
そして、
図1(d)に示すように、折り目部2に設けられた小片部4が、中心側から外側に向けて折り曲げられる。これにより、スツール10の座面6が形成される。
【0033】
本実施の形態では、布製のシート部材1でスツール10(背もたれのない椅子)を作ることができる。この場合、布製のシート部材1を材料としているので、木製や金属製のスツールに比べて、低コストでスツール10を作ることができる。また、布製のシート部材1を材料としているので、木製や金属製のスツールに比べて、軽量かつ省スペース化が可能であり、保管や輸送(持ち運び)に適している。また、布製のシート部材1を材料としているので、スツール10が汚れた場合に簡単に洗うことができる。また、布製のシート部材1を材料としているので、様々なデザインバリエーションを容易に採用することができ、意匠性の高いスツール10を提供することができる。
【0034】
この場合、
図2に示すように、切り込み3の深さを変えることにより、本体部5の高さ(座高)と座面6の面積(座面積)を変えることができる。例えば、切り込み3を深くすることにより、本体部5の高さ(座高)を低く、座面6の面積(座面積)を大きくすることができる。逆に、切り込み3を浅くすることにより、本体部5の高さ(座高)を高く、座面6の面積(座面積)を小さくすることができる。
【0035】
図3は、切り込み3の角度を変えた場合のスツール10の説明図である。
図3(a)の例では、切り込み3が、折り目部2に対して垂直に入れられている。このように、切り込み3の角度を折り目部2に対して垂直にすることにより、スツール10の座面6のクッション性を高くすることができる。
【0036】
一方、
図3(b)の例では、切り込み3が、折り目部2に対して斜めに交差するように入れられている。このように、切り込み3の角度を折り目部2に対して斜めにすることにより、スツール10の座面6の面積を大きくすることができる。
【0037】
図4は、切り込み3の深さを変えた場合のスツール10の説明図である。
図4(a)の例では、切り込み3の深さが、第2辺(左辺B)の側の切り込み3よりも第4辺(右辺D)の側の切り込み3のほうが浅くなるように設定されている。このように切り込み3の深さを変えることにより、スツール10の座面6を中心側のほうが低くなるように構成でき、スツール10に深く座るときの座り心地が良好となる。
【0038】
一方、
図4(b)の例では、切り込み3の深さが、第2辺(左辺B)の側の切り込み3よりも第4辺(右辺D)の側の切り込み3のほうが深くなるように設定されている。このように切り込み3の深さを変えることにより、スツール10の座面6を中心側のほうが高くなるように構成でき、スツール10に浅く腰掛けるときの座り心地が良好となる。
【0039】
図5は、上下に切り込み3を入れた場合のスツール10の説明図である。
図5(a)に示すように、この場合、シート部材1の第1辺(上辺A)が第3辺(下辺C)に向けて折り曲げられることにより、第1の折り目部2(
図5(a)における上側の折り目部2)が形成されている。また、シート部材1の第3辺(下辺C)が第1辺(上辺A)に向けて折り曲げられることにより第2の折り目部2(
図5(a)における下側の折り目部2)が形成されている。
【0040】
つぎに、
図5(b)に示すように、第1の折り目部2に、第1の折り目部2と交差する方向に第1の切り込み3が入れられることにより、複数の第1の小片部4(
図5(a)における上側の小片部4)が設けられている。また、第2の折り目部2に、第2の折り目部2と交差する方向に第2の切り込み3が入れられることにより、複数の第2の小片部4(
図5(a)における下側の小片部4)が設けられている。
【0041】
そして、
図5(c)に示すように、第1の折り目部2に設けられた第1の小片部4が、中心側から外側に向けて折り曲げられることにより、スツール10の座面6が形成されている。また、第2の折り目部2に設けられた第2の小片部4が、中心側から外側に向けて折り曲げられることにより、スツール10の底面7が形成されている。
【0042】
このようにして、第1の小片部4によりスツール10の座面6が形成されるとともに、第2の小片部4によりスツール10の底面7が形成されるので、スツール10の安定感が向上する。
【0043】
図6は、異なる色の複数のシート部材1で構成した場合のスツール10の説明図である。なお、
図6では、2枚のシート部材1でスツール10を構成する場合について説明するが、シート部材1の枚数は3枚以上であってもよい。
【0044】
図6(a)の例では、異なる色の2枚のシート部材1が折り曲げられた状態で重ねられている。また、
図6(b)の例では、異なる色の2枚のシート部材1が重ねられた状態で折り曲げられている。このように、異なる色の複数のシート部材1を重ねることにより、スツール10のデザインバリエーションを増やすことができ、意匠性の高いスツール10を提供することができる。
【0045】
図7は、二人掛けのスツール10の説明図である。この場合、
図7(a)に示すように折り曲げられたシート部材1を、
図7(b)に示すように、第2辺(左辺B)が中心側となるように、第2辺(左辺B)から第4辺(右辺D)に向けて巻き上げるとともに、第4辺(右辺D)が中心側となるように、第4辺(右辺D)から第2辺(左辺B)に向けて巻き上げる。そうすると、
図7(c)に示すように、2つの座面6(第1の座面6と第2の座面6)が形成される。このようにして、二人掛けのスツール10を提供することができる。
【0046】
図8は、切り込み3の間隔を変えた場合のスツール10の説明図である。
図8(a)の例では、切り込み3の間隔が、第4辺(右辺D)の側の切り込み3よりも第2辺(左辺B)の側の切り込み3のほうが細かくなるように設定されている。このように切り込み3の間隔を変えることにより、
図8(b)に示すように、花のようなデザインのスツール10を作ることができ、意匠性の高いスツール10を提供することができる。
【0047】
図9〜
図11は、スツール10の固定部8の説明図である。
図9〜
図11に示すように、シート部材1には、シート部材1を巻き上げられた状態で固定するための固定部8が設けられている。固定部8を設けることにより、シート部材1を巻き上げられた状態で固定することができ、スツール10を安定して状態で使用することができる。
【0048】
図9の例では、固定部8が、シート部材1の一部を利用して形成された紐として構成されている。この場合、
図9(a)に示すように、固定部8の紐は、シート部材1の第2辺(左辺B)の側に設けられている。
図9(b)に示すように、シート部材1が巻き上げられた状態で、固定部8の紐は伸ばされた状態とされる。そして、
図9(c)に示すように、本体部5に巻き付けて結ぶことにより、シート部材1を巻き上げられた状態で固定することができる。
【0049】
図10の例でも、固定部8が、シート部材1の一部を利用して形成された紐として構成されている。この場合、
図10(a)に示すように、固定部8の紐は、シート部材1の第4辺(右辺D)の側に設けられている。
図10(b)に示すように、シート部材1が巻き上げる前に、固定部8の紐は、シート部材1の内側を通して、伸ばされた状態とされ、
図10(c)に示すように、シート部材1が巻き上げられる。そして、
図10(d)に示すように、本体部5に巻き付けて結ぶことにより、シート部材1を巻き上げられた状態で固定することができる。
【0050】
図11の例では、固定部8が、シート部材1の一部に取り付けられた接着材(または、面ファスナー、ボタンなど)として構成されている。この場合、
図11(a)に示すように、固定部8の接着材(または、面ファスナー、ボタンなど)は、シート部材1の第2辺(左辺B)の側に設けられている。そして、
図9(b)に示すように、固定部8の接着材(または、面ファスナー、ボタンなど)によって、シート部材1を巻き上げられた状態で固定することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかるスツールは、布製のシート部材でスツール(背もたれのない椅子)を作ることができ、持ち運びできるスツールや洗濯できるスツール等として有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 シート部材
2 折り目部
3 切り込み
4 小片部
5 本体部
6 座面
7 底面
8 固定部
10 スツール
【要約】
【課題】 これまでにない布製のスツールを提供する。
【解決手段】 4つの辺を有する布製のシート部材1が、4つの辺のうち互いに向かい合う第1辺と第3辺が互いに平行になるように折り曲げられる。シート部材1が折り曲げられることにより形成される折り目部2に、折り目部2と交差する方向に切り込み3が入れられて、折り目部2に複数の小片部4が設けられる。折り曲げられたシート部材1が、4つの辺のうち第2辺が中心側となるように、第2辺から第4辺に向けて巻き上げられることによりスツール10の本体部5が形成される。折り目部2に設けられた小片部4が、中心側から外側に向けて折り曲げられることによりスツール10の座面6が構成される。
【選択図】
図1