【実施例】
【0016】
以下、図面と共に本発明によるレゾルバのリード線引出し構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明する。
また、本発明の説明について、一部を省略しているため、この省略部分については、従来構成の
図13から
図16の構成を本発明に援用して用いるものとする。
図1において符号1で示されるものは、前述の従来構成のように、内方に向けて所定角度間隔で突出する多数の突出磁極8を有すると共にロータ1Cが内設される輪状ステータコアであり、前記輪状ステータコア1の第1端面1A及び第2端面1Bには、一体又は別体にて形成された第1輪状絶縁キャップ20及び第2輪状絶縁キャップ30が設けられている。
【0017】
前記各突出磁極8には、前記各輪状絶縁キャップ20,30を介してステータ巻線2が巻回されている。
前記第1輪状絶縁キャップ20(又は、第2輪状絶縁キャップ30何れか一方)の一端20aには、半径方向Aの外方へ向けて一体に突出する扇形をなす端子ピン保持部材5が設けられている。
尚、図2のように、前記溝部40の長さは端子ピン保持部材5の長さより短く形成されている。
【0018】
前記端子ピン保持部材5の外側位置には、断面凹状をなすと共に外縁40aが弧状に形成された長手の溝部40が一体に形成されている。
前記端子ピン保持部材5の背面5Aは、
図2で示されるように構成されており、前記端子ピン保持部材5の背面5Aには、前記扇形のスペース構成を効率よく用いるために、その背面5Aが第1部分5D及び第2部分5Eの二部分に分けられ、前記各部分5D,5Eには3個ずつの端子ピン4aが設けられている。
【0019】
前記各端子ピン4aは、周知のL字形の圧着端子
4bで構成され、
図2でみて、前記各端子ピン4aは、ハの字型となるように配設されている。
前記各端子ピン4aはL字型であるため、
図2で示される状態では、
図9及び
図10で示されるように、垂直方向に立設しており、
図9及び
図11で示される角カップ型をなす蓋部41が各端子ピン4aを覆うように構成されている。
【0020】
次に、
図4は、
図1のリード線7が前記溝部40の他方側Cから外部へ引出されている構成に対し、前記他方側Cの反対側である一方側Bから前記リード線7が外部へ引出されている。
図5は、前記端子ピン保持部材5及び溝部40の背面5Aを示し、
図6は、
図5の端子ピン保持部材5に対して、各端子ピン4aの裏側、すなわち、圧着端子4bの部分を覆うための裏蓋5Bが設けられ、前記端子ピン保持部材5を貫通した各端子ピン4aは、前述のように、蓋部41で覆われている。
【0021】
図7は、前述の
図2の前記端子ピン保持部材5を拡大して詳細に示しており、前記端子ピン4aは、全体がL字型の周知の圧着端子4bで構成され、前記各圧着端子4bにカシメ状に圧着して接続されたリード線7は、前記溝部40の前記一方側Bから外方へ向けて引出されている。
【0022】
図8は、
図7の前記端子ピン保持部材5に対して裏蓋5Bを装着した状態を示している。
また、
図9は、これまで平面的な状態でしか示していない前記端子ピン保持部材5及び蓋部41の構成(
図3、
図6及び
図8で示す)を横断面で示し、特に、前記溝部40、蓋部41及び端子ピン4aの立体的構造が理解できるように開示されている。
特に、前記蓋部41は、立設された複数の端子ピン4aを覆うことができるように角型カップ状(
図11で示す)で構成されている。
【0023】
図10は、前記輪状ステータコア1の第1端面1A上に前記端子ピン保持部材5が取付けられ、前記端子ピン4aに接続された各リード線7が前記溝部40を経て矢印Fの方向に引出される構成を示している。
また、
図11は、
図10の状態で前記蓋部41を設けて各端子ピン4aを前記蓋部41で覆った状態を示している。
【0024】
次に、本発明の特徴でもある前述の溝部40の外周面40Aは、
図1、
図4及び
図12で示すように、前記輪状ステータコア1のコア外周面1aに対して一致、又は、前記コア外周面1aの手前に位置している。
前述の本発明による前記輪状ステータコア1に設けられた前記リード線7の引出し方向は、
図11の構成が一方側B(CW方向)、
図12の構成が他方側C(CCW方向)であり、何れの方向にも引出し可能である。
【0025】
尚、本発明によるレゾルバのリード線引出し構造の要旨とするところは、以下の通りである。
すなわち、所定角度間隔毎に内方に向けて突出する突出磁極8を有する輪状ステータコア1と、前記輪状ステータコア1の第1、第2端面1A,1Bに設けられた第1、第2輪状絶縁キャップ20,30と、前記第1、第2輪状絶縁キャップ20,30を介して前記各突出磁極8に巻回されたステータ巻線2と、前記ステータ巻線2の端線2aに接続されたリード線7と、よりなるレゾルバのリード線引出し構造において、前記輪状ステータコア1の前記第1又は第2端面1A,1Bに設けられ前記第1又は第2輪状絶縁キャップ20又は30に一体に設けられた端子ピン保持部材5と、前記端子ピン保持部材5の外縁
40aに設けられ
、前記端子ピン保持部材5の長さより短い長さで、かつ、前記外縁40aが弧状に形成された溝部40と、前記端子ピン保持部材5に設けられ前記ステータ巻線2の端線2aに接続され
、L字型の圧着端子4bからなる複数の端子ピン4aと、前記端子ピン4aに接続されたリード線7と、を備え、前記溝部40の外周面40Aは、前記輪状ステータコア1のコア外周面1aと一致、又は、前記コア外周面1aの手前に位置し、前記リード線7は、前記溝部40から一方側B又は他方側Cへ引出され
、前記端子ピン保持部材5上
の複数の
前記端子ピン4a
はハの字状に配設さ
れ、前記端子ピン保持部材5は、扇形をなしている構成である。