特許第6682722号(P6682722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6682722-弁用スプリングのガイド構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682722
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】弁用スプリングのガイド構造
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20200406BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   E03C1/22 B
   A47K1/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-251384(P2015-251384)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-115409(P2017-115409A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕史
【審査官】 中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−176166(JP,U)
【文献】 実開平05−036679(JP,U)
【文献】 特開2004−034336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12− 1/33
F16K 31/44−31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水栓装置や排水配管における各種弁の動作に関与するスプリングにスプリングの付勢方向の変位を防止するガイド部材を挿通した弁用スプリングのガイド構造であって、
前記ガイド部材におけるスプリングの収縮方向側の先端がスプリング内に位置し、
前記ガイド部材の先端が先細りとなる傾斜をつけた形状に形成されている
ことを特徴とする弁用スプリングのガイド構造。
【請求項2】
前記ガイド部材の先端が円弧状、角錐状またはテーパー状に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の弁用スプリングのガイド構造。
【請求項3】
前記ガイド部材の先端の傾斜角度は、前記ガイド部材の軸が変位しうる角度に基づいて設定される
ことを特徴とする請求項1または2記載の弁用スプリングのガイド構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポップアップ弁や逆流防止弁等の弁用スプリングのガイド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、排水栓装置におけるポップアップ弁や排水配管における吸気弁・逆流防止弁などで、弁開閉等の動作に関与する付勢手段としてスプリングが用いられることがある(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0003】
図3は、従来の弁用スプリングのガイド構造を示す図である。ここでは、排水栓装置におけるポップアップ弁のギア構造にスプリングが用いられている例を図示している。この排水栓装置の概略を説明すると、排水栓本体51、弁体52、弁軸53およびスプリング55を備え、スプリング55が上方に付勢し弁軸53を押し上げて弁体52を開く構成となっている。そして、弁用スプリングのガイド構造とは、スプリング55内には弁軸53の下端から延設されたガイド部54を挿通することにより、弁用のスプリングの付勢方向の変位を防止するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−342468号公報
【特許文献2】特開2012−241486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような弁用スプリングのガイド構造では、図4に示すように、外力など何らかの原因でガイド部が傾いた状態のままスプリングが収縮すると、ガイド部の先端が角張っているためガイド部先端がスプリングを巻き込んで破損させてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、ガイド部が傾いてもスプリングを破損させることがなく、開閉動作の安定性に優れた弁用スプリングのガイド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る弁用スプリングのガイド構造は、排水栓装置や排水配管における各種弁の動作に関与するスプリングにスプリングの付勢方向の変位を防止するガイド部材を挿通した弁用スプリングのガイド構造であって、前記ガイド部材におけるスプリングの収縮方向側の先端が先細りとなる傾斜をつけた形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
これにより、ガイド部先端が先細りとなる形状としているので、ガイド部が傾いてもスプリングを巻き込んで破損させることがなく、また、スプリングに接触して誤動作を生じさせることがなく、開閉動作の安定性に優れた弁用スプリングのガイド構造が実現される。
【0009】
ここで、前記ガイド部材の先端が円弧状、角錐状またはテーパー状に形成されているのが好ましい。
【0010】
また、前記ガイド部材の先端の傾斜角度は、前記ガイド部材の軸が偏位しうる角度に基づいて設定されるのが好ましい。
【0011】
これにより、ガイド部の軸の傾きうる角度よりも、ガイド部先端が傾斜することで、スプリングの巻き込みを確実に防ぐことが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係る弁用スプリングのガイド構造によれば、ガイド部先端が先細りとなる形状としているので、ガイド部が傾いても弁用のスプリングを巻き込むことがなく、スプリングの破損や弁開閉の誤動作を防ぐことができ、安定性に優れた弁用スプリングのガイド構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】弁用スプリングのガイド構造を示す図である。
図2】弁用スプリングのガイド部が傾斜した状態を示す図である。
図3】従来の弁用スプリングのガイド構造を示す図である。
図4】従来の構造においてガイド部が傾斜した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る弁用スプリングのガイド構造について図を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、弁用スプリングのガイド構造を示す図である。
【0016】
本実施の形態では、排水栓装置におけるポップアップ弁のギア構造にスプリングが用いられている例を挙げて説明する。排水栓装置は、排水栓本体1、弁体2、弁軸3およびスプリング5を備え、スプリング5が上方に付勢し弁軸3を押し上げて弁体2を開く構成となっている。本実施の形態に係る弁用スプリングのガイド構造は、スプリング5内に弁軸3の下端から延設されたガイド部4を挿通することにより、弁用のスプリング5の付勢方向がずれるのを防止するものである。
【0017】
図1でガイド部近傍を拡大して示すように、ガイド部4におけるスプリング5の収縮方向側先端であるガイド部先端6は先細りとなる傾斜をつけた形状に形成されている。ここでは、ガイド部先端6を円弧状としているが、先細りとなる傾斜をつけた形状であれば角錐状やテーパー状であってもよい。
【0018】
図2は、弁用スプリングのガイド部が傾斜した状態を示す図である。
【0019】
弁体2が開いた状態で弁体2に側方からの外力がかかる等の原因で弁軸3が垂直軸から偏位することがある。弁軸3から延設されたガイド部4も同様に偏位してガイド部4が傾いた状態となる。このとき、図2でガイド部近傍を拡大して示すように、ガイド部先端6は先細りとなる円弧状に形成されているから、ガイド部4が傾いてもスプリング5を巻き込むことがなく、スプリング5を破損させたり誤作動を生じさせたりすることがない。ガイド部先端6の傾斜角度αは、ガイド部4の軸が偏位しうる角度βに基づいて設定されており、角度βよりも角度αが大きくなるように設定することで、ガイド部4の傾きによりスプリング5の巻き込みを確実に防ぐことができる。
【0020】
このように、本実施の形態に係る弁用スプリングのガイド構造によれば、スプリング5内に挿通されるガイド部4において、ガイド部先端6を先細りとなる形状としているので、ガイド部4が何らかの原因で傾いてもスプリング5を巻き込んで破損させることがなく、また、スプリング5に接触して誤動作を発生させることもなく、弁の開閉動作を安定させることができる。
【0021】
以上、本発明に係る弁用スプリングのガイド構造について、実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0022】
例えば、上記実施の形態では、排水栓装置におけるポップアップ弁のギア構造に用いられるスプリングのガイド構造を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。弁用のスプリングにガイド部を挿通してスプリングの付勢方向のズレを防止するものであれば、ポップアップ弁の軸のショックアブソーバーに用いられるスプリングや、常時閉塞型の吸気弁や逆流防止弁等に用いられるスプリングのガイド構造であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、ポップアップ弁や逆流防止弁等の弁用のスプリングを備える部材におけるスプリングのガイド構造として有用である。
【符号の説明】
【0024】
1,51 排水栓本体
2,52 弁体
3,53 弁軸
4,54 ガイド部
5,55 スプリング
6 ガイド部先端

図1
図2
図3
図4