(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
撮像支持部材をさらに備え、前記撮像支持部材は、前記撮像デバイスが、前記装置の操作者の画像と、別の位置、例えば、実質的に反対側に位置する個人の画像とを、好ましくは同時にキャプチャすることを可能にするように配置可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯可搬装置。
不正使用が検出されると、ソフトウェア、ソリューション、コードおよび/または格納されたデータが送信および/もしくは削除され、かつ/または前記デバイスの構成要素が機能停止される、請求項14または15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
セキュリティ物品を認証する可搬装置は、(a)セキュリティ物品を認証するための認証手段と、(b)互いに反対の方向において同時に撮像する撮像手段とを含み、撮像手段は、可搬式に結合されている。装置は、認証手段および撮像手段を収容するための筐体手段を含むことができる。
【0041】
図1および
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による装置が全体として10で示されている。装置10は自己完結型であり、装置を携行する単一の人間によって容易に運搬可能である。装置10は、以下の機能、すなわち、セキュリティ物品を認証すること、セキュリティ物品が真正であるか否かを判定すること、個人の身元を判定すること、セキュリティ物品のユーザがセキュリティ物品の認可されたユーザであるか否かを判定すること、セキュリティ物品のユーザのセキュリティクレデンシャルを判定すること、セキュリティ物品のユーザの権限レベルを判定すること、セキュリティ物品のユーザが特定の領域にアクセスすることを許可されているか否かを判定すること、セキュリティ物品に認証スタンプを印刷すること、認証証明書を印刷すること、および関連する機能のいずれか1つまたは複数のために使用可能である。
【0042】
セキュリティ物品は、一般に、偽造または不正行為からセキュリティ物品を保護するように意図されている少なくとも1つのセキュリティ特徴を含む物品として定義される。セキュリティ物品の例には、様々なサイズの文書、特定の既知の寸法を有する文書、綴じられた文書、冊子形式の文書、閉じられていない文書、シート状文書、単一シート文書、カード状文書およびカードが含まれるが、これらには限定されない。文書タイプのセキュリティ物品の例には、パスポート、身分証明書、ビザ、運転免許証、従業員によって使用されるような識別バッジ、銀行カード、クレジットカード、取引カードなどの金融取引カード、アクセス文書またはカード、入場券、公共交通機関のチケットまたはタイトル(title)、出生証明書、個人が医療サービスを受けることを可能にする健康手帳などが含まれるが、これらには限定されない。状況によっては、セキュリティ物品は、偽造または不正行為から保護される任意の重要品目であってもよい。重要品目タイプのセキュリティ物品の例には、銀行券、学位記、履修証明および株券などの証明書、記念品、および絵画などの芸術作品が含まれるが、これに限定されない。セキュリティ物品は、スマートカードの場合のように、電子プロセッサおよび/または電子記憶媒体を含むことができる。セキュリティ物品は、標準コードに従って符号化された機械可読情報を表示するための機械可読ゾーン(MRZ)を含むことができる。
【0043】
本明細書に記載されたセキュリティ物品の上および/または中に存在するセキュリティ特徴は、隠しセキュリティ特徴、公然セキュリティ特徴、または隠しかつ公然のセキュリティ特徴であってもよい。本明細書に記載されたセキュリティ物品の上および/または中に存在するセキュリティ特徴は、シリアル番号、印刷テキスト、印刷パターン、セキュリティインクからなるデザインもしくはコード、凹版印刷パターンまたはデザイン、セキュリティスレッドまたはストライプ、窓、生地、プランシェット、フォイル、デカール、ホログラム、マイクロプリント、3Dセキュリティリボン、および/または透かしからなってもよい。本明細書に記載された印刷テキストは、セキュリティ物品ユーザ(図示せず)に関連する経歴情報またはその一部、セキュリティ物品ユーザに関連するバイオメトリックデータまたはその一部、および/または機械可読ゾーン(MRZ)または当該ゾーンの一部であってもよい。本明細書に記載されたセキュリティ物品の上および/または中に存在するセキュリティ特徴は、機械可読セキュリティ特徴である。本明細書で使用する場合、用語「機械可読セキュリティ特徴」は、セキュリティ特徴検出器を使用することによって測定することができる少なくとも1つの特有の物理的特性を示すセキュリティ特徴を指す。機械可読セキュリティ特徴は、少なくとも1つの機械可読物質を含み、上記機械可読物質とは、セキュリティ特徴検出器を使用すると測定することができる情報を支持する物質を指す。例としては、インクまたは組成物に混合することができるか、または、その中に含むことができ、それによって、認証のための特定のセキュリティ特徴検出器の使用によって上記インク/組成物または上記インク/組成物を含む物品を認証する方法が与えられる。しかしながら、一般に、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、光学特性、磁気特性、導電特性、基板組成特性およびそれらの組合せからなる群から選択されてもよい。基板組成特性の一例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,850,077号明細書に開示されているような繊維分布パターンである。
【0044】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、1つまたは複数の認証デバイス(以下により詳細に説明する)を収容するための、
図1および
図2に示す可搬ケース12などのハウジングを含む。典型的には、可搬ケース12は、閉位置と、
図1および
図2に示す開位置との間で回転可能である。第1の実施形態では、装置10は、可搬ケース12が閉位置にあるか開位置にあるかを示すセンサ14を含む。センサ14は、例えば、冷蔵庫ドア照明スイッチのように動作することができる。可搬ケース12は、閉じたときにロック可能であることが好ましい。好ましくは、可搬ケース12は、例えば、耐久性、持久性、水密性、他の既知の特性、またはそれらの任意の組合せのための既知の工業規格および/または軍事規格に適合する。可搬ケース12は、例えば、例としてスチール、アルミニウム、チタンのような1つまたは複数の金属、プラスチック、繊維強化プラスチック、セラミックなどを含む任意の適切な材料または材料の組合せで作製することができる。
【0045】
可搬ケース12は、いくつかの実施形態では耐タンパ性である。いくつかの実施形態では、可搬ケース12は、不正使用の発生を検出するために、ケースの蓋部分を含む可搬ケース12の内面全体にわたって延伸するライナ16を含むことができる。ライナ16は、この不正使用検出機能を隠すため、および審美的目的のために、少なくとも部分的に(
図1および
図2に示すように)布で覆われることが好ましい。いくつかの実施形態では、可搬ケース12の下部に沿って配置されたライナ16区画と、可搬ケース12の蓋に沿って配置されたライナ16区画とは、可搬ケース12が閉位置にあるときに重なり合う。第1の実施形態では、ライナ16は、互いに実質的に平行に延伸するいくつかの電気ワイヤを含み、当該ワイヤは例えば、リボンケーブルの形態でともに保持することができる。いくつかの実施形態では、複数のライナ16またはライナ16区画が利用される。例えば、複数のライナ16区画を重ね合わせて、電気ワイヤのグリッドを生成することができる。電気ワイヤは、互いに電気的に接触していない。低電圧電源が、低電圧電源の対向する電圧端子に各ワイヤの対向する端部を取り付けることによって、電気ワイヤに取り付けられる。装置10は、電気的開回路を引き起こしている断線を検出するように、各ワイヤの電気抵抗、各ワイヤを通る電流、および/または各ワイヤに存在する電圧を測定するための電子回路を含み、それによって、好適には、可搬ケース12に外部から穿孔しようとするか、または、他の様態で可搬ケース12を不正使用しようとする試みの検出が可能になる。いくつかの実施形態では、装置10は、不正使用の試みを検出するための内部モーションセンサを含む。いくつかの実施形態では、装置10は、可搬ケース12のロックを開放する際に失敗した試行回数を自動的にカウントするように動作可能であり、可搬ケース12を開けようとする明記できる回数の試行が失敗するのを受けて、現在格納されているデータを送信および/削除するようにプログラムすることができる。
【0046】
図1および
図2に示す第1の実施形態では、装置10は、
図1および
図2に示す撮像デバイスセット20のような複数の撮像デバイスを収容する撮像デバイスハウジング18を含む。
図1および
図2に示す実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、ヒンジ22によって可搬ケース12に回転可能に接続されている。
図1は、格納位置にある撮像デバイスハウジング18を示し、
図2は、動作位置にある撮像デバイスハウジング18を示す。
図1および
図2に示す実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、ヒンジ22を中心として格納位置と動作位置との間の任意の角度まで回転可能であり、装置10のセットアップ中などに装置10の操作者(図示せず)によって、手動で回転することができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、動作位置のような特定の位置に弾性的に付勢される。そのような実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、可搬ケース12が開かれたときに、格納位置(
図1)から動作位置(
図2)に自動的に動くように動作可能である。いくつかの実施形態では、撮像デバイスハウジング18は給電され、それにより、作動されたときに、および/または、可搬ケース12が十分な程度まで開放されるのを受けて、自動的に動作位置に動くように動作可能である。いくつかの実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、スイベル型および/または連接接続部(図示せず)を介して可搬ケース12に接続され、撮像デバイスハウジング18が様々な角度で様々な位置をとることを可能にする。いくつかの実施形態では、撮像デバイスハウジング18は、種々の方向を指し示す複数のカメラを含みながら、球形、球根状または他の丸い形状を有するなど、曲面(図示せず)を有する。
【0047】
第1の実施形態では、撮像デバイスセット20は、互いに反対の方向において同時に撮像するために、カメラ24(
図1)およびカメラ26(
図2)などの少なくとも2つの撮像デバイスを含む。装置10は、両方のカメラ24および26を同時に動作状態にすることによって、互いに反対の方向において同時に撮像することができ、それによって、好適には、一般的に装置10の対向する両側に位置する、装置10の操作者とセキュリティ物品ユーザとの間の相互作用の視覚的記録のモニタリングおよび収集を促進する。
【0048】
いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、カメラ28(
図1)、カメラ30(
図1)、カメラ32(
図2)、およびカメラ34(
図2)のいずれか1つまたは複数のような追加の撮像デバイスを含むいくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、可搬ケース12が開かれているときに画像をキャプチャすることを含め、装置10の使用の画像をキャプチャするように動作可能である。いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、装置10の1つまたは複数の認証デバイスの使用の画像をキャプチャするように動作可能である。いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、装置10の認証デバイスの1つを使用して個人の画像をキャプチャし、これにより、認証デバイスの使用の視覚的記録のモニタリングおよび収集を容易にして、(セキュリティ物品ユーザであり得る)結果もたらされるその個人の任意の認証をさらに確認する。いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、装置10の操作者、および、装置10の操作者と対話している可能性がある装置10を取り囲む他のすべての個人の視覚記録のモニタリングおよび収集を好適に促進するために、装置10の周囲の略水平360度の視野のような360度の視野を取り囲む画像をキャプチャするように動作可能である。いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、装置10の不正使用の事象を検出するように動作可能であることを含め、可搬ケース12を開こうとする試みの画像をキャプチャするように動作可能である。
【0049】
第1の実施形態の装置10は、セキュリティ物品ユーザ、装置10の操作者、装置10の保守管理または修理技師などの個人のバイオメトリック特徴を検出するように動作可能である。例えば、第1の実施形態の撮像デバイスセット20は、認証デバイスが、装置10に近接する個人に関連するバイオメトリックデータを取得するための即時を含む後続の画像処理を行うための画像をキャプチャするように動作可能である。例えば、撮像デバイスセット20は、顔、虹彩、網膜、耳たぶ(外耳)、指、手、静脈または他の身体部分のような、視覚的または幾何学的認識のための身体部分の画像をキャプチャするように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、撮像デバイスセット20は、歩行分析または他の行動分析のために歩行を認識するために使用することができる、セキュリティ物品ユーザまたは他の個人の動きの画像をキャプチャするように動作可能である。変形例では、撮像デバイスセット20は、例えば、静止写真およびビデオの一方または両方をキャプチャするように動作可能であってもよい。変形例では、カメラ24〜34のいずれか1つまたは複数は、例えば、プログラム可能、遠隔制御可能またはそれらの任意の組合せであってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、装置10は、撮像デバイスセット20から分離された1つまたは複数の追加のカメラ(図示せず)を含む。例えば、装置10は、いくつかの実施形態では、可搬ケース12が開かれているときにできるだけ迅速に、可搬ケース12を開いている個人の画像をキャプチャするように、可搬ケース12の下部区画と上部区画(すなわち、蓋)との間の空間の画像をキャプチャするように特に指示されたカメラを含む。
【0051】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、認証デバイスとして、
図1および
図2に示す指紋リーダ36などのバイオメトリックスキャナを含む。第1の実施形態では、指紋リーダ36は、手の複数の指を受け入れるような寸法にされた指紋読取窓38を有する。いくつかの実施形態では、
図1および
図2に示す指紋リーダ36は、例えば、掌紋リーダとして動作するか、または掌紋リーダと交換可能である。第1の実施形態では、指紋リーダ36は、読取動作に応答してコードを生成するように動作可能である。指紋リーダ36によって生成されたコードは、装置10によって、装置10の操作者が、例えば、装置の機能のいずれかまたはすべての動作を許可もしくは拒否する、および/または、装置10の任意の機能へのアクセスを許可もしくは拒否するためのパスコードの態様で使用され得る。追加的または代替的に、指紋リーダ36によって生成されたコードは、装置10によって、例えばセキュリティ物品ユーザのような個人を識別するために、および、装置10によって決定されるかまたは他の様態で利用可能な他の識別指標との比較によって個人の身元を確認するために使用され得る。第1の実施形態の指紋リーダ36は、好ましくは、指を受け入れて支持するような寸法にされ、好ましくは指をバイオメトリックに走査するように動作可能であるが、一般に、装置10のバイオメトリックスキャナを通じて(例えば、読取窓38の背後に配置されたカメラを用いて)その他の適切なバイオメトリックデータを取得することができる。変形例では、装置10は、例えば、指紋リーダ36について図示および記載する窓38の形態のような、何らかの種類のハウジング開口部を利用することができるバイオメトリックスキャナまたはバイオメトリックリーダ(
図1および
図2には直接示されていない)のようなその他の適切な形態のバイオメトリックデータキャプチャデバイスを含むことができる。
【0052】
付加的にまたは代替的に、装置10は、掌紋リーダ、血液酸素レベルをキャプチャするパルス酸素濃度計、臭気検出器、血管分析のために近赤外光で照らされたときに静脈の赤外線画像をキャプチャするための単色電荷結合素子(CCD)アレイ、骨密度をキャプチャするための超音波トランスデューサ、および、所望のタイプのバイオメトリック情報に関連するバイオメトリックデータを取得するための任意の必要な機器を含んでもよい。
【0053】
第1の実施形態では、装置10は、装置10の近傍の音声情報をキャプチャするためのマイクロフォン40を含むみ、それにより、好適には、装置10の操作者とセキュリティ物品ユーザおよび/または他の個人との間の対話のオーディオ記録のモニタリングおよび収集を促進する。第1の実施形態では、装置10は、例えば操作者の指示に従ってオーディオデータを記録し、オーディオデータを記憶し、オーディオデータを消去するように動作可能である。いくつかの実施形態では、マイクロフォンは視界から隠されている。いくつかの実施形態では、装置10は、音声認識を実行するように動作可能である。
【0054】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、認証デバイスとして、
図1および
図2に示すパスポートリーダ42などのセキュリティ物品スキャナを含む。第1の実施形態のパスポートリーダ42は、パスポートまたは他のセキュリティ物品を受け入れ、引き続いて排出するためのスロット44を含む。いくつかの実施形態では、パスポートリーダ42は、セキュリティ物品を排出するために、受け入れスロット44とは別個の第2のスロット(図示せず)を含む。
図1および
図2の第1の実施形態では、パスポートリーダ42は、識別ページが開かれたパスポートを受け入れ、パスポートに関連する1つまたは複数のセキュリティ特徴を検出するような寸法にされる。変形例では、パスポートリーダ42は、スロット44において、紙文書(例えば、チケット、通関手続き用紙または他の旅券、出生証明書)、プラスチックカードであってもよいカード(例えば運転免許証、身分証明書、クレジットカードまたはデビットカード)、冊子、他の文書、他のセキュリティ物品、またはそれらの任意の組合せを受け入れるような寸法にされている。通常、これらのパスポート、IDまたは任意の重要文書の読取機は、存在する場合はホルダの写真、および、上記文書の既存のRFIDチップまたはパターン認識からの経歴およびバイオメトリック形式のデータをキャプチャする。さらに好ましくは、パスポートまたは重要書類の検査は、例えば、日光、UV光(紫外線)および/またはIR光(赤外線)のような、種々の光源の下で行われる。この種々の光源は、様々なホルダのUV色情報、何らかの不正使用防止マークのIRおよびインクの信憑性またはIRで使用できる他のセキュリティをチェックするのに適したツールである。
【0055】
いくつかの実施形態では、パスポートリーダ42は、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,850,077号明細書および/または国際公開第2014180840号パンフレットに開示されている機能を有することができる。
【0056】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、認証デバイスとして、
図1および
図2に示す照明デバイス46を含む。照明デバイス46は、好ましくは、電磁スペクトルの可視光およびUV範囲の電磁放射線を生成するように動作可能である。特に、照明デバイス46は、様々な形態の光でセキュリティ物品を照らして、セキュリティ物品のセキュリティ特徴を可視化または強調するように動作可能である。
図1および
図2に示す実施形態の照明デバイス46は、ミラー48を含み、ミラー48は、典型的には上向きの角度(可搬ケース12が開位置にあるとき)に配置され、可視光(例えば、白色光)の光源50(
図1および
図2には直接的には示されていない)の下に位置する平面鏡である。ミラー48の位置および配置は、好適には、ミラー48の上方で照明デバイス46の前方に適切に近接して配置されたセキュリティ物品(例えば銀行券)を背後から照明する可視光を提供し、これにより、セキュリティ物品および当該物品のセキュリティ特徴(例えば透かし)の目視検査を容易にする。
【0057】
いくつかの実施形態では、ミラー48の角度は、手動および/または電子制御の下で調整可能である。いくつかの実施形態では、可視光源50の輝度および色の一方または両方は、手動および/または電子制御の下で調整可能である。
【0058】
第1の実施形態の照明デバイス46はまた、照明デバイス46から下向きに(可搬ケース12が開位置にあるとき)向けられているUV放射源52(
図1および
図2には直接見えない)を含み、それによって、好適には、照明デバイス46の正面において適切に近接してわずかに下方に配置されたセキュリティ物品のUV照明を提供しながら、個人の眼から離れるようにUV放射線を導く。
【0059】
いくつかの実施形態では、装置10は、照明デバイス46に近接して置かれた典型的な寸法のセキュリティ物品の画像をキャプチャするように配置された少なくとも1つのカメラを含む撮像デバイスセット20などによって、照明デバイス46に近接して配置されたセキュリティ物品の画像をキャプチャするように動作可能である。代替的にまたは付加的に、照明デバイス46に近接して配置されたセキュリティ物品の画像は、撮像デバイスセット20とは別個の装置10の1つまたは複数の追加のカメラ(図示せず)によってキャプチャされてもよい。
【0060】
一般に、照明デバイス46は、硬X線(HX)放射、軟X線(SX)放射、極紫外線(EUV)放射、近紫外線(NUV)放射、電磁スペクトルの可視領域内の光、近赤外線(NIR)放射、中赤外線(MIR)放射、遠赤外線(FIR)放射、およびそれらの任意の組合せのような、電磁スペクトルの任意の1つまたは複数の波長範囲内の電磁エネルギーを生成し放射するように動作可能である。
【0061】
第1の実施形態では、光源50および52の各々は、それぞれの照明を生成するための1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む。一般に、照明デバイス46は、例えば、LED、直接化学光源、白熱光源、ガスまたは他の放電ベースの光源、X線放射器、半導体光源、レーザ、およびそれらの任意の組合せを含む、任意の適切な電磁エネルギー源を含むことができる。
【0062】
変形例では、光源52の角度、輝度および他の特徴のうちの任意の1つまたは複数は、手動および/または電子制御の下で調整可能であり得る。
【0063】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、認証デバイスとして、プリンタ54を含む。プリンタ54は、セキュリティ物品に公印(例えば、ビザまたは他の出入国証印)を印刷するためのスタンププリンタ54を含む、任意の適切なタイプのものであってもよい。本明細書ではセキュリティ物品に対する印刷を参照するが、いくつかの実施形態では、プリンタ54は、セキュリティ物品とは別個の認証証明書または他の発行文書、ステッカ、ラベルなどを印刷するように動作可能であることが理解される。
【0064】
第1の実施形態のプリンタ54は、セキュリティ物品または他の品目を受け入れ、排出するためのプリンタスロット56を含む。変形例では、プリンタスロット56およびプリンタ54の寸法は、印刷されるべき品目の寸法に応じて変化する。第1の実施形態では、プリンタ54は、標準サイズのパスポートにビザまたは他のスタンプを印刷するような寸法にされたスタンププリンタ54であることが好ましい。いくつかの実施形態では、プリンタ54は、セキュリティ物品または他の品目を排出するために、プリンタスロット56とは別個の第2のスロット(図示せず)を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、プリンタ54は、例えばプリンタ詰まりの場合に所望され得るように、プリンタ54機構へのアクセスを可能にするための取り外し可能アクセス板58を含む。
【0066】
本発明の好ましい実施形態によれば、プリンタ54機構、特にセキュリティインクへのアクセスは、操作者のバイオメトリックデータ、暗号化鍵、または任意の機械的もしくは電子的な鍵またはセンサによって確保される。一例では、取り外し可能アクセス板58は、権利を有する操作者がバイオメトリックデータによって確認された場合にのみ動かすことができる。
【0067】
図3を参照すると、第1の実施形態におけるプリンタ54は、プリンタスロット56の下方に、間にセキュリティ物品が受け入れられ排出されるローラ60および給送ローラ62を含む。典型的には、ローラ60はステンレス鋼などから作られ、給送ローラ62は、セキュリティ物品に接触するためのゴム引きまたは他の様態の把持ローラ部材64を備える。第1の実施形態では、プリンタ54は、セキュリティ物品または印刷されるべき他の品目の予測寸法に従った寸法にされている、垂直に向けられた(可搬ケース12が
図1および
図2に示す典型的な動作方向にあるとき)印刷トレイ66を含む。いくつかの実施形態では、プリンタ54は、セキュリティ物品の印刷中および/またはプリンタ54からの排出中などに、セキュリティ物品を上方に動かすのを助けるプッシュプレート68を含む。このような実施形態では、プリンタ54は、給送ローラ62の回転およびプッシュプレート68の動きを調整して、セキュリティ物品に対する不適切な曲げ力を回避するように動作可能である。
【0068】
さらに
図3を参照すると、プリンタ54は、いくつかの実施形態では、印刷が行われるべき項目上の適切な場所または領域(例えば、出入国証印を印刷するための印刷されていない領域)の決定を容易にするために、印刷の前に、および/または、例えば品質管理の目的で、印刷品質の判定を容易にするために、印刷後になど、品目がプリンタ54の内部に挿入されている間に、品目を撮像するためのカメラ70のような撮像デバイスを含む。国際公開第2014180840号パンフレットに開示されている印刷に関連する特徴は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、いくつかの実施形態では、プリンタ54は、印刷が行われるべきである、プリンタ54内に挿入された物品の位置または領域を指示するユーザ入力を受け取り、指示された位置または領域で印刷するように動作可能である。
【0069】
図1および
図2に戻って参照すると、第1の実施形態の装置10は、制御パネル72などの情報処理ユニットを含む。第1の実施形態では、制御パネル72は、タッチスクリーンディスプレイを含む。制御パネル72のディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLEOディスプレイ)、真空蛍光ディスプレイ(VFO)等を含む、任意の適切な形態であってもよい。いくつかの実施形態では、制御パネル72は、ユーザ入力を受け取るためのキーボードまたは他のボタンセットを含む。制御パネル72は、認証デバイスなどの装置10のデバイスの動作を含む、装置10の動作に関する状態情報を提供し、操作者にユーザ入力を促し、ユーザ入力を受信し、装置10および装置10の認証デバイスを含む装置のデバイスに関する制御動作を実行するように動作可能である。
【0070】
第1の実施形態の制御パネル72は、処理回路とメモリ回路(図面には直接は示されていない)とを含む。処理回路は、中央処理装置(CPU)または情報処理のための任意の適切な電子回路であってもよく、またはそれを含んでもよい。メモリ回路は、任意の適切なデジタル記憶媒体であってもよく、またはそれを含んでもよく、典型的には、
制御パネル72、より一般的には装置10の動作を指示するためのプログラムコードを記憶することを含め、プログラムデータおよび/または測定データを記憶する。
【0071】
いくつかの実施形態では、装置10は、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)などの可搬コンピューティングデバイスの形態の情報処理ユニットを含む。
図1および
図2に示すように、第1の実施形態の装置10は、制御パネル72とノートブックコンピュータ74の両方を含む。変形例では、様々な装置10の制御およびユーザインターフェース機能は、制御パネル72、ノートブックコンピュータ74、または制御パネル72とノートブックコンピュータ74の両方によって実行されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御パネル72およびノートブックコンピュータ74のいずれかまたは両方は、プリンタ54から画像を受信し、操作者に、印刷が行われるべき位置または領域の指示を促し、位置または領域の指示をユーザ入力として受け取り、位置または領域を指示するコマンドをプリンタ54に送信し、プリンタ54から受信した画像に基づいて印刷品質の自動評価を実行するように動作可能である。
【0072】
別の好ましい実施形態によれば、撮像デバイス20および他の多くの部品および構成要素は、ノートブックの一部とすることができ/一体化することができる。
【0073】
第1の実施形態の装置10は、典型的には装置10から遠位にあるリモートサーバ(図示せず)と通信するための通信モジュール76(図面には直接見えない)を含む。変形例では、通信モジュール76は、ノートブックコンピュータ74の一部であってもよく、制御パネル72の一部であってもよく、ノートブックコンピュータ74と制御パネル72の両方から分離されていてもよく、またはそれらの任意の組合せであってもよい。通信モジュール76は、好ましくは、装置10とリモートサーバとの間の安全な通信を提供するように動作可能である。装置10は、第1の実施形態では、通信モジュール76に、装置10で生成されたデータをリモートサーバに送信させるように動作可能である。変形例では、装置10は、装置10で生成されると直ちに、その後のバッチ送信において、またはそれらの任意の組合せで、そのようなデータを送信するように動作可能であり得る。第1の実施形態では、装置10は、リモートサーバに送信されたデータを削除するように動作可能である。通信モジュール76は、衛星、セルラ、無線、他の通信リンク、およびそれらの任意の組合せを含む任意の適切なワイヤレス通信手段を介して通信を行うように動作可能であってもよい。国際公開第2014180840号パンフレットに開示されている情報処理および通信に関連する特徴は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、装置10の少なくとも一部の機能および/またはデバイスは、リモートサーバによって遠隔制御されるように動作可能である。追加的または代替的に、装置10は、いくつかの実施形態では、当該装置の認証デバイスを含む装置10によって生成されているデータを遠隔記憶のためにリモートサーバに送信するように動作可能である。いくつかの実施形態では、装置10は、リモートサーバに送信されたデータを、当該装置自体のメモリから削除するように動作可能である。
【0075】
いくつかの実施形態では、装置10を操作することが許可された特定の個人に関連する情報は、装置10および/またはリモートサーバに格納されてもよい。そのような個人の各々は、装置10の登録された操作者と称され得る。例えば、複数の異なる個人を登録して、複数の異なる装置10のユニットを操作することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、装置10は、登録された操作者の装置10までの近接性(すなわち、距離)を決定するように動作可能である。例えば、いくつかの実施形態の装置10は、登録された操作者が着用することを意図している対応する送受信機(例えば、ページャユニット、RFIDタグなど)と通信するように動作可能なワイヤレス送受信機(
図1および
図2には直接見えない)を含む近接センサ78を含む。しかし、ワイヤレス送受信機によって生成される放射エネルギーは、好ましくは、近接センサ78および対応する送受信機が指定可能な距離内にあるときにのみ通信が確立されるように調整される。
【0077】
いくつかの実施形態では、装置10は、衛星ベース(GPS、GLONASS、GALILEOなど)および/またはセルラネットワークベース(GSM(登録商標)、3GPP、UMTS、GPRS、LTEなど)のいずれかであり得る位置識別モジュールを有することなどによって、当該装置の位置を決定するように動作可能である。そのような実施形態では、装置10は、典型的には、当該装置の位置を暗号化通信によって通信することを含め、当該装置の位置をリモートサーバに通信するように動作可能である。したがって、いくつかの実施形態では、装置10および登録された操作者とともに存在する位置識別デバイスの各々は、それぞれの位置を決定するように動作可能である。装置10は、GPS(または同様の)読み値に基づいて近接性の計算を決定または(例えば、リモートサーバから)受信するように動作可能である。
【0078】
第1の実施形態では、装置10は、ビデオおよびオーディオデータの送信を含め、データおよび他の測定情報をリモートサーバに送信するように動作可能である。例えば、撮像デバイスセット20は、数分ごとに1つの画像から、60フレーム/秒以上のフルビデオレートまで、いずれかであり得る所望のレートで画像をキャプチャするように動作可能であり得る。第1の実施形態では、装置10は、キャプチャされた画像およびオーディオを、例えば別個のデータストリームおよび/または同期データストリームとしてリモートサーバに送信するように動作可能である。
【0079】
さらに
図1および
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、携帯電話ホルダを含む。典型的には、装置10の操作者の携帯電話が、携帯電話ホルダによって保持される。いくつかの実施形態では、装置10は、携帯電話ドッキングおよび充電ステーション(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、携帯電話ホルダは、様々なサイズの携帯電話に対応するように調整可能である。いくつかの実施形態では、携帯電話ホルダは、様々な携帯電話などに対応するために、異なるサイズの携帯電話ホルダと交換可能である。
【0080】
第1の実施形態の装置10は、装置10のデバイスに給電するための少なくとも1つの充電式バッテリを含むパワーパックバッテリ電源82(図には直接見えない)を含む。
【0081】
図2を参照すると、第1の実施形態の装置10は、交流(AC)電源からAC電力を受け取るための電源受け口84を含む。第1の実施形態の装置10は、電源受け口84を介してAC電力を受け取るときにバッテリ電源82を充電するためのバッテリ充電器86(図では直接見えない)を含む。いくつかの実施形態では、装置10は、バッテリ電源82の充電状態を判定するように動作可能である。このような実施形態では、制御パネル72、ノートブックコンピュータ74、または制御パネル72とノートブックコンピュータ74の両方は、充電状態を表示するように動作可能である。付加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、装置10は、充電状態を示すために、制御パネル72およびノートブックコンピュータ74とは別個のインジケータを含む。いくつかの実施形態では、制御パネル72およびノートブックコンピュータ74の一方または両方は、バッテリ充電器86の動作を制御するように動作可能である。
【0082】
いくつかの実施形態では、装置10は、
図2に示す外部電源受け口88を含む。このような実施形態では、装置10は、ロックされて閉じられているときを含め、可搬ケース12が閉位置にあるときに、パワーパックバッテリ電源82を充電するための電力を受け取るように動作可能である。そのような実施形態では、装置10は、可搬ケース12の外部から見える外部充電状態インジケータ90を含むことができる。このような実施形態では、装置10は、好ましくは、外部充電状態インジケータ90が充電状態を一時的に表示するために押されなければならないボタンスイッチ92を含み、それにより、好適には、充電状態を外部表示するために装置10が消費する電力が低減する。
【0083】
認証デバイスを含む様々な機能およびデバイスを含む装置10は、例えば、ウェイクモードおよびスリープモードなどの複数の状態を有することができる。スリープモードは、好適には、特定の装置10の機能またはデバイスが使用されていないときに、電力を節約する。いくつかの実施形態では、可搬ケース12が閉位置にあるときはいつでも、装置10のすべての機能およびデバイスは通常、スリープモードにある。しかし、様々な実施形態では、装置10は、可搬ケース12が閉鎖位置にあることに関連して装置10がスリープモードにある間に特定の機能を実行するように動作可能である。例えば、第1の実施形態では、装置10は、閉位置に関連するスリープモードにある間に、可搬ケース12が、閉位置から開位置まで変更されていることを検出するように動作可能である。いくつかの実施形態では、装置10は、可搬ケース12が閉位置にある間に不正使用検出を実行するように動作可能である。いくつかの実施形態では、装置10は、可搬ケース12が例えば閉位置にある場合を含めて、装置10がスリープモードにある間に、暗号化通信による通信を含む、その位置を通信するように動作可能である。スリープおよびウェイクモード動作は、このような動作を実行するのに十分な電力が装置10にとって利用可能であることを条件として、実行される。
【0084】
図4を参照すると、第2の好ましい実施形態による装置10は、可搬ケース12が開いた構成にあるとき、指紋リーダ36が可搬ケース12から外向きに延伸することを可能にするように動作可能であり、それによって、好適には、指紋リーダ36のより簡便な使用が促進される。第2の実施形態では、指紋リーダ36は、指紋リーダヒンジ94を介して可搬ケース12に回転可能に取り付けられている。第2の実施形態では、指紋リーダヒンジ94は、指紋リーダ36が、指紋リーダ36が可搬ケース12内に完全に配置された格納位置と、
図4に示す動作位置との間で手動で回転されることを可能にする。いくつかの実施形態では、指紋リーダ36は、可搬ケース12の開放中に動作位置に自動的に動くように動作可能である。付加的にまたは代替的に、装置10は、制御パネル72およびノートブックコンピュータ74の一方または両方を介してコマンドが発行されると、指紋リーダ36が動作位置に自動的に動くようにするように動作可能であり得る。可能な場合はいつでも、第1の実施形態を参照する装置10の機能および方法またはシステムの説明は、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を参照するものと解釈される。
【0085】
図5を参照すると、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10は、
図5に示すソーラーパネル96などの再生エネルギー電源を含むことができる。ソーラーパネル96は、好ましくは、可搬ケース12に隣接し、可搬ケース12から最小限に突出する格納位置(図示せず)と、可搬ケース12から一定の角度を成して突出している動作位置との間で回転可能である。好ましくは、ソーラーパネル96が可搬ケース12から突出する角度は調整可能であり、いくつかの実施形態では電子制御下にある。
【0086】
図6および
図7を参照すると、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10は、ソーラーパネル96(
図5)に加えて、またはこれに代えて、1つまたは複数のソーラーパネル可搬ケース12の内部に接続されたパネル98を備える。例えば、
図6および
図7は、その内部が可搬ケース12に関節運動可能に接続された2つのソーラーパネル98を示しており、それによって、好適には、可搬ケース12が閉(例えば、ロック)位置にあるときに格納中に可搬ケース12によって保護される、ソーラーパネルの格納位置(
図7)が提供される。
【0087】
図8を参照すると、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10は、1対の車輪102およびハンドル104を有する可搬付属品100を含むことができる。いくつかの実施形態では、可搬付属品100は、可搬ケース12に取り外し可能に取り付け可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル104は伸縮式である。いくつかの実施形態では、可搬付属品は、概して可搬ケース12の外側に沿って延伸するコンパートメント106を含む。
図8に示す実施形態では、コンパートメント106は、車輪102間の距離に見合った長さ、装置10の高さに見合った高さ、車輪102および/またはハンドル104の幅に見合った幅を有する。他の寸法も可能である。いくつかの実施形態では、コンパートメント106は、バッテリ電源82と併用されるか、またはバッテリ電源82の代わりに使用される1つまたは複数のバックアップバッテリを収容するための寸法にされる。変形例では、バックアップバッテリは、クリップオン型バッテリ、ケーブル接続バッテリ、外部接続バッテリ、他のバッテリタイプ、およびそれらの任意の組合せの形態であってもよい。外部接続バッテリと共に使用するための実施形態では、装置10は、可搬ケース12の壁を貫通して延伸する工業または軍用グレードの接続であってもよい電気接続を含む。いくつかの実施形態では、そのような電気的接続は水密および/または気密接続である。
【0088】
図9を参照すると、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10は、複数の折りたたみ脚部110を有する動作位置付属品108を含むことができる。例えば、動作位置付属品108は、4つの折りたたみ脚部110を含むことができ、折りたたみ脚部110の各々は、可搬テーブルのように動作位置(点線で示す)まで回転可能である。いくつかの実施形態では、動作位置に設定されたときに可搬ケース12の高さ調節を可能にするために、脚部110は伸縮式であるか、または他の様態で長さ調節可能である。例えば、脚部110は、調整可能な長さで各脚部110を締め付けるための脚部クランプ112を含むことができる。いくつかの実施形態では、動作位置付属品108は、可搬ケース12に取り外し可能に取り付け可能である。
【0089】
図8および
図9を参照すると、可搬付属品100および動作位置付属品108は好ましくは、可搬付属品100と動作位置付属品108の両方を同時に取り外し可能に取り付けることができるような寸法にされており、これにより、好適には、任意の所与の装置10に関して付属品100と108のいずれか、どちらでもなく、または両方を使用することができる。
【0090】
可搬ケース12内に収容されているものとしていくつかのデバイスが本明細書において記載されているが、一般に、可搬ケース12は、カメラ、オーディオレコーダ、近接性検出器、熱検出器、触覚センサ、振動センサ、磁気エネルギー検出器、超音波検出器、超音波トランスデューサ、超音波送受信機、動き検出器、文書スキャナ、プリンタ、スタンプ機器、スピーカ、マイクロフォン、ディスプレイ、経歴情報キャプチャデバイス、バイオメトリックデータキャプチャデバイス、出力デバイス、セキュリティ物品受け入れデバイス、セキュリティ物品支持部、プロセッサ、通信デバイス、(無停電)電源機器、バッテリ、加熱システム、冷却システム、およびそれらの組合せからなる群から選択される任意の機器を収容することができる。
【0091】
装置10は、いくつかの実施形態では、屋外、寒冷環境(例えば、ツンドラ)において可搬ケース12内に収容された装置10のデバイスまたは他の機器の動作を容易にする加熱システムを含む。代替的にまたは付加的に、装置10は、いくつかの実施形態では、屋外、高温環境(例えば、砂漠)において可搬ケース12内に収容された装置10のデバイスまたは他の機器の動作を容易にする冷却システムを含む。典型的には、冷却システムは、既知の冷凍ユニットなどの様式の圧縮器および凝縮器を含む。変形例では、様々な機能の加熱および/または冷却システムを利用することができる。
【0092】
第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10は、可搬ケース12の外側に対して外部に取り付けられる温度制御付属品を含むことができる。変形例では、温度制御付属品は、加熱システム、冷却システム、または加熱システムと冷却システムの両方を含むことができる。少なくとも冷却システムを含む場合、温度制御付属品は好ましくは、可搬ケース12内の開口部(図示せず)を通る空気のような冷却された流体の通過を可能にしながら、水密性および他の品質に関する工業および/または軍事規格に準拠したままにするために、可搬ケース12の外側に対する密封付着によって取り付けられる。好ましくは、このような開口部は、密封付着された外付け温度制御システムによって取り囲まれている。外付け温度制御付属品を有する実施形態では、可搬付属品100(
図8)および/または動作位置付属品108(
図9)は、組み合わされた可搬ケース12および温度制御付属品の外側に取り外し可能に取り付けることができる。
【0093】
したがって、セキュリティ物品を認証するための可搬装置が提供され、装置は、(a)前記セキュリティ物品を認証するように動作可能な認証デバイスと、(b)互いに反対の方向において同時に撮像するための第1の複数の撮像デバイスとを備え、第1の複数の撮像デバイスは、認証デバイスに可搬式に結合される。
【0094】
動作方法
図10を参照すると、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかまたは両方を含む、任意の実施形態による装置10の制御パネル72のメモリ回路および/もしくはノートブックコンピュータ74、または他の電子記憶媒体は、装置10のCPUのような処理回路に、全体的に114で示される方法のステップを実行するように指示するためのコンピュータ実行可能命令を含むコードブロックを含む。付加的または代替的に、そのようなコードブロックは、例えば、記録可能なコンピュータ可読媒体または信号伝送タイプの媒体であり得る、信号支持媒体において具体化されるコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。このようなコードブロックによって指示されている処理回路は、装置10のプロセッサと称され得る。
【0095】
本明細書において上述したように、可搬ケース12が閉位置にあるとき、装置10の機能およびデバイスは通常、スリープモードにある。装置10の動作方法の以下の本明細書の説明は、装置10の登録された操作者である個人が1人おり、可搬ケース12は最初は閉位置にあり、装置10は最初はスリープモードにあるという状況に基づく。当業者には他の変形例が明らかであり、本明細書における説明は装置10の機能を限定するようには意図されていない。
【0096】
電力が装置10のプロセッサに供給されているとき、プロセッサはブロック116の命令の実行を開始するように指示される。ブロック116は、可搬ケース12が閉位置にあり、装置10がスリープモードにあるときに、プロセッサに、次回に行われ得るときにいつでも可搬ケース12の開放を検出するように指示する。
【0097】
ブロック116によってプロセッサが可搬ケース12が開かれていることを検出すると、ブロック118は、その後、プロセッサに、装置10の登録された操作者の近接性を確認するように指示する。
【0098】
図11を参照すると、プロセッサに、ブロック118(
図10)のステップを実行するように指示するための例示的な方法が全体的に120で示されている。方法120はブロック122で実行を開始し、ブロック122は、プロセッサに、近接センサ78を用いて登録された操作者の近接性を測定するように指示する。ブロック124は、プロセッサに、近接センサ78が、登録された操作者が装置10に近接していることを示しているか否かを判定するように指示する。典型的には、プロセッサは、登録された操作者の対応する送受信機が装置10の近接性送受信機に近接しているか否かについての近接センサ78からの指示を受信する。いくつかの実施形態では、装置10の第1の位置が決定され、登録された操作者の第2の位置が決定され、第1の位置と第2の位置との間の距離が計算され、計算された距離が、前もって記憶されている近接性閾値と比較される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、近接センサ78からの指示が受信されていない十分な時間が経過した後、登録された操作者が装置10に近接していないと判定するように動作可能である。
【0099】
ブロック124によって、登録された操作者が装置10に近接していないとプロセッサが判定した場合、ブロック126は、プロセッサに、登録された操作者の携帯電話などの電話機への通話を開始するように指示する。登録された操作者の電話機は、衛星電話、セルラ電話、2方向ラジオ、VoIP電話などを含む任意の適切なタイプのものでよい。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、プロセッサは、登録された操作者の近接性が確認されなかったという指示をリモートサーバに送信することによって、通話が開始されるようにする。リモートサーバでは、自動化システムまたは人間の発呼者のいずれかが、登録された操作者の登録に関連する以前に記憶された電話番号を使用して、登録された操作者の電話に電話をかけることができる。自動電話ダイヤル機能に使用される電話システムは、例えば標準音声通信ネットワークであってもよい。自動通話の場合、例えば、自動ダイヤラおよび音声自動応答(IVR)ユニットを採用することができる。IVRの場合、IVRは、電話に応答する人に電話のキーパッドを介してコードを入力して、登録された操作者の身元を確認するように促すことができる。人間の発呼者の場合、人間の発呼者は、通話を受けている人の身元を確認するために、通話の間に音声で対話することができる。いずれの場合においても、登録された操作者が呼に応答して身元を適切に確認した場合、登録された操作者は、装置10に近接して自身を位置付け、対応する近接性送受信機および/または位置識別装置がまだオンになっていない場合は、オンにするように要求される。通話が遠隔して行われる場合、リモートサーバが通常、通話の結果を装置10のプロセッサに通信する。
【0100】
ブロック126は、本明細書において電話機への通話に関して上述したが、任意の関連する通信技術および/またはデバイスを含む任意の適切な個人通信技術を利用することができる。非限定的な例として、音声メッセージの代わりにテキストメッセージ(例えば、SMS)を利用することができる。
【0101】
ブロック126が実行されると、ブロック128は、装置10のプロセッサに、登録された操作者の身元が通話によって確認されたか否かを判定するように指示する。
【0102】
ブロック128により、登録された操作者の身元が通話によって確認されたとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、ブロック122に戻って、本明細書において上述した方法で近接センサ78によって登録された操作者の近接性を再測定するように指示される。
【0103】
ブロック128により、登録された操作者の身元が通話によって確認されなかったと判定した場合、ブロック130は、プロセッサに、装置10の機能および/または認証デバイスなどのデバイスに対するアクセスを拒否するように指示する。変形例では、装置10の機能および/またはデバイスへのアクセスを否定することは、装置10のプロセッサをスリープモードにすること、1つまたは複数の認証デバイスをスリープモードにすること、装置10に現在格納されているすべてのデータをリモートサーバに送信すること、装置10に現在格納されているすべてのデータを削除すること、および、例えば過度に高い電力の印加、UV放射などの電磁放射、他の関連する自己破壊技術、またはそれらの任意の組合せによって、電子メモリ記憶媒体などのハードウェアおよび/またはファームウェア構成要素を自己破壊させることのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0104】
例示を容易にするために、方法120は、プロセッサがブロック124によって、登録された操作者が装置10に近接していないと判定し、なおブロック128によって、登録された操作者の身元が確認されたと判定する場合には終わらない(すなわち、無限)ループになることを示しているが、典型的には、プロセッサは、登録された操作者が特定の限られた回数だけ十分に近接していないと判定されると、ブロック130に進む。
【0105】
いくつかの実施形態では、ブロック126および128は省略され、ブロック124によって、登録された操作者が装置10に近接していないとプロセッサが判定した場合、方法はブロック130に直接進む。
【0106】
ブロック130が実行された後、プロセッサは方法114を終了するよう指示される(
図10)。方法114の終了は、例えば、装置10または選択された装置10の機能および/もしくはデバイスをスリープモードに設定することを含むことができる。
【0107】
ブロック124によって、登録された操作者が装置10に近接しているとプロセッサが判定した場合、ブロック132が実行される。典型的には、ブロック132は、プロセッサに、近接性が確認されたことを示すレジスタフラグなどの指示をメモリに格納するように指示する。次に、プロセスは、
図10の方法114の、ブロック118の後に戻る。
【0108】
図10を再び参照すると、ブロック134は、プロセッサに、装置10の登録された操作者の画像を確認するように指示する。
【0109】
図12を参照すると、プロセッサに、ブロック134(
図10)のステップを実行するように指示するための例示的な方法が全体的に136で示されている。方法136はブロック138で実行を開始し、ブロック138は、撮像デバイスセット20のカメラ24〜34のうちの1つまたは複数のような装置10のカメラに操作シーンの画像をキャプチャさせるように、プロセッサに指示する。典型的には、操作シーンは、装置10の操作者が慣習的に装置10の前面に自身を配置し、制御パネル72および/またはノートブック74に面する領域を含む。
【0110】
次に、ブロック140は、登録された操作者の登録中に以前に取得された、リモートサーバに格納されている画像のような、登録された操作者の以前に記憶された画像が、ブロック138を実行することによってキャプチャされた画像と一致するか否かを判定するように、プロセッサに指示する。典型的には、ブロック138を実行することによってキャプチャされた画像内の人間の顔の顔認識のために、リモートサーバにおいて実行される画像処理などの画像処理が実行される。人間の顔が認識されると、キャプチャされた画像から導出される人間の顔の特徴が、登録された操作者に関連する以前に記憶された顔の特徴と比較される。このような比較は、例えば、リモートサーバまたは装置10によって実行されてもよい。比較の結果は、装置10のプロセッサによって判定または受信される。したがって、装置10のプロセッサは、登録された操作者の以前に記憶された画像が、ブロック138を実行することによってキャプチャされた画像と一致するか否かを判定するように動作可能である。
【0111】
ブロック140によって、比較された画像が一致しないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、
図12に示すブロック142を実行するように指示される。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、ブロック142はブロック126(
図11)と同一である。ブロック142が実行された後、ブロック144は、プロセッサに、登録された操作者の身元がブロック142の通話によって確認されたか否かを判定するように指示する。
【0112】
ブロック144により、登録された操作者の身元が通話によって確認されたとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、ブロック138に戻って、本明細書において前述した方法で操作シーンのさらなる画像をキャプチャし直すように指示される。
【0113】
ブロック144によって、プロセッサが、登録された操作者のアイデンティティが通話によって確認されなかったと判定した場合、プロセッサはブロック146を実行するように指示される。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、ブロック146はブロック130(
図11)と同一である。
【0114】
方法136は、プロセッサがブロック140によって、記憶されている画像とキャプチャされた画像とが一致しないと判定し、なおブロック144によって、登録された操作者の身元が確認されたと判定する場合には終わらない(すなわち、無限)ループになることを示しているが、典型的には、プロセッサは、記憶されている画像とキャプチャされた画像とが特定の限られた回数だけ一致しなかったときに、ブロック146に進む。
【0115】
いくつかの実施形態では、ブロック142および144は省略され、ブロック140によって、記憶されている画像とキャプチャされた画像とが一致しないとプロセッサが判定した場合、方法はブロック146に直接進む。
【0116】
ブロック146が実行された後、プロセッサは方法114を終了するよう指示される(
図10)。方法114の終了は、例えば、装置10または選択された装置10の機能および/もしくはデバイスをスリープモードに設定することを含むことができる。
【0117】
ブロック140によって、プロセッサが、登録された操作者に関連する記憶されている画像と、ブロック138を実行することによってキャプチャされた画像とが一致すると判定した場合、ブロック148が実行される。典型的には、ブロック148は、プロセッサに、登録された操作者の画像が確認されたことを示すレジスタフラグなどの指示をメモリに格納するように指示する。次に、プロセスは、
図10の方法114の、ブロック134の後に戻る。
【0118】
図10を再び参照すると、ブロック150は、プロセッサに、装置10の登録された操作者のバイオメトリックを確認するように指示する。典型的には、確認されるべきバイオメトリックは、登録された操作者のカメラキャプチャ画像から得られた、またはキャプチャされ得る任意のバイオメトリック情報に加わっているものである。
【0119】
図13を参照すると、プロセッサに、ブロック150(
図10)のステップを実行するように指示するための例示的な方法が全体的に152で示されている。方法152はブロック154で実行を開始し、ブロック154は、プロセッサに、登録された操作者のバイオメトリックを測定するように指示する。少なくとも第1および第2の実施形態では、プロセッサは、ブロック154によって、装置10の操作者に、操作者の指および/または手のひらを指紋リーダ36の指紋読取窓38(
図1および
図2)上に置き、置いている個人の指紋をスキャンし、走査された指紋をメモリに記憶するよう促すように指示される。いくつかの実施形態では、装置10はまた、自身の指および/または手のひらを指紋リーダ36上に置いている個人の画像をキャプチャし、さらに確認するためにそのような画像をリモートサーバに送信するようにも動作可能である。いくつかの実施形態では、ブロック154を実行することは、走査された指紋をリモートサーバに送信することを含む。
【0120】
ブロック156は、登録された操作者の登録中に以前に取得された、リモートサーバに格納されているバイオメトリックデータのような、登録された操作者の以前に記憶されたバイオメトリックデータ(例えば、スキャンされた指紋)が、ブロック154によって測定されたバイオメトリックと一致するか否かを判定するように、プロセッサに指示する。装置10のプロセッサが、登録された操作者の以前に記憶されたバイオメトリックが、ブロック154を実行することによって得られたバイオメトリックと一致するか否かを判定するか、または、一致するか否かを示す判定を受信するように動作可能であるような、任意の適切な比較技法を、装置10によっておよび/またはリモートサーバにおいて利用することができる。
【0121】
ブロック156によって、比較されたバイオメトリックが一致しないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、
図13に示すブロック158を実行するように指示される。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、ブロック158はブロック126(
図11)およびブロック142(
図12)と同一である。ブロック158が実行された後、ブロック160は、プロセッサに、登録された操作者の身元がブロック158の通話によって確認されたか否かを判定するように指示する。
【0122】
ブロック160により、登録された操作者の身元が通話によって確認されたとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、ブロック154に戻って、本明細書において上述した方法で登録された操作者のバイオメトリックを測定し直すように指示される。
【0123】
ブロック160によって、プロセッサが、登録された操作者のアイデンティティが通話によって確認されなかったと判定した場合、プロセッサはブロック162を実行するように指示される。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、ブロック162はブロック130(
図11)およびブロック146(
図12)と同一である。
【0124】
方法152は、プロセッサがブロック156によって、記憶されているバイオメトリックと測定された画像とが一致しないと判定し、なおブロック160によって、登録された操作者の身元が確認されたと判定する場合には終わらない(すなわち、無限)ループになることを示しているが、典型的には、プロセッサは、記憶されているバイオメトリックと測定されたバイオメトリックとが特定の限られた回数だけ一致しなかったときに、ブロック162に進む。
【0125】
いくつかの実施形態では、ブロック158および160は省略され、ブロック156によって、記憶されているバイオメトリックと測定されたバイオメトリックとが一致しないとプロセッサが判定した場合、方法はブロック162に直接進む。
【0126】
ブロック162が実行された後、プロセッサは方法114を終了するよう指示される(
図10)。方法114の終了は、例えば、装置10または選択された装置10の機能および/もしくはデバイスをスリープモードに設定することを含むことができる。
【0127】
ブロック156によって、プロセッサが、登録された操作者に関連する記憶されているバイオメトリックと、ブロック154を実行することによって測定されたバイオメトリックとが一致すると判定した場合、ブロック164が実行される。典型的には、ブロック164は、プロセッサに、登録された操作者のバイオメトリックが確認されたことを示すレジスタフラグなどの指示をメモリに格納するように指示する。次に、プロセスは、
図10の方法114の、ブロック150の後に戻る。
【0128】
図10を再び参照すると、ブロック166は、プロセッサに、装置10の機能へのアクセスを許可するように指示する。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、アクセス装置10の機能を許可することは、少なくともパスポートリーダ42およびプリンタ54をそれぞれスリープモードからウェイクモードにすることなどによって、パスポートリーダ42およびプリンタ54の使用を許可することを含む。
【0129】
次に、ブロック168は、登録された操作者の近接性および画像をモニタリングするように装置10のプロセッサに指示する。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、装置10のプロセッサは、近接センサ78の出力信号の周期的または連続的なモニタリングを実行するように動作可能である。近接センサ78が、登録された操作者が装置10に近接していない、または登録された操作者の画像を装置10のカメラによってキャプチャすることができない場合はいつでも、装置10は、認証デバイス、特にパスポートリーダ42およびプリンタ54を、直ちに戻すことを含め、それぞれのスリープモードに戻すように動作可能である。いくつかの実施形態では、プロセッサは、認証デバイスをそれぞれのスリープモードに戻す前に、登録された操作者の携帯電話に電話をかける。いくつかの実施形態では、登録された操作者の存在の指示および/または登録された操作者との電話連絡を維持できない場合、結果として、装置10のメモリに現在格納されているデータがリモートサーバに送信され、および/または、装置10のメモリから削除される。いくつかの実施形態では、登録された操作者の存在の指示および/または登録された操作者との電話連絡を維持できず、装置10の機能が通常通りシャットダウンしない場合、結果として、装置10の選択されたハードウェアおよび/またはファームウェア構成要素が自動的に自己破壊される。
【0130】
いくつかの実施形態では、装置10のプロセッサは、リモートサーバとの、暗号化通信であり得る周期的または連続的な通信を維持するように指示される。そのような実施形態では、プロセッサは、装置10とリモートサーバとの間の通信が失われた場合に、現在格納されているデータを削除させるように指示することができる。追加的または代替的に、いくつかの実施形態におけるプロセッサは、装置10とリモートサーバとの間の通信が失われると、装置10のハードウェアおよび/またはファームウェアの自己破壊を引き起こすように指示される。
【0131】
ブロック170は、任意の時点において可搬ケース12の閉鎖を検出するようにプロセッサに指示する。少なくとも第1の実施形態および第2の実施形態では、センサ14(
図1および
図2)の出力はプロセッサに接続され、それによって、プロセッサは、可搬ケース12の閉鎖を示すセンサ14の出力信号をモニタリングまたは他の様態で受信するように動作可能である。
【0132】
可搬ケース12の閉鎖が検出されると、ブロック172は、プロセッサに装置10の機能へのアクセスを拒否するように命令する。本明細書における上記のブロック130(
図11)、ブロック146(
図12)およびブロック162(
図13)の説明は、
図10のブロック172に適用可能である。
【0133】
さらに
図10を参照すると、ブロック172が実行された後、プロセッサは方法114を終了するよう指示される。
【0134】
説明を容易にするために、方法114は、上述の本明細書では、方法114の様々なステップが実行される特定の順序を有するものとして上に記載されている。しかし、変形例では、方法114のステップは、マルチタスクプロセッサ等による同時処理を含め、様々な順序で実行されてもよい。例えば、ブロック118,134および150は、
図10に示された順序とは異なる順序で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、登録された操作者の画像は、例えば、登録された操作者の近接性を確認しようと試みる前に確認されるように試みられる。変形例では、ブロック118,134および150のうちの1つまたは複数を省略することができる。代替的にまたは付加的に、装置10は、認証デバイスとしてのマイクロフォン40によってオーディオデータを記録し、装置10で音声認識を実行するか、または、音声認識アルゴリズムをリモートサーバで実行させ、装置10で比較を実行するか、または、登録された操作者に関連する格納された音声署名と装置10に記録されたオーディオデータまたはその音声認識結果との間の比較がリモートサーバで実行されるようにし、例えばそのようなオーディオ手段によって登録された操作者を確認するように動作可能であり得る。
図10はブロック166および168の後に実行されるブロック170および172を示しているが、一般にブロック170および172は、例えば可搬ケース12の閉鎖の非同期検出に応答することを含む任意の時点で実行され得る。いくつかの実施形態では、装置10および/または装置10およびリモートサーバによって形成されるシステムは、本明細書に記載の方法およびステップを並行して実行するように動作可能である。
【0135】
このように、可搬認証装置を操作する方法が提供され、方法は、(a)可搬認証装置の登録された操作者が確認されるか否かを判定するステップと、(b)登録された操作者が確認される場合に、可搬認証装置の認証デバイスへのアクセスを許可するステップとを含む。
【0136】
さらなる特徴および実施形態
さらなる実施形態によれば、本明細書で説明するセキュリティ特徴は、特殊文字、一連の英数字およびそれらの組合せからなる群から選択されるコードを表すパターンである。代替的に、本明細書で説明するセキュリティ特徴は、1次元バーコード、スタックされた1次元バーコード、2次元バーコード(DataMatrixまたはQRコード(登録商標)など)または3次元バーコードである。そのようなコードは、符号化された形態の追加のまたは冗長な情報を含むことができ、したがって、符号化された情報を解読するための鍵または手続きなしでは、概して読解可能または理解可能ではない。本明細書に記載されたセキュリティ特徴がコードを表すパターンである場合、上記パターンは肉眼では不可視であることが好ましい。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、光学的特性からなる。本明細書に記載されたセキュリティ特徴の光学特性は、電磁スペクトル(すなわち、好ましくは200nm〜2500nmの全波長範囲)の可視(400〜700nm)、赤外線(700〜10,000nm、好ましくは700〜2500nm)、またはUV範囲(400nm未満)であるかを問わず、照明された対象からの所定の色(所定の波長)での任意のスペクトル選択反射を指す。光学特性は、好ましくは、反射光の強度、反射波長、光学的可変特性、IR吸収光の強度、IR吸収波長、放出光の強度、放出波長、光偏光およびそれらの組合せからなる群から選択される。さらに、本明細書に記載のセキュリティ特徴の光学特性は、好ましくは、光学的に可変の特性、IR吸収特性、発光特性、光偏光特性およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0138】
光学的可変要素は、セキュリティ印刷の分野で知られている。光学的に可変な要素(当技術分野では角度依存性要素または色シフト要素とも呼ばれる)は、視角または入射角に依存する色を呈し、一般的に利用可能なカラースキャン、印刷およびコピーオフィス機器による偽造および/または不正な複製からセキュリティ物品を保護するために使用される。光学的に可変の特性は、異なる視角で異なる色印象を与える。「異なる色印象」とは、要素がCIELAB(1976)系の少なくとも1つのパラメータの差を呈し、好ましくは異なる視角において、異なる「a*」値、異なる「L*」値または異なる「b*」値を呈するか、または「a*」、「b*」および「L*」値の中から選択される2つまたは3つの異なる値を呈することを意味する。視角の変化に応じて異なる色または色印象を呈する光学的に可変の特徴とは対照的に、色が一定の特徴は、視角の変化に伴って色の変化または色印象の変化を示さない特徴からなる。光学的可変セキュリティ特徴の典型的な例は、例えばコレステリック液晶ポリマーコーティングのような光学的可変パターンからなるか、または光学可変インクからなる印刷パターンからなり得、上記光学可変インクは、例えば薄膜干渉顔料、干渉コーティング顔料、コレステリック液晶顔料またはそれらの混合物のような光学可変顔料を含む。
【0139】
光学的に可変な特性を示す薄膜干渉顔料が、当業者に知られており、米国特許第4,705,300号明細書、米国特許第4,705,356号明細書、米国特許第4,721,271号明細書、米国特許第5,084,351号明細書、米国特許第5,214,530号明細書、米国特許第5,281,480号明細書、米国特許第5,383,995号明細書、米国特許第5,569,535号明細書、米国特許第5,571,624号明細書およびこれらに関連する文献に開示されている。ファブリーペロー反射体/誘電体/吸収体多層構造、より好ましくはファブリーペロー吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体多層構造を含む薄膜干渉顔料であって、吸収体層が入射光を部分的に透過し、部分的に反射し、誘電体層が入射光を透過し、反射層が入射光を反射する、薄膜干渉顔料が、特にセキュリティの分野で使用されている。
【0140】
干渉コーティング顔料には、限定ではなく、金属酸化物でできた1つまたは複数の層で被覆されたチタン、銀、アルミニウム、銅、クロム、ゲルマニウム、モリブデンまたはタンタルのような金属コアからなる群から選択される材料からなる構造、ならびに、金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化クロム、酸化ニッケルおよび酸化銅)からなる1つまたは複数の層で被覆された合成もしくは天然の雲母、他の層状ケイ酸塩(例えば、タルク、カオリンおよびセリサイト)、ガラス(例えば、ホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化チタン(TiO
2)およびそれらの混合物からなるコアからなる構造を含み、上述の構造は、例えば、Chem.Rev.99(1999).G.Pfaff and P.Reynders,pages 1963−1981および国際公開第20081083894号パンフレットに記載されている。
【0141】
コレステリック相の液晶は、その分子の長軸線に垂直ならせん状上部構造の形態の分子秩序を示す。らせん状上部構造は、液晶材料全体にわたる周期的な屈折率変調の原点にあり、その結果、決定された波長の光が選択的に透過/反射される(干渉フィルタ効果)。コレステリック液晶ポリマーは、キラル相を有する1つまたは複数の架橋可能な物質(ネマチック化合物)を整列および配向させることによって得ることができる。ピッチ(すなわち、らせん配置の360°の全回転が完了する距離)は、特に、温度および溶媒濃度を含む選択可能な因子を変化させることによって、キラル成分の性質およびネマチック化合物とキラル化合物との比を変化させることによって調整することができる。UV照射の影響下での架橋は、得られるコレステリック液晶材料の色がもはや温度のような外部因子に依存しなくなるように、所望のらせん形状を固定することによって、所定の状態でピッチを凍結させる。
【0142】
その後、コレステリック液晶材料は、その次にポリマーを所望の粒径に粉砕することによって、コレステリック液晶顔料に成形することができる。コレステリック液晶材料およびそれらの調製物から作られるコーティング、フィルムおよび顔料の例は、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,211,877号明細書、米国特許第5,362,315号明細書、米国特許第6,423,246号明細書欧州特許出願公開第1213338号明細書、欧州特許出願公開第1046692号明細書および欧州特許出願公開第0601483号明細書に開示されている。
【0143】
本明細書に記載の光学可変セキュリティ特徴の光学的に可変の特性は、電磁スペクトルの可視範囲に限定されないことに留意されたい。例えば、光学可変セキュリティ特徴は、少なくとも1つの視角、選択反射帯域の異なる位置、および/または、可視、IR(赤外線)またはUV(紫外線)範囲における異なるCIE(1976)色指数パラメータ、および/または、可視範囲からIR範囲、またはUV範囲から可視範囲、またはUV範囲からIR範囲への色シフト特性を呈することができる。
【0144】
光学可変セキュリティ特徴の機械認証は、第1の視角でセキュリティ特徴によって反射および/または屈折される第1の光および第2の視角で反射および/または屈折される第2の光であって、第1の光および第2の光は、光学可変セキュリティ特徴の結果として異なるスペクトル構成を有する、第1の光および第2の光を形成するように、上記光学可変セキュリティ特徴を照明し、第1のおよび第2の反射および/または屈折された光をキャプチャし、知覚される、2つの反射および/屈折された光/色を、2つの基準色と比較することによって実行することができる。そのような検出器の例は、国際公開第2004/097716号パンフレット、国際公開第20121001077号パンフレットおよび国際公開第2013/045082号パンフレットに見ることができる。
【0145】
一般に、本発明の少なくともいくつかの実施形態のセキュリティ特徴検出器は、以下の説明と一貫して、または類似して実装されてもよい。第1に、国際公開第2004/097716号パンフレットは、光学可変セキュリティ特徴の物理的特性を検出するための適切なセキュリティ特徴検出器を開示している。国際公開第2004/097716号パンフレットは、光学可変セキュリティ特徴に順次照明を提供するための異なるスペクトル特性を有する少なくとも2つの光源と、少なくとも2つの所定の異なる観察角度で上記セキュリティ特徴によって反射される光を収集し、収集された光強度に対応する電気信号を送出する任意の収集光学系を有する少なくとも2つの光検出器と、光源を制御し、反射強度値をデジタル化して記憶し、すべて所定のアルゴリズムに従って、予め確立された決定基準を使用して、上記強度値を以前に記憶された対応する基準値と比較し、比較結果から信頼性指標を導出するためのアナログ−デジタル変換、処理、制御およびメモリ手段とを備えるデバイスであって、デバイスは、上記光源の光を上記セキュリティ特徴に導くための広角照明光学系を備えることを特徴とする、デバイスを開示している。
【0146】
国際公開第2012/001077号パンフレットは、光学可変セキュリティ特徴の物理的特性を検出するための適切なセキュリティ特徴検出器を開示している。国際公開第2012/001077号パンフレットは、a)第1の視角でセキュリティ特徴によって反射される第1の光および第2の視角でセキュリティ特徴によって反射される第2の光を形成するように光学可変セキュリティ特徴を照明するように構成された光源であって、第1の光および第2の光は、光学可変マーキングの結果として異なるスペクトル組成を有する、光源と、b)上記第2の反射光を方向転換するように上記第2の反射光を屈折させるプリズムと、c)第1の光および第2の屈折光を同時に捕捉する光センサと、d)上記捕捉された第1の光および第2の屈折光に基づいて、上記光学可変セキュリティ特徴の光学特性を決定する処理ユニットとを含むデバイスを開示している。国際公開第2013/045082号パンフレットは、光学可変セキュリティ特徴の物理的特性を検出するための適切なセキュリティ機能検出器を開示しており、上記デバイスは、光屈折材料のプレートを備え、上記プレートは、2つの表面と、上記表面の少なくとも1つの上にある光屈折突起または凹部のアレイとを有し、互いからずれて、上記光学可変セキュリティ特徴に対する直接のビューおよび上記光学可変セキュリティ特徴の少なくとも部分までの上記プレートを通るビューをもたらすように、上記デバイス内に配置されており、上記プレートを通る上記ビューは、上記突起または凹部での光屈折に起因する角度偏向されたビューである。
【0147】
発光特性に基づくセキュリティ特徴は、当技術分野ではルミネセンス材料として知られている。ルミネセンス材料は、セキュリティ用途でのマーキング材料として広く使用されている。ルミネセンス材料は、無機(無機母体結晶またはルミネセンスイオンでドープされたガラス)、有機または有機金属(ルミネセンスイオンと有機リガンドとの錯体)物質であってもよい。ルミネセンス材料は、当該材料に作用する、電磁スペクトル、すなわちUV、VIS、およびIR範囲内の特定のタイプのエネルギーを吸収し、その後、電磁放射としてこの吸収されたエネルギーを少なくとも部分的に放出することができる。ルミネセンス材料は、特定の波長の光で露光し、放出された光を分析することによって検出される。ダウンコンバージョンルミネセンス材料は、より高い周波数(より短い波長)の電磁放射を吸収し、より低い周波数(より長い波長)において少なくとも部分的に電磁放射を再放射する。アップコンバージョンルミネセンス材料は、より低い周波数の電磁放射を吸収し、少なくとも部分的に、より高い周波数でその電磁放射の一部を再放出する。ルミネセンス材料の発光は、原子または分子の励起状態から生じる。ルミネセンス材料は、(i)励起放射線が除去された後に(典型的には、約1μs超から約100秒までの減衰寿命で)時間遅延放射放出が観察される燐光材料、および(ii)励起中の迅速な放射放出が観測可能である(典型的には、1μs未満の減衰寿命を有する)蛍光材料に分割され得る。蛍光化合物および燐光化合物の両方が、機械可読セキュリティ特徴の実現に適している。燐光化合物の場合、減衰特性の測定を実施し、機械可読特徴として使用することもできる。
【0148】
ルミネセンスセキュリティ特徴の物理的特性を検出するセキュリティ特徴検出器は、励起光でルミネセンスセキュリティ特徴を照射する光源と、バックグラウンド放射強度に対するルミネセンス強度を測定する光センサ(本技術分野では光検出器とも呼ばれる)とを備えることができる。バックグラウンド信号の抑制のために位相検出器を使用することができる。ルミネセンス材料の検出に使用されるスペクトルの部分に応じて、光源は、典型的にはパルス光を供給するための機械的または光電子的デバイスと共に使用される約400nm〜約2500nmの波長の白熱灯であってもよいし、または、典型的には約250nm〜約1000nmの波長のUV、可視またはIR領域で発光するフラッシュランプ(例えば、キセノン高圧フラッシュランプ)、またはレーザもしくは発光ダイオード(LED)であってもよい。光源は、駆動電流(例えば、LEDの場合)または駆動電圧(例えば、放電ランプの場合)によって給電されてもよい。光センサまたは光検出器は、例えばフォトダイオード(単一またはアレイ)、フォトトランジスタもしくはフォトレジスタンス回路、リニアCMOSまたはCCDセンサであってもよい。
【0149】
赤外線(IR)吸収材料を含むセキュリティ特徴は、広く知られており、セキュリティ用途に使用されている。それらの特徴は、上記で定義したように、約700nm〜約2500nmのスペクトル範囲の電子遷移に起因する電磁放射の吸収に基づく。セキュリティ文書の機械認証の領域では、700nm〜1500nmの範囲が好ましく、800nm〜1000nmの範囲が特に好ましい。例えば、IR吸収特徴は、決定された通貨請求を認識してその請求の真偽を確認するために、特に、特に、カラー複写機によって作られたレプリカと区別するために、銀行取引および自動販売用途(現金自動入出金機、自動販売機など)において、自動通貨処理機器によって使用するために、銀行券において実装されている。IR吸収材料には、無機材料、相当量のIR吸収原子もしくはイオンを含むガラス、または協同効果としてIR吸収を示す実体が含まれる。IR吸収性有機化合物およびIR吸収性有機金属化合物(カチオンと有機リガンドとの錯体、別個のカチオンおよび/または別個のリガンドのいずれか、または両方がIR吸収特性を有する)。IR吸収化合物の典型的な例には、とりわけ、カーボンブラック、キノン−ジイモニウム塩またはアミニウム塩、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアライン、クロコネイン)、フタロシアニンまたはナフタロシアニンタイプ(IR吸収性π系)、ジチオレン、クアテリレンジイミド、金属(例えば、遷移金属またはランタニドなどの)塩(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、酢酸塩、クロム酸塩、六ホウ化物、モリブデン酸塩、マンガン酸塩、フェレート、有機サルフェート、有機スルホネート、有機ホスホネート、有機ホスフェートおよびホスホノタングステン酸塩など)、金属酸化物(例えば、インジウムスズ酸化物、ナノ粒子形態のアンチモンスズ酸化物、SnO
4結晶と協同性のドープされたスズ(IV)酸化物など)、
金属窒化物が含まれる。遷移元素化合物を含み、赤外線吸収が国際公開第2007/060133号パンフレットに記載されているような遷移元素原子またはイオンのd殻内の電子遷移の結果であるIR吸収化合物も、本発明に使用することができる。
【0150】
1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴の機械認証は、1つまたは複数のIR光源と、1つまたは複数のIR検出器と、アナログ/デジタル変換器とプロセッサとを備えるIR認証デバイスを使用することによって実行することができる。1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴は、1つまたは複数のIR光源によって同時にまたは順次に照射され、1つまたは複数のIR検出器は、上記セキュリティ特徴によって反射される光の強度に対応する信号を検出し、アナログ/デジタル変換器は、上記信号を、プロセッサによって、データベースに記憶された基準と比較されるデジタル情報に変換する。次に、IR認証デバイスは、正の信号(セキュリティ特徴が真正であることを意味する)または負の信号(セキュリティ特徴が偽造であることを意味する)を出力する。随意選択的に、IR認証デバイスは、(コンデンサのような)1つまたは複数の光拡散素子、(集束またはコリメートレンズのような)1つまたは複数のレンズアセンブリ、(ミラー、特に半透明ミラーのような)1つまたは複数の反射素子、(プリズム、ホログラムまたは格子のような)1つまたは複数の光分散または回折素子および1つまたは複数の光学フィルタを含むことができる。ある構成では、IR光源は、拡散器またはコンデンサを介して1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴を所定の角度で照明し、IR検出器は、コリメータレンズアセンブリを介して同じ角度で反射光を受け取る。オプションのプリズム、ホログラムまたは格子は、IR光源とセキュリティ特徴との間に配置して、セキュリティ特徴を単色光で照射するか、またはセキュリティ特徴と上記検出器との間に配置して、上記検出器に単色反射光を提供することができる。
【0151】
別の構成(国際公開第00/070536号パンフレットに記載)では、IR光が集束レンズアセンブリを介して放出され、半透明ミラーによってセキュリティ特徴に偏向され、照明方向は上記セキュリティ特徴に対して実質的に垂直である。セキュリティデバイスから反射される光は、第2のレンズアセンブリによって同じく上記セキュリティ特徴に実質的に垂直な方向にコリメートされ、プリズムまたはホログラムに向けられてスペクトルを生成する。最後に、生成されたスペクトルは、電磁スペクトルのIR領域の異なる限定された範囲に各々感受性のある複数のIR検出器を含む検出器アセンブリに向かって、第3のレンズアセンブリによって集束される。
【0152】
使用される電磁スペクトルの領域に応じて、IR光源は、1つまたは複数のIR LED(特にGaAsおよびAIGaAs)、1つまたは複数の半導体レーザダイオード(特にInGaAsP)、1つまたは複数の白熱(タングステンのような)ランプ、1つまたは複数のハロゲンランプ、1つまたは複数の熱放射体(ニクロム)、1つまたは複数のキセノンランプ、またはそれらの組合せを含むことができる。1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴の機械認証のために、好ましいIR光源は、GaAsおよびAIGaAs LEDならびにInGaAsPレーザダイオードである。IR検出器は、光電子増倍管、熱検出器および量子検出器からなる群から選択される。IR吸収化合物の機械認証のために、量子検出器が好ましい。このカテゴリには、Ge(800〜1800nm)またはInGaAs(700〜1700nm)のような光起電力検出器、PbS(1000〜3600nm)またはPbSe(1500〜5800nm)などの光伝導検出器およびCCOまたはCMOSセンサ(400〜1000nm)が含まれる。アレイとして配置することができる狭い帯域のIR光に感受性のあり、したがって波長の関数として反射光の強度のスペクトルが得られるGeまたはInGaAs検出器(すなわち、「波長選択性」検出器)が特に好ましい。CCOおよびCMOSセンサの利点は、それらのセンサを線形センサまたは2次元センサとして提供できることであり、上記2次元センサは、1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴の画像を提供することが可能である。いずれにしても、単一点照明中の1つまたは複数の波長における反射光の強度または上記セキュリティ特徴の全体像のいずれかである、検出器によって提供される応答は、基準と比較されて、正または負の信号が出力される。
【0153】
1つまたは複数のIR吸収化合物を含むセキュリティ特徴は、パターン、画像、ロゴ、テキスト、数字、またはコード(バーコードまたはQRコード(登録商標)のようなもの)から構成されてもよい。セキュリティ特徴は、1つまたは複数のIR吸収化合物を含むコーティング組成物で作られてもよく、または、1つまたは複数のIR吸収化合物を含む第1の部分と、電磁スペクトルの別の領域(例えば、UVまたは可視)において吸収する1つまたは複数の化合物を含む第2の部分とから作られてもよい。上記第2の部分が電磁スペクトルの可視領域において吸収する化合物を含む場合、セキュリティ特徴は、第1の部分および第2の部分が画像を形成し、両方の部分が可視スペクトル内で色が一致するコーティング組成物からなるようにすることができる。したがって、両方の部分は、本質的に人間の眼に見分けがつかない。上記第1および第2の部分は、例えば、互いに隣接していてもよく、互いに重なり合っていてもよく、または離間していてもよい。そのような場合、認証デバイスは、スペクトルの可視部分で放射する1つまたは複数の光源(例えば、赤色および/または緑色LED)、および、スペクトルのIR部分で放射する1つまたは複数の光源(例えば、選択的な波長を有する1つまたは複数のGsAs LED)を備えることができ、検出器はCMOSまたはCCOセンサである。随意選択的に、認証デバイスは、米国特許出願公開第2005/0139681号明細書のように、UV光源(UV LEDのような)によって完成されてもよい。次に、上記セキュリティ特徴は、1つまたは複数の可視光源、1つまたは複数のIR光源、および1つまたは複数のオプションのUV光源によって順次照明され、CMOSまたはCCOセンサは、各照明の下でセキュリティ特徴の画像を撮影する。これは、その後、データベースに記憶された基準画像と比較される、別々に使用することができ、またはいずれかの方法で組み合わせることができる画像のセットを提供する。
【0154】
このようにして、特に高品質の出力の正信号または負信号を得ることが可能である。これは、例えば国際公開第01/024106号パンフレットに記載されており、3つの異なる光源(UV、VIS、IR)を使用して、各々が3つの領域の各々において吸収する化合物を含む、3つの異なるコーティング組成物で印刷された2次元バーコードを順次に照明する。3つの領域の各々に対応する2次元バーコードの画像はセンサ(CCOまたはCMOSセンサのような)によって逐次取得され、これらの画像は次に結合されて、3つの領域の各々に関する情報を含む多次元バーコードを生成する。代替的に、カスタマイズされたセンサが、ピクセルレベルで3つの領域の各々に感応するフィルタを用いて設計され、それによって、2次元バーコードが3つの異なる光源によって実質的に同時に照射され得、多次元バーコードが1つの照明において生成され得る。
【0155】
光偏光特性に基づくセキュリティ特徴の例には、コレステリック液晶材料が含まれる。上述したように、コレステリック相の液晶は、その分子の長軸線に垂直ならせん状上部構造の形態の分子秩序を示す。らせん状の分子配置の特定の状況は、非偏光の入射光を異なる偏光を有する成分、すなわち、らせんの回転の検知に応じて左円偏光または右円偏光の成分に分散させる特性を呈するコレステリック液晶材料をもたらす。人間の眼は、コレステリック液晶材料の円偏光効果のような、受け取っている光の偏光状態を検出することができないため、機械検査によって、コレステリック液晶材料から反射される光の偏光を測定することによって対掌性の差を検出することができる。
【0156】
コレステリック液晶材料に基づくセキュリティ特徴の巧みさを検出するためのセキュリティ特徴検出器は、1つまたは複数の照明源と、1つまたは複数の偏光選択要素を備える1つまたは複数の受信器とを備えることができる。1つまたは複数の光源は、周囲光、白熱光、レーザダイオード、発光ダイオード、およびカラーフィルタを有するすべてのタイプの光源から選択することができる。1つまたは複数の偏光選択要素は、例えば偏光フィルタ、すなわち左または右円偏光フィルタ、または両方の並置などの受動的手段であってもよい。この手段は、上記材料によって反射された光の偏光状態を決定することによって、コレステリック液晶材料のらせんピッチの回転方向を決定することを可能にする。代替的に、コレステリック液晶材料に基づくセキュリティ特徴の認証は、少なくとも1つの偏光光源からの円偏光の使用によって実行されてもよい。
【0157】
代替的に、コレステリック液晶材料に基づくセキュリティ特徴の認証は、電気光学認証デバイスを使用して実施することができ、上記デバイスは、円偏光フィルタおよび/または円偏光光源と組み合わせて少なくとも1つの光電池を備えるか、または、線形CCOセンサアレイ、2次元CCO画像センサアレイ、線形CMOS画像センサアレイ、または2次元CMOS画像センサアレイなどの電気光学カメラを、円偏光フィルタおよび/または円偏光光源と組み合わせて備える。随意選択的に、上述の円偏光フィルタまたは円偏光光源は、特定のスペクトル領域を選択し、液晶材料から反射される光と背景から反射される光とのコントラスト比を高めるために、カラーフィルタと組み合わせることができる。そのような検出器の例は、米国特許第6,570,648号明細書および国際公開第2009/121605号パンフレットに見出すことができる。
【0158】
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、例えば光学的に可変の特性と発光特性、ならびに、光学的に可変の特性と光偏光特性などの異なる光学特性の組合せからなる。光学的に可変の特性および光偏光特性に基づくセキュリティ特徴の典型的な例は、上述のコレステリック液晶材料に基づくセキュリティ特徴からなる。
【0159】
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、磁気特性からなる。磁性材料は、電子的手段によって容易に感知され得る追加の隠しセキュリティ要素をセキュリティ物品に与えるために、セキュリティ用途においてマーキング材料として広く使用されている。磁性化合物は、強磁性またはフェリ磁性タイプの特定の検出可能な磁気特性を示し、永久磁石化合物(保磁力H
c>1000A/mの硬磁性化合物)および磁化可能な化合物(IEC60404−1(2000)による保磁力H
c≦1000A/mの軟磁性化合物)を含む。磁性化合物の典型例は、鉄、ニッケル、コバルト、マンガンおよびそれらの磁性合金、カルボニル鉄、二酸化クロムCrO
2、磁性酸化鉄(例えばFe
2O
3;Fe
3O
4)、磁性フェライト、M(II)Fe(III)
2O
4およびヘキサフェライトM(II)Fe(III)
12O
19、磁性ガーネットM(III)
3Fe(III)
5O
12(イットリウム鉄ガーネットY
3Fe
5O
12など)およびそれらの磁気等構造置換生成物および永久磁化を有する粒子(例えば、CoFe
2O
4)を含む。磁気材料は、印加される外部磁場Hの関数としての磁束密度Bの依存性によって特に特徴づけられる。低磁場Hでは、磁束密度BはHに略比例する、すなわちB=μH(μは比透磁率)である。磁化関数B(H)の非線形挙動は一般に、高磁場Hにおいて観察され、ここで、μは最終的に1に等しくなる。すなわち、磁化飽和を受ける。多くの磁性材料では、磁場Hの強度を飽和値からゼロまで減少させると、Bは磁気残留と呼ばれる一定の固定値Brにとどまる。Bを再びゼロに戻すには、磁気保磁力と呼ばれる負の磁場H
cを材料に印加しなければならない。この挙動は磁気ヒステリシスと呼ばれ、B(H)曲線またはそのような材料の磁化特性は、磁気ヒステリシス曲線と呼ばれる。
【0160】
1つまたは複数の磁性材料を含むセキュリティ特徴の認証は、1つまたは複数の磁気センサ、1つまたは複数のアナログ/デジタル変換器およびプロセッサを備える磁気検出デバイス(磁気検出器)を使用することによって実行することができる。随意選択的に、磁気検出デバイスは、永久磁石および/または電磁石の形態の1つまたは複数の磁化ユニットと、1つまたは複数の増幅器とを備えることができる。1つまたは複数の磁気センサおよび任意選択の1つまたは複数の磁化ユニットは、1つもしくは複数のリニアガイドラインまたは1つもしくは複数のシリンダに移動可能に取り付けられ、1つまたは複数の電気ステッピングモータ(線形または円形)を設けられ得る。代替的に、上記1つまたは複数の磁気センサおよび上記1つまたは複数の任意選択の磁化ユニットは、複数のグループまたはアレイとして提供することができ、各グループまたはアレイは、それ自体のリニアガイドラインまたはシリンダおよびそれ自体のステッピングモータ(線形または円形)を保持し、独立して動くことが可能である。1つまたは複数の磁性材料を含むセキュリティ特徴を担持するセキュリティ物品は、次に、文書ガイドユニットを介して磁気検出ユニットに搬送され得る。上記磁気検出ユニットに含まれる1つまたは複数の磁気センサおよび1つまたは複数のオプションの磁化ユニットは、選択された順序で、かつ、使用されている磁気センサのタイプに応じて、電圧、抵抗または電流の変化として上記セキュリティ特徴内に含まれている情報を検出するために要求される速度で、ともにまたは独立したグループもしくはアレイとして、1つまたは複数のリニアガイドラインに取り付けられるときは前後に動き、1つまたは複数のシリンダに取り付けられるときは円形に動く。次いで、検出された情報は、オプションの増幅およびデジタル変換の後、プロセッサに送られ、そこでデータベースに含まれる基準または閾値と比較される。正または負の信号が出力される。
【0161】
セキュリティ特徴が(残留磁化を有する)1つまたは複数の高保磁力材料を含む場合、1つまたは複数の磁気センサは、上記残留磁化の強度を測定する。セキュリティ特徴が1つまたは複数の低保磁力材料(測定可能な残留磁化を有せず、外部磁場Hで磁化される必要がある)を含む場合、1つまたは複数の磁気センサは、1つまたは複数の低保磁力材料の透磁率に起因する磁場Hの変動を測定することができる。外部磁場は、1つまたは複数の永久磁石および/または1つまたは複数の電磁石によって提供され得る。好適には、1つまたは複数の永久磁石および/または1つまたは複数の電磁石が、1つまたは複数の磁気センサ内に含まれる。
【0162】
一般に、磁気センサは、磁場を検出する役割を果たすセンサである。磁性材料および磁気検出デバイスの特定の実施形態に応じて、異なるタイプの磁気センサを使用することができる。例えば、誘導センサ(コイルを含む)、フラックスゲートセンサ(2つのコイル、すなわち励起用の1つと検出用の1つとが巻かれた薄い強磁性コアを含む)、印加される磁場に依存する抵抗増加を受ける磁気抵抗センサ、印加される磁場に依存する電圧が生成されるホール効果センサ、および磁気光センサが知られている。磁性化合物の機械検出に適した磁気抵抗センサは、古典的な磁気抵抗センサ、異方性磁気抵抗センサ(AMR)、および巨大磁気抵抗センサ(GMR)を含む。通常、1つまたは複数の磁気センサおよび1つまたは複数のオプションの磁化ユニットによって1つまたは複数の磁性材料を含むセキュリティ特徴を通過させることによって生成される信号は弱く、したがって、増幅回路が必要である。好適には、増幅回路によって誘発される騒音および関連する信号対騒音比の減少を制限する目的で、1つまたは複数の磁気センサの各々がそれ自体の増幅回路を有するか、または、1つまたは複数の磁気センサがグループまたはアレイとして設けられるとき、増幅回路が上記グループまたはアレイに結合される。
【0163】
1つまたは複数の磁性材料は、セキュリティ物品に直接、または、セキュリティ物品に塗布されるかもしくは組み込まれるスレッド、ストライプまたはフォイルを印刷またはコーティングすることによって、印刷またはコーティングされるコーティング組成物に組み込まれてもよい。コーティング組成物は、連続的に、検出しやすい平坦な領域を構築して、または、例えばコード、画像、ロゴ、テキストまたはパターンの形態の特定の領域のみに適用することができる。コーティング組成物をテキストとして印刷する場合、米国特許出願公開第2009/152356号明細書に記載されているように、磁気インク文字認識(MICR)センサと呼ばれる特定のタイプの磁気センサを用いてテキストを読み取ることができる。
【0164】
1つまたは複数の磁性材料に加えて、上記コーティング組成物は、電磁スペクトルのUV領域、可視領域またはIR領域において吸収する着色剤または顔料を含むことができる。セキュリティ特徴全体は、1つまたは複数の磁性材料を含むコーティング組成物、または上記1つもしくは複数の磁性材料を含む第1の部分、および磁性材料を含有しない第2の部分から作ることができる。セキュリティ特徴は、上記第1の部分および第2の部分が画像を形成し、両方の部分が電磁スペクトルの可視領域内で色が一致するコーティング組成物からなるようにすることができる。このように、両方の部分は、本質的に人間の眼に見分けがつかず、第1の部分は、上記の磁気検出デバイスを用いてのみ検出可能な1つまたは複数の磁性材料を含む。上記第1および第2の部分は、互いに隣接していてもよく、互いに重なり合っていてもよく、または離間していてもよい。
【0165】
好適には、1つまたは複数の磁性材料を含むセキュリティ特徴は、互いに隣接する、互いに重なり合う、またはそれらの間に間隙を有する、異なる磁気特性を有する複数の磁気領域からなることができる。例えば、米国特許出願公開第2013/082105号明細書は、高保磁力磁性材料を有する少なくとも1つの高保磁力磁性領域、低保磁力磁性領域を有する1つの低保磁力磁性領域、および、随意選択的に、高保磁力磁性材料と低保磁力磁性材料の両方を含む複合磁性領域を含む、複数の磁性領域を有するセキュリティ要素を有する重要な文書をチェックする方法を開示している。3つの領域はすべて、それらの領域の特定の磁気応答に基づいて確実に区別することができます。
【0166】
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、光学特性、特に光学的に可変の特性および磁気特性の組合せからなる。光学的に可変の磁気特性に基づくセキュリティ特徴の典型的な例には、磁気薄膜干渉材料、磁気コーティング顔料および磁気コレステリック液晶材料が含まれるが、これらに限定されない。磁気薄膜干渉材料、特に磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者に知られており、例えば、米国特許第4,838,648号明細書、国際公開第2002/073250号パンフレット、欧州特許第0686675B1号明細書、国際公開第2003/000801号パンフレット、米国特許第6,838,166号明細書、国際公開第2007/131833号パンフレット、欧州特許出願公開第EP2402401号明細書およびそれらの文献中に引用されている文献に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子の典型的な例は、5層ファブリーペロー多層構造を有する顔料粒子および/または6層ファブリーペロー多層構造を有する顔料粒子および/または7層ファブリーペロー多層構造を有する顔料粒子を含む。5層ファブリーペロー多層構造体は、吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体多層構造からなり、反射体および/または吸収体もまた磁性層である。6層ファブリーペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/誘電体/吸収体多層構造からなる。7層ファブリーペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁気/反射体/誘電体/吸収体多層構造からなる。
【0167】
光学的に可変の特性を示す磁性コレステリック液晶顔料粒子は、限定するものではないが、磁性単層コレステリック液晶顔料粒子および磁性多層コレステリック液晶顔料粒子を含む。このような顔料粒子は、例えば、国際公開第2006/063926号パンフレット、米国特許第6,582,781明細書および米国特許第6,531,221号明細書に開示されている。国際公開第2006/063926号パンフレットは、磁化率のような追加の特定の特性を有する高輝度および色シフト特性を有する単層および当該単層から得られる顔料粒子を開示している。開示されている単層、および上記単層を粉砕することによって上記単層から得られる顔料粒子は、三次元的に架橋されたコレステリック液晶混合物および磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582,781号明細書および米国特許第6,410,130号明細書は、シーケンスA1/B/A2を含むプレートレット状コレステリック多層顔料粒子を開示しており、A1およびA2は同一または異なっていてもよく、各々が少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは中間層であり、この層は層A1および層A2によって透過され、上記中間層に磁気特性を付与する光の全部または一部を吸収する。米国特許第6,531,221号明細書は、シーケンスA/Bおよび随意によりCを含むプレートレット状コレステリック多層顔料粒子を開示しており、AおよびCは磁気特性を付与する顔料粒子を含む吸収層であり、Bはコレステリック層である。
【0168】
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載されるセキュリティ特徴の物理的特性は、導電特性からなる。1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴は、上記セキュリティ特徴と接触する電極回路のような単純な検出デバイスによって検出することができる。好適には、上記検出デバイスは、誘導センサまたは容量センサなどの非接触電子手段を備える。容量センサは、高周波数(典型的には500kHz〜1MHz)で振動する電場を使用する。容量センサを1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴に近づけると、センサの静電容量が変化し、それによってセンサ内に電流が発生する。センサエレクトロニクスは、電流の大きさに比例する較正された電圧を生成し、したがって1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴の存否を示す。誘導センサは、交流電流を1つまたは複数のコイルに通すことによって生成される振動磁場を使用する。上記振動磁場が1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴と相互作用するとき、渦電流(誘導電流とも呼ばれる)が生成され、この渦電流は、誘導センサの振動場に対向する振動磁場を生成する。この振動磁場は、誘導センサに電流を生じさせる。上記電流は、容量センサについて先に説明したように、センサエレクトロニクスによって較正された電圧に変換される。セキュリティの分野では、環境(基板または周囲のハードウェア)と相互作用することなく小さな導電性素子を検出することができるので、容量センサが通常好ましい。例えば、米国特許第5,650,729号明細書は、細長い導電性要素と横方向に離間された導電性部材とによって画定されたキャパシタを含む導電性ストリップ検出器を記載している。モニタリング回路が、素子に実質的に平行な導電性ストリップがキャパシタを通過するときのキャパシタのキャパシタンスの変化をモニタリングし、キャパシタンスの変化が導電性ストリップの存在に起因する場合を示す。
【0169】
セキュリティ特徴は、1つまたは複数の導電性材料に加えて、エレクトロルミネッセンス材料またはエレクトロクロミック材料のような、誘導電流および/または誘導電圧に反応する1つまたは複数の材料を含むことができる。この場合、ルミネセンス材料によって放出される光またはエレクトロクロミック材料の色の変化を使用して、セキュリティ特徴の1つまたは複数の導電性材料が間接的に検出される。
【0170】
導電性材料は、セキュリティ物品の基板に塗布または埋め込まれている、スレッド(金属化または部分的に脱メタル化されたもの)、ストライプ、フォイルまたはデカールの形態の、PET、PVCまたはBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)のようなポリマー基板上にコーティングされたアルミニウム、銅、ニッケル、鉄、鉛、亜鉛およびスズならびにそれらの合金のような金属であってもよい。最も簡単な形態では、金属ワイヤを、基板(BOPPのようなプラスチック、木材パルプまたは綿パルプ)内で直接加工することができる。1つまたは複数の導電性材料はまた、米国特許出願公開第2014/291495号明細書に記載されているように、ポリマーマトリックスに埋め込まれてもよい。上記マトリックスは、PC(ポリカーボネート、特にビスフェノールAポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PI(ポリイミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリアクリレートおよびメタクリレート、ビニルエステル、ABSならびにそれらのコポリマーおよび/または混合のような、1つまたは複数の非導電性の透明または不透明な熱可塑性ポリマーを含む。
【0171】
上記ポリマーマトリックス中に埋め込まれる1つまたは複数の導電性材料は、例えば金属ナノ粒子、特に銀ナノ粒子、1つまたは複数の導電性層(例えば米国特許第7,416,688号明細書に記載)で表面処理された顔料、導電性コアを含む顔料(例えば欧州特許第2220171号明細書に記載)、ZnO(酸化亜鉛)、ITO(インジウムスズ酸化物)またはATO(アンチモンスズ酸化物)のような導電性混合酸化物、ならびに、フラーレン、グラフェンおよびカーボンナノチューブ(特に、単層ナノチューブSWNTよりも製造しやすく、より高い導電率を示す、マルチウォールナノチューブを表すMWNT)のような炭素誘導体である。好適には、1つまたは複数の導電層で表面処理された顔料は、導電層に包まれた、酸化チタン、合成または天然の雲母、他のフィロケイ酸塩、ガラス、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムのような安価なコア材料に基づいている。コーティングまたは印刷の方向に沿って配向するリーフィング顔料とも呼ばれる高アスペクト比を示す導電層で表面処理された顔料が好ましく、これによりセキュリティ特徴の導電性が向上する。代替的に、高度に共役したポリマーを1つまたは複数の導電性材料として使用することができる。これらのポリマーは、ポリマーマトリックスが不要であり、透明で柔軟な層を構築できるという利点を提供することができる。このような高度に共役したポリマーは、例えば国際公開第2013/135339号パンフレット、国際公開第2013/120590号パンフレット、国際公開第2013/159862号パンフレットおよび国際公開第20131159863号パンフレットに記載されている)。好ましい高度に共役したポリマーは、ポリアニリン、ポリチオフェン(特に、3,4−エチレンジオキシチオフェンとスチレンスルホネートとの共重合によって得られるPEDOT/PSS)、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレンおよびポリピロールである。良好な導電性(ITO、酸化インジウムスズに近い)、高い透明性、ならびに良好な可撓性および機械的抵抗性を示すPEDOT/PSSが特に好ましい。好適には、前述の理由により、1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴は、1つまたは複数のルミネセンス材料を含むことができる。1つまたは複数のルミネセンス材料は、ルミネセンス分子(ポリマーマトリックスに均一に溶解される)、発光顔料(上記ポリマーマトリックス内に分散される)、半導体量子ドット(CdSe、ZnS、ZnSe、CdZnSe、CdS、InAs、InP、CdSeSなど)、ルミネセントポリマー(米国特許出願公開第2014/291495号明細書に広く記載されている)およびルミネセンス層で表面処理された顔料からなる群から選択される。代替的におよび/または付加的に、1つまたは複数の導電性材料を含むセキュリティ特徴は、1つまたは複数のエレクトロクロミック材料を含むことができる。1つまたは複数のエレクトロクロミック材料は、ポリマーエレクトロクロミック材料、非ポリマーエレクトロクロミック材料およびそれらの混合からなる群から選択されてもよい。エレクトロクロミック材料の包括的なリストは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,243,356号明細書に見ることができる。
【0172】
本発明の実施形態について説明し図示してきたが、このような実施形態は本発明の単なる例示であると考えられるべきである。本発明は、本明細書に詳細に記載または図示されていない変形例を含むことができる。したがって、本明細書で説明され図示された実施形態は、添付の特許請求の範囲に従って解釈される本発明を限定するものと考えられるべきではない。