(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る扉体10の施錠装置100を示す断面図である。
図2は、施錠装置100の施錠部材40を示す構成図である。
図3は、施錠装置100の動作装置20を示す構成図である。
図4は、施錠装置100の第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32を示す断面図ある。
図5は、施錠装置100の第3の施錠部材受部13を示す断面図である。
【0014】
施錠装置100は、建屋1の開口部2(
図9参照)周囲に設置された上下にレール部材3(
図9参照)を有する枠体30のレール部材3を移動して開口部2を全面閉止する扉体10が、開口部2を全面閉止したときに扉体10を枠体30に固定保持する施錠装置である。
【0015】
図1に示す施錠装置100は、扉体10が開口部2(
図9参照)を全面閉止した位置に到達したことを検出する扉体位置検出装置LSと、扉体10が開口部2の全閉位置に到達したときに扉体10を受ける、枠体30の扉体受面38に配設された第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32と、扉体10の進行方向側面10sに取り付けられ、扉体10が開口部2の全閉位置に到達したときに第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32の中間位置に挿入される第3の施錠部材受部13とを有し、扉体位置検出装置LSが動作したときに施錠動作を開始して、第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32および第3の施錠部材受部13を施錠部材40が貫通し、扉体10を枠体30に施錠して固定保持する。
【0016】
枠体30の一部である施錠部材受部支持部37は、図面の前方に出ており、施錠部材受部支持部37に、第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32が配設されている。第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32は、固定側閂穴プレートとして一体に形成されていてもよい。この場合、第1の施錠部材受部31は、固定側閂穴プレートの上側を示し、第2の施錠部材受部32は、固定側閂穴プレートの下側を示す。
【0017】
扉体10上端部における左右方向の所定位置には、上方に向けて所定高さまで検出端部18が延出している。扉体位置検出装置LSは、扉体10が正しい閉位置に位置していることを、検出端部18を検出することで検知する。
【0018】
施錠部材40は、
図2に示すように、施錠部材頭部41と施錠部材胴部42を含んでいる。施錠部材頭部41は、所定の厚みを有し、施錠部材胴部42に当接する当接部41aと、その周辺に張り出して第1の施錠部材受部31の外周部より大きな周縁部41bにより構成されている。施錠部材胴部42は、所定の断面積を有し、施錠部材頭部41と対向する側の終端部42aにおいて所定角度の第1のテーパー部43を有し、第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32を貫通したときに、少なくとも終端部42aが第2の施錠部材受部32から突出する長さを有する(
図1参照)。
【0019】
動作装置20は、
図3に示すように、施錠部材40を保持する施錠部材保持部21と施錠部材保持部21を支持する施錠部材支持部22と、施錠部材支持部22に接続される駆動力受部23を含んでいる。施錠部材保持部21は、施錠部材頭部41を所定量の遊動空間25を有して内包し、駆動力受部23に接続されて駆動力受部23の上下動に同期して、駆動力受部23が鉛直下方向に動作したときに施錠部材頭部41に押下力を付与して施錠部材40の施錠動作を作り出し、駆動力受部23が鉛直上方向に動作したときに施錠部材頭部41に引揚力を付与して施錠部材40の解錠動作を作り出す。
【0020】
施錠部材保持部21は、施錠部材頭部41および当接部41a周囲に所定量の遊動空間25を有しているので、地震時に扉体10の振動(慣性力)が動作装置20に伝播しないため、動作装置20に接続している動力源の保護が可能となる。
【0021】
第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32は、
図4に示すように、所定の厚みを有して施錠部材40(
図2参照)の挿入孔34と突出孔35を備え、挿入孔34は、第1のテーパー部43(
図2参照)に当接するように第2のテーパー部36を有し、第2のテーパー部36の終端部36aから突出孔35まで円筒状に貫通する。
【0022】
第3の施錠部材受部13は、
図5に示すように、所定の厚みを有して施錠部材40(
図2参照)の挿入孔14と突出孔15を備え、挿入孔14は、第1のテーパー部43(
図2参照)に当接するように第3のテーパー部16を有し、第3のテーパー部16の終端部16aから突出孔15まで長穴筒17に貫通する。
【0023】
扉体10を開口部2(
図9参照)方向に所定量誘導可能な、長穴筒17の扉体10側と対向する側に、長穴筒17の中心部から開口部方向に所定量の一対の平坦部17aを有する。詳細については、
図15、
図16を参照して後記する。
【0024】
図6は、本実施形態に係る扉体10の固定保持までの動作を示す説明図であり、(a)は施錠部材40の待機位置、(b)は動作装置20の挿入過程、(c)は施錠部材40の挿入完了位置である。
【0025】
図6(a)において、管理装置200(
図7参照)は、扉体10が建屋開口部を全面閉止した位置に到達したことを検出して扉体10を停止する。管理装置200は、扉体位置検出装置LSが動作したとき扉体10を停止する。この時、第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32と、第3の施錠部材受部13との位置は、水平方向にずれた状態となる場合がある。
【0026】
図6(b)において、施錠部材40が挿入開始する。第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32と、第3の施錠部材受部13とが水平方向にずれた状態の時、施錠部材40を挿入することで、水平方向に横引き力が作用し、扉体10が閉まる方向に移動する。それぞれの水平方向のずれ量が小さい時は、動作装置20の自重で施錠部材40が挿入される。施錠部材挿入時の間隙による位置ずれは、各部品のテーパー面接触により微調整されるため、芯ずれを許容できる機構となっている。
【0027】
図6(c)において、施錠部材40が挿入完了する。施錠部材40が施錠部材穴に全て挿入される。
【0028】
本実施形態の施錠装置100によれば、施錠部材40挿入時に第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32の挿入位置と第3の施錠部材受部13の穴の所定範囲の水平方向の位置ずれを許容して、施錠部材40を挿入できる。推力により施錠部材40が挿入されると、横引き力が作用し、扉体10が水平方向に移動するため、施錠部材40と各施錠部材受部の中心点が一直線状になるように補正されて所定範囲内の水平方向のずれを許容して施錠部材40の挿入が可能となる。
【0029】
すなわち、施錠部材40の施錠動作が終了したときに、施錠部材40と第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32および第3の施錠部材受部13の中心点を一直線上に配することができる。
【0030】
次に、施錠装置100を用いた扉体閉止装置300について説明する。
図7は、本実施形態に係る扉体の動作装置20を複数配設した場合の扉体閉止装置300を示す全体図である。本実施形態の扉体閉止装置300は、建屋1の開口部2(
図9参照)を閉止しているブローアウトパネルBOP(
図9参照)が開放されたときに生じる建屋1の開口部2を閉止する装置である。
【0031】
扉体閉止装置300は、建屋1の開口部2(
図9参照)を閉止する扉体10と、ブローアウトパネルBOPが密閉状態のときに建屋1の開口部2に重ならない開位置に扉体10を保持する開位置施錠装置310と、ブローアウトパネルBOPが開放状態のときに建屋1の開口部2を閉止する閉位置に扉体10を保持する閉位置施錠装置320と、開位置から閉位置まで扉体10を吊下げるレール部材3(ハンガーレール)と、扉体10がスライド移動する際に扉体10の直線運動を補助するガイド機構(ガイドローラ63、ガイドレール64、
図20参照)と、扉体10を開閉させるための駆動装置330と、管理装置200などを設ける。
【0032】
扉体10は、
図7に示すように、建屋1の開口部2(
図9参照)よりも一回り大きい金属板などである。扉体10は、駆動装置330によって、建屋1の開口部2と完全に重ならない開位置(
図9参照)から、建屋1の開口部2と完全に重なる閉位置(
図12、13参照)までの範囲で、建屋1の壁に沿ってスライド移動(例えば、左右方向に移動)可能である。枠体30は、扉体10が外れないように上下から支持しており、開位置施錠装置310は、開位置に扉体10を施錠する。閉位置施錠装置320は、閉位置に扉体10を施錠する。
【0033】
開位置施錠装置310は、二つの動作装置20を連結材26で連結し、下部の動作装置20には、シリンダ機構50が配設されている。同様に、閉位置施錠装置320は、二つの動作装置20を連結材26で連結し、下部の動作装置20には、シリンダ機構50が配設されている。詳細については、
図8を参照して後記する。
【0034】
建屋1の開口部2は、扉体10が閉位置に到達したときに建屋1の開口部2と扉体10との当接部において気密性を保持するシール材を有する。シール材は、建屋1の開口部2を囲むように建屋1の壁の表面に取り付けられ、扉体10が閉位置に来たときに扉体10の裏面の周縁部に接する。シール材を扉体10の裏面に取り付けると、扉体10を取り外さないとシール材をメンテナンスすることが困難(特に高所の場合や質量がある場合)であるが、建屋の開口部2の周囲であれば、開位置においてシール材のメンテナンスが容易である。
【0035】
図20は、本実施形態に係る扉体10のレール部材3を拡大した右側面図である。上部レール部材3Uは、吊下げ部60を介して扉体10を吊下げる。吊下げ部60は、ハンガーローラ62、上下の2か所にリンク機構61などを有する。また、すべてのガイドローラ63が対応する位置決め部に位置しているときに、ガイドローラ63が扉体10を位置決め部から離間させず、そして、扉体10を建屋1の開口部2の周縁部(シール材)に押し付けるように、建屋1の床面に平行に移動して押圧する押圧機構70を有する。
【0036】
押圧機構70は、扉体10側に配設されたテーパブロック71と、枠体30に配設されたプッシュローラ72から構成される。また、扉体10側に配設されたガイドローラ63は、上部レール部材3Uのガイドレール64を挟持して、上部のガイドレール64の前後方向にずれることなく扉体10を左右方向にスライド移動することができる。ガイドローラ63が位置決め部の位置にきたとき、
図20に示すように、押圧機構70によって押圧された状態となる。
【0037】
吊下げ部60は、開位置においては、扉体10の重量により垂下しているが、閉位置においては、押圧機構70によって扉体10がシール材に押し付けられることにより後方(
図20においては右)にずれた状態となる。ここで、押圧機構70によって押圧される扉体10は、後方に適正な距離だけずれることによって、扉体10を建屋の開口部2に備わるシール材に適切な圧力で押し付けることができる。
【0038】
図7に戻り、扉体閉止装置300は、管理装置200を有する。管理装置200は、外部装置400から、ブローアウトパネルBOPの状態を検知するBOP状態検知部210、開位置施錠装置310および閉位置施錠装置320の施錠装置制御部220、閉位置扉体位置検出装置LS1および開位置扉体位置検出装置LS2からの検出信号、各シリンダ機構50の位置信号などを受信し、各シリンダ機構50に操作信号を送信する信号送受信部230などを有する。
【0039】
図8は、本実施形態に係る施錠部材動作機構の動作を示す説明図であり、(a)は施錠部材40の待機位置、(b)は施錠部材40の挿入完了位置、(c)は電動シリンダ53の保持位置を示す図である。閉位置施錠装置320は、前記したように、二つの動作装置20を連結材26で連結し、下部の動作装置20には、シリンダ機構50が配設されている。シリンダ機構50は、ブロック52を内蔵する箱51と、ブロック52に接続された電動シリンダ53とを有する。下部の動作装置20の駆動力受部23(
図3参照)は、箱51の上面と結合された構造となっている。
【0040】
図8(a)に示す待機位置は、電動シリンダ53と連結されたブロック52で、箱51内部を上方向に押し上げた状態である。上下の施錠部材40は、第3の施錠部材受部13と干渉しない位置で保持されている。
【0041】
図8(b)に示す施錠部材挿入完了位置は、電動シリンダ53と連結されたブロック52を下方向に移動させた状態である。箱51内のブロック52が下がることで、自重で下がる。施錠部材40と施錠部材受部の貫通穴の位置がずれているときは、ブロック52の下面が箱51の内側下面に接触した状態で、電動シリンダ53が下がることで、施錠部材挿入の際の推力が得られる。施錠部材挿入完了後は、下側の動作装置20とブロック52の上面は離れた状態となる。
【0042】
図8(c)に示す保持位置は、
図8(b)に示す施錠部材挿入位置よりも、さらにブロック52を下方向に移動させ、箱51内部下面とブロック下面が接触しない状態で保持される。下側の動作装置20とブロック52の物理的接触を切り離す。これにより、地震等で施錠部材40に負荷がかかった場合、電動シリンダ53本体に直接負荷が掛かるのを防止することができる。
【0043】
本実施形態の開位置施錠装置310および閉位置施錠装置320は、施錠装置100(
図1参照)が上下の位置に少なくとも2つ配設されており、複数の駆動力受部23は、連結材26を介して連結されており、それぞれの駆動力受部23は、連結材26の上下動に同期した上下動の駆動力を受けることができる。
【0044】
最下部に配された施錠装置100の駆動力受部23は駆動力を供給するシリンダ機構50に接続され、シリンダ機構50内に配された電動シリンダ53のピストン部53pの上下動に同期して最下部の施錠装置100の駆動力受部23が駆動力を受けるとともに、連結材26を介して全ての施錠装置100の前記駆動力受部23に駆動力を伝えることができる。
【0045】
次に、扉体10が開位置保持状態から閉位置保持状態への変更について説明する。
図9は、本実施形態に係る扉体閉止装置300の開位置保持状態を示す説明図である。
図10は、本実施形態に係る扉体閉止装置300の開位置保持状態の解除を示す説明図である。
図11は、本実施形態に係る扉体閉止装置300の扉体10の移動状態を示す説明図である。
図12は、本実施形態に係る扉体閉止装置300の扉体10を施錠部材挿入可能位置まで移動した状態を示す説明図である。
図13は、本実施形態に係る扉体閉止装置300の閉位置保持状態を示す説明図である。適宜
図8を参照する。
【0046】
開位置施錠装置310は、
図9に示すように、開位置側の施錠装置であり、管理装置200は、扉体10を開位置にて施錠する。開口部2はブローアウトパネルBOPにより密閉されている。閉位置施錠装置320は、扉体10が移動時に干渉しない「待機位置」にて保持している。
【0047】
次に、
図10に示すように、ブローアウトパネルBOPが、開放されたことの検知信号を受けた管理装置200は、開位置施錠装置310に扉体10の施錠信号を送信する。開位置扉体位置検出装置LS2が施錠部材40(
図1参照)の引抜き可能な状態であることを検知後、管理装置200は、開位置施錠装置310を「保持位置」から「待機位置」に変更する。すなわち電動シリンダ53のピストン部53p(
図8参照)を上昇させ、施錠部材40を引き抜く。
【0048】
次に、
図11に示すように、管理装置200は、駆動装置330に「扉体移動信号」を出し、扉体10を「開位置」から「閉位置」に移動させる。管理装置200は、開位置施錠装置310を、扉体10の移動時に干渉しない「待機位置」にて保持する。
【0049】
図12に示すように、扉体10が開口部2を全面閉止した位置に到達したことを、閉位置扉体位置検出装置LS1が検出すると、閉位置扉体位置検出装置LS1は、管理装置200の信号送受信部230に位置検出信号を送信する。管理装置200は、閉位置扉体位置検出装置LS1からの検出信号を受信後、信号送受信部230から扉体停止信号を駆動装置330に送信し、扉体10を停止させる。
【0050】
次に、
図13に示すように、管理装置200は、閉位置施錠装置320に施錠の制御信号を送る。閉位置施錠装置320は、電動シリンダ53のピストン部53p(
図8参照)を下降させる。すると、前記したように、箱51(
図8参照)内のブロック52(
図8参照)が下がることで全体が自重で下がる。施錠部材40(
図1参照)と、施錠部材受部の貫通穴の位置がずれているときは、ブロック52の下面が箱51の内側下面に接触した状態で、電動シリンダ53が下がることで推力が得られる。これにより、閉位置施錠装置320を「待機位置」から「保持位置」に変更することができる。
【0051】
図14は、本実施形態に係る施錠動作の処理を示すフローチャートである。ここでは、扉体10の開位置から閉位置の施錠装置100の動作について説明する。適宜
図7から
図13を参照する。管理装置200は、外部装置400からBOP状態の「開放状態」を検知すると、各装置に扉体10の施錠動作を指令する。開位置施錠装置310は、施錠部材40を上昇させ(ステップS1)、電動シリンダ53の上昇センサ(図示せず)が所定位置を検知すると(ステップS2)、施錠部材40の上昇を停止する(ステップS3)。
【0052】
駆動装置330は、扉体10の閉動作を開始し(ステップS4)、閉位置扉体位置検出装置LS1(扉体閉止センサ)が扉体10の閉位置を検知すると(ステップS5)、扉体10の閉動作を停止する(ステップS6)。
【0053】
閉位置施錠装置320は、施錠部材40を下降させ(ステップS7)、電動シリンダ53の下降センサ(図示せず)が所定位置を検知すると(ステップS8)、施錠部材40の下降を停止する(ステップS9)。これにより、閉位置での施錠が完了する。
【0054】
次に、主要部分の詳細について説明する。
図15は、本実施形態に係る第3の施錠部材受部13が配設された扉体10を示す構成図であり、(a)は扉体10の正面図、(b)はA−A部視図、(c)はC−C部視図である。
図16は、
図15の第3の施錠部材受部13のB部を示す拡大図であり、(a)は第3の施錠部材受部13の長穴筒17を示し、(b)はB部拡大図である。適宜
図1、
図20を参照する。
図15に示すように、扉体10の左右の側面には第3の施錠部材受部13が配設されており、扉体10の上面には、4組のガイドローラ63および4組のテーパブロック71が配設されている。
【0055】
図16(a)に示すように、長穴筒17は、建屋開口部方向が扉体開閉方向と比較して長くなっており、
図16(b)に示すように、長穴筒17の長穴の半径Rの中心点P1、P2を有し、中心点P1は、施錠部材挿入点P0の近傍に配設されている。長穴筒17は、建屋開口部側に中心点P1、建屋開口部と反対側に中心点P2の領域において長穴筒17の平坦部17aを有している。この平坦部17aは、扉体10は建屋開口部に向かって押付け方向に移動するので、その際の施錠部材40の移動領域として設けたものである。
【0056】
図17は、施錠部材受部支持部37、第2の施錠部材受部32および第3の施錠部材受部13の関係を示す説明図であり、(a)は扉体10の閉位置での正面図であり(b)は(a)のA−A視図である。
図18は、
図17における施錠動作を示す説明図であり、(a)は扉体10の閉方向に移動状態、(b)は施錠部材受部同士が重なる近傍状態、(c)は扉体10が建屋方向に押し付けられる状態である。
【0057】
図17に示すように、施錠部材受部支持部37の扉体受面38に配設された第2の施錠部材受部32には、2個の施錠部材受部摺動部材39が設けられている。
図18に示すように、扉体10が、閉方向に移動し、第3の施錠部材受部13が施錠部材受部摺動部材39に接しながら施錠部材受部同士が重なる状態となる。その後、扉体10が建屋開口部方向に押し付けられる。
【0058】
(変形例)
図19は、施錠装置100の他の施錠部材40Aを示す構成図である。
図2に示す実施形態では、施錠部材40の施錠部材胴部42は、断面が円形状で示しているが、これに限定されるわけではない。例えば、
図19に示す施錠部材40Aの施錠部材胴部42Aでは、断面が四角形状であってもよい。施錠部材胴部42Aの終端部42aには、対応する第1のテーパー部43Aを有している。
【0059】
第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32は、
図4に示すように、所定の厚みを有して施錠部材40Aの挿入孔34と突出孔35を備え、挿入孔34は、第1のテーパー部43Aに当接するように第2のテーパー部36を有し、第2のテーパー部36の終端部36aから突出孔35まで四角柱状に貫通する。
【0060】
本実施形態によれば、
図7に示した建屋1は原子力関連施設であり、開口部2(
図9参照)は原子力関連施設のブローアウトパネルBOPが外れたときに生じる開口部であり、ブローアウトパネルBOPが外れたときに、扉体10が建屋1の開口部周囲に設置された上下にレール部材3を有する枠体30のレール部材3を移動して開口部2を全面閉止したときに、閉位置扉体位置検出装置LS1が動作して施錠装置100が扉体10を施錠することができる。
【0061】
すなわち、扉体閉止装置300は、建屋1の開口部2周囲に設置された上下にレール部材3を有する枠体30のレール部材3を移動して開口部2を全面閉止する扉体10と、施錠装置100と、を有する。これにより、扉体10が閉状態になったときに、その状態を検出し確実に扉体10を施錠することができる。
【解決手段】施錠装置100は、扉体10が開口部を全面閉止した位置に到達したことを検出する扉体位置検出装置LSと、扉体10が開口部の全閉位置に到達したときに扉体10を受ける、枠体30の扉体受面に配設された第1の施錠部材受部31および第2の施錠部材受部32と、扉体10の進行方向側面に取り付けられ、扉体10が開口部の全閉位置に到達したときに第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32の中間位置に挿入される第3の施錠部材受部13とを有し、扉体位置検出装置LSが動作したときに施錠動作を開始して、第1の施錠部材受部31と第2の施錠部材受部32および第3の施錠部材受部13を施錠部材40が貫通し、扉体10を枠体30に施錠して固定保持する。