特許第6682776号(P6682776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6682776
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20200406BHJP
   F21V 21/03 20060101ALI20200406BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20200406BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20200406BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200406BHJP
【FI】
   F21S8/04 110
   F21V21/03 303
   F21V21/30 300
   F21Y101:00 300
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-156870(P2015-156870)
(22)【出願日】2015年8月7日
(65)【公開番号】特開2017-37736(P2017-37736A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年5月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 恵介
(72)【発明者】
【氏名】福澤 厚
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 清輝
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−104321(JP,U)
【文献】 特開2014−112503(JP,A)
【文献】 特開2011−064244(JP,A)
【文献】 特開平08−124417(JP,A)
【文献】 特開2001−338519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 21/03
F21V 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体を設置箇所に支持する支持装置と、を備え、
前記支持装置は、
前記器具本体に結合される一対のアーム部と、
一対の前記アーム部に亘って延び、これら前記アーム部を両端で支持するとともに、設置箇所に固定されるバー部と、
前記アーム部と前記バー部との間に介在し、前記バー部から前記アーム部に伝導する振動、及び衝撃を緩衝する緩衝装置と、を備え、
前記アーム部、及び前記バー部は、前記緩衝装置を挟み込む平面部を備え、
前記アーム部、及び前記バー部の平面部は、前記アーム部及び前記バー部のそれぞれの端部を折り曲げて形成されており、且つ当該折り曲げられた方向と直交する方向に位置する端部には折曲片を有する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記アーム部、及び前記バー部の平面部のそれぞれの端部の前記折曲片は、互いに同一方向に折れ曲がっている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記折曲片の折り曲げ方向が下向きである
ことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記緩衝装置は、
一対の平板と、これら平板の間に渡って螺旋状に旋回形成されたワイヤ線とを備えたヘリカルアイソレータである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃や振動に耐える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
高天井用の照明器具として、耐震・耐衝撃型の照明器具が知られている。この種の耐震・耐衝撃型の照明器具は、振動が多い工場、或いは、横方向からの振動、及び衝撃が多いクレーン・ホイスト等の運搬機械に設置されて使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
また、高天井用の照明器具には、器具本体がアングルを介して天井に吊下げ支持されるものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭53−52301号公報
【特許文献2】実開平2−74713号公報
【特許文献3】特開2014−26957号公報
【特許文献4】特開2013−65411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アングルによって器具本体を支持した場合、十分な耐振性、及び耐衝撃性が得られない、という問題がある。
そこで、本発明は、耐振性、及び耐衝撃性を有する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、器具本体と、前記器具本体を設置箇所に支持する支持装置と、を備え、前記支持装置は、前記器具本体に結合される一対のアーム部と、一対の前記アーム部に亘って延び、これら前記アーム部を両端で支持するとともに、設置箇所に固定されるバー部と、前記アーム部と前記バー部との間に介在し、前記バー部から前記アーム部に伝導する振動、及び衝撃を緩衝する緩衝装置と、を備え、前記アーム部、及び前記バー部は、前記緩衝装置を挟み込む平面部を備え、前記アーム部、及び前記バー部の平面部は、前記アーム部及び前記バー部のそれぞれの端部を折り曲げて形成されており、且つ当該折り曲げられた方向と直交する方向に位置する端部には折曲片を有することを特徴とする照明器具を提供する。
【0006】
また本発明は、上記照明器具において、記アーム部、及び前記バー部の平面部のそれぞれの端部の前記折曲片は、互いに同一方向に折れ曲がっていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記照明器具において、前記折曲片の折り曲げの方向が下向きであることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記照明器具において、前記緩衝装置は、一対の平板と、これら平板の間に渡って螺旋状に旋回形成されたワイヤ線とを備えたヘリカルアイソレータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、器具本体に結合される一対のアーム部とバー部との間に介在し、バーからアーム部に伝導する振動、及び衝撃が緩衝装置によって緩衝される。これにより、バー部を設置箇所に固定して器具本体を支持する構成の照明器具において、十分な耐振性、及び耐衝撃性の両方を備えた器具が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る高天井用照明器具の斜視図である。
図2】器具本体の組立図である。
図3】吊下げアングル装置の斜視図である。
図4】吊下げアングル装置の組立図である。
図5】本発明の変形例に係る高天井用照明器具の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る高天井用照明器具1の構成を示す斜視図である。
この高天井用照明器具1は、振動や衝撃が多い設置箇所での使用にも耐える耐震、及び耐衝撃型の照明器具であり、例えば、工場等の建物の天井や壁面、或いは、クレーン・ホイスト等の運搬機械に設置されて使用される。
図1に示すように、高天井用照明器具1は、器具本体2と、支持装置10とを備えている。
【0012】
図2は、器具本体2の組立図である。
器具本体2は、図1、及び図2に示すように、高天井照明用の光源を内蔵した複数(図示例では2つ)の照明ユニット3と、天板4と、連結リング5と、点灯ユニット6と、を有している。
【0013】
照明ユニット3のそれぞれは、放熱性が高い高熱伝導材料から形成され、かつ、多数の放熱フィン7が一体に形成された筐体3Aを有し、これら筐体3A、及び放熱フィン7を通じて光源の発熱を外部に放熱する。この筐体3Aは、横幅よりも高さが小さい薄い円筒形に形成されており、底面には、照明光が出射される出射口が開口し、当該出射口を塞ぐ前面カバー8Aを有したフランジ8が設けられている。また、上記多数の放熱フィン7は、この筐体3Aの天面に設けられている。
これら照明ユニット3は、互いのフランジ8が図示せぬ連結具によって連結されている。
【0014】
連結リング5は、全ての照明ユニット3を包囲するリング状の部材である。連結リング5には、それぞれの照明ユニット3のフランジ8が連結されている。これにより、複数の照明ユニット3が連結リング5によって纏められた外観が得られるので、複数の照明ユニット3を有する構成においても、全体的な一体感を生じさせ、意匠性の向上が得られる。また、この連結リング5に、それぞれの照明ユニット3が連結されるので、振動や衝撃が加わった場合でも、照明ユニット3が個々に振れ、衝突するのが防止される。
【0015】
天板4は、個々の照明ユニット3の上方に配置され、かつ高い剛性を有した板状の部材であり、上記支持装置10によって吊下げ支持される。
個々の照明ユニット3は、筐体3Aの天面に立設された複数本の支持棒9を有し、この支持棒9がネジ13で天板4の下面4Aに締結され、これにより、照明ユニット3が天板4に下面4Aの側で支持される。
この器具本体2では、天板4は、平面視において照明ユニット3を覆い隠す寸法形状の円板状に形成されており、埃や塵などが照明ユニット3の筐体3Aの天面、特に放熱フィン7同士の間に堆積し難くなっている。
【0016】
点灯ユニット6は、照明ユニット3の各々を点灯する回路であり、図1に示すように、天板4の上面4Bに載置され、点灯用の回路を内蔵したユニットケース11を備えている。ユニットケース11は、略直方体形状を成し、天板4の中心に配置されている。
この器具本体2は、個々の照明ユニット3の光源にLED等の発光素子が用いられているので、商用電力を直流電流に変換する電力変換回路を点灯用の回路が含んでいる。
なお、照明ユニット3の光源がHIDランプ等のランプ光源である場合、点灯ユニット6は、安定器を点灯用の回路として備えてもよい。
【0017】
図3は支持装置10の斜視図であり、図4は支持装置10の組立図である。
支持装置10は、器具本体2を設置箇所に吊下げ支持する装置であり、器具本体2に加わる振動、及び衝撃を緩衝する機能を備えている。
具体的には、支持装置10は、一対のアーム部30、30、これらアーム部30、30を支持する支持バー部34、及び、これら支持バー部34とアーム部30、30の間に介在するヘリカルアイソレータ36を備えている。
【0018】
アーム部30は、一端部30Aが器具本体2に結合される長い板状の部材である。
図1に示すように、器具本体2の天板4の上面4Bには、点灯ユニット6を挟んだ両側に一対の結合片20が固定されており、これら結合片20にアーム部30の一端部30Aが結合される。
図3に示すように、アーム部30の一端部30Aには、固定孔38、及び弧状長孔40が形成されており、固定孔38にボルトを通して結合片20に締結される。弧状長孔40の形状は、固定孔38を中心とする円周の一部の形状であり、固定孔38を中心に器具本体2を弧状長孔40の範囲で回動し、器具本体2の取付角度が調整自在になっている。
【0019】
アーム部30の他端部30Bには、上記支持バー部34に上方から被さるように引っ掛かって支持される引掛部42が設けられている。この引掛部42は、アーム部30の他端部30Bを略90度に折り曲げ加工して一体に形成されている。
【0020】
支持バー部34は、一対のアーム部30の間に亘って延びる板状の部材であり、中央部34Aには、器具本体2の設置箇所にボルト等で取り付ける取付孔46が形成されている。この支持バー部34は、上記点灯ユニット6のユニットケース11が延びる方向に対し、略直交する方向に延び、当該ユニットケース11の真上に位置する箇所に、上記取付孔46が形成されている。また支持バー部34の両端部34Bのそれぞれには、アーム部30の引掛部42を受けて下から支持する受け部48が設けられている。これら受け部48は、支持バー部34の両端部34Bの折り曲げ加工により一体に形成されている。
【0021】
ヘリカルアイソレータ36は、支持バー部34からアーム部30に伝導する振動、及び衝撃を緩衝する、いわゆる緩衝装置の一例である。ヘリカルアイソレータ36は、上下に平行に並んだ2枚の平板50、50と、これら平板50の間を渡って螺旋状に旋回形成されたワイヤ線53とを備えている。2枚の平板50、50は、それぞれ支持バー部34の受け部48と、アーム部30の引掛部42に固定される。
そして、工場の振動や運搬機械等の振動、及び衝撃が支持バー部34に加わった場合、これら振動、及び衝撃がヘリカルアイソレータ36のワイヤ線53の弾性作用によって緩衝され、アーム部30への伝導が抑制される。
【0022】
ヘリカルアイソレータ36には、設置箇所に生じる3次元方向のどの方向の振動や衝撃に対しても十分な緩衝性能を有したものが用いられており、これにより、器具本体2の耐振性、及び耐衝撃性の両方を十分に満足した高天井用照明器具1が得られる。
【0023】
次いで、支持装置10へのヘリカルアイソレータ36の組み込みの態様を詳述する。
支持バー部34の両端部34Bの受け部48は、図4に示すように、ヘリカルアイソレータ36の平板50が載置、固定される平面部58を有している。この平面部58は、図3、及び図4に示すように、支持バー部34の中央部34Aから、ヘリカルアイソレータ36の厚み分以上に下方に下がった位置に形成されている。そして、ヘリカルアイソレータ36は、図3に示すように、螺旋状のループ状のワイヤ線53の軸方向Aが支持バー部34の延在方向Bに直交する姿勢で平面部58に載置され、固定されている。
一方、アーム部30の引掛部42は、平面部58に対面する平面形状を有し、この引掛部42にもヘリカルアイソレータ36の平板50が固定される。
【0024】
ここで、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42のそれぞれの端部には、略90度に折り曲げた折曲片60が形成されている。
支持バー部34、及びアーム部30のそれぞれにおいて、折曲片60は、互いに同一方向に折り曲げられている(図示例では下方向)。この構成では、図3に示すように、支持バー部34、及びアーム部30のそれぞれで折曲片60を互いに向い合せの方向に折り曲げる場合に比べて、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42の隙間δが大きくなる。これにより、振動や衝撃によってヘリカルアイソレータ36が弾性変形した場合でも、平面部58と引掛部42の接触を回避できる。
【0025】
特に、この支持装置10では、全ての折曲片60の折り曲げの方向が下方向となっているので、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42への塵や埃の堆積を防止できる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、支持装置10が器具本体2に結合される一対のアーム部30と支持バー部34とを備え、さらに、これらアーム部30と支持バー部34の間にヘリカルアイソレータ36を介在させた。
これにより、支持バー部34からアーム部30に伝導する振動、及び衝撃がヘリカルアイソレータ36によって緩衝されるので、支持バー部34を設置箇所に固定して器具本体2を支持する構成の高天井用照明器具1において、十分な耐振性、及び耐衝撃性の両方が得られる。
【0027】
また本実施形態では、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42のそれぞれの端部に形成された折曲片60が互いに同一方向に折れ曲がる構成とした。
これにより、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42の隙間δが大きくなり、振動や衝撃によってヘリカルアイソレータ36が弾性変形した場合でも、平面部58と引掛部42の接触を回避できる。
【0028】
また本実施形態では、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42の全ての折曲片60の折り曲げ方向を下向きとしたので、支持バー部34の平面部58、及びアーム部30の引掛部42への塵や埃の堆積を防止できる。
【0029】
また本実施形態では、一対の平板50と、これら平板50の間に渡って螺旋状に旋回形成されたワイヤ線53とを備えたヘリカルアイソレータ36を、緩衝装置として、アーム部30と支持バー部34に介在させた。
これにより、3次元方向のいずれの方向に振動、及び衝撃が加わる状況下でも、優れた耐振性、及び耐衝撃性の両方を同時に簡単に実現できる。
【0030】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の要旨の範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
【0031】
図5は、本変形例に係る高天井用照明器具100の構成を示す図である。なお、同図においては、器具本体2の構成が簡略化して描かれている。また、上述した実施形態と同じ部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
同図に示す高天井用照明器具100は、支持装置110の構成が実施形態の高天井用照明器具1と相違している。
具体的には、この支持装置110は、支持バー部134の両端部134Bが一対のアーム部30の外側まで延びる長さに形成されている点で相違している。この支持装置110にあっては、支持バー部134の全長が長くできるので、取付孔46の数を多く設けることができ、設置箇所に強固に固定できる。
【0033】
また、この高天井用照明器具100は、ヘリカルアイソレータ36とは異なる態様の緩衝装置136を備えている。この緩衝装置136は、十分な耐振性、及び耐衝撃性が得られるものであれば任意であり、例えばゴムやバネ等の弾性部材や、油圧を用いて振動、及び衝撃を緩衝する装置でもよい。
【0034】
また上述した実施形態、及び変形例において、器具本体2の構成は、支持装置10に支持される構成であれば、その他は任意である。
【符号の説明】
【0035】
1、100 高天井用照明器具
2 器具本体
3 照明ユニット
4 天板
6 点灯ユニット
10、110 支持装置
11 ユニットケース
20 結合片
30 アーム部
34、134 支持バー部(バー部)
36 ヘリカルアイソレータ(緩衝装置)
42 引掛部
48 受け部
50 平板
53 ワイヤ線
58 平面部
60 折曲片
136 緩衝装置
図1
図2
図3
図4
図5