(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態の生体情報測定装置10の外観の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、生体情報測定装置10は、被測定者の左手Hの手首Wに装着して使用される。
図2は、
図1に示す生体情報測定装置10を被測定者の左手Hの肘側(
図1中の方向A)から見た側面図である。
【0014】
生体情報測定装置10は、被測定者の手首Wの橈骨Tに沿う橈骨動脈TDから脈波(圧脈波又は容積脈波)を検出可能な脈波検出部22を含む本体部を構成する金属製又は樹脂製等の筐体20と、筐体20に係止されるバンド40とを有する。
【0015】
脈波検出部22は公知の構成を採用することができる。例えば、脈波検出部22は、圧力センサとこれを皮膚に押し当てる機構を有し、圧力センサによって圧脈波を検出する。または、脈波検出部22は、光電センサを有し、光電センサによって検出された信号から容積脈波を検出する。
【0016】
筐体20は、
図1の例では略箱状の部材であり、脈波検出部22と、脈波検出部22によって検出される脈波に基づいて心拍数、脈拍数、又は、血圧値等の生体情報を算出する図示しない生体情報算出部と、を含む。
【0017】
生体情報算出部は、生体情報測定装置10とは別の機器に設けられるものであってもよい。つまり、生体情報測定装置10の筐体20は、脈波検出部22を少なくとも含むものであればよい。この場合、生体情報測定装置10は脈波検出装置として機能する。
【0018】
生体情報測定装置10が手首Wに装着される場合に手首Wに対向する筐体20の面(手首Wとの対向面)は検出面21を構成する。この検出面21は略平面状であってもよいが、手首Wの外形に沿うように一部または全体が湾曲していてもよい。脈波検出部22は、検出面21が手首Wに対向した状態で、橈骨動脈TDに対向する位置に設けられている。
【0019】
筐体20において検出面21と反対側の面(反対面)は表示面23を構成する。表示面23には、測定結果を表示する液晶表示素子等からなる表示部24と、生体情報測定装置10を操作するための操作部25とが設けられている。なお、表示部24及び操作部25の設けられる位置は
図1に示したものには限定されない。また、表示部24は省略された構成であってもよい。
【0020】
筐体20における手首Wの周方向の両端部のうちの尺骨S側の第1端部28(
図1及び
図2の例では筐体20の尺骨S側の端面)には、第1係止部29が設けられている。第1係止部29は、第1端部28において表示面23側に設けられている。つまり、第1係止部29は、筐体20を表示面23に垂直な方向で半分に分割した場合に、第1端部28において表示面23に近い側の部分に設けられている。なお、第1係止部29は、第1端部28において検出面21側に設けられていてもよい。
【0021】
筐体20における手首Wの周方向の端部のうちの橈骨T側の第2端部26(
図1及び
図2の例では筐体20の橈骨T側の端面)には、第2係止部27が設けられている。
【0022】
第1係止部29及び第2係止部27は、バンド40を筐体20に対して係止するためのものである。第1係止部29及び第2係止部27は、それぞれ、バンド40を挿入可能な孔部を有する形状となっている。
【0023】
図3は、
図2に示す生体情報測定装置10の第1係止部29の付近を筐体20の表示面23側から見た図である。
【0024】
図3に示すように、第1係止部29は、筐体20の第1端部28に立設されたギリシア文字の略Π字状の部材により構成され、この部材と筐体20の第1端部28との間に孔部31が形成されている。この孔部31にバンド40が挿入可能である。第2係止部27についても、第1係止部29と同様の構成である。
【0025】
なお、第1係止部29は第1端部28に設けられていればよく、第1端部28の表示面23上、又は、第1端部28の検出面21上等に設けられていてもよい。
【0026】
また、第2係止部27は第2端部26に設けられていればよく、第2端部26の表示面23上、又は、第2端部26の検出面21上等に設けられていてもよい。
【0027】
バンド40は、一端が筐体20に係止された状態で手首Wを周回するように配索される(バンド40と筐体20とで手首Wが挟まれる状態となるよう引き回される)ことにより、脈波検出部22を橈骨動脈TDに対面させた状態を維持するためのものである。
【0028】
バンド40は、例えば筐体20よりも剛性の低い帯状の細長い部材である。バンド40の材料としては、例えば布、革、ゴム、又は、薄肉の樹脂等を用いることができる。このため、バンド40は、容易に折り返すことができる。
【0029】
バンド40の長手方向の一端を構成する基端部41は、第1端部28に設けられている第1係止部29に着脱可能に係止される。
【0030】
具体的には、バンド40の基端部41は、第1係止部29の孔部31に検出面21側から表示面23側に向けて挿入される。孔部31を通った基端部41は、筐体20から離れる方向に略U字状に折り返される。基端部41の非折り返し部分の筐体20側とは反対側を向く面と、基端部41の折り返し部分の筐体20側を向く面とにはそれぞれ面状ファスナ42が形成されている。この面状ファスナ42により、基端部41の折り返し部分はバンド40に対して着脱可能に係止される。
【0031】
面状ファスナ42は、バンド40に基端部41を着脱可能に係止するための係止部材である。なお、
図2に示す状態で、基端部41の非折り返し部分の筐体20側とは反対側を向く面に設けられた凹部又は凸部に、基端部41の折り返し部分の筐体20側を向く面に設けられた凸部又は凹部を嵌めこむことで、基端部41がバンド40に着脱可能に係止される構成であってもよい。
【0032】
この場合は、凹部と凸部が係止部材を構成する。また、基端部41の非折り返し部分と折り返し部分は、接着剤又は縫製等によって完全に固定されていてもよい。つまり、基端部41は第1係止部29に着脱不能に係止されていてもよい。
【0033】
第1係止部29に係止されたバンド40の基端部41と、バンド40の基端部41とは長手方向の反対側の端部である先端部43との間の任意位置44は、筐体20の第2端部26に設けられた第2係止部27において、筐体20から離れる方向に折り返された状態で係止される。
【0034】
具体的には、第1係止部29に係止されたバンド40は、先端部43が第2係止部27の孔部に検出面21側から表示面23側に向けて挿入される。第2係止部27の孔部に挿入されたバンド40は、任意位置44において筐体20から離れる方向に略U字状に折り返される。折り返されたバンド40の先端部43は、手首Wの周方向において第1端部28と重なる状態で、バンド40の基端部41と先端部43のそれぞれに形成された面状ファスナ45により、基端部41に係止される。
【0035】
面状ファスナ45は、基端部41に先端部43を着脱可能に係止するための係止部材である。
【0036】
なお、
図2に示す状態で、基端部41の筐体20側とは反対側を向く面に設けられた凹部又は凸部に、先端部43の筐体20側を向く面に設けられた凸部又は凹部を嵌めこむことで、先端部43が基端部41に対して着脱可能に係止される構成であってもよい。この場合は、凹部と凸部が係止部材を構成する。
【0037】
以上のように構成された生体情報測定装置10の手首Wへの装着方法の一例について説明する。
【0038】
まず、被測定者は、筐体20の第1係止部29の孔部31に、検出面21側から表示面23側に向けてバンド40の基端部41を挿通する。そして、被測定者は、孔部31を通過した基端部41を筐体20から離れる方向へ折り返し、面状ファスナ42を介して、基端部41をバンド40に係止する。これにより、基端部41は第1係止部29に係止される。
【0039】
次いで、被測定者は、筐体20の第2係止部27の孔部に、検出面21側から表示面23側に向けてバンド40の先端部43を挿通し、第2係止部27の孔部を通過したバンド40を筐体20から離れる方向に折り返す。これにより、バンド40の任意位置44が第2係止部27に係止される。この状態で、被測定者は、バンド40の基端部41と任意位置44の間の部分と、検出面21とで挟まれる空間に腕を通す。
【0040】
そして、被測定者は、脈波検出部22が橈骨動脈TDに対面するように筐体20を位置決めした後、バンド40の先端部43を、手首Wに沿って周回させて、
手の甲側から掌側、すなわち、検出面21側から表示面23側に向けて、先端部43を第1端部28の付近まで引き上げる。
【0041】
被測定者は、バンド40の先端部43を引っ張る力を調整して、筐体20を適度の圧力で手首Wに密着させる。その状態で、被測定者は、バンド40の先端部43を、第1係止部29に係止されている基端部41に重ね合わせ、面状ファスナ45を介して基端部41に係止する。
【0042】
このとき、バンド40の先端部43は、その先端が筐体20の検出面21側から表示面23側に向いた状態で係止される。言い換えると、バンド40の先端部43は、筐体20の検出面21と表示面23の並ぶ方向(
図2中の上下方向)における先端部43の先端の位置が、この方向における筐体20の検出面21の位置よりも表示面23側にある状態で、基端部41に係止される。
【0043】
以上のように生体情報測定装置10によれば、バンド40の先端部43は、その先端が筐体20の検出面21側から表示面23側に向いた状態で係止される。このため、バンド40が引っ張られたときに手首Wに加わる力を、親指側と小指側とで均等に作用させやすくなり、脈波検出部22の位置ずれが誘発されるのを防ぐことができる。また、手の甲を卓上で卓面に対面させたままで、生体情報測定装置10の装着が可能なため、手を卓上から持ち上げる動きによる脈波検出部22の位置ずれを防ぐことができる。
【0044】
また、生体情報測定装置10によれば、
図2に示すように、手首Wに対してバンド40が二重に巻かれた状態で筐体20が手首Wに固定される。このように、二重になったバンド40の部分で手首Wを覆うことができるため、生体情報測定装置10の装着後において、筐体20の位置ずれを防ぐことができる。
【0045】
また、生体情報測定装置10の装着時には、筐体20とバンド40とで挟まれる空間に手首Wを挿入して筐体20を位置決めした状態で、バンド40の締め付けが可能となる。このため、バンド40が一重で巻かれる場合と比較して、生体情報測定装置10を容易に装着することが可能となる。また、脈波検出部22の位置決め精度を向上させることができる。
【0046】
なお、バンド40の手首Wと接触する側の反対側の面の摩擦係数は、手首Wと接触する側の面の摩擦係数よりも小さい構成とするのが好ましい。
【0047】
この構成によれば、第2係止部27で折り返されたバンド40を手首Wに巻き付ける際に、既に手首Wに巻きついているバンド40との間でバンド40が滑りやすくなる。このため、バンド40の締め付け具合の調整が容易となり、装着性と脈波検出部22の位置決め精度とを向上させることができる。また、手首Wと接触する面では、バンド40と手首Wが互いに滑りにくくなることで、生体情報測定装置10の装着後の筐体20の位置ずれを防止することができる。
【0048】
また、生体情報測定装置10は、第1端部28における表示面23側に第1係止部29が設けられた構成である。この構成によれば、卓上で例えば手の甲を卓面に向けた状態から手首Wを小指側に旋回させたときに、第1係止部29が卓面に接触し難い。これにより、良好な使用感が得られると共に、脈波検出部22の位置ずれを防止することができる。
【0049】
また、生体情報測定装置10は、バンド40の基端部41が、第1係止部29に対して着脱可能に係止される構成である。この構成によれば、バンド40を筐体20から完全に取り外すことができる。したがって、人体の汗又は外部環境(埃、傷等)によってバンド40に汚損が生じた場合に、バンド40の交換によってこれに対応することができる。
【0050】
また、被測定者の手首の太さ及び形状は個人差があるため、バンド40が交換可能となることで、例えば、複数種類のバンド40を被測定者に合わせて選択的に用いるといったことが可能となる。この結果、個人によらず、良好な装着性を実現することができる。
【0051】
また、生体情報測定装置10は、バンド40の基端部41が第1係止部29において筐体20から離れる方向に折り返された状態で係止される構成である。この構成によれば、バンド40を筐体20から取り外す作業が容易となり、使い勝手を向上させることができる。
【0052】
また、生体情報測定装置10は、バンド40の先端部43が、手首Wの尺骨S側において基端部41に係止される構成である。被測定者は、右手でバンド40を引き回す作業を行う。このため、右手が存在する尺骨S側においてバンド40の先端部43が係止できることで、生体情報測定装置10の装着を容易に行うことができる。
【0053】
また、生体情報測定装置10は、面状ファスナ45によってバンド40の先端部43が基端部41に係止される構成である。この構成によれば、面状ファスナ45の機能により、バンド40の巻き付け力の調整が容易となるため、装着性を向上させることができる。
【0054】
図4は、
図1に示す生体情報測定装置10の変形例である生体情報測定装置11を被測定者の左手の肘側から見た側面図である。
図4において、生体情報測定装置10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0055】
生体情報測定装置11は、バンド40の基端部41の折り返し方向が生体情報測定装置10とは反対になっている。また、基端部41の非折り返し部分の筐体20側とは反対側を向く面において、バンド40の先端部43が係止されている。その他の構成は、生体情報測定装置10と同じである。
【0056】
具体的には、生体情報測定装置11のバンド40の基端部41は、筐体20の第1端部28に設けられている第1係止部29の孔部31に表示面23側から検出面21側に向かって挿通される。そして、基端部41の折り返し部分が、面状ファスナ42によって基端部41の非折り返し部分に係止される。
【0057】
また、生体情報測定装置11のバンド40の先端部43は、手首Wの周方向において第1端部28と重なる位置で、面状ファスナ45によって基端部41に係止される。
【0058】
この生体情報測定装置11によれば、バンド40の先端部43が係止される基端部41の部分が平坦面に近くなる。このため、先端部43の着脱を容易に行うことができる。
【0059】
また、生体情報測定装置11は、バンド40の基端部41が第1係止部29において筐体20に近づく方向に折り返された状態で係止される構成である。このため、先端部43の基端部41に対する係止状態を解除する際に、基端部41同士の係止状態が解除されにくくなる。したがって、基端部41の第1係止部29に対する係止状態を安定的に保つことができる。
【0060】
図5は、
図1に示す生体情報測定装置10の変形例である生体情報測定装置12を被測定者の左手の肘側から見た側面図である。
図5において、生体情報測定装置10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0061】
生体情報測定装置12は、筐体20の第1端部28に前述した第1係止部29が設けられていない。その代わりに、生体情報測定装置12のバンド40の基端部41は、面状ファスナ42Aを介して第1端部28に係止されている。生体情報測定装置12においては、第1端部28に形成された面状ファスナ42Aが第1係止部を構成する。
【0062】
面状ファスナ42Aは、第1端部28に基端部41を着脱可能に係止するための係止部材である。面状ファスナ42Aの代わりに上述した凹凸構造を採用してもよい。
【0063】
生体情報測定装置12のバンド40の先端部43は、第1端部28に係止されている基端部41の筐体20側とは反対側を向く面に、面状ファスナ45を介して着脱可能に係止される。
【0064】
その他の構成は生体情報測定装置10と同様である。
【0065】
生体情報測定装置12によれば、バンド40の先端部43が係止される基端部41の部分が平坦面に近くなる。このため、先端部43の着脱を容易に行うことができる。
【0066】
なお、生体情報測定装置12において、基端部41は接着又はビス等によって第1端部28に対して着脱不能に係止されていてもよい。この構成によれば、基端部41の係止状態を安定的に保つことができる。
【0067】
図6は、
図1に示す生体情報測定装置10の変形例である生体情報測定装置13を被測定者の左手の肘側から見た側面図である。
図6において、生体情報測定装置12と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0068】
生体情報測定装置13は、バンド40の先端部43が、筐体20の第1端部28に面状ファスナ45Aによって係止される点を除いては、
図5に示した生体情報測定装置12と同じ構成である。
【0069】
生体情報測定装置13のバンド40の先端部43は、手首Wの周方向において基端部41と重なる状態で、第1端部28に面状ファスナ45Aによって係止される。
【0070】
面状ファスナ45Aは、第1端部28に先端部43を着脱可能に係止するための係止部材である。面状ファスナ45Aの代わりに上述した凹凸構造を採用してもよい。
【0071】
生体情報測定装置13によれば、生体情報測定装置12と同様の効果を得ることができる。また、生体情報測定装置13によれば、先端部43の筐体20に対する係止状態を解除する際に、基端部41と筐体20との係止状態が解除されるのを容易に防ぐことができる。
【0072】
生体情報測定装置13において、面状ファスナ45Aを表示面23上まで延長した構成とし、筐体20の端面と表示面23の2面でバンド40の先端部43を筐体20に係止する構成としてもよい。この構成によれば、先端部43の先端付近がフリーな状態となるのを防いで、装置の美観を向上させることができる。また、生体情報測定装置10装着後のバンド40の先端部43の剥がれを防止することができる。
【0073】
図7は、
図1に示す生体情報測定装置10の変形例である生体情報測定装置14を被測定者の左手の肘側から見た側面図である。
図7において、生体情報測定装置10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0074】
生体情報測定装置14は、生体情報測定装置10に取り付けられているバンド40が、筐体20に対して左右逆に取り付けられたものである。
【0075】
すなわち、生体情報測定装置14では、バンド40の基端部41が第2端部26に設けられた第2係止部27で折り返されて面状ファスナ42で係止される。また、バンド40の長手方向における任意位置44が第1端部28に設けられた第1係止部29で折り返される。そして、バンド40の先端部43は、第2係止部27によって係止された基端部41に対して面状ファスナ45によって係止される。
【0076】
生体情報測定装置14によれば、生体情報測定装置10と同様の効果を得ることができる。なお、生体情報測定装置14は、第1端部28における第1係止部29が生体情報測定装置10と同様に表示面23側に設けられていることが好ましい。これにより、生体情報測定装置14の使用感を向上させることができる。
【0077】
図8は、
図1に示す生体情報測定装置10の変形例である生体情報測定装置15を被測定者の左手の肘側から見た側面図である。
図8において、生体情報測定装置13と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0078】
生体情報測定装置15は、バンド40の先端部43が第3係止部29Aで筐体20から離れる方向に折り返され、先端部43の折り返された部分が、面状ファスナ45Bによってバンド40に係止される構成である。その他の構成は、生体情報測定装置13と同様である。
【0079】
第3係止部29Aは、第1係止部29と同じ構成であり、略Π字状の部材で構成される。生体情報測定装置15のバンド40の先端部43は、第3係止部29Aの孔部に検出面21側から表示面23側に向かって挿入され、この孔部を通過した先端部43は筐体20から離れる方向に折り返される。そして、折り返された先端部43は、バンド40に形成された面状ファスナ45Bを介してバンド40に係止される。
【0080】
面状ファスナ45Bは、バンド40に先端部43を着脱可能に係止するための係止部材である。面状ファスナ45Bの代わりに上述した凹凸構造を採用してもよい。
【0081】
生体情報測定装置15によれば、生体情報測定装置10の構成と同様の効果を得ることができる。また、生体情報測定装置15によれば、先端部43を第3係止部29Aで折り返してから係止する構成のため、バンド40の締め付けをより強固に行うことができる。
【0082】
ここまでは、生体情報測定装置10の本体部が1つの筐体20によって構成される例を示したが、これに限らない。
図9は、生体情報測定装置10の本体部の変形例を示す図である。
図9において
図2と同じ構成には同一符号を付してある。
【0083】
図9に示した生体情報測定装置10の本体部100は、前述してきた筐体20と、筐体20Bと、筐体20と筐体20Bとを回動可能に連結するヒンジ等の連結部20Cとによって構成されている。
図9の例では、筐体20Bは、例えば、生体情報測定装置10を駆動するための電池等を収容する。
【0084】
本体部100は、全体として手首の周方向に沿う長手形状となっており、手首の尺骨S側が少なくとも開放された形状となっている。本体部100は、バンド40によって手首に装着された状態で、バンド40の一部が手首と接触する程度に、手首の周方向における両端部間が手首を覆わない構成である。
【0085】
図9の例では、筐体20Bの手首の周方向の端部のうち筐体20側とは反対側の端部が、上述してきた第2端部26を構成し、この第2端部26に第2係止部27が形成される。
【0086】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0087】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0088】
開示された脈波検出装置は、被測定者の手首に装着して用いられる脈波検出装置であって、上記被測定者の橈骨動脈から脈波を検出可能な検出部を含む本体部と、上記本体部に係止された状態で上記手首を周回するように配索されることにより、上記検出部を上記橈骨動脈に対面させた状態を維持するためのバンドと、上記本体部における上記手首の周方向の一方の端部に設けられ、上記バンドの基端部が係止される基端係止部と、上記本体部における上記周方向の他方の端部に設けられ、上記基端係止部により係止された基端部及び上記バンドの先端部間の任意位置が折り返された状態で係止される任意位置係止部と、上記任意位置係止部で折り返された上記バンドと上記基端係止部に係止された上記基端部とが重なる状態で、上記先端部を上記バンド又は上記本体部に着脱可能に係止するための係止部材と、を備えるものである。
【0089】
開示された脈波検出装置は、上記バンドの上記基端部は、上記基端係止部に対して着脱可能に係止されるものである。
【0090】
開示された脈波検出装置は、上記バンドの上記基端部は、上記基端係止部において上記一方の端部から離れる方向に折り返された状態で係止されるものである。
【0091】
開示された脈波検出装置は、上記先端部は、上記本体部における上記手首との対向面側から上記対向面の反対面側に先端が向いた状態で、上記係止部材を介して上記バンド又は上記本体部に係止されるものである。
【0092】
開示された脈波検出装置は、上記本体部における上記一方の端部は、上記手首の尺骨側の端部であり、上記本体部における上記他方の端部は、上記手首の橈骨側の端部であるものである。
【0093】
開示された脈波検出装置は、上記検出部は、圧力検出素子によって橈骨動脈から圧脈波を検出するものである。
【0094】
開示された生体情報測定装置は、上記脈波検出装置と、上記検出部により検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部と、を備えるものである。