(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乗車位置決定部は、前記到着した号機に割り当てられている各利用者について、行先階が前記特定階から遠いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、前記所定個の乗車位置の中から乗車位置を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
前記乗車位置決定部は、前記到着した号機に割り当てられている利用者の数が前記乗車定員よりも小さい所定数よりも少ないときは、前記表示部への各利用者の乗車位置の表示を行わせない、
請求項1から5のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
前記乗車位置決定部は、各利用者の利用者識別情報を前記表示部に表示させたかご内平面図上で前記所定個の乗車位置に対応する位置に表示させることで、各利用者の乗車位置を案内する、
請求項1から10のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
実施の形態1におけるエレベータシステムの構成を説明する。
図1は、実施の形態1におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるエレベータシステムは、群管理制御装置10、複数台の行先階登録装置20、複数台のエレベータ制御装置30A〜30C、複数台のエレベータ40A〜40C(1号機〜3号機。以下適宜「号機」という)、及び複数台の乗車位置表示装置50を有する。各エレベータ40A〜40Cは、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。行先階登録装置20は、ビルのロビー階のエレベータホール(エレベータ乗場)またはその近傍に配置される。また、本実施の形態では、3台のエレベータ40A〜40Cを有するエレベータシステムの構成を例示しているが、2台、あるいは4台以上のエレベータを有するエレベータシステムにも本発明は適用可能である。ここで、ロビー階は、ビル内部への入口を備え、入居者等がビル内の他の階床に移動する際に経由することとなる階床である。そのためロビー階は、ビル内の複数の階床のうちで最も乗車人数が多くなる。ロビー階は、例えば1階である。ロビー階は、特定階の一例である。なお、以下の説明では、複数台のエレベータ40A〜40Cを区別せず「エレベータ40」という場合がある。
【0013】
エレベータシステムは、行先階登録方式を採用しており、ロビー階で乗車前に行先階登録装置20を利用して新規に登録された行先階の呼びを、複数台のエレベータ40(号機)のいずれかに割り当て、複数台のエレベータ40A〜40Cの走行および運行を統合的に制御する。なお、以下では理解の容易のため、適宜、行先階の呼びを割り当てることを、行先階を割り当てる、あるいは利用者を割り当てる、という場合がある。
【0014】
1−2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、行先階登録装置20において登録された行先階を、複数のエレベータ40A〜40Cのうちのいずれかのエレベータ(号機)に割り当てる制御を行う。
【0015】
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13とを備える。
【0016】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0017】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
【0018】
入出力インタフェース13は、行先階登録装置20、エレベータ制御装置30A〜30C、及び乗車位置表示装置50との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して出力する。また、入出力インタフェース13は、行先階登録装置20、及びエレベータ制御装置30A〜30Cから入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0019】
1−3.行先階登録装置
図2Aは、行先階登録装置の電気的構成を示すブロック図である。行先階登録装置20は、利用者による行先階の登録操作を受け付ける装置である。行先階登録装置20は、制御部21と、記憶部22と、入出力インタフェース23と、表示部24と、操作部25と、を備える。
【0020】
記憶部22は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置20の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0021】
制御部21は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部21は、記憶部22から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置20における各種の機能を実現する。
【0022】
入出力インタフェース23は、群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21から出力される信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース23は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0023】
表示部24は、制御部21からの表示信号に基づく表示を行う。表示部24は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成される。
【0024】
操作部25は、例えばテンキーで構成される。行先階登録装置20の表示部24と操作部25とは、タッチパネル式表示装置として一体的に形成されてもよい。
【0025】
図2Bは、行先階登録装置の外観を示す図である。
図2Bの例では、表示部24に、行先階である10階に1号機が割り当てられ、受付番号が14であることが示されている。なお、受付番号という名称でなく乗車位置番号や利用者番号という名称で同じ番号を表示するようにしてもよい。
【0026】
1−4.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置30A〜30Cは、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ40A〜40Cをそれぞれ駆動制御する。また、エレベータ制御装置30A〜30Cはそれぞれ、対応するエレベータ40A〜40Cのかごの位置、走行方向、ドア(かごドア及び乗場ドア)の開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報を含むかご状態信号を群管理制御装置10に出力する。以下の説明では、複数台のエレベータ制御装置30A〜30Cを特に区別せず「エレベータ制御装置30」という場合がある。
【0027】
1−5.乗車位置表示装置
図3は、乗車位置表示装置の電気的構成を示すブロック図である。乗車位置表示装置50は、利用者がかご内で乗車すべき位置(乗車位置)を表示する装置である。乗車位置表示装置50は、制御部51と、記憶部52と、入出力インタフェース53と、表示部54と、を備える。
【0028】
記憶部52は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の乗車位置表示装置50の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0029】
制御部51は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部51は、記憶部52から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、乗車位置表示装置50における各種の機能を実現する。
【0030】
入出力インタフェース53は、群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース53は、制御部51から出力される信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース53は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部51に出力する。
【0031】
表示部54は、制御部51からの表示信号に基づく表示を行う。表示部54は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成される。
【0032】
図4Aは、乗車位置表示装置50の乗車位置の第1の表示例を示した図である。
図4Aでは、乗車位置表示装置50が、乗場ドアの上方の壁面や、かご内の壁面に配置されている例を示す。表示部54の画面には、かご枠が模式的に示されるとともに、その内側に乗車位置を規定する格子状の枠が設けられ、枠内に受付番号が表示される。また、かご枠の上方には、「案内された受付番号の位置にご乗車ください」という案内表示が行われる。これらの表示により、利用者は、自己の受付番号に基づいて直感的に乗車位置を把握することができる。
【0033】
図4Bは、乗車位置表示装置50の乗車位置の第2の表示例を示した図である。
図4Bでは、乗車位置表示装置50の表示部54が、かごの床面に配置されている例を示す。この例においても、表示部54の画面には、かご枠が模式的に示されるとともに、その内側に乗車位置を規定する格子状の枠が設けられ、枠内に受付番号が表示される。この表示により、利用者は、自己の受付番号に基づいてより直感的に乗車位置を把握することができる。
【0034】
2.エレベータシステムの動作
本実施形態のエレベータシステムでは、群管理制御装置10の制御部11は、行先階登録装置20の操作部25で行先階が入力されたときに、利用者を行先階に基づいて複数台の号機のいずれかに割り当てる。また、群管理制御装置10の制御部11は、利用者に固有の受付番号cntを生成し、記憶部12に、受付番号cntに対応付けて行先階及び割り当てた号機を記憶させる。行先階登録装置20の表示部24は、群管理制御装置10の制御部11で生成された受付番号cnt及び制御部11で割り当てられた号機を案内する。また、群管理制御装置10の制御部11は、ロビー階にいずれかの号機が到着したときに、到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び受付番号cntを記憶部12から読み出して、各利用者の降車順番に関連する降車順番関連値p,qを各々の行先階に基づいて設定し、各利用者の降車順番関連値p,qを各々の受付番号cntに対応付けて乗車位置表示装置50の制御部51に出力する。乗車位置表示装置50の制御部51は、ロビー階に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定する。また、乗車位置表示装置50の制御部51は、到着した号機に割り当てられている各利用者について、群管理制御装置10の制御部11で設定された各々の降車順番関連値p,qに基づいて、降車順番が早い利用者の降車が妨げられないように、所定個の乗車位置の中から乗車位置を決定し、表示部54に、各利用者の受付番号cntと各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0035】
要するに、群管理制御装置10の制御部11と乗車位置表示装置50の制御部51とで構成される乗車位置決定部は、ロビー階にいずれかの号機が到着したときに、ロビー階に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定するとともに、到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び受付番号cntを記憶部12から読み出し、到着した号機に割り当てられている各利用者の行先階に基づいて、各行先階で降車する利用者のかごドア側への移動が他の利用者の存在により妨げられないように、所定個の乗車位置の中から各利用者の乗車位置を決定し、表示部54に、各利用者の受付番号cntと各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0036】
以下、各装置の具体的動作についてフローチャートを参照して説明する。まず、行先階登録装置20の動作について説明する。
【0037】
図5は、行先階登録装置20の動作を説明したフローチャートである。
【0038】
行先階登録装置20の制御部21は、行先階が入力されたか否かを判断する(S11)。具体的には、制御部21は、操作部25のテンキーを利用して行先階の入力操作があったか否かを判断する(S11)。
【0039】
行先階が入力されていない場合(S11でNO)、制御部21は、再度ステップS11を実行する。
【0040】
行先階が入力された場合(S11でYES)、制御部21は、入力された行先階に対して号機の割当を指示する割当依頼信号を群管理制御装置10に送信する(S12)。なお以下では「割当依頼信号」を単に「割当依頼」という。
【0041】
制御部21は、割当依頼に対する応答として割当号機等の割当結果の情報を示す割当結果信号を群管理制御装置10から受信したか否かを判断する(S13)。なお以下では「割当結果信号」を単に「割当結果」という。
【0042】
割当結果を受信していない場合(S13でNO)、制御部21は、再度ステップS13を実行する。
【0043】
割当結果を受信した場合(S13でYES)、制御部21は、割当結果が示す割当号機及び受付番号を表示部24に表示させ(S14)、ステップS11に戻る。
【0044】
次に、群管理制御装置10の基本動作について説明する。
【0045】
図6Aは、群管理制御装置10の基本動作を説明したフローチャートである。
【0046】
群管理制御装置10の制御部11は、変数cnt(以下「受付番号cnt」という)に0を設定する(S21)。受付番号cntは、本発明の利用者識別情報の一例である。
【0047】
制御部11は、行先階登録装置20から割当依頼を受信したか否かを判断する(S22)。
【0048】
割当依頼を受信していない場合(S22でNO)、制御部11は、再度ステップS22を実行する。
【0049】
割当依頼を受信した場合(S22でYES)、制御部11は、複数台のエレベータ40A〜40C(複数台の号機)の中からいずれかのエレベータ(号機)を割り当てる。つまり、割当号機の決定を行う(S23)。割当号機の決定は、公知の方法を利用して行うことが可能であり、サービス性や運行効率等が最適化されるように行われる。
【0050】
制御部11は、現在の受付番号cntに1を加算した値を新たな受付番号cntとして設定する(S24)。
【0051】
制御部11は、割当号機及び受付番号cntの情報を含む割当結果を行先階登録装置20に送信する(S25)。
【0052】
制御部11は、割当号機及び行先階と受付番号cntとを対応付けて割当リストに登録する(S26)。割当リストは、記憶部12に格納されている。その後、ステップS22からの処理が繰り返される。
【0053】
図6Bは、割当リストの一例を示した図である。
図6Bの割当リストでは、例えば、受付番号cntの1に対応付けて割当号機として2、行先階として15が登録され、受付番号cntの2に対応付けて割当号機として1、行先階として25が登録され、受付番号cntの3に対応付けて割当号機として3、行先階として18が登録され、その他の受付番号cntについても同様に割当号機及び行先階が対応付けて登録されている。
【0054】
なお、i号機がロビー階に到着して戸開したときに、割当リストに登録されていたi号機についてのデータは削除される。
【0055】
また、受付番号cntが際限なく大きくならないように、受付番号cntの値が所定値に達した場合、ステップS21に戻るようにしてもよい。
【0056】
次に、群管理制御装置10の乗車位置決定動作について説明する。
【0057】
図7Aは、群管理制御装置10の乗車位置決定動作を説明したフローチャートである。
【0058】
群管理制御装置10の制御部11は、変数i(以下「号機番号i」という)に1を設定する(S31)。
【0059】
制御部11は、号機番号iがエレベータ台数よりも大きいか否かを判断する(S32)。
【0060】
号機番号iがエレベータ台数よりも大きくない場合(S32でNO)、制御部11は、i号機がロビー階に到着し、戸開が完了したか否かを判断する(S33)。この判断は、エレベータ制御装置30から出力される信号に基づいて行うことができる。
【0061】
i号機がロビー階に到着し戸開が完了していない場合(S33でNO)、制御部11は、ステップS34に戻って現在の号機番号iに1を加算して、ステップS32を実行する。
【0062】
i号機がロビー階に到着し戸開が完了した場合(S33でYES)、制御部11は、i号機について、利用者の乗車位置の決定処理を開始する(S35)。具体的には、まず、制御部11は、降車順番関連値p,qの初期値として0を設定するとともに、変数f(以下「階床値f」という)に最上階の階床値を設定する。降車順番関連値p,qは、i号機に割り当てられている利用者(呼び)の降車順番関連値である。以下では、降車順番関連値p,qについて適宜単にp,qという。なお、
図7Aのフローチャートでの処理によると、行先階が最上階に近い方の利用者(呼び)から順番に所定個のpが設定され、残りの利用者に対してqが設定される。この場合において、降車順番に関連する値p,qは、それぞれ、利用者(呼び)の行先階が最上階に近いほど、小さい値が設定される。換言すると、利用者(呼び)の行先階がロビー階から近いほど、降車順番に関連する値p,qは大きくなる。
【0063】
制御部11は、階床値fの階床を行先階とする呼び(利用者)がi号機に割り当てられているか否かを判断する(S36)。
【0064】
階床値fの階床を行先階とする呼び(利用者)が割り当てられている場合(S36でYES)、制御部11は、pがかご内の操作盤の数よりも小さいか否かを判断する(S37)。操作盤の数は、かごに応じて決まる値であり、例えば1または2である。
【0065】
pが操作盤数よりも小さい場合(S37でYES)、制御部11は、第1リストx[p]に受付番号cntをpと対応付けて登録する(S38)。第1リストx[p]は、操作盤の前の乗車位置に配置する利用者(呼び)の受付番号cntが登録されるリストである。
【0066】
図7Bは、第1リストx[p]の一例を示した図である。
図7Bの第1リストx[p]では、例えば、pの0に対応付けて、受付番号cntとして5が登録され、pの1に対応付けて、受付番号cntとして8が登録されている。
【0067】
図7Aの説明に戻り、制御部11は、現在のpに1を加算後(S39)、ステップS36を実行する。
【0068】
ステップS37でpが操作盤数よりも小さくない場合(S37でNO)、制御部11は、第2リストy[q]に受付番号cntをqと対応付けて登録する(S40)。第2リストy[q]は、操作盤の前の乗車位置以外の乗車位置に配置する利用者(呼び)の受付番号cntが登録されるリストである。
【0069】
図7Cは、第2リストy[q]の一例を示した図である。
図7Cの第2リストy[q]では、例えば、qの0に対応付けて受付番号cntとして4が登録され、qの1に対応付けて受付番号cntとして7が登録されている。
【0070】
図7Aの説明に戻り、制御部11は、現在のqに1を加算後(S41)、ステップS36を実行する。
【0071】
ステップS36で、階床値fの階床を行先階とする呼び(利用者)がi号機に割り当てられていないと判断した場合(S36でNO)、制御部11は、階床値fから1を減算した値を新たな階床値fとする(S42)。
【0072】
制御部11は、階床値fが最下階の階床値よりも大きいか否かを判断する(S43)。
【0073】
階床値fが最下階の階床値よりも大きい場合(S43でYES)、つまり全ての階床についてのステップS41以前の処理が完了していない場合、制御部11はステップS36に戻る。
【0074】
階床値fが最下階の階床値よりも大きくない場合(S43でNO)、つまり全ての階床についてのステップS41以前の処理が完了した場合、制御部11は、pとqのうちの少なくとも一方が0よりも大きいか否かを判断する(S44)。
【0075】
pとqのいずれも0よりも大きくない場合(S44でNO)、つまり、i号機に呼びが全く割り当てられていなかった場合、制御部11は、ステップS34に戻って号機番号iに1を加算し、次の号機についてステップS32以後の処理を行う。
【0076】
pとqのうちの少なくとも一方が0よりも大きい場合(S44でYES)、つまり、i号機に呼びが1個以上割り当てられている場合、制御部11は、i号機用の乗車位置表示装置50に第1リストx[p]及び第2リストy[q]を送信した後(S45)、ステップS34に戻って号機番号iに1を加算し、次の号機についてステップS32以後の処理を行う。
【0077】
制御部11は、号機番号iがエレベータ台数よりも大きい場合(S32でYES)、ステップS31に戻って号機番号iに1を設定し、ステップS32以後の処理を行う。
【0078】
上記のような手順で第1リストx[p]及び第2リストy[q]を作成した場合、第1リストx[p]には、ロビー階に到着し戸開が完了した号機に対して割り当てられている全ての呼びのうち、最上階に最も近い行先階側から順に操作盤数分の呼びに対する受付番号cntが登録されることとなる。また、第2リストy[q]には、上記の全ての呼びのうち、第1リストx[p]に登録された受付番号cntに対応する呼び以外の残りの呼びについての受付番号cntが登録されることとなる。また、変数p及び変数qの値として、最上階に最も近い行先階側から順に小さい値が割り当てられることとなる。
【0079】
次に、乗車位置表示装置50の乗車位置表示動作について説明する。乗車位置表示装置50の乗車位置表示動作には、乗車位置決定部における乗車位置の決定動作が含まれる。
【0080】
図8は、乗車位置表示装置50の乗車位置表示動作を説明したフローチャートである。
【0081】
乗車位置表示装置50の制御部51は、現在時刻が特定時間帯に含まれるか否かを判断する(S51)。特定時間帯は、出勤時間帯等の混雑時間帯であり、例えば8:00〜10:00である。
【0082】
現在時刻が特定時間帯に含まれていない場合(S51でNO)、制御部51は、表示部54への乗車位置の表示は行わず(S52)、再度ステップS51を実行する。
【0083】
現在時刻が特定時間帯に含まれている場合(S51でYES)、制御部51は、群管理制御装置10から第1リストx[p]及び第2リストy[q]を受信したか否かを判断する(S53)。
【0084】
受信していない場合(S53でNO)、制御部51は、再度ステップS51を実行する。
【0085】
受信した場合(S53でYES)、制御部51は、変数m,変数j,変数kにそれぞれ0を設定する(S54)。なお、以下では単にm,j,kという。変数kの値は、利用者の乗車位置を後述する設定パターンに割り付ける際に用いられ、i号機に割り当てられている利用者(呼び)の降車順番に関連する値p,qを利用して
図8のフローチャートに基づいて設定される。この
図8のフローチャートでの処理によると、利用者(呼び)の行先階が最上階に近いほど、kとして小さい値が設定される。換言すると、利用者(呼び)の行先階がロビー階から近いほど、kの値は大きくなる。また、かごの床上に仮想的に設定された所定個の領域(乗車位置)にはkが紐づけられており、kに対応する利用者(呼び)の乗車位置がkに紐付けられた領域に設定される。kの値の割り付け例については後述する。
【0086】
制御部51は、第1リストx[p]と第2リストy[q]の要素数の合計値が所定数Cよりも小さいか否かを判断する(S55)。要素数の合計値は、今回i号機に割り当てられている利用者(呼び)の数と等しい数値である。所定数Cは、かごの定員に応じて設定される。所定数Cは、かごの定員が12人の場合例えば3である。
【0087】
要素数の合計値が所定数Cよりも小さい場合(S55でYES)、制御部51は、表示部54への乗車位置の表示は行わず(S56)、ステップS53に戻る。かごの乗車定員に対して実際の利用者数が少ない場合、かご内のスペースには余裕があり、乗車位置にかかわらず乗降はスムーズに行うことができる。そのため、乗車位置の表示(指定)を行わないものである。このような場合にも乗車位置を指定すると、逆に、利用者が狭い領域に集中し違和感を持つ場合があるが、本実施形態ではこれも防止できる。
【0088】
要素数の合計値が所定数Cよりも小さくない場合(S55でNO)、第1リストx[p]にpの値がmであるデータがあるか否かを判断する(S57)。
【0089】
第1リストx[p]にpの値がmであるデータがある場合(S57でYES)、制御部51は、表示部54に、pの値がmであるデータの受付番号cntをkの値に対応する乗車位置と対応付けて表示させる(S58)。kの値に対応する乗車位置については後述する。
【0090】
制御部51は、m及びkにそれぞれ1を加算した後(S59)、ステップS57を再度実行する。
【0091】
第1リストx[p]にpの値がmであるデータがない場合(S57でNO)、制御部51は、第2リストy[q]にqの値がjであるデータがあるか否かを判断する(S60)。
【0092】
第2リストy[q]にqの値がjであるデータがある場合(S60でYES)、制御部51は、表示部54に、qの値がjであるデータの受付番号cntをkの値に対応する乗車位置と対応付けて表示させる(S61)。
【0093】
制御部51は、j及びkにそれぞれ1を加算した後(S62)、ステップS60を再度実行する。
【0094】
第2リストy[q]にqの値がjであるデータがない場合(S60でNO)、つまり、第1リストx[p]及び第2リストy[q]に含まれる全てのデータの表示が完了した場合、制御部51は、表示部54の表示状態を一定時間維持した後(S63)、ステップS51に戻る。
【0095】
図9Aは、乗車位置の設定パターンの第1の例を示した図である。
図9Aでは、乗車定員が12人のときの例を示している。
図9Aでは、かご内の床面には4×3の12個(所定個の一例)の領域が設定されている。これらの領域の各々は、1人の利用者を乗車させるための領域であり、一人分の利用者の乗車位置ということができる。各領域の中に記載されている0〜11の数値は、前述したkの値である。各利用者に対応するkの値は、前述したように、利用者の行先階がロビー階から近いほど大きい値に設定されている。換言すれば、各利用者に対応するkの値は、利用者の行先階がロビー階から遠いほど小さい値に設定されている。
図9Aでは、かご内の操作盤(図面ではかご内操作盤と記載している。以後において同様)の数は2個であり、操作盤の前の2つの領域にk=0及びk=1が設定される。つまり、操作盤の前の2つの領域には、行先階がロビー階から遠い側から2人の利用者が割り当てられる。残りの各利用者については、行先階がロビー階(特定階)から遠いほど、つまり降車順番が遅いほどかごドア(図面ではドアと記載している。以後において同様)から遠い乗車位置が割り当てられるように、残りの領域(k=2〜k=11の領域)の中から乗車位置が決定される。例えば、かごの最も奥の列の左端及び右端の領域にk=2及びk=3が設定され、その間の2個の領域にk=4及びk=5が設定される。また、奥から2列目の左端及び右端の領域にk=6及びk=7が設定され、その間の2個の領域にk=8及びk=9が設定される。また、最も手前の列の左端及び右端の間の2個の領域に、k=10及びk=11が設定される。最も手前の列の左端及び右端の間のk=10及びk=11の2個の領域は、かごドア前の領域であり、最も降車しやすい領域である。
【0096】
図9Bは、乗車位置の設定パターンの第2の例を示した図である。
図9Bでは、乗車定員が16人のときの例を示している。
図9Bでは、かご内の床面に4×4の16個(所定個の一例)の領域(乗車位置)が設けられている。各領域の中に記載されている0〜15の数値は、前述したkの値である。
図9Bでは、操作盤の数は2個であり、操作盤の前の2つの領域にk=0及びk=1が設定される。つまり、操作盤の前の2つの領域には、行先階がロビー階から遠い側から2人の利用者が割り当てられる。残りの各利用者については、行先階がロビー階(特定階)から遠いほど、つまり降車順番が遅いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、残りの領域(k=2〜k=15の領域)の中から乗車位置が決定される。例えば、かごの最も奥の列の左端及び右端の領域にk=2及びk=3が設定され、その間の2個の領域にk=4及びk=5が設定される。また、奥から2列目の左端及び右端の領域にk=6及びk=7が設定され、その間の2個の領域にk=8及びk=9が設定される。また、奥から3列目の左端及び右端の領域にk=10及びk=11が設定され、その間の2個の領域にk=12及びk=13が設定される。また、最も手前の列の左端及び右端の間の2個の領域に、k=14及びk=15が設定される。k=14及びk=15の2個の領域は、かごドア前の領域であり、最も降車しやすい領域である。
【0097】
図9Cは、乗車位置の設定パターンの第3の例を示した図である。
図9Cでは、乗車定員が12人のときの例を示している。
図9Cでは、かご内の床面に4×3の12個(所定個の一例)の領域(乗車位置)が設けられている。各領域の中に記載されている0〜11の数値は、前述したkの値である。
図9Aでは、操作盤の数は2個であるが、
図9Cの例では、
図9Aの例とは異なり、操作盤の前の2つの領域には、k=0及びk=1は設定されず、全ての利用者について、行先階がロビー階(特定階)から遠いほど、つまり降車順番が遅いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、全ての領域(k=0〜k=11の領域)の中から乗車位置が決定される。なお、この
図9Cで示す配置は、ステップS37の操作盤数を0と設定することで実現できる。
図9Cで示す例では、かごの最も奥の列の左端及び右端の領域にk=0及びk=1が設定され、その間の2個の領域にk=2及びk=3が設定される。また、奥から2列目の左端及び右端の領域にk=4及びk=5が設定され、その間の2個の領域にk=6及びk=7が設定される。また、最も手前の列の左端及び右端の領域にk=8及びk=9が設定され、その間の2個の領域に、k=10及びk=11が設定される。最も手前の列の左端及び右端の間の2個のk=10及びk=11の領域は、かごドア前の領域であり、最も降車しやすい領域である。
【0098】
なお、
図9Aから
図9Cでは、かご内の床面に3×4の12個の領域、または4×4の16個の領域が設けられる場合を説明したが、例えば2×3の6個の領域や、3×3の9個の領域や、5×5の25個の領域など、n×m個の領域が設けられる場合にも、上述のルールにしたがって本発明を適用できる。
【0099】
2.本発明の課題の具体例
かご内が混雑している場合、利用者の乗降に時間がかかり、エレベータシステム全体の輸送性能が低下するという課題がある。
【0100】
図10Aは、課題を説明した図である。
図10Aでは、一例として、乗車定員が12人のときを示している。この例では、乗車位置の指定は行われず、利用者はかご内で適宜好きな位置に乗車した例を示す。ここで、図形の円は利用者を意味し、図形の円の中の数字はその利用者の行先階を示す。このように混雑している状況において、2階でかごが停止した時、2階を行先階とする利用者はかごの中で最も奥の位置に位置しているので、前方の利用者の間を通って降車する必要がある。また、10階を行先階とする2人の利用者はかごドア前にいるため一旦降車すると予測される。かご内の操作盤の前に立つ2人の行先階は3階、つまり次の階であるためそれほど急いで戸閉ボタンを押さないと考えられる。その結果、エレベータの停止時間が長くなり、平均待ち時間や平均サービス完了時間等が長くなる。つまり、輸送効率が低下する。
【0101】
上記の課題を解決するために、本願発明者が種々の検討を行った結果、利用者の乗車位置を行先階に応じて個別に設定することで上記の課題を解決できるとの知見を得た。
【0102】
図10Bは、本発明による乗車位置の設定の一例を示す図である。本発明では、例えば
図10Bに示すように、ロビー階(1階)から最も遠い10階を行先階とする利用者(降車が最も遅い利用者)については、かご内の操作盤の前に乗車位置が設定される。一方、残りの利用者については、行先階がロビー階(1階)から遠いほどかごドアから遠くなるように、乗車位置が設定される。例えば、最も遠い10階からその次に遠い9階を行先階とする利用者は、かごの最も奥の列の左端(左角)及び右端(右角)に乗車位置が設定され、その次に遠い8階を行先階とする利用者は、かごの最も奥の列の左端(左角)と右端(右角)との間の2つの位置に乗車位置が設定される。このような配置によると、例えば2階でかごが停止した時、2階行きの利用者はかごドア前に乗車しているので即座に降車できる。かご内の操作盤の前に位置する2人は、行先階が10階(最上階)であるので、行先階に早く到着するために比較的急いで操作盤の戸閉ボタンを押すと予測される。そのため、利用者が降車する時間が短縮されるとともに、エレベータが途中階で停止する時間が大きく短縮される。したがって、エレベータがロビー階から最も遠い行先階に到着する時間が短くなることが期待できる。よって、エレベータの1周時間が短くなり、エレベータの運行効率が向上することとなる。
【0103】
(実施の形態2)
1.構成
実施の形態2におけるエレベータシステムについて説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心として説明する。
【0104】
図11は、実施の形態2におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態2におけるエレベータシステムでは、自社専用ビルにエレベータシステムを適用した例を説明する。実施の形態2では、実施の形態1の構成要素に加え、さらに、複数の行先階登録装置20の各々に対応付けてカードリーダ60が設けられている。カードリーダ60は、例えば、対応する行先階登録装置20の近傍にあるいは行先階登録装置20と一体的に設けられている。
【0105】
カードリーダ60は、例えば、IDカード内のIC(集積回路)に格納された情報を近距離無線通信等を利用して読み取る非接触式のカードリーダで構成されている。カードリーダ60は、IDカードからカードIDを読み取り、群管理制御装置10に出力する。
【0106】
群管理制御装置10の記憶部12には社員番号データベース(以下「社員番号DB」という)が記憶されている。社員番号DBは、全社員の社員番号と、各社員が所持するIDカードのカードIDとを対応付けて記録している。
【0107】
利用者が行先階を登録する場合、行先階登録装置20の操作部25のテンキーを利用して行先階を入力し、カードリーダ60にIDカードをかざす。行先階登録装置20の制御部21は、テンキーを利用して行先階が入力されると、行先階の情報を含む割当依頼を群管理制御装置10に送信する。また、カードリーダ60は、IDカードからカードIDを読み取って、群管理制御装置10に送信する。群管理制御装置10の制御部11は、カードIDが社員番号DBに登録されている場合、カードIDに対応する社員番号を読み出して、後述する乗車位置の設定を行う。また、群管理制御装置10の制御部11は、割当号機を決定し、行先階登録装置20に割当結果を送信する。行先階登録装置20は、受信した割当結果が示す割当号機の情報を表示部24に表示させる。
【0108】
その他の構成は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0109】
図12Aは、乗車位置表示装置50の乗車位置の第1の表示例を示す図である。
図12Aは、実施形態1における
図4Aに相当する図であり、乗車位置表示装置50が、乗場ドアの上方の壁面や、かご内の壁面に配置されている例を示す。本実施の形態2では、格子状の枠内に34,108,232等の社員番号が表示される。また、かご枠の上方には、「社員番号の位置にご乗車ください」という案内表示が行われる。これらの表示により、利用者は、自己の社員番号に基づいて直感的に乗車位置を把握することができる。
【0110】
図12Bは、乗車位置表示装置50の乗車位置の第2の表示例を示す図である。
図12Bは、実施形態1における
図4Bに相当する図であり、乗車位置表示装置50の表示部54が、かごの床面に配置されている例を示す。本例では、格子状の枠内に社員番号が表示される。この表示により、利用者は、自己の社員番号に基づいてより直感的に乗車位置を把握することができる。
【0111】
図12Cは、乗車位置表示装置50の乗車位置の第3の表示例を示す図である。
図12Cでは、
図12Aの表示パターンにおいて、乗車人数が乗車定員の12人に達していない場合を示す。乗車人数が乗車定員に達していない場合、割り当てられなかった乗車位置は空欄となる。
【0112】
2.動作
各装置の具体的動作についてフローチャートを参照して説明する。なお、実施の形態1と同一のステップについては同一のステップ番号を付している。
【0113】
まず、行先階登録装置20の基本動作について説明する。
【0114】
図13は、行先階登録装置20の基本動作を説明したフローチャートである。
図13のフローチャートでは、実施の形態1における
図5のフローチャートのステップS14に代えて、ステップS14Aが実行される。
【0115】
具体的には、行先階登録装置20の制御部21は、割当結果を受信した場合(S13でYES)、割当結果が示す割当号機を示す情報を表示部24に表示させ(S14A)、ステップS11に戻る。
【0116】
次に、群管理制御装置10の基本動作について説明する。
【0117】
図14Aは、群管理制御装置の基本動作を説明したフローチャートである。
図14Aのフローチャートでは、実施の形態1における
図6AのフローチャートのステップS21,S24が省略されるとともに、ステップS22A,S22Bが追加されている。また、
図6AのステップS25,S26に代えて、ステップS25A,S26Aが設けられている。
【0118】
具体的には、行先階登録装置20から割当依頼を受信しない場合(S22でNO)、ステップS22の処理を繰り返す。行先階登録装置20から割当依頼を受信した場合(S22でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、操作中の行先階登録装置20に対応するカードリーダ60から、割当依頼を受信してから所定時間内にカードIDを受信したか否かを判断する(S22A)。
【0119】
カードIDを受信していない場合(S22AでNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS22に戻る。割当依頼を受信したが、カードIDを受信していない場合、行先階の登録操作を中止したか、IDカードを所持していない者が行先階登録装置20を操作した可能性があるため、ステップS22に戻るものである。
【0120】
カードIDを受信した場合(S22AでYES)、制御部11は、社員番号DBからカードIDに対応する社員番号を読み出す(S22B)。
【0121】
制御部11は、複数台のエレベータ40A〜40C(複数台の号機)の中から割当号機の決定を行った後(S23)、割当号機の情報を含む割当結果を行先階登録装置20に送信する(S25A)。
【0122】
制御部11は、割当号機及び行先階と社員番号とを対応付けて割当リストに登録する(S26A)。その後、ステップS22からの処理を繰り返す。
【0123】
図14Bは、割当リストの一例を示した図である。
図14Bの割当リストでは、例えば、社員番号の51に対応付けて割当号機として2、行先階として15が登録され、社員番号の250に対応付けて割当号機として1、行先階として25が登録され、社員番号の15に対応付けて割当号機として3、行先階として18が登録され、その他の社員番号についても同様に割当号機及び行先階が対応付けて登録されている。
【0124】
次に、群管理制御装置10の乗車位置決定動作について説明する。
【0125】
図15Aは、群管理制御装置10の乗車位置決定動作を説明したフローチャートである。
図15Aのフローチャートでは、実施の形態1における
図7のフローチャートと比較してステップS36Aが追加されている。また、
図7のステップS38,S40に代えて、ステップS38A,S40Aが設けられている。
【0126】
具体的に、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS36で階床値fの階床を行先階とする呼びがi号機に割り当てられていると判断した場合(S36でYES)、IDカードのカードIDに基づいて社員番号DBから社員番号を取得し(S36A)、ステップS37を実行する。
【0127】
図15Bは、社員番号DBの一例を示した図である。
図15Bの社員番号DBでは、例えば、カードIDの11111111に対応付けて社員番号として34が登録され、カードIDの11111112に対応付けて社員番号として208が登録され、カードIDの11111113に対応付けて社員番号として216が登録され、その他のカードIDについても同様に社員番号が対応付けて登録されている。
【0128】
図15Aの説明に戻り、ステップS38Aでは、制御部11は、第1リストx[p]に社員番号をpと対応付けて登録する。
【0129】
図15Cは、第1リストx[p]の一例を示した図である。
図15Cの第1リストx[p]では、例えば、pの0に対応付けて社員番号として34が登録され、pの1に対応付けて社員番号として208が登録されている。
【0130】
図15Aの説明に戻り、ステップS40Aでは、制御部11は、第2リストy[q]に社員番号をqと対応付けて登録する。
【0131】
図15Dは、第2リストy[q]の一例を示した図である。
図15Dの第2リストy[q]では、例えば、qの0に対応付けて社員番号として202が登録され、qの1に対応付けて社員番号として102が登録され、qの2に対応付けて社員番号として93が登録されている。
【0132】
実施の形態2によれば、カードリーダ60が設けられている場合にも、実施の形態1同様に乗車位置を利用者に案内できる。
【0133】
(実施の形態3)
実施の形態3におけるエレベータシステムについて説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態2との相違点を中心として説明する。
【0134】
図16は、実施の形態3におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態2の構成に加えて、ビルへの入館を管理するセキュリティゲート70が設けられている。セキュリティゲート70は、カードリーダ71と、ゲート表示器72を備える。カードリーダ71は、行先階登録装置20に対応させて設けられたカードリーダ60と同様の構成を有する。ゲート表示器72は、行先階登録装置20の表示部24と同様に割当号機の情報を表示する。また、社員番号DBは、各社員が所持するIDカードのカードIDに対応付けて、全社員の社員番号と、行先階とを記録している。
【0135】
図17は、社員番号DBの一例を示した図である。
図17の社員番号DBでは、例えば、カードIDの11111111に対応付けて社員番号として34、行先階として25が登録され、カードIDの11111112に対応付けて社員番号として208、行先階として24が登録され、カードIDの11111113に対応付けて社員番号として216、行先階として23が登録され、その他のカードIDについても同様に社員番号及び行先階が対応付けて登録されている。
【0136】
カードリーダ71はIDカードがかざされると、IDカードからカードIDを読み取り、群管理制御装置10に出力する。群管理制御装置10の制御部11は、カードIDが社員番号DBに登録されている場合、カードIDに対応する社員番号及び行先階を読み出して、後述する乗車位置に関する情報の設定を行って乗車位置表示装置50に送信するとともに、割当号機を決定してゲート表示器72に割当結果を送信する。ゲート表示器72は、受信した割当結果が示す割当号機の情報を表示する。
【0137】
なお、行先階登録装置20で行先階が入力され、またはカードリーダ60にIDカードがかざされた場合には、
図17の社員番号DBを利用して実施の形態2同様の制御が行われる。
【0138】
実施の形態3によれば、セキュリティゲート70が設けられている場合にも、実施の形態1、2同様に乗車位置を利用者に案内できる。
【0139】
なお、行先階登録装置20に対応付けられたカードリーダ60にIDカードがかざされた場合においても、セキュリティゲート70のカードリーダ71にIDカードがかざされた場合と同様に、社員番号DBからカードIDに対応する行先階を読み出して、行先階登録を行えるようにしてもよい。
【0140】
(実施の形態4)
実施の形態4におけるエレベータシステムについて説明する。なお、実施の形態4では、実施の形態1との相違点を中心として説明する。
【0141】
図18は、実施の形態4におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態1では、乗車位置表示装置50に乗車位置を表示させる。しかし、乗車位置表示装置50だけでなく、利用者が所持するスマートフォン等の情報通信端末100に乗車位置を表示させるようにしてもよい。
【0142】
実施の形態4におけるエレベータシステムは、群管理制御装置10が設定した乗車位置の情報を、情報通信端末100に無線で送信する通信装置80を有する。通信装置80が利用する無線方式は、乗車位置の情報を情報通信端末100に無線で送信することが可能であればどのような無線方式でもよい。例えば、エレベータホールやかご内でWifi等の無線LAN通信を可能としてもよい。また、通信装置80は、メールサーバやWEBサーバの機能を備えてもよく、この場合、通信装置80は、メールやWEBページで乗車位置を案内する。また、情報通信端末100に乗車位置表示用のアプリをインストールすることで、情報通信端末100で通信装置80から乗車位置の情報を受信するようにしてもよい。情報通信端末100は群管理制御装置10から乗車位置の情報を受信すると自動であるいは手動で乗車位置を情報通信端末100の表示部に表示する。
【0143】
図19は、情報通信端末100での乗車位置の表示例を示す図である。情報通信端末100の表示部の画面には、かご枠が模式的に示されるとともに、その内側に乗車位置を規定する格子状の枠が設けられ、乗車すべき位置に対応する枠内を他の枠内とは異なる色、例えば青色で塗りつぶした表示を行う。また、かご枠の上方には、「青色の位置にご乗車ください」という案内表示が行われる。これらの表示により、利用者は、直感的に乗車位置を把握することができる。
【0144】
なお、情報通信端末100により行先階の登録についても行えるようにしてもよい。この場合、情報通信端末100に例えば行先階登録用のアプリをインストールし、群管理制御装置10は、情報通信端末100から行先階の登録要求を受け付けた場合、号機の割当を行って、割当結果を情報通信端末100に送信する。
【0145】
(実施の形態5)
実施の形態5におけるエレベータシステムについて説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態1との相違点を中心として説明する。
【0146】
実施の形態5では、3台のエレベータ40A〜40Cのうちの1台のエレベータ40Aが車椅子利用者等の身障者の利用に適した仕様を有するエレベータ(身障者仕様号機)として構成されている例を説明する。エレベータ40Aは、他のエレベータ40B,40Cと同じ乗車定員を有するが、車椅子利用者は4名分のスペースを必要とするものとする。つまり、車椅子利用者が乗車する場合の実乗車可能な人数は乗車定員から3人分少ない人数であるものとして、乗車位置の割当てを行う。例えば乗車定員が12人である場合、車椅子利用者が乗車した場合、実乗車可能な人数は9人であるものとして、乗車位置の割当てを行う。以下、具体的に説明する。
【0147】
図20は、実施の形態5におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態5におけるエレベータシステムは、ハードウェア上では、実施の形態2と同様の構成を有するが、群管理制御装置10の記憶部12には利用者データベース(以下「利用者DB」という)が記憶されている点で異なる。利用者DBは、カードIDと、利用者の属性とを対応付けて記録している。
【0148】
その他の構成は、実施の形態2と同様であり、説明を省略する。
【0149】
各装置の具体的動作についてフローチャートを参照して説明する。なお、実施の形態1と同一のステップについては同一のステップ番号を付している。
【0150】
図21Aは、群管理制御装置の基本動作を説明したフローチャートである。
図21Aのフローチャートでは、実施の形態2における
図14Aのフローチャートに対して、ステップS21,S22D,S23A,S23B,S24が追加されるとともに、ステップS22B,S26Aの処理に代えて、その処理の内容を一部変更したS22C,S26Bが設けられている。なお、ステップS21,S23,S24,S25では、実施の形態1における同じステップと同様の処理が行われる。
【0151】
具体的には、群管理制御装置10の制御部11は、カードIDを受信した場合(S22AでYES)、利用者DBからカードIDに対応する利用者属性を読み出す(S22C)。
【0152】
図21Bは、利用者DBの一例を示した図である。
図21Bの利用者DBでは、例えば、カードIDの11111111に対応付けて利用者属性として健常者が登録され、カードIDの11111112に対応付けて利用者属性として車椅子が登録され、カードIDの11111113に対応付けて利用者属性として健常者が登録され、その他のカードIDについても同様に利用者属性が対応付けて登録されている。
【0153】
図21Aに戻り、制御部11は、読み出した利用者属性が車椅子であるか否かを判断する(S22D)。
【0154】
利用者属性が車椅子でない場合(S22DでNO)、つまり健常者である場合、制御部11は、ステップS23,S24,S25において実施の形態1と同様の処理を行った後、受付番号cntに、割当号機、行先階、及び利用者属性を対応付けて割当リストに登録する(S26B)。その後、ステップS22からの処理を繰り返す。
【0155】
これに対し、利用者属性が車椅子である場合(S22DでYES)、制御部11は、割当依頼に対して、身障者仕様号機を割当号機として決定する(S23A)。このとき、制御部11は、身障者仕様号機の乗車可能人数を定員から3人を減じた人数に設定する(S23B)。
【0156】
制御部11は、ステップS24以後において、前述した処理を行う。
【0157】
図21Cは、割当リストの一例を示した図である。
図21Cの割当リストでは、例えば、受付番号cntの1に対応付けて割当号機として2、行先階として15が登録され、利用者属性として健常者が登録されている。また、受付番号cntの2に対応付けて割当号機として1、行先階として25が登録され、利用者属性として健常者が登録されている。また、受付番号cntの3に対応付けて割当号機として3、行先階として18が登録され、利用者属性として車椅子が登録されている。その他の受付番号cntについても同様に割当号機、行先階、及び利用者属性が対応付けて登録されている。
【0158】
図22Aは、群管理制御装置の乗車位置決定動作を説明したフローチャートである。
図22Aのフローチャートでは、実施の形態1における
図7Aのフローチャートに対して、ステップS36A,S36Bが追加され、S45に代えてS45Aが設けられている。
【0159】
具体的には、制御部11は、ステップS36で階床値fの階床を行先階とする呼び(利用者)がi号機に割り当てられているか否かを判断した場合において、当該階床値fの階床を行先階とする呼び(利用者)が割り当てられているときは(S36でYES)、
図21Bの割当リストを参照し、当該呼びの利用者属性が車椅子か否かを判断する(S36A)。
【0160】
利用者属性が車椅子である場合(S36AでYES)、制御部11は、第3リストに当該呼びのcntを登録する(S36B)。
【0161】
図22Bは、第3リストの一例を示した図である。本例では、cntとして3が登録されている。なお、本実施の形態5では、1台のエレベータには、1人の車椅子利用者のみを割り当て可能であるとしている。
【0162】
これに対し、利用者属性が車椅子でない場合(S36AでNO)、制御部11は、実施の形態1同様にステップS37以後の処理を実行する。
【0163】
そして、制御部11は、pとqのうちの少なくとも一方が0よりも大きいか否かを判断する(S44)。
【0164】
pとqのいずれも0よりも大きくない場合(S44でNO)、つまり、i号機に呼びが全く割り当てられていなかった場合、制御部11は、ステップS34に戻って号機番号iに1を加算し、次の号機についてステップS32以後の処理を行う。
【0165】
pとqのうちの少なくとも一方が0よりも大きい場合(S44でYES)、つまり、i号機に呼びが1個以上割り当てられている場合、制御部11は、i号機用の乗車位置表示装置50に第1リストx[p]及び第2リストy[q]及び第3リストを送信した後(S45A)、ステップS34に戻って号機番号iに1を加算し、次の号機についてステップS32以後の処理を行う。
【0166】
図23は、乗車位置表示装置の乗車位置表示動作を説明したフローチャートである。
図23のフローチャートでは、実施の形態1における
図8のフローチャートに対して、ステップS54A,S54B,S54C,S56Aが追加されるとともに、
図8のフローチャートのステップS53に代えて、ステップS53Aが設けられている。
【0167】
具体的には、乗車位置表示装置50の制御部51は、ステップS51において、現在時刻が特定時間帯に含まれるか否かを判断した結果、現在時刻が特定時間帯に含まれている場合(S51でYES)、群管理制御装置10から第1リストx[p]、第2リストy[q]、及び第3リストを受信したか否かを判断する(S53A)。
【0168】
受信していない場合(S53AでNO)、制御部51は、再度ステップS51を実行する。
【0169】
受信した場合(S53AでYES)、制御部51は、変数m,変数j,変数kにそれぞれ0を設定した後(S54)、第3リストにcntのデータが登録されているか否かを判断する(S54A)。
【0170】
第3リストにcntのデータが登録されている場合(S54AでYES)、制御部51は、乗車位置の車椅子設定パターンを読み出す(S54B)。車椅子設定パターンの詳細については後述する。
【0171】
制御部51は、車椅子設定パターンにおける車椅子用の乗車位置に、第3リストに登録されているcntを表示する(S54C)。
【0172】
これに対し、第3リストにcntのデータが登録されていない場合(S54AでNO)、制御部51は、実施の形態1と同様に、第1リストx[p]と第2リストy[q]の要素数の合計値が所定数Cよりも小さいか否かを判断し(S55)、要素数の合計値が所定数Cよりも小さい場合(S55でYES)、表示部54への乗車位置の表示は行わない(S56)。
【0173】
一方、要素数の合計値が所定数Cよりも小さくない場合(S55でNO)、制御部51は、乗車位置の通常設定パターンを読み出し(S56A)、以後実施の形態1と同様の処理を行う。ここで、通常設定パターンは、実施の形態1で説明した
図9Aの設定パターンと同じである。一方、車椅子設定パターンでは、車椅子利用者用の乗車位置が設定されている。
【0174】
図24は、乗車位置の設定パターン(車椅子設定パターン)を示した図である。車椅子設定パターンでは、かご内の床面には9個の領域が設定されている。これらの領域の各々は、1人の利用者を乗車させるための領域であり、一人分の利用者の乗車位置ということができる。車椅子利用者の乗車位置(100で示す位置)は、ドアの奥の中央に、一般利用者(健常者)4人分のスペースを利用して設定される。そのため、車椅子設定パターンを採用した場合には、乗車可能な人数は通常設定パターンの場合よりも3人減少する。各領域の中に記載されている0〜7、100の数値は、前述したkの値である。車椅子利用者の乗車位置は、固定位置であり、そのため車椅子利用者の乗車位置には、kとして固定値(ここでは一例として100としている)を付与している。上記のステップS54Cでは、k=100を指定することで、第3リストに登録されているcntを、車椅子利用者用の乗車位置(100の位置)に表示させることができる。車椅子利用者以外の一般の各利用者の乗車位置に対応するkの値は、実施の形態1と同様の考え方に基づいて、利用者の行先階がロビー階から近いほど大きい値に設定されている。換言すれば、車椅子利用者以外の各利用者に対応するkの値は、利用者の行先階がロビー階から遠いほど小さい値に設定されている。
図24では、かご内の操作盤(図面ではかご内操作盤と記載している。以後において同様)の数は2個であり、操作盤の前の2つの領域にk=0及びk=1が設定される。つまり、操作盤の前の2つの領域には、行先階がロビー階から遠い側から2人の利用者が割り当てられる。残りの各利用者については、行先階がロビー階(特定階)から遠いほど、つまり降車順番が遅いほどかごドア(図面ではドアと記載している。以後において同様)から遠い乗車位置が割り当てられるように、残りの領域(k=2〜k=7の領域)の中から乗車位置が決定される。例えば、かごの最も奥の列の左端及び右端の領域にk=2及びk=3が設定される。また、奥から2列目の左端及び右端の領域にk=4及びk=5が設定される。また、最も手前の列の左端及び右端の間の2個の領域に、k=6及びk=7が設定される。最も手前の列の左端及び右端の間のk=6及びk=7の2個の領域は、かごドア前の領域であり、最も降車しやすい領域である。
【0175】
ここで、車椅子利用者は、一般の利用者と比べエレベータの乗降に要する時間が長くなる傾向があるが、かごドアに対して車椅子が進退しにくい場所に移動したような場合には、降車に要する時間がさらに長くなる。これに対処するため、本実施の形態5では、エレベータの利用者に車椅子利用者が含まれている場合には、車椅子利用者を乗降しやすい乗車位置に優先的に配置するものである。これにより、エレベータの利用者に車椅子利用者が含まれている場合においても、降車のためにエレベータが途中階等で停止する時間を短縮し、エレベータの輸送効率を向上させることができる。
【0176】
(実施の形態6、7)
実施の形態5では、実施の形態1をベースとして、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトを実現した例を説明した。具体的に、実施の形態5では、実施の形態1と同様に、利用者毎にcntを生成する。また、実施の形態1のハードウェア構成に対してさらに行先階登録装置近傍でカードリーダが追加され、カードリーダで取得した利用者識別情報に基づいて車椅子利用者の乗車があると判断した場合には、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトに変更する。
【0177】
しかし、実施の形態2をベースとして、実施の形態5と同様の、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトを実現することも可能である(実施の形態6)。実施の形態6では、行先階登録装置により行先階を取得し、行先階登録装置近傍のカードリーダで取得されたカードIDに基づいて社員番号及び利用者属性情報を取得する。そして、行先階登録装置で入力された行先階に対して号機を割り当てる。また、取得した利用者属性情報に基づいて車椅子利用者の乗車があるか否かを判断し、あると判断した場合には、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトに変更する。また、取得した社員番号を乗車位置表示において表示する。なお、利用者属性情報は、
図21Bの利用者DBで管理されてもよいし、
図15Bの社員番号DBに追加されてもよい。また、
図21A以後の各図では、cntを社員番号に読み替えればよい。
【0178】
また、実施の形態3をベースとして、実施の形態5と同様の、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトを実現することも可能である(実施の形態7)。実施の形態7では、セキュリティゲートのカードリーダで取得されたカードIDに基づいて社員番号、行先階、及び利用者属性情報を取得する。そして、取得した行先階に対して号機を割り当てる。また、取得した利用者属性情報に基づいて車椅子利用者の乗車があるか否かを判断し、あると判断した場合には、車椅子利用者を考慮した乗車位置レイアウトに変更する。また、取得した社員番号を乗車位置表示において表示する。なお、利用者属性情報は、
図21Bの利用者DBで管理されてもよいし、
図17の社員番号DBに追加されてもよい。また、
図21A以後の各図では、cntを社員番号に読み替えればよい。
【0179】
3.まとめ
(1)実施の形態1、4、5のエレベータシステムは、
記憶部12と、
乗車前に利用者による行先階の入力を受け付ける操作部25と、
操作部25で行先階が入力されたときに、利用者を行先階に基づいて複数台の号機のいずれかに割り当て、かつ利用者に固有の受付番号cnt(利用者識別情報)を生成し、記憶部12に、受付番号cnt(利用者識別情報)に対応付けて行先階及び割り当てた号機を記憶させる制御部11(割当制御部)と、
制御部11(割当制御部)で生成された受付番号cnt(利用者識別情報)及び制御部11(割当制御部)で割り当てられた号機を案内する表示部24(案内部)と、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかご内での利用者の乗車位置を決定する制御部11,51(乗車位置決定部)と、
制御部11,51(乗車位置決定部)で設定された乗車位置を表示する表示部54と、を備える。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
ロビー階(特定階)にいずれかの号機が到着したときに、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定するとともに、
到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び受付番号cnt(利用者識別情報)を記憶部12から読み出し、
到着した号機に割り当てられている各利用者の行先階に基づいて、各行先階で降車する利用者のかごドア側への移動が他の利用者の存在により妨げられないように、所定個の乗車位置の中から各利用者の乗車位置を決定し、
表示部54に、各利用者の受付番号cnt(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0180】
これにより、到着した号機に割り当てられている各利用者の行先階に基づいて、各行先階で降車する利用者のかごドア側への移動が他の利用者の存在により妨げられないように、所定個の乗車位置の中から乗車位置が決定される。そのため、利用者の降車性を向上させることができる。したがって、利用者の降車のためにエレベータが途中階等で停止する時間を短縮し、エレベータの輸送効率を向上させることができる。
【0181】
(2)実施の形態2、6のエレベータシステムは、
カードID(媒体識別情報)に対応付けて利用者の社員番号(利用者識別情報)を記憶する記憶部12と、
乗車前に利用者による行先階の入力を受け付ける操作部25と、
IDカード(記憶媒体)からカードID(媒体識別情報)を取得するカードリーダ60(識別情報取得部)と、
操作部25で行先階が入力され、かつカードリーダ60(識別情報取得部)でカードID(媒体識別情報)が取得されたときに、記憶部12から、取得されたカードID(媒体識別情報)に対応付けて記憶されている社員番号(利用者識別情報)を取得するとともに、利用者を行先階に基づいて複数台の号機のいずれかに割り当て、記憶部12に、社員番号(利用者識別情報)に対応付けて行先階及び割り当てた号機を記憶させる制御部11(割当制御部)と、
制御部11(割当制御部)で割り当てられた号機を案内する表示部24(案内部)と、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかご内での利用者の乗車位置を決定する制御部11,51(乗車位置決定部)と、
制御部11,51(乗車位置決定部)で設定された乗車位置を表示する表示部54と、を備える。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
ロビー階(特定階)にいずれかの号機が到着したときに、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定するとともに、
到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び社員番号(利用者識別情報)を記憶部12から読み出し、
到着した号機に割り当てられている各利用者の行先階に基づいて、各行先階で降車する利用者のかごドア側への移動が他の利用者の存在により妨げられないように、所定個の乗車位置の中から各利用者の乗車位置を決定し、
表示部54に、各利用者の社員番号(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0182】
これにより、到着した号機に割り当てられている各利用者について、降車順番が早い利用者の降車が妨げられないように、所定個の乗車位置の中から乗車位置が決定される。そのため、利用者の降車性を向上させることができる。したがって、利用者の降車のためにエレベータが途中階等で停止する時間を短縮し、エレベータの輸送効率を向上させることができる。特に、カードリーダを利用してエレベータ使用の認証を行うエレベータシステムにおいて上記の効果が奏される。
【0183】
(3)実施の形態3、7のエレベータシステムは、
カードID(媒体識別情報)に対応付けて利用者の社員番号(利用者識別情報)及び行先階を記憶する記憶部12と、
IDカード(記憶媒体)からカードID(媒体識別情報)を取得するカードリーダ71(識別情報取得部)と、
カードリーダ71(識別情報取得部)でカードID(媒体識別情報)が取得されたときに、記憶部12から、取得されたカードID(媒体識別情報)に対応付けて記憶されている社員番号(利用者識別情報)及び行先階を取得するとともに、利用者を行先階に基づいて複数台の号機のいずれかに割り当て、記憶部12に、社員番号(利用者識別情報)に対応付けて行先階及び割り当てた号機を記憶させる制御部11(割当制御部)と、
制御部11(割当制御部)で割り当てられた号機を案内する案内部と、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかご内での利用者の乗車位置を決定する制御部11,51(乗車位置決定部)と、
制御部11,51(乗車位置決定部)で設定された乗車位置を表示する表示部54と、を備える。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定するとともに、
到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び社員番号(利用者識別情報)を記憶部12から読み出し、
到着した号機に割り当てられている各利用者の行先階に基づいて、各行先階で降車する利用者のかごドア側への移動が他の利用者の存在により妨げられないように、所定個の乗車位置の中から各利用者の乗車位置を決定し、
表示部54に、各利用者の社員番号(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0184】
これにより、到着した号機に割り当てられている各利用者について、降車順番が早い利用者の降車が妨げられないように、所定個の乗車位置の中から乗車位置が決定される。そのため、利用者の降車性を向上させることができる。したがって、利用者の降車のためにエレベータが途中階等で停止する時間を短縮し、エレベータの輸送効率を向上させることができる。特に、カードリーダを利用してエレベータ使用の認証と行先階の登録を行うエレベータシステムにおいて上記の効果が奏される。
【0185】
(4)実施の形態1〜7のエレベータシステムにおいて、
複数台の号機のかご内にかごドアの近傍においてかごドアの戸閉操作を受け付ける2個(第2所定個)の操作盤が設けられている。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
到着した号機に割り当てられている利用者のうち行先階がロビー階(特定階)から遠い方から2個(第2所定個)分の各利用者については、所定個の乗車位置の中から、2個(第2所定個)の操作盤に最も近い2個(第2所定個)の乗車位置のいずれかを割り当て、
到着した号機に割り当てられている残りの各利用者については、行先階がロビー階(特定階)から遠いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、所定個の乗車位置の中から乗車位置を決定する。
【0186】
これにより、到着した号機に割り当てられている利用者のうち降車順番が最も遅い方の利用者、つまり行先階がロビー階(特定階)から最も遠い方の利用者は、操作盤に最も近い方の乗車位置が割り当てられる。行先階がロビー階(特定階)から最も遠い利用者の行先階がロビー階(特定階)から遠い場合、当該利用者は、できるだけ早く行先階に到着できるように、途中階の利用者が降車してから短時間で操作盤に対して戸閉操作を行う(例えば戸閉ボタンを押す)傾向がある。そのため、途中階での停止時間が短くなり、最も遠い行先階への到着時間が短くなることが期待できる。また、エレベータの1周時間が短くなり、エレベータの運行効率が向上することとなる。
【0187】
(5)実施の形態1〜7のエレベータシステムにおいて、
制御部11,51(乗車位置決定部)は、到着した号機に割り当てられている各利用者について、行先階がロビー階(特定階)から遠いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、所定個の乗車位置の中から乗車位置を決定する。
【0188】
これによれば、降車順番が遅いほどかごドアから遠い乗車位置が割り当てられるように、利用者の乗車位置が決定される。そのため、ある利用者が降車するときには、その利用者のかごドア側には、利用者が存在していないこととなる。したがって、各利用者においてスムーズな降車が可能となる。
【0189】
(6)実施の形態1〜7のエレベータシステムにおいて、
制御部11,51(乗車位置決定部)は、到着した号機に割り当てられている利用者の数が乗車定員よりも小さい所定数Cよりも少ないときは、表示部54への各利用者の乗車位置の表示を行わせない。
【0190】
かごの乗車定員に対して実際の利用者数が少ない場合、かご内のスペースには余裕があり、乗車位置にかかわらず乗降はスムーズに行うことができる。そのため、乗車位置の表示(指定)を行わないものである。このような場合にも乗車位置を指定すると、利用者が狭い領域に集中し違和感を持つ場合があるが、本実施形態ではこれも防止できる。
【0191】
(7)実施の形態5のエレベータシステムにおいて、
IDカード(記憶媒体)からカードID(媒体識別情報)を取得するカードリーダ71(識別情報取得部)をさらに備える。
記憶部12は、カードID(媒体識別情報)に対応付けて利用者が健常者か車椅子利用者かを示す利用者属性情報を記憶している。
制御部11(割当制御部)は、
カードリーダ71(識別情報取得部)でカードID(媒体識別情報)が取得されたときに、記憶部12から、取得されたカードID(媒体識別情報)に対応付けて記憶されている利用者属性情報をさらに取得し、
利用者属性情報が車椅子利用者を示しているときは、複数台の号機のうち、車椅子利用者に適した仕様を有する号機に割り当て、記憶部12に、cnt(利用者識別情報)に対応付けて行先階、割り当てた号機、及び利用者属性情報を記憶させる。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
ロビー階(特定階)にいずれかの号機が到着したときに、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に、かごドアに対して車椅子が進退しやすい所定位置に車椅子利用者用の乗車位置を設定するとともに、その周囲に一般の利用者用の乗車位置を設定し、
表示部54に、各利用者のcnt(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0192】
(8)実施の形態6、7のエレベータシステムにおいて、
記憶部12は、さらにカードID(媒体識別情報)に対応付けて利用者が健常者か車椅子利用者かを示す利用者属性情報を記憶している。
制御部11(割当制御部)は、
カードリーダ71(識別情報取得部)でカードID(媒体識別情報)が取得されたときに、記憶部12から、取得されたカードID(媒体識別情報)に対応付けて記憶されている利用者属性情報をさらに取得し、
利用者属性情報が車椅子利用者を示しているときは、複数台の号機のうち、車椅子利用者に適した仕様を有する号機に割り当て、記憶部12に、社員番号(利用者識別情報)に対応付けて行先階、割り当てた号機、及び利用者属性情報を記憶させる。
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
ロビー階(特定階)にいずれかの号機が到着したときに、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に、かごドアに対して車椅子が進退しやすい所定位置に車椅子利用者用の乗車位置を設定するとともに、その周囲に一般の利用者用の乗車位置を設定し、
表示部54に、各利用者の社員番号(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0193】
(7)、(8)によれば、エレベータの利用者に車椅子利用者が含まれている場合、かごドアに対して車椅子が進退しやすい所定位置に車椅子利用者用の乗車位置が設定されるとともに、その周囲に一般の利用者用の乗車位置が設定される。ここで、車椅子利用者は、一般の利用者と比べエレベータの乗降に要する時間が長くなる傾向があるが、かごドアに対して車椅子が進退しにくい場所に移動したような場合には、降車に要する時間がさらに長くなる。これに対処するため、本実施の形態6,7では、エレベータの利用者に車椅子利用者が含まれている場合には、車椅子利用者を乗降しやすい乗車位置に優先的に配置するものである。これにより、エレベータの利用者に車椅子利用者が含まれている場合においても、降車のためにエレベータが途中階等で停止する時間を短縮し、エレベータの輸送効率を向上させることができる。
【0194】
(9)実施の形態1〜7のエレベータシステムは、乗車位置表示装置50をさらに含む。
乗車位置表示装置50は、ロビー階(特定階)における複数台の号機の乗場ドアの上方にそれぞれ配置されている。
【0195】
これによれば、利用者は、乗車前に乗場ドアの上方の乗車位置表示装置50を見るだけで乗車位置を確認できる。
【0196】
(10)実施の形態1〜7のエレベータシステムは、乗車位置表示装置50をさらに含む。
乗車位置表示装置50は、複数台の号機のかごの床面にそれぞれ配置されている。
【0197】
これによれば、利用者は、乗車時にかごの床面の乗車位置表示装置50を見るだけで乗車位置を確認できる。
【0198】
(11)実施の形態1〜7のエレベータシステムにおいて、
制御部11,51(乗車位置決定部)は、各利用者の受付番号cntまたは社員番号(利用者識別情報)を、表示部54に表示させたかご内平面図上で所定個の乗車位置に対応する位置に表示させることで、各利用者の乗車位置を案内する。
【0199】
これによれば、各利用者に自己の乗車位置を直感的に認識させることができる。
【0200】
(12)実施の形態1〜7のエレベータシステムにおいて、
制御部11,51(乗車位置決定部)は、
各利用者の降車順番に関連する降車順番関連値p,qを設定する制御部11(降車順番設定部)と、
制御部11(降車順番設定部)で設定された各利用者の降車順番関連値p,qに基づいて表示部54に表示を行わせる制御部51(表示制御部)と、を含む。
制御部11(降車順番設定部)は、
ロビー階(特定階)にいずれかの号機が到着したときに、到着した号機に割り当てられている利用者各々の行先階及び受付番号cntまたは社員番号(利用者識別情報)を記憶部から読み出して、各利用者の降車順番に関連する降車順番関連値p,qを各々の行先階に基づいて設定し、
各利用者の降車順番関連値p,qを各々の受付番号cntまたは社員番号(利用者識別情報)に対応付けて制御部51(表示制御部)に出力し、
制御部51(表示制御部)は、
ロビー階(特定階)に到着した号機のかごの床に乗車定員と同数以下の所定個の乗車位置を設定するとともに、
到着した号機に割り当てられている各利用者について、制御部11(降車順番設定部)で設定された各々の降車順番関連値p,qに基づいて、所定個の乗車位置の中から乗車位置を決定し、
表示部54に、各利用者の受付番号cntまたは社員番号(利用者識別情報)と各々の乗車位置とを対応付けて表示させる。
【0201】
これによれば、群管理制御装置10の制御部11と乗車位置表示装置50の制御部51とで分担して、乗車位置の決定及び表示の制御ができる。
【0202】
(13)実施の形態4のエレベータシステムは、制御部11,51(乗車位置決定部)で決定された乗車位置を示す情報を各利用者が所持する情報通信端末100に無線送信する通信装置80(送信部)をさらに備える。
【0203】
これにより、利用者は、自己の所持する情報通信端末100を利用して乗車位置を確認できる。
【0204】
(その他の実施の形態)
前記実施の形態では、群管理制御装置10、行先階登録装置20、及び乗車位置表示装置50の制御部11,21、51は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現している。つまり、制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されている。しかし、制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成してもよい。
【0205】
前記実施の形態では、本発明の乗車位置決定部が群管理制御装置10の制御部11及び乗車位置表示装置50の制御部51により構成されている場合を例示した。しかし、本発明の乗車位置決定部の処理は、群管理制御装置10の制御部11で統一的に実行されもよい。つまり、
図8のフローチャートの処理は、群管理制御装置10の制御部11で行われてもよい。その場合、乗車位置表示装置50は、群管理制御装置10の制御部11から出力される表示信号に基づく表示のみを行えばよい。
【0206】
前記実施の形態では、制御部51(乗車位置決定部)は、各利用者の受付番号cntまたは社員番号(利用者識別情報)を、表示部54に表示させたかご内平面図上で所定個の乗車位置に対応する位置に表示させることで、各利用者の乗車位置を表示する。しかし、本発明では、各利用者の乗車位置を言語で表示してもよい。例えば、表示部54に、「かごの奥の左側」、「かごの奥の右側」、「かごの奥の中央」、「かごドアの前」「操作盤の前」等の言語で表示してもよい。
【0207】
実施の形態1、4、5では、本発明の請求項1の利用者識別情報が受付番号cntである場合を例示した。しかし、利用者識別情報は、エレベータを同時期に利用する利用者同士を区別できるものであれば、受付番号cntでなく、その他の数値や、文字や、記号等であってもよい。また、本実施形態では、受付番号cntは1ずつ増加する通し番号として構成されているが、通し番号でなくてもよい。
【0208】
実施の形態2、3、6、7では、本発明の請求項2、3の利用者識別情報が社員番号である場合を例示した。しかし、利用者識別情報は、利用者を識別できるものであればどのようなものでもよい。例えば、利用者識別情報は、利用者の名前、ニックネーム、表示用の管理番号等であってもよい。
【0209】
実施の形態4では、本発明の請求項13のエレベータシステムを、実施の形態1のエレベータシステムに適用した場合について説明した。しかし、本発明の請求項13のエレベータシステムは、実施の形態2、3、5〜7のエレベータシステムにも適用可能である。
【0210】
前記実施の形態では、かご内での乗車位置を利用者が認識しやすいようにかご内に表示部54を設けた例を示したが、かごの床面に格子状の枠や異なる色のパネルを設けることで乗車位置を利用者が認識しやすくしてもよい。
【0211】
本発明は上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、複数の実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。