特許第6683314号(P6683314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683314
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】地下空洞部の充填工法
(51)【国際特許分類】
   E21F 15/00 20060101AFI20200406BHJP
   C04B 28/00 20060101ALI20200406BHJP
   C04B 22/04 20060101ALI20200406BHJP
   C04B 111/70 20060101ALN20200406BHJP
【FI】
   E21F15/00
   C04B28/00
   C04B22/04
   C04B111:70
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-76493(P2016-76493)
(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公開番号】特開2017-186797(P2017-186797A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】512022262
【氏名又は名称】サンソー技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】714003014
【氏名又は名称】寺村 敏史
(72)【発明者】
【氏名】寺村 敏史
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−169766(JP,A)
【文献】 特開2002−332797(JP,A)
【文献】 特開昭53−096210(JP,A)
【文献】 特開平06−336899(JP,A)
【文献】 特開2005−145808(JP,A)
【文献】 特開2006−213559(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02933307(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21F 15/00
C04B 22/04
C04B 28/00
C04B 111/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下空洞部を充填材で充填する方法において、該空洞部内に二酸化炭素ガスを注入し、該空洞部内の空気を二酸化炭素ガスに置換する工程と、次いでカルシウム成分を含むセメント、生石灰、消石灰のうち1種または2種以上が含まれている充填材を該空洞部内に注入し、該充填材中のカルシウム成分と該空洞部内の空気溜まりの二酸化炭素ガスと反応させて炭酸カルシウムを生成し、該二酸化炭素ガスを該充填材内に吸収・固定化することにより該空気溜まりを消失させて充填する工程を含むことを特徴とする地下空洞部の充填工法。








【請求項2】
請求項1記載の地下空洞部の充填方法であって、前記空洞内の空気を二酸化炭素ガスに置換する工程は、該空洞内の二酸化炭素ガス濃度を80%以上にすることを特徴とする地下空洞部の充填工法。
【請求項3】
請求項1記載の地下空洞部の充填方法であって、前記充填材は、アルミニウム金属粉末を成分とする発泡材が含まれていることを特徴とする地下空洞部の充填工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された下水道、上水道、ガス管、電線管、用水路等の導管内に充填材を充填する地中埋設管の充填工法および地中の構造物内の空洞または構造物周囲に生じた隙間を充填する工法に関するものである。特に空気溜りが生じる恐れのある形状の空洞を充填する工事に関わる工法である。
【背景技術】
【0002】
下水道、上水道、ガス、電機・通信、用水等の種々の用途で地下に管路が地下に埋設されている。これらの地下埋設管は老朽化等により使用されなくなると、陥没を未然に防止するため、充填材等を用いて管路内部を充填する。また、地下室および地下埋設タンクなどの空間を有する地中の構造物においても、使用されなくなると防災減災のために内部空間の埋戻しを行う。また、下水道では、既設埋設管内に新規の更生管を挿入または製管したのち、既設埋設管と更生管との間の空隙に充填材を注入して裏込めを行う管更生工法がある。
【0003】
充填材としては、一般的なエアーミルクやエアーモルタルが用いられる他に、種々の材料を所定の割合で配合した充填材や製造方法が開示されている。例えば、特許文献1には、水およびセメントに、粘土物質、フライアッシュ等の助材、石膏等の刺激材、および流動性を改質する薬剤を含有してなる充填材が開示されている。また、特許文献2には水、セメントおよび建設残土を混合した流動化処理土の製造方法が示されている。さらに、特許文献3では、水、セメント、粘度調節材、界面活性剤および改質したアルミニウム金属粉末を混合した事後発泡型の充填材が開示されている。これらの充填材は、流動性の高いスラリー状にして、充填性を高めるように工夫がされている。
充填方法は、特許文献4のように、地下埋設管のような充填空間が管路である場合は、管路の一端に充填口を設け、もう一方の端に到達口を設け、前記充填口から充填材を送ることで管内を充填する工法が採られる。また、特許文献5のように、到達口からバキュームポンプで吸引しながら充填口から充填材を送る工法も開示されている。どちらか一端が閉塞している場合は、閉塞していない側に充填口と空気抜きおよび充填材の到達確認の兼ねた到達口を設けて充填する工法が採られる。
【0004】
一般的に、地下埋設管は勾配がある場合が多く、充填をする区間の勾配を配慮した充填工事を行う必要がある。充填をする区間が下がり勾配または上り勾配のいずれかしかない場合であれば、上流端を充填口とし、流動性の高い充填材を注入することによって下流端へ流下させることが可能である。
しかしながら、図1に示すように、埋設管20の充填口21と到達口22の間に上り勾配とそのあとに続く下り勾配がある場合(以下、上越し部という。)や、図2に示すように、地盤10の動きによって埋設管20に変位や勾配が生じたり、老朽化によって管上部の破損や変形が生じたりすると、流動性の高い充填材を注入しても、図3に示すように、管内の空気が抜けきらず、上部凸部23に空気溜り23aが生じて空隙が残ることになる。空隙が残存した状態にしておくと、その空隙部が圧壊して陥没の原因となる可能性があるため、空気溜りによる空隙が残らない充填工法が望まれている。
【0005】
特許文献6では、充填をする区間に存在する上越し部に空気抜き孔を設け、充填材を一端から圧送する際に、前記空気抜き孔から、管路内の空気および充填材を吸引することで空気溜りを生じさせない工法が開示されている。また、一般的な工法として、充填口から上越し部まで管内に注入管および空気抜き管を挿入・設置し、充填材を圧送注入しながら上越し部の空気を空気抜き管から排出する工法で、空気溜りを防止する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−67453号公報
【特許文献2】特開平11―43931号公報
【特許文献3】特開2009−83413号公報
【特許文献4】特開2005−83036号公報
【特許文献5】特開2009−264026号公報
【特許文献6】特開2014―66056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献6のように上越し部に空気抜き孔を設置する場合は、空気抜き孔のための削穴、配管設置ならびに充填後の配管撤去などの工程で手間がかかる課題がある。また、上越し部の位置に空気抜き孔を設置する地上部に建物などの障害物があり、削穴等を行う工事スペースが設けられない場合もある。また、前記したように地盤の動きや管路の劣化によって生じた管路の上部凸部は地上からの位置決めが難しいため空気抜き孔の設置ができないなどの問題があった。
一方、充填口から上越し部や上部凸部まで管内に注入管および空気抜き管を挿入・設置する方法は、作業者が充填をする管内に入って作業を行わなければならず、老朽化した管内での作業は、崩落などの危険が伴うものであり、安全面で好ましくないなどの問題があった。また、この工法は、作業者が出入りできる大きな管径または空洞を有する工事にしか適用できない工法であり、作業者が出入りできない内径の管や空洞ではできなかった。
このような課題に対して、本発明は簡便な方法で空気溜りを残さない充填工法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、埋設管内や空洞を有する地下構造物の空洞内の空気を二酸化炭素ガスに置換し、次いでセメント、生石灰、消石灰のうち1種または2種以上の成分を含む充填材を該空洞内に注入することを特徴とする地下空洞部の充填工法である。
本発明は、気体である二酸化炭素ガスが水の存在下でカルシウムイオンと結合して固体の炭酸カルシウムに化学変化することを利用した工法である。地下埋設管やその他の地下構造物にある空洞の充填において、管内や空洞内の空気を二酸化炭素ガスに置換しておくことで、空気溜りにある二酸化炭素ガスが、次いで注入される充填材スラリーに含まれるセメント、生石灰、消石灰などのカルシウム成分と反応し炭酸カルシウムに変化するため、二酸化炭素ガスが消費され、空気溜りは負圧になり充填材スラリーの液面を上げていき、最終的に空気溜りが消失するのである。
【0009】
ここでいう置換とは、充填を行う空間の空気を外部に排気し、高濃度の二酸化炭素ガス雰囲気にして、その状態を維持することであって、気体の流入出がないように外部と該空間との間に隔壁などを設けることが必要である。置換の方法は、二酸化炭素ガス導入に先立って該空間にある空気を外部に吸引したのちに、二酸化炭素ガスを該空間に導入してもよいし、二酸化炭素ガスの導入によって該空間にある空気を押し出しながら徐々に高濃度の二酸化炭素ガス雰囲気にしてもよい。
また、充填材として、アルミニウム金属粉末の成分を含む発泡材を含有した充填材を用いるとより好ましい。発泡材を含有した充填材を用いることで、充填材は発泡による体積膨張が起こり、空気溜りを加圧させ二酸化炭素ガスの吸収・固定化を促進することができるのである。
さらに、置換する二酸化炭素ガス濃度は80%以上とすることが好適である。二酸化炭素ガスの濃度が低いと、二酸化炭素ガス以外の気体成分がスラリーに吸収されずに残ってしまうため好ましくない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の工法では、置換された二酸化炭素ガスが充填材に含まれるカルシウムと化学反応して炭酸カルシウムになり充填材に吸収されるため、空気溜りのない充填ができる。
充填に先立って、埋設管内を充填する場合は、管路の両端に充填口と到達口を設け空洞内部の空気を二酸化炭素に置換する工程を行うだけなので、上越し部に空気抜き配管を連結または設置する必要がなく、また、作業者が入れない空洞でも空気溜りのない充填が可能となる。さらに、上越し部や上面凸部等の空気溜りが発生しそうな箇所を特定できなくても、空気溜りが発生しない簡易な工法である。また、入手が容易で安価な二酸化炭素ガスおよびセメント系または石灰系の材料を使用するため、非常に経済的な工法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】上越し部のある地下埋設管の断面図である。
図2】管路に変位が生じた地下埋設管の断面図である。
図3】管路充填で空気溜りが生じた状態の図2相当図である。
図4】本発明の実施形態を説明するための断面図であり、二酸化炭素ガスを導入する状態の図2相当図である。
図5】本発明の実施形態を説明するための断面図であり、充填材注入の状態の図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(スラリーに吸収可能なガスの選定)
本発明は、充填材を注入する前に、空洞の空気を溶解性の高いガスまたは固化反応するガスに置換することで、充填材を注入した際に、充填材スラリーに吸収・固化させ、ガスを消失させる方法を用いたものである。この方法に利用可能なガスとして、二酸化炭素ガス、アンモニア、亜硫酸ガスなどが挙げられるが、アンモニアおよび亜硫酸ガスは水への溶解度が高いが、臭気や毒性が高く実用的に好ましくない。二酸化炭素の水への溶解度はアンモニアや亜硫酸ガスに対して高くないが、二酸化炭素は水の存在化でカルシウムイオンと反応して難溶性の炭酸カルシウムまたは可溶性の炭酸水素カルシウムになる性質を有している。そのため、セメント、生石灰、消石灰などのカルシウム成分を混合した充填材を用いることによって、二酸化炭素ガスを充填材スラリー中に吸収できるため最適である。また、入手が容易で安価であるため、経済的な点からも優れている。
【0013】
二酸化炭素ガスは、水に溶解して炭酸イオンあるいは炭酸水素イオンとなる。一方、セメント、生石灰および消石灰は、水中にカルシウムイオンを溶出する。この炭酸イオンあるいは炭酸水素イオンがカルシウムイオンと結合して溶解度の低い炭酸カルシウムになる。さらに、二酸化炭素が高い濃度で存在すると可溶性の炭酸水素カルシウムになることが知られているが、概略として化1に示す化学反応によって、二酸化炭素ガスは充填材スラリー中で固体の炭酸カルシウムに変化する。
【化1】

【0014】
この式によれば、理論上は1mの二酸化炭素ガス(25℃、大気圧)は、質量は約1.98kgであり、約2.26kgの酸化カルシウムと反応して炭酸カルシウムになる。すなわち、少量のカルシウム成分で二酸化炭素ガスを吸収し固体化することができるのである。
【0015】
次に、本発明による地下埋設管の充填工法の一例を述べる。図4に示すように埋設管20の一端21に隔壁31を設け、隔壁31またはその近傍にバルブ45で連結した注入管40を設置する。埋設管の他端22にも同様に隔壁32を設け、隔壁32またはその近傍にバルブ45を連結した排気管44を設置する。該隔壁31および32は、埋設管20の内外で空気が容易に流入出しないように設置する。なお、該注入管40および該排気管44は、後工程の充填材の注入用および確認用の管を兼ねてもよいし、充填材用の注入管および確認管を別途設置してもよい。この例では、該注入管40はガス注入と充填材注入を、該排気管44はガス排気と充填材確認用をそれぞれ兼ねたものとして記載する。なお、該注入管40および該排気管44は、管内の構造および後工程の充填材注入を考慮して、管の内部まで延長してもよい。
【0016】
二酸化炭素ガスを注入管40から流入させるが、二酸化炭素ガスは、液体二酸化炭素、圧縮炭酸ガス、ドライアイス、化学反応で発生させた二酸化炭素ガスなどが使用できるが、ヒーター内蔵レギュレーターを取り付けた液体二酸化炭素ボンベを使用するのが、流量計等で確認しながら行うことができ、流量の制御が容易であるため好ましい。注入する二酸化炭素ガスの濃度は95%以上が好ましい。
二酸化炭素ガスを注入中は、排気管44から排気を行うが、排気側から吸引ポンプ等を使用して強制的に排気してもよい。埋設管が老朽化により強度低下している場合は、二酸化炭素の注入圧は、大気圧と圧力差が大きくならないように行うのが好ましい。また、排気管44の排気口周辺は高濃度の二酸化炭素ガスが停留しないように、図3のように地上まで排気管44を延長してガスの拡散を行うか、または排気口周辺を送風するなどの安全対策を行うことが好ましい。
【0017】
二酸化炭素ガス注入開始後、排気側で炭酸ガス濃度を経時的に計測する。濃度測定には濃度100%まで計測できる二酸化炭素濃度センサーや検知管等を使用することが好ましい。排気ガスの二酸化炭素濃度が80%以上、より好ましくは90%以上になったら、二酸化炭素ガスの注入を止め、両端のバルブ45を閉める。これで、管内部30の空気が二酸化炭素ガスで置換されたことになる。
本発明で使用する充填材は、セメント、生石灰、消石灰のいずれか1種または2種以上の成分を含む充填材であればよい。セメントは普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメント、エコセメント、低発熱セメント、白色セメント、ジオセメントなどの特殊セメントが使用できる。生石灰、消石灰は、工業的に焼成・反応させた生石灰・消石灰の他、カルシウム成分を含むペーパースラッジ焼却灰、汚泥焼却灰などが使用できる。また、高炉、転炉等のスラグも用いることができるが、セメント、生石灰や消石灰に比べて二酸化炭素との反応が遅いためアルカリ刺激剤と併用するのが好ましい。
【0018】
本発明で二酸化炭素ガスを吸収するのに必要なカルシウム成分は、酸化カルシウム成分換算で充填材出来高1mあたり2.5kg以上であり、好ましくは充填材出来高1mあたり10kg以上添加するのがよい。一般的な充填材として、エアーモルタルでは出来高1mあたりセメントを250〜400kg、セメントベントナイトでは200〜350kg、流動化処理土では50〜200kgが配合されている。したがって、これらの充填材には二酸化炭素を吸収するために必要なカルシウム成分を十分に含んでいるため、そのまま使用することができる。ただし、これら充填材においてカルシウム成分は、強度発現に必要な成分であるため、その一部が二酸化炭素ガスとの反応に使用されてしまうことで、強度が低下することもある。充填材の強度が不足する場合には、前記の吸収に必要なカルシウム成分に相当する量、すなわち酸化カルシウム成分換算で充填材1mあたり2.5kg以上、好ましくは10kg以上のセメント、生石灰、消石灰のうち1種または2種以上を加えればよい。
【0019】
さらに、本発明に使用する充填材として好ましい性状は、高い流動性のスラリーであり、注入後3時間以上は流動性を有していることである。充填材が高い流動性を有していると空気溜りにある二酸化炭素ガスに対して新しいスラリーが接触するため、反応がより促進される。また、注入後3時間程度は流動性を有していることで、徐々に二酸化炭素ガスがスラリーに吸収され空気溜りが負圧になった時に、スラリー液面の上昇を容易にする。
なお、図5に示すように前記充填材を圧送し充填注入管40より注入するが、充填材に空気を極力巻き込まないよう圧送するのが好ましい。充填材に管内全体にある二酸化炭素ガスを吸収させる必要はなく、上越し部または上部凸部に溜まった二酸化炭素ガスを吸収させればよいが、注入の途中でも二酸化炭素ガスが充填材に吸収されるため、注入は速やかに行うのが好ましい。注入と同時に排気管44に連結したバルブ45を開け、管内にある二酸化炭素ガスが管外に排出する。
【0020】
注入速度と二酸化炭素ガスが充填材に吸収される速度(以下、二酸化炭素吸収速度という。)のバランスによって管内が正圧になったり負圧になったりするため、確認管44には圧力計46または排出ガス用の流量計を設置して監視するのが好ましい。注入速度が二酸化炭素吸収速度より早い場合は、管内の二酸化炭素ガスを確認管44から排出すればよい。反対に注入速度が二酸化炭素吸収速度より遅い場合は、注入速度を上げるか、確認管44から大気の空気が管内に流れ込まないようにバルブ操作を行うか、確認管44から二酸化炭素ガスを管内に注入するかのいずれかの方法によって管内圧力の低下を抑えるようにする。
埋設管内に注入された充填材は、上越し部や条件凸部に空気溜りを残して充填されるが、空気溜りの二酸化炭素ガスが充填材中のカルシウム成分と反応し吸収されるため、空気溜りが減少する。空気溜りの容積や形状、または充填材中のカルシウム濃度、温度などにも影響するが、10〜180分で二酸化炭素ガスを吸収する。吸収を促進するために充填材の注入圧を上げることも可能である。あるいは、充填材としてアルミニウム金属粉末を主成分とする発泡材を混合したセメント系事後発泡型の材料を用いることで、発泡による体積膨張圧で二酸化炭素ガスが充填材に吸収されやすくする方法も好ましい。
【0021】
なお、充填容積が大きく、充填工程が断続的になる場合や、充填作業が複数日を要する場合は、空気溜りが発生する箇所の充填工事のときのみに、本発明の工法を使うのが工程的にも経済的にも好ましい。
本発明は、前記した地下埋設管の充填工事以外にも空気だまりが生じる可能性のある構造物として、地下埋設タンクなどの埋戻しや建物床下空洞において床下梁で囲まれた空間などにも使用することができる。また、空洞内に水が残留している場合も、上部の空気を二酸化炭素ガスに置換し、水中不分離性の充填材を注入することで空気溜りのない充填が可能である。
【符号の説明】
【0022】
10 地盤
20 埋設管
21、22 埋設管端部
23 上越し部または上部凸部
23a 空気溜り
30 埋設管内
31、32 隔壁
40 注入管
41 流量計
42 圧送ポンプ
43 グラウトミキサー
44 空気抜き兼確認管
45 開閉バルブ
46 圧力計
47 分岐コック
48 流量計付きヒーター内蔵レギュレーター
50 液体二酸化炭素ボンベ
51 流量計
52 二酸化炭素ガス濃度計
A、B 充填材

図1
図2
図3
図4
図5