(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683347
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】理美容蒸気供給装置
(51)【国際特許分類】
A61H 33/12 20060101AFI20200406BHJP
F22B 1/28 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
A61H33/12 B
F22B1/28 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-68715(P2018-68715)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-177031(P2019-177031A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】511311808
【氏名又は名称】株式会社 ARTISTIC&CO.
(74)【代理人】
【識別番号】100104466
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 信義
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】荒牧 大
【審査官】
松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−254133(JP,A)
【文献】
特開2010−029503(JP,A)
【文献】
特開2017−101910(JP,A)
【文献】
特開2004−057604(JP,A)
【文献】
特開2005−205163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00−37/00
F22B 1/28−1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水タンクと、前記水タンク内の水を加熱するタンクヒーターと、前記タンクヒーターの加熱により前記水タンク内で発生する蒸気を外部に噴射する噴射ヘッドと、前記水タンクと前記噴射ヘッドとを連通して前記蒸気を前記噴射ヘッドに供給する供給パイプとを備えた理美容用蒸気供給装置であって、
前記供給パイプには、内部を流通して輸送中の蒸気の温度を100℃に維持するためのパイプヒーターを備え、前記噴射ヘッドから噴射される前記蒸気を180℃以上の加熱蒸気とするように加熱可能なブースターを備えた理美容蒸気供給装置。
【請求項2】
前記ブースターは、前記噴射ヘッドから噴射される蒸気を180℃から600℃の温度範囲に加熱可能な請求項1に記載の理美容蒸気供給装置。
【請求項3】
前記パイプヒーターは、前記供給パイプの内部パイプ部に螺旋状に巻き付けられているヒーター線である請求項1又は請求項2に記載の理美容蒸気供給装置。
【請求項4】
前記供給パイプは、少なくとも前記パイプヒーターが取り付けられる部位の一部が金属製である請求項1から請求項3のいずれかに記載の理美容蒸気供給装置。
【請求項5】
前記供給パイプの内部パイプ部は、屈曲部位が樹脂製とされ、その他の部位は金属製とされた請求項3又は請求項4に記載の理美容蒸気供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔・手・腕・脚その他、使用者の肌に対して蒸気を噴射して保湿効果を与える理美容蒸気供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、顔・手・腕・脚その他、使用者の肌に対して蒸気を噴射して保湿効果を与える理美容蒸気供給装置が用いられている。このような理美容蒸気供給装置は、水を100℃以下で熱したときに発生する蒸気を肌に当て、肌の保湿を図るものであり、同時にマッサージなどを行う場合の効果を高めることができる。従来の理美容蒸気供給装置では「飽和水蒸気」を使用することを前提にしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−152256号公報(
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の理美容蒸気供給装置では、使用者の肌などへの保湿効果が高く無く、同時に行われるマッサージ効果などが十分に得られなかった。本発明の目的は、前述した従来技術の課題を解決しようとするものであり、顔・手・腕・脚その他、使用者の肌に対して蒸気を噴射してより一層の保湿効果を与えることのできる理美容蒸気供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述目的を達成するものは、以下のものである。
(1)水タンクと、前記水タンク内の水を加熱するタンクヒーターと、前記タンクヒーターの加熱により前記水タンク内で発生する蒸気を外部に噴射する噴射ヘッドと、前記水タンクと前記噴射ヘッドとを連通して前記蒸気を前記噴射ヘッドに供給する供給パイプとを備えた理美容用蒸気供給装置であって、前記供給パイプには、内部を流通して輸送中の蒸気の温度を100℃に維持するためのパイプヒータ
ーを備え、前記噴射ヘッドから噴射される前記蒸気を180℃以上の加熱蒸気とするように加熱可能なブースターを備えた理美容蒸気供給装置。
【0006】
(2)前記ブースターは、前記噴射ヘッドから噴射される蒸気を180℃から600℃
の温度範囲に加熱可能な(1)に記載の理美容蒸気供給装置。
【0007】
(3)前記パイプヒーターは、前記供給パイプの内部パイプ部に螺旋状に巻き付けられているヒーター線である(1)又は(2)に記載の理美容蒸気供給装置。
【0008】
(4)前記供給パイプは、少なくとも前記パイプヒーターが取り付けられる部位の一部が銅製である(1)から(3)のいずれかに記載の理美容蒸気供給装置。
【0009】
(5)前記供給パイプ
の内部パイプ部は、屈曲部位が樹脂製とされ、その他の部位は金属製とされた(3)又は(4)に記載の理美容蒸気供給装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の理美容蒸気供給装置では、ブースターによって噴射ヘッドから噴射される蒸気を180℃以上の加熱蒸気とすることができる。よって、大きさが小さい過熱蒸気の水分子により保湿をすることができるので、肌への当たりが非常に柔らかい蒸気となり、より柔らかな感触を得られる理美容蒸気供給装置とすることができる。また、分子が小さいので、肌への浸透性が高く、より高い保湿作用を与えることができる。また、180℃以上とすることにより、蒸気を透明化することができる。また、絶対湿度の増加量が高いので、エネルギー使用量を低くすることができ、水の消費量を低減することができ、蒸気の利用効率を高めることができる。また、180℃以上に加熱することができるため、無菌状態(耐熱芽胞の滅菌を確認)とすることができる。また、 水道水を使用した場合でも、硬度0ppmの純水とすることができる。また、加熱蒸気の温度を180℃から600℃の範囲とすることにより、通常のヒーターの能力で実現可能な加熱温度とすることができ、装置の煩雑化などを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施例の理美容蒸気供給装置の全体斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の理美容蒸気供給装置の右側面視縦断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の理美容蒸気供給装置の供給パイプの要部拡大一部透視図である。
【
図4】
図4は、
図1の理美容蒸気供給装置の噴射ヘッドの拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の理美容蒸気供給装置の操作盤の平面図である。
【
図6】
図6は、
図1の理美容蒸気供給装置のブースターの一部透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の理美容蒸気供給装置について、図面に示した実施の形態を用いて説明する。
図1及び
図2に示すように、本発明の理美容蒸気供給装置1は、美容のための保湿・マッサージを行う際に用いられるものであり、水タンク10と、水タンク10内の水を加熱するタンクヒーター20と、タンクヒーター20の加熱により蒸気発生器10内で発生する蒸気を外部に噴射する噴射ヘッド30と、水タンク10と噴射ヘッド30とを連通して蒸気を噴射ヘッド30に供給する供給パイプ40とを備え、さらに、供給パイプ40には、その内部を流通して噴射ヘッド30から噴射される蒸気を180℃以上に加熱可能なブースター52を備えたものである。この理美容蒸気供給装置1は、噴射ヘッド30から、いわゆる「加熱水蒸気」を噴射可能に構成されている。理美容蒸気供給装置1の装置本体2のボディは、ほぼプラスチック製である。
【0013】
水タンク10は、過熱して蒸気化する水を収容可能とする上部が開口されたプラスチック製の容器である。水タンク10は、理美容器供給装置1の装置本体2に対して着脱可能であり、水を収容する際には、装置本体2から取り外し、その上部の開口部から水を投入して行う。
【0014】
水タンク10が取り付け可能な装置本体2の正面下方の取付用凹部3には、その上部から下方に向けて、水を加熱して蒸気を生成するためのタンクヒーター11が突設されている。タンクヒーター11は、下方に向けてほぼまっすぐに垂下される第一ヒーター部11aと、同様に垂下される第二ヒーター部11bと、これらの第一ヒーター部11及び第二ヒーター部11bの下端を連結するとともに、周回状に形成された第三ヒーター部11cとを備えている。そして、この第三ヒーター部11cは、水タンク10が装置本体2に取り付けられた際に、水タンク10の底部のすぐ上方に位置するようにその位置が定められている。また、水タンク10が装置本体2に取り付けられた際には、水タンク10の上部の開口部は、装置本体2の取付用凹部3と水密に圧着されて、水タンク10内部の蒸気が外部に漏れないように構成されている。また、タンクヒーター11は、ステンレススチールの材質で形成されており、図示しないケーブルに接続され、導電された場合には、空気中で約120℃まで加熱することが可能となっている。
【0015】
また、同様に取付用凹部3の内側の上部からは、下方に向けて、液面センサー12が突設されている。液面センサー12は、棒状の支持部12aと、この支持部12aに対して上下にスライド可能なフロート12bを備えている。水タンク10に水を収容して装置本体2に取り付けた際には、水タンク10内の水の水位に応じてフロート12bが支持部12aを上下動することにより、その位置に応じて水タンク10内の水位を検知することができる。水タンク10内の水位が所定量以下となった場合には、装置本体2の上面の操作盤4の水位表示部69が赤色点灯して理美容蒸気供給装置1の作動が停止されるように構成されている。なお、液面センサーとしては、これに限らず他の構成の汎用的なものを用いても良い。
【0016】
また、取付用凹部3の内側の上部には、図示は省略するが、水タンク10を取付用凹部3に取り付けた際の密閉された水タンク10内の蒸気圧力を検知する圧力センサーと、同様に、水タンク10内の温度を検知する温度センサーとが備えられている。
【0017】
取付用凹部3の上方の装置本体2内には、タンクヒーター11に接続されるケーブル類(図示省略)などが収容されるとともに、取付用凹部3に連通し、取付用凹部3に取り付けられる水タンク10内の蒸気を供給パイプ40に供給するための供給口5が設けられている。そしてこの供給口5に、供給パイプ40内の内部パイプ部47が接続されている。また、供給口5には、水タンク10内の蒸気を供給パイプ40側に開放する蒸気開放弁が備えられている。
【0018】
供給パイプ40は、倒立「L字」上に形成された固定パイプ部41と、ほぼ直線状に形成され固定パイプ部41の先端に取り付けられた可動パイプ部45を備えている。固定パイプ部41は、その基端が装置本体2に対して回動可能に取り付けられている。可動パイプ45は、固定パイプ部41に対して異なる2軸において回動可能なユニバーサルジョイントで取り付けられている。また、可動パイプ45の先端には、後述する噴射ヘッド30が備えられている。供給パイプ40は、前述した形状に限られないが、倒立「L字」状として装置本体2の背面寄りから突設することにより、装置本体2の上面に配設された操作盤4の操作に支障が無く、かつ蒸気を噴射する供給パイプ40先端の噴射ヘッド30を装置本体2の手前側に位置させることを容易とすることができる。
【0019】
固定パイプ部41は、二重管構造とされており、外部パイプ部46と、内部パイプ部47とを備えている。内部パイプ部47は、固定パイプ部41からさらに可動パイプ部45内を経て、噴射ヘッド30にまで延びている。内部パイプ部47は、その基端側から順に、シリコン製で可撓可能なシリコン製の第一チューブ部48a、銅製の第一銅管部49a、シリコン製の第二チューブ部48b、銅製の第二銅管部49b、シリコン製の第三チューブ部48c、銅製の第三銅管部49c、シリコン製の第四チューブ部48d、銅製の第四銅管部49dを備えている。。銅管の代わりに他の金属管とすることもできる。後述するように、内部パイプ部47には、内部を流通する蒸気を再加熱するためにパイプヒーター50が取り付けられている。よって、内部パイプ部47全体を熱伝導率が良い銅製とすることが望ましい。しかしながら、屈曲形成する必要があったり接合部の組み立て上の理由から、前述の通りその一部を樹脂製としている。なお、製造コストその他の支障が無い場合など、内部パイプ部47全体を銅製とするなど、本例から適宜変更することは可能である。
【0020】
図3の銅製の内部パイプ部47の拡大図に示すように、内部パイプ部47の外周面には、パイプヒーター50が巻き付けられている。パイプヒーター50は、ニクロム線からなるヒーター線であり、その外径は約0.3mm〜5mmが好ましく、本例では2mmとされている。供給パイプ40の外径をあまり太くすることなく、一方で、蒸気の一定温度以上への再加熱のためには、このような外径とすることが好ましい。また、内部パイプ部47の外周面には断熱材55,56が取り付けられている。
【0021】
パイプヒーター50は、内部パイプ部47の外周面に、螺旋状に、一定間隔を設けて巻き付けられている。本例では、内部パイプ部47の軸心に沿って約1cmの間隔をおいて螺旋状に巻き付けられている。なお、間隔は0.5cm〜3cm程度とすることが好ましい。螺旋状に巻きつけることにより、内部パイプ部47の加熱を均一にかつ容易に行える。水タンク10内で加熱されて100℃となった蒸気は、このパイプヒーター50によって可動パイプ部45内のブースター52に至るまでに温度が下がらないように加熱される。そしてまた、噴射ヘッド30の内部手前の可動パイプ部45内には、第四銅管部49dに接続されるとともに、内部パイプ部47内を通ってきた蒸気を加熱可能なブースター52が備えらえている。
図6に示されるように、ブースター52は、内部にカートリッジヒーター(図示省略)が内蔵されており、供給される蒸気を180℃以上に過熱することができる。また、噴射ヘッド30内の噴出孔54付近に温度センサー58が取り付けられている。この温度センサー58は、ブースター52により加熱された噴射ヘッド30内の噴出孔54付近の温度を検知するようにされており、この検知結果に基づいて、本例では、約180℃、250℃又は450℃となるように噴射ヘッド30付近の蒸気を加熱可能とされている。本例では、噴射ヘッド30内の噴出孔54付近の温度を約180℃、250℃又は450℃に加熱することにより、噴射ヘッド30から噴射される加熱蒸気の温度をそれぞれ約180℃、250℃又は450℃とすることができるように構成されている。噴射ヘッド30から噴射される蒸気の温度範囲は、180℃〜600℃の範囲で適宜設定することもでき、また、ヒーターの能力によっては600℃以上とすることもできる。
【0022】
そして、前述したように、可動パイプ部45は、固定パイプ部41の先端に、固定パイプ部41に対して異なる2軸において回動可能なユニバーサルジョイントにて接続固定されており、固定パイプ部41に対してその先端方向を自在に向けられるように構成されている。
図4に示すように、噴射ヘッド30は、ほぼストレートにまっすぐな形状に形成されている。そしてその先端には、加熱蒸気を噴射可能な噴射口31が開口されている。噴射口31は、噴射ヘッド30の先端から見て、奥側に向けて開口部分の内径が小さくなる「すり鉢」状に形成されており、開口部分の最小内径を小さくすることにより、供給パイプ40を通ってきた加熱蒸気の噴出圧力を高めて、噴射口31からより遠くに加熱蒸気が届くように構成されている。また、「すり鉢」状に形成することにより、一定範囲では前述が拡散するようにその噴射範囲及び設定された噴射範囲内への蒸気の流れを調節している。
【0023】
理美容蒸気供給装置1の操作は、装置本体2の上部に配置された操作盤4の各操作部を操作することにより行われる。
図5に示すように、操作盤4はほぼ逆三角形状に形成されており、複数の操作部と表示部とが配設されている。以下の操作部・表示部の説明は、操作盤4の平面視における配置において行う。
【0024】
操作盤4の左寄りの上下方向における中央付近には、理美容蒸気供給装置1の作動・停止をそれぞれ行うための、スタートボタン60・ストップボタン61が設けられている。スタートボタン60の上方には、作動時の蒸気の温度を3段階において決定するためのLowボタン62、Middleボタン63及びHighボタン64が配設されている。これらの各ボタン60〜64の右側、操作盤4の中央には、自動停止時間を上下調整するための時間調整ボタン65,66が配設され、これらの間には、調整された時間を表示するための動作時間表示部67が配設されている。また、時間調整ボタン66の下方には、温度センサー14によって検知される水タンク10内の水が十分に加熱された時に点灯する噴射可能表示部(OK(℃)表示部)68、水タンク内10の水の水位が所定量以下となった場合に点灯する水位表示部69及び設定された温度が一定時間内に一定以上上昇したり下がったりした場合に点灯されるエラー表示部70が配設されている。また、操作盤4の右寄りには、肌の角質を除去するために装置本体2に別途内蔵されている吸引機6を操作するための操作ボタン80、吸引機6の3種類の操作モードを変更するためModeボタン81及び吸引機6の3段階の吸引力を変更するためのLevelボタン82が配設されている。
【0025】
前述のように構成された理美容蒸気供給装置1は、次のように操作・使用する。前述したように、あらかじめ、水タンク10内に所定量の水を入れて、装置本体2の取付用凹部3に水タンク10を取り付けておく。スタートボタン60を押すとタンクヒーター20、パイプヒーター50及びブースター52に通電されて、水タンク10内の上方に取り付けられている温度センサー20及び供給パイプ40に取り付けられている温度センサー56がそれぞれ所定の温度に達すると噴射可能表示部68が点灯し、過熱蒸気の噴射が可能となる。また、Lowボタン62、Middleボタン63及びHighボタン64の操作により、ブースター52による供給パイプ40加熱を3段階に決定し、噴射ヘッド30から噴射される過熱蒸気の温度を約180℃、ついで約250℃、さらに約450℃の3段階に設定することができる。そして、蒸気開放弁15が開放されて、供給パイプ40を経て噴射ヘッド30から加熱蒸気が噴出される。
【0026】
噴射ヘッド30から噴射される蒸気は、ブースター52により少なくとも約180℃に加熱されたいわゆる「過熱蒸気」である。飽和蒸気・湯気・ミスト・霧などの分子が約10μm〜100μmと大きいのに対して、過熱蒸気の分子状水ガスは約0.38nmと非常に小さい。よって、肌への当たりが非常に柔らかい蒸気となり、より柔らかな感触を得られる理美容蒸気供給装置とすることができる。また、分子が小さいので、肌への浸透性が高く、より高い保湿作用を与えることができる。またその他に、絶対湿度の増加量が高いので、エネルギー使用量を低くすることができ、水の消費量を低減することができ、蒸気の利用効率を高めることができる。また、約180℃以上に加熱することができるため、無菌状態(耐熱芽胞の滅菌を確認)とすることができる。また、 水道水を使用した場合でも、硬度0ppmの純水とすることができる。
【0027】
また、操作ボタン80、Modeボタン81及びLevelボタン82の操作により、蒸気の噴射とともに、または単独で、吸引機6により肌の角質を吸引除去することが可能である。
【0028】
本発明は、前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、ブースターの位置は噴射ヘッド付近に設けることが望ましいが、別の部位に設けることでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、顔・手・腕・脚その他、使用者の肌に対して蒸気を噴射して保湿効果を与える理美容蒸気供給装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1;理美容蒸気供給装置
3;取付用凹部
4;操作盤
5;供給口
6;吸引機
10;水タンク
11;タンクヒーター
11a;第一ヒーター部
11b;第二ヒーター部
11c;第三ヒーター部
12;液面センサー
12a;支持部
12b;フロート
30;噴射ヘッド
31;噴射口
32;スリット
40;供給パイプ
41;固定パイプ部
45:可動パイプ部
46;外部パイプ部
47;内部パイプ部
48a;第一チューブ部
48b;第二チューブ部
48c;第三チューブ部
48d;第四チューブ部
49a;第一銅管部
49b;第二銅管部
49c;第三銅管部
49d;第四銅管部
50;パイプヒーター
52:ブースター
54:噴出孔
55,56:断熱材
58;温度センサー
60;スタートボタン
61;ストップボタン
62;Lowボタン
63;Middleボタン
64;Highボタン
65,66;時間調整ボタン
67;動作時間表示部
68;噴射可能表示部(OK(℃)表示部)
69;水位表示部
70;エラー表示部
80;操作ボタン
81;Modeボタン
82;Levelボタン