特許第6683352号(P6683352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683352
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】プログラム、及び、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/422 20140101AFI20200406BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20200406BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20200406BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20200406BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20200406BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20200406BHJP
【FI】
   A63F13/422
   A63F13/2145
   A63F13/426
   A63F13/533
   G06F3/041 520
   G06F3/041 530
   G06F3/0488
【請求項の数】10
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2018-190441(P2018-190441)
(22)【出願日】2018年10月5日
(65)【公開番号】特開2020-58479(P2020-58479A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年12月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】岡村 憲明
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−133481(JP,A)
【文献】 特開2017−191436(JP,A)
【文献】 特開2014−016712(JP,A)
【文献】 特開2010−066899(JP,A)
【文献】 特開2015−167758(JP,A)
【文献】 特開2007−300961(JP,A)
【文献】 特開2006−034516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
G06F 3/01,3/041−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを、
タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、
前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、ゲームに係る第1の操作方向の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、前記ゲームに係る第2の操作方向の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、
前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が決定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、
して機能させる、
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項2】
前記配置決定部は、
前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて、前記第3領域の大きさを決定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記配置決定部は、
前記第1の特徴位置と前記第2の特徴位置との距離に基づいて、前記第3領域の大きさを決定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記配置決定部は、前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて算出した前記第3領域の大きさが予め決められた上限値を超える場合、前記第3領域の大きさを前記上限値に決定する、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第3領域の大きさには、下限値が予め決められている、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記配置決定部は、
前記第1の特徴位置と前記第2の特徴位置との距離に基づいて、前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の一方と前記第3領域との距離を決定する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記配置決定部は、
前記第1の特徴位置と前記第2の特徴位置との距離に基づいて、前記第3領域の位置を決定する、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記特徴位置決定部は、
前記第1領域を含む第1方向領域に前記タッチ位置が存在する場合、前記タッチ位置に基づいて前記第1の特徴位置を決定し、前記第2領域を含む第2方向領域に前記タッチ位置が存在する場合、前記タッチ位置に基づいて前記第2の特徴位置を決定する、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記配置決定部は、
前記第1領域が、前記第3領域よりも第1の方向に位置するように、前記第1領域の位置を決定し、
前記第2領域が、前記第3領域よりも、前記第1の方向とは反対の第2の方向に位置するように、前記第2領域の位置を決定する、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、
前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、ゲームに係る第1の操作方向の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、前記ゲームに係る第2の操作方向の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、
前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が特定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、
を備える、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを用いて、ユーザからの指示の入力を受け付ける機器が普及している(例えば、特許文献1参照)。このような機器は、タッチパネルにおけるタッチ位置に応じた指示をユーザから受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−044455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネルを用いてユーザからの指示を受け付ける機器において、ユーザがタッチパネルに対して指示を入力しない場合、例えば、タッチパネルにおいて指示の入力を受け付けない所定の領域(以下「ニュートラル領域」とも称する)に指を位置させる態様が存在する。ところで、例えば、ユーザが、タッチパネルを見ることなく、所望の指示を入力するための所定の入力領域を複数回タッチしようとする場合、等において、タッチパネルへのタッチ位置にずれが生じる場合がある。タッチパネルへのタッチ位置にずれが生じると、例えば、ユーザが指を入力領域からニュートラル領域に戻したつもりでも、タッチパネルにおけるタッチ位置がニュートラル領域からずれてしまう場合がある。タッチパネルにおけるタッチ位置が、ニュートラル領域からずれてしまうと、タッチパネルに対して誤った指示が入力されてしまう。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされてものであり、タッチパネルへのタッチ位置にずれが生じうる場合であっても、誤った入力がなされる可能性を低減することを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、プロセッサを、タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、ゲームに係る第1の操作方向の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、前記ゲームに係る第2の操作方向の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が決定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る端末装置10の外観の一例を示す説明図である。
図2】操作領域Vがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を示す説明図である。
図3】入力領域RDrがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を示す説明図である。
図4】入力領域RDlがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を示す説明図である。
図5】端末装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図6】端末装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7】所定のゲームが起動されてからタッチ位置Pが入力領域RDrに侵入するまでの端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図8】特徴位置CPrが特定されてからタッチ位置Pが入力領域RDlに侵入するまでの端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図9】特徴位置CPlの更新に応じて操作領域Vの位置の修正が繰り返される場合の端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図10】タッチ位置Pが入力領域RDrに再侵入する場合の端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図11】端末装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】変形例1に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図13】変形例1に係る端末装置10の動作の別の例を示す説明図である。
図14】変形例1に係る端末装置10の動作の別の例を示す説明図である。
図15】変形例2に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図16】変形例3に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図17】変形例3に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図18】変形例4に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図19】変形例5に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図20】変形例6に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。
図21】変形例7に係るニュートラル領域RN及び入力領域RDの一例を示す説明図である。
図22】変形例8に係る方向領域の一例を示す説明図である。
図23】変形例9に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。
図24】変形例10に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。
図25】変形例18に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。
図26】変形例19に係る情報処理システムSYSの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0009】
[A.実施形態]
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
[1.端末装置の概要]
以下、図1から図4を参照しながら、本実施形態に係る端末装置10の概要の一例について説明する。
【0011】
図1は、端末装置10の外観の一例を説明するための説明図である。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、携帯用のゲーム装置等の、可搬型の情報処理装置である。但し、端末装置10は、例えば、業務用のゲーム装置、または、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の、据置型の情報処理装置であってもよい。
【0012】
端末装置10は、タッチパネル1002を有する。タッチパネル1002は、各種画像を表示する機能(例えば、図5に示す表示部12)と、端末装置10に対するユーザからの指示の入力を受け付ける機能(例えば、図5に示す入力部13)とを有する。具体的には、タッチパネル1002は、図2に示すように、ユーザの指FG等の物体がタッチパネル1002に接触している場合に、当該物体のタッチパネル1002における接触位置であるタッチ位置Pを検出し、検出したタッチ位置Pを示すタッチ位置情報を周期的に出力する。以下では、タッチパネル1002に対して接触する物体が、ユーザの指FGである場合を、一例として想定する。
【0013】
本実施形態では、説明の便宜上、図1に示すように、タッチパネル1002に固定された座標系であるタッチパネル座標系ΣSを導入する。具体的には、タッチパネル座標系ΣSとは、例えば、タッチパネル1002の所定箇所に固定された原点Osを有し、互いに直交するXs軸及びYs軸を有する2軸の直交座標系である。
【0014】
端末装置10は、所定のゲームに係るプログラム(「プログラム」の一例)を実行することで、所定のゲームに係る画像をタッチパネル1002に表示する。例えば、端末装置10は、所定のゲームを実行する場合、所定のゲームに係る仮想空間SPと、当該仮想空間SPに存在する所定のゲームに係るキャラクタCRと、バーチャルパッドとを、タッチパネル1002に表示する。以下では、バーチャルパッドが表示される領域を操作領域Vと称する。ここで、バーチャルパッドの表示される操作領域Vとは、ユーザによるキャラクタCRの操作に係る入力を受け付けるための領域である。
【0015】
なお、本実施形態では、操作領域Vが、基準位置Ovを中心とする円BDvの内側の領域である場合を、一例として想定する。なお、操作領域Vは、円形に限定されない。例えば、タッチパネル1002の画面左半分が操作領域Vに設定されてもよい。また、本実施形態では、操作領域Vが、タッチパネル1002において、ユーザに視認可能な態様で表示される場合を、一例として想定する。但し、操作領域Vは、タッチパネル1002において、ユーザに視認されないように設けられた仮想的な領域であってもよい。本実施形態では、操作領域Vは、所定のゲームの起動時にタッチパネル1002上の所定の位置に設定される。
【0016】
本実施形態では、操作領域Vが、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向の指示を入力するための領域である4個の入力領域RD(RDr、RDl、RDu、RDd)と、キャラクタCRの顔が向く方向の指示の入力を受け付けない領域であるニュートラル領域RNとを含む場合を、一例として想定する。但し、入力領域RDは、仮想空間SPにおけるキャラクタCRの顔が向く方向の指示を入力するための領域であってもよい。なお、本実施形態において、キャラクタCRの顔が向く方向とは、「ゲームに係る操作方向」の一例である。また、入力領域RDrは「第1領域」の一例であり、入力領域RDlは「第2領域」の一例であり、ニュートラル領域RNは「第3領域」の一例である。
【0017】
本実施形態では、ニュートラル領域RNは、タッチパネル1002において視認可能な態様で入力領域RDrと入力領域RDlとの間に配置されるが、タッチパネル1002において視認されない態様で入力領域RDrと入力領域RDlとの間に配置されてもよい。なお、「入力領域RDrと入力領域RDlとの間にニュートラル領域RNが配置された状態」とは、入力領域RDr、入力領域RDl、およびニュートラル領域RNが、入力領域RDr内と入力領域RDl内とに端点を有し、ニュートラル領域RNを通過する直線を引くことができる位置関係となる状態である。
【0018】
以下では、説明の便宜上、基準位置Ovを原点とする座標系である操作領域座標系ΣVを導入する。具体的には、操作領域座標系ΣVとは、例えば、基準位置Ovを原点とし、互いに直交するXv軸及びYv軸を有する2軸の直交座標系である。本実施形態では、Xv軸とXs軸とが平行であり、且つ、Yv軸とYs軸とが平行である場合を、一例として想定する。但し、Xv軸がXs軸とは異なる向きを有し、Yv軸がYs軸とは異なる向きを有していてもよい。
【0019】
本実施形態において、端末装置10は、一例として、ニュートラル領域RNを、基準位置Ovを含む領域として設定し、入力領域RDrを、ニュートラル領域RNよりも+Xv方向(「第1の方向」の一例)に位置する領域として設定し、入力領域RDlを、ニュートラル領域RNよりも−Xv方向(「第2の方向」の一例)に位置する領域として設定し、入力領域RDuを、ニュートラル領域RNよりも+Yv方向に位置する領域として設定し、入力領域RDdを、ニュートラル領域RNよりも−Yv方向に位置する領域として設定する。
【0020】
より具体的には、本実施形態において、端末装置10は、基準位置Ovを中心とする円BDnの内側の領域を、ニュートラル領域RNとして設定する。なお、円BDnは、円BDvより小さい。また、端末装置10は、基準位置Ovを起点とし、+Xv方向を−Yv側に角度θだけ傾けた方向に延在する線分BDrdと、基準位置Ovを起点とし、+Xv方向を+Yv側に角度θだけ傾けた方向に延在する線分BDurと、円BDvと、の間の扇形の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDrとして設定する。また、端末装置10は、基準位置Ovを起点とし、−Xv方向を−Yv側に角度θだけ傾けた方向に延在する線分BDdlと、基準位置Ovを起点とし、−Xv方向を+Yv側に角度θだけ傾けた方向に延在する線分BDluと、円BDvと、の間の扇形の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDlとして設定する。また、端末装置10は、線分BDurと線分BDluと円BDvとの間の扇形の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDuとして設定する。また、端末装置10は、線分BDrdと線分BDdlと円BDvとの間の扇形の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDdとして設定する。
【0021】
なお、本実施形態では、一例として、角度θが、45度である場合を想定する。但し、角度θは、0度よりも大きく、且つ、90度よりも小さい角度であればよい。また、本実施形態では、線分BDrdと線分BDurとのなす角は、線分BDdlと線分BDluとのなす角と等しい角度であるが、線分BDrdと線分BDurとのなす角は、線分BDdlと線分BDluとのなす角と異なる角度であってもよい。次に、図2から図4を参照して、操作領域Vを用いた操作の概要を説明する。
【0022】
図2は、操作領域Vがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を説明するための説明図である。ユーザは、操作領域Vのうち、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域にタッチすることで、キャラクタCRの顔の向きを変えることができる。なお、本実施形態では、端末装置10は、所定のゲームにおいて、ニュートラル領域RNに指FGがタッチしている場合、タッチパネル1002から指FGが離れている場合と同様の処理を行う。
【0023】
例えば、タッチパネル1002から指FGが離れると、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向がタッチパネル1002から指FGが離れる前と同じ向きに維持される場合、ニュートラル領域RNに指FGがタッチされても、キャラクタCRの顔が向く方向は変化しない。図2に示す例では、所定のゲームが起動されてからの最初のタッチがニュートラル領域RNへのタッチである。この場合、キャラクタCRの顔の向きは、図1に示した向き(タッチパネル座標系ΣSにおける正面方向)に維持される。すなわち、指FGのタッチ位置Pがニュートラル領域RNに存在する場合、キャラクタCRの顔の向きは、ユーザがニュートラル領域RNを指FGでタッチする前と同じ向きに維持される。なお、タッチパネル1002から指FGが離れると、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔の向きが予め定められた向き(例えば、タッチパネル座標系ΣSにおける正面方向)に設定される場合では、ニュートラル領域RNに指FGがタッチされると、キャラクタCRの顔の向きは、予め定められた向きに設定される。以下では、タッチパネル1002から指FGが離れた場合に実行される処理は、非タッチ処理とも称される。
【0024】
ユーザは、ニュートラル領域RNを指FGでタッチした後、例えば、指FGがタッチパネル1002に接触した状態を維持しつつ指FGを傾けることで、操作領域Vのうち、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域にタッチすることができる。そして、端末装置10は、図3及び図4に示すように、指FGのタッチ位置Pが入力領域RDに存在する場合、キャラクタCRの顔を、タッチパネル座標系ΣSにおける方向であって、タッチ位置Pが存在する入力領域RDに対応する方向に向ける旨の指示を受け付ける。
【0025】
図3は、入力領域RDrがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を説明するための説明図である。端末装置10は、タッチ位置Pが入力領域RDrに存在する場合、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、+Xs方向(「第1の操作方向」の一例)とする旨の指示を受け付ける。この結果、+Xs方向を向いた顔のキャラクタCRが、タッチパネル1002に表示される。
【0026】
図4は、入力領域RDlがタッチされた場合の端末装置10の外観の一例を説明するための説明図である。端末装置10は、タッチ位置Pが入力領域RDlに存在する場合、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、−Xs方向(「第2の操作方向」の一例)とする旨の指示を受け付ける。この結果、+Xs方向を向いた顔のキャラクタCRが、タッチパネル1002に表示される。
【0027】
なお、本実施形態において、端末装置10は、タッチ位置Pが入力領域RDuに存在する場合、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、+Ys方向とする旨の指示を受け付ける。また、本実施形態において、端末装置10は、タッチ位置Pが入力領域RDdに存在する場合、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、−Ys方向とする旨の指示を受け付ける。
【0028】
なお、詳細は後述する図7から図10等で説明するが、本実施形態に係る端末装置10は、入力領域RDrに存在するタッチ位置Pに基づいて、特徴位置CPr(「第1の位置」の一例)を決定し、入力領域RDlに存在するタッチ位置Pに基づいて、特徴位置CPl(「第2の位置」の一例)を決定する。そして、端末装置10は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、タッチパネル座標系ΣSにおける操作領域Vの位置を修正することができる。すなわち、端末装置10は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、タッチパネル座標系ΣSにおける基準位置Ovを修正することで、タッチパネル座標系ΣSから見た操作領域座標系ΣVの位置を修正する。なお、特徴位置CPr及び特徴位置CPlは、特に区別しない場合等では、特徴位置CPとも称される。
【0029】
[2.端末装置の構成]
以下、図5及び図6を参照しながら、端末装置10の構成の一例について説明する。
【0030】
図5は、端末装置10の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0031】
図5に示すように、端末装置10は、端末装置10の各部を制御する制御部11と、画像を表示するための表示部12と、端末装置10のユーザによる指示の入力を受け付ける入力部13と、各種情報を記憶する記憶部14と、端末装置10を振動させる振動発生部15とを有する。
【0032】
表示部12の機能及び入力部13の機能は、図1に示したタッチパネル1002により実現される。すなわち、タッチパネル1002は、各種画像を表示可能な表示部12として機能し、さらに、端末装置10のユーザUからの指示の入力を受け付ける入力部13として機能する。例えば、入力部13として機能するタッチパネル1002は、図1で説明したように、タッチパネル1002に対して物体が接触している場合に、当該物体のタッチパネル1002における接触位置であるタッチ位置Pを検出し、検出したタッチ位置Pを示すタッチ位置情報を周期的に出力する。なお、タッチパネル1002は、所定の単位時間(タッチ位置情報を出力する周期より短い時間)内に検出した複数の接触位置の平均をタッチ位置Pとして算出し、算出したタッチ位置Pを示すタッチ位置情報を周期的に出力してもよい。
【0033】
記憶部14は、所定のゲームに係るプログラムと、タッチパネル1002から周期的に出力されるタッチ位置情報の示すタッチ位置Pの履歴を示すタッチ位置履歴情報と、特徴位置CP(図7に示す特徴位置CPr及び図8に示す特徴位置CPl等)を示す特徴位置情報と、タッチパネル座標系ΣSにおけるニュートラル領域RN及び入力領域RDの位置を示す操作領域情報とを含む各種情報を記憶する。振動発生部15は、タッチパネル1002を含む端末装置10全体を振動させる。
【0034】
制御部11は、ゲーム制御部111と、表示制御部112と、タッチ位置情報取得部113と、特徴位置決定部114と、操作領域決定部115と、振動制御部116とを有する。
【0035】
ゲーム制御部111は、所定のゲームの進行を制御する。具体的には、ゲーム制御部111は、タッチ位置Pが入力領域RDに存在する場合に、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、タッチ位置Pが存在する入力領域RDに対応する方向に設定する。
表示制御部112は、表示部12が、仮想空間SP、キャラクタCR、及び、操作領域Vを表示するように、表示部12を制御する。
タッチ位置情報取得部113(「取得部」の一例)は、入力部13から周期的に出力されるタッチ位置情報を取得する。
特徴位置決定部114(「特徴位置決定部」の一例)は、ユーザの指FGがタッチパネル1002に対する接触を維持している期間であるタッチ期間において、タッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが入力領域RDr及びRDlの何れかの領域に存在する場合、タッチ位置Pに基づいて特徴位置CPを決定する。
操作領域決定部115(「配置決定部」の一例)は、特徴位置決定部114が決定した特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、タッチパネル1002におけるニュートラル領域RNの位置を決定する。また、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、タッチパネル1002における操作領域Vの位置を決定する。
振動制御部116は、タッチ位置Pが、入力領域RDに存在しない状態から、入力領域RDに存在する状態に変化した場合、振動発生部15が端末装置10を振動させるように、振動発生部15を制御する。但し、振動制御部116は、タッチ位置Pが、入力領域RDに存在する状態から、入力領域RDに存在しない状態に変化した場合に、振動発生部15が端末装置10を振動させるように、振動発生部15を制御してもよい。あるいは、振動制御部116は、ユーザの指FGが、タッチパネル1002に対して接触していない状態から、接触している状態に変化した場合に、振動発生部15が端末装置10を振動させるように、振動発生部15を制御してもよい。以下では、ユーザの指FGが、タッチパネル1002に対して接触していない状態から、接触している状態に変化することを、「タッチイン」とも称する。
【0036】
なお、端末装置10の構成は、図5に示した例に限定されない。例えば、振動発生部15は、端末装置10から省かれてもよい。この場合、振動制御部116は、制御部11から省かれてもよい。
【0037】
図6は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0038】
図6に示すように、端末装置10は、端末装置10の各部を制御するプロセッサ1000(「情報処理装置」の一例)と、各種情報を記憶するメモリ1001と、タッチパネル1002と、振動発生装置1003とを有する。
【0039】
メモリ1001は、例えば、プロセッサ1000の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、所定のゲームに係るプログラム等の各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとを含み、記憶部14として機能する。
プロセッサ1000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、メモリ1001に記憶された所定のゲームに係るプログラムを実行し、当該プログラムに従って動作することで、制御部11として機能する。
タッチパネル1002は、上述のとおり、表示部12及び入力部13として機能する。
振動発生装置1003は、例えば、振動を発生する振動モータであり、振動発生部15として機能する。
【0040】
なお、プロセッサ1000は、CPUに加え、または、CPUに代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal
Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、プロセッサ1000により実現される制御部11の一部または全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0041】
[3.タッチ位置及び操作領域の関係]
以下、図7から図10を参照しながら、タッチパネル1002における指FGのタッチ位置P及び操作領域Vの関係の一例について説明する。
【0042】
図7から図10は、時刻t0から時刻t10までの期間における、タッチパネル1002への指FGのタッチ位置Pと、タッチパネル1002に設定された操作領域Vとの関係の変化の一例(以下、「タッチ位置変化例」とも称する)を説明するための説明図である。なお、以下では、時刻tにおけるタッチ位置Pをタッチ位置P[t]とも称し、時刻tにおける操作領域Vを操作領域V[t]とも称し、時刻tにおける操作領域座標系ΣVを操作領域座標系ΣV[t]とも称し、時刻tにおける基準位置Ovを基準位置Ov[t]とも称する。
【0043】
図7から図10に示すタッチ位置変化例では、時刻t0に所定のゲームが起動され、所定のゲームが起動されてからの最初のタッチとして、時刻t1に指FGがニュートラル領域RN内のタッチ位置P[t1]にタッチインする場合を想定する。また、図7から図10等に示すタッチ位置変化例では、時刻tnから時刻t(n+1)にかけて、指FGがタッチ位置P[tn]からタッチ位置P[t(n+1)]へと、タッチパネル1002に接触しながら移動する場合を想定する(nは、1以上の自然数)。先ず、図7を参照して、所定のゲームが起動されてから、タッチ位置Pが入力領域RDrに侵入するまでの端末装置10の動作の概要を説明する。
【0044】
図7は、所定のゲームが起動されてから、タッチ位置Pが入力領域RDrに侵入するまでの端末装置10の動作の一例を説明するための説明図である。
【0045】
時刻t0では、所定のゲームが起動されたため、操作領域決定部115は、予め決められた位置を基準位置Ov[t0]とする操作領域座標系ΣV[t0]を設定し、基準位置Ov[t0]に応じた位置に、ニュートラル領域RN、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdを含む操作領域V[t0]を設定する。そして、操作領域決定部115は、当該操作領域Vに含まれるニュートラル領域RN及び入力領域RDの位置を、操作領域情報として記憶部14に記憶する。
【0046】
時刻t1において、所定のゲームが起動されてからの最初のタッチとして、指FGがニュートラル領域RN内のタッチ位置P[t1]にタッチインする。すなわち、ユーザの指FGがタッチパネル1002に対する接触を維持しているタッチ期間は、時刻t1から開始される。タッチ位置P[t1]がニュートラル領域RNに存在するため、操作領域決定部115は、操作領域V[t1]の位置を、操作領域V[t0]と同じ位置に維持する。例えば、操作領域決定部115は、操作領域V[t1]と操作領域V[t0]とが同一の位置となるように、基準位置Ov[t1]及び操作領域座標系ΣV[t1]を設定する。
【0047】
時刻t1から時刻t2にかけて、タッチ位置Pは、ニュートラル領域RN内のタッチ位置P[t1]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t2]に向かって移動する。そして、図7に示す例では、時刻t2において、タッチ位置Pが入力領域RDrに侵入する。すなわち、タッチ位置Pが入力領域RDrに存在している状態が継続する期間である入力領域タッチ期間TRrは、時刻t2から開始される。
【0048】
本実施形態において、特徴位置決定部114は、例えば、入力領域RDr内の最新のタッチ位置Pに基づく位置を特徴位置CPrとして特定するか現状の特徴位置CPrを更新せずに維持するかをタッチ位置Pに基づいて判定し、判定結果に従って特徴位置CPrを決定する。以下では、特徴位置CPrを更新する条件は、第1特定条件とも称される。
【0049】
本実施形態において、第1特定条件は、一例として、入力領域タッチ期間TRrのうち一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRrが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pの中で、最も+Xv側に位置するという、タッチ位置Pに係る条件である。例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRrのうち一の時刻に対応するタッチ位置Pが、第1特定条件を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPrとして特定する。換言すれば、本実施形態において、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRrの中で、タッチ位置Pが、基準位置Ovから+Xv方向に対して最も離れた位置であるという条件を充足する場合に、当該タッチ位置Pを特徴位置CPrに決定する。
【0050】
図7に示す例では、入力領域タッチ期間TRrが時刻t2から開始される。従って、時刻t2では、入力領域タッチ期間TRrの中で、タッチ位置P[t2]が、基準位置Ovから+Xv方向に対して最も離れた位置になる。このため、特徴位置決定部114は、時刻t2において、タッチ位置P[t2]を特徴位置CPrに決定する。
【0051】
なお、上述のとおり、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、操作領域座標系ΣV、基準位置Ov、及び、操作領域Vの位置を修正する。しかし、時刻t2では、特徴位置CPrは特定されているが、特徴位置CPlは特定されていない。このため、操作領域決定部115は、操作領域V[t2]と操作領域V[t1]とが同一の位置となるように、基準位置Ov[t2]及び操作領域座標系ΣV[t2]を設定する。次に、図8を参照して、特徴位置CPrが特定されてから、タッチ位置Pが入力領域RDlに侵入するまでの端末装置10の動作の概要を説明する。
【0052】
図8は、特徴位置CPrが特定されてから、タッチ位置Pが入力領域RDlに侵入するまでの端末装置10の動作の一例を説明するための説明図である。なお、図8は、図7に示した動作の続きを示す。
【0053】
時刻t2から時刻t3にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t2]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t3]に移動する。時刻t3におけるタッチ位置P[t3]は、入力領域RDr内のタッチ位置P[t2]よりも+Xv側に存在するため、第1特定条件を充足する。このため、特徴位置決定部114は、時刻t3において、タッチ位置P[t3]を特徴位置CPrに決定する。換言すれば、特徴位置決定部114は、時刻t3において、特徴位置CPrを、タッチ位置P[t2]からタッチ位置P[t3]に更新する。
なお、時刻t3においても、特徴位置CPlが特定されていないため、操作領域決定部115は、操作領域V[t3]と操作領域V[t2]とが同一の位置となるように、基準位置Ov[t3]及び操作領域座標系ΣV[t3]を設定する。
【0054】
時刻t3から時刻t4にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t3]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t4]に移動する。時刻t4におけるタッチ位置P[t4]は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t3])よりも−Xv側に存在する。換言すれば、タッチ位置P[t3]は、タッチ位置P[t2]及びタッチ位置P[t4]よりも+Xv側である。このため、特徴位置決定部114は、時刻t4では、タッチ位置P[t3]が特徴位置CPrとして特定されている状態を維持する。
なお、時刻t4においても、特徴位置CPlが特定されていないため、操作領域決定部115は、操作領域V[t4]と操作領域V[t3]とが同一の位置となるように、基準位置Ov[t4]及び操作領域座標系ΣV[t4]を設定する。
【0055】
時刻t4から時刻t5にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t4]から入力領域RDl内のタッチ位置P[t5]に向かって移動する。そして、図8に示す例では、時刻t5において、タッチ位置Pが入力領域RDlに侵入する。すなわち、タッチ位置Pが入力領域RDlに存在している状態が継続する期間である入力領域タッチ期間TRlは、時刻t5から開始される。なお、入力領域タッチ期間TRrは、時刻t4から時刻t5の間の時刻(タッチ位置Pがニュートラル領域RNに侵入した時刻)に終了する。なお、以下では、タッチ位置Pが入力領域RDuに存在している状態が継続する期間を、入力領域タッチ期間TRuとも称し、タッチ位置Pが入力領域RDdに存在している状態が継続する期間を、入力領域タッチ期間TRdとも称する。また、入力領域タッチ期間TRr、TRl、TRu、TRdは、特に区別しない場合等では、入力領域タッチ期間TRとも称される。
【0056】
本実施形態において、特徴位置決定部114は、例えば、入力領域RDl内の最新のタッチ位置Pに基づく位置を特徴位置CPlとして特定するか現状の特徴位置CPlを更新せずに維持するかをタッチ位置Pに基づいて判定し、判定結果に従って特徴位置CPlを決定する。以下では、特徴位置CPlを更新するかの条件は、第2特定条件とも称される。
【0057】
本実施形態において、第2特定条件は、一例として、入力領域タッチ期間TRlのうち一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRlが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pの中で、最も−Xv側に位置するという、タッチ位置Pに係る条件である。例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRlのうち一の時刻に対応するタッチ位置Pが、第2特定条件を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPlとして特定する。換言すれば、本実施形態において、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRlの中で、タッチ位置Pが、基準位置Ovから−Xv方向に対して最も離れた位置であるという条件を充足する場合に、当該タッチ位置Pを特徴位置CPlに決定する。なお、以下では、第1特定条件及び第2特定条件を、特徴位置特定条件と総称する場合がある。
【0058】
図8に示す例では、入力領域タッチ期間TRlが時刻t5から開始される。従って、時刻t5では、入力領域タッチ期間TRlの中で、タッチ位置P[t5]が、基準位置Ovから−Xv方向に対して最も離れた位置となる。すなわち、時刻t5におけるタッチ位置P[t5]は、第2特定条件を充足する。このため、特徴位置決定部114は、時刻t5において、タッチ位置P[t5]を特徴位置CPlに決定する。
【0059】
ところで、タッチ位置Pが一の入力領域RDから他の入力領域RDに移動した後に、再び、タッチ位置Pが一の入力領域RDに侵入する場合がある。例えば、タッチ位置Pが入力領域RDrに存在する一の入力領域タッチ期間TRrの終了後に、再び、タッチ位置Pが入力領域RDrに存在する他の入力領域タッチ期間TRrが開始される場合がある。この場合、特徴位置決定部114は、一の入力領域タッチ期間TRrの終了後から他の入力領域タッチ期間TRrが開始されるまでの期間において、一の入力領域タッチ期間TRrの終了時における特徴位置CPrの決定結果を維持する。そして、この場合、特徴位置決定部114は、他の入力領域タッチ期間TRrが開始されると、一の入力領域タッチ期間TRrの終了時における特徴位置CPの決定結果を破棄するとともに、他の入力領域タッチ期間TRrにおいて新たに特徴位置CPを決定する。
【0060】
より具体的には、特徴位置決定部114は、一の入力領域タッチ期間TRrにおいて、特徴位置CPrを決定すると、当該決定した特徴位置CPrを特徴位置情報として記憶部14に記憶する。そして、特徴位置決定部114は、他の入力領域タッチ期間TRrにおいて、特徴位置CPrを決定すると、当該決定した特徴位置CPrにより、特徴位置情報を更新する。タッチ位置Pが入力領域RDlに再侵入した場合の特徴位置CPlの更新処理も、タッチ位置Pが入力領域RDrに再侵入した場合の特徴位置CPrの更新処理と同様である。なお、本実施形態では、タッチ位置Pが一の入力領域RDからニュートラル領域RNに移動した後に他の入力領域RDに侵入することなく一の入力領域RDに再侵入する場合、一の入力領域タッチ期間TRの終了時における特徴位置CPの決定結果は、破棄されない。この場合、特徴位置決定部114は、一の入力領域RDへのタッチ位置Pの再侵入により他の入力領域タッチ期間TRが開始されると、タッチ位置Pと一の入力領域タッチ期間TRの終了時における特徴位置CPの決定結果とに基づいて、特徴位置CPを決定する。
【0061】
図8に示す例では、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRrの終了時において、時刻t3におけるタッチ位置P[t3]を、特徴位置CPrに決定している。このため、記憶部14は、入力領域タッチ期間TRrが終了した後の時刻t5においても、特徴位置CPrとしてタッチ位置P[t3]を示す特徴位置情報を記憶した状態を維持する。
【0062】
本実施形態において、操作領域決定部115は、上述のとおり、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて操作領域Vの位置を修正する。
具体的には、本実施形態において、操作領域決定部115は、まず、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて補正位置Mdを定める。次に、操作領域決定部115は、基準位置Ovを起点とし、補正位置Mdを終点とする操作領域移動ベクトルVmdを定める。そして、操作領域決定部115は、基準位置Ov、操作領域座標系ΣV、及び、操作領域Vを、操作領域移動ベクトルVmdに対応する移動量だけ移動させる。これにより、操作領域決定部115は、基準位置Ovが補正位置Mdに一致するように、タッチパネル座標系ΣSにおける基準位置Ov、操作領域座標系ΣV、及び、操作領域Vの位置を修正することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、ニュートラル領域RNの中心(ニュートラル領域RNと入力領域RDとの境界を示す円BDnの中心)が基準位置Ovであるため、操作領域決定部115は、基準位置Ovの位置を修正することにより、ニュートラル領域RNの位置を修正することができる。また、本実施形態では、ニュートラル領域RNの大きさ(例えば、円BDnの半径)は、所定の大きさに維持され、ニュートラル領域RNの位置の修正前後で変化しない。操作領域決定部115は、操作領域Vの位置を修正した場合、当該操作領域Vに含まれるニュートラル領域RN及び入力領域RDの位置により、記憶部14に記憶されている操作領域情報を更新する。なお、以下では、時刻tにおいて定められた操作領域移動ベクトルVmdを、操作領域移動ベクトルVmd[t]とも称し、時刻tにおいて定めた補正位置Mdを、補正位置Md[t]とも称する。
【0064】
例えば、時刻t5において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t3])と特徴位置CPl(タッチ位置P[t5])との中点を、補正位置Md[t5]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t5]を起点とし、補正位置Md[t5]を終点とする操作領域移動ベクトルVmd[t5]を定める。そして、操作領域決定部115は、図9に示す時刻t6において、基準位置Ovが補正位置Md[t5]に一致するように、操作領域Vの位置を修正する。
【0065】
なお、本実施形態では、操作領域決定部115が、基準位置Ovを操作領域移動ベクトルVmdに対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ovを修正する場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。操作領域決定部115は、単に、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて定めた補正位置Mdを、基準位置Ovとして設定してもよい。換言すれば、操作領域決定部115は、例えば、一の時刻において補正位置Mdを決定した場合に、当該一の時刻における基準位置Ovを考慮することなく、決定した補正位置Mdに基づいて、一の時刻よりも後の他の時刻における基準位置Ovを決定してもよい。
【0066】
本実施形態において、操作領域決定部115は、一例として、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの中点の位置を、補正位置Mdとして定める。但し、操作領域決定部115は、例えば、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの間の位置を、補正位置Mdとして定めてもよいし、特徴位置CPr及び特徴位置CPlから等しい距離となる位置を、補正位置Mdとして定めてもよい。要するに、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlにより規定される位置を、補正位置Mdとして定めればよい。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlとを結ぶ線分からの距離が所定の基準距離以下となる基準領域内の位置を、補正位置Mdとして定めてもよい。
【0067】
また、例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlのうち先に決定された特徴位置CPを、先行特徴位置と称し、特徴位置CPr及び特徴位置CPlのうち後に決定された特徴位置CPを、後行特徴位置と称する場合、先行特徴位置よりも後行特徴位置に近い位置を、補正位置Mdとして定めてもよい。この例によれば、補正位置Mdが指FGによる最新のタッチ位置Pの近傍に設けられるため、補正位置Mdを中心とする円形のニュートラル領域RNも最新のタッチ位置Pの近傍に設けられる。このため、補正位置Mdが先行特徴位置よりも後行特徴位置に近い位置に設定される場合、補正位置Mdが後行特徴位置よりも先行特徴位置に近い位置に設定される場合と比較して、タッチ位置Pを、後行特徴位置に対応する入力領域RDからニュートラル領域RNに変化させる際の指FGの移動量を小さくすることが可能となる。すなわち、この例によれば、補正位置Mdが後行特徴位置よりも先行特徴位置に近い位置に設定される場合と比較して、タッチ位置Pが入力領域RD及びニュートラル領域RNの間を往復するように指FGを移動させる操作における操作性を、より良好に保つことが可能となる。
【0068】
また、例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlとを結ぶ線分上、または、基準領域内であって、先行特徴位置よりも後行特徴位置に近い位置のうち、後行特徴位置との間隔が所定の基準間隔以上、離間する位置を、補正位置Mdとして定めてもよい。この場合、後行特徴位置に対応する入力領域RDに存在する最新のタッチ位置Pとニュートラル領域RNとの間隔を、所定の基準間隔とニュートラル領域RNの大きさ(例えば、円BDnの半径)とにより定まる間隔以上離間させることができる。このため、この例によれば、補正位置Mdと後行特徴位置との間隔が所定の基準間隔未満となる場合と比較して、ユーザの意図する入力領域RDとは異なるニュートラル領域RNに誤って指FGをタッチさせてしまうという誤操作が生じる可能性を、低減させることが可能となる。なお、所定の基準間隔は、距離の絶対値で規定されてもよいし、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの間の距離に対する、補正位置Mdと後行特徴位置との間の距離の比率で規定されてもよい。次に、図9を参照して、特徴位置CPlの更新に応じて操作領域Vの位置の修正が繰り返される場合の端末装置10の動作の概要を説明する。
【0069】
図9は、特徴位置CPlの更新に応じて操作領域Vの位置の修正が繰り返される場合の端末装置10の動作の一例を説明するための説明図である。なお、図9は、図8に示した動作の続きを示す。
【0070】
時刻t6において、操作領域決定部115は、操作領域移動ベクトルVmd[t5]の起点の位置を基準位置Ov[t5]として定めた場合における、操作領域移動ベクトルVmd[t5]の終点の位置を、基準位置Ov[t6]として定め、当該基準位置Ov[t6]が原点となるように、操作領域座標系ΣV[t6]を設定する。また、操作領域決定部115は、時刻t6において、当該操作領域座標系ΣV[t6]に応じた位置に、操作領域V[t6]を設定する。そして、操作領域決定部115は、操作領域V[t6]に含まれるニュートラル領域RN及び入力領域RDの位置により、記憶部14に記憶されている操作領域情報を更新する。なお、図8及び図9に示す例では、時刻t6は、時刻t5よりも後の時刻であるが、時刻t6は、時刻t5と同一の時刻であってもよい。
【0071】
時刻t6から時刻t7にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDl内のタッチ位置P[t5]から入力領域RDl内のタッチ位置P[t7]に移動する。時刻t7におけるタッチ位置P[t7]は、入力領域RDl内のタッチ位置P[t5]よりも−Xv側に存在する。このため、特徴位置決定部114は、時刻t7において、タッチ位置P[t7]を特徴位置CPlに決定する。換言すれば、特徴位置決定部114は、時刻t7において、特徴位置CPlを、タッチ位置P[t5]からタッチ位置P[t7]に更新する。
【0072】
また、時刻t7において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t3])と特徴位置CPl(タッチ位置P[t7])との中点を、補正位置Md[t7]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t7]を起点とし、補正位置Md[t7]を終点とする操作領域移動ベクトルVmd[t7]を定める。
【0073】
そして、時刻t8において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t7]、操作領域座標系ΣV[t7]、及び、操作領域V[t7]を、操作領域移動ベクトルVmd[t7]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t8]、操作領域座標系ΣV[t8]、及び、操作領域V[t8]を設定する。換言すれば、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t8]が補正位置Md[t7]に一致するように、基準位置Ov[t8]、操作領域座標系ΣV[t8]、及び、操作領域V[t8]を設定する。なお、図9に示す例では、時刻t8は、時刻t7よりも後の時刻であるが、時刻t8は、時刻t7と同一の時刻であってもよい。次に、図10を参照して、タッチ位置Pが入力領域RDrに再侵入する場合の端末装置10の動作の概要を説明する。
【0074】
図10は、タッチ位置Pが入力領域RDrに再侵入する場合の端末装置10の動作の一例を説明するための説明図である。なお、図10は、図9に示した動作の続きを示す。
【0075】
時刻t8から時刻t9にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDl内のタッチ位置P[t7]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t9]に向かって移動する。そして、図10に示す例では、時刻t9において、タッチ位置Pが入力領域RDrに再び侵入する。すなわち、時刻t8から時刻t9の間の時刻(タッチ位置Pがニュートラル領域RNに侵入した時刻)に入力領域タッチ期間TRlが終了し、且つ、時刻t9において、再び、入力領域タッチ期間TRrが開始される。なお、以下では、説明の便宜上、時刻t2に開始される入力領域タッチ期間TRrを、先の入力領域タッチ期間TRrと称し、時刻t9に開始される入力領域タッチ期間TRrを、後の入力領域タッチ期間TRrと称する場合がある。
【0076】
上述のとおり、本実施形態において、特徴位置決定部114は、後の入力領域タッチ期間TRrが開始されると、先の入力領域タッチ期間TRrの終了時における特徴位置CPrの決定結果を破棄するとともに、後の入力領域タッチ期間TRrにおいて新たに特徴位置CPrを決定する。
このため、特徴位置決定部114は、時刻t9において、タッチ位置P[t9]がタッチ位置P[t3]よりも−Xv側に存在するが、タッチ位置P[t9]を特徴位置CPrに決定する。換言すれば、特徴位置決定部114は、時刻t9において、特徴位置CPrを、タッチ位置P[t3]からタッチ位置P[t9]に更新する。
【0077】
また、時刻t9において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t9])と特徴位置CPl(タッチ位置P[t7])との中点を、補正位置Md[t9]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t9]を起点とし、補正位置Md[t9]を終点とする操作領域移動ベクトルVmd[t9]を定める。
【0078】
そして、時刻t10において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t9]、操作領域座標系ΣV[t9]、及び、操作領域V[t9]を、操作領域移動ベクトルVmd[t9]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t10]、操作領域座標系ΣV[t10]、及び、操作領域V[t10]を設定する。換言すれば、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t10]が補正位置Md[t9]に一致するように、基準位置Ov[t10]、操作領域座標系ΣV[t10]、及び、操作領域V[t10]を設定する。なお、図10に示す例では、時刻t10は、時刻t9よりも後の時刻であるが、時刻t10は、時刻t9と同一の時刻であってもよい。
【0079】
[4.端末装置の動作]
以下、図11を参照しながら、端末装置10の動作の一例について説明する。
【0080】
図11は、端末装置10が所定のゲームを実行する場合における、端末装置10の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、例えば、端末装置10のユーザが、所定のゲームを開始させる旨の所定の開始操作をタッチパネル1002から入力した場合に、端末装置10が、所定のゲームを開始させることとする。所定のゲームが開始されると、ステップS100の処理が実行される。
【0081】
ステップS100において、表示制御部112は、仮想空間SP、キャラクタCR、及び、操作領域Vを表示部12に表示させるための表示情報を生成し、当該表示情報に基づく画像を表示部12が表示するように、表示部12を制御する。なお、所定のゲームの開始時のキャラクタCRの顔の向き及び操作領域Vの位置は、予め決められている。
【0082】
次に、ステップS102において、タッチ位置情報取得部113は、タッチパネル1002がタッチ位置情報を出力したか否かを判定する。ステップS102における判定の結果が否定の場合、すなわち、タッチパネル1002がタッチ位置情報を出力していない場合、タッチ位置情報取得部113は、処理をステップS126に進める。一方、ステップS102における判定の結果が肯定の場合、すなわち、タッチパネル1002がタッチ位置情報を出力した場合、タッチ位置情報取得部113は、処理をステップS104に進める。
【0083】
ステップS104において、タッチ位置情報取得部113は、タッチパネル1002から出力されたタッチ位置情報を取得する。そして、タッチ位置情報取得部113は、ステップS104で取得したタッチ位置情報に基づいて、記憶部14に記憶されているタッチ位置履歴情報を更新する。具体的には、タッチ位置情報取得部113は、ステップS104で取得したタッチ位置情報を、当該タッチ位置情報を取得した時刻と対応付けた上で、タッチ位置履歴情報に含ませる。なお、タッチ位置履歴情報は、各時刻におけるタッチ位置Pが、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れに存在するかを示す情報を含んでいてもよい。あるいは、タッチ位置履歴情報は、タッチ位置Pが存在する入力領域RDを示す情報の代わりに、タッチ位置情報を取得した時刻が入力領域タッチ期間TRr、TRl、TRu、TRdの何れに含まれるかを示す情報を含んでいてもよい。
【0084】
次に、ステップS106において、特徴位置決定部114は、記憶部14に記憶されている操作領域情報を取得し、ニュートラル領域RN、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの各々の位置を特定する。
【0085】
次に、ステップS108において、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域に存在するか否かを判定する。ステップS108における判定の結果が否定の場合、すなわち、最新のタッチ位置Pが入力領域RDの外部(例えば、ニュートラル領域RN)に存在する場合、特徴位置決定部114は、処理をステップS126に進める。
【0086】
一方、ステップS108における判定の結果が肯定の場合、すなわち、最新のタッチ位置Pが入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域に存在する場合、特徴位置決定部114は、処理をステップS110に進める。なお、ステップS108における判定の結果が肯定の場合、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113がタッチ位置情報を取得した時刻が、タッチ位置Pが存在する入力領域RDに対応する入力領域タッチ期間TRに含まれることになる。また、特徴位置決定部114は、ステップS108の判定結果に基づいて、タッチ位置履歴情報を更新してもよい。
【0087】
ステップS110において、振動制御部116は、タッチ位置Pが入力領域RDに存在しない状態から入力領域RDに存在する状態に変化したか否かを判定する。具体的には、振動制御部116は、ステップS108で判定されたタッチ位置Pが存在する入力領域RDに対応する入力領域タッチ期間TRにおいて、ステップS104でタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報が、タッチ位置情報取得部113により取得された1または複数のタッチ位置情報のうち、最初に取得されたタッチ位置情報であるか否かを判定する。
【0088】
ステップS110における判定の結果が否定の場合、すなわち、タッチパネル1002への最新のタッチが入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域への最初のタッチでない場合、振動制御部116は、処理をステップS114に進める。一方、ステップS110における判定の結果が肯定の場合、すなわち、タッチパネル1002への最新のタッチが入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの何れかの領域への最初のタッチである場合、振動制御部116は、処理をステップS112に進める。
【0089】
ステップS112において、振動制御部116は、振動発生部15が端末装置10を振動させるように、振動発生部15を制御する。そして、振動制御部116は、処理をステップS114に進める。
【0090】
ステップS114において、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、特徴位置特定条件を充足するか否かを判定する。具体的には、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域RDrに存在する場合には、当該タッチ位置Pが、第1特定条件を充足するか否かを判定する。また、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域RDlに存在する場合には、当該タッチ位置Pが、第2特定条件を充足するか否かを判定する。なお、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域RDuまたは入力領域RDdに存在する場合、特徴位置特定条件を充足しない旨の判定を行う。
【0091】
ステップS114における判定の結果が否定の場合、すなわち、特徴位置特定条件が充足されていない場合、特徴位置決定部114は、処理をステップS124に進める。従って、特徴位置特定条件が充足されていない場合、ニュートラル領域RNの位置および操作領域Vの位置は、変更されずに維持される。一方、ステップS114における判定の結果が肯定の場合、すなわち、特徴位置特定条件が充足されてる場合、特徴位置決定部114は、処理をステップS116に進める。
【0092】
ステップS116において、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pを、特徴位置CPに決定する。具体的には、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、第1特定条件を充足する場合には、当該タッチ位置Pを特徴位置CPrに決定する。また、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、第2特定条件を充足する場合には、当該タッチ位置Pを特徴位置CPlに決定する。なお、特徴位置決定部114は、ステップS116においける決定結果に基づいて、記憶部14に記憶されている特徴位置情報を更新する。
【0093】
次に、ステップS118において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの両方が存在するか否かを判定する。ステップS118における判定の結果が否定の場合、すなわち、対をなす特徴位置CPが存在しない場合、操作領域決定部115は、処理をステップS124に進める。従って、対をなす特徴位置CPが存在しない場合、ニュートラル領域RNの位置および操作領域Vの位置は、変更されずに維持される。一方、ステップS118における判定の結果が肯定の場合、すなわち、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの両方が存在する場合、操作領域決定部115は、処理をステップS120に進める。
【0094】
ステップS120において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、基準位置Ovを決定する。
【0095】
次に、ステップS122において、操作領域決定部115は、ステップS120において決定した基準位置Ovに基づいて、タッチパネル座標系ΣSにおけるニュートラル領域RN、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdの位置を決定する。なお、操作領域決定部115は、ステップS122において決定したニュートラル領域RN及び入力領域RDの位置により、記憶部14に記憶されている操作領域情報を更新する。操作領域決定部115は、ステップS122の処理を実行した後、処理をステップS124に進める。
【0096】
ステップS124において、ゲーム制御部111は、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を決定する。具体的には、ゲーム制御部111は、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を、ステップS108で判定されたタッチ位置Pが存在する入力領域RDに対応する方向に設定する。
【0097】
ゲーム制御部111は、ステップS124の処理を実行した後、処理をステップS128に進める。なお、ステップS128の処理を説明する前に、入力領域RDへのタッチが検出されない場合に実行されるステップS126の処理について説明する。
【0098】
ステップS126において、ゲーム制御部111は、非タッチ処理を実行し、処理をステップS128に進める。非タッチ処理は、図2で説明したように、タッチパネル1002から指FGが離れた場合に実行される処理である。例えば、非タッチ処理は、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔が向く方向を変化させずに維持する処理である。あるいは、非タッチ処理は、タッチパネル座標系ΣSにおけるキャラクタCRの顔の向きを予め定められた向きに設定する処理でもよい。なお、非タッチ処理は、上述の例に限定されない。また、本実施形態では、ゲーム制御部111は、タッチパネル1002から指FGが離れた場合に非タッチ処理を実行するが、指FGのタッチに関連する特定の処理を実行しなくてもよい。例えば、ゲーム制御部111は、ステップS102において、タッチパネル1002がタッチ位置情報を出力していないと判定されると、特定の処理を実行することなく、処理をステップS128に進めてもよい。あるいは、ゲーム制御部111は、ステップS108において、最新のタッチ位置Pが入力領域RDの外部(例えば、ニュートラル領域RN)に存在するとと判定されると、特定の処理を実行することなく、処理をステップS128に進めてもよい。
【0099】
従って、指FGがタッチパネル1002に接触していない場合(S102:N)、または、タッチ位置Pが入力領域RDに存在しない場合(S108:N)、ニュートラル領域RNの位置および操作領域Vの位置は、変更されずに維持される。
【0100】
ステップS128において、表示制御部112は、仮想空間SP、キャラクタCR、及び、操作領域Vを表示部12に表示させるための表示情報を生成し、当該表示情報に基づく画像を表示部12が表示するように、表示部12を制御する。
【0101】
次に、ステップS130において、ゲーム制御部111は、ユーザが、所定のゲームを終了させる旨の所定の終了操作をタッチパネル1002から入力したか否かを判定する。ステップS130における判定の結果が否定の場合、ゲーム制御部111は、処理をステップS102に戻し、ゲームを継続させる。一方、ステップS130における判定の結果が肯定の場合、ゲーム制御部111は、所定のゲームを終了させる。
【0102】
図11に示す動作では、指FGがタッチパネル1002に接触していない場合(S102:N)、タッチ位置Pが入力領域RDに存在しない場合(S108:N)、特徴位置特定条件が充足されていない場合(S114:N)、または、対をなす特徴位置CPが存在しない場合(S118:N)、操作領域決定部115は、ニュートラル領域RNの位置を変更せずに維持する。換言すれば、操作領域決定部115は、対をなす特徴位置CPが更新された場合、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、ニュートラル領域RNの位置を変更する。
【0103】
なお、端末装置10の動作は、図11に示す例に限定されない。例えば、特徴位置決定部114は、ステップS104においてタッチ位置情報取得部113により取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pと、過去のステップS114において特徴位置特定条件を充足した複数のタッチ位置Pとに基づいて、特徴位置CPを決定してもよい。具体的には、図8に示した時刻t3において、特徴位置決定部114は、タッチ位置P[t2]及びP[t3]の平均位置を、特徴位置CPrとして決定してもよい。一の時刻までに特徴位置特定条件を充足した複数のタッチ位置Pの平均位置を算出する場合のサンプルは、例えば、一の時刻から直近の所定回数分(例えば、5回分)のタッチ位置Pである。また、一の時刻までに特徴位置特定条件を充足した複数のタッチ位置Pのうち、Xv座標の値が最大のタッチ位置P及び最小のタッチ位置Pは、特徴位置CPの算出に使用するサンプルから除外されてもよい。あるいは、他の時刻の特徴位置CP、又は、他の時刻に特徴位置特定条件を充足したタッチ位置Pに対して、所定距離以上離れたタッチ位置Pは、特徴位置CPの算出に使用するサンプルから除外されてもよい。この場合、例えば、指FGが何らかのはずみで大きく移動して元の位置に戻った場合でも、ニュートラル領域RNの位置の変更を適切に実行することができる。
【0104】
[5.実施形態の結論]
以上において説明したように、本実施形態において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、ニュートラル領域RN、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdを含む操作領域Vの位置を決定する。従って、本実施形態において、操作領域決定部115は、操作領域Vにおけるタッチ位置Pが徐々にずれていく場合であっても、当該タッチ位置Pのずれに応じて、操作領域V(すなわち、ニュートラル領域RN及び入力領域RD)を修正することが可能となる。このため、本実施形態によれば、例えば、タッチパネル1002において操作領域V(すなわち、ニュートラル領域RN及び入力領域RD)の位置が固定されている場合と比較して、タッチ位置Pのずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0105】
一般的に、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの2つの特徴位置CPの間の相対的な位置関係、及び、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの2つの特徴位置CPの間隔は、タッチパネル1002に接触する指FGの形状、及び、大きさ、並びに、ユーザが指FGをタッチパネル1002に接触させる際の圧力、及び、指FGの動かし方等、ユーザ毎のタッチの態様に応じて定められる可能性が高い。
【0106】
これに対して、本実施形態において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの2つの特徴位置CPに基づいて、ニュートラル領域RN、入力領域RDr及び入力領域RDlを含む操作領域Vの位置を決定する。さらに、本実施形態では、ニュートラル領域RNは、入力領域RDrと入力領域RDlとの間に配置される。このため、本実施形態によれば、例えば、1つの特徴位置CPに基づいてニュートラル領域RNの位置を定める態様と比較して、ユーザ毎のタッチの態様を考慮した位置に、ニュートラル領域RN、入力領域RDr及び入力領域RDlを含む操作領域Vを設定することができる。この結果、本実施形態によれば、例えば、1つの特徴位置CPに基づいてニュートラル領域RNの位置を定める態様と比較して、任意のユーザに対する、ニュートラル領域RN及び入力領域RDに指FGを接触させる操作における操作性を、より良好に保つことができる。
【0107】
ところで、特定の種類のゲームにおいては、ゲームに係る一の方向の指示の入力の頻度が、ゲームに係る他の方向の指示の入力の頻度よりも高い場合が存在する。例えば、所定のゲームにおいて、+Xs方向及び−Xs方向を含むXs軸方向の指示の入力の頻度が、+Ys方向及び−Ys方向を含むYs軸方向の指示の入力の頻度よりも高い場合が存在する。この場合、頻度の低い指示の入力に係るタッチ位置Pに基づいてニュートラル領域RNの位置を決定する態様によれば、ニュートラル領域RNが、ユーザの指FGの位置の経時的なずれに対応しない位置に設定される可能性が生じる。
【0108】
これに対して、本実施形態において、操作領域決定部115は、Xs軸方向の指示の入力に対応する、入力領域RDr及び入力領域RDlに存在するタッチ位置Pに基づいて、ニュートラル領域RNの位置を決定する。このため、本実施形態によれば、+Xs方向及び−Xs方向を含むXs軸方向の指示の入力の頻度が、+Ys方向及び−Ys方向を含むYs軸方向の指示の入力の頻度よりも高い場合において、例えば、Ys軸方向の指示の入力に対応する、入力領域RDu及び入力領域RDdに存在するタッチ位置Pに基づいて、ニュートラル領域RNの位置を決定する態様と比較して、タッチ位置Pのずれに的確に対応した位置に操作領域Vが設定される可能性を高くすることができる。
【0109】
また、本実施形態において、操作領域決定部115は、一例として、ニュートラル領域RNの中心である基準位置Ovから+Xv方向に向けて広がる扇形の領域のうちのニュートラル領域RNを除く領域を入力領域RDrとして定め、基準位置Ovから−Xv方向に向けて広がる扇形の領域のうちのニュートラル領域RNを除く領域を入力領域RDlとして定める。このため、本実施形態によれば、例えば、ユーザが指FGによりタッチパネル1002をタッチする場合に、ユーザは、指FGをニュートラル領域RNにタッチさせつつ+Xv方向に傾けることで、入力領域RDrをタッチすることが可能となり、指FGをニュートラル領域RNにタッチさせつつ−Xv方向に傾けることで、入力領域RDlをタッチすることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、例えば、ユーザが指FGによりタッチパネル1002にタッチする場合に、ユーザは、指FGをタッチパネルから離間させることなく、入力領域RDr及び入力領域RDlの2つの入力領域RDをタッチすることが可能となる。このため、本実施形態によれば、例えば、入力領域RDrへのタッチと入力領域RDlへのタッチとの間で指をタッチパネルから離間させる必要がある場合と比較して、ユーザは、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作と、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作との切り替えを、容易に行うことが可能となる。
【0110】
[B.変形例]
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0111】
[変形例1]
上述した実施形態において、ニュートラル領域RNの大きさ(例えば、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径)は、所定の大きさに維持され、ニュートラル領域RNの位置の修正前後で変化しないが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて、ニュートラル領域RNの大きさを決定してもよい。ニュートラル領域RNの大きさを決定する方法として、図12から図14を用いて3つの例を説明するが、ニュートラル領域RNの大きさを決定する方法は、図12から図14に示す3つの例に限定されない。
【0112】
図12は、変形例1に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。なお、図12は、変形例1に係るタッチ位置変化例の一例である。図12に示すタッチ位置変化例では、端末装置10は、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrを一定に維持するように、ニュートラル領域RNの大きさを決定する。図12に示す例では、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrは、特徴位置CPrとニュートラル領域RNの中心とを結ぶ直線において、ニュートラル領域RN及び入力領域RDrの境界線(ニュートラル領域RNを規定する円BDn)から特徴位置CPrまでの距離である。なお、以下では、時刻tにおける距離Wnrを距離Wnr[t]とも称し、時刻tにおける円BDnの半径rを半径r[t]とも称する。また、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnr、及び、特徴位置CPlとニュートラル領域RNとの距離Wnlは、特に区別しない場合等では、距離Wnとも称される。図12に示す時刻t20、t21及びt22は、入力領域タッチ期間TRrに含まれる。以下では、時刻t20等を含む入力領域タッチ期間TRrのうち、時刻t20より前の時刻t18(図示せず)において、タッチ位置P[t18]が特徴位置CPrに決定されている場合を想定して、端末装置10の動作を説明する。
【0113】
特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])及び特徴位置CPlに基づいて操作領域V等が設定された時刻t19(図示せず)から時刻t20にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t18]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t20]に移動する。時刻t20におけるタッチ位置P[t20]は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])よりも−Xv側に存在するため、特徴位置決定部114は、時刻t20では、タッチ位置P[t18]が特徴位置CPrとして特定されている状態を維持する。また、時刻t20では、特徴位置CPrが更新されていないため、操作領域決定部115は、ニュートラル領域RN等を含む操作領域V[t20]の位置を変更せずに維持する。時刻t20における特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])とニュートラル領域RNとの距離Wnr[t20]は、予め決められた距離DISである。
【0114】
時刻t20から時刻t21にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t20]から入力領域RDr内のタッチ位置P[t21]に移動する。時刻t21におけるタッチ位置P[t21]は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])よりも+Xv側に存在する。このため、特徴位置決定部114は、時刻t21において、タッチ位置P[t21]を特徴位置CPrに決定する。換言すれば、特徴位置決定部114は、時刻t21において、特徴位置CPrを、タッチ位置P[t18]からタッチ位置P[t21]に更新する。
【0115】
また、時刻t21において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの中点を補正位置Md[t21]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t21]を起点とし、補正位置Md[t21]を終点とする操作領域移動ベクトルVmd[t21]を定める。
【0116】
そして、時刻t22において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t21]、操作領域座標系ΣV[t21]、及び、操作領域V[t21]を、操作領域移動ベクトルVmd[t21]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t22]、操作領域座標系ΣV[t22]、及び、操作領域V[t22]を設定する。換言すれば、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t22]が補正位置Md[t21]に一致するように、基準位置Ov[t22]、操作領域座標系ΣV[t22]、及び、操作領域V[t22]を設定する。
【0117】
また、時刻t22において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])とニュートラル領域RNとの距離Wnr[t22]が距離DISになるように、ニュートラル領域RNの大きさを決定する。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と基準位置Ov[t22](ニュートラル領域RNの中心)との距離から距離DISを引いた値を、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r[t22]に設定する。この結果、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrは、特徴位置CPrの更新によりニュートラル領域RNの位置が修正された場合でも、距離DISに維持される。図12に示すニュートラル領域RN内の破線の円は、ニュートラル領域RNの大きさを一定にした場合のニュートラル領域RNを示す。なお、図12に示す例では、時刻t22は、時刻t21よりも後の時刻であるが、時刻t22は、時刻t21と同一の時刻であってもよい。
【0118】
図12に示す例では、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wn(例えば、距離Wnr)は、特徴位置CPが更新されても、距離DISに維持される。このため、ユーザは、指FGをニュートラル領域RNから入力領域RDに移動させた場合、距離DISに対応する一定量だけ指FGを戻せばタッチ位置Pをニュートラル領域RNに戻すことができる。従って、図12に示す例では、ニュートラル領域RNの大きさが一定である場合と比較して、タッチ位置Pをニュートラル領域RNに戻す操作をし易くすることができる。
【0119】
なお、操作領域決定部115は、所定のゲームが起動されてから、ニュートラル領域RNとの距離が距離DIS以上になるタッチ位置Pが検出される前までの期間では、図12に示したニュートラル領域RNの大きさの調整を実行しなくてもよい。あるいは、特徴位置決定部114は、所定のゲームの起動時に、ニュートラル領域RNから距離DISだけ離れた位置を特徴位置CPの初期値として設定してもよい。また、操作領域決定部115は、操作領域座標系ΣVにおける特徴位置CPのXv座標と、ニュートラル領域RNを規定する円BDnのXv軸との交点との差で表される距離(例えば、図15に示す距離Wxr及びWxl)を、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnとしてもよい。
【0120】
図13は、変形例1に係る端末装置10の動作の別の例を示す説明図である。なお、図13は、変形例1に係るタッチ位置変化例の一例である。図13に示すタッチ位置変化例では、端末装置10は、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrを、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化させる。図13に示す時刻t20及びt21における端末装置10の動作は、図12に示した動作と同じであるため、説明を省略する。なお、以下では、時刻tにおける距離DCPを距離DCP[t]とも称する。図13に示す例においても、時刻t22は、時刻t21よりも後の時刻であるが、時刻t22は、時刻t21と同一の時刻であってもよい。
【0121】
時刻t22において、操作領域決定部115は、図12で説明したように、基準位置Ov[t22]が補正位置Md[t21]に一致するように、基準位置Ov[t22]、操作領域座標系ΣV[t22]、及び、操作領域V[t22]を設定する。
【0122】
また、時刻t22において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])とニュートラル領域RNとの距離Wnr[t22]が、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]に応じた距離になるように、ニュートラル領域RNの大きさを決定する。なお、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrは、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなるにしたがい大きくなる。
【0123】
例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])とニュートラル領域RNとの距離Wnr[t22]を、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]に基づいて算出する。そして、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と基準位置Ov[t22](ニュートラル領域RNの中心)との距離から距離Wnr[t22]を引いた値を、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r[t22]に設定する。この結果、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrは、特徴位置CPrの更新によりニュートラル領域RNの位置が修正された場合、更新後の特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じた距離に設定される。図13に示すニュートラル領域RNを囲む破線の円は、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの距離Wnrが距離DISに維持された場合のニュートラル領域RNを示す。特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]は、タッチ位置P[t18](更新前の特徴位置CPr)と特徴位置CPlとの距離DCP[t20]より大きい。このため、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])とニュートラル領域RNとの距離Wnr[t22]は、タッチ位置P[t18](更新前の特徴位置CPr)と時刻t20におけるニュートラル領域RNとの距離Wnr[t20]より大きい。
【0124】
特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなる場合、指FGが大きく動いていることが想定される。指FGを大きく動かすと、ニュートラル領域RN側に指FGが若干戻る場合がある。この場合、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnが小さいと、入力領域RDに存在すべきタッチ位置Pがニュートラル領域RNに移動し、誤操作が生じる可能性がある。
【0125】
このため、図13に示す例では、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなるにしたがい、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnを大きくすることにより、入力領域RDに存在すべきタッチ位置Pがニュートラル領域RNに移動することを抑止することができる。この結果、誤操作が生じる可能性を低減させることができる。
【0126】
また、図13に示す例では、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなるにしたがい、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnを大きくすることにより、ニュートラル領域RNが大きくなり過ぎることを抑止することができる。例えば、ニュートラル領域RNが大きくなりすぎると、入力領域RDr及びRDlの一方から他方に指FGを移動させる場合の指FGの移動量(操作量)が大きくなり、操作性が低下する場合がある。図13に示す例では、ニュートラル領域RNが大きくなり過ぎることを抑止することができるため、操作性が低下することを抑止することができる。
【0127】
なお、操作領域決定部115は、所定のゲームが起動されてから、ニュートラル領域RNとの距離が予め決められた最小距離以上になるタッチ位置Pが検出される前までの期間では、図13に示したニュートラル領域RNの大きさの調整を実行しなくてもよい。あるいは、特徴位置決定部114は、所定のゲームの起動時に、ニュートラル領域RNから最小距離だけ離れた位置を特徴位置CPの初期値として設定してもよい。
【0128】
特徴位置CPの初期値が設定される場合、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnは、下記の式(1)、式(2)及び式(3)の何れかに基づいて算出されてもよいし、式(1)、式(2)及び式(3)とは異なる式に基づいて算出されてもよい。
Wn=Wint(1+(DCP−Dint)/(Dmax−Dint)*α) ・・・(1)
Wn=Wint*DCP/Dint ・・・(2)
Wn=DCP*β ・・・(3)
なお、式(1)及び式(2)のWintは、所定のゲームの起動時における特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離(距離Wnの初期値)を示し、Dintは、所定のゲームの起動時における特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離(距離DCPの初期値)を示す。また、式(1)のDmaxは、距離DCPの取り得る最大値を示し、αは、正の実数で与えられる定数を示す。また、式(3)のβは、0より大きく0.5未満の実数で与えられる定数を示す。なお、式(3)は、特徴位置CPの初期値が設定されない場合に用いられてもよい。
【0129】
また、操作領域決定部115は、操作領域座標系ΣVにおける特徴位置CPのXv座標と、ニュートラル領域RNを規定する円BDnのXv軸との交点との差で表される距離(例えば、図15に示す距離Wxr及びWxl)を、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnとしてもよい。
【0130】
図14は、変形例1に係る端末装置10の動作の別の例を示す説明図である。なお、図14は、変形例1に係るタッチ位置変化例の一例である。図14に示すタッチ位置変化例では、端末装置10は、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r(すなわち、ニュートラル領域RNの大きさ)を、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化させる。図14に示す時刻t20及びt21における端末装置10の動作は、特徴位置CPr、CPl、タッチ位置P[t18]、P[t20]及びP[t21]を除いて、図12に示した動作と同じであるため、詳細な説明を省略する。なお、図14に示す例においても、時刻t22は、時刻t21よりも後の時刻であるが、時刻t22は、時刻t21と同一の時刻であってもよい。
【0131】
時刻t20では、時刻t20におけるタッチ位置P[t20]が特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])よりも−Xv側に存在するため、特徴位置CPr及び操作領域V[t20]の位置は、変更されずに維持される。
【0132】
時刻t21では、タッチ位置P[t21]が特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])よりも+Xv側に存在するため、特徴位置決定部114は、特徴位置CPrを、タッチ位置P[t18]からタッチ位置P[t21]に更新する。また、操作領域決定部115は、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの中点を補正位置Md[t21]として定める。そして、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t21]を起点とし、補正位置Md[t21]を終点とする操作領域移動ベクトルVmd[t21]を定める。
【0133】
時刻t22において、操作領域決定部115は、図12で説明したように、基準位置Ov[t22]が補正位置Md[t21]に一致するように、基準位置Ov[t22]、操作領域座標系ΣV[t22]、及び、操作領域V[t22]を設定する。
【0134】
また、時刻t22において、操作領域決定部115は、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r[t22](すなわち、ニュートラル領域RNの大きさ)を、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]に基づいて決定する。
なお、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径rは、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなるにしたがい大きくなる。
【0135】
例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに対する円BDnの半径rの比率がニュートラル領域RNの位置の修正前後で変化しないように、円BDnの半径rを決定する。この場合、特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]に対する円BDnの半径r[t22]の比率は、タッチ位置P[t18](更新前の特徴位置CPr)と特徴位置CPlとの距離DCP[t20]に対する円BDnの半径r[t20]の比率と、同じである。図14に示すニュートラル領域RN内の破線の円は、ニュートラル領域RNの大きさを一定にした場合のニュートラル領域RNを示す。特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])と特徴位置CPlとの距離DCP[t22]は、タッチ位置P[t18](更新前の特徴位置CPr)と特徴位置CPlとの距離DCP[t20]より大きい。このため、円BDnの半径r[t22]は、円BDnの半径r[t20]より大きい。
【0136】
図14に示す例では、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r(すなわち、ニュートラル領域RNの大きさ)が特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化するため、ニュートラル領域RNが大きくなり過ぎて操作性が低下することを抑止することができる。例えば、特徴位置CPとニュートラル領域RNとの距離Wnが距離DISに維持される図12に示した方法では、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなると、距離DCPに対する円BDnの半径rの比率も大きくなる。このため、図12に示した方法では、ニュートラル領域RNにタッチ位置Pを戻し易くなる一方で、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPが大きくなると、ニュートラル領域RNの大きさが操作性を低下させるほどの大きさになる場合がある。
【0137】
これに対し、図14に示す例では、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに対する円BDnの半径rの比率が所定の値に維持されるため、ニュートラル領域RNの大きさが操作性を低下させるほどの大きさになることを抑止することができる。この結果、図14に示す例では、ニュートラル領域RNが大きくなり過ぎて操作性が低下することを抑止することができる。
【0138】
なお、本変形例において、ニュートラル領域RNの大きさには、ニュートラル領域RNの大きさが操作性を低下させるほどの大きさになることを抑止するために、上限値が予め決められていてもよい。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて算出したニュートラル領域RNの大きさが予め決められた上限値を超える場合、ニュートラル領域RNの大きさを上限値に決定してもよい。
【0139】
また、本変形例において、ニュートラル領域RNの大きさには、ニュートラル領域RNの大きさが操作性を低下させるほどの大きさになることを抑止するために、下限値が予め決められていてもよい。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて算出したニュートラル領域RNの大きさが予め決められた下限値未満である場合、ニュートラル領域RNの大きさを下限値に決定してもよい。
【0140】
以上のように、本変形例において、操作領域決定部115は、特徴位置CPrと特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて、ニュートラル領域RNの大きさを決定する。このため、本変形例によれば、例えば、ニュートラル領域RNの大きさが固定されている場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0141】
[変形例2]
上述した実施形態において、ニュートラル領域RNの位置は、補正位置Mdを利用して決定されたが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて、ニュートラル領域RNの位置を決定してもよい。特徴位置CPr及び特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいてニュートラル領域RNの位置を決定する方法の一例を、図15を用いて説明するが、ニュートラル領域RNの位置を決定する方法は、図15に示す例に限定されない。
【0142】
図15は、変形例2に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。なお、図15は、変形例2に係るタッチ位置変化例の一例である。図15に示すタッチ位置変化例では、端末装置10は、操作領域座標系ΣVにおける特徴位置CPrのXv座標と、ニュートラル領域RNを規定する円BDnのXv軸との交点との差で表される距離Wxrを一定に維持するように、ニュートラル領域RNの位置を決定する。なお、以下では、時刻tにおける距離Wxrを距離Wxr[t]とも称する。また、操作領域座標系ΣVにおける特徴位置CPlのXv座標と、ニュートラル領域RNを規定する円BDnのXv軸との交点との差で表される距離Wxlと、距離Wxrとは、特に区別しない場合等では、距離Wxとも称される。図15に示す時刻t20における端末装置10の動作は、図12に示した動作と同じであるため、説明を省略する。また、図15に示す時刻t21における端末装置10の動作は、操作領域移動ベクトルVmdの算出方法を除いて、図12に示した動作と同じであるため、操作領域移動ベクトルVmdの算出方法を中心に説明する。図15に示す例においても、時刻t22は、時刻t21よりも後の時刻であるが、時刻t22は、時刻t21と同一の時刻であってもよい。
【0143】
時刻t21では、タッチ位置P[t21]が特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])よりも+Xv側に存在するため、特徴位置決定部114は、特徴位置CPrを、タッチ位置P[t18]からタッチ位置P[t21]に更新する。また、操作領域決定部115は、更新前の特徴位置CPr(タッチ位置P[t18])を起点とし、更新後の特徴位置CPr(タッチ位置P[t21])を終点とするベクトルのうち、Xv成分のみを取り出したベクトルを、操作領域移動ベクトルVmd[t21]として定める。
【0144】
そして、時刻t22において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t21]、操作領域座標系ΣV[t21]、及び、操作領域V[t21]を、操作領域移動ベクトルVmd[t21]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t22]、操作領域座標系ΣV[t22]、及び、操作領域V[t22]を設定する。この結果、ニュートラル領域RNの位置を移動した後の距離Wxr[t22]は、ニュートラル領域RNの位置を移動する前の距離Wxr[t20]と同じ距離DISxに維持される。すなわち、操作領域決定部115は、更新後の特徴位置CP及びニュートラル領域RNにより決まる距離Wxを所定の距離DISxに維持するように、ニュートラル領域RN及び操作領域V等を設定する。
【0145】
図15に示す例では、更新前の特徴位置CPrを起点とし、更新後の特徴位置CPrを終点とするベクトルのうちのXv成分のみを取り出した操作領域移動ベクトルVmdに対応する移動量だけニュートラル領域RNが移動するため、ニュートラル領域RNの中心は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの中点(図15の破線の×印)と一致しない。すなわち、ニュートラル領域RNの中心は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの中点(図15の破線の×印)と一致しなくてもよい。以下では、更新前の特徴位置CPを起点とし、更新後の特徴位置CPを終点とするベクトルは、特徴位置CPの移動ベクトルとも称される。
【0146】
なお、ニュートラル領域RNの位置の決定に補正位置Mdを利用しない場合においても、ニュートラル領域RNの中心を、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの中点(図15の破線の×印)に一致させてもよい。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPrの移動ベクトルのXv成分及びYv成分をそれぞれ2分の1にしたベクトルを、操作領域移動ベクトルVmd[t21]として定めてもよい。
【0147】
また、操作領域決定部115は、特徴位置CPrの移動ベクトルを、操作領域移動ベクトルVmd[t21]として定めてもよい。この場合、特徴位置CPrとニュートラル領域RNとの位置関係は、ニュートラル領域RNの位置の修正前後で維持される。また、操作領域決定部115は、ニュートラル領域RNの大きさを調整してもよい。例えば、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの中点がニュートラル領域RN外にならないように、ニュートラル領域RNの大きさを調整してもよい。
【0148】
また、操作領域決定部115は、特徴位置CP及びニュートラル領域RNにより決まる距離Wxを、図13に示した例と同様に、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化させてもよい。この場合、操作領域移動ベクトルVmdの大きさは、例えば、特徴位置CPの移動ベクトルのXv成分の大きさより小さくなる。操作領域決定部115は、距離Wxを距離DCPに応じて変化させる場合、ニュートラル領域RNを規定する円BDnの半径r(ニュートラル領域RNの大きさ)を、所定の大きさに維持してもよいし、特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化させてもよい。操作領域決定部115は、距離Wx及び円BDnの半径rを特徴位置CPrと特徴位置CPlとの距離DCPに応じて変化させる場合、例えば、円BDnの半径rの増加量を、特徴位置CPの移動ベクトルのXv成分の大きさから操作領域移動ベクトルVmdの大きさを引いた値を超えない範囲に設定する。
【0149】
以上のように、本変形例において、操作領域決定部115は、補正位置Mdを算出することなく、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの少なくとも一方に基づいて、ニュートラル領域RNの位置を決定する。従って、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例1と同様に、例えば、タッチパネル1002においてニュートラル領域RNの位置が固定されている場合と比較して、タッチ位置Pのずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。また、本変形例では、補正位置Mdを算出しないため、補正位置Mdを算出する場合に比べて、処理を簡易にすることが可能となる。
【0150】
[変形例3]
上述した実施形態において、特徴位置決定部114は、入力領域RDrに存在するタッチ位置Pに基づく特徴位置CPrと、入力領域RDlに存在するタッチ位置Pに基づく特徴位置CPlとを決定し、また、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、+Xv方向及び−Xv方向を含むXv軸方向における操作領域Vの位置と、+Yv方向及び−Yv方向を含むYv軸方向における操作領域Vの位置と、を定めるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0151】
詳細は後述する図16及び図17で説明するが、例えば、特徴位置決定部114は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに加えて、入力領域RDuに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPuを決定し、入力領域RDdに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPdを決定してもよい。なお、特徴位置CPr、特徴位置CPl、特徴位置CPu及び特徴位置CPdは、特に区別しない場合等では、特徴位置CPとも称される。
【0152】
例えば、特徴位置決定部114は、入力領域RDu内の最新のタッチ位置Pに基づく位置を特徴位置CPuとして特定するか現状の特徴位置CPuを更新せずに維持するかをタッチ位置Pに基づいて判定し、判定結果に従って特徴位置CPuを決定してもよい。また、特徴位置決定部114は、入力領域RDd内の最新のタッチ位置Pに基づく位置を特徴位置CPdとして特定するか現状の特徴位置CPdを更新せずに維持するかをタッチ位置Pに基づいて判定し、判定結果に従って特徴位置CPdを決定してもよい。以下では、特徴位置CPuを更新するかの条件は、第3特定条件とも称され、特徴位置CPdを更新するかの条件は、第4特定条件とも称される。
【0153】
具体的には、特徴位置決定部114は、タッチ位置Pが入力領域RDuに存在する入力領域タッチ期間TRuのうち、一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRuが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pの中で、最も+Yv側に位置するという条件(「第3特定条件」の一例)を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPuとして特定してもよい。
【0154】
また、特徴位置決定部114は、タッチ位置Pが入力領域RDdに存在する入力領域タッチ期間TRdのうち、一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRdが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pの中で、最も−Yv側に位置するという条件(「第4特定条件」の一例)を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPdとして特定してもよい。
【0155】
そして、この場合、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、Xv軸方向における操作領域Vの位置を定め、また、特徴位置CPu及び特徴位置CPdに基づいて、Yv軸方向における操作領域Vの位置を定めてもよい。
なお、以下では、第1特定条件、第2特定条件、第3特定条件、及び、第4特定条件を、特徴位置特定条件と総称する場合がある。図16及び図17を参照して、本変形例に係るタッチ位置変化例を説明する。
【0156】
図16は、変形例3に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。なお、図16は、変形例3に係るタッチ位置変化例の一例である。図16に示すタッチ位置変化例は、Xv軸方向における操作領域Vの位置を定める場合の端末装置10の動作の一例を示す。なお、本変形例に係るタッチ位置変化例のうち、時刻t0から時刻t4までの期間は、図7及び図8に示した実施形態に係るタッチ位置変化例と同様であることとする。また、図16に示す時刻t5における端末装置10の動作は、操作領域移動ベクトルVmdの算出方法を除いて、図8に示した動作と同じである。このため、時刻t5における端末装置10の動作については、操作領域移動ベクトルVmdの算出方法を中心に説明する。
【0157】
時刻t4から時刻t5にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDr内のタッチ位置P[t4]から入力領域RDl内のタッチ位置P[t5]に向かって移動する。そして、時刻t5において、タッチ位置Pが入力領域RDlに侵入し、入力領域タッチ期間TRlが開始される。時刻t5において開始された入力領域タッチ期間TRlの中で、タッチ位置P[t5]が、基準位置Ovから−Xv方向に対して最も離れた位置となる。このため、時刻t5において、特徴位置決定部114は、タッチ位置P[t5]を特徴位置CPlに決定する。
【0158】
また、時刻t5において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlの中点を、補正位置Md[t5]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t5]を起点とし、補正位置Md[t5]を終点とするベクトルのうち、Xv成分のみを取り出したベクトルを、操作領域移動ベクトルVmd[t5]として定める。
【0159】
そして、時刻t6において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t5]、操作領域座標系ΣV[t5]、及び、操作領域V[t5]を、操作領域移動ベクトルVmd[t5]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t6]、操作領域座標系ΣV[t6]、及び、操作領域V[t6]を設定する。すなわち、操作領域決定部115は、操作領域移動ベクトルVmd[t5]に対応する移動量だけニュートラル領域RNを移動させる。なお、本変形例に係るタッチ位置変化例では、時刻t6は、時刻t5よりも後の時刻であるが、時刻t6は、時刻t5と同一の時刻であってもよい。次に、図17を参照して、図16に示した動作の続きを説明する。
【0160】
図17は、変形例3に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。なお、図17は、変形例3に係るタッチ位置変化例の一例である。図17に示すタッチ位置変化例は、Yv軸方向における操作領域Vの位置を定める場合の端末装置10の動作の一例を示す。
【0161】
時刻t6から時刻t7にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDl内のタッチ位置P[t5]から入力領域RDu内のタッチ位置P[t7]に向かって移動する。そして、時刻t7において、タッチ位置Pが入力領域RDuに侵入し、入力領域タッチ期間TRuが開始される。時刻t7において開始された入力領域タッチ期間TRuの中で、タッチ位置P[t7]が、基準位置Ovから+Yv方向に対して最も離れた位置となる。このため、時刻t7において、特徴位置決定部114は、タッチ位置P[t7]を特徴位置CPuに決定する。
【0162】
その後、時刻t7から時刻t8にかけて、タッチ位置Pは、入力領域RDu内のタッチ位置P[t7]から入力領域RDd内のタッチ位置P[t8]に移動する。入力領域タッチ期間TRuは、時刻t7から時刻t8の間の時刻(タッチ位置Pが入力領域RDlに侵入した時刻)に終了する。そして、入力領域タッチ期間TRdが、時刻t7から時刻t8の間の時刻(タッチ位置Pが入力領域RDdに侵入した時刻)に開始される。
【0163】
時刻t8では、入力領域タッチ期間TRdの中で、タッチ位置P[t8]が、基準位置Ovから−Yv方向に対して最も離れた位置となる。このため、時刻t8において、特徴位置決定部114は、タッチ位置P[t8]を特徴位置CPdに決定する。
【0164】
また、時刻t8において、操作領域決定部115は、特徴位置CPu及び特徴位置CPdの中点を、補正位置Md[t8]として定める。また、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t8]を起点とし、補正位置Md[t8]を終点とするベクトルのうち、Yv成分のみを取り出したベクトルを、操作領域移動ベクトルVmd[t8]として定める。
【0165】
そして、時刻t9において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t8]、操作領域座標系ΣV[t8]、及び、操作領域V[t8]を、操作領域移動ベクトルVmd[t8]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t9]、操作領域座標系ΣV[t9]、及び、操作領域V[t9]を設定する。すなわち、操作領域決定部115は、操作領域移動ベクトルVmd[t8]に対応する移動量だけニュートラル領域RNを移動させる。なお、本変形例に係るタッチ位置変化例では、時刻t9は、時刻t8よりも後の時刻であるが、時刻t9は、時刻t8と同一の時刻であってもよい。
【0166】
なお、本変形例においても、操作領域決定部115は、上述した変形例1と同様の方法で、ニュートラル領域RNの大きさを、特徴位置CPrと特徴位置CPlとのXv軸方向における距離、又は、特徴位置CPuと特徴位置CPdとのYv軸方向における距離に応じて変更してもよい。ニュートラル領域RNの大きさの伸縮率がXv軸方向とYv軸方向とで異なる場合、ニュートラル領域RNの形状は、楕円形になる。また、ニュートラル領域RNのYv軸方向における位置の調整は、実行されなくてもよい。すなわち、ニュートラル領域RNのYv軸方向における位置は固定されていてもよい。
【0167】
以上のように、本変形例において、操作領域決定部115は、入力領域RDr及び入力領域RDlに存在するタッチ位置Pに基づいて、ニュートラル領域RNのXv軸方向における位置を決定し、入力領域RDu及び入力領域RDdに存在するタッチ位置Pに基づいて、ニュートラル領域RNのYv軸方向における位置を決定する。このため、本実施形態によれば、例えば、タッチパネル1002においてニュートラル領域RNの位置が固定されている場合と比較して、タッチ位置Pのずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0168】
[変形例4]
上述した実施形態において、タッチパネル座標系ΣSに対する操作領域座標系ΣVの傾きは変化しないが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、操作領域決定部115は、複数の特徴位置CPに基づいて、タッチパネル座標系ΣSに対する操作領域座標系ΣVの傾きを変化させてもよい。より具体的には、操作領域決定部115は、特徴位置決定部114が特徴位置CPr及び特徴位置CPlを決定した場合、基準位置Ovから特徴位置CPrに向かう方向を、+Xv方向として決定し、基準位置Ovから特徴位置CPlに向かう方向を、−Xv方向として決定することで、操作領域座標系ΣVを設定してもよい。
【0169】
図18は、変形例4に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。なお、図18は、変形例4に係るタッチ位置変化例の一例である。図18に示すタッチ位置変化例は、タッチパネル座標系ΣSに対する操作領域座標系ΣVの傾きを変化させる場合の端末装置10の動作の一例を示す。なお、本変形例に係るタッチ位置変化例のうち、時刻t0から時刻t4までの期間は、図7及び図8に示した実施形態に係るタッチ位置変化例と同様であることとする。また、図18に示す時刻t5における端末装置10の動作は、図8に示した動作と同じであるため、説明を省略する。
【0170】
時刻t6において、操作領域決定部115は、基準位置Ov[t5]、操作領域座標系ΣV[t5]、及び、操作領域V[t5]を、操作領域移動ベクトルVmd[t5]に対応する移動量だけ移動させることで、基準位置Ov[t6]、操作領域座標系ΣV[t6]、及び、操作領域V[t6]を設定する。より具体的には、操作領域決定部115は、時刻t5から時刻t6にかけて、基準位置Ov[t6]が補正位置Md[t5]と一致するように、基準位置Ovを移動させる。
【0171】
その後、時刻t7において、操作領域決定部115は、補正位置Md[t5]から特徴位置CPrに向かう方向を、+Xv方向として定め、補正位置Md[t5]から入力領域RDuに向かう方向であって、補正位置Md[t5]から特徴位置CPrに向かう方向に直交する方向を、+Yv方向として定めることで、操作領域座標系ΣV[t7]を設定する。この結果、図18に示す例では、操作領域座標系ΣV[t7]の有するXv軸及びYv軸は、操作領域座標系ΣV[t6]の有するXv軸及びYv軸に対して、角度γだけ傾く。また、操作領域決定部115は、時刻t7において、操作領域座標系ΣV[t7]に基づく位置に、ニュートラル領域RN、入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdを設定する。
【0172】
具体的には、時刻t7において、操作領域決定部115は、基準位置Ovを中心とするニュートラル領域RNを設定し、ニュートラル領域RNよりも+Xv方向に入力領域RDrを設定し、ニュートラル領域RNよりも−Xv方向に入力領域RDlを設定し、ニュートラル領域RNよりも+Yv方向に入力領域RDuを設定し、ニュートラル領域RNよりも−Yv方向に入力領域RDdを設定する。なお、本変形例に係るタッチ位置変化例では、時刻t6及び時刻t7は、時刻t5よりも後の時刻であるが、時刻t6及び時刻t7は、時刻t5と同一の時刻であってもよい。
【0173】
以上のように、本変形例において、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて、操作領域座標系ΣVの有するXv軸及びYv軸の傾きを決定する。このため、本変形例によれば、例えば、タッチパネル1002において操作領域座標系ΣVの傾きが固定されている態様と比較して、タッチ位置Pのずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0174】
[変形例5]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例4において、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRの中で、タッチ位置Pが、特徴位置特定条件を充足する場合に、当該タッチ位置Pを、特徴位置CPとして特定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRにおいてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pのうち、一部または全部のタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPを決定してもよい。
【0175】
図19は、変形例5に係る端末装置10の動作の一例を示す説明図である。例えば、特徴位置決定部114は、タッチ位置情報取得部113が入力領域タッチ期間TRrにおいて取得した3つのタッチ位置情報が、タッチ位置P[t2]、P[t3]、及び、P[t4]を示す場合、当該3つのタッチ位置P[t2]、P[t3]、及び、P[t4]の平均位置を、特徴位置CPrとして決定してもよい。
【0176】
なお、例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRにおいてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pのうち、最後に取得されたタッチ位置情報の示すタッチ位置Pを、特徴位置CPとして特定してもよい。具体的には、図19に示す例において、特徴位置決定部114は、タッチ位置情報取得部113が入力領域タッチ期間TRrにおいて取得した3つのタッチ位置情報が、タッチ位置P[t2]、P[t3]、及び、P[t4]を示す場合、最後に取得されたタッチ位置情報に対応するタッチ位置P[t4]を、特徴位置CPrとして決定してもよい。
【0177】
また、例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRにおいてタッチ位置情報取得部113が取得した複数のタッチ位置情報の示す複数のタッチ位置Pのうち、所定時間以上に亘り略同じ位置に存在する2以上のタッチ位置Pが存在する場合、当該2以上のタッチ位置Pを、特徴位置CPとして決定してもよい。ここで、「一のタッチ位置Pと他のタッチ位置Pとが略同じ位置に存在する」とは、例えば、一のタッチ位置Pと他のタッチ位置Pとが同一の位置に存在することであってもよいし、一のタッチ位置Pと他のタッチ位置Pとの間隔が所定の距離以下であることであってもよい。
【0178】
一般的に、タッチ位置Pが入力領域RDにおいて略同じ位置を維持する場合、当該タッチをしたユーザが、当該入力領域RDをタッチする意思を有している可能性が高く、当該タッチが誤入力ではない可能性が高い。このため、入力領域RDにおいて所定時間以上に亘り略同じ位置に存在する2以上のタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPを決定する態様によれば、ユーザの意思に反した位置にニュートラル領域RN及び入力領域RDが設定されることを防止することができる。
【0179】
[変形例6]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例5では、操作領域Vが、円形である場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、図20に示すように、タッチパネル1002の画面左半分が操作領域Vでもよい。
【0180】
図20は、変形例6に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。図20の線分BDcは、タッチパネル1002の画面左半分と画面右半分との境界を示す。また、図20に示す線分BDrdは、図1に示した線分BDrdをタッチパネル1002の下辺まで延在した線分であり、図20に示す線分BDurは、図1に示した線分BDurを線分BDcまで延在した線分である。また、図20に示す線分BDdlは、図1に示した線分BDdlをタッチパネル1002の下辺まで延在した線分であり、図20に示す線分BDluは、図1に示した線分BDluをタッチパネル1002の左辺まで延在した線分である。
【0181】
図20に示す例では、操作領域決定部115は、線分BDrdと線分BDurとタッチパネル1002の下辺と線分BDcとの間の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDrとして設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDdlと線分BDluとタッチパネル1002の下辺とタッチパネル1002の左辺との間の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDlとして設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDurと線分BDluとタッチパネル1002の左辺とタッチパネル1002の上辺との間の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDuとして設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDrdと線分BDdlとタッチパネル1002の下辺との間の領域のうち、ニュートラル領域RNを除く領域を、入力領域RDdとして設定する。
【0182】
[変形例7]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例5では、入力領域RDが、扇形の領域から円形のニュートラル領域RNを除いた領域である場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。入力領域RDは、例えば、図21に示すように、楕円形の領域であってもよいし、または、多角形の領域であってもよい。
【0183】
図21は、変形例7に係るニュートラル領域RN及び入力領域RDの一例を示す説明図である。図21に示す例では、操作領域決定部115は、線分BDrdと線分BDurと円BDvとの間の扇形の領域内に、楕円形の入力領域RDrを設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDdlと線分BDluと円BDvとの間の扇形の領域内に、楕円形の入力領域RDlを設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDurと線分BDluと円BDvとの間の扇形の領域内に、楕円形の入力領域RDuを設定する。また、操作領域決定部115は、線分BDrdと線分BDdlと円BDvとの間の扇形の領域内に、楕円形の入力領域RDdを設定する。そして、操作領域決定部115は、タッチパネル1002の入力領域RD以外の領域の全部又は一部を、ニュートラル領域RNに設定する。なお、タッチパネル1002の入力領域RD以外の領域の一部がニュートラル領域RNに設定される場合でも、ニュートラル領域RNは、入力領域RDrと入力領域RDlとの間の領域を含むように設定される。
【0184】
[変形例8]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例7では、入力領域RDrに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPrが決定され、入力領域RDlに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPlが決定される場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、図22に示すように、特徴位置決定部114は、入力領域RDrを含む第1方向領域RRに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPrを決定し、入力領域RDlを含む第2方向領域RLに存在するタッチ位置Pに基づいて特徴位置CPlを決定してもよい。
【0185】
図22は、変形例8に係る方向領域の一例を示す説明図である。図22の入力領域RDuAは、入力領域RDuのうち、Yv軸より+Xv方向の領域を示し、入力領域RDuBは、入力領域RDuのうち、Yv軸より−Xv方向の領域を示し、入力領域RDdAは、入力領域RDdのうち、Yv軸より+Xv方向の領域を示し、入力領域RDdBは、入力領域RDdのうち、Yv軸より−Xv方向の領域を示す。第1方向領域RRは、入力領域RDr、入力領域RDuA及び入力領域RDdAを含み、第2方向領域RLは、入力領域RDl、入力領域RDuB及び入力領域RDdBを含む。
【0186】
[変形例9]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例8では、入力領域RDは、所定のゲームに係る単一の方向の指示を入力するための領域であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。各入力領域RDは、例えば、図23に示すように、K個の方向の指示を入力するためのK個のサブ領域を含んでいてもよい(Kは、2以上の自然数)。
【0187】
図23は、変形例9に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。図23に示す例では、各入力領域RDは、3個の方向の指示を入力するための3個のサブ領域を含んでいる。例えば、入力領域RDrは、サブ領域RDr1、RDr2及びRDr3を含み、入力領域RDlは、サブ領域RDl1、RDl2及びRDl3を含み、入力領域RDuは、サブ領域RDu1、RDu2及びRDu3を含み、入力領域RDdは、サブ領域RDd1、RDd2及びRDd3を含む。
【0188】
[変形例10]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例9では、操作領域Vが、4個の入力領域RDr、RDl、RDu及びRDdを含む場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、操作領域Vは、M個の入力領域RDを含んでいればよい(Mは、2以上の自然数)。
【0189】
図24は、変形例10に係る操作領域Vの一例を示す説明図である。図24に示す例では、操作領域Vは、12個の入力領域RDを含んでいる。例えば、操作領域Vは、入力領域RDru、RDr、RDrd、RDdr、RDd、RDdl、RDld、RDl、RDlu、RDul、RDu及びRDurを含む。なお、入力領域RDr及び入力領域RDlは、基準位置Ovを挟んで対称の位置に設けられてもよい。変形例10においても、ニュートラル領域RNは、入力領域RDrと入力領域RDlとの間に配置される。
【0190】
[変形例11]
上述した実施形態、変形例1乃至変形例4、及び変形例6乃至変形例10において、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRの中で、タッチ位置Pが、基準位置Ovから入力領域RDを示す方向において、基準位置Ovから最も離れた位置であるという特徴位置特定条件を充足する場合に、当該タッチ位置Pを、特徴位置CPとして特定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRのうち一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pに基づいて定められる参照位置よりも、基準位置Ovから入力領域RDを示す方向において、基準位置Ovよりも離れているという条件を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPとして特定してもよい。
【0191】
具体的には、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRrのうち一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRrが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pに基づいて定められる第1の参照位置よりも、+Xv方向に位置するという条件(「第1特定条件」の他の例)を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPrに決定してもよい。
【0192】
また、特徴位置決定部114は、入力領域タッチ期間TRlのうち一の時刻においてタッチ位置情報取得部113が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置Pが、入力領域タッチ期間TRlが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pに基づいて定められる第2の参照位置よりも、−Xv方向に位置するという条件(「第2特定条件」の他の例)を充足する場合に、当該一の時刻に対応するタッチ位置Pを、特徴位置CPlに決定してもよい。
【0193】
なお、参照位置とは、例えば、入力領域タッチ期間TRが開始された時刻から一の時刻までの期間においてタッチ位置情報取得部113が取得した1または複数のタッチ位置情報の示す1または複数のタッチ位置Pの平均位置又は重心位置であってもよいし、または、当該1または複数のタッチ位置Pの一部のタッチ位置Pの中で、基準位置Ovから入力領域RDを示す方向において、基準位置Ovから最も離れているタッチ位置Pであってもよい。
【0194】
[変形例12]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例11において、基準位置Ovから入力領域RDrを示す第1の方向と、基準位置Ovから入力領域RDlを示す第2の方向とは、反対の方向であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、第1の方向と、第2の方向とのなす角は、0度より大きく180度より小さい角度であってもよい。
【0195】
[変形例13]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例12において、入力領域RDは、キャラクタCRの顔が向く方向の指示を入力するための領域であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。入力領域RDは、所定のゲームに係る指示を入力するための領域であってもよい。例えば、入力領域RDrは、所定のゲームにおいて、キャラクタCRによる攻撃の指示(「第1の指示」の一例)を入力するための領域であり、入力領域RDlは、所定のゲームにおいて、キャラクタCRによる防御の指示(「第2の指示」の一例)を入力するための領域であってもよい。また、例えば、入力領域RDは、タッチパネル座標系ΣSまたは仮想空間SPにおける、キャラクタCRの移動方向の指示を入力するための領域であってもよい。具体的には、例えば、入力領域RDrは、キャラクタCRを、タッチパネル座標系ΣSまたは仮想空間SPにおける一の方向に移動させる旨の指示を入力するための領域であり、また、入力領域RDlは、キャラクタCRを、タッチパネル座標系ΣSまたは仮想空間SPにおける他の方向に移動させる旨の指示を入力するための領域であってもよい。
【0196】
[変形例14]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例13では、プログラムとして、所定のゲームに係るプログラムを例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。プログラムは、任意のアプリケーションに係るプログラムであってもよい。また、この場合、第1の指示は、任意のアプリケーションに係る指示であればよく、第2の指示は、任意のアプリケーションに係る指示であって第1の指示とは異なる指示であればよい。
【0197】
[変形例15]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例14において、タッチ位置Pが一の入力領域RDからニュートラル領域RNに移動した後に他の入力領域RDに侵入することなく一の入力領域RDに再侵入する場合、一の入力領域タッチ期間TRの終了時における特徴位置CPの決定結果は破棄されないが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、タッチ位置Pが一の入力領域RDからニュートラル領域RNに移動した後に他の入力領域RDに侵入することなく一の入力領域RDに再侵入した場合、一の入力領域タッチ期間TRの終了時における特徴位置CPの決定結果は、破棄されてもよい。具体的には、特徴位置決定部114は、一の入力領域RDへのタッチ位置Pの再侵入により開始された入力領域タッチ期間TRにおいて、一の入力領域タッチ期間TRの終了時における特徴位置CPの決定結果を破棄するとともに、新たに特徴位置CPを決定してもよい。
【0198】
[変形例16]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例15では、特徴位置CPの初期値が特に決められていない場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、各入力領域RDの特徴位置CPの初期値は決められていてもよい。具体的には、特徴位置決定部114は、所定のゲームの起動時に、ニュートラル領域RNから+Xv方向に所定の距離(例えば、距離DIS)だけ離れた位置を特徴位置CPrの初期値として設定し、ニュートラル領域RNから−Xv方向に所定の距離(例えば、距離DIS)だけ離れた位置を特徴位置CPlの初期値として設定てもよい。
【0199】
[変形例17]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例16において、操作領域決定部115は、所定のゲームの起動時にタッチパネル1002上の所定の位置に操作領域Vを設定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、操作領域決定部115は、タッチインが発生する度に、タッチパネル1002における指FGのタッチ位置Pを基準位置Ovとして設定し、当該基準位置Ovに基づく位置に対して操作領域Vを設定してもよい。この場合、端末装置10は、ユーザの指FGがタッチパネル1002に対する接触を維持している期間であるタッチ期間において、タッチパネル1002において操作領域Vが設定された状態を維持する。そして、端末装置10は、ユーザの指FGがタッチパネル1002に対して接触している状態から、接触していない状態に変化した場合、タッチパネル1002に設定されていた操作領域Vを消滅させる。
【0200】
[変形例18]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例17において、操作領域決定部115は、基準位置Ovをタッチパネル1002上で特徴位置CPに応じて自由に移動させるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、基準位置Ovの移動範囲は、所定の範囲(例えば、図25に示す四角形BDqで規定される範囲)に制限されてもよい。
【0201】
図25は、変形例18に係る端末装置10の動作の一例を説明するための説明図である。図25に示す例では、基準位置Ovの移動範囲は、四角形BDqで規定される範囲(予め設定された範囲)に制限される。より具体的には、操作領域決定部115は、特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて算出した基準位置Ovが四角形BDqの外側に存在するような場合に、基準位置Ovを四角形BDqの内側に定め、基準位置Ovが四角形BDqの外周を超えて移動しないようにする。
特徴位置CPr及び特徴位置CPlに基づいて算出した基準位置Ovが四角形BDqの外側に存在するような場合は、ユーザの指FGがユーザの意図する位置とかけ離れた位置にタッチされた誤入力(例えば、電車の振動による指FGの位置の一時的なずれ等)の可能性が高い。変形例18では、基準位置Ovの移動範囲に制限を設けているため、入力領域RD及びニュートラル領域RNが、タッチパネル1002上において上や右に大きく移動することを抑止できる。この結果、変形例18では、基準位置Ovの移動範囲が制限されない場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0202】
[変形例19]
上述した実施形態及び変形例1乃至変形例18において、所定のゲームは、端末装置10において実行されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。所定のゲームは、端末装置10以外の構成要素において実行されてもよい。
【0203】
図26は、変形例19に係る情報処理システムSYSの概要を示す説明図である。情報処理システムSYSは、サーバ装置30Aと、端末装置10Aと、を備える。サーバ装置30Aは、所定のゲームを実行することができ、また、ネットワークNWを介して端末装置10Aと通信可能である。
具体的には、サーバ装置30Aは、サーバ装置30Aの各部を制御する制御部11と、所定のゲームに係るプログラム等の各種情報を記憶する記憶部31と、端末装置10A等の外部装置との間の通信を実行するための通信部32と、を備える。また、端末装置10Aは、表示部12、入力部13、及び、振動発生部15に加えて、サーバ装置30A等の外部装置との間の通信を実行するための通信部16と、を備える。なお、表示部12及び入力部13は、上述したタッチパネル1002として実装される。
サーバ装置30Aは、端末装置10Aの入力部13から入力される情報に基づいて表示情報を生成する。また、端末装置10Aの有する表示部12は、サーバ装置30Aにおいて生成される表示情報に基づいて、所定のゲームに関する画像を表示する。
【0204】
[C.付記]
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0205】
[付記1]
本発明の一態様に係るプログラムは、プロセッサを、タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、ゲームに係る第1の操作方向の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、前記ゲームに係る第2の操作方向の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が決定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【0206】
この態様において、特徴位置決定部は、第1領域におけるタッチ位置に基づく位置である第1の特徴位置と、第2領域におけるタッチ位置に基づく位置である第2の特徴位置(以下、第1の特徴位置及び第2の特徴位置を、「特徴位置」と総称する場合がある)と、に基づいて、第1領域と第2領域との間に配置され、ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を決定する。従って、この態様において、特徴位置決定部は、第1領域又は第2領域におけるタッチ位置が徐々にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第3領域の位置を修正することが可能となる。このため、この態様によれば、例えば、第3領域の位置が固定されている場合と比較して、タッチパネルへのタッチ位置のずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0207】
ところで、1つの特徴位置に基づいて、第3領域の位置を定める態様(以下、当該態様を、「対比例」と称する)も考えられる。具体的には、対比例では、一例として、1つの特徴位置に対応する位置に、第1領域の中心位置または重心等の、第1領域の代表となる位置である第1代表位置を決定し、また、第1代表位置に対応する位置に、第2領域の中心位置または重心等の、第2領域の代表となる位置である第2代表位置を決定する(以下、第1代表位置及び第2代表位置を、「代表位置」と総称する場合がある)。例えば、対比例では、1つの特徴位置を、第1代表位置として決定し、また、第1代表位置と所定の位置関係を有する位置を、第2代表位置として決定し、第1代表位置と第2代表位置との間の位置を第3領域の中心位置として決定する。すなわち、対比例においては、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との相対的な位置関係、または、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との間隔を、調整することはできない。換言すれば、対比例は、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との相対的な位置関係が所定の位置関係に維持されるという制約、または、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との間隔が所定の間隔に維持されるという制約の下で、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を決定するものに過ぎない。
【0208】
他方、例えば、ユーザが指によりタッチパネルをタッチする場合、ユーザの指の大きさ及び形状は、ユーザ毎に異なる。また、例えば、ユーザが指によりタッチパネルをタッチする場合、ユーザが指をタッチパネルにタッチさせる際の圧力、タッチパネルに対する指の傾き、及び、指の動かし方等も、ユーザ毎に異なる。このように、ユーザが指によりタッチパネルをタッチする場合、当該タッチの態様は、ユーザ毎に異なる。このため、ユーザが指によりタッチパネルをタッチする場合、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との相対的な位置関係、及び、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との間隔も、ユーザ毎に異なることになる。従って、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作における操作性を良好に保つためには、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との相対的な位置関係、及び、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との間隔を、ユーザ毎のタッチの態様に応じて調整することが好ましい。
【0209】
しかし、対比例では、上述のとおり、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との相対的な位置関係、または、各特徴位置と第1領域及び第2領域の各々の代表位置との間隔を、調整することが困難である。このため、対比例では、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、操作方向の指示の入力を行わない場合における、操作性を良好に保つことは難しい。
【0210】
これに対して、本態様によれば、特徴位置決定部が、第1の特徴位置及び第2の特徴位置を用いて、第1領域と第2領域との間に配置される第3領域の位置を決定する。そして、一般的に、第1の特徴位置と第2の特徴位置との相対的な位置関係、及び、第1の特徴位置と第2の特徴位置との間隔は、ユーザ毎のタッチの態様に応じて定められる可能性が高い。このため、本態様によれば、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、操作方向の指示の入力を行わない場合における操作性を、対比例と比較して良好に保つことが可能となる。
【0211】
なお、上記態様において、「ゲームに係る第1の操作方向」とは、「ゲームに係る操作方向」の一例である。「ゲームに係る操作方向」とは、例えば、ゲームに係る仮想空間における方向であってもよいし、ゲームに係る画面における方向であってもよい。「ゲームに係る仮想空間における方向」とは、例えば、ゲームに係る仮想空間におけるゲーム要素の位置及び姿勢の一方または両方の変化の方向である。ここで、「ゲーム要素」とは、例えば、ゲームに係る仮想空間に存在する仮想的な物体であってもよいし、ゲームに係る仮想空間を撮像する仮想カメラであってもよい。このうち、「ゲームに係る仮想空間に存在する仮想的な物体」とは、例えば、ゲームに係るキャラクタ、及び、ゲームに係るオブジェクトを含む概念であってもよい。「ゲームに係る画面における方向」とは、例えば、ゲームに係る画面において表示される仮想的な物体を示す画像の、当該画面における位置及び姿勢の一方または両方の変化の方向でもよいし、ゲームに係るメニュー画面において表示されるポインタ等の、ゲームの進行に関係しないゲーム要素を示す画像の、当該メニュー画面における移動方向でもよい。
【0212】
また、上記態様において、「ゲームに係る第2の操作方向」とは、「ゲームに係る操作方向」の他の例である。ここで、「第2の操作方向」は、第1の操作方向とは異なる方向である。「第2の操作方向」は、例えば、第1の操作方向とは反対の方向であってもよい。
【0213】
また、上記態様において、「第1領域」とは、例えば、ゲームに係る第1の操作方向の指示の入力のために、タッチパネルにおいて視認可能な態様で設けられた領域であってもよいし、ゲームに係る第1の操作方向の指示の入力のために、タッチパネルにおいて視認されない態様で設けられた仮想的な領域であってもよい。「第2領域」とは、例えば、第1領域とは異なる領域であって、ゲームに係る第2の操作方向の指示の入力のために、タッチパネルにおいて視認可能な態様で設けられた領域であってもよいし、第1領域とは異なる領域であって、ゲームに係る第2の操作方向の指示の入力のために、タッチパネルにおいて視認されない態様で設けられた仮想的な領域であってもよい。「第3領域」とは、例えば、ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない領域であって、タッチパネルにおいて視認可能な態様で第1領域及び第2領域との間に設けられた領域であってもよいし、タッチパネルにおいて視認されない態様で第1領域及び第2領域との間に設けられた領域であってもよい。また、ゲームに係る処理に着目した場合、「第3領域に指がタッチしている状態」は、「タッチパネルから指が離れている状態」と同様な状態である。なお、「第1領域と第2領域との間に配置される第3領域」の状態は、第1領域内と第2領域内とに端点を有し、第3領域を通過する直線を引くことができる位置関係に第1領域、第2領域及び第3領域が配置されている状態である。
【0214】
また、上記態様において、「タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定」とは、例えば、第1領域が、第2領域よりも第1の方向に位置する場合に、タッチ位置情報の示すタッチ位置が第1領域に存在する期間の中で、第1の方向において第2領域から最も離れたタッチ位置に基づく位置を第1の特徴位置にする決定であってもよい。ここで、「タッチ位置に基づく位置」とは、例えば、タッチ位置と同一の位置であってもよいし、タッチ位置と所定の距離以下の位置であってもよい。また、「タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定」とは、タッチ位置情報の示すタッチ位置が第1領域に存在する期間の中で、第1の方向において第2領域から最も離れたタッチ位置でない場合に、現状の第1の特徴位置を維持する決定であってもよい。
あるいは、「タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定」とは、例えば、タッチ位置情報の示すタッチ位置が、第1領域において、所定時間以上に亘り略同じ位置である場合に、所定時間以上に亘り略同じ位置にあるタッチ位置に基づく位置を第1の特徴位置にする決定であってもよい。ここで、ある位置と他の位置とが「略同じ位置」であるとは、例えば、ある位置と他の位置とが同一の位置であってもよいし、ある位置と他の位置とが所定の距離以下であるという位置関係を有することであってもよい。また、「タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定」とは、タッチ位置情報の示すタッチ位置が、第1領域において、略同じ位置に留まっている時間が所定時間未満の場合に、現状の第1の特徴位置を維持する決定であってもよい。
「タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定」とは、例えば、第2領域が、第1領域よりも第2の方向に位置する場合に、タッチ位置情報の示すタッチ位置が第2領域に存在する期間の中で、第2の方向において第1領域から最も離れたタッチ位置に基づく位置を第2の特徴位置にする決定であってもよい。また、「タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定」とは、例えば、タッチ位置情報の示すタッチ位置が、第2領域において、所定時間以上に亘り略同じ位置である場合に、所定時間以上に亘り略同じ位置にあるタッチ位置に基づく位置を第2の特徴位置にする決定であってもよい。また、「タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定」とは、「タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定」と同様に、現状の第2の特徴位置を維持する決定であってもよい。
【0215】
[付記2]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記配置決定部は、前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて、前記第3領域の大きさを決定する、ことを特徴とする。
【0216】
この態様において、配置決定部は、第1の特徴位置及び第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて、第3領域の大きさを決定する。例えば、配置決定部は、特徴位置と第3領域との距離が所定の距離に維持されるよに、第3領域の大きさを決定する。このため、ユーザは、指を第3領域から第1領域及び第2領域の何れかに移動させた場合、所定の距離に対応する一定量だけ指を戻せばタッチ位置を第3領域に戻すことができる。従って、この態様によれば、第3領域の大きさが固定されている場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0217】
なお、上記態様において、「第1の特徴位置及び第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて第3領域の大きさを決定」とは、例えば、第1の特徴位置及び第2の特徴位置のうち、継続中のタッチにより更新された特徴位置と第3領域との距離を一定又は略一定に維持するように、第3領域の大きさを決定することでもよい。また、更新された特徴位置の第1の方向(第2の方向)における移動量の大きさに応じて、更新された特徴位置との距離を調整して、第3領域の大きさを決定してもよい。ここで、「更新された特徴位置と第3領域との距離」とは、例えば、更新された第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)と第3領域の中心とを結ぶ直線において、第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)から第3領域の境界線(縁)までの距離である。第3領域の境界線は、正確には、第3領域及び第1領域(第2の特徴位置が端点の場合は第2領域)の境界線である。なお、「更新された特徴位置と第3領域との距離」は、第3領域の中心から第1の方向(又は第2の方向)に延在する線を第1軸とした場合、第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)の第1軸の座標と、第3領域の境界線の第1軸との交点との差で表される距離でもよい。
【0218】
[付記3]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、配置決定部は、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づいて、第3領域の大きさを決定する、ことを特徴とする。
【0219】
この態様では、例えば、配置決定部は、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に対する第3領域の大きさ(例えば、第3領域の幅等)の比率を維持するように、第3領域の大きさを決定する。この態様では、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づいて第3領域の大きさが決定されるため、第3領域の大きさが操作性を低下させるほどの大きさになることを抑止することができる。従って、この態様によれば、第3領域の大きさが固定されている場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0220】
なお、上記態様において、「第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づいて第3領域の大きさを決定」とは、例えば、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離(DCP)と第3領域の直径(2・r)との比を維持するように、第3領域の大きさを決定することでもよい(DCP/(2・r)=一定)。また、更新された特徴位置との距離を所定値(DIS)に維持するように、第3領域の直径(2・r)を第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離(DCP)から決定してもよい(2・r=DCP−2・DIS)。
【0221】
[付記4]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記2または3に記載のプログラムであって、前記配置決定部は、前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて算出した前記第3領域の大きさが予め決められた上限値を超える場合、前記第3領域の大きさを前記上限値に決定する、ことを特徴とする。
【0222】
この態様では、配置決定部が、第1の特徴位置及び第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて算出した第3領域の大きさが予め決められた上限値を超える場合、第3領域の大きさを上限値に決定するため、第3領域の大きさが操作性を低下させるほどの大きさになることを抑止することができる。従って、この態様によれば、第3領域の大きさの上限値が決められていない場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0223】
なお、上記態様において、「第1の特徴位置及び第2の特徴位置の少なくとも一方に基づいて算出した第3領域の大きさ」は、「第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づいて算出した第3領域の大きさ」も含む。
【0224】
[付記5]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1乃至4に記載のプログラムであって、前記第3領域の大きさには、下限値が予め決められている、ことを特徴とする。
【0225】
この態様によれば、第3領域の大きさには、下限値が予め決められているため、第3領域の大きさが操作性を低下させるほど小さくなることを抑止することができる。従って、この態様によれば、第3領域の大きさの下限値が決められていない場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0226】
[付記6]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1乃至5に記載のプログラムであって、前記配置決定部は、前記第1の特徴位置と前記第2の特徴位置との距離に基づいて、前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置の一方と前記第3領域との距離を決定する、ことを特徴とする。
【0227】
一般的に、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離が大きくなる場合、指が大きく動いていることが想定される。指を大きく動かすと、第3領域側に指が若干戻る場合がある。この場合、特徴位置と第3領域との距離が小さいと、第1領域及び第2領域の何れかに存在すべきタッチ位置が第3領域に移動し、誤操作が生じる可能性がある。この態様では、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離が大きくなるにしたがい、特徴位置と第3領域との距離を大きくすることにより、第1領域及び第2領域の何れかに存在すべきタッチ位置が第3領域に移動することを抑止することができる。この結果、誤操作が生じる可能性を低減させることができる。
【0228】
また、この態様では、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離が大きくなるにしたがい、特徴位置と第3領域との距離を大きくすることにより、第3領域が大きくなり過ぎることを抑止することができる。従って、この態様によれば、特徴位置と第3領域との距離が固定されている場合と比較して、操作性を向上させることが可能となる。
【0229】
なお、上記態様において、「第1の特徴位置及び第2の特徴位置の一方と第3領域との距離」とは、例えば、第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)と第3領域の中心とを結ぶ直線において、第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)から第3領域の境界線(縁)までの距離である。あるいは、「第1の特徴位置及び第2の特徴位置の一方と第3領域との距離」は、第3領域の中心から第1の方向(又は第2の方向)に延在する線を第1軸とした場合、第1の特徴位置(又は第2の特徴位置)の第1軸の座標と、第3領域の境界線の第1軸との交点との差で表される距離でもよい。
【0230】
[付記7]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1乃至6に記載のプログラムであって、前記配置決定部は、前記第1の特徴位置と前記第2の特徴位置との距離に基づいて、前記第3領域の位置を決定する、ことを特徴とする。
【0231】
この態様では、例えば、特徴位置決定部は、第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づく位置(例えば、第1の特徴位置と第2の特徴位置との中点)が第3領域の中心となるように、第3領域の位置を決定する。なお、第3領域の位置が調整される場合は、第1の特徴位置及び第2の特徴位置の一方のみが動くため、第1の特徴位置と第2の特徴位置との中点を「第1の特徴位置と第2の特徴位置との距離に基づく位置」としても問題ない。従って、この態様において、特徴位置決定部は、第1領域又は第2領域におけるタッチ位置が徐々にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第3領域の位置を修正することが可能となる。このため、この態様によれば、例えば、第3領域の位置が固定されている場合と比較して、タッチパネルへのタッチ位置のずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0232】
[付記8]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1乃至7に記載のプログラムであって、前記特徴位置決定部は、前記第1領域を含む第1方向領域に前記タッチ位置が存在する場合、前記タッチ位置に基づいて前記第1の特徴位置を決定し、前記第2領域を含む第2方向領域に前記タッチ位置が存在する場合、前記タッチ位置に基づいて前記第2の特徴位置を決定する、ことを特徴とする。
【0233】
この態様において、特徴位置決定部は、第1の特徴位置及び第2の特徴位置の2つの特徴位置を用いて、第1領域及び第2領域の位置を決定する。従って、この態様において、特徴位置決定部は、第1領域又は第2領域におけるタッチ位置が徐々にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することが可能となる。
また、この態様によれば、特徴位置決定部が、2つの特徴位置を用いて、第1領域及び第2領域の位置を決定するため、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、操作方向の指示の入力を行わない場合における操作性を、対比例と比較して良好に保つことが可能となる。
また、この態様によれば、第1領域を含む第1方向領域におけるタッチ位置に基づく位置を、第1の特徴位置として特定し、第2領域を含む第2方向領域におけるタッチ位置に基づく位置を、第2の特徴位置として特定する。すなわち、この態様によれば、タッチ位置が第1領域及び第2領域の外部に外れた場合であっても、当該タッチ位置に基づく特徴位置を用いて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することができる。このため、この態様によれば、例えば、タッチ位置が第1領域及び第2領域の何れかに存在する場合に限りにおいて第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正する場合と比較して、多様なタッチの態様に柔軟に対応した第1領域、第2領域及び第3領域の設定が可能となる。
【0234】
なお、上記態様において、「第1方向領域」とは、例えば、第1領域と同一の領域であってもよいし、第1領域を含む第1領域よりも広い領域であってもよい。「第2方向領域」とは、例えば、第1方向領域を含まない領域であって、第2領域と同一の領域であってもよいし、第1方向領域を含まない領域であって、第2領域を含む第2領域よりも広い領域であってもよい。
【0235】
[付記9]
本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1乃至8に記載のプログラムであって、前記配置決定部は、前記第1領域が、前記第3領域よりも第1の方向に位置するように、前記第1領域の位置を決定し、前記第2領域が、前記第3領域よりも、前記第1の方向とは反対の第2の方向に位置するように、前記第2領域の位置を決定する、ことを特徴とする。
【0236】
一般的に、タッチ期間において、タッチ位置が、例えば、第3領域よりも第1の方向に位置する第1領域と、第3領域よりも第2の方向に位置する第2領域との間を往復する場合、タッチ位置が、所望の位置よりも、第1の方向または第2の方向にずれる可能性が高い。特に、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域の反対側に設けられている場合、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域とは反対側では無い位置に設けられている場合と比較して、第1領域内の任意の位置と第2領域内の任意の位置との間の距離が大きくなる可能性が高くなる。すなわち、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域の反対側に設けられている場合、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域とは反対側では無い位置に設けられている場合と比較して、第1領域または第2領域における所望の位置に対するタッチ位置のずれの量が大きくなる可能性が高くなる。
これに対して、本態様に係る配置決定部は、第1領域におけるタッチ位置に基づく第1の特徴位置と、第2領域におけるタッチ位置に基づく第2の特徴位置と、に基づいて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正する。すなわち、本態様に係る配置決定部は、所望の位置に対するタッチ位置のずれが生じる場合に、当該ずれに応じて定められる第1の特徴位置及び第2の特徴位置に基づいて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することができる。そして、本態様では、上述のとおり、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域の反対側に設けられているため、第1領域が第3領域の中心から見て第2領域とは反対側では無い位置に設けられている場合と比較して、第1の特徴位置及び第2の特徴位置が、所望の位置に対するタッチ位置のずれを、より鋭敏に反映した位置となる可能性が高くなる。従って、本態様において、配置決定部は、タッチ位置が第1の方向または第2の方向にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することができる。このため、本態様によれば、例えば、第1領域、第2領域及び第3領域の位置が固定されている場合と比較して、タッチパネルへのタッチ位置のずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
【0237】
[付記10]
本発明の一態様に係る情報処理装置は、タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、ゲームに係る第1の操作方向の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、前記ゲームに係る第2の操作方向の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記ゲームに係る操作方向の指示を受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が特定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、を備える、ことを特徴とする。
【0238】
この態様において、配置決定部は、特徴位置に基づいて、第1領域と第2領域との間に配置される第3領域の位置を決定する。従って、この態様において、配置決定部は、第1領域又は第2領域におけるタッチ位置が徐々にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することが可能となる。このため、この態様によれば、例えば、第3領域の位置が固定されている場合と比較して、タッチパネルへのタッチ位置のずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
また、この態様によれば、配置決定部が、2つの特徴位置を用いて、第1領域と第2領域との間に配置される第3領域の位置を決定する。このため、この態様によれば、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、操作方向の指示の入力を行わない場合における操作性を、対比例と比較して良好に保つことが可能となる。
【0239】
[付記11]
本発明の他の態様に係るプログラムは、プロセッサを、タッチパネルにおけるタッチ位置を示すタッチ位置情報を取得する取得部と、前記タッチパネルへのタッチが継続しているタッチ期間において、前記取得部が取得したタッチ位置情報の示すタッチ位置が、第1の指示を入力するための第1領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第1の特徴位置を決定し、前記タッチ位置が、第2の指示を入力するための第2領域に存在する場合、前記タッチ位置に基づいて第2の特徴位置を決定する特徴位置決定部と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、前記第1の指示及び前記第2の指示のいずれも受け付けない第3領域の位置を、前記特徴位置決定部が特定した前記第1の特徴位置及び前記第2の特徴位置に基づいて、決定する配置決定部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【0240】
この態様において、配置決定部は、特徴位置に基づいて、第1領域と第2領域との間に配置される第3領域の位置を決定する。従って、この態様において、配置決定部は、第1領域又は第2領域におけるタッチ位置が徐々にずれる場合であっても、当該タッチ位置のずれに応じて、第1領域、第2領域及び第3領域の位置を修正することが可能となる。このため、この態様によれば、例えば、第3領域の位置が固定されている場合と比較して、タッチパネルへのタッチ位置のずれに伴う誤入力の可能性を低減することが可能となる。
また、この態様によれば、配置決定部が、2つの特徴位置を用いて、第1領域と第2領域との間に配置される第3領域の位置を決定する。このため、この態様によれば、任意のユーザに対して、第1の操作方向の指示の入力を行うための操作、第2の操作方向の指示の入力を行うための操作、及び、操作方向の指示の入力を行わない場合における操作性を、対比例と比較して良好に保つことが可能となる。
【0241】
なお、上記態様において、「第1の指示」は、例えば、タッチパネルを用いて提供されるゲームに関する指示であってもよいし、タッチパネルを用いて提供される任意のサービスに係る指示であってもよい。「第2の指示」は、例えば、第1の指示とは異なる指示であって、タッチパネルを用いて提供されるゲームに関する指示であってもよいし、第1の指示とは異なる指示であって、タッチパネルを用いて提供される任意のサービスに係る指示であってもよい。
【符号の説明】
【0242】
10…端末装置、11…制御部、12…表示部、13…入力部、14…記憶部、15…振動発生部、111…ゲーム制御部、112…表示制御部、113…タッチ位置情報取得部、114…特徴位置決定部、115…操作領域決定部、116…振動制御部、1000…プロセッサ、1002…タッチパネル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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