(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683418
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】表示装置用の駆動回路および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20200413BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20200413BHJP
G09G 3/30 20060101ALI20200413BHJP
G11C 19/00 20060101ALI20200413BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
G09G3/20 621D
G09G3/36
G09G3/30 H
G09G3/20 622E
G09G3/20 622B
G09G3/20 611A
G09G3/20 670J
G09G3/20 622G
G11C19/00
G02F1/133 550
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-258276(P2014-258276)
(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公開番号】特開2016-118663(P2016-118663A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年3月8日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭一郎
【審査官】
橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−078717(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/079675(WO,A1)
【文献】
特開平09−321267(JP,A)
【文献】
特開2001−356746(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0225033(US,A1)
【文献】
特表2009−509190(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0052887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G02F 1/133
G09G 3/30
G09G 3/36
G11C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲート線のパーシャル駆動が可能な表示装置用の駆動回路であって、
周期が同じで位相が異なる複数のクロックのいずれかに同期して動作する複数段のシフトレジスタからなるシフトレジスタ回路と、
前記複数のクロックのいずれかに同期して前記複数のゲート線のそれぞれを駆動し、それぞれが第1ないし第8TFTを含む複数段のゲートドライバ部と、を備え、
第1TFTのゲート端子、ドレイン端子及びソース端子が、データイネーブル信号DE、電源電圧Vdd及びQDノードにそれぞれ接続され、第6TFTのゲート端子、ドレイン端子及びソース端子が、前記QDノード、クロック及び出力端子にそれぞれ接続され、
前記データイネーブル信号DEが「H」状態を有する場合、前記第1TFTがオンにされ、前記QDノードが「H」状態を有し、
前記QDノードが「H」状態を有する場合、前記第6TFTがオンにされ、前記クロックの「H」状態が前記出力端子を通して出力され、
前記複数段のシフトレジスタおよび前記複数段のゲートドライバ部に対応してそれぞれの段ごとに設けられた複数段のQノードドライバ部をさらに備え、
前記複数段のQノードドライバ部のそれぞれは、該当する段において、シフトレジスタの出力が「H」状態で、かつゲートドライバ部の前記第1TFTのソース端子と前記第6TFTのゲート端子との間に接続される前記QDノードが「L」状態であることから、前記ゲートドライバ部が前記パーシャル駆動において活性化されていないと判断した場合には、前記該当する段の表示に影響しない期間において活性化するクロック、または電源電圧Vddを用いて、活性化されていないと判断した当該ゲートドライバ部の前記QDノードに対して、該当するゲート線が「L」状態の不活性である前記表示に影響しない期間において「H」状態を適用する
表示装置用の駆動回路。
【請求項2】
前記複数段のQノードドライバ部のそれぞれは、
前記該当する段において前記シフトレジスタの出力と前記ゲートドライバ部のQDノードの出力とに基づいて、前記該当する段のゲートドライバ部が前記パーシャル駆動において活性化されているか否かを判断し、活性化されていないと判断した場合に「H」状態の信号を出力する検知回路と、
前記該当する段よりも後段のシフトレジスタ部の出力に応じて、前記検知回路の出力および前記QDノードをリセットするリセット回路と、
前記検知回路の出力がゲート端子に接続され、前記該当する段の表示に影響しない期間において活性化する前記クロックがドレイン端子に接続され、活性化されていないと判断した当該ゲートドライバ部の前記QDノードに対して、前記表示に影響しない期間において「H」状態を適用する信号を出力するトランジスタと
を含んで構成される請求項1に記載の表示装置用の駆動回路。
【請求項3】
アモルファス半導体を用いたTFTで構成された表示装置に適用される
請求項1または2に記載の表示装置用の駆動回路。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置用の駆動回路を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置の駆動回路に関し、特に、安定動作可能なゲート線のパーシャル駆動回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化物半導体をバックプレーンTFTに採用した、TVや携帯/スマートフォンが商品化されるに至っている。酸化物半導体は、オフリーク特性が良好であり、リフレッシュレートを低周波化することで、低消費電力化が可能である。ローリフレッシュレート(Low Refresh Rate:LRR)技術には、以下の2つがある。
【0003】
(1)フルスクリーンLRR
前画面と今度表示しようとする画面のビデオデータが同じ場合を検出して、映像データ書き込みレート(リフレッシュレート)を低下させる方法である。この技術は、静止画像表示の場合に有効であり、通常、60Hz動作から10Hz以下のレートに低下させる。この場合、パネル駆動アルゴリズムを変える必要はあるが、パネル内部の回路を変える必要はない。
【0004】
(2)パーシャルLRR
ゲート線毎に前画面データとの差異を検出して、異なる場合にのみ映像データを書き込む方法である。ほとんど静止画であるが、部分的にリフレッシュする必要がある画像の場合に有効である。この場合、パネル駆動アルゴリズムおよびパネル内部の回路(ゲート線駆動回路)を変える必要がある。パーシャルLRR回路を搭載した商品は、まだ市場には出回っておらず、現在、各社において、信頼性ある回路技術が開発されつつあるところと考えられる。
【0005】
また、LRR駆動にすることで、ビデオデータを書き込まない時間にタッチ検出を行うことが可能となる。この結果、より小さいポイントの検出(Pen先認識など)や、これまでS/N比が取れなかったものでの検出が可能となり、より快適なユーザインタフェース機能を提供できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
アモルファスシリコン、あるいは酸化物によるTFTは、動作頻度により、劣化度合いが異なる。劣化要因としては、電圧ストレス(電圧印加ストレス)、熱ストレス、光ストレス等が考えられる。この中でも、特に、電圧ストレスを均一化することは、回路動作の信頼性を確保することに有効である。
【0007】
そして、ゲート線を部分的に駆動するパーシャル駆動時には、GIP(Gate driver In Panel)回路の使用頻度が異なるため、電圧ストレス状態が不均一になり、信頼性確保が困難になる問題が顕著となる。
【0008】
すなわち、従来のノーマル駆動では、すべてのGIPに均一な電圧負荷が印加されていたため、電圧ストレスが問題とはなっていなかった。しかしながら、パーシャル駆動することで、活性化されないGIP回路、あるいは常に活性化されるGIP回路が現れ、活性化される頻度によって、劣化の度合いが異なる回路が存在することになる。この結果、動作しないGIP回路が出現し、信頼性の低下につながっていた。
【0009】
このように、駆動されない回路が存在することによる電圧ストレスの不均一性は、パーシャル駆動の実現に伴って発生した問題である。そして、従来技術としては、プロセス的、あるいは、デバイス的に電圧ストレスに強いTFT特性を保証することで、製造方法として、この問題を克服することが考えられていた。
【0010】
しかしながら、上述した問題の根本原因は、電圧ストレスが異なることにあり、駆動的に解決するには、この電圧ストレスを均一化する必要がある。
【0011】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、パーシャル駆動時における電圧印加ストレスを均一化することによって、安定動作可能なゲート線のパーシャル駆動回路技術を実現する表示装置用の駆動回路および表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る表示装置用の駆動回路は、周期が同じで位相が異なる複数のクロックのいずれかに同期して動作する複数段のシフトレジスタからなるシフトレジスタ回路と、複数のクロックのいずれかに同期して複数のゲート線のそれぞれを駆動
し、それぞれが第1ないし第8TFTを含む複数段のゲートドライバ部とを備え、複数のゲート線のパーシャル駆動が可能な表示装置用の駆動回路であって、複数段のシフトレジスタおよび複数段のゲートドライバ部に対応してそれぞれの段ごとに設けられた複数段のQノードドライバ部をさらに備え、複数段のQノードドライバ
部のそれぞれは、該当する段において、シフトレジスタの出力が「H」状態で、かつゲートドライバ部の
第1TFTと第6TFTとの間に接続されるQDノードが「L」状態であることから、ゲートドライバ部がパーシャル駆動において活性化されていないと判断した場合には、該当する段の表示に影響しない期間において活性化するクロック
、またはVddを用いて、活性化されていないと判断した当該ゲートドライバ部を、
該当するゲート線が「L」状態の不活性である表示に影響しない期間において活性化するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、パーシャル駆動時に活性化しなかったゲートドライバ部を検出し、表示に影響がない期間において、活性化しなかったゲートドライバ部を活性化する構成を備えることにより、パーシャル駆動時における電圧印加ストレスを均一化することができ、安定動作可能なゲート線のパーシャル駆動回路技術を実現する表示装置用の駆動回路および表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】表示装置の全体図とGIP回路の位置を示した図である。
【
図2】パーシャル駆動のGIP回路構成を示した図である。
【
図3】
図2に示したゲートドライバ部の具体的な回路構成を示した図である。
【
図4】
図2に示したパーシャルGIP回路の各部の駆動波形を示した図である。
【
図5】本発明の実施の形態1におけるパーシャル駆動のGIP回路構成を示した図である。
【
図6】本発明の実施の形態1におけるQノードドライバ部の回路構成図である。
【
図7】本発明の実施の形態1における先の
図5、
図6に示したパーシャルGIP回路の各部の駆動波形を示した図である。
【
図8】実施例1におけるQノードドライバ部のブロック図である。
【
図9】実施例2におけるQノードドライバ部のブロック図である。
【
図10】実施例3におけるQノードドライバ部のブロック図である。
【
図11】本発明の実施の形態1における電圧ストレスの均一化の効果をまとめた説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の表示装置用の駆動回路および表示装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、以下では、まず始めに、電圧ストレスが不均一となる状況を
図1〜
図4を用いて説明し、その後、電圧ストレスを均一化するための本願発明の技術的特徴について、
図5〜
図11を用いて説明する。
【0016】
図1は、表示装置の全体図とGIP回路の位置を示した図である。
図1では、表示面の両側からGate線を駆動する例を示している。また、
図2は、パーシャル駆動のGIP回路構成を示した図であり、具体的には、
図1における左側のGIP回路構成を示している。なお、この
図2では、配線に関しては、全てを正確に示したものではない。
【0017】
図2に示すパーシャルGIP回路は、シフトレジスタ部10、AND回路20、ゲートドライバ部30を備えて構成されており、特に、ゲート線GL1、GL3、GL5、GL7、GL9に関連する回路部分を示している。ここで、AND回路20は、DE(Driver Enable)信号を発生させることで、ゲート線を立ち上げるか否かを制御している。
【0018】
片側4相CLK信号CLK1、CLK3、CLK5、CLK7がシフトレジスタ部10とゲートドライバ部30の両方に入力されている。また、ゲートドライバ部30には、OE(Output Enable)信号とシフトレジスタ部10からの出力信号とのAND論理出力がDE信号として入力されている。
【0019】
ここで、OE信号は、ゲート線を駆動するか否かの制御を行い、パーシャル駆動を実現する基本信号である。
【0020】
図3は、
図2に示したゲートドライバ部30の具体的な回路構成を示した図である。ゲートドライバ部30は、8個のTFT(T1〜T8)を含んで構成される。また、シフトレジスタ部10も、同様なTFTで構成される。
【0021】
図4は、
図2に示したパーシャルGIP回路の各部の駆動波形を示した図である。この
図4においては、OEを常に「H」としたときの波形を示している。また、Qiは、シフトレジスタ部10のQノードを示している。
【0022】
図2、
図3の回路構成、および
図4の駆動波形を用いて、ゲート線GL5の動作を例に、以下に説明する。CLK1が「H」に切り換わったタイミングで、シフトレジスタ部10(5)のQ5ノードが「H」になる。ここで、OEは、常に「H」なので、Q5ノードが「H」になると同時に、ゲートドライバ部30(5)のQノードも「H」になり、CLK5が活性化すると同時に、ゲート線GL5が「H」となって出力される。Q5ノードは、VSR9が「H」になるタイミングでVSSまで低下する。
【0023】
パーシャル駆動を行う際に、シフトレジスタ部10は、CLKに従って、常に動作している。これに対して、ゲートドライバ部30は、DEi信号が「H」のときだけ、動作する。
【0024】
DEiが「H」の場合には、T1がONし、Qノードが「H」となり、T6がONする。また、パーシャル駆動によって、DEiが「L」の場合には、T1、T6は、ともにONしない。
【0025】
従って、パーシャル駆動することで、活性化されるTFTと活性化されないTFTとで、電圧印加ストレスに差が生じることとなる。この差は、半導体材料の結晶性、駆動条件(バイアスや温度)等に依存し、これらの条件を均一化することが、製品信頼性確保に有効な手段である。そして、アモルファスシリコンTFTや酸化物TFT(すなわち、アモルファスが大部分を占める半導体をTFT(薄膜トランジスタ)に用いた場合)は、そのBTS(Bias−Temperature Stress)条件によって、劣化速度が異なるため、対策が必要である。
【0026】
以上のような背景を踏まえ、電圧ストレスを均一化するための本願発明の技術的特徴の詳細について、次に説明する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるパーシャル駆動のGIP回路構成を示した図である。この
図5に示した本実施の形態1におけるGIP回路は、先の
図2に示した今までのGIP回路と比較すると、AND回路20の代わりに、新たにQノードドライバ部40を備えているとともに、OE信号がそれぞれのゲートドライバ部30に直接入力されている。
【0027】
新たに追加されたQノードドライバ部40は、シフトレジスタ部10からの信号(Vsr)と、ゲートドライバ部30のQBノード信号(QDB)とに基づいて、ゲートドライバ部30が活性化されていないことを検出した際に、ゲートドライバ部30のQノード(QD)を「H」にする回路である。
【0028】
また、ゲートドライバ部30は、OE信号が「L」の場合には、ゲート信号GLiを立ち上げないように動作する。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態1におけるQノードドライバ部40の回路構成図である。本実施の形態1におけるQノードドライバ部40は、検知回路41、リセット回路42、および検知回路41からの出力(Q−Act_n)がゲートに入力されたTFT43(Tdq)を備えて構成されている。
【0030】
ここで、検知回路41は、パーシャル駆動によって、活性化されなかった(すなわち、QDノードが「H」にならなかった)ゲートドライバ部30を検知した場合に、Q−Act信号を「H」にする回路である。
【0031】
また、リセット回路42は、次段以降のシフトレジスタ部10からの出力(Vsr_n+4、 Vsr_n+8)を利用して、検知回路41およびQDノードをVSSに設定する回路である。
【0032】
図7は、本発明の実施の形態1における先の
図5、
図6に示したパーシャルGIP回路の各部の駆動波形を示した図であり、ゲート信号GL5の動作について具体的に示したものである。Qノードドライバ部40(5)は、活性化しなかったQD5を検知(QDB5「H」×Vsr5「H」)した場合には、Q−Act5を「H」にする。
【0033】
これによって、Qノードドライバ部40(5)は、内部のTdqがONとなり、GL5が不化性である期間(すなわち、CLK5が「L」の期間)に、「H」となるCLK1をTdqに入力することで、QD5を「H」にする。Q−Act5は、CLK1が「H」から「L」になった後まで、「H」であるため、QD5を「H」から「L」にトグリングさせることができる。
【0034】
次に、本願発明のパーシャルGIP回路におけるQノードドライバ部40の具体的な構成について、実施例1〜実施例3として、図面を用いて具体的に説明する。
【0035】
[実施例1]
図8は、実施例1におけるQノードドライバ部40のブロック図である。
この実施例1において、活性化されなかったGIP回路を検出する検知回路41は、縦積みのTsrとTqbで構成されている。また、リセット回路42は、各ノード(Q−Act、N2、QD)の電圧をリセットする。
【0036】
なお、2つのトランジスタTse3、Tse4は、電源投入時に、ノードN2を「H」に設定し、ノードQ−Actを「L」に設定する役割をもつ。
【0037】
[実施例2]
図9は、実施例2におけるQノードドライバ部40のブロック図である。
この実施例2では、Tdqのドレイン端子にCLKを導入した例を示している。
【0038】
[実施例3]
図10は、実施例3におけるQノードドライバ部40のブロック図である。
この実施例3では、Tdqのドレイン端子にCLKを導入するとともに、検知回路41内のTqbのドレイン端子にQDBを接続し、検知回路41内のTsrを不要とした例を示している。
【0039】
図11は、本発明の実施の形態1における電圧ストレスの均一化の効果をまとめた説明図である。より具体的には、先の
図3に示したゲートドライバ部30内のトランジスタT1、T6のそれぞれに印加されるゲート−ソース間電圧(Vgs)の様子を、種々の駆動状態について模式的に示した図である。
【0040】
図11(a)は、ノーマル駆動をした場合のストレス状態を示し、
図11(b)は、パーシャル駆動をした際の従来の回路構成(すなわち、
図2の回路構成)でのストレス状態を示し、
図11(c)は、パーシャル駆動をした際の本実施の形態1の回路構成(すなわち、Qノードドライバ部40を備えた
図5の回路構成)でのストレス状態を示している。
【0041】
また、
図11中、PBTSは、ゲートに+(プラス)の電圧、NBTSは、ゲートに−(マイナス)の電圧、がそれぞれ印加されることを表している。本実施の形態1の回路構成を採用することで
図11(c)のストレス状態が得られ、
図11(b)の従来構成と比較して、
図11(a)のノーマル駆動に近いストレス状態となっていることがわかる。
【0042】
以上のように、本実施の形態1によれば、パーシャル駆動による電圧印加ストレスを均一化するために、以下のような技術的課題を解決している。
(技術的課題1)パーシャル駆動において、活性化しなかったGIP回路を検出すること。
(技術的課題2)活性化しなかったGIP回路を表示に影響ない期間に活性化し、電圧ストレスを印加すること。
【0043】
これらの技術的課題1、2を解決するために、本実施の形態1では、Qノードドライバ部を設け、以下のような機能を実現している。
(機能1)技術的課題1に対しては、シフトレジスタ部の出力が「H」のときに、ゲートドライバ部のQノードが「L」、Qbノードが「H」であることを検出することで、活性化しなかったGIP回路を検出している。
(機能2)技術的課題2に対しては、片方が不活性である期間に片方が活性であるクロック同士をペアリングし、ペアリングしたクロックを採用することで、活性化しなかったGIP回路を表示に影響ない期間に活性化している。
【0044】
このような機能1、2を実現するQノードドライバ部を備えることで、GIP回路において劣化し易いTFT(T1とT6)に対する電圧ストレス回数を、ノーマル駆動時と同等にできる。この結果、パーシャル駆動時における電圧印加ストレスを均一化することが可能となり、安定動作可能なゲート線のパーシャル駆動回路技術を実現する表示装置用の駆動回路および表示装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 シフトレジスタ部、20 AND回路、30 ゲートドライバ部、40 Qノードドライバ部、41 検知回路、42 リセット回路、43 トランジスタ。