特許第6683432号(P6683432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683432
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】防草シート
(51)【国際特許分類】
   A01G 13/00 20060101AFI20200413BHJP
   A01M 21/00 20060101ALI20200413BHJP
   E01H 11/00 20060101ALI20200413BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   A01G13/00 302Z
   A01M21/00 A
   E01H11/00 A
   D03D1/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-131551(P2015-131551)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-12067(P2017-12067A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 幸輔
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4077684(JP,B2)
【文献】 特開2004−73146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 13/00
A01M 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経糸及び緯糸がマルチフィラメント糸を用いて構成される織物の少なくとも片面に高分子樹脂が付与され、前記経糸及び前記緯糸の浮き部の長さが0.8mm以下の状態で経糸及び緯糸に前記高分子樹脂が付与されていることを特徴とする防草シート。
【請求項2】
前記高分子樹脂の付与量が、織物重量に対し1〜5%であることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
【請求項3】
前記織物のカバーファクターが2000以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防草シート。
【請求項4】
前記防草シートの嵩密度が0.4g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防草シート。
【請求項5】
前記防草シートに対する直径2mm、長さ7cm、かつ先端3cm部分が円錐状の鉄製軸による初期貫入抵抗力が6.0N以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の防草シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防草シートに関し、さらに詳しくは、公共道路法面、鉄道線路、農場、住宅周囲等の土壌の上に敷設し、雑草の繁殖を抑え、かつ透水性を有する防草シートに関する。
【背景技術】
【0002】
防草シートは、雑草の繁殖を抑える防草効果を有しており、建物や街路樹の周囲の美観を維持するため、あるいは、果樹園や野菜園等の栽培地面に直接敷設して果樹や野菜の生育環境を整えるため、あるいは、鉄道線路等の安全性を確保するために用いられる。
【0003】
従来、ビニールシートやゴム引きシート等を土壌の上に敷設するといった手段がとられていたが、シートに透水性がなく水が地中に浸透せず、樹木の間に敷設した場合、土壌が乾燥するため樹木が枯死する問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために近年では、防草手段としては、透水性の観点から不織布、織物などの布帛を敷設するという手段がとられていた。
例えば、特許文献1には、カバーファクターが1000〜2000である織物からなる防草シートが開示されている。マルチフィラメント糸を用いた織物であるため柔軟で、施工性に優れ、さらに緻密構造を有しており、遮光性が良好となり防草効果も発揮できる。しかしながら、チガヤ、スギナ等の貫通力の高い植物等においては、先端の鋭利な芽を持っているため、シートの貫通を完全に抑えることができなかった。
また例えば、特許文献2には、ポリエステル不織布を圧縮し硬質に仕上げたシートと土になじみやすいやわらかいポリエステル不織布を上下に張り合わせた防草シートが開示されている。硬質タイプの不織布を用いているため、遮光性が良好であり、さらにチガヤ、スギナ等の貫通力の高い植物において、優れた耐貫通性を発揮できるものであった。しかしながら、柔軟性が優れず、土壌の凹凸に追従できずに、シート重ね部の隙間から植物が繁殖する可能性があり、さらには施工性が劣るおそれもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−125484号公報
【特許文献2】実案第3168626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の問題を解決するものであり、公共道路法面、鉄道線路、農場、住宅周囲等の土壌の上に敷設し、雑草の繁殖を抑えために、初期貫入抵抗力に優れ、かつ施工性、土壌追従性、透水性に優れた防草シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る防草シートは前述した目的を達成するものであって、経糸及び緯糸がマルチフィラメント糸を用いて構成される織物の少なくとも片面に高分子樹脂が付与され、前記経糸及び前記緯糸の浮き部の長さが0.8mm以下の状態で経糸及び緯糸に前記高分子樹脂が付与されている
前記高分子樹脂の付与量が、織物重量に対し1〜5%であることが好ましい。
前記織物のカバーファクターが2000以上であることが好ましい。
前記防草シートの嵩密度が0.4g/cm以上であることが好ましい。
前記防草シートに対する直径2mm、長さ7cm、かつ先端3cm部分を円錐とした鉄製軸(以下、チガヤ針2と示す)による初期貫入抵抗力が6.0N以上であることが好ましい。

【発明の効果】
【0008】
本発明の防草シートは、公共道路法面、鉄道線路、農場、住宅周囲等の土壌の上に敷設し、雑草の繁殖を抑えために、初期貫入抵抗力に優れ、かつ施工性、土壌追従性、透水性に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る防草シートの一例の模式平面図及び拡大図である。
図2】本発明に係るチガヤ針による貫入抵抗力の一例を示すグラフである。
図3】本発明に係る貫入抵抗力のI〜III期における貫通状態を説明するチガヤ針の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の防草シート1は、経糸及び緯糸がマルチフィラメント糸を用いて構成される織物の少なくとも片面に高分子樹脂が付与され、前記経糸及び前記緯糸の浮き部T,Tの長さが0.8mm以下である。尚、本明細書で用いる「浮き部」とは、経糸又は緯糸の糸が裏面から浮き出て表面に露出した箇所から裏面に沈む箇所までの部位を意味する。図1で示すように経糸の浮き部をT、緯糸の浮き部をTと示す。
【0011】
本発明の防草シートに用いられる織物の経糸及び緯糸の原糸としては、マルチフィラメント糸を採用している。前記マルチフィラメント糸は、モノフィラメント糸、フラットヤーンやスリットヤーンよりも柔軟性を有し、シートの折れ等を防ぐことができる。また、起伏のある土壌に対してもシートが追従し、施工前に土壌を整地する必要性がなく、優れた施工性及び土壌追従性を発揮するばかりか、整地時に掛かる時間を削減でき、作業性を高めることができる。さらに、原糸自体が柔軟であるため、糸の交差部において屈曲性が得られ、交差部の空隙が小さくなり耐貫通性も向上する。
【0012】
本発明を構成する織物としては、例えば;平織、綾織、朱子織等の三原組織;変化組織;経ビロードなどが挙げられる。なかでも、浮き部T,Tの長さが短く設定のしやすい平織、綾織にしたものが好ましく採用される。
また、織物を構成する層数については、前述した条件を満たした層を少なくとも一層有していれば、特に限定するものではなく、単層構造であっても二層以上の多層構造であってもよく、例えば、経二重織、緯二重織等の片二重組織;袋織等の経緯二重織;三重織等が挙げられる。なかでも、経緯二重織である袋織が好適に採用される。袋織であれば、シートの耐久性及び強度保持が良好であり、さらには、袋織は表層と裏層が独立しており、各層で貫入抵抗力を得られ、一層目を貫通してしまった場合でも、二層目で植物の貫通を抑制できる。
【0013】
前記マルチフィラメント糸に使用される繊維種としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維のいずれの繊維種も採用可能である。なかでも生産性及び耐候性の観点から、ポリエステルが好ましい。
【0014】
前記マルチフィラメント糸の総繊度は、84〜330dtexが好ましい。84dtex以上であれば、シートにハリコシが得られ、施工性が向上する。また、施工後のシートが物理的応力を受けた場合でも裂け、破れの発生を軽減できる。また、330dtex以下であれば、充分な柔軟性を得られ、施工性が向上する。また、交差部の空隙を抑えられ、遮光性も向上する。
【0015】
前記マルチフィラメント糸の単糸繊度は、2.0dtex〜5.0dtexであることが好ましい。2.0dtex以上であれば、摩擦によるシートの毛羽立ちを軽減できる。また、5.0dtex以下であれば、シートに充分な柔軟性が得られ、施工性が向上する。また、生産性が向上し、経済的でもある。
【0016】
前記マルチフィラメント糸は、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、用途に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐侯剤、滑剤、顔料、充填剤、その他の添加剤を含有させることができる。その目的と用途に応じて1種又は2種以上を適宜選択すればよい。
【0017】
本発明の防草シートに用いられる織物は経糸及び緯糸の浮き部T,Tの長さが0.8mm以下(好ましくは0.6mm以下)であり、前記織物に高分子樹脂を付与させることが肝要である。前述した条件を満たしていれば、チガヤ、スギナ等の貫通力の高い植物がシートを貫こうとしても、経糸及び緯糸に高分子樹脂が付与しており、植物が原糸自体を貫通することない。また、経糸及び緯糸の浮き部T,Tの長さが0.8mm以下の状態で樹脂を付与することで、経糸及び緯糸の交差部が固定され、鋭利な芽がシートに触れても、経糸及び緯糸がズレることがなく、貫通を阻止することができる。また、経糸及び緯糸に付与された高分子樹脂により植物との間で摩擦抵抗が得られ、初期貫入抵抗力を高めることができる。それにより、鋭く鋭利な芽を持った貫通力の高い植物がシートを突き破ることを抑制でき、美観維持だけではなく、シート上での作業等において安全性を確保することができる。
【0018】
前記高分子樹脂としては、特に限定はされないが、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系などが挙げられる。なかでも、耐久性、難燃性の点でポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
【0019】
前記高分子樹脂の付与量は、織物重量に対し1〜5%が好ましい。1%以上であれば、経糸及び緯糸の交差部をより確実に固定でき、また高分子樹脂が原糸を充分に被覆化され、植物に対する耐貫通性が向上する。また5%以下であれば、高分子樹脂が防草シートの柔軟性を阻害することがなく、土壌追従性が良好となる。また、充分な透水性が得られ、土壌に雨水等の浸透を妨げない。
【0020】
前記高分子樹脂の付与方法としては、含浸法、スプレー法、コーティング法、グラビア転写法等の従来公知の方法が挙げられる。なかでも、原糸に高分子樹脂を均一に被覆できるという点で含浸法が好適に用いられる。
【0021】
前記高分子樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、用途に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐侯剤、滑剤、顔料、充填剤、その他の添加剤を含有させることができる。その目的と用途に応じて1種又は2種以上を適宜選択すればよい。
【0022】
前記織物のカバーファクターは、2000以上であることが好ましく、より好ましくは2300以上であり、特に好ましくは2500以上である。カバーファクターが2000以上であれば、高分子樹脂が付与した原糸が密となり、原糸間の隙間を突き抜けようとする植物に対する抵抗力として作用し、織物に初期貫入抵抗力が向上する。尚、カバーファクターは、本発明が二層以上の織物の場合、浮き部T,Tの長さが前述した条件を満たした一層のカバーファクターにて表す。カバーファクターは、次の式1で定義(算出)される。
【0023】
[式1]
カバーファクター= A × D 1/2 + B × D 1/2
A : 織物の経糸密度(本/2.54cm)
B : 織物の緯糸密度(本/2.54cm)
: 経糸の総繊度(dtex)
: 緯糸の総繊度(dtex)
【0024】
本発明の防草シートの嵩密度は、0.4g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5g/cm以上である。0.4g/cm以上であれば、シート内の原糸が密となり、チガヤ、スギナ等の芽の貫通を抑制できる。
【0025】
本発明の防草シートは、チガヤ新芽を想定したチガヤ針2(直径2mm、長さ7cm、先端3cmが円錐状の鉄製軸)による初期貫入抵抗力は、6.0N以上であることが好ましく、より好ましくは8.0N以上であり、特に好ましくは10.0N以上である。6.0N以上であれば、チガヤ、スギナ等の貫通力の高い植物等におけるシートの貫通を抑えることができる。尚、初期貫入抵抗力とは、図2に示すように、対象物がシートを貫通するまでの抵抗値を示す。
【0026】
本発明の防草シートの色調は、特に限定されるものではないが、光の吸収の大きい色調のものにすることが好ましく、さらには、濃色系又は黒系のような明度がL30以下であることが好ましい。明度L30以下の色調を用いることで遮光性が向上し、植物の繁茂を抑制することができる。シートの色調の付与方法としては、特に限定されるものではなく、原着糸の使用、染色、印刷等が挙げられる。
【0027】
本発明の防草シートの遮光率は85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。遮光率が85%以上であれば、充分な遮光性を得られ、シートの下に群植した植物の繁殖を抑制することができる。
【0028】
本発明の防草シートの剛軟度は30〜100mmであることが好ましく、より好ましくは50〜85mmである。剛軟度が上記範囲とすることにより、充分なハリコシが得られ、施工性や土壌追従性が向上する。
【0029】
本発明の防草シートの透水係数は1.0×10−3cm/sec以上であることが好ましく、より好ましくは4.0×10−3cm/sec以上である。1.0×10−3cm/sec以上であれば、雨水等の水分がシート表面に長期間留まらせることなく、土壌まで浸透させることができる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
尚、本実施例における測定及び評価は下記内容に基づき行い、その表1に示す。
<測定方法及び評価方法>
1.厚み(mm)
JIS L 1908法に準じて、2kPa荷重を掛けた状態での厚みを測定した。
2.目付(g/m
JIS L 1096法に準じて測定した。
3.浮き部T,Tの長さ(mm)
マイクロスコープ(KEYENCE VH−Z100)を使用して拡大倍率100倍で、各シート表面を観察し、経糸及び緯糸の糸が裏面から浮き出て表面に露出した箇所から裏面に沈む箇所までの部位の長さを測定した。尚、各シートに対してN=10の平均値を算出した。
4.嵩密度(g/cm
計測した厚み及び重量より、嵩密度を次式により算出した。
嵩密度(g/cm)=目付(g/m)/厚み(mm)/1000
5.明度L
分光光度計(Color i5、X−Rite社製)を用い、各シートの明度Lを測定した。尚、各シートに対してN=3の平均値を算出した。
6.剛軟度(mm)
JIS L 1096A法(45°カンチレバー法)に準じて測定した。
7.遮光率(%)
各シートを、JIS L 1055 A法(カーテンの遮光性試験方法 試験片装着前照度100000 lx)に準じて測定した。
8.透水係数(cm/sec)
JIS A 1218(土の透水試験法)に準じて測定した。
9.初期貫入抵抗力(N)
各シートを、ASTM D 4833(ジオテキスタイル(土木用繊維材料)の貫通強度)の測定方法に準じて測定した。貫通治具については、チガヤ針2を使用した。治具の落下速度は300mm/minとした。各シートのN=10の平均値を算出した。図2及び図3に示すように、I期はチガヤ針2の先端がシート表面に接触し、シートを貫通するまでの貫入抵抗力、II期はチガヤ針2がシートを貫通し、先端3cm部分の円錐部での貫入抵抗力、III期はチガヤ針2がシートを貫通し、先端の円錐部を超え、直径2mmの円柱部での貫入抵抗力であり、本評価ではI期の貫入抵抗力を測定し、I期内の最大値を初期貫入抵抗力とした。
10.施工評価
タテ方向の中央に階段形状の高さ10cmの段を設けたタテ300cm×ヨコ300cmの土壌に各シートを敷設した。敷設したシートと階段の段差で生じた空間部分を手で押しつけ、土壌となじませて施工し、段差でのシートの追従性と、施工性を目視にて確認した。
(1)施工性
○ シワ、たわみがなく、施工性が良好である。
△ ほとんどシワ、たわみなく、施工性がやや良好である。
× シワ、たわみが発生し、施工性が不良である。
(2)追従性
○ シートと土壌の間に隙間が見られず、追従性は良好である。
△ シートと土壌の間に少し隙間ができ、追従性はやや良好である。
× シートと土壌の間に広く隙間ができ、追従性は不良である。
【0031】
〔実施例1〕
経糸にポリエステル セミダル加工糸(NAN YA PLASTICS CORPORATION製(以下、NAN YA製) 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル セミダル加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.58mm、T=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例2〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.58mm、T=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例3〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度330dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2162、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.60mm、T=0.30mmの平織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例4〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2326、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.76mm、T=0.34mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例5〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.58mm、T=0.31mmの両面綾の袋織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例6〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.58mm、T=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し0.9%である防草シートを得られた。
〔実施例7〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度84dtex、単糸繊度2.3dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが3426、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.58mm、T=0.16mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例1〕
実施例6の糸を用いて、カバーファクターが2704、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.98mm、T=0.23mmの7枚朱子織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例2〕
実施例6の糸を用いて、カバーファクターが2704、経緯の糸の浮き部の長さがT=0.98mm、T=0.23mmの両面7枚朱子の経二重織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例3〕
織成した織物に高分子樹脂を付与しなかった以外は実施例2と同様にして、防草シートが得られた。
【0032】
【表1】
【符号の説明】
【0033】
1 防草シート
2 チガヤ針
経糸の浮き部
緯糸の浮き部
図1
図2
図3