【実施例】
【0030】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
尚、本実施例における測定及び評価は下記内容に基づき行い、その表1に示す。
<測定方法及び評価方法>
1.厚み(mm)
JIS L 1908法に準じて、2kPa荷重を掛けた状態での厚みを測定した。
2.目付(g/m
2)
JIS L 1096法に準じて測定した。
3.浮き部T
A,T
Bの長さ(mm)
マイクロスコープ(KEYENCE VH−Z100)を使用して拡大倍率100倍で、各シート表面を観察し、経糸及び緯糸の糸が裏面から浮き出て表面に露出した箇所から裏面に沈む箇所までの部位の長さを測定した。尚、各シートに対してN=10の平均値を算出した。
4.嵩密度(g/cm
3)
計測した厚み及び重量より、嵩密度を次式により算出した。
嵩密度(g/cm
3)=目付(g/m
2)/厚み(mm)/1000
5.明度L
*
分光光度計(Color i5、X−Rite社製)を用い、各シートの明度L
*を測定した。尚、各シートに対してN=3の平均値を算出した。
6.剛軟度(mm)
JIS L 1096A法(45°カンチレバー法)に準じて測定した。
7.遮光率(%)
各シートを、JIS L 1055 A法(カーテンの遮光性試験方法 試験片装着前照度100000 lx)に準じて測定した。
8.透水係数(cm/sec)
JIS A 1218(土の透水試験法)に準じて測定した。
9.初期貫入抵抗力(N)
各シートを、ASTM D 4833(ジオテキスタイル(土木用繊維材料)の貫通強度)の測定方法に準じて測定した。貫通治具については、チガヤ針2を使用した。治具の落下速度は300mm/minとした。各シートのN=10の平均値を算出した。
図2及び
図3に示すように、I期はチガヤ針2の先端がシート表面に接触し、シートを貫通するまでの貫入抵抗力、II期はチガヤ針2がシートを貫通し、先端3cm部分の円錐部での貫入抵抗力、III期はチガヤ針2がシートを貫通し、先端の円錐部を超え、直径2mmの円柱部での貫入抵抗力であり、本評価ではI期の貫入抵抗力を測定し、I期内の最大値を初期貫入抵抗力とした。
10.施工評価
タテ方向の中央に階段形状の高さ10cmの段を設けたタテ300cm×ヨコ300cmの土壌に各シートを敷設した。敷設したシートと階段の段差で生じた空間部分を手で押しつけ、土壌となじませて施工し、段差でのシートの追従性と、施工性を目視にて確認した。
(1)施工性
○ シワ、たわみがなく、施工性が良好である。
△ ほとんどシワ、たわみなく、施工性がやや良好である。
× シワ、たわみが発生し、施工性が不良である。
(2)追従性
○ シートと土壌の間に隙間が見られず、追従性は良好である。
△ シートと土壌の間に少し隙間ができ、追従性はやや良好である。
× シートと土壌の間に広く隙間ができ、追従性は不良である。
【0031】
〔実施例1〕
経糸にポリエステル セミダル加工糸(NAN YA PLASTICS CORPORATION製(以下、NAN YA製) 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル セミダル加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.58mm、T
B=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例2〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.58mm、T
B=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例3〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度330dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが2162、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.60mm、T
B=0.30mmの平織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例4〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2326、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.76mm、T
B=0.34mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例5〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.58mm、T
B=0.31mmの両面綾の袋織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔実施例6〕
実施例2の糸を用いてカバーファクターが2740、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.58mm、T
B=0.31mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し0.9%である防草シートを得られた。
〔実施例7〕
経糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度84dtex、単糸繊度2.3dtex)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸(NAN YA製 総繊度167dtex、単糸繊度4.6dtex)を用いて、カバーファクターが3426、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.58mm、T
B=0.16mmの綾織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例1〕
実施例6の糸を用いて、カバーファクターが2704、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.98mm、T
B=0.23mmの7枚朱子織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例2〕
実施例6の糸を用いて、カバーファクターが2704、経緯の糸の浮き部の長さがT
A=0.98mm、T
B=0.23mmの両面7枚朱子の経二重織からなる織物を作製した。作製した織物に、高分子樹脂(互応化学工業株式会社製 水溶性ポリエステル樹脂)を含浸法で付与し、170℃×1分の乾燥設備で乾燥させ、付与量が織物重量に対し2.7%である防草シートが得られた。
〔比較例3〕
織成した織物に高分子樹脂を付与しなかった以外は実施例2と同様にして、防草シートが得られた。
【0032】
【表1】