特許第6683478号(P6683478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683478
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20200413BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20200413BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200413BHJP
【FI】
   F21V8/00 330
   F21S8/08 121
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-95(P2016-95)
(22)【出願日】2016年1月4日
(65)【公開番号】特開2017-123215(P2017-123215A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】今泉 剛
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 郁
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−104868(JP,A)
【文献】 特表2012−514842(JP,A)
【文献】 特開2011−070808(JP,A)
【文献】 特開2014−232710(JP,A)
【文献】 特開2007−198081(JP,A)
【文献】 特開2005−235513(JP,A)
【文献】 特開2012−038633(JP,A)
【文献】 実開平05−015210(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 8/08
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源の上方に配設され、前記光源から発せられた光を透過するとともに反射させて外部に照射させる灯体とを備え、
前記灯体が、前記光源から発せられた光を透過する無垢ガラスでブロック状の灯体本体部と、前記灯体本体部を透過して入射した光を所望の方向に反射させるリフレクター部とを備え、
且つ、前記灯体本体部が上面に凹部を備えて形成され、前記リフレクター部が前記灯体本体部の凹部に係合して一体に設けられており、
前記灯体本体部の凹部が上下方向に延びる軸線中心の径方向外側に向かうに従い上方に傾斜する凹面を備えて形成され、
前記リフレクター部が、光を反射する反射面が前記灯体本体部の凹部の凹面に沿うように前記凹部に係合して設けられており、
前記リフレクター部は、その下面が前記凹部の凹円弧面と同等の曲率半径を有する凸円弧面として形成され、前記軸線中心から径方向外側に向かうに従いその厚さが小となるように形成され
前記リフレクター部の上面は略平面状に形成され、前記リフレクター部の厚さは前記凹部の深さと略同等の大きさで形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記灯体本体部の凹部の凹面と前記リフレクター部の光を反射する反射面との間に、前記反射面で反射した光の照度ムラをなくす調光部を備え
前記リフレクター部は前記灯体の上端部を形成するキャップ部を兼ねている照明装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明装置において、
前記光源を上端部側に内蔵し、前記上端部に前記灯体が固設される支柱を備えるとともに、前記支柱が外面の少なくとも一部を鏡面状にして形成されている照明装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の照明装置において、
前記灯体本体部は、下端側に外面から内側に凹み、前記灯体本体部を保持するための留めビスが係合する係合凹部を備えて形成されている照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に住宅等の建物の外構に用いて好適な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外構用の照明装置として、いわゆるポール灯、足元灯などと称され、下端部を地面に支持させて立設される中空構造の支柱と、支柱の上端部側に内蔵される光源を有する発光部と、支柱の上端部に一体に取り付けられ、発光部の光源で発した光を、支柱の上下方向に延びる軸線を中心とした放射方向に照射させる灯体とを備えて構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、樹脂やガラスなどの透明部材を用いて筒状に形成され、下端を支柱の上端部に接続して配設される灯体本体部と、下面に反射板などの反射層を備えて形成され、灯体本体部の上端部に一体に取り付けられるキャップ部とを備えて灯体を構成したものもある。
【0004】
そして、このような灯体を備えた照明装置においては、発光部の光源から発せられた光がキャップ部の反射層で反射し、灯体本体部を通じて照明装置の周囲に照射される。また、反射層の角度によって照明装置を中心とする下方の周囲の地面に光を照射させ(下配光)、通行人などの足元を明るく照らすようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−260410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の外構用の照明装置においては、キャップ部の厚さが大きかったり、横から反射板が見えるなどするため、意匠性の点で改善の余地が残されていた。また、透明の灯体本体部を通じて横から光源が見えてしまい、この点からも意匠性の低下を招いていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、見栄えがよく、好適に光を照射させることが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0009】
本発明の照明装置は、光源と、該光源の上方に配設され、前記光源から発せられた光を透過するとともに反射させて外部に照射させる灯体とを備え、前記灯体が、前記光源から発せられた光を透過する無垢ガラスでブロック状の灯体本体部と、前記灯体本体部を透過して入射した光を所望の方向に反射させるリフレクター部とを備え、且つ、前記灯体本体部が上面に凹部を備えて形成され、前記リフレクター部が前記灯体本体部の凹部に係合して一体に設けられており、前記灯体本体部の凹部が上下方向に延びる軸線中心の径方向外側に向かうに従い上方に傾斜する凹面を備えて形成され、前記リフレクター部が、光を反射する反射面が前記灯体本体部の凹部の凹面に沿うように前記凹部に係合して設けられており、前記リフレクター部は、その下面が前記凹部の凹円弧面と同等の曲率半径を有する凸円弧面として形成され、前記軸線中心から径方向外側に向かうに従いその厚さが小となるように形成され、前記リフレクター部の上面は略平面状に形成され、前記リフレクター部の厚さは前記凹部の深さと略同等の大きさで形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明においては、上面に凹部を備え、ブロック状に形成された無垢ガラスの灯体本体部の凹部に、光源から発せられて灯体本体部を透過した光を反射させて外部に照射させるリフレクター部を係合させて一体に設けるようにしたことで、横から見た際にリフレクター部(キャップ部)が大きく露出しないようにすることができる。これにより、照明装置の見栄えをよくすることが可能になる。
【0011】
また、灯体本体部が無垢ガラスでブロック状に形成されていることにより、リフレクター部で反射した光を、灯体本体部を通じて好適に外部に照射させることが可能になる。さらに、灯体本体部が無垢ガラスでブロック状に形成されていることにより、灯体本体部を通じて横から光源が見えなくなるようにすることができ、照明装置の見栄えをさらによくすることが可能になる。
【0013】
また、灯体本体部の凹部が上下方向に延びる軸線中心の径方向外側に向かうに従い上方に傾斜する凹面を備えて形成され、この凹部に係合するようにリフレクター部が形成されているため、軸線中心の径方向外側に向かうに従いリフレクター部の厚さが小となるようにリフレクター部を形成することができる。これにより、確実に、横から見た際にリフレクター部が大きく露出しないようにすることができ、見栄えをよくすることができる。
【0014】
また、リフレクター部の反射面が灯体本体部の凹部の凹面に沿うようにリフレクター部が凹部に係合して設けられていることにより、光源から入射した光を灯体本体部の凹部の凹面及びリフレクター部の反射面の角度に応じた所望の下配光となる方向に精度よく反射させることができ、照明装置の軸線を中心とした周方向の地面の所望の範囲を好適に明るく照らすことが可能になる。
【0015】
さらに、本発明の照明装置においては、前記灯体本体部の凹部の凹面と前記リフレクター部の光を反射する反射面との間に、前記反射面で反射した光の照度ムラをなくす調光部を備え、前記リフレクター部は前記灯体の上端部を形成するキャップ部を兼ねていることがより望ましい。
【0016】
ここで、リフレクター部の反射面が例えばメッキなどによる鏡面状に形成されている場合、鏡面状の反射面の僅かな歪みなどによって外部に照射される光に照度ムラが生じてしまう。
【0017】
これに対し、この発明においては、灯体本体部の凹部の凹面とリフレクター部の光を反射する反射面との間に、例えば酸化チタンを白色顔料として用いた白色塗料などによる調光部(調光層)を設けるようにし、リフレクター部の反射面で反射した光が調光部を透過するようにしたことで外部に照射する光の照度ムラをなくすことが可能になる。これにより、より好適に光を照射させることが可能になる。
【0018】
また、本発明の照明装置においては、前記光源を上端部側に内蔵し、前記上端部に前記灯体が固設される支柱を備えるとともに、前記支柱が外面の少なくとも一部を鏡面状にして形成されていることがさらに望ましい。
【0019】
この発明においては、支柱の上端部に灯体を設けることで、支柱の長さに応じて灯体の位置を調節することができる。そして、このように支柱を備えた場合であっても、支柱の外面を鏡面状にして形成することにより、支柱の外面に周囲の景色が映り込み、支柱を周囲の環境・景色・状況に同化させることができる。これにより、支柱の存在が周囲に対して際立って(目立って)しまうことを防止でき、照明装置としての見栄え、汎用性を大幅に高めることが可能になる。
【0020】
さらに、本発明の照明装置においては、前記リフレクター部の上面が凸状に形成されていることが望ましい。
【0021】
この発明においては、照明装置の最上部に配されるリフレクター部の上面が凸円弧面状等の凸状に形成されていることにより、照明装置を外構に設けた場合であっても、雨水等が上部に溜まることを防止できる。
【0022】
また、本発明の照明装置においては、前記灯体本体部は、下端側に外面から内側に凹み、前記灯体本体部を保持するための留めビスが係合する係合凹部を備えて形成されていることが望ましい。
【0023】
この発明においては、例えば、LEDなどの光源を取り付けたソケット部に灯体を取り付ける際に、ソケット部に灯体本体部の下端側を嵌合させた状態でソケット部の外側から留めビスをねじ込み、この留めビスの先端部を灯体本体部の係合凹部に係合させることにより、光源に対して灯体(灯体本体部)を容易に且つ確実に所定位置に位置決めして取り付けることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の照明装置によれば、見栄えがよく、好適に光を照射させることが可能な足元灯、ポール灯などとしての照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る照明装置を示す正面視図であり、円柱状の支柱を備えた照明装置である。
図2図1に示す照明装置の分解斜視図である。
図3図1に示す照明装置の断面図である。
図4図1に示す照明装置の断面図である。
図5図1に示す照明装置の灯体を示す半断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る照明装置を示す正面視図であり、角柱状の支柱を備えた照明装置である。
図7図6に示す照明装置の分解斜視図である。
図8図6に示す照明装置の断面図である。
図9図6に示す照明装置の断面図である。
図10図6に示す照明装置の灯体を示す半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1から図10を参照し、本発明の一実施形態に係る照明装置について説明する。
【0027】
ここで、本実施形態では、本発明に係る照明装置が例えば屋外通路の側部に設置するなどし、通行者の足元を明るく照らすことができる下配光の外構用の照明装置であるものとして説明を行う。
【0028】
具体的に、本実施形態における照明装置Aは、図1から図4図6から図9)に示すように、下端部を地面に支持させて立設される中空構造の支柱1、光源2aを有し、支柱1の上端部1a側に内蔵される発光部2と、支柱1の上端部1aに一体に取り付けられ、発光部2の光源2aで発した光を、上下方向に延びる軸線O1(支柱1)を中心とする放射方向に照射させる灯体3とを備えて構成されている。
【0029】
支柱1は、断面円形状の円柱状(円管状:図1から図4)、あるいは断面が四角や三角などの多角状の角柱状(角管状:図6から図9)に形成されている。また、本実施形態の支柱1は、外面を鏡面仕上げ・鏡面加工して(鏡面状に)形成されている。
【0030】
発光部2は、支柱1の上端部1aに取り付けるための略筒状に形成されたソケット部2bと、ソケット部2bに一体に取り付けられたLEDなどの光源2aとを備えて構成されている。そして、発光部2は、支柱1の中空部に配線を通しつつソケット部2bを支柱1の内部に支持させるとともに、支柱1の外側からねじ込んだビス1b(ビス孔1c)によって支柱1に固定することにより、光源2aから光を上方に発するように支柱1の上端部1aに内蔵して配設される。
【0031】
灯体3は、図5図1から図4図10図6から図9))に示すように、圧縮して成形されたブロック状の無垢ガラスからなる灯体本体部3aと、灯体本体部3aの上端部に一体に取り付けられるリフレクター部(キャップ部)3bと、灯体本体部3aの上面とリフレクター部3bの間に介装される調光部3cとを備えて構成されている。
【0032】
ブロック状の無垢ガラスからなる灯体本体部3aは、下端側に設けられ、支柱1の上端部1aから内部に挿入して固定するための固定部4と、固定部4から上方に設けられ、支柱1の上端部1aから上方に配設される本体部5とを備えて形成されている。また、固定部4は、上下方向に延びる軸線O1中心の径方向に凹み、周方向に繋がる環状の係合凹部4aを備えている。
【0033】
そして、本実施形態においては、固定部4をソケット部2bの内部に挿入するとともにソケット部2bの外側から留めビス2cをねじ込み、留めビス2cの先端部が固定部4の係合凹部4aに係合することにより、灯体本体部3a(灯体3)をソケット部2bひいては支柱1の上端部1aに着脱可能に固定できるように構成されている。
【0034】
また、本実施形態では、ソケット部2bの上端部側に略筒状のパッキン2dが取り付けられ、このパッキン2dを灯体本体部3aの固定部4(係合凹部4a)とソケット部2bの間に介装するようにして灯体本体部3aがソケット部2bに一体に取り付けられる。
【0035】
次に、本体部5は、その上端部(上面)に凹部6が形成されており、この凹部6は、上下方向に延びる軸線O1中心の径方向外側に向かうに従い上方に傾斜する凹面6aを備えて形成されている。本実施形態においては、凹部6が上下方向に延びる軸線O1を中心とした所定の曲率半径の凹円弧面(6a)を備えて形成されている。
【0036】
なお、凹部6を例えば軸線O1を中心とする凹円錐状に形成してもよい。また、凹円弧面の曲率半径、凹円錐面の角度はそれぞれ、灯体本体部3aから軸線O1中心の外側に照射する範囲(本実施形態では下配光の範囲)、及び/又は灯体本体部3aの成形の可否などに応じて適宜設定されている。
【0037】
リフレクター部3bは、灯体3の上端部を形成するキャップ部を兼ねるとともに、光源2aから発せられて無垢ガラスでブロック状の灯体本体部3aを透過して入射した光を所望の方向に反射させるためのものであり、灯体本体部3aの上端部に形成した凹部6に係合させて一体に固定して設けられている。
【0038】
また、本実施形態のリフレクター部3bは、その下面が凹部6の凹円弧面(6a)と同等の曲率半径を有する凸円弧面7として形成され、上面が凸円弧面あるいは略平面状に形成され、軸線O1中心から径方向外側に向かうに従いその厚さが小となるように形成されている。すなわち、このリフレクター部3bは、光を反射する反射面7が灯体本体部3aの凹部6の凹面6aに沿うように凹部6に係合して設けられている。
【0039】
さらに、本実施形態のリフレクター部3bは、例えばABSなどの樹脂を用いて所定の形状で形成されるとともに、その表面(下面及び上面)に銀メッキなどのメッキを施して形成されている。これにより、リフレクター部3bは、灯体本体部3aの凹円弧面6aと同等の曲率半径を有し、凹円弧状面6aに面接触させるように係合する凸円弧状の下面がメッキによって鏡面仕上げ・鏡面加工され、反射面7として形成されている。
【0040】
調光部3cは、灯体本体部3aの上面とリフレクター部3bの間に介装され、光源2aから発生された光の少なくとも一部が透過し、リフレクター部3bの反射面7で反射した光を透過させつつ軸線O1中心の周方向に略均一に光を照射させ、リフレクター部3bの反射面7で反射した光の照度ムラをなくすためのものである。
【0041】
そして、本実施形態では、例えば酸化チタンを顔料として含む白色塗料を灯体本体部3aの凹面6aあるいはリフレクター部3bの反射面7に塗布するなどして調光部3cが設けられている。また、リフレクター部3bは、接着剤を用いて灯体本体部3aに一体に取り付けられている。
【0042】
次に、上記構成からなる本実施形態の照明装置Aの作用効果について説明する。
【0043】
まず、本実施形態の照明装置Aは、灯体3(灯体本体部3a)の固定部4にパッキン2dを被せて取り付けるとともに固定部4をソケット部2bに嵌め込み、留めビス2cをねじ込んで固定部4の係合凹部4aに係合/保持させることにより、灯体3を発光部2に一体に取り付ける。
【0044】
このように留めビス2cの先端部を灯体本体部3aの係合凹部4aに係合させて灯体3を発光部2に取り付けるようにしたことで、光源2aに対して灯体3を容易に且つ確実に所定位置に位置決めして取り付けることができる。
【0045】
次に、支柱1の内部に配線を通しつつ、灯体3を取り付けた発光部2を支柱1の上端部から挿入して所定位置で支持させる。さらに、支柱1の外側からビス1b(ビス孔1c)をねじ込むことにより、発光部2ひいては灯体3を支柱1の上端部の所定位置に固定して取り付ける。
【0046】
このようにビス留めによって取り付け固定できるようにすることで、灯体3を確実に固定して取り付けできるとともに、その着脱が容易に行え、メンテナンス性などを大幅に高めることが可能になる。
【0047】
また、本実施形態の照明装置Aにおいては、ブロック状の無垢ガラスからなる灯体本体部3aを備え、且つこの灯体本体部3aの上端部に凹円弧面状の凹部6を設け、この凹部6に係合させてリフレクター部3bがキャップ部のようにして設けられている。
【0048】
そして、リフレクター部3bは、その下面が凹部6の凹円弧面(6a)と同等の曲率半径を有する凸円弧面として形成され、軸線O1中心から径方向外側に向かうに従いその厚さが小となるように形成されている。このため、灯体本体部3aを横方向から見たとき、灯体本体部3aの上部に非常に薄いリフレクター部3bが露出した状態となり、従来のように厚さが大きいキャップ部が露出している場合と比較し、照明装置Aの意匠性を大幅に向上させることが可能になる。
【0049】
また、リフレクター部3bの上面が凸円弧面状(凸状)に形成されているため、雨水等が上部に溜まることがなく、さらにリフレクター部3bの上面がメッキを施して形成されていることで照明装置Aの上部の見栄えをよくすることができる。
【0050】
次に、発光部2、灯体3を取り付けた状態で支柱1を所定位置に立設して設置し、配線を電源に接続することにより、発光部2の光源2aを発光させ、灯光することができる。
【0051】
一方、本実施形態の照明装置Aにおいては、発光部2の光源2aから発せられた光がブロック状の無垢ガラスからなる灯体本体部3aを通じ、灯体本体部3aの上端に形成された凹部6の凹円弧面(6a)に積層された調光部3cに照射される。
【0052】
そして、この調光部3cが例えば広範の波長の光を万遍なく反射する酸化チタンなどを含む白色塗料であるため、調光部3cを一部の光が透過しつつ、他の光が反射する。
【0053】
また、調光部3cを透過した光がリフレクター部3bの鏡面仕上げ・加工した反射面7に照射されて反射し、再度調光部3cを透過する。
【0054】
このとき、灯体本体部3aの上端に形成された凹部6の凹円弧面(6a)、リフレクター部3bの反射面7がそれぞれ所定の曲率半径で形成されているため、調光部3cやリフレクター部3bで反射した光が、下配光として支柱1の軸線O1を中心とした径方向、周方向の所望の範囲に照射され、この所望の範囲を照らすことができる。
【0055】
ここで、本実施形態のようにリフレクター部3bの反射面7がメッキなどによる鏡面状に形成されている場合、鏡面状の反射面7の僅かな歪みなどによって外部に照射される光に照度ムラが生じる場合がある。
【0056】
これに対し、灯体本体部3aの凹部6の凹面6aとリフレクター部3bの光を反射する反射面7との間に、酸化チタンを白色顔料として用いた白色塗料などによる調光部(調光層)3cを設けると、リフレクター部3bの反射面7で反射した光が調光部3cを透過することで外部に照射する光の照度ムラをなくすことが可能になる。これにより、より好適に光を照射させることが可能になる。
【0057】
また、本実施形態の照明装置Aにおいては、ブロック状の無垢ガラスからなる灯体本体部3aを用いて灯体3を構成することによって、灯体3の横から光源2aを臨んだ際に、灯体本体部3aが無垢ガラスであることにより光源2aが見えることがない(視認できなくなる)。これにより、照明装置Aとしての見た目をさらによくすることができる。
【0058】
さらに、本実施形態の照明装置Aにおいては、支柱1が、断面円形状の円柱状、あるいは断面が四角や三角などの多角状の角柱状に形成されるとともに、その外面を鏡面仕上げ・鏡面加工して形成されている。
このため、周囲の景色が支柱1の外面に映り込み、支柱1を周囲の環境・景色・状況に同化させることができる。これにより、支柱1ひいては照明装置Aの存在が周囲に対して際立って(目立って)しまうことを防止でき、照明装置Aとしての見栄え、汎用性を大幅に高めることが可能になる。
【0059】
以上、本発明に係る照明装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0060】
例えば、本実施形態では、灯体本体部3aの凹部6の凹面6aとリフレクター部3bの光を反射する反射面7との間に調光部3cを設けるものとしたが、調光部3cを設けず、リフレクター部3bの下面の反射面7のみで光を反射して照射させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 支柱
1a 上端部
1b ビス
1c ビス孔
2 発光部
2a 光源
2b ソケット部
2c 留めビス
2d パッキン
3 灯体
3a 灯体本体部
3b リフレクター部
3c 調光部
4 固定部
4a 係合凹部
5 本体部
6 凹部
6a 凹面
7 反射面
A 照明装置
O1 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10