特許第6683492号(P6683492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683492
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】炊飯装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20200413BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   A47J27/14 N
   A47J27/00 105Z
   A47J27/14 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-22752(P2016-22752)
(22)【出願日】2016年2月9日
(65)【公開番号】特開2017-140161(P2017-140161A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2018年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 香雄
(72)【発明者】
【氏名】河邉 裕友
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸司
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭49−029273(JP,Y1)
【文献】 特開2000−245620(JP,A)
【文献】 特開2001−149217(JP,A)
【文献】 特開2003−259976(JP,A)
【文献】 特開平11−313764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯を行う炊飯装置であって、
炊飯釜を配置可能な加熱室を画定する筐体と、
当該筐体に開閉可能に取り付けられるとともに、前記加熱室の前面を開閉する開閉扉と、
前記加熱室を加熱するガスバーナと、
前記ガスバーナによる燃焼状態を表示する表示部と、
前記ガスバーナの燃焼状態を検知するとともに、検知した燃焼状態に応じて前記表示部の表示動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、少なくとも前記表示部の表示動作を制御する操作パネルと、当該操作パネルに接続されるとともに、炊飯装置の保安用の安全装置が接続可能な複数の接続端子を有することにより各種の安全装置が接続可能な制御基板と、を含み、各種の安全装置に対応したプログラムが予め組み込まれている
炊飯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の炊飯装置であって、
前記制御基板は、前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知センサが接続される開閉検知センサ用接続端子を備える、炊飯装置。
【請求項3】
請求項2に記載の炊飯装置であって、
前記制御基板は、前記開閉検知センサによる前記開閉扉の閉状態の検知時に、前記ガスバーナでの燃焼が開始されると、前記開閉扉を閉状態にロックする開閉扉ロック機構に接続される開閉扉ロック機構用接続端子を備える、炊飯装置。
【請求項4】
炊飯を行う炊飯装置であって、
複数の炊飯釜を上下方向に配置可能な複数の加熱室を画定する筐体と、
当該筐体に開閉可能に取り付けられるとともに、前記複数の加熱室の各々の前面を開閉する複数の開閉扉と、
前記加熱室の各々を加熱する複数のガスバーナと、
前記複数のガスバーナによる燃焼状態を表示する表示部と、
前記複数のガスバーナの燃焼状態を検知するとともに、検知した燃焼状態に応じて前記表示部の表示動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、少なくとも前記表示部の表示動作を制御する操作パネルと、当該操作パネルに接続されるとともに、炊飯装置の保安用の安全装置が接続可能な複数の接続端子を有することにより各種の安全装置が接続可能な制御基板と、を含み、各種の安全装置に対応したプログラムが予め組み込まれている、
炊飯装置。
【請求項5】
請求項1または4に記載の炊飯装置であって、
前記制御基板は、前記ガスバーナによる不完全燃焼時において発生するCOおよびガス漏れを検知するガス漏れCO警報器に接続されるガス漏れCO警報器用接続端子を備える、炊飯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全装置を備える炊飯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱室内にあるバーナによって炊飯釜を加熱し、炊飯を行う炊飯装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載されたガス炊飯器には、炊飯釜が炊飯温度に達すると、熱応動装置がこれを検知して各炊飯器に対応する主ガス回路の主電磁弁への電気回路をOFFにし、この主電磁弁が主ガス回路を遮断し、主バーナを自動的に消火させた後、元電磁弁への電気回路をオフにし、元電磁弁がガス導入回路を遮断させるようにしている。この結果、複数の炊飯釜を同時に始動させても、最も遅く炊飯が完了した後に主電磁弁がガス導入回路を遮断させることにより炊飯が完了後、ただちにガス導入路を遮断して、安全性を確保していることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59−67125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術では、炊飯の完了後にはガスの遮断を行う安全装置が付いており、装置として異常なく加熱炊飯が出来て、安全である点は重視されているが、作業者や操作者が作業中に加熱室の開閉扉を開いて炎に触れ火傷してしまう危険性があり、安全性の検討が十分できていないという問題があった。
【0006】
本発明は、作業者の火傷等を未然に防ぎ安全性が高く汎用性の良好な炊飯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の炊飯装置は、炊飯を行う炊飯装置であって、炊飯釜を配置可能な加熱室を画定する筐体と、当該筐体に開閉可能に取り付けられるとともに、前記加熱室の前面を開閉する開閉扉と、前記加熱室を加熱するガスバーナと、前記ガスバーナによる燃焼状態を表示する表示部と、前記ガスバーナの燃焼状態を検知するとともに、検知した燃焼状態に応じて前記表示部の表示動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、少なくとも前記表示部の表示動作を制御する操作パネルと、当該操作パネルに接続されるとともに、炊飯装置の保安用の安全装置が接続可能な少なくとも一つの接続端子を有する制御基板と、を含む。
【0008】
本発明の炊飯装置の一態様として例えば、前記制御基板は、前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知センサが接続される開閉検知センサ用接続端子を備える。
【0009】
本発明の炊飯装置の一態様として例えば、前記制御基板は、前記開閉検知センサによる前記開閉扉の閉状態の検知時に、前記ガスバーナでの燃焼が開始されると、前記開閉扉を閉状態にロックする開閉扉ロック機構に接続される開閉扉ロック機構用接続端子を備える。
【0010】
本発明の炊飯装置の一態様として例えば、複数の開閉扉を備え、各開閉扉に対し、前記開閉検知センサ用接続端子および前記開閉扉ロック機構用接続端子が設けられる。
【0011】
本発明の炊飯装置の一態様として例えば、前記制御基板は、前記ガスバーナによる不完全燃焼時において発生するCOおよびガス漏れを検知するガス漏れCO警報器に接続されるガス漏れCO警報器用接続端子を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の炊飯装置は、制御部の制御により表示部においてガスバーナの燃焼状態を表示でき、作業者が開閉扉を開かなくてもガスバーナでの燃焼が確認できるため、作業者の安全性が確保できる。また、制御基板を通じて、各種安全装置が拡張可能となっており、安全装置からの出力信号に応じて制御部によりガスバーナでの燃焼停止を制御でき、安全性を高めると共に汎用性ある炊飯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る炊飯装置の一例を示す正面図。
図2図1に対応する右側面図。
図3】本発明に係る炊飯装置の制御部の一例を示すブロック図。
図4】本発明に係る炊飯装置の開閉扉の一例を示す斜視図。
図5】本発明に係る炊飯装置の一例を示し、下段開閉扉が開かれた状態の右側面からの部分透視図。
図6図5に対応する正面からの部分透視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る炊飯装置の好適な実施形態を、図1図6に基づいて詳述する。
【0015】
図1は炊飯装置の一例を示す正面図、図2は側面図である。図1図2を用いて炊飯装置を詳述する。
【0016】
本実施形態の炊飯装置1は、炊飯を行うために用いられ、筐体2の画定された領域に炊飯釜3を収納する加熱室10と、筐体2に開閉可能に取り付けられるとともに、加熱室10の前面を開閉する開閉扉20と、加熱室10を加熱するガスバーナ11と、ガスバーナ11にガスの供給および停止を行う電磁弁(図示せず)、およびガスバーナ11による燃焼状態を表示する表示部30とを備える。本実施形態では、炊飯装置1を設置した状態において、筐体2は縦長の略直方体形状をなし、加熱室10が上下に3つ配列され、同時に開閉扉20も3つ上下に配列された状態で筐体2に取り付けられ、炊飯装置1は、複数の加熱室10を備える立体炊飯器である。
【0017】
表示部30は、炊飯装置1の正面の側方上部に配置され、それぞれの加熱室10に対応して、上下に3つ配列されている。即ち、上段の加熱室10aに対応した上段表示部30aと中段の加熱室10bに対応した中段表示部30bおよび下段の加熱室10cに対応した下段表示部30cが配置されている。尚、個々の表示部30a、30b、30cを説明したが、統合された一つの表示部30でも良い。
【0018】
そして、表示部30と電気的に接続する制御部40が配置され、制御部40は、表示部30の表示動作を制御する操作パネル50に接続されている。尚、表示部30は操作パネル50に実装されているが、操作パネル50に含まれる概念でも良い。表示部30が表示するガスバーナ11による燃焼状態とは、炊飯時間、加熱室10の温度等であり、ガスバーナ11が燃焼中は表示部30の表示灯31が点灯するため、作業者が容易にガスバーナ11の燃焼を確認できる。表示灯31の点灯は、ガスバーナ部分で発生している炎を感知したフレームロッドから流れる電流を制御部40が受けて表示部30の表示灯31を点灯させるようになっている。また、操作パネル50は操作ボタン等を備え、例えばガスバーナ11の点火消灯、炊上り調整、タイマー炊飯、炊飯の種類(白飯、無洗米、炊込み等)選択等が可能である。
【0019】
本実施形態の筐体2は、複数の架台4により支持され、筐体2の上部にはガス供給管5が設けられている。また、炊飯装置1は、筐体2の側面から延長されたコードに接続され炊飯装置1に給電する電源に接続するプラグ7と、必要あれば接続可能でガスバーナ11による不完全燃焼時において発生するCOおよびガス漏れを検知するガス漏れCO警報器8とを有している。ガス漏れCO警報器8の取り付け場所は、壁、天井、床等であり、炊飯装置1の設置位置およびガス種により任意である。
【0020】
図3は制御部40の一例を示すブロック図である。図3を用いて制御部40を説明する。
【0021】
制御部40は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備え、炊飯装置1全体をプログラム等で制御し、操作パネル50と、操作パネル50と端子等を介して電気的に接続された制御基板60とを備えている。そして、制御部40は、ガスバーナ11の燃焼状態を検知するとともに、検知した燃焼状態に応じて表示部30の表示動作を制御する。本実施形態において、操作パネル50は3つ備えており、上段表示部30aに接続し上段加熱室10aを操作する上段操作パネル50aと中段表示部30bに接続し中段加熱室10bを操作する中段操作パネル50bおよび下段表示部30cに接続し下段加熱室10cを操作する下段操作パネル50cで構成されている。
【0022】
制御基板60は、上述の操作パネル50と電気的に接続する端子の他に、後述する炊飯装置1の保安用の安全装置80と接続可能な接続端子70を複数有している。本実施形態での接続端子70は、図面左側に配列される上段開閉扉20aの開閉検知センサ用接続端子71a、中段開閉扉20bの開閉検知センサ用接続端子71b、下段開閉扉20cの開閉検知センサ用接続端子71cおよびガス漏れCO警報器8用のガス漏れCO警報器用接続端子72と、図面右側に配列される換気扇用接続端子73、上段開閉扉20aの開閉扉ロック機構用接続端子74a、中段開閉扉20bの開閉扉ロック機構用接続端子74b、下段開閉扉20cの開閉扉ロック機構用接続端子74cとを有している。
【0023】
安全装置80に電気的に接続可能な上述した各種の接続端子70を設けることにより、予め安全装置80に対応したプログラムが組み込まれている制御部40が炊飯装置1の異常を検知でき、当該異常に見合った対応が可能となる。尚、本実施形態の接続端子70の数は上述の通りであるが、その他の安全装置80用の接続端子70を取り付けることが可能であり、汎用性の高い制御部40を提供できる。
【0024】
上述の「異常を検知」とは、例えば、ガスバーナ11の燃焼中に作業者が開閉扉20を開いてしまった、またはガス漏れになった等の場合である。開閉扉20が開いたときの異常信号は開閉検知センサ用接続端子71、ガスが漏れたときの異常信号はガス漏れCO警報器用接続端子72にそれぞれ送られ、制御部40の指令によりそれぞれの電磁弁が作動し、ガスの供給を停止させる。このとき、各加熱室10に対し、異常を検知した一の加熱室10(例えば加熱室10a)にあるガスバーナ11へのガスの供給を停止し、他の加熱室10(例えば加熱室10b)にあるガスバーナ11への供給は継続させても問題が生じない場合と、異常を検知したことによりそれぞれの加熱室10にあるガスバーナ11のすべてにガスの供給を停止させる場合とがある。これにより、炊飯装置1の作業性を考慮しつつ、作業者への安全性が確保される。
【0025】
そして、ガスバーナの燃焼中に開閉扉が開かれたことを知らせる信号が開閉検知センサ用接続端子71に送られれば、開閉扉20が開いたと異常を検知した加熱室に係る表示部に、ガスバーナ11へのガスの供給が停止されたことの表示がなされ、作業者がどこの加熱室に異常が生じたかを容易に判断することができる。なお、開閉扉20が開いているときは、着火しないことはもちろんである。
【0026】
また、ガス漏れCO警報器8とガス漏れCO警報器用接続端子72が電気的に接続されていれば、ガスバーナ11による不完全燃焼時において発生したCOを検知して、制御部40が電磁弁を介してガスの供給を停止して、安全性が確保される。同時に、表示部30に警告が表示される。尚、異常時のガスの停止表示や警告表示と同時に警告音を発しても良い。
【0027】
そして、各接続端子70の安全装置80への接続はオプションであり、作業者の安全性を重視して、どのような安全装置80を取り付けるか自由な選択を可能としており、どの安全装置80に対しても予めプログラムが組み込まれ、対応可能としている。これによって、後から追加した安全装置80の制御と、炊飯するためのガスバーナ11による燃焼制御との連動性を確実なものとしている。また、必要最低限として、ガスバーナ11による燃焼状態を表示する表示部30、特に表示灯31が備えられているので、開閉扉20を開かなくともガスの燃焼が確認できて安全性は確保できるが、本実施形態の炊飯装置1では、より安全性を高めるために各種の接続端子70が制御基板60に予め設けられている。
【0028】
図4〜6を用いて、安全装置の実施形態の一例を説明する。
【0029】
開閉扉20は、開閉扉20の正面側に設けられ開閉を行う把手21と、開閉扉20の側方に設けられ回動を行う回転軸22と、開閉扉20の側方から突出し断面略L字形状の支持部23とを備える。また、支持部23は、後方に突出する突出部24と、開閉扉20の下方に突出する脚部25とを有する。
【0030】
開閉扉20の保安に関する本実施形態の安全装置80の一態様としては、安全装置80は筐体2内部に収納され、炊飯装置1の縦方向に上下するレバー81を有し開閉扉20の開閉状態を検知することで、ガスバーナ11での燃焼中に開閉扉を開くと、電磁弁を閉じてガスバーナ11へのガスの供給を停止するための検知信号を送る開閉検知センサ82と、炊飯装置1に横方向の左右に移動するロック棒83を有し、ガスバーナ11での燃焼が行われることで制御部40から信号が送られて、開閉扉20を閉状態にロックする開閉扉ロック機構84とを備える。これらの安全装置80は、各開閉扉20に対応して個別に設けられているため、各開閉扉20に対し、開閉検知センサ82と電気的に接続する開閉検知センサ用接続端子71および開閉扉ロック機構84に電気的に接続する開閉扉ロック機構用接続端子74が設けられることになる。なお、開閉検知センサ82は単独の機能で安全性を確保することができ、開閉扉ロック機構84は、開閉検知センサ82の機能との組み合わせで、安全性を確保することができるようになっている。
【0031】
レバー81は、開閉扉20の支持部23の脚部25の底部25aに開閉扉20が閉まる状態において下方向(図6矢印A方向参照)に押圧され、当該下方向の移動を開閉検知センサ82が検知して、制御部40に信号を送り、制御部40は表示部30に開閉扉20が閉まっていることを表示させる。開閉扉20の開きは、レバー81が上方(図6矢印B方向参照)に復帰することにより開閉検知センサ82が検知する。
【0032】
開閉扉20が閉状態であると開閉検知センサ82が検知して、検知信号を制御部40に送り、制御部40が閉状態であると判定した状態において、ガスバーナ11での燃焼が行われた場合、ロック棒83は、加熱室10方向(図6矢印D方向参照)に延びて、開閉扉20の支持部23の突出部24の上面24a上部に延在して開閉扉20が開状態にならないよう閉状態にロックする。また、作業者がガスバーナ11の燃焼時に開閉扉20を開く動作をした場合、開閉扉ロック機構用接続端子74に接続している開閉扉ロック機構84が働いて開閉扉20がロックされているため、開閉扉20は開くことが出来ない。また、ガスバーナ11が点火していない場合は、制御部40の指令により、ロック棒83が加熱室10から離間するように移動(図6矢印C方向参照)し、開閉扉ロック機構84内に収納され、開閉扉20を開くことが可能となる。
【0033】
炊飯装置1の作業者は、開閉扉20を開いてガスバーナ11の燃焼状態を確認する必要も無く、また、ガスバーナ11の燃焼中は開閉扉20を開くと、電磁弁を閉じてガスバーナ11のガスの供給を停止する、またはガスバーナ11での燃焼が行われているときは、開閉扉20が開かないようにすることができるため、必要に応じた安全性が維持され、安心して作業が行える。また、接続端子のうち、換気扇用接続端子73には、換気扇が電気的に接続されていれば、ガスバーナ11での燃焼が開始されると換気扇を作動させ、作業者への安全性を高めることができる。
【0034】
さらに接続端子には、ガス漏れおよびCO発生の双方を検知するガス漏れCO警報器用接続端子72が設けられているが、ガス漏れ検知専用の警報器およびCO発生検知専用の警報器のそれぞれが接続できる接続端子を個別に設け、どちらかまたは両方を接続できるようにしてもよい。また、地震による揺れを検知する地震感知器と接続可能な接続端子を設けてもよい。
【0035】
尚、開閉扉20を作業者が開く動作について説明したが、操作パネル50にロック棒83の施錠解除用ボタンを設けていても良い。安全装置80が、開閉検知センサ82と開閉扉ロック機構84とを備えることを上述したが、安全装置80には電磁弁やガス漏れCO警報器8も含まれ、炊飯装置1の保安を確保できるその他の装置も含まれる。
【0036】
本実施形態の炊飯装置1は、炊飯釜3を配置可能な加熱室10を画定する筐体2と、当該筐体2に開閉可能に取り付けられるとともに、加熱室10の前面を開閉する開閉扉20と、加熱室10を加熱するガスバーナ11と、ガスバーナ11による燃焼状態を表示する表示部30と、ガスバーナ11の燃焼状態を検知するとともに、検知した燃焼状態に応じて表示部30の表示動作を制御する制御部40と、を備え、制御部40は、少なくとも表示部30の表示動作を制御する操作パネル50と、当該操作パネル50に接続されるとともに、炊飯装置1の保安用の安全装置80が接続可能な少なくとも一つの接続端子70を有する制御基板60と、を含む。
【0037】
これにより、制御部40の制御により表示部30においてガスバーナ11の燃焼状態を表示でき、作業者が開閉扉を開かなくてもガスバーナ11の運転が確認できるため安全性が確保できる。また、制御基板60を通じて、各種安全装置80が拡張可能となっており、安全装置80からの出力信号に応じて制御部40によりガスバーナ11の点火停止を制御でき、作業者の使用状況、必要に合わせて安全性を高めると共に安全装置80に関して汎用性ある炊飯装置1を提供できる。
【0038】
また、炊飯装置1の制御基板60は、開閉扉20の開閉状態を検知する開閉検知センサ82が接続される開閉検知センサ用接続端子71を備えることにより、安全装置80と電気的に接続することを容易にし、ガスバーナ11での燃焼中に開閉扉20が開かれたとき、電磁弁を閉じることでガスバーナ11での燃焼を停止させるため、炊飯装置1の安全性を強化できる。
【0039】
また、炊飯装置1の制御基板60は、開閉検知センサ82による開閉扉20の閉状態の検知時に、ガスバーナ11での燃焼が開始されると、開閉扉20を閉状態にロックする開閉扉ロック機構84に接続される開閉扉ロック機構用接続端子74を備える。これにより、制御部40の指令により開閉扉ロック機構84が働いて開閉扉20がロックされ、ガスバーナ11の燃焼時に開閉扉20が開くことを防止できる。作業者の不用意な開閉扉20の開きを未然に防止し、作業者の安全性を高めることができる。
【0040】
また、炊飯装置1は、複数の開閉扉20を備え、各開閉扉20に対し、開閉検知センサ用接続端子71および開閉扉ロック機構用接続端子74が設けられる。これにより、各開閉扉20に対して個別に制御部40が監視でき、炊飯装置1全体の安全性を高めることができる。
【0041】
そして、炊飯装置1の制御基板60は、ガスバーナ11による不完全燃焼時において発生するCOおよびガス漏れを検知するガス漏れCO警報器8に接続されるガス漏れCO警報器用接続端子72を備える。これにより、COの発生およびガス漏れに対する安全性を高めることができる。そして、種々の安全装置80を取り付けることが可能で、安全性が高く汎用性が良好な炊飯装置1を提供できる。
【0042】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る炊飯装置は、ガスバーナの燃焼中の安全性を高め、種々の安全装置の取り付けが容易な分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 炊飯装置
2 筐体
3 炊飯釜
4 架台
5 ガス供給管
7 プラグ
8 ガス漏れCO警報器
10 加熱室
11 ガスバーナ
20 開閉扉
30 表示部
31 表示灯
40 制御部
50 操作パネル
60 制御基板
70 接続端子
71 開閉検知センサ用接続端子
72 ガス漏れCO警報器用接続端子
74 開閉扉ロック機構用接続端子
80 安全装置
82 開閉検知センサ
84 開閉扉ロック機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6