特許第6683507号(P6683507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6683507ラベルを用いた加工物の生産を管理する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683507
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ラベルを用いた加工物の生産を管理する方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20200413BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20200413BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20200413BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   G09F3/02 A
   G09F3/00 Q
   G09F3/00 M
   G09F3/10 B
   B65D25/20 P
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-49355(P2016-49355)
(22)【出願日】2016年3月14日
(65)【公開番号】特開2017-27014(P2017-27014A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2019年3月8日
(31)【優先権主張番号】特願2015-144507(P2015-144507)
(32)【優先日】2015年7月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】本田 悟
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−029564(JP,U)
【文献】 特開2007−197078(JP,A)
【文献】 特開2014−201331(JP,A)
【文献】 特開2002−096055(JP,A)
【文献】 特開昭59−067574(JP,A)
【文献】 米国特許第04887475(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00− 5/04
B65D 23/00−25/56
B65B 57/00−57/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強粘着剤層と、前記強粘着剤層に積層された金属箔と、前記金属箔に積層された合成樹脂フィルムと、を備えた物品の容器に貼付可能なラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法であって、
前記ラベルを前記容器に貼付する工程と、
前記容器から前記物品を取り出す工程と、
前記取り出された物品を加工して、加工物を得る工程と、
前記加工物に金属が混入しているか否かを検査するための金属探知機が、前記加工物に前記ラベルが混入しているか否かを検査する工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の容器に貼付可能なラベル、および、当該ラベルを用いた加工物の生産を管理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工物(例えば、加工食品)を生産する工場では、原材料の在庫を管理するために、納入された原材料の容器(例えば、ビニール袋)に、原材料に関する情報(例えば、原材料の名称)が印字されたラベル(例えば、特許文献1を参照)を貼付している。
容器に貼付するラベルには、容器から剥離して原材料に混入することを防ぐために、強い粘着力が求められる。
また、このような工場では、容器を丁寧に取り扱うことが難しく、かつ、大量の水を使用するため、容器に貼付するラベルには、耐久性および耐水性が求められる。
したがって、このような工場で使用されるラベルは、耐久性および耐水性に優れた合成樹脂フィルムと、強粘着剤層と、を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−141775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、合成樹脂フィルムは、弾性変形する性質を有する。したがって、容器から原材料を取り出すときに容器が変形すると、容器に貼付されたラベルは、元の形状に戻ろうとする。ラベルの弾性変形力がラベルの粘着力より大きい場合、ラベルの一部が容器から剥がれるので、ラベルと容器との接触面積が低下する。接触面積が低下すると、ラベルが容器から剥離し易くなる。特に、柔軟性が高い容器(例えば、ビニール袋)の場合、容器が変形し易いため、容器に貼付されたラベルはより剥離し易い。そのため、原材料を加工する過程で、原材料または加工食品にラベルが混入するおそれがある。
したがって、食品工場では、加工食品にラベルが混入しているか否かを検査する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、耐久性および耐水性に優れたラベルの剥離性を抑制し、かつ、加工物に混入したとしても探知可能なラベル、および、当該ラベルを用いた加工物の生産を管理する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、
物品の容器に貼付可能なラベルであって、
強粘着剤層と、
前記強粘着剤層に積層された金属箔と、
前記金属箔に積層された合成樹脂フィルムと、
を備えるラベルである。
【0007】
本発明の第2態様は、
物品の容器に貼付可能なラベルであって、
強粘着剤層と、
前記強粘着剤層に積層された金属箔と、
前記金属箔に積層された耐水紙と、
を備えるラベルである。
【0008】
本発明の第3態様は、前記ラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法であって、
前記ラベルを前記容器に貼付する工程と、
前記容器から前記物品を取り出す工程と、
前記取り出された物品を加工して、加工物を得る工程と、
前記加工物に金属が混入しているか否かを検査するための金属探知機が、前記加工物に前記ラベルが混入しているか否かを検査する工程と、
を含む、方法である。
【0009】
本発明の第4態様は、前記ラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法であって、
前記容器から前記物品を取り出す工程と、
前記取り出された物品を加工して、加工物を得る工程と、
前記加工物に異常がある場合、前記加工物に前記ラベルを貼付する工程と、
前記加工物に金属が混入しているか否かを検査するための金属探知機が、前記加工物に前記ラベルが貼付されているか否かを検査する工程と、
を含む、方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐久性および耐水性に優れたラベルの剥離性を抑制し、かつ、加工物に混入したとしてもラベルを探知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のラベルの断面図。
図2図1のラベルの印字面に印字された情報の一例を示す図。
図3図1のラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法のフローチャート。
図4図3のフローチャートの説明図。
図5】第2実施形態のラベルの断面図。
図6】第3実施形態の粘着面の第1例を示す図。
図7】第3実施形態の粘着面の第2例を示す図。
図8】第3実施形態の粘着面の第3例を示す図。
図9】第3実施形態の粘着面の第4例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(1)第1実施形態
本発明の第1実施形態について説明する。
【0014】
(1.1)ラベルの構成
本実施形態のラベルの構成について説明する。図1は、第1実施形態のラベルの断面図である。図2は、図1のラベルの印字面の一例を示す図である。図2は、図1のラベルの印字面に印字された情報の一例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、ラベル10は、感熱層12と、合成樹脂フィルム14と、金属箔16と、強粘着剤層18と、を備える。
【0016】
感熱層12は、合成樹脂フィルム14に積層されている。感熱層12の両面のうち、ラベル10の表側(図1のF側)の面(以下「表面」という)は、ラベル10の印字面10aに相当する。感熱層12は、所定の温度になると特定の色(例えば、黒色)に発色する。感熱層12の厚さは、10から25(例えば、18)μmである。
ラベル10は、サーマルヘッドを備えるプリンタに使用される。感熱層12は、サーマルヘッドによって加熱されると、発色する。これにより、図2に示すように、ラベル10の印字面に情報(例えば、テキストTXおよびバーコードBC)が印字される。
【0017】
合成樹脂フィルム14は、金属箔16に積層されている。合成樹脂フィルム14の厚さは、16から200(例えば、80)μmである。合成樹脂フィルム14は、耐久性および耐水性に優れ、かつ、弾性変形する性質を有する部材である。
合成樹脂フィルム14は、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂もしくはポリプロピレン樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニルもしくは塩素化ポリ塩化ビニル)、または、それらの組合せに顔料(例えば、白色顔料)が混ぜられたフィルム状の部材である。
合成樹脂フィルム14としては、合成紙(例えば、ポリプロピレンを主成分とするユポ(登録商標))、白PET、又は、再生PET等が挙げられる。
【0018】
金属箔16は、強粘着剤層18に積層されている。「金属箔」とは、1から50(例えば、7)μmの厚さを有する金属層である。金属箔16は、例えば、アルミニウムからなるアルミ箔、銅箔、鉄箔、または、それらの合金である。金属箔16は、合成樹脂フィルム14の弾性変形力より大きな力で塑性変形する性質を有する。例えば、ラベル10を対象物(後述の容器PA)に貼付するときに、ラベル10が変形する場合がある。合成樹脂フィルム14の弾性変形力は、ラベル10の形状を復元させる力として作用する。一方、金属箔16は、合成樹脂フィルム14の弾性変形力より大きな力で塑性変形するので、ラベル10の形状の復元を抑制する。その結果、変形後のラベル10の形状が維持される。
金属箔16は、例えば、接着剤によって、合成樹脂フィルム14および強粘着剤層18と接合される。
【0019】
強粘着剤層18は、JIS Z1538およびZ0237によって規定された「ステンレス試験板に対する180°引きはがし粘着力」が、5880mN/25mm以上である。強粘着剤層18の厚さは、10から25(例えば、17)μmである。
粘着剤は、例えば、エマルジョン粘着剤、ソルベント粘着剤、または、ホットメルト粘着剤である。特に、エマルジョン粘着剤は、環境に悪影響を及ぼす物質(例えば、トルエン、シンナー等)を含まず、かつ、安価である。したがって、強粘着剤層18には、エマルジョン粘着剤が塗工されることが好ましい。
【0020】
(1.2)加工物の生産を管理する方法
本実施形態のラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法について説明する。図3は、本実施形態のラベルを用いて、加工物の生産を管理する方法のフローチャートである。図4は、図3のフローチャートの説明図である。
なお、以下では、原材料(物品の一例)を加工することによって加工食品(加工物の一例)を生産する場合の管理方法について説明する。
【0021】
図3および図4に示すように、はじめに、プリンタPRTが、原材料MA(例えば、野菜)に関する情報(以下「原材料情報」という)をラベル10に印字する(S100)。
具体的には、プリンタPRTにラベル10がセットされると、プリンタPRTは、セットされたラベル10を搬送する。搬送されたラベル10がサーマルヘッドによって加熱されると、ラベル10の印字面に原材料情報を示すテキストTX、および、バーコードBCが印字される。原材料情報は、例えば、原材料の名称、原材料の生産者、原材料の生産地、および、原材料の数量である。
【0022】
次に、作業者が、原材料MAが収容された容器PAに、当該原材料MAに関する原材料情報が印字されたラベル10を貼付する(S102)。容器PAは、例えば、袋、箱、または、梱包材である。容器PAの材料は、例えば、ビニール、または、プラスチックである。
【0023】
次に、作業者が、ラベル10が貼付された容器PAから原材料MAを取り出す(S104)。
具体的には、作業者は、容器PAを開封し、容器PAから原材料MAを取り出し、そして、取り出した原材料MAを調理器具CW(例えば、鍋)に投入する。このとき、ラベル10の少なくとも一部が調理器具CW内の原材料MAに混入する場合がある。
【0024】
次に、作業者が、容器PAから取り出した原材料MAを加工する(S106)。
具体的には、作業者は、調理器具CWを用いて、原材料MAを加工する(例えば、鍋を用いて原材料MAを茹でる)。これにより、加工食品PRが得られる。得られた加工食品PRは、例えばベルトコンベアによって金属探知機MDに搬送される。
【0025】
次に、金属探知機MDが、加工食品PRを検査する(S108)。
食品工場では、加工食品PRに混入している金属(例えば、調理器具の破片)を探知するために、金属探知機MDが用いられている。S108では、この金属探知機MDを用いて、金属だけでなく、ラベル10も探知する。
具体的には、金属探知機MDは、搬送ベルトTBと、探知ユニットDUと、ディスプレイDSPと、を備える。ベルトコンベアによって搬送された加工食品PRは、搬送ベルトTBによって、探知ユニットDUの下方のトンネルに向かって搬送される。探知ユニットDUは、トンネル内の磁場の変化を検出するセンサを備えている。ラベル10は金属箔16を備えるため、ラベル10の少なくとも一部が混入した加工食品PRがトンネルを通過すると、トンネル内の磁場が変化する。探知ユニットDUのセンサがこの磁場の変化を検出すると、探知ユニットDUは、加工食品PRに含まれている金属を探知する。
【0026】
なお、探知ユニットDUは、複数のセンサを備えていてもよい。複数のセンサは、それぞれ、複数の角度を向くように設けられてもよい。この場合、搬送ベルトTBに載せられた加工食品PRの向きにかかわらず、トンネル内の磁場の変化が検出され易くなる。したがって、金属探知機MDによるラベル10の探知の精度を向上させることができる。
【0027】
金属探知機MDは、金属を探知すると(S110:YES)、加工食品PRに金属が含まれていることを警告する(S112)。
具体的には、探知ユニットDUは、ディスプレイDSP上に警告メッセージ(例えば、「ALARM」というテキストメッセージ)を表示する。作業者は、警告メッセージが表示されると、加工食品PRを製造ラインから取り除く。
【0028】
一方、金属探知機MDが金属を探知しなかった場合(S110:NO)、作業者は、加工食品PRを製品として出荷する(S114)。
【0029】
(1.3)本実施形態の小括
本実施形態では、原材料MA(物品の一例)の容器PAに貼付可能なラベル10が、強粘着剤層18と、強粘着剤層18に積層された金属箔16と、金属箔16に積層された合成樹脂フィルム14と、を備える。
また、本実施形態では、金属箔16は、アルミ箔であってもよい。
このように、ラベル10が金属箔16(例えば、アルミ箔)を備えるので、容器PAから物品を取り出すときに容器PAが変形しても、金属箔16の塑性変形によって、容器PAの形状に合わせてラベル10も変形する。その結果、ラベル10と容器PAとの接触面積が維持される。これにより、耐久性および耐水性に優れたラベル10の剥離性を抑えることができる。
また、ラベル10が金属箔16を備えるので、加工食品PR(加工物の一例)に含まれている金属を探知するための金属探知機MDを用いて、加工食品PRにラベル10が混入しているか否かを探知することができる。したがって、ラベル10が加工食品PRに混入しているか否かの検査の作業負担が軽減し、かつ、ラベル10が混入した加工食品PRの出荷を確実に防止することができる。
【0030】
本実施形態では、強粘着剤層18は、エマルジョン粘着剤を含むことが好ましい。
一般に、エマルジョン粘着剤は、他の粘着剤より安価である。一方、金属部材(例えば、アルミ層)の厚さが1μm未満である(つまり、金属部材の厚さが金属箔16より薄い)場合にエマルジョン粘着剤を使用すると、金属部材が半透明になる可能性がある。これは、ラベル10の美観を損なうため、好ましくない。しかし、本実施形態では、金属箔16の厚さが1μm以上であるので、美観を損なうことなく、安価なエマルジョン粘着剤を用いて強粘着剤層18を実現することができる。
【0031】
本実施形態では、上記ラベル10を用いて、加工食品の生産を管理する方法が、ラベル10を容器PAに貼付する工程(S102)と、容器PAから原材料MAを取り出す工程(S104)と、取り出された原材料MAを加工して、加工食品PRを得る工程(S106)と、加工食品PRに金属が混入しているか否かを検査するための金属探知機MDが、加工食品PRにラベル10が混入しているか否かを検査する工程(S108)と、を含む。
したがって、金属探知機MDを用いて、加工食品PRにラベル10が混入しているか否かを探知することができる。
【0032】
(1.4)本実施形態の変形例
本実施形態では、容器PAに貼付される前のラベル10は、剥離紙に仮着されていてもよい。剥離紙は、例えば、グラシン紙である。剥離紙の厚さは、50から60(例えば、55)μmである。
【0033】
本実施形態では、感熱層12は必須ではない。本実施形態は、感熱層12を有していないラベル(つまり、合成樹脂フィルム14の両面のうち、表側(図1のF側)の面がラベル10の印字面に相当する場合)にも適用可能である。この場合、情報の印字は、例えば、インクリボンを用いる熱転写方式のプリンタ、インクジェット方式のプリンタ、電子写真方式のプリンタ等によって行われる。
【0034】
本実施形態では、原材料情報をラベル10に印字する工程(図3のS100)、および、原材料情報が印字されたラベル10を容器PAに貼付する工程(S102)は必須ではない。
【0035】
S100およびS102を含まない管理方法の第1例では、容器PAには、原材料情報が印字されたラベル10が予め貼付されている。そして、S104において、当該容器PAから原材料MAを取り出してもよい。
【0036】
S100およびS102を含まない管理方法の第2例では、S106において、作業者が加工食品PRの異常を発見した場合、異常を示す情報が印字されたラベル10を、加工食品PR、または、1もしくは複数の加工食品PRが収容された容器に貼付しても良い。この場合、S108からS112において、金属探知機MDは、貼付されたラベル10を探知した場合、ディスプレイDSPに異常を示す情報を表示する。これにより、異常がある加工食品PRを製造ラインから容易に取り除くことができる。
【0037】
本実施形態では、加工物が加工食品PRである例について説明したが、加工物はこれに限られない。例えば、加工物は、人間または動物が摂取する薬剤であってもよい。
【0038】
本実施形態では、感熱層12と合成樹脂フィルム14とを異なる層として備えるラベル10について説明したが、ラベル10はこれに限られない。例えば、ラベル10は、感熱層12および合成樹脂フィルム14に代えて、感熱層12と合成樹脂フィルム14とが一体化した層を備えてもよい。
【0039】
本実施形態では、金属箔16に積層される層が合成樹脂フィルム14である例を示したが、金属箔16に積層される層はこれに限られるものではない。
一例として、金属箔16に積層される層は、耐水紙、又は、ラミネート紙であってもよい。耐水紙とは、紙に樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂)を含侵させたものである。ラミネート紙とは、紙にフィルムを被覆したものである。耐水紙又はラミネート紙を金属箔16に積層した場合、ラベル10への印字は熱転写方式で行われる。なお、熱転写方式の場合、感熱層12は不要である。
【0040】
(2)第2実施形態
本発明の第2実施形態について説明する。
【0041】
(2.1)ラベルの構成
本実施形態のラベルの構成について説明する。図5は、第2実施形態のラベルの断面図である。
【0042】
図5に示すように、ラベル20の金属箔26の表側(図5のF側)の面26aおよび裏側(図5のB側)の面26bに凹凸を有する点において、第1実施形態の金属箔16(図4)と異なる。
金属箔26の凹凸は、曲面を有している。この曲面を有する凹凸は、エンボス加工によって形成される。
一方、感熱層12、合成樹脂フィルム14、および、強粘着剤層18の両側の面は、平坦である。
【0043】
(2.2)本実施形態の小括
金属探知機MDによるラベル10の探知の精度は、加工食品PRに混入したラベル10の向きに依存する。しかし、加工食品PRに混入したラベル10の向きが一様になるとは限らない。また、上記S100およびS102を含まない管理方法の第2例のように、加工食品PR、または、加工食品PRが収容された容器にラベル10を貼付する場合、貼付されるラベル10の向きが一様になるとは限らない。これに対して、本実施形態では、金属箔26は、凹凸を有するので、当該ラベル10の向きにかかわらず、金属探知機MDによるラベル10の探知が可能になる。
【0044】
(3)第3実施形態
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、粘着面10bに塗工された粘着剤のパターンの例を説明する。
【0045】
図6は、第3実施形態の粘着面の第1例を示す図である。
図6に示すように、第1例の粘着面10bは、4つの非粘着領域18aと、複数の非粘着領域18bと、複数の粘着領域18cとを備える。
4つの非粘着領域18aは、それぞれ、粘着面10bの4角を含む三角形の領域である。
粘着面10bのうち、非粘着領域18a以外の領域には、矩形の非粘着領域18b、および、粘着領域18cが交互に形成される。
【0046】
図7は、第3実施形態の粘着面の第2例を示す図である。
図7に示すように、第2例の粘着面10bは、非粘着領域18b及び粘着領域18cの大きさが第1例(図6)より小さい(つまり、非粘着領域18b及び粘着領域18cの数が第1例より多い)点において、第1例とは異なる。
【0047】
図8は、第3実施形態の粘着面の第3例を示す図である。
図8に示すように、第3例の粘着面10bは、複数の非粘着領域18bが円形である点、および、粘着領域18cが連続している点において、第1例〜第2例とは異なる。
【0048】
図9は、第3実施形態の粘着面の第4例を示す図である。
図9に示すように、第4例の粘着面10bは、1つの円形の非粘着領域18bが粘着面10bの略中央に形成されている点において、第3例とは異なる。
【0049】
上記第1例〜第4例のいずれにおいても、非粘着領域18aは、粘着面10bの4角を含む三角形の領域であるので、S102において、作業者が、ラベル10を剥離紙から容易に剥離させることができる。
また、上記第1例〜第4例のいずれにおいても、粘着領域18cの総面積が十分に大きいので、容器PAに貼付されたラベル10の剥離を抑制することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0051】
10,20:ラベル
12 :感熱層
14 :合成樹脂フィルム
16,26:金属箔
18 :強粘着剤層
BC :バーコード
TX :テキスト
CW :調理器具
MA :原材料
PA :容器
PR :加工食品
PRT :プリンタ
MD :金属探知機
DSP :ディスプレイ
DU :探知ユニット
TB :搬送ベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9