特許第6683523号(P6683523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683523
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】レーザーマーキング装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20200413BHJP
【FI】
   B23K26/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-69804(P2016-69804)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-177184(P2017-177184A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】岡田 篤
【審査官】 岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−239391(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/035178(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/036008(WO,A1)
【文献】 特開2007−83246(JP,A)
【文献】 実開昭49−130818(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体にレーザー光を照射するレーザー装置と、
前記媒体を支持するキャリアと、
前記キャリアを前記レーザー光の照射位置へ搬送するキャリア搬送部と、を備え、
前記キャリアは、前記媒体の端面を挟持しながら搬送するローラを有する、
レーザーマーキング装置。
【請求項2】
前記ローラの前記媒体との接触面にはテーパが形成されている、
請求項1に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項3】
前記キャリアは、前記媒体が供給される挿入口に、媒体の両端面をガイドする固定幅ガイドを有する、
請求項1または請求項2に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項4】
前記キャリアは、回動により前記媒体の搬送方向を変更可能である、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項5】
前記ローラは、前記媒体を前記キャリアの内外へ搬送する駆動ローラを含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーマーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、カードなどの媒体にレーザーにより文字などをマーキングするレーザーマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カードなどの媒体にレーザー光を照射して文字や記号などをマーキングするレーザーマーキング装置(レーザーマーカ)が知られている(例えば特許文献1または特許文献2参照)。このようなレーザーマーキング装置では、カードなどの媒体をローラでレーザー照射位置まで搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−244692号公報
【特許文献2】特開2015−163405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のレーザーマーキング装置では、カードなどの媒体の搬送に、マーキング面を上下方向(表裏側)から押さえながら回動することで搬送する搬送ローラを用いており、カードなどの媒体のマーキング面に擦り傷が発生することがあった。このように、マーキング面に傷がついてしまうと、カードなどの媒体にレーザーにより形成される文字や記号の品質に影響することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
媒体(2)にレーザー光を照射するレーザー装置(10)と、
前記媒体を支持するキャリア(3)と、
前記キャリアを前記レーザー光の照射位置まで搬送するキャリア搬送部(モータ5など)と、
前記媒体を前記キャリアに供給する供給部(1)と、
を備え、
前記キャリアは、前記媒体の端面を挟持しながら搬送するローラ(32)を有する、
レーザーマーキング装置である。
【0007】
上記構成のレーザーマーキング装置によれば、ローラによって端面を挟持しながら媒体を搬送するため、媒体のマーキング面にローラが接触することがない。そのため、媒体のマーキング面に擦り傷がつくことがなく、カードなどの媒体に対して高品質でレーザーマーキングを行うことが可能となる。
【0008】
上記レーザーマーキング装置において、好ましくは、
前記ローラの前記媒体との接触面にはテーパ(32d)が形成されている。
【0009】
上記構成のレーザーマーキング装置によれば、テーパが形成されていることで、媒体を位置ずれが生じないように両側から挟持することができる。
【0010】
上記レーザーマーキング装置において、好ましくは、
前記キャリアは、前記媒体が供給される挿入口に、媒体の両端面をガイドする固定幅ガイド(33)を有する。
【0011】
上記構成のレーザーマーキング装置によれば、キャリアが固定幅ガイドを有することで、カードなどの媒体を位置ずれなくキャリアに対して挿入させることが可能となる。
【0012】
上記レーザーマーキング装置において、好ましくは、
前記キャリアは、回動により前記媒体の搬送方向を変更可能である。
【0013】
上記構成のレーザーマーキング装置によれば、キャリア自体が回動することで媒体の搬送方向を変更し、例えばマーキング時の媒体の搬送方向に対して垂直な方向に媒体が搬送させる動作などが可能となる。
【0014】
上記レーザーマーキング装置において、好ましくは、
前記ローラは、前記媒体を前記キャリアの内外へ搬送する駆動ローラを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】カードキャリッジケースがカードを支持する状態のレーザーマーキング装置の構成を示す図。
図2】カードキャリッジケースがカードを下方向に搬送する状態のレーザーマーキング装置の構成を示す図。
図3】カードへのマーキングを行う状態のレーザーマーキング装置の構成を示す図。
図4】カードキャリッジケース及びその周辺部の拡大図。
図5】カードキャリッジケース及びその周辺を上面側から見た平面図。
図6】カードキャリッジケース及びその周辺のB−Bの位置の断面図。
図7】カードキャリッジケース及びその周辺の側面図。
図8】カードキャリッジケースの拡大図。
図9】カードキャリッジケースを上面側から見た平面図。
図10】カードキャリッジケースのA−Aの位置の断面図。
図11】ローラ部とカードとの拡大図。
図12】ローラ部によるカードの挟持部分の拡大図。
図13】ローラ部の拡大図。
図14】ローラ部の分解図。
図15】カードキャリッジケースのローラ及び固定幅ガイドを示す図。
図16】固定幅ガイドの拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態
2.補足事項
【0017】
<1.実施形態>
本実施形態のレーザーマーキング装置は、記録対象媒体であるカードを、端面を挟持しながら搬送する構成としている点を特徴の一つとしている。さらに、本実施形態のレーザーマーキング装置は、カードを支持しながら移動することで搬送するカードキャリッジケース自体が回動し、カードの搬送方向を変更できる構成となっている点を、別の特徴としている。以下、本実施形態のレーザーマーキング装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、従来の一般的なレーザーマーキング装置と同様の構成についてはその説明を省略することがある。
【0018】
図1図3は、本実施形態のレーザーマーキング装置であって、図1はカード2がカード供給部1からカードキャリッジケース3に供給されたときの状態を示しており、図2はカードキャリッジケース3がカード2の搬送方向を下方向にしたときの状態を示しており、図3はカードキャリッジケース3がレーザー照射位置にカード2を搬送したときの状態を示している。図1図3に示されるように、本実施形態のレーザーマーキング装置は、カード供給部1、カードキャリッジケース3、ガイドシャフト4、レーザー装置10、露光光学系20、コントロール部30、及び撮像部40を含んで構成される。
【0019】
<レーザー装置10>
レーザー装置10は、例えば、共振器を有しており、レーザーダイオード(LD)または発光ダイオード(LED)などの励起光源からの励起光を増幅して大きい強度のパルスレーザー光21を出力するよう構成されている。レーザー装置10は、レーザーマーキング装置で搬送される媒体であるカード2に対してパルスレーザー光21を照射するためのレーザー光源となる装置である。
【0020】
<露光光学系20>
露光光学系20は、レーザー装置10から出射されたパルスレーザー光21を、所定の画像データに基づいて、ラスタ方式などによりカード2の所定位置に照射させる(図3参照)。露光光学系20は、例えば、一または複数のガルバノミラー、及びfθレンズなどを有し、コントロール部30により制御される。
【0021】
<コントロール部30>
コントロール部30は、レーザーマーキング装置の各構成を統括的に制御する制御部として機能する。コントロール部30は、制御部、通信部、表示部、入力部、インタフェース部、及び記憶部などを備える(図示せず)。例えば、コントロール部30は、カード供給部1を制御してカード2をカードキャリッジケース3に供給する。また、コントロール部30は、記憶部に記憶されたプログラム及び画像データに基づいてレーザー装置10、及び露光光学系20を制御し、カード2に対するレーザー光の照射を行う。また、コントロール部30は、カードキャリッジケース3を制御し、カードキャリッジケース3をガイドシャフト4に沿って移動させたり、回転軸31(後述)を中心に回動させたり、カードキャリッジケース3のローラ32(後述)を回動してカード2を搬送させたりする動作を制御する。
【0022】
<撮像部40>
撮像部40は、カード2の搬送経路の下側に配置され、カードキャリッジケース3により下方向に搬送されたカード2を撮像するよう構成される(図2参照)。撮像部40は、撮像した画像のデータをコントロール部30に対して出力する。
【0023】
<カード供給部1>
カード供給部1は、複数のカード2を保持しながら、コントロール部30の制御により、カード2を1枚ずつカードキャリッジケース3に供給していく。
【0024】
<カードキャリッジケース3>
カードキャリッジケース3は、上流側に設けられたカード供給部1から1枚ずつ供給されるカード2を挿入され、カード2を支持する。カードキャリッジケース3は、コントロール部30の制御により動作されたモータ5により回動するタイミングベルト41により、ガイドシャフト4に沿って移動することで、カード2をカード挿入位置からレーザー照射位置を経て、カード排出位置へと搬送する。カードキャリッジケース3は、本発明におけるキャリアの一例である。
【0025】
図4は、カードキャリッジケース3及びその周辺部の拡大図である。図5は、カードキャリッジケース3及びその周辺を上面側から見た平面図である。図6は、図5におけるB−Bの位置の断面図である。図7は、カードキャリッジケース3及びその周辺の側面図である。図8は、カードキャリッジケース3の拡大斜視図である。図9は、カードキャリッジケース3を上面側から見た平面図である。図10は、図9のA−Aの位置の断面図である。
【0026】
これらの図4図10に示されるように、カードキャリッジケース3は、回転軸31、複数のローラ32、及び複数の固定幅ガイド33などを含んで構成される(特に図4参照)。
【0027】
<回転軸31>
回転軸31は、カードキャリッジケース3の内枠に固定され、コントロール部30により回動されることで、カードキャリッジケース3の内枠に支持されているカード2を回転させる。回転軸31が回動することで、カードキャリッジケース3は、図2に示されるように、カード2の搬送方向を下方向(垂直方向)にすることができ、これによってカード2を撮像部40による撮像位置に移動させることができる状態となる。また、回転軸31は、一方向に回動するよう構成してもよいし、二方向(両方向)に回動するよう構成してもよい。回転軸31は、カード2の表面または裏面のいずれかが撮像部40に対向するようにカードキャリッジケース3を回動可能になっている。
【0028】
<ローラ32>
ローラ32は、カードキャリッジケース3に挿入され支持されるカード2の両端面を挟持しながら支持するよう、カード2の側面に沿うよう2列に整列されて配置される。ローラ32は、カード2の両側面に、カード2を挟んで対向するよう複数配置されている。ローラ32は、カードキャリッジケース3で支持搬送されるカード2の幅ガイドとしての機能も有している。特に図6及び図10に示されるように、ローラ部32a及び丸ベルトプーリ32bを含んで構成される。すなわち、ローラ32は、ローラ部32aと丸ベルトプーリ32bとを含む構成の総称である。
【0029】
<ローラ部32a>
図11は、ローラ部32aとカード2との拡大図である。図12は、ローラ部32aによるカード2の挟持部分の拡大図である。図13は、ローラ部32aの拡大図である。図14は、ローラ部32aの分解図である。図15は、カードキャリッジケース3のローラ32及び固定幅ガイド33を示す図である。これらの図11図15に示されるように、ローラ部32aは樹脂などにより扁平な円柱状に形成され、その側面の中央部には溝状のテーパ32dが形成されている(特に図12参照)。テーパ32dは、V字型の溝状に形成されており、その底面部でカード2を支持するよう形成されている。図12に示されるように、ローラ部32aは、カード2の端面2aを、テーパ32dが形成された溝部分により挟持する。このように、ローラ部32aの側面の溝部分にはテーパ32dが形成されていることで、カード2をずれなく、かつ傷つけないよう支持及び搬送することができる構成となっている。また、図14に示されるように、ローラ部32aは、その側面の溝にゴム輪32eが取り付けられている。ゴム輪32eは、カード2がたわまない程度の弾性力を有しており、カードの搬送力を確保するような構成となっている。このゴム輪32eによって、ローラ部32aはカード2の端面を弾性的に、ずれなく支持搬送することができる構成となっている。
【0030】
<丸ベルトプーリ32b>
ローラ部32aの上下には丸ベルトプーリ32bが配置されている。カードキャリッジケース3に含まれるローラ32は、カード2の両側面に沿うよう2列に整列され、それぞれの列のローラ32は、特に図10及び図15に示されるように、丸ベルトプーリ32bにかけられた丸ベルト32cによって連動するようになっている。これにより、それぞれの列を構成する複数(例えば5つ)のローラ32は、そのうちの少なくとも一つが図示しないローラ駆動モータにより駆動されることにより、その駆動力を他のローラ32に伝達する構成となっている。ローラ32のうち、このローラ駆動モータにより駆動されるローラ32を駆動ローラと呼ぶことがある。
【0031】
<固定幅ガイド33>
図4図7、及び図15に示されるように、カードキャリッジケース3のカード挿入口、及びカード排出口には、固定幅ガイド33が配置されている。図16は、固定幅ガイド33の拡大図である。固定幅ガイド33は、特に図7図15、及び図16に示されるように、カード2と接する位置に、テーパ33aが配置されている。このようなテーパ33aが形成された固定幅ガイド33がカード挿入口及びカード排出口に配置されることで、カード供給部1からカードキャリッジケース3に供給されるカード2が位置ずれなく挿入される。
【0032】
<ガイドシャフト4>
図1図5などに示されるように、ガイドシャフト4は、レーザーマーキング装置に固定され、カードキャリッジケース3を支持するよう配置されている。前述のように、コントロール部30によりモータ5が回動させることにより、タイミングベルト41が回動し、これによりカードキャリッジケース3がガイドシャフト4に沿って直動する。
【0033】
ここで、本実施形態のレーザーマーキング装置において、カード2に対してレーザー光によるマーキングを行う動作について説明する。
【0034】
まず、コントロール部30の制御により、カード供給部1から1枚のカード2がカードキャリッジケース3に対して供給される(図1参照)。カード供給部1から供給されたカード2は、カードキャリッジケース3の固定幅ガイド33により両側面を挟持されながら、カードキャリッジケース3に挿入されていく。カードキャリッジケース3に挿入してきたカード2は、コントロール部30により回動するよう制御されたローラ32により挟持されながら、カードキャリッジケース3の奥へと搬送されていく。カード2がカードキャリッジケース3の中央部分まで移動すると、ローラ32はその回動を停止し、これによりカードキャリッジケース3によりカード2が端面を挟持されながら支持される状態となる(図1参照)。
【0035】
この状態で、カード2に対してレーザー光によるマーキングを行うときには、コントロール部30によりモータ5が回動され、これによってガイドシャフト4に沿ってカードキャリッジケース3が直動していく。カードキャリッジケース3に支持されたカード2が所定の位置に到達すると、コントロール部30はモータ5の動作を停止させ、カードキャリッジケース3の搬送を停止する(図3参照)。この状態で、コントロール部30はレーザー装置10及び露光光学系20を駆動し、カード2の所定位置にレーザー光によるマーキングを行う。レーザー光によるマーキングが完了すると、コントロール部30はカードキャリッジケース3をガイドシャフト4に沿って、動作終端位置に移動させる。そして、カードキャリッジケース3が動作終端位置まで移動したら、コントロール部30はローラ32を動作させてカード2を排出する。これにより、カード2に対するレーザー光によるマーキング処理が終了し、必要に応じて次のカード2に対するマーキング処理が行われることとなる。
【0036】
また、カード2のマーキング前のカード面やマーキング状態などを撮像する場合には、コントロール部30は、カードキャリッジケース3の回転軸31を回動させ、カードキャリッジケース3を、ガイドシャフト4による搬送方向に対して垂直な方向に向くよう制御する(図2参照)。この状態から、コントロール部30によりローラ32が回動させられると、カード2が撮像部40により撮像可能な位置へと排出される。なお、カードキャリッジケース3は、必ずしも図2の位置で回動させる必要はなく、任意の位置で回動するような構成としてもよい。
【0037】
上記のように、本実施形態のレーザーマーキング装置では、カード2の端面をローラ32により挟持しながら支持搬送可能に構成されたカードキャリッジケース3を備えているため、カード2のマーキング面にローラが接触することがない構成となっている。そのため、カード2のマーキング面に擦り傷がつくことがなく、カード2に対して高品質でレーザーマーキングを行うことが可能となる。
【0038】
また、本実施形態のレーザーマーキング装置では、ローラ32がカード2と接触する面にテーパ32dが形成されている。これにより、位置ずれが生じないように、カード2を両側から挟持することができる構成となっている。
【0039】
また、本実施形態のレーザーマーキング装置では、カード2が挿入される挿入口に、カード2の両端面をガイドする固定幅ガイド33が配置されている。これにより、位置ずれを起こすことなく、カード2をカード供給部1からカードキャリッジケース3に対して供給することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態のレーザーマーキング装置では、カードキャリッジケース3が回転軸31により回動可能に構成されているため、カード2の搬送方向を変更し、例えば撮像部40が配置された空間にカード2を移動させることなどが可能となる。
【0041】
<2.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、同様の技術思想に基づいて当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0042】
上記実施形態のレーザーマーキング装置では、カード2に対してレーザーを照射してマーキングする構成を具体例として挙げて説明したが、レーザーを照射する媒体はカード2に限定されるものではなく、紙、またはカード以外の形状の樹脂で形成されたものを媒体としてもよい。
【0043】
上記実施形態のレーザーマーキング装置では、カード供給部1を備える例について説明したが、必ずしもカード供給部を備えている必要はなく、レーザーマーキング装置の上流側に設けられた他の装置から媒体が供給されてもよい。
【0044】
また、レーザーマーキング装置は、媒体のICチップ等に格納されたデータを読み取る読取部をさらに備えてもよい。あるいは、撮像部に代えて読取部を備える構成であってもよい。
【0045】
また、上記実施形態のレーザーマーキング装置では、カードキャリッジケース3が回転軸31により回動可能となっている例について説明したが、必ずしもこのような構成になっている必要はなく、カードキャリッジケース3は回動不能な構成であってもよい。このような構成であっても、カード2と端面を挟持しながら支持搬送する構成のレーザーマーキング装置を構成可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のレーザーマーキング装置は、レーザーを用いてカードなどの媒体に文字や記号などを印字可能な装置として利用される。
【符号の説明】
【0047】
1…カード供給部
2…カード
2a…端面
3…カードキャリッジケース
31…回転軸
32…ローラ
32a…ローラ部
32b…丸ベルトプーリ
32c…丸ベルト
32d…テーパ
32e…ゴム輪
33…固定幅ガイド
33a…テーパ
4…ガイドシャフト
41…タイミングベルト
5…モータ
10…レーザー装置
20…露光光学系
21…パルスレーザー光
30…コントロール部
40…撮像部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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