(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る食材解しローラ装置を詳細に説明する。尚、以下の説明において、
図1における操作パネル13側を「前方」、操作パネル13とは反対側を「後方」、「前方」から「後方」を向いた場合の左右を「左右方向」として説明する。
【0021】
図1は本発明に係る食材解しローラ装置が用いられる食材盛付装置4の全体構成を示すものである。同図において、11は装置の筐体であり、その上部に蓋体11bが後方の水平回動軸11b’(
図2参照)を以って開閉自在に設けられ、筐体11の前面には操作パネル13が設けられ、操作パネル13の背面側には一対の食材解しローラ1a,1bが設けられ(
図1、
図9参照)、上記食材解しローラ1a,1bの下側にシャッター15を介して容器載置部14が形成され、容器載置部14内には電子的な計量器16が設けられており、上記容器載置部14上に載置された食材容器3に落下供給される食材の重量を計量可能に構成されている。
【0022】
上記筐体11内部には、
図2、
図3に示すように、食材保温用筐体19(
図11、
図12参照)が上記筐体11内の中間部の内部機枠11a上に固定されている。この飯保温用筐体19は、内部の食材ホッパー12と、該ホッパー12の下方に設けられた食材搬送部2の全体を被覆する筐体であり、上半部の略逆円錐形状のホッパー筐体17と、下半部に上記ホッパー筐体17と一体に設けられた円筒筐体18とから構成されており、上記円の筐体18の下面側は
図6、
図12に示すように上記食材解しローラ1a,1bの上方に位置する開口6以外は固定底板18aにて閉鎖されている。尚、円筒筐体18の固定底板18aの中心には直立回転軸7を挿通するための開口18bが設けられている。従って、円筒筐体18の円筒中心は上記直立回転軸7の中心軸Pに一致するように構成されている。
【0023】
上記
図11に示すホッパー筐体17の上面を閉鎖する開閉蓋部17aは、外周部17bの部分を境界として上記ホッパー筐体17の上面より離脱し得るものであり、
図2に示すように、上記蓋体11bの内側面に固定部材11c,11cにより固定されるものである。従って、上記蓋体11bを開くと、上記開閉蓋部17aは、上記蓋体11bと共に上記ホッパー筐体17の上面から離脱し、上記ホッパー筐体17の上面を開口し得るように構成されている。
【0024】
上記ホッパー筐体17の内部には、食材ホッパー12が設けられている(
図2、
図4参照)。この食材ホッパー12はその方形の上端縁12a下面が上記ホッパー筐体17の上端部に位置する上記筐体11の内向突出縁11d上に固定されることで、上記ホッパー筐体17内に固定されている。
【0025】
この食材ホッパー12は、方形の上面開口12bより下方に向けて略逆四角錐形状に設けられており、該ホッパー12の下側に上記食材搬送部2が形成されている。
【0026】
図4に示すように、上記食材ホッパー12は、上記上面開口12bは方形であるが、下端部12cは、上記中心軸P(直立回転軸7)を中心とする円形となっており、各側面(四面)は上面開口12bから下端部12cに向けて平面から円弧面に徐々に変化する形状から構成されており、上端部近傍においては、隣接する各平面のコーナ部12dは円弧状面によって滑らかに横方向に連続している。そして、上記円形の下端部12cの位置は、後述の食材送り羽根20の若干上方位置であり(上記食材送り羽根20の上縁と上記ホッパー12の下端部12cとの距離t5、
図2参照)、上記下端部12cの円形の直径は、後述の固定円盤23の直径と略同一又は若干小になるように形成されている。
【0027】
上記食材ホッパー12の上記下端部12cの下側には上記食材搬送部2が設けられている。この食材搬送部2は、上方から供給される飯を一対の解しローラ1a,1bまで搬送するものであり、この食材搬送部2により上記解しローラ1a,1bに飯が供給され、該解しローラ1a,1bの回転により飯が下方の食材容器3に落下供給される。この上記食材搬送部2は、上記食材保温筐体19の下半部の上記円筒筐体18の内部に設けられている(
図2、
図3参照)。
【0028】
上述のように、上記円筒筐体18の底面を構成する固定底板18aの前面寄りの位置に、上記解しローラ1a,1bに通ずる開口6が設けられ、固定底板18aの中央の上記開口18bを貫通する直立回転軸7が上記固定底板18a及び上記内部機枠11aを貫通して上記食材保温用筐体19内に突設されている(
図2参照)。
【0029】
ここで上記直立回転軸7の中心軸Pは、上記食材ホッパー12の下端部12cの円形の中心軸と一致する位置に設けられている。この直立回転軸7は
図2に示すように、食材送り羽根20及び円錐キャップ20’に接続された内側直立回転軸7a(アングル21にて内部機枠11aに回転自在に支持されている)、回転円筒体8の内側の小円筒部8a(
図5参照)の内周が接続された外側直立回転軸7b(アングル22にて内部機枠11aに回転自在に支持されている)とにより二重管構造に構成されており、さらに上記内側直立回転軸7aと上記外側直立回転軸7bとの間に直立固定軸7c(上記アングル22に固定されている)が設けられている。
【0030】
そして、上記円筒筐体18内部における上記固定底板18aの上側に、上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心軸とし、上記外側直立回転軸7bにより回転駆動される上下開口の回転円筒体8が設けられている(
図2、
図5参照)。この回転円筒体8は内部に同心の上記小円筒部8aが設けられ、上記小円筒部8aの外周面と上記回転円筒体8の内周面との間に半径方向に複数(8枚)の仕切板9が接続され、上記小円筒部8aの内周が上記外側直立回転軸7bに固定されることにより、上記外側直立回転軸7bと共に矢印B方向に回転駆動されるものである。
【0031】
この回転円筒体8は、その直径が上記円筒筐体18の内径より若干小であり、その円筒外面は上記円筒筐体18の内面に近接するように設けられている(
図2、
図3参照)。そして、この回転円筒体8は、その外周下端8bと上記固定底板18aの上面とは、
図2に示すように、短い距離t3離間して設けられ、かつ上記各仕切板9の下縁9aも上記回転円筒体8の外周下端8bと同一位置に設けられており、各仕切板9の下縁9aと上記固定底板18aの上面との間も、上記距離t3離間して設けられている。尚、上記距離t3は、
図2に示す距離よりも短くしても良く、上記下縁9aを上記固定定板18aの上面に近接させても良く、上記t3は食材の性状に応じて定められるものである。
【0032】
一方、上記回転円筒体8の外周上端8cは、上記食材ホッパー12の下端部12cの位置より上方水準位置に設けられており(
図2参照)、上記ホッパー12から上記回転円筒体8内(固定円盤23上)に落下供給される飯が、上記回転円筒体8の外側にはみ出すことのないように、上記食材ホッパー12から上記飯が上記回転円筒体8内に確実に落下供給されるように構成されている。尚、上記各仕切板9の上記上縁9bの位置は、上記回転円筒体8の外周上端8cよりも低い位置(後述の固定円盤23より低い位置)となるように構成されている。
【0033】
このように、上記回転円筒体8の内空間、即ち、上記小円筒部8aの外周面と上記回転円筒体8の内周面と、上記固定底板18aの上面による空間は、上記複数の仕切板9によって複数の食材室10に区分けされた状態となっており(
図7参照)、上記回転円筒体8の回転により上記各食材室10が上記固定底板18aに設けられた上記解しローラ1a,1bに通じる上記開口6の上方を順次横切るように構成されている。
【0034】
上記回転円筒体8の上記仕切板9の上縁9bより若干上方位置であって、上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心とし、上記回転円筒体8の直径より小径であって、上記ホッパー12の円形の下端部12cの直径と同一又は若干大の固定円盤23が水平に設けられている。この回転円盤23は、上記回転円筒体8の外周上端8cより低い位置に固定されている。この固定円盤23は、その内周が上記直立固定軸7cに接続固定されているものであり、具体的には、上記固定底板18aの上面より距離t1の高さに位置しており(
図2、
図5参照)、該固定円盤23の外周縁と上記回転円筒体8の内周面とは半径方向に距離t2の幅の食材落下用の環状空間Sが生じるように構成されている(
図3、
図5、
図7参照)。
【0035】
尚、上記固定円盤23の下面と上記回転円筒体8の上記小円筒部8aの上面は、極めて小の間隔を以って近接状態となっており(
図2参照)、上記固定円盤23下側において上記回転円筒体8の回転が阻害されないように構成されている。
【0036】
また、上記固定円盤23上に上記内側直立回転軸7aに固定された複数の食材送り羽根20(実施形態では4枚)が放射状に設けられている。より具体的には、上記内側直立回転軸7aの先端部には円錐キャップ20’が設けられており、各飯送り羽根20の内端部が上記円錐キャップ20’の円筒側面に各々固定されている。
【0037】
これらの食材送り羽根20は、各々回転方向(
図5の矢印A方向)に突出する(凸の)湾曲面20aが形成された湾曲状の羽根であり、上記固定円盤23の上面と上記食材送り羽根20の下端との距離は極めて小(1mm乃至それ以下)となるように構成されている。さらに、上記各食材送り羽根20の先端部20bが上記固定円盤23の外周縁近傍、本実施形態では上記先端部20bが上記
固定円盤23の外周縁より若干外側に突出するように構成され(
図7参照)、上記固定円盤23上の飯(食材)を確実に、上記
固定円盤23の外周縁方向に移送し得るように構成されている。
【0038】
従って、上記食材送り羽根20の矢印A方向の回転により、該食材送り羽根20上即ち、固定円盤23上に供給された飯を、上記湾曲面20aにより、上記固定円盤23の全周の外周縁方向に搬送し得るように構成されている。よって、上記固定円盤23の外周縁方向に搬送された飯は、上記固定円盤23の外周縁の全周から上記環状空間Sを介して上記各食材室10に落下供給されるように構成されている。
【0039】
図6に示すように、上記内側直立回転軸7aはプーリ25及びベルト26により駆動モータM1により駆動され、これにより上記食材送り羽根20は矢印A方向に回転駆動される。また、上記外側直立回転軸7bはプーリ27及びベルト28により駆動モータM2により駆動され、これにより上記回転円筒体8は上記矢印A方向とは逆方向の矢印B方向に回転駆動される。尚、上記駆動モータM1,M2は固定アングル29により上記内側機枠11aに固定されている。
【0040】
そして、
図4に示すように、上記食材送り羽根20の上方に上記食材ホッパー12が固定され、その下端部12cが上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心とする円形であり、上記円形の直径が上記固定円盤23の直径と同一径又は若干小径となるように構成されているため、上記ホッパー12に供給された飯は、上記中心軸Pを中心とする上記固定円盤23上に均等に供給される。
【0041】
上記開口6の下側には、上記直立回転軸7と直交する2本の回転軸30a,30bにより回転駆動される円筒状の解しローラ1a,1bが設けられている(
図1、
図8〜
図10参照)。
【0042】
上記解しローラ1a,1bは、前後方向の軸受板31,32(
図2参照)により水平に支持されており、
図10に示すように、上記解しローラ1aを駆動する上記回転軸30aは、上記直立回転軸7の左側において上記内部機枠11aにアングル33にて固定された駆動モータM3に接続され、上記解しローラ1bを駆動する上記回転軸30bは、上記直立回転軸7の右側において上記内部機枠11aにアングル33にて固定された駆動モータM4に接続されている。そして、上記解しローラ1a,1bは上記各駆動モータM3,M4により互いに対向方向(矢印C,C’方向)に回転駆動されるように構成されている。従って、上記解しローラ1a,1bは独立した駆動モータM3,M4により、互いに異なるスピードで回転させることができ、各種の食材の性状にあわせてより適切な解しを行うことができる。
【0043】
そして、
図7に示すように、上記開口6は長方形状であり、その直線状の左右開口縁6a,6bは、上記回転軸30a,30bに平行であり、上記左右開口縁6a,6bに平行な開口6の中心線Kの位置に、上記一対の解しローラ1a,1bの両回転軸30a,30bに平行な中心線K’が位置するように構成されている。
【0044】
即ち、上記両解しローラ1a,1bの上方に固定底板18aが設けられ、上記固定底板18a上に上記食材搬送部2が配置され、上記両解しローラ1a,1bの上方に対応する上記固定底板18aに飯通過用の上記開口6が設けられ、上記開口6の上記中心線Kが上記両飯解しローラ1a,1bの円筒対向面の中心線K’に位置するように構成され、上記開口6から上記両飯解しローラ1a,1bの上記円筒対向面の中心部に向けて飯が落下供給されるように構成されている。
【0045】
そして、上記両解しローラ1a,1bは、
図8に示すように、円筒の周方向設けられた複数の突起、即ち、上記解しローラ1aは複数の突起34、上記解しローラ1bは複数の突起35による突起列34’,35’が、軸方向に所定間隔(解しローラ1aは所定間隔t4、解しローラ1bは所定間隔t6)を以って複数列設けられ(解しローラ1aは5列、解しローラ1bは4列)、上記両解しローラ1a,1bの上記突起列34’,35’は、両解しローラ1a,1bの円筒対向面において、一方の解しローラ1aの突起34の側面34aと他方の解しローラ1bの突起35の側面35aが非接触で対向するように、互い違いに配置されるように構成されている。
【0046】
このように、上記一方の解しローラ1aの突起列34’,34’間に、他方の解しローラ1bの突起列35’が位置するように互い違いに構成され、上記突起34,35の各先端は対向する解しローラ1a,1bの円筒面に非接触となるように配置される。
【0047】
具体的には、上記一方の飯解しローラ1aの上記突起34は、上記突起列34’に沿って上記円筒の外周面に突出するように周方向に所定間隔で設けられており(1つの突起列34’において周方向に6個)、各突起列34’の各突起34は、隣接する突起列34’において、軸方向に重なり合わないように、周方向に位相をずらして配置されている。よって、解しローラ1aの突起34は外周面の軸方向に見ると、互い違いになるように配置されている(
図8参照)。
【0048】
上記他方の飯解しローラ1bの上記突起35は、上記突起列35’に沿って円筒の全周に環状板部35bが設けられ(
図9参照)、該環状板部35bの外周縁部分を凹凸状に形成することで、環状板部35bの外周に複数の突起35が形成されているものであり、各突起列35’の位置にあたかもスプロケット或いはギアのような外周面に凹凸のある環状板35”が設けられている(
図9参照)。
【0049】
これにより、
図8に示すように、上記両ローラ1a,1bの円筒の対向面(近接面)に、突起34と他方の解しローラ1bの円筒面との間の複数の小空間S1、突起35と一方の解しローラ1aの円筒面との間の複数の小空間S2、突起34の側面34aと上記突起35の側面35a又は環状板35”の側面との間の複数の小空間S3が設けられており、上記解しローラ1a,1bが対向方向に回転することにより、上方から中央部に落下供給される食材(飯)を上記各小空間S1,S2,S3にて細かく解しながら、下方に落下供給し得るように構成されている。また、上記解しローラ1aの突起34は突起列34’毎に位相が異なるので、上記小空間S1,S2等に到来する突起34は各突起列34’毎にタイミングがずれるため、より効果的に食材を解すことができる。
【0050】
上記解しローラ1a,1bの下方には(
図1参照)、前後の上記軸受板31,32に水平方向にスライド自在のシャッター15が設けられている。このシャッター15は上記軸受板31,32内に図示しない駆動シリンダーが設けられており、当該駆動シリンダーを伸縮することにより、水平方向(
図1中矢印D,E方向)にスライドし得るように構成されている。よって、上記解しローラ1a,1bが回転して飯が下方に落下供給される場合は、矢印D方向にスライドして上記ローラ下方を開状態とし、上記解しローラ1a,1bの回転が停止して、上記飯の落下供給が終了すると矢印E方向にスライドして上記ローラ下方を閉状態とするように構成されている。
【0051】
上記解しローラ1a,1bから飯が下方の食材容器3に落下供給されると、上記容器載置部14に設けられた計量器16により食材の重量が計量され、計量値が所定の重量に到達したことを検出部(図示せず)にて検出すると、該検出部が上記駆動モータM1,M2の駆動を停止して上記食材送り羽根20及び上記回転円筒体8の回転を停止し、かつ上記駆動モータM3,M4の駆動を停止して上記解しローラ1a,1bの回転を停止し、さらに上記シャッター15を閉鎖して食材の落下供給を停止し、所定量の飯を上記食材容器3に盛り付けることができるように構成されている。
【0052】
次に、上記食材保温筐体19の構成について説明する。
上記食材保温筐体19は
図11、
図12に示すように開閉蓋部17aを含めて当該筐体の外面の全体に面状ヒータ37が貼着されている(
図13参照)。即ち、
図11、
図12に示すように、食材保温筐体19は、上記食材ホッパー12の外側面に対応するホッパー筐体17と、ホッパー12上面を閉鎖する開閉蓋部17aと、上記食材搬送部2を被覆する円筒筐体18と、円筒筐体(食材保温筐体)18の底面である固定底板18aにより構成されているが、これらの部材の最内側17’,17a’,18’,18a’(
図13(b)参照)は各々熱電伝導性のよい金属製材料、例えばアルミニウム(アルミニウム板)にて形成されており、その最内側17’,17a’,18’,18a’の外面側の全体(
図11、
図12に示すハッチング部分)に面状ヒータ37が貼着され、この面状ヒータ37の外面側の全体にはグラスウール又は断熱スポンジ等の断熱材料38が貼着されることで、上記金属製材料の外面側全体が断熱材料38にて被覆された状態となっている(
図13(b)参照)。即ち、上記面状ヒータ37は、上記金属製材料から構成される最内側17’、17a’,18’,18a’と断熱材料38との間にサンドイッチされた状態となっている(
図13(a)(b)参照)。
【0053】
上記面状ヒータ38は
図14(a)(b)に示すように、フィルムヒータ39(
図14(a)参照)又は最内側17’(17a’,18’,18a’)にケーブルヒータ41を面状に曲折して張り巡らすように直接貼着することで敷設したもの(いわゆるケーブルヒータ、
図14(b)参照))であり、これらの面状ヒータ37は、上記ホッパー筐体17と上記円筒筐体18の部分では上下に分割し、上記ホッパー筐体17においては、その四面の各面毎に分割して隙間なく最内側17’に貼着し、コーナ部における最内側にも面状ヒータ37を貼着することが好ましい。尚、
図14(b)はケーブルヒータ41を直接、最内側の筐体に貼着するものであるが、ケーブル41を密に(ジグザグ状に)曲折することで、筐体を面状に保温するので、このようなヒータも面状ヒータ37という。
【0054】
また、上記円筒筐体18は該筐体18の上下幅と同一の幅の帯状の面状ヒータ37を外周に巻きつけるように貼着し、固定底板18aは、円形の面状ヒータ37を貼着する(勿論、開口6等は刳り貫かれる)ことで、できるだけ面状ヒータ37を隙間無く貼着する。上記開閉蓋体17aの最内側17a’にも方形の面状ヒータ37を張りつける(
図13(a)参照)。そして、これらの面状ヒータ37が貼着された外側面に、同様に上記断熱材料38が隙間なく貼着される(
図2、
図3参照)。
【0055】
このように食材保温筐体19の筐体の全体(全面)(
図11、
図12のハッチング部)に面状ヒータ37を貼着し、断熱材料38とサイドイッチ構造とし、上記面状ヒータ37の温度を例えば80℃〜85℃に維持することにより、上記食材ホッパー12内部及び食材搬送部2の内部をどの位置においても略均等な温度(例えば70℃)に保つことができ、内部の飯をむらなく均等に保温することができる。このように、食材保温筐体18の内部をどの位置であっても略均等な温度に維持し得るので、従来のように、筐体内において、温度むらによる結露が発生することもない。
【0056】
本発明は上述のように構成されるものであるから、以下その動作を説明する。
まず、上記操作パネル13上のヒータスイッチをオンしておく。次に、筐体11の蓋体11bを開けて食材ホッパー12内に炊いた米飯(飯)を投入し、蓋体11bを閉める。上記飯は、上記ホッパー12の上縁付近(
図2の位置X)まで投入したとする。このとき飯は、ホッパー12の下端部12cから下方の固定円盤23上に落下し、該固定円盤23上に載置された状態となる。
【0057】
この状態においては、上記面状ヒータ37に通電されることにより、上記食材保温筐体19内の温度が略70℃に均等に維持されているので、投入された飯を均等に保温することができる。
【0058】
次に、容器載置部14上に食材容器3を置き、操作パネル13の所定の食材重量のスイッチをオンする。
【0059】
すると、駆動モータM1,M2が駆動することで、食材送り羽根20が矢印A方向に回転開始し、同時に回転円筒体8が上記食材送り羽根20とは反対方向(矢印B方向)に回転開始する。また、駆動モータM3,M4が駆動することで、解しローラ1a,1bが対向方向に回転開始し、かつ駆動シリンダーによってシャッター15がスライドして解しローラ1a,1b下方が開状態となる。
【0060】
上記食材送り羽根20が矢印A方向に回転すると、固定円盤23上に載置されている飯は上記食材送り羽根20の湾曲面20aによって矢印A方向に押されると共に、上記湾曲面20aにより徐々に上記固定円盤23の外周縁方向に移送され、上記固定円盤23の外周縁の略全域から環状空間Sを介して固定底板18a上における回転円筒体8の各食材室10内に落下供給されていく。
【0061】
上記回転円筒体8は上記食材送り羽根20とは逆方向に回転しているので、上記各食材室10も矢印B方向に移動(回転)しており、上記飯は上記固定円盤23の外周縁から回転中の上記食材室10内に継続的に落下供給されて行く。従って、食材室10内に落下した飯は、各仕切板9によって上記食材送り羽根20の回転方向とは逆方向(矢印B方向)に固定底板18a上を搬送されて行き、上記食材室10が開口6上を横切る際に、上記開口6から下方の解しローラ1a,1b間に順次落下供給されて行く。よって、炊いた飯等のように塊が形成されやすい食材であっても、固定円盤23の外周縁から落下する食材を、反対方向に回動する回転円筒体8の食材室10にて受け止めることができ、略定量の食材を各々食材室10にて受け止めて開口6まで搬送することができる。
【0062】
このように、上記食材ホッパー12から食材搬送部2に供給された飯は、ホッパー12下方の固定円盤23上に落下供給され、固定定盤23上の中心軸Pから放射状に設けられた食材送り羽根20により、固定定盤23上を上記中心軸Pから外周縁に向けて放射方向に均等に移送され、上記固定底盤23の外周縁の全周位置から、下方の食材室10内に継続的に供給することができる。よって従来装置のように、飯を横方向の一方に移送するものではないから、飯の搬送方向とは逆方向位置に飯が残留することはなく、全ての飯を無駄なく送り出すことができる。また、回転する食材送り羽根20により飯を中心軸Pから放射状に移送すると共に、食材室10に落下した飯を仕切板9により回動方向に移送するものであるから、飯の移送距離も短くなり、飯に余計なストレスをかけることもない。
【0063】
さらに、食材室10に落下供給された飯は、回転円筒体8の仕切板9によって回転方向に移送され、固定底板18aに設けられた開口6まで確実に移送されるので、食材室10に落下供給された食材も、無駄なく解しローラ1a,1b上に落下供給することができる。このように、上記開口6に上記食材室10が順次到来することで、開口6から飯が順次落下供給されていく。
【0064】
上記開口6から下方に落下する飯は、解しローラ1a,1bの間(中心線K’を中心とする中心部)に落下供給される。このとき、上記解しローラ1a,1bは対向方向(矢印C,C’方向)に回転しているので、落下供給された飯は、上記解しローラ1a,1bの突起34,35及び円筒面によって形成された複数の小空間S1,S2,S3に巻き込まれて行き、これによって飯は細かく解されて、下方の食材容器3内に落下供給されていく。
【0065】
また、上記飯の解し動作は、上記解しローラ1aの突起34と解しローラ1bの突起35の形状が異なるので、上記空間S1,S2,S3においてより効果的に飯の解しが行われる。即ち、上記他方の解しローラ1bの突起35は、ローラの円筒外周に環状板部35bが設けられ、その外周縁に上記突起35が設けられているので、この環状板部35bの部分が上記解しローラ1aの突起列34’,34’間に入り込むように位置することで、対向する上記環状板35”,35”と解しローラ1bの円筒外周面の間の閉鎖された空間S4(上記実施形態では中央部に3か所、前後端部に2か所)内に順次、解しローラ1aの突起列34’の突起34が突起列34’毎にタイミングをずらして入り込むことになり、これにより複数の上記小空間S1〜S3において十分に飯が解されることになる。
【0066】
上記食材容器3内に飯が落下供給されていくと、飯の重量が計量器16によって計測され、所定の食材重量に達したことが検知部(図示せず)にて検知されると、上記駆動モータM1,M2及び上記駆動モータM3,M4の駆動が停止され、上記回転円筒体8及び食材送り羽根20の回転が停止されると共に、上記解しローラ1a,1bの回転も停止され、駆動シリンダーが縮小駆動されてシャッター15が閉鎖される。これにより、食材容器3内に所定量の飯を盛り付けることができる。
【0067】
尚、上記解しローラ1a,1bの突起34,35の形状、数は上記実施形態に限定されることはなく、各種の形状が考えられる。また、上記駆動モータM1とM2の回転速度を変化させる、即ち、解しローラ1aと解しローラ1bの回転速度を独立して変速させたり、両ローラ1a,1bを異なる速度で回転させたり、飯の送り量に応じて回転速度を変速することにより、飯の解れ具合或いは食材容器3への供給量を調整することが可能である。
【0068】
このように、スイッチを押すたびに、食材容器3に順次、所定量の飯を供給していくことができるが、その間、面状ヒータ37に通電され、上記食材保温筐体19内はどの位置においても略一定の温度(約70℃)に維持されるため、上記筐体19内において結露が発生することがなく、常に、暖かいおいしい飯を食材容器3に供給することができる。
【0069】
上述のように、本発明によれば、一対の解しローラ1a,1bに供給される食材は、一方の解しローラ1aの突起34の側面34aと他方の解しローラ1bの突起35の側面35aにより構成される小空間S3等に入り込み、これらの小空間S3等によって十分に解されて下方に落下供給することができ、一対の解しローラ1a,1bにより食材を十分に解すことができる。
【0070】
また、他方の解しローラ1bの各突起35及び円筒面により構成される空間S4に、一方の解しローラ1aの突起34がタイミングをずらして連続して入り込むことにより食材を解すことができるため、食材の性状に拘わらず、各種食材を円滑に解すことができる。
【0071】
また、両解しローラ1a,1bの回転速度を異ならせることにより、食材の各種の性状に合わせて、より適切な解し動作を行うことができ、各種の食材に合わせて、自由度の高い解し動作を行わせることができる。
【0072】
また、上方の開口6から一対の解しローラ1a,1bの中心部に落下供給される食材を適切に解すことができ、食材の性状に合わせて、より適切に食材を食材容器等に落下供給することができる。
【0073】
尚、
図2、
図10中の6’は、内部機枠11a及び飯解しローラ1a,1bの筐体に設けられた開口であり、上記開口6と同じ位置に設けられている。