特許第6683597号(P6683597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683597
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】発泡ボビン
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/14 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   B65H75/14
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-257390(P2016-257390)
(22)【出願日】2016年12月29日
(65)【公開番号】特開2018-108877(P2018-108877A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】593025619
【氏名又は名称】トーホー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】小田 徹
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−522699(JP,A)
【文献】 特開2004−043148(JP,A)
【文献】 特開昭59−012018(JP,A)
【文献】 特開平07−097144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/00−75/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材が巻き付けられる巻き芯と、前記巻き芯の両端に夫々設けられた1対のフランジと、を備えた発泡樹脂製の発泡ボビンであって、
前記巻き芯及び前記フランジをそれらの回転軸を含む断面で分割したボビン本体を有し、
前記ボビン本体は、半筒形状の胴部と、前記胴部の両端に夫々設けられた1対の半円形状の側板部と、を有し、前記胴部と前記側板部とは一体的に形成され、
前記胴部及び前記側板部と係合され、前記巻き芯及び前記フランジの回転軸を成す軸部材を更に有し、
前記軸部材は、前記側板部と係合する外軸部と、前記胴部と係合する内軸部と、前記回転軸に沿って前記外軸部及び前記内軸部を貫通する軸孔と、を有し、前記外軸部及び前記胴部は発泡樹脂により一体成形されており、
2つの前記ボビン本体が連結されて、前記胴部の連結により前記巻き芯が成され、前記側板部の連結により前記フランジが成されることを特徴とする発泡ボビン。
【請求項2】
前記ボビン本体は、いずれも同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の発泡ボビン。
【請求項3】
前記外軸部は、上面視で多角形状であり、
前記内軸部は、前記外軸部よりも上面視における外形が大きく、
前記胴部は、その筒内に前記内軸部が嵌め込まれる嵌合凹部を有し、
前記側板部は、その直線辺の中央に前記外軸部が嵌め込まれる切欠部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡ボビン。
【請求項4】
前記外軸部は、上面視における前記フランジの分割線に対して左右対称であり、前記分割線が通る角部と前記分割線が通らない角部とは、形状が異なることを特徴とする請求項3に記載の発泡ボビン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材を巻き取り、これを保管及び運搬等するときに用いられる発泡樹脂製の発泡ボビンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電線及びケーブル等の線材を巻き取り、これを保管及び運搬等するときには、木製又は金属製の巻取用リール(ボビン)が用いられてきた。しかしながら、一般的な木製又は鉄製の巻取用リールは、それ自体の重量が10kg以上と重く、取り扱いが不便であり、更に線材の重量が加わると、巻き取りや運搬の作業性が悪くなることがある。
【0003】
そこで、軽量な発泡樹脂により形成された巻取用リールが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の発泡樹脂製のリールは、リール本体における巻き芯の軸方向の中央部で分割されており、巻き芯形成部及び片側の側板部が一体化された分割体で構成されている。分割体の接合面には凹部及び凸部が形成されており、それらを嵌合させることで、分割体を相互に融着させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−43148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、金属線のような一定の重量のある線材を幾重にもリール(ボビン)に巻き付けていくと、線材の荷重により、巻き芯の両サイドになる側板部を引き離す方向に負荷が生じる。そのため、上記特許文献1に記載のリールのような、巻き芯の軸方向の中央部で分割体を融着させた構成では、使用時に分割体が分解してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、重ねられた線材の荷重が側板部にかかった場合でも、分解されることがない発泡樹脂製の発泡ボビンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、線材が巻き付けられる巻き芯と、前記巻き芯の両端に夫々設けられた1対のフランジと、を備えた発泡樹脂製の発泡ボビンであって、前記巻き芯及び前記フランジをそれらの回転軸を含む断面で分割したボビン本体を有し、前記ボビン本体は、半筒形状の胴部と、前記胴部の両端に夫々設けられた1対の半円形状の側板部と、を有し、前記胴部と前記側板部とは一体的に形成され、前記胴部及び前記側板部と係合され、前記巻き芯及び前記フランジの回転軸を成す軸部材を更に有し、前記軸部材は、前記側板部と係合する外軸部と、前記胴部と係合する内軸部と、前記回転軸に沿って前記外軸部及び前記内軸部を貫通する軸孔と、を有し、前記外軸部及び前記胴部は発泡樹脂により一体成形されており、2つの前記ボビン本体が連結されて、前記胴部の連結により前記巻き芯が成され、前記側板部の連結により前記フランジが成されることを特徴とする。
【0008】
上記発泡ボビンにおいて、前記ボビン本体は、いずれも同一形状であることが好ましい。
【0010】
上記発泡ボビンにおいて、前記外軸部は、上面視で多角形状であり、前記内軸部は、前記外軸部よりも上面視における外形が大きく、前記胴部は、その筒内に前記内軸部が嵌め込まれる嵌合凹部を有し、前記側板部は、その直線辺の中央に前記外軸部が嵌め込まれる切欠部を有することが好ましい。
【0011】
上記発泡ボビンにおいて、前記外軸部は、上面視における前記フランジの分割線に対して左右対称であり、前記分割線が通る角部と前記分割線が通らない角部とは、形状が異なることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発泡ボビンによれば、回転軸を含む断面で分割したボビン本体を主として構成されており、対向する対となる側板部は、胴部を介して一体的に構成されているので、線材の荷重が側板部にかかったとしても、側板部の連結によるフランジと、胴部の連結による巻き芯とが分解されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る発泡ボビンのボビン本体を軸部材で連結させた状態を示す斜視図、(b)はボビン本体と軸部材とを分離させた状態を示す斜視図。
図2】(a)は発泡ボビンの正面図、(b)は上面図、(c)は背面図、(d)は(b)のA−A線断面図、(e)は(b)のB−B線断面図。
図3】(a)は軸部材の主に上面を示す斜視図、(b)は主に下面を示す斜視図。
図4】(a)は軸部材の正面図、(b)は上面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は(b)のA’−A’線断面図。
図5】(a)はボビン本体の主に正面を示す斜視図、(b)は主に背面を示す斜視図。
図6】(a)はボビン本体の正面図、(b)は背面図、(c)は上面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のA’’−A’’線断面図。
図7】発泡ボビンの使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る発泡箱について、図面を参照して説明する。図1(a)(b)及び図2(a)乃至(e)に示すように、本実施形態の発泡ボビン1は、線材が巻き付けられる巻き芯10と、その両端に夫々設けられた1対のフランジ20と、を備る。また、発泡ボビン1は、巻き芯10及びフランジ20を、それらの回転軸Ax(図中一点鎖線)を含みこれと平行な断面で分割したボビン本体2と、それらボビン本体2と係合され、巻き芯10及びフランジ20の回転軸Axを成す軸部材3と、を有する。なお、以下の説明では、巻き芯10及びフランジ20の分割線Dl(図中破線)と直交する方向であって、図中左下から右上方向を発泡ボビン1の正面視とする。
【0015】
ボビン本体2及び軸部材3は、いずれも発泡合成樹脂の成形体であり、例えば、熱可塑性樹脂の発泡用の粒子を型内に充填し加熱し、発泡させて一体成形される。熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン系樹脂であり、又はスチレン系樹脂に、例えば、オレフィン系樹脂といった他の樹脂を混合させた複合樹脂であってもよい。
【0016】
ボビン本体2は、半筒形状の胴部21と、胴部21の両端に夫々設けられた1対の半円形状の側板部22と、を有する。軸部材3によって連結されるボビン本体2は、いずれも同一形状である。また、本実施形態においては、巻き芯10の両端に夫々軸部材3が嵌め込まれている。すなわち、発泡ボビン1は、2つのボビン本体2及び2つの軸部材3により構成される。側板部22の周縁は、主として半円辺22aと直線辺22bとから成る。直線辺22bは、他方のボビン本体2の側板部22との連結面となり(図1(b))、上面視におけるボビン本体2の分割線Dlを含む(図1(a)、図2(b)のB−B線)。
【0017】
図3(a)(b)及び図4(a)乃至(e)に示すように、軸部材3は、側板部22と係合する外軸部31と、胴部21と係合する内軸部32と、を有する(図1(b)も参照)。また、軸部材3は、発泡ボビン1の回転軸Axに沿って外軸部31及び内軸部32を貫通するように形成された軸孔33を有する。外軸部31及び内軸部32は一体的に成型されている(図3(e))。なお、以下の説明では、図1(b)の分解斜視図で示した2つの軸部材3のうち、上方に図示した軸部材3に基づき、外軸部31側の面を上面、内軸部32側の面を底面、図1(b)の左下から右上方向を軸部材3の正面視とする。
【0018】
外軸部31は、上面視で多角形状であり、本実施形態では、略正方形形状である(図3(a)、図4(b))。一方、内軸部32は、外軸部31よりも上面視における外形が大きく、本実施形態では円盤形状となるように形成されている(図3(b)、図4(c))。外軸部31は、その上面視における分割線Dlに対して左右対称である。また、外軸部31は、内軸部32と平行な面を成す上面31aと、内軸部32から立設され上面31aと内軸部32とを繋ぐ側面31bと、を有する。
【0019】
上面31aは、ボビン本体2の側板部22の外側面22d(後述する図5参照)と同一平面を成す(図1(a)参照)。また、上面31aからは、軸孔33が開口しており、その開口縁はやや丸みを帯びるように面取りされている。また、上面31aからは、軸孔33の周囲に複数の係合孔33a、33bが開口している。これら係合孔33a、33bは、軸孔33と同様、外軸部31及び内軸部32を貫通しており(図4(e))、発泡ボビン1の回転を制御するために、巻取装置の駆動シャフト等(不図示)が差し込まれる。係合孔33a、33bの口径は若干異なっており、本実施形態では、分割線Dlが通る位置に設けられた係合孔33aが、分割線Dlが通らない位置に設けられた係合孔33bよりも僅かに大きいが、これに限られない。巻取装置の駆動シャフトの大きさや幅は、巻取装置によって異なっており、それに対応できるように、係合孔33a、33bの口径や幅は、適宜に設計変更され得る。
【0020】
本実施形態において、側面31bは4面あり、それらによって4つの角部31v、31rが形成される。そのうち、分割線Dlが通る角部31vと分割線Dlが通らない角部31rとは、形状が異なる。具体的には、角部31vは、隣り合う側面31b同士が直交しており、上面視において略直角であるのに対して、角部31rは、隣り合う側面31b同士が丸みを帯びたR状面により滑らかに連続している。
【0021】
図5(a)(b)及び図6(a)乃至(e)に示すように、ボビン本体2は、半筒形状の胴部21と、1対の半円形状の側板部22と、を有し、それらは互いに一体的に形成されている(上記図2(d)も参照)。なお、以下の説明では、図1(b)の分解斜視図で示した2つのボビン本体2のうち、右上方に図示したボビン本体2に基づき、上方の側板部22側の面を上面、下方の側板部22側の面を底面、図1(b)の左下から右上方向、すなわち、ボビン本体2の連結面(側板部22の直線辺22b及び胴部21の縁面21a)と正対する面を正面とする。
【0022】
胴部21は、他方のボビン本体2の胴部21との連結面となる1対の縁面21aと、その筒内に内軸部32が嵌め込まれる嵌合凹部21bを有する。嵌合凹部21bは、側板部22の内面と、当該内面から軸部材3の内軸部32の厚み分の間隔を空けて、胴部21の内筒面21cから回転軸Ax(図6(a))方向に延設された張出部21dと、によって構成される。張出部21dは、回転軸Axに対して凹な逆三角形状に切り込まれている。なお、図例では、張出部21dの切込について、後述する側板部22の切欠部と同形状としているが、軸部材3の内軸部32を保持でき、且つ、2つの胴部21が連結された際に、胴部21(巻き芯10)内に少なくとも軸孔33の口径以上の開口が形成されていれば、図示した形状に限られない。
【0023】
1対の縁面21aには、回転軸Ax方向に沿って、凸条部21e及び凹溝部21fが、夫々対応する位置に形成されている。2つのボビン本体2が連結される際に、互いの凸条部21eと凹溝部21fとが嵌合することで、各胴部21が係止される。
【0024】
側板部22は、ボビン本体2の分割線Dlに位置する直線辺22bの中央に、軸部材3の外軸部31が嵌め込まれる切欠部22cを有する(図6(c))。切欠部22cは、回転軸Axに対して凹な逆三角形状に切り込まれており、その形状は、軸部材3の外軸部31の外形形状に対応している。外軸部31のR状となった角部31rが当接する箇所は、これに対応するように、内R状に湾曲している。このように、側板部22と外軸部31とを互いに対応する形状として、それらを係合させることで、例えば、巻取装置に取り付けられた際に、軸部材3に加えられた動力を的確に側板部22(シャフト20)に伝えることができる。また、軸部材3の角部31v、3rの形状を異なるものとし、ボビン本体2の切欠部22cをそれに対応した形状とすることで、上面視略正方形の軸部材3が間違った方向でボビン本体2に装着されることを防止することができる。
【0025】
側板部22は、ボビン本体2の上面を成す外側面22dと、もう一方の側板部22と対向する内側面22eと、を有する(図6(b))。内側面22eと半円辺22aとを繋ぐ稜線は、僅かに丸みを帯びるように面取されている。この稜線は、巻き芯10に線材を巻き付ける際に、金属ワイヤ等の線材が接触し易い。そこで、この稜線を予め面取りしておくことで、側板部22が損傷することを抑制することができる。
【0026】
側板部22は、胴部21よりも外周であってボビン本体2の分割線Dlに対して左右対称な位置に形成された貫通孔22fを有する。この貫通孔22fは、直線辺22bの一部が半楕円状に切り欠かれることによって形成され、2つの側板部22が連結された更に、線材4の巻始端を挿通させるための巻始口22gを成す(後述する図7も参照)。
【0027】
このように形成された発泡ボビン1は、図1(b)に示したように、まず、2つのボビン本体2の連結面を互いに向かい合わせ、一方のボビン本体2の2箇所の嵌合凹部21bに、軸部材3の内軸部32を夫々嵌め込み、更に、他方のボビン本体2の嵌合凹部21bを、軸部材3の内軸部32に嵌め入れる。このとき、ボビン本体2の凸条部21e及び凹溝部21fも嵌合させる。
【0028】
軸部材3の内軸部32は、外軸部31よりも外形が大きく、ボビン本体2の嵌合凹部21bに嵌まり込んでいるので、軸部材3が回転軸Ax方向に脱落することを防止する。また、内軸部32は、その上下面が、ボビン本体2の嵌合凹部21bを構成する張出部21dと側板部22の内面と接触する。すなわち、軸部材3の内軸部32とボビン本体2の嵌合凹部21bとは、主として回転軸Axと直交する面で互いに接触するので、それらの間の接触摩擦により、回転軸Axと直交する2軸方向へのボビン本体2同士のズレを抑制し、凸条部21e及び凹溝部21fによる連結がサポートされる。また、凸条部21eと凹溝部21fとは、回転軸Axに平行な側面で互いに接触するので、それらの間の接触摩擦により、ボビン本体2同士が回転軸Ax方向にズレることを抑制することができる。このように、本実施形態の発泡ボビン1によれば、ボビン本体2同士の3次元方向でのズレを抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態の発泡ボビン1は、その回転軸Axを含む断面で分割したボビン本体2を主として構成されており、対向する対となる側板部22は、胴部21を介して一体的に構成されている。そのため、図7に示すように、金属線のような一定の重量のある線材4が幾重にも巻き芯10(図中点線)に巻き付けられ、線材4の荷重が側板部22にかかったとしても、側板部22の連結によるフランジ20と、胴部21の連結による巻き芯10とが分解されることはない。また、2つのボビン本体2は、線材4が巻き付けられた状態では、それらの連結面同士が線材4によって締め付けられることになるので、より強固に連結される。
【0030】
本実施形態の発泡ボビン1は、2つのボビン本体2及び2つの軸部材3の計4つのパーツを組み合わせるものであるが、ボビン本体2及び軸部材3は、夫々同一形状なので、パーツとしては2種である。従って、それらの製造においても2種の金型があれば足り、生産効率を向上させることができる。また、軸孔33は、連結されたボビン本体2ではなく、軸部材3を貫通するように形成されているので、軸孔33内に破損の原因となり易い繋ぎ目はない。そのため、発泡ボビン1を回転させる際に、その回転軸には、シャフトが差し込まれる等により、軸孔33に大きな負荷がかかっても、軸孔33が破損等することを抑制することができる。
【0031】
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態における軸部材3の外軸部31は、略正方形(四角形)のものを示したが、例えば、六角形、八角形等といったように、分割線Dl及びこれと直交する線のいずれに対しても左右対称な形状であれば、四角形に限られない。ただし、角部が大きな角度になると、外軸部31の角部が、側板部22の切欠部22cに引っ掛かり難くなる。従って、角部が略直角となる四角形が最も好ましい。また、四角形であれば、分割線dlと直交する方向への張り出し量が大きくなるので、係合孔33aの配置スペースを確保し易くすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 発泡ボビン
10 巻き芯
2 ボビン本体
20 フランジ
21 胴部
21b 嵌合凹部
22 側板部
22b 直線辺
22c 切欠部
22f 貫通孔
3 軸部材
31 外軸部
31r 角部
31v 角部
32 内軸部
32a 角部
32b 角部
33 軸孔
4 線材
Ax 回転軸
Dl 分割線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7