(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683610
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】配線基板及びこれを用いた光照射装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/05 20060101AFI20200413BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
H05K1/05 B
H05K1/02 F
H05K1/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-534358(P2016-534358)
(86)(22)【出願日】2015年7月1日
(86)【国際出願番号】JP2015068946
(87)【国際公開番号】WO2016009830
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2018年6月26日
(31)【優先権主張番号】特願2014-144709(P2014-144709)
(32)【優先日】2014年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(72)【発明者】
【氏名】戸川 拓三
(72)【発明者】
【氏名】森 貴洋
【審査官】
馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−211523(JP,A)
【文献】
特開平3−136291(JP,A)
【文献】
特開2011−91033(JP,A)
【文献】
特開2007−273835(JP,A)
【文献】
特開2012−4525(JP,A)
【文献】
特開2006−222182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/05
H05K 3/44
H05K 1/00 − 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属からなるベース基板と、
前記ベース基板の一方の面に絶縁層を介して形成された配線導体層とを備え、
前記配線導体層に、電子部品がリフロー処理により半田付けされるリフロー半田付け領域と、電子部品又は外部導線が個別に半田付けされる個別半田付け領域とが設けられており、
前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分が他方の面から前記一方の面に向かって全部又は一部が除去され、
前記個別半田付け領域に対応する部分の前記全部又は一部が除去された部分の厚みが、前記個別半田付け領域に対応する部分を取り囲む部分の厚みよりも小さい配線基板。
【請求項2】
前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分の平面視における全部又は一部について、前記ベース基板の厚み方向における全部分が除去されている請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分の平面視における全部又は一部について、前記ベース基板の厚み方向における一部分が除去されている請求項1記載の配線基板。
【請求項4】
前記ベース基板の前記除去部分には、前記ベース基板よりも熱伝導率が低い物質が充填されている請求項1記載の配線基板。
【請求項5】
前記個別半田付け領域で折り曲げられている請求項1記載の配線基板。
【請求項6】
前記配線導体層が折り曲げられるものであり、
前記ベース基板における折り曲げ部分の全部又は一部が除去されている請求項1記載の配線基板。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板と、
前記配線基板を保持する保持体と、
前記配線基板に実装された少なくとも1つのLEDと、
前記配線基板の個別半田付け領域に半田付けされた外部導線とを備える光照射装置。
【請求項8】
前記配線基板が、前記外部導線を前記ベース基板の一方の面側から他方の面側に延出させるための切り欠き部又は貫通孔を有しており、
前記外部導線が、前記切り欠き部又は前記貫通孔を介して前記ベース基板の他方の面側に導かれ、前記保持体の外部に延出されている請求項7記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属からなるベース基板上に絶縁層を介して配線導体層を形成した配線基板、及び当該配線基板を用いた光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子回路モジュールの製造方法として、特許文献1に示すように、例えばリフロー工程及び手半田工程を有するものが知られている。リフロー工程は、配線基板上に半田ペースト(クリーム半田)を塗り、その上に電子部品を載せて、リフロー炉を用いて配線基板を加熱して半田ペーストを溶融させ、その後冷却して半田付けする工程である。また、手半田工程は、前記リフロー工程では実装できない電子部品を、手作業で半田付けする工程である。
【0003】
ここで、配線基板のベース基板には、一般的に、例えばガラスエポキシ等の絶縁基板が用いられている。このような絶縁基板は熱伝導性が低く、手作業で半田付けする際に半田付けする部分及び半田が十分に加熱されるので、前記手半田工程において特に問題は生じない。
【0004】
その一方で、例えば、配線基板にLEDを実装するような場合には、当該LEDから発生する熱を放熱すべく、そのベース基板にアルミニウム等の熱伝導性に優れた金属基板を用いることがある。このような金属基板を用いた場合、手作業で半田付けする際に、半田付けする部分に加えた熱がその周囲部分に伝熱され易い。その結果、半田付けする部分及び半田を十分に加熱し難く、手作業での半田付けが非常に困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−229655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、金属からなるベース基板を用いた配線基板に、電子部品等を手作業や半田付けロボット等で半田付けするに当たり、その作業性を高めることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る配線基板は、金属からなるベース基板と、前記ベース基板の一方の面に絶縁層を介して形成された配線導体層とを備え、前記配線導体層に、電子部品又は外部導線が半田付けされる個別半田付け領域が設けられており、前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部が除去されていることを特徴とする。
ここで、「前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分」とは、前記ベース基板の平面視において前記個別半田付け領域と重なる部分のことであり、除去の態様としては、ベース基板の前記個別半田付け領域と重なる全領域を除去する場合だけでなく、例えば前記個別半田付け領域の外形形状(輪郭形状)と略一致するように除去したり、前記個別半田付け領域全体を含むように、つまり前記個別半田付け領域の外形形状よりも若干大きく除去しても良い。また、当該除去加工は、例えば、切削加工やエッチング加工により行うことができる。
【0008】
このような配線基板であれば、ベース基板において、配線導体層に設けられた個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部が除去されているので、個別半田付け領域に加えた熱が伝熱する部分を小さくして当該熱を逃げ難くすることができる。したがって、個別半田付け領域及び半田を十分に加熱することができ、電子部品又は外部導線を手作業や半田付けロボットで容易に半田付けできる。また、ベース基板の個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部を除去するだけで良く、配線基板の構成を簡略化することができる。さらに、外部導線を配線基板に手作業や半田付けロボットで半田付けするようにすれば、外部導線を接続するための接続コネクタをリフロー処理によって半田付けする必要が無くなるので、当該接続コネクタを不要にして、配線基板のコンパクト化を図ることができる。
【0009】
リフロー処理により半田付けできる電子部品(例えばLEDや抵抗チップ等)については、リフロー処理で半田付けすればよい。このリフロー処理ではベース基板全体が加熱されるため、リフロー処理される電子部品の半田付け領域(リフロー半田付け領域)から周囲への伝熱を考える必要はない。このため、基本的に前記ベース基板において、リフロー半田付け領域に対応する部分は除去する必要はない。
一方で、リフロー処理により半田付けできない電子部品又は外部導線については、手作業や半田付けロボットで半田付けする必要がある。この手作業や半田付けロボットで半田付けする場合には、手作業で半田付けされる電子部品又は外部導線の半田付け領域(個別半田付け領域)が局所的に加熱されるため、当該個別半田付け領域から周囲への伝熱を考慮する必要がある。このため、前記ベース基板において、個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部を除去する必要がある。
つまり、本発明の配線基板がリフロー処理及び手半田処理されるものの場合には、前記ベース基板のリフロー半田付け領域に対応する部分は除去されておらず、前記ベース基板の個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部が除去されていることが望ましい。ただ、本発明は、リフロー半田付け領域も併せて除去することを何ら妨げるものではない。
【0010】
前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分の平面視における全部又は一部について、前記ベース基板の厚み方向における全部分が除去されていても良い。
これならば、個別半田付け領域に加えた熱が伝熱する部分をより一層小さくすることができるので、個別半田付け領域を効率良く加熱することができ、電子部品の手作業による半田付けをより一層容易にすることができる。
【0011】
また、前記ベース基板の前記個別半田付け領域に対応する部分の平面視における全部又は一部について、前記ベース基板の厚み方向における一部分が除去されていても良い。
ベース基板の厚み方向における全部分を除去すると、ベース基板(配線基板)の機械的強度が低下する恐れがあるが、厚み方向における一部分の除去に留めておけば、機械的強度を一定レベル以上に保つことができる。
【0012】
この意味で、ベース基板の除去部分に、例えばエポキシ樹脂といった、当該ベース基板よりも熱伝導率が低い物質を充填するようにすれば、個別半田付け領域に加えられた熱を逃げ難くしつつ、配線基板の機械的強度の低下を防止することができる。
【0013】
なお、前記ベース基板は、アルミニウム又は銅からなることが望ましい。アルミニウムや銅の熱伝導率は、一般的にそれぞれ、237W/mK(300K)、401W/mK(300K)であり、高い熱伝導性(高い放熱性)を有するため、本発明の効果が一層顕著となる。
【0014】
前記個別半田付け領域で折り曲げられていることが望ましい。これならば、電子部品又は外部導線を手作業や半田付けロボットで容易に半田付けできるという効果に加えて、配線基板を折り曲げ易くすることができる。
【0015】
また、前記配線導体層が折り曲げられるものであり、前記ベース基板における折り曲げ部分の全部又は一部が除去されていることが望ましい。これならば、配線基板の折り曲げ部分において、ベース基板の全部又は一部が除去されているので、配線基板を折り曲げ易くすることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る光照射装置は、上述した配線基板と、前記配線基板を保持する保持体と、前記配線基板に実装された少なくとも1つのLEDと、前記配線基板の個別半田付け領域に半田付けされた外部導線とを備えることを特徴とする。そして、前記配線基板が、前記外部導線を前記ベース基板の一方の面側から他方の面側に延出させるための切り欠き部又は貫通孔を有しており、前記外部導線が、前記切り欠き部又は前記貫通孔を介して前記ベース基板の他方の面側に導かれ、前記保持体の外部に延出されていることが望ましい。
【0017】
従来の配線基板では、リフロー処理によって半田付けした接続コネクタを利用して外部導線を接続しているため、当該接続コネクタの配置スペースや、当該接続コネクタに接続される外部導線側のコネクタの配置スペース等により、外部導線を配線基板の側方に延出させる構成にせざるを得ない等、外部導線の取り回しに制約があった。
ところが、本発明によれば、外部導線を手作業や半田付けロボットで半田付けすることができるので、接続コネクタを不要にすることができる。これにより、外部導線を半田付けした部分の近傍から例えばベース基板の他方の面側に曲げることができる等、外部導線を取り回し易くなり、筐体における外部導線の延出部分を適宜設計することができる。
【発明の効果】
【0018】
このように構成した本発明によれば、ベース基板の個別半田付け領域に対応する部分の全部又は一部が除去されているので、電子部品又は外部導線の手作業や半田付けロボットによる半田付けについてその作業性を大きく向上させることができる。
【符号の説明】
【0019】
100・・・光照射装置
2 ・・・配線基板
4 ・・・筐体(保持体)
6 ・・・外部導線
21 ・・・ベース基板
21X・・・個別半田付け領域に対応する部分
22 ・・・絶縁層
23 ・・・配線導体層
R2 ・・・個別半田付け領域
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る光照射装置を示す斜視図。
【
図3】同実施形態の光照射装置のA部分拡大平面図。
【
図4】同実施形態の配線基板を示す平面図及び底面図。
【
図5】同実施形態の配線基板の除去部分を示す部分拡大断面図。
【
図6】同実施形態の配線基板の除去部分を示す部分拡大斜視図及び部分拡大平面図。
【
図7】従来及び本実施形態の配線基板における伝熱経路を示す模式図。
【
図11】変形実施形態における配線基板の組み立て状態を示す斜視図。
【
図12】変形実施形態における配線基板の展開状態を示す平面図及び底面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明に係る光照射装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態の光照射装置100は、
図1及び
図2に示すように、複数のLED3が実装された配線基板2と、当該配線基板2を収容する筐体(保持体)4とを備えている。本実施形態の光照射装置100は、所謂リング型照明装置である。この光照射装置100は、当該光照射装置100により照明されたワークを、光照射装置100の中央部に形成された開口部を介して、CCDカメラ等の撮像部により撮像して、ワークの外観検査を行う外観検査システムに用いられる。
【0023】
筐体4は、配線基板2が固定される本体要素41と、当該本体要素41に取り付けられて、前記LED3からの光を外部に射出する光透過領域を有するカバー要素(不図示)とを備えている。
【0024】
本実施形態の本体要素41は、概略円環形状をなすものであり、径方向外側の外側周壁41aと径方向内側の内側周壁41bとを有し、当該外側周壁41a及び内側周壁41bの間に形成される基板収容空間内に配線基板2が収容される。また、カバー要素は、概略円環形状をなすものであり、本体要素41の外側周壁41a及び内側周壁41bにより形成される開口部を閉塞するものであり、LED3からの光を拡散して射出する光拡散部材を備えて構成されている。
【0025】
配線基板2は、
図2及び
図4に示すように、本体要素41の外側周壁41a及び内側周壁41bの間にガタ無く収容される概略円環形状をなすものであり、本体要素41にねじ等により固定される。
【0026】
具体的に配線基板2は、
図4〜
図6に示すように、金属からなるベース基板21と、ベース基板21の一方の面(上面)21aに絶縁層22を介して形成される配線導体層23とを備えたいわゆる単層基板である。また、配線導体層23の上面には、レジスト層24が形成されている。なお、本実施形態では、ベース基板21及び配線導体層23との間に単一の絶縁層22のみが形成されているが、その他の複数の層が形成されたものであっても良い。
【0027】
ベース基板21は、例えばアルミニウムや銅等の高熱伝導性を有する金属から形成された概略円環状をなすものである。絶縁層22は、ベース基板21の上面21a全体に亘って形成されている。この絶縁層22は、金属製のベース基板21と配線導体層23との間を絶縁する機能を有する。
【0028】
配線導体層23は、配線基板2に実装されるLED3や抵抗チップ5等の各種電子部品と外部導線6とを導通させるものであり、所定の配線パターンとなるように形成されている。そして、当該配線導体層23には、電子部品又は外部導線6を半田付けするための半田付け領域R1、R2が設けられている。
【0029】
具体的に配線導体層23には、特に
図4に示すように、電子部品がリフロー処理(リフロー装置)により半田付けされるリフロー半田付け領域R1と、外部導線が半田ごてを用いた手作業により半田付けされる個別半田付け領域である手半田付け領域R2とが設けられている。なお、リフロー半田付け領域R1及び手半田付け領域R2は、共に半田ランドにより構成されている。
【0030】
リフロー半田付け領域R1は、半田ペースト(クリーム半田)を塗り、その上に所定の電子部品を載せて、リフロー炉を用いて半田ペーストを溶融させ、その後冷却することで、前記電子部品が半田付けされる領域である。本実施形態では、リフロー半田付け領域R1には、電子部品としてLED3及び抵抗チップ5等が一括して半田付けされる。
【0031】
手半田付け領域R2は、前記リフロー半田付け領域R1に所定の電子部品が半田付けされた後に、リフロー処理では半田付けできない電子部品等が半田ごてを用いた手作業で個別に半田付けされる領域である。本実施形態では、手半田付け領域R2には、外部導線6が半田付けされる。なお、この手半田付け領域R2には、半田付けロボットを用いて前記外部導線6等を半田付けしても良い。ここで半田付けロボットとしては、半田ごてを用いて半田付けを行うものや、半導体レーザを用いて半田付けを行うものが考えられる。
【0032】
そして、配線基板2は、特に
図2及び
図3に示すように、手半田付け領域R2に半田付けされた外部導線6を、ベース基板21の他方の面(下面)21b側に延出させるための切り欠き部2Kを有している。この切り欠き部2Kは、手半田付け領域R2に隣接する配線基板2の外縁部の一部を内側に切り欠いた形状である。本実施形態では、配線基板2が概略円板形状をなすものであり、切り欠き部2Kは、手半田付け領域R2の径方向外側に位置する外周部に形成されている。これにより、手半田付け領域R2に半田付けされた外部導線6の接続部分の近傍を折り曲げて、ベース基板21の下面21b側に延出させることができる。そして、この外部導線6は、筐体4(具体的には本体要素41)の内部を通って、当該本体要素41の側壁を介して外部に延出される。なお、
図4に示すように、配線基板2の外周部には、切り欠き部2Kの他に、本体要素41にねじ固定するための固定用切り欠き部2Lが複数形成されている。
【0033】
しかして本実施形態の配線基板2では、
図4〜
図6に示すように、ベース基板21の半田付け領域に対応する部分の全部が除去されている。具体的には、ベース基板21において、リフロー半田付け領域R1に対応する部分は除去されておらず、手半田付け領域R2に対応する部分21Xの厚み方向における全部分が除去されているため、この部分におけるベース基板21は無く、絶縁層22及び配線導体層23のみが有る構成となる。なお、前記部分21Xは、手半田付け領域R2の下側部分(直下部分)であり、ベース基板21の平面視において手半田付け領域R2全体を含むように、つまり手半田付け領域R2の外形形状よりも若干大きい外形形状を有している(特に
図6の部分拡大平面図参照)。
【0034】
次に、このように構成した配線基板2において外部導線6を手半田付け領域R2に手作業により半田付けする際の熱の伝達経路について簡単に説明する。なお、
図7の(A)は、従来構成の配線基板の熱の伝達経路を示し、(B)には、本実施形態の配線基板2の熱の伝達経路を示している。
【0035】
図7の(A)に示すように、従来構成の配線基板では、手半田付け領域R2の直下のベース基板21が除去されていないので、半田ごてにより手半田付け領域R2に加えられた熱が、手半田付け領域R2の直下及びその周囲に伝わってしまう。その結果、手半田付け領域R2の温度が十分に上がらず、半田が溶融し難く、半田付けが困難になる。
【0036】
一方、
図7の(B)に示すように、本実施形態の配線基板2では、手半田付け領域R2の直下のベース基板21が除去されているので、半田ごてにより手半田付け領域R2に加えられた熱が、手半田付け領域R2の直下に伝わらないし、除去部分の周囲にも伝わり難い。その結果、手半田付け領域R2の温度を十分に上げることができ、半田が溶融し易くなり、半田付けが容易となる。
【0037】
次に、このように構成した配線基板2の製造方法について説明する。
まず、ベース基板21の表面に絶縁膜22を形成し、当該絶縁膜22の表面に配線導体層23をパターン形成する。また、配線基板23の半田付け領域R1、R2を除く表面部分にレジスト膜24を形成する。
【0038】
そして、ベース基板21の手半田付け領域R2に対応する部分の全部を、ベース基板21の下面21bから、切削加工(例えばルーター加工)又はエッチング加工により除去する。
【0039】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る光照射装置100によれば、ベース基板21において、配線導体層23に設けられた手半田付け領域R2に対応する部分21Xが除去されているので、手半田付け領域R2に加えた熱が伝熱する部分を小さくすることができる。したがって、手半田付け領域R2の加熱を十分にすることができ、外部配線6を手作業で容易に半田付けできる。また、ベース基板21の手半田付け領域R2に対応する部分21Xの全部を除去するだけで良く、配線基板2の構成を簡略化することができる。
【0040】
さらに、外部導線6を接続するための接続コネクタをリフロー処理によって半田付けする必要が無く、外部導線6を手作業で半田付けすることができるので、接続コネクタを不要にすることができ、配線基板2及び光照射装置100をコンパクト化することができる。その上、接続コネクタを不要にすることによって、外部導線6を半田付けした部分の近傍からベース基板21の下面21b側に曲げることができるので、筐体4における外部導線6の延出部分を適宜設計することができる。
【0041】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、ベース基板21の手半田付け領域R2に対応する部分21Xが上面21aから下面21bに亘って除去されているが、
図8の(A)に示すように、ベース基板21の下面21bから上面21aに向かって一部が除去された構造としても良い。このとき、ベース基板21の下面21bからの加工深さとしては、例えば、加工後のベース基板21の厚さが0.3mm以下となるようにすることが考えられる。その他、ベース基板21の上面21aから下面21bに向かって一部が除去された構造としても良い。この他、
図8の(B)に示すように、ベース基板21の除去部分に、ベース基板21よりも熱伝導率が低い物質21Y(例えばエポキシ樹脂等)を充填する(物質21Yの充填厚みは何ら限定されない)ようにしても良く、このようにすれば、手半田付け領域R2に加えられた熱を逃げ難くしつつ、配線基板23(ベース基板21)の機械的強度の低下を防止することができる。
【0042】
また、前記実施形態では、ベース基板21の手半田付け領域R2に対応する部分21Xの平面視における全部が除去された構成であったが、前記対応する部分21Xの平面視における一部が除去された構成であっても良い。
【0043】
例えば、
図9の(A)に示すように、平面視において前記対応する部分21Xの外周部分のみを除去する構成としても良い。このとき、平面視において、前記対応する部分21Xの外周部分が、手半田付け領域R2の輪郭を含んでいる。この構成でも、前記対応する部分21Xの周辺部分に熱が伝わり難く、手半田付け領域R2を十分に加熱できるようになる。
【0044】
一方、
図9の(B)に示すように、平面視において前記対応する部分21Xの複数箇所を部分的に除去する構成としても良い。
図9の(B)では、手半田付け領域R2の所定方向に沿って除去部分が等間隔となるように構成されているが、除去部分が不規則に配置された構成としても良い。このとき、平面視において、前記除去部分が、手半田付け領域R2の輪郭の一部を含んでいる。この構成では、対応する部分21X全体を除去した場合に比べて効果は小さくなるものの、手半田付け領域R2に加えた熱が伝熱する部分を小さくすることができる。
【0045】
さらに、前記実施形態では、手半田付け領域R2に外部導線6を半田付けした構成としているが、手半田付け領域R2にLED3や抵抗チップ5等の電子部品を半田付けした構成としても良い。なお、手半田付け領域R2にLED3を半田付けした場合には、当該LED3により生じる熱を十分に放熱しないとも考えられるが、LED3により生じる熱の放熱性をある程度確保でき、且つ、半田付けの際に十分に加熱できる程度に前記対応する部分21Xを除去すれば良い。
【0046】
その上、前記実施形態では、対応する部分21Xの除去態様は、ベース基板21の厚み方向において除去部分が、等断面形状となるものであったが、これに限られず、前記厚み方向において除去部分の断面形状が、下面21bから上面21aに行くに従って小さくなる又は大きくなるものであっても良い。
【0047】
また、光照射装置100は、
図10及び
図11に示すように、四角筒状をなす保持体4を有し、当該保持体4の内部に概略四角筒状に折り曲げられた配線基板2を有するものであっても良い。
【0048】
この配線基板2は、
図12に示すように、実装部2aと、通電可能かつ可撓性を有する接続部2bとを備えている。具体的に配線基板2は、4つの実装部2aと、互いに隣り合う実装部2a,2a同士を通電可能に接続する可撓性を有する接続部2bとを備えている。実装部2aは、接続部2bが接続される矩形状の矩形基板部2a1と、当該矩形基板部2a1の一辺から延び設けられた台形状の台形基板部2a2とを有する。また、矩形基板部2a1及び台形基板部2a2には、光源3が設けられている。
【0049】
そして、配線基板2は、接続部2bを折り曲げることによって、四角筒状に構成される。また、矩形基板部2a1及び台形基板部2a2の間を折り曲げることによって、互いに隣接する台形基板部2a2の斜辺同士が隣接又は近接するとともに、上部に開口2Hが形成される。なお、この構成において、四角筒状の配線基板2の下部から光源3の光が射出される。
【0050】
ここで、接続部2bと、矩形基板部2a1及び台形基板部2a2の間の折り曲げ部分21Yにおいて、ベース基板21の全部又は一部が除去されている。これにより、接続部2bの折り曲げ作業、及び矩形基板部2a1及び台形基板部2a2の折り曲げ作業を容易にしている。
【0051】
また、1つの実装部2aには、外部配線6が半田ごてを用いた手作業により半田付けされる個別半田付け領域R2が形成されている。具体的に個別半田付け領域R2は、実装部2aの内面において、矩形基板部2a1及び台形基板部2a2の間に形成されている。ここで、ベース基板21の個別半田付け領域R2に対応する部分の全部が除去されている。つまり、この実装部2aにおいては、個別半田付け領域R2において折り曲げられる構成となる。これにより、電子部品又は外部導線を手作業や半田付けロボットで容易に半田付けできるという構成を生かしつつ、配線基板を折り曲げ易くすることができる。
【0052】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、金属からなるベース基板を用いた配線基板に、電子部品等を手作業や半田付けロボット等で半田付けするに当たり、その作業性を高めることができる。