(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、前記取得部が複数のユーザのそれぞれから取得した前記行動履歴情報と、前記反応履歴情報とに基づいて複数の前記教師データを生成し、当該教師データを用いて前記モデルを生成する、
請求項1に記載の通知装置。
前記生成部は、一の前記行動履歴情報の前記第1時間前の時刻を基準として生成された前記教師データに基づいて、第1モデルを生成するとともに、一の前記行動履歴情報を前記第2時間前の時刻を基準として生成された前記教師データに基づいて、第2モデルを生成し、
前記算出部は、前記レコメンド情報を通知する対象である前記ユーザの前記行動履歴情報と前記第1モデルに基づいて、現在時刻から前記第1時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、当該行動履歴情報と前記第2モデルに基づいて、現在時刻から前記第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出する、
請求項1又は2に記載の通知装置。
前記生成部は、複数の異なる時刻のそれぞれを基準とし、基準とした時刻よりも前の時刻に対応する前記行動履歴情報を一の前記行動履歴情報から抽出することにより、当該一の前記行動履歴情報から複数の前記教師データを生成する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通知装置。
前記算出部は、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した所定時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻よりも過去の時刻から前記第1時間とは異なる第3時間を経過した前記所定時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出し、
前記選択部は、算出された前記有用度のうち、相対的に有用度が高いレコメンド情報を選択し、
前記通知部は、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の通知装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在地に基づいてレコメンド情報を通知する場合、通知する時点において有益なレコメンド情報をユーザに通知することができるものの、現在時刻から所定時間経過した後に有益なレコメンド情報を精度良く通知することができないという問題がある。例えば、ユーザのその後の移動による現在地の変化や、時間経過による興味の移り変わりがあることから、現在時刻から所定時間経過した後に位置情報に基づいてレコメンド情報を通知すると、当該レコメンド情報が有益ではなくなっている可能性がある。また、多くの場合、レコメンド情報は、ユーザが次のアクションを取る際の判断材料とされるため、その時刻になってから通知されるよりも、事前に通知されていたほうが有用である。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、現在時刻から所定時間経過した後に有益なレコメンド情報を精度良く通知することができる通知装置、通知方法、及び通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る通知装置は、ユーザの行動を示す行動情報と、前記行動が行われた時刻を示す時刻情報とを含む行動履歴情報を取得する取得部と、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における、レコメンド対象となる複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出する算出部と、前記有用度が相対的に大きいレコメンド情報を選択する選択部と、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知する通知部と、を備える。
【0007】
前記取得部は、前記レコメンド情報の通知に対する前記ユーザの反応を示す反応履歴情報を取得し、所定時刻よりも前の時刻に対応する前記行動履歴情報と、前記所定時刻以降の前記反応履歴情報とを教師データとして、前記レコメンド情報の前記有用度を算出するモデルを生成する生成部をさらに備え、前記算出部は、前記レコメンド情報を通知する対象である前記ユーザの前記行動履歴情報を前記モデルに入力することにより、複数のレコメンド情報の有用度を算出してもよい。
【0008】
前記生成部は、前記取得部が複数のユーザのそれぞれから取得した前記行動履歴情報と、前記反応履歴情報とに基づいて複数の前記教師データを生成し、当該教師データを用いて前記モデルを生成してもよい。
【0009】
前記生成部は、前記レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻よりも前の時刻に対応する前記行動履歴情報に基づいて前記教師データを生成してもよい。
前記生成部は、前記レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻から前記所定時間前の時刻よりも前の時刻に対応する前記行動履歴情報に基づいて前記教師データを生成してもよい。
【0010】
前記算出部は、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻から前記第1時間とは異なる第2時間を経過した第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出し、前記生成部は、一の前記行動履歴情報のうち、前記レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻から前記第1時間前の時刻よりも前の時刻に対応する行動履歴情報に基づいて前記教師データを生成するとともに、前記レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻から前記第2時間前の時刻よりも前の時刻に対応する行動履歴情報に基づいて前記教師データを生成してもよい。
【0011】
前記生成部は、一の前記行動履歴情報の前記第1時間前の時刻を基準として生成された前記教師データに基づいて、第1モデルを生成するとともに、一の前記行動履歴情報を前記第2時間前の時刻を基準として生成された前記教師データに基づいて、第2モデルを生成し、前記算出部は、前記レコメンド情報を通知する対象である前記ユーザの前記行動履歴情報と前記第1モデルに基づいて、現在時刻から前記第1時間を経過した前記第1時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、当該行動履歴情報と前記第2モデルに基づいて、現在時刻から前記第2時間を経過した前記第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出してもよい。
【0012】
前記生成部は、複数の異なる時刻のそれぞれを基準とし、基準とした時刻よりも前の時刻に対応する前記行動履歴情報を一の前記行動履歴情報から抽出することにより、当該一の前記行動履歴情報から複数の前記教師データを生成してもよい。
【0013】
前記算出部は、前記複数のレコメンド情報の有用度を、複数の前記モデルに基づいて算出し、前記選択部は、複数の前記モデルに基づいて算出された複数の有用度のうち、相対的に高い有用度に対応するレコメンド情報を選択してもよい。
【0014】
前記算出部は、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻から前記第1時間とは異なる第2時間を経過した第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出し、前記選択部は、前記第1時刻と前記第2時刻とのそれぞれにおいて前記有用度が相対的に高いレコメンド情報を選択し、前記通知部は、前記第1時刻に対して選択されたレコメンド情報と、前記第2時刻に対して選択されたレコメンド情報とを前記ユーザに通知してもよい。
【0015】
前記算出部は、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻から前記第1時間とは異なる第2時間を経過した第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出し、前記選択部は、前記第1時刻と前記第2時刻とのそれぞれにおいて算出された前記有用度のうち、相対的に有用度が高いレコメンド情報を選択し、前記通知部は、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知してもよい。
【0016】
前記算出部は、前記第1時刻と前記第2時刻のそれぞれについて算出された有用度に対して、現在時刻からの経過時間に基づく重み付けを行い、前記選択部は、重み付けがされた後の前記有用度に基づいて、相対的に有用度が高いレコメンド情報を選択してもよい。
【0017】
前記算出部は、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した所定時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻よりも過去の時刻から前記第1時間とは異なる第2時間を経過した前記所定時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出し、前記選択部は、算出された前記有用度のうち、相対的に有用度が高いレコメンド情報を選択し、前記通知部は、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様に係る通知方法は、コンピュータが実行する、ユーザの行動を示す行動情報と、前記行動が行われた時刻を示す時刻情報とを含む行動履歴情報を取得するステップと、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における、レコメンド対象となる複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出するステップと、前記有用度が相対的に大きいレコメンド情報を選択するステップと、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知するステップと、を備える。
【0019】
本発明の第3の態様に係る通知プログラムは、コンピュータを、ユーザの行動を示す行動情報と、前記行動が行われた時刻を示す時刻情報とを含む行動履歴情報を取得する取得部、前記行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における、レコメンド対象となる複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出する算出部、前記有用度が相対的に大きいレコメンド情報を選択する選択部、及び、選択されたレコメンド情報を前記ユーザに通知する通知部、として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、現在時刻から所定時間経過した後に有益なレコメンド情報を精度良く通知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
[通知システムSの概要]
図1は、第1実施形態に係る通知システムSの概要を示す図である。通知システムSは、通知装置1と、携帯電話回線やインターネット等の通信ネットワーク3を介して通知装置1と通信可能なユーザ端末2とを備える。通知システムSは、ユーザ端末2のユーザに対して、現在時刻から所定時間を経過した時刻における有用度が相対的に高いレコメンド情報を通知するためのシステムである。
【0023】
本実施形態において、通知装置1はサーバである。また、本実施形態において、ユーザ端末2は、例えばスマートフォン等の携帯端末である。なお、ユーザ端末2は、スマートフォンに限らず、ユーザの行動を示す行動情報が取得可能であるとともに、レコメンド情報をユーザに通知可能なものであれば他の端末であってもよい。また、
図1では、ユーザ端末2を1台のみ表示しているが、通知システムSは、複数のユーザ端末2を備えているものとする。
【0024】
本実施形態において、通知装置1は、ユーザ端末2から、ユーザの過去の行動を示す行動履歴情報を取得する(
図1の(1))。通知装置1は、取得した行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出する(
図1の(2))。通知装置1は、有用度が相対的に高いレコメンド情報を選択する(
図1の(3))。通知装置1は、選択したレコメンド情報をユーザ端末2に送信し、当該レコメンド情報をユーザに通知する(
図1の(4))。このようにすることで、通知装置1は、現在時刻から所定時間経過した後に有益なレコメンド情報を精度良く通知することができる。
続いて、通知装置1の構成について説明する。
【0025】
[通知装置1の構成例]
図2は、第1実施形態に係る通知装置1の構成を示す図である。
通知装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0026】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部11は、通知装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部11は、通知装置1の制御部12を、後述する取得部121、算出部122、選択部123、通知部124、及び生成部125として機能させる通知プログラムを記憶する。記憶部11は、複数のユーザ端末2のそれぞれから取得した行動履歴情報と、レコメンド情報の通知に対するユーザの反応を示す反応履歴情報とを記憶する。
【0027】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部12は、記憶部11に記憶されている各種プログラムを実行することにより、通知装置1に係る機能を制御する。制御部12は、通知プログラムを実行することにより、取得部121、算出部122、選択部123、通知部124、及び生成部125として機能する。
以下、通知装置1における各種の処理の流れを参照しながら、通知装置1の制御部12が備える各機能の詳細について説明する。
【0028】
[レコメンド情報の通知]
まず、レコメンド情報を通知する際の処理の流れについて説明する。
図3は、第1実施形態に係るレコメンド情報を通知する際の処理の流れを示すフローチャートである。なお、レコメンド情報として扱う情報は、例えば、ニュース情報、アプリケーション情報、アプリケーションに関する情報、クーポン情報、広告情報、VODサービスに関する情報であるものとする。
【0029】
まず、取得部121は、レコメンド情報を通知する対象であるユーザの行動を示す行動情報と、当該行動が行われた時刻を示す時刻情報とを含む行動履歴情報を取得する(S10)。具体的には、取得部121は、現在時刻から予め定められた第1時間前までの行動履歴情報を含み、レコメンド情報の取得を要求する取得要求をユーザ端末2から受信したことに応じて、当該取得要求に含まれる行動履歴情報を取得する。
【0030】
ここで、ユーザの行動は、ユーザ端末2における各種情報の検出状況によって表される。ユーザの行動を示す情報としては、例えば、ユーザ端末2の位置を示す位置情報、ユーザ端末2の電池残量を示す情報、ユーザ端末2におけるアプリケーションの利用履歴を示す利用履歴情報、ユーザ端末2が備える表示部のON/OFFを示す情報、ユーザ端末2が検出した加速度を示す情報、あるいはそれら複数からなる情報が挙げられる。
【0031】
続いて、取得部121は、行動履歴情報を取得すると、当該行動履歴情報を記憶部11に記憶させる(S20)。記憶部11に記憶された行動履歴情報は、レコメンド情報の有用度を算出するのに用いられるだけでなく、後述する分類モデルを生成する場合にも用いられる。分類モデルの生成については後述する。
【0032】
続いて、算出部122は、行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における、レコメンド対象となる複数のレコメンド情報の有用度を算出する(S30)。ここで、所定時間は、例えば1時間である。
【0033】
記憶部11には、行動履歴情報に基づいてレコメンド情報の有用度を算出する分類モデルが記憶されている。第1実施形態では、レコメンド情報として扱われる複数の情報のそれぞれの有用度を算出する分類モデルが記憶されているものとする。算出部122は、S10において取得された行動履歴情報を分類モデルに入力することにより、複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出する。
【0034】
続いて、選択部123は、S30において算出された複数の有用度のうち、相対的に大きい有用度を特定する。選択部123は、特定した有用度に対応するレコメンド情報を選択する(S40)。
【0035】
続いて、通知部124は、S40において選択されたレコメンド情報を、レコメンド情報を通知する対象のユーザに通知する(S50)。具体的には、S10においてレコメンド情報の取得要求を送信したユーザ端末2にレコメンド情報を送信する。ユーザ端末2は、レコメンド情報を受信したことに応じて、当該レコメンド情報を自身が備える表示部に表示させる。
【0036】
続いて、取得部121は、レコメンド情報の通知に対するユーザの反応を示す反応履歴情報を取得する(S60)。具体的には、取得部121は、通知部124がレコメンド情報を通知した後に所定時間以上経過すると、ユーザ端末2から反応履歴情報を取得する。ここで、反応履歴情報には、レコメンド情報に対応する行動を示す反応情報と、当該行動が行われた時刻を示す時刻情報とが含まれている。ここで、レコメンド情報に対応する行動は、例えば、ニュース情報、アプリケーション情報、アプリケーションに関する情報、クーポン情報、広告情報、音楽や動画(放送チャンネルやVODコンテンツ)を閲覧したこと、購入したことを示す情報、ソーシャルネットワークサービスにおける返信行動や「いいね」等の共感行動、又は、知人への情報共有行動を示す情報である。なお、反応履歴情報には、レコメンド情報が通知されてから、同じ内容のレコメンド情報の以降の通知を削除する等の拒否を示す反応や、レコメンド情報に対応する行動が行われなかったことを示す情報が含まれていてもよい。
【0037】
続いて、取得部121は、反応履歴情報を取得すると、当該反応履歴情報を記憶部11に記憶させる(S70)。記憶部11に記憶された反応履歴情報は、後述する分類モデルを生成するために用いられる。
【0038】
[分類モデルの生成]
続いて、分類モデルを生成する際の処理の流れについて説明する。第1実施形態において、通知装置1は、レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻を示す所定時刻に着目し、所定時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とを教師データとして分類モデルを生成する。
図4は、第1実施形態に係る分類モデルを生成する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、取得部121は、記憶部11に記憶されている行動履歴情報と反応履歴情報とを取得する(S110)。
続いて、生成部125は、取得された行動履歴情報と反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する(S120)。例えば、生成部125は、取得された行動履歴情報及び反応履歴情報のうち、所定時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とを教師データとする。ここで、行動履歴情報は、例えば、半日分の行動履歴を含み、反応履歴情報は、1時間分の反応履歴を含む。
【0040】
図5は、本実施形態に係る教師データを生成する例を説明する図である。
図5に示されるように、19時に、1時間後の20時に対応するレコメンド情報がユーザ端末2に通知され、ユーザがレコメンド情報に基づいて20時にレコメンド情報に対応する行動をとったとする。この場合、所定時刻は20時である。
【0041】
生成部125は、所定時刻から所定時間前の時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。
図5に示す例では、生成部125は、通知時刻である19時よりも前の行動履歴情報と、レコメンド情報に対応する行動が行われた所定時刻である20時以降の反応履歴情報とから構成される教師データを生成する。ここで、生成部125は、複数の日のそれぞれについて、19時よりも前の行動履歴情報と、20時以降の反応履歴情報とから構成される教師データを生成してもよい。
【0042】
現在時刻が19時である場合に、通知装置1が20時に対応するレコメンド情報を通知する場合、現在時刻と同時刻(19時)以前の行動履歴に基づいて、20時において有用度が相対的に高いレコメンド情報を通知することが好ましい。これに対し、生成部125は、上述のように、19時よりも前の行動履歴情報と、20時以降の反応履歴情報とから構成される教師データを生成するので、現在時刻から1時間(所定時間)経過後のレコメンド情報の有用度を算出するための分類モデルを精度良く生成することができる。
【0043】
なお、生成部125は、所定時刻は、レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻であることとしたが、これに限らない。生成部125は、レコメンド情報に対応する行動が行われると予想された時刻を所定時刻としてもよい。例えば、ユーザにレコメンド情報を通知した後に、当該ユーザがレコメンド情報に対応する行動をとらない場合がある。
【0044】
そこで、記憶部11に、レコメンド情報が通知された通知時刻を記憶しておき、生成部125が、当該通知時刻から所定時間後の時刻を、所定時刻、すなわち、レコメンド情報に対応する行動が行われると予想された時刻とする。そして、生成部125は、当該所定時刻から所定時間前の時刻(通知時刻)よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。このようにすることで、通知装置1は、反応履歴情報がレコメンド情報に対応する行動を含まない場合に対応した教師データを生成することができる。
【0045】
また、生成部125は、レコメンド情報が通知されることなく、レコメンド情報に対応する行動が行われたときの行動履歴情報及び反応履歴情報に基づいて教師データを生成してもよい。例えば、生成部125は、反応履歴情報に含まれているレコメンド情報に対応する行動が行われた時刻を所定時刻とする。そして、生成部125は、所定時刻よりも所定時間前の時刻にレコメンド情報が通知されていない場合であっても、所定時刻よりも所定時間前の時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。このようにすることで、通知装置1は、レコメンド情報が通知されずに、レコメンド情報に対応する行動が行われたケースに対応する教師データを生成することができる。
【0046】
また、生成部125は、S110において取得された行動履歴情報と反応履歴情報から複数の教師データを生成してもよい。
図6は、本実施形態に係る複数の教師データを生成する例を説明する図である。例えば、
図6に示すように、時刻T1、T2、T3においてレコメンド情報に対応する行動が実施され、当該行動を示す情報が反応履歴情報に含まれているものとする。この場合、生成部125は、時刻T1、T2、T3をそれぞれ所定時刻とし、当該所定時刻から所定時間前の時刻よりも前の行動履歴情報と、当該所定時刻以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。これにより、
図6に示す例では、3つの教師データが生成される。
【0047】
続いて、生成部125は、S120において生成された教師データに基づいて機械学習を行うことにより、レコメンド情報の有用度を算出する分類モデルを生成する(S130)。例えば、生成部125は、教師データを構成する行動履歴情報が示すユーザの行動を示す特徴量ベクトルを生成する。生成部125は、教師データを構成する反応履歴情報がレコメンド情報に対応する行動を含む場合を正例、当該反応履歴情報がレコメンド情報に対応する行動を含まない場合を負例とする。そして、生成部125は、生成した特徴量ベクトルと正例又は負例とに基づいて機械学習を行い、特徴量ベクトルを正例又は負例に分類する分類モデルを生成する。ここで、分類モデルは、特徴量ベクトルが入力されたことに応じて、レコメンド情報に対応する行動が行われる確率を、有用度として出力するものとする。
【0048】
なお、生成部125は、分類モデルの生成にかかる処理時間を短縮するために、生成した特徴量ベクトルを圧縮し、圧縮された特徴量ベクトルに基づいて機械学習を行うようにしてもよい。この場合、生成部125は、自己符号化器(オートエンコーダ)を用いることにより、圧縮された特徴量ベクトルを生成するようにしてもよい。
【0049】
ここで、自己符号化器は、行動履歴情報から生成されるn個の要素を含む特徴量ベクトルを、n個よりも少ないk個の要素を含む特徴量ベクトルに圧縮する圧縮部と、k個の要素に圧縮された特徴量ベクトルからn個の要素を含む特徴量ベクトルに再現する再現部と、再現された特徴量ベクトルと圧縮前の特徴量ベクトルとの差を誤差として算出する誤差算出部とを備える。また、自己符号化器は、誤差算出部によって算出される誤差が小さくなるように、圧縮部における圧縮度合いを調整する調整部を備える。自己符号化器は、調整部による調整が完了した後に機械学習を行う。このようにすることで、自己符号化器は、圧縮された特徴量ベクトルを、圧縮前の特徴量ベクトルが示す特徴量を反映したものとすることができる。
【0050】
生成部125は、複数のレコメンド情報に対応する行動のそれぞれについて、レコメンド情報が通知された通知時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻後の反応履歴情報とに基づいて機械学習を行う。そして、生成部125は、複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出する分類モデルを生成する。なお、生成部125は、複数のレコメンド情報に対応する行動のそれぞれについて、異なる分類モデルを生成するようにしてもよい。
生成部125は、生成した分類モデルを記憶部11に記憶させる(S140)。
【0051】
また、本実施形態において、生成部125は、複数のユーザのそれぞれについて、分類モデルを生成することとするが、これに限らない。例えば、生成部125は、取得部121が複数のユーザのそれぞれから取得した行動履歴情報と反応履歴情報とに基づいて複数の教師データを生成してもよい。そして、生成部125は、当該教師データを用いて、複数のユーザに共通する分類モデルを生成してもよい。このようにすることで、通知装置1は、複数のユーザのそれぞれから行動履歴情報を取得する場合に比べて多くの行動履歴情報を取得することができるので、これらの行動履歴情報に基づいて多くの行動事例に対応した分類モデルを生成することができる。
【0052】
[第1実施形態における効果]
以上のとおり、第1実施形態に係る通知システムSでは、通知装置1は、ユーザの行動履歴情報に基づいて、現在時刻から所定時間を経過した時刻における、レコメンド対象となる複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を算出する。そして、通知装置1は、算出された有用度が相対的に大きいレコメンド情報を選択してユーザ端末2のユーザに通知する。このようにすることで、通知装置1は、ユーザの行動履歴に基づいて、現在時刻から所定時間経過した後に有益なレコメンド情報を精度良く通知することができる。
【0053】
また、通知装置1は、レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻を示す所定時刻に着目し、所定時刻よりも前の行動履歴情報と、所定時刻以降の反応履歴情報とを教師データとして分類モデルを生成する。そして、通知装置1は、当該分類モデルに、レコメンド対象のユーザの行動履歴を入力することにより、複数の行動のそれぞれの有用度を算出する。このように、通知装置1は、行動履歴と、当該行動履歴が発生した後の反応履歴情報との関係に基づいて生成された分類モデルに基づいて、新たに取得した行動履歴に対して有用度の高い行動をレコメンド情報として選択することができる。
【0054】
<第2実施形態>
[現在時刻からの異なる経過時間に対応してレコメンド情報を通知する]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る通知装置1は、現在時刻から所定時間経過した時刻において有用度が高いレコメンド情報を通知した。このようにレコメンド情報を通知すると、現在時刻から所定時間とは異なる時間が経過した時刻において有用度が高いレコメンド情報を通知することができないという問題がある。これに対して、第2実施形態に係る通知装置1は、現在時刻からの異なる経過時間に対応してレコメンド情報を通知する。以下、第2実施形態に係る通知システムSについて説明する。第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0055】
第2実施形態に係る生成部125は、現在時刻からの異なる経過時間に対応してレコメンド情報を通知できるようにするために、異なる経過時間に対応する複数の分類モデルを生成する。
【0056】
具体的には、第2実施形態に係る生成部125は、取得部121が取得した一の行動履歴情報のうち、レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻から第1時間前の時刻よりも前の行動履歴情報に基づいて教師データを生成するとともに、当該レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻から、第1時間よりも長い第2時間前の時刻よりも前の行動履歴情報に基づいて教師データを生成する。
【0057】
図7は、第2実施形態に係る複数の教師データを生成する例を説明する図である。例えば、
図7に示すように、20時においてレコメンド情報に対応する行動が実施され、当該行動を示す情報が反応履歴情報に含まれているものとする。この場合、生成部125は、20時を所定時刻とする。
【0058】
第1時間を1時間とすると、生成部125は、19時よりも前の行動履歴情報と、20時以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。また、第2時間を2時間とすると、生成部125は、18時よりも前の行動履歴情報と、20時以降の反応履歴情報とに基づいて教師データを生成する。このようにすることで、通知装置1は、同じ情報を含む行動履歴情報及び反応履歴情報のうち、異なる期間の行動履歴情報及び反応履歴情報を抽出して、複数の教師データを生成することができる。
【0059】
生成部125は、生成した複数の教師データに基づいて機械学習を行うことにより分類モデルを生成する。具体的には、生成部125は、所定時刻よりも第1時間前の時刻を基準として生成された教師データに基づいて第1モデルを生成する。また、生成部125は、所定時刻よりも第2時間前の時刻を基準として生成された教師データに基づいて第2モデルを生成する。
図7に示すように教師データが生成される場合、生成部125は、行動履歴情報の取得時刻から1時間経過後のレコメンド情報の有用度を算出する第1モデルを生成するとともに、当該取得時刻から2時間経過後のレコメンド情報の有用度を算出する第2モデルを生成する。生成部125は、生成した複数のモデルを記憶部11に記憶させる。
【0060】
取得部121は、第1実施形態と同様に、レコメンド情報を通知する対象であるユーザのユーザ端末2から、レコメンド情報の取得要求を受信すると、当該取得要求に含まれる行動履歴情報を取得する。
【0061】
算出部122は、取得された行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻から第2時間を経過した第2時刻における前記複数のレコメンド情報の有用度を算出する。
【0062】
具体的には、算出部122は、取得された行動履歴情報と第1モデルとに基づいて、現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、当該行動履歴情報と第2モデルとに基づいて、現在時刻から第2時間を経過した第2時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出する。
【0063】
例えば、
図7に示す例に基づいて第1モデル及び第2モデルが作成され、現在時刻が18時である場合、算出部122は、第1モデルに基づいて19時における複数のレコメンド情報の有用度を算出する。また、算出部122は、第2モデルに基づいて20時における複数のレコメンド情報の有用度を算出する。
【0064】
なお、取得された行動履歴情報に基づいて、現在時刻から第1時間を経過した所定時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、現在時刻よりも過去の時刻から第1時間とは異なる第2時間を経過した当該所定時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出してもよい。例えば、算出部122は、現在時刻が18時である場合に、第1モデルに基づいて19時における複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、17時よりも前の行動履歴情報と第2モデルとに基づいて19時における複数のレコメンド情報の有用度を算出してもよい。
【0065】
続いて、選択部123は、複数のモデルに基づいて算出された複数の有用度のうち、相対的に高い有用度に対応するレコメンド情報を選択する。例えば、選択部123は、現在時刻が18時である場合に算出された、19時における複数のレコメンド情報の有用度と、20時における複数のレコメンド情報の有用度とのうち、最も高い有用度に対応するレコメンド情報を選択する。
【0066】
続いて、通知部124は、選択されたレコメンド情報と、当該レコメンド情報に対応する時刻とを関連付けて、レコメンド情報を通知する対象のユーザに通知する。ユーザ端末2は、レコメンド情報に対応する時刻と、レコメンド情報とを表示部に表示させることにより、レコメンド情報をユーザに通知する。
【0067】
なお、現在時刻からの経過時間に応じてそれぞれのレコメンド情報の重要度は異なる。例えば、現在時刻が18時である場合に、20時に対応するレコメンド情報よりも、19時に対応するレコメンド情報のほうがレコメンドの精度が高い。そこで、算出部122は、第1時刻と第2時刻のそれぞれについて算出された有用度に対して、現在時刻からの経過時間に基づく重み付けを行うようにしてもよい。この場合において、算出部122は、例えば、現在時刻からの経過時間が短いほど有用度が高くなるように重み付けを行う。
【0068】
選択部123は、重み付けがされた後の有用度に基づいて、相対的に有用度が高いレコメンド情報を選択する。このようにすることで、通知装置1は、経過時間を考慮して有用度が高いレコメンド情報をユーザに通知することができる。
【0069】
また、選択部123は、第1時刻に対して算出された複数の有用度のうち、相対的に大きい有用度を特定するとともに、第2時刻に対して算出された複数の有用度のうち、相対的に大きい有用度を特定するようにしてもよい。この場合、通知部124は、第1時刻に対して選択されたレコメンド情報と、第2時刻に対して選択されたレコメンド情報とを、レコメンド情報に対応する時刻と関連付けて、レコメンド情報を通知する対象のユーザに通知する。
【0070】
[第2実施形態における効果]
以上のとおり、第2実施形態に係る通知装置1は、第1モデルに基づいて現在時刻から第1時間を経過した第1時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出するとともに、第2モデルに基づいて、現在時刻から第2時間を経過した第2時刻における複数のレコメンド情報の有用度を算出する。このようにすることで、通知装置1は、ユーザに現在時刻からの異なる経過時間に対応するレコメンド情報を通知することができる。
【0071】
<第3実施形態>
[予め定められた時刻に着目して教師データを生成する]
続いて、第3実施形態について説明する。第1実施形態に係る通知装置1は、レコメンド情報に対応する行動が行われた時刻を示す所定時刻に着目して教師データを生成して分類モデルを生成した。これに対して、第3実施形態に係る通知装置1は、予め定められた時刻に着目して教師データを生成して分類モデルを生成する点で第1実施形態と異なる。
【0072】
第3実施形態に係る生成部125は、複数の異なる時刻のそれぞれを基準とし、基準とした時刻よりも前の行動履歴情報を一の行動履歴情報から抽出することにより、当該一の行動履歴情報から複数の教師データを生成する。
【0073】
図8は、第3実施形態に係る複数の教師データを生成する例を説明する図である。具体的には、まず生成部125は、教師データを生成する際に、複数の異なる時刻のそれぞれを基準とする。例えば、生成部125は、18時、19時、20時といったように、1時間ずつ離れた時刻を基準とする。
【0074】
生成部125は、取得部121によって取得された一の行動履歴情報から、基準とされた時刻よりも前の行動履歴情報を抽出する。同様に、生成部125は、取得部121によって取得された一の反応履歴情報から、基準とされた時刻以降の反応履歴情報を抽出する。ここでは、生成部125は、基準とされた時刻よりも所定時間経過した時刻以降の反応履歴情報を抽出する。そして、生成部125は、抽出した行動履歴情報と反応履歴情報を含む教師データを生成する。生成部125は、基準とされた複数の異なる時刻のそれぞれについて、当該時刻に基づいて行動履歴情報及び反応履歴情報を抽出して教師データを生成する。
【0075】
続いて、生成部125は、生成した各基準時刻に対応する教師データに基づいて機械学習を行うことにより、各基準時刻のそれぞれに対応する分類モデルを生成する。
算出部122は、レコメンド情報を通知する対象であるユーザの行動履歴情報を取得すると、現在時刻に対応する分類モデルを選択する。例えば、算出部122は、現在時刻が18時である場合には、過去日時の18時よりも前の行動履歴情報と、18時以降の反応履歴情報とを含む教師データに基づいて生成された分類モデルを選択する。また、算出部122は、現在時刻に対応する分類モデルが記憶部11に記憶されていない場合、現在時刻に最も近い時刻に対応する分類モデルを選択する。算出部122は、選択された分類モデルに、取得した行動履歴情報を入力することにより、複数のレコメンド情報のそれぞれの有用度を選択する。
【0076】
選択部123は、複数のモデルに基づいて算出された複数の有用度のうち、相対的に高い有用度に対応するレコメンド情報を選択する。通知部124は、選択されたレコメンド情報と、当該レコメンド情報に対応する時刻とを関連付けて、レコメンド情報を通知する対象のユーザに通知する。
【0077】
[第3実施形態における効果]
以上のとおり、第3実施形態に係る通知装置1は、予め定められた時刻に着目して生成された教師データに基づいて、予め定められた時刻に着目した分類モデルを生成する。そして、通知装置1は、レコメンド情報を通知する対象であるユーザの行動履歴情報を取得した時刻に対応する分類モデルを選択し、当該分類モデルに基づいて算出した複数のレコメンド情報の有用度に基づいて、有用度が相対的に高いレコメンド情報を選択する。ユーザの生活リズムは一定であることが多いことから、通知装置1は、予め定められた時刻に着目した分類モデルに基づいて、ユーザの生活リズムに基づいた有用度を算出することができる。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、例えば、上述の複数の実施形態を組み合わせてもよい。また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。