特許第6683654号(P6683654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683654
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】車両用ドアのアウトハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20200413BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   E05B85/16 A
   B60J5/04 H
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-120375(P2017-120375)
(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公開番号】特開2019-2258(P2019-2258A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155067
【氏名又は名称】株式会社ホンダロック
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 雄夫
【審査官】 桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−162463(JP,A)
【文献】 特開2011−039027(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0074009(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0337571(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0118033(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドア(D)のアウターパネル(21)にハンドルベース(29)が固定され、前記アウターパネル(21)の外側方に配置されるハンドル本体(24)を有するアウトハンドル(22)が前記ハンドルベース(29)に回動自在に支持され、前記ハンドル本体(24)の車幅方向外側の外面に装飾カバー(38)が取付けられる車両用ドアのアウトハンドル装置において、車幅方向に沿う前記ハンドル本体(24)の外側面に、前記アウトハンドル(22)の前記車両用ドア(D)への組み付け状態で上下方向に沿う底壁(35)ならびに当該底壁(35)の上下両端に連なる一対の側壁(36,37)から成る横断面略U字状の取付け溝(34)が形成され、その取付け溝(34)に挿入される前記装飾カバー(38)に当接して前記底壁(35)および前記装飾カバー(38)間に第1の隙間(56)を形成する複数個の支持突部(39)が、前記第1の隙間(56)に充填する接着剤(58)を注入するために前記底壁(35)に設けられる複数個の注入孔(44,45,46,47)の周囲に少なくとも1個ずつ配置されるようにしつつ、前記底壁(35)に突設されることを特徴とする車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項2】
前記取付け溝(34)が、前記車両用ドア(D)への前記アウトハンドル(22)の組み付け状態で車両前後方向に長く延びるようにして前記ハンドル本体(24)に形成され、前記取付け溝(34)の長手方向に間隔をあけた複数箇所で前記底壁(35)に前記注入孔(44〜47)が形成され、前記第1の隙間(56)に通じる第2の隙間(57)を前記側壁(36,37)および前記装飾カバー(38)間に形成するようにして前記装飾カバー(38)に当接する複数個の位置決め突部(59)が、前記取付け溝(34)の長手方向で前記注入孔(44〜47)に対応する位置に配置されるようにして一対の前記側壁(36,37)に突設されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアのアウターパネルにハンドルベースが固定され、前記アウターパネルの外側方に配置されるハンドル本体を有するアウトハンドルが前記ハンドルベースに回動自在に支持され、前記ハンドル本体の車幅方向外側の外面に装飾カバーが取付けられる車両用ドアのアウトハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アウターパネルの外側方に配置されるハンドル本体の外側面に、デザイン性を高めるための装飾カバーが取り付けられるようにしたアウトハンドルが、特許文献1で既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−47437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されたものでは、ハンドル本体の外側面に形成される取付け溝に挿入される装飾カバーの両端部が、ハンドル本体に弾発、係合されており、装飾カバーはハンドル本体に固定されていないので、車両ユーザーがハンドル本体を掴んで操作する際に、装飾カバーがハンドル本体に接触する部分で多少のずれが生じ、異音が発生してしまう。この異音の発生を防止するためには装飾カバーをハンドル本体に固定してしまえばよく、両面テープで装飾カバーをハンドル本体に接着、固定するようにしたアウトハンドルも既に存在するが、両面テープを用いることでコストの増大を招くことになる。コストの増大を抑えて装飾カバーをハンドル本体に固定するために、接着剤で装飾カバーをハンドル本体に接着することが考えられるが、その場合、接着剤の量を抑えつつ装飾カバーのハンドル本体への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑えることが望まれる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、接着剤の使用量を抑えてコスト低減を図りつつ、装飾カバーのハンドル本体への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑え得るようにした車両用ドアのアウトハンドル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両用ドアのアウターパネルにハンドルベースが固定され、前記アウターパネルの外側方に配置されるハンドル本体を有するアウトハンドルが前記ハンドルベースに回動自在に支持され、前記ハンドル本体の車幅方向外側の外面に装飾カバーが取付けられる車両用ドアのアウトハンドル装置において、車幅方向に沿う前記ハンドル本体の外側面に、前記アウトハンドルの前記車両用ドアへの組み付け状態で上下方向に沿う底壁ならびに当該底壁の上下両端に連なる一対の側壁から成る横断面略U字状の取付け溝が形成され、その取付け溝に挿入される前記装飾カバーに当接して前記底壁および前記装飾カバー間に第1の隙間を形成する複数個の支持突部が、前記第1の隙間に充填する接着剤を注入するために前記底壁に設けられる複数個の注入孔の周囲に少なくとも1個ずつ配置されるようにしつつ、前記底壁に突設されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記取付け溝が、前記車両用ドアへの前記アウトハンドルの組み付け状態で車両前後方向に長く延びるようにして前記ハンドル本体に形成され、前記取付け溝の長手方向に間隔をあけた複数箇所で前記底壁に前記注入孔が形成され、前記第1の隙間に通じる第2の隙間を前記側壁および前記装飾カバー間に形成するようにして前記装飾カバーに当接する複数個の位置決め突部が、前記取付け溝の長手方向で前記注入孔に対応する位置に配置されるようにして一対の前記側壁に突設されることを第2の特徴とする。
【0008】
なお実施の形態の第1の取付け溝34が本発明の取付け溝に対応し、実施の形態の第1の支持突部39が本発明の支持突部に対応し、実施の形態の第1の位置決め突部59が本発明の位置決め突部に対応する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、接着剤を用いて装飾カバーがハンドル本体に固定されるので、両面テープを使用するものに比べると、コストの削減および作業性の向上を図りながら装飾カバーをハンドル本体に固定することができる。しかも装飾カバーは、支持突部に接触するのであるが、支持突部は、取付け溝の底壁に設けられた複数個の注入孔の周囲に少なくとも1個ずつ配置されており、注入孔から第1の隙間に注入される接着剤が第1の隙間のうち支持突部の周囲に確実に充填されるので、異音の発生源となる装飾カバーのハンドル本体への接触箇所、すなわち装飾カバーの支持突部への接触部を、第1の隙間全体に接着剤を注入することを不要として接着剤の使用量を抑えつつ確実に固定することが可能となり、接着剤の使用量を抑えてコスト低減を図りつつ、装飾カバーのハンドル本体への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑えることができる。
【0010】
また本発明の第2の特徴によれば、取付け溝の長手方向に間隔をあけた複数箇所に配置される注入孔に対応して、取付け溝の一対の側壁に、装飾カバーに接触する位置決め突部が突設され、側壁および装飾カバー間に形成される第2の隙間に第1の隙間から接着剤が流入するので、装飾カバーの両側部のハンドル本体への接触箇所、すなわち装飾カバーの位置決め突部への接触部を、第2の隙間全体に接着剤を注入することを不要として接着剤の使用量を抑えつつ確実に固定することが可能となり、接着剤の使用量を抑えてコスト低減を図りつつ、装飾カバーのハンドル本体への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両用ドアの一部を示す側面図である。
図2図1の2−2線に沿う断面図である。
図3】アウトハンドルの分解斜視図である。
図4】分解状態に在るハンドルカバーおよび装飾カバーを示す側面図である。
図5】装飾カバーが取付けられた状態に在るハンドルカバーを車幅方向内方側から見た側面図である。
図6図4の6矢視方向から見た斜視図である。
図7図4の7矢視方向から見た斜視図である。
図8図4の8矢視方向から見た斜視図である。
図9図4の9矢視方向から見た斜視図である。
図10図4の10矢視方向から見た斜視図である。
図11図4の11矢視方向から見た斜視図である。
図12図5の12−12線断面図である。
図13図5の13−13線断面図である。
図14図5の14−14線断面図である。
図15図5の15−15線断面図である。
図16】ベースカバーの斜視図である。
図17】ベースカバー用装飾カバーが取り付けられた状態に在るベースカバーを車幅方向内方側から見た側面図である。
図18図17の18−18線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図1図18を参照しながら説明すると、先ず図1および図2において、たとえばサイドドアである車両用ドアDのアウターパネル21には、アウトハンドル22が車両用ドアDの外面側で操作することを可能として回動可能に取付けられる。前記アウターパネル21には、その外方で前記アウトハンドル22を把持する車両ユーザの手を挿入することを可能とするための窪み23を形成する湾曲部21aが、車幅方向内方側に膨らむようにして設けられる。
【0013】
図3を併せて参照して、前記アウトハンドル22は、前記アウターパネル21の外側方で車両前後方向に延びるように配置されるハンドル本体24と、そのハンドル本体24の車両前後方向に沿う前端部に連設される略L字状の支持腕部25と、前記ハンドル本体24の他端部寄りに連設される連結腕部26とを有する。
【0014】
前記ハンドル本体24は、前記アウターパネル21と反対側に開放した略U字状の横断面形状を有する合成樹脂製のハンドル本体主部27と、そのハンドル本体主部27を前記アウターパネル21と反対側から覆う合成樹脂製のハンドルカバー28とから成り、前記支持腕部25は車両前後方向で前記ハンドル本体主部27の前端部に一体に連設され、前記連結腕部26は、車両前後方向で前記ハンドル本体主部27の後端部に一体に連設される。
【0015】
前記アウターパネル21の内面には、車両前後方向に延びるハンドルベース29が固定される。前記アウトハンドル22における前記支持腕部25の一部は、前記アウターパネル21内に突入され、その支持腕部25の先端部が、前記ハンドルベース29の車両前後方向に沿う前端部で回動可能に支持される。また前記アウトハンドル22における前記連結腕部26は、前記ハンドルベース29の車両前後方向に沿う後部に挿入されるようにして前記アウターパネル21内に突入される。
【0016】
前記連結腕部26は、車両用ドアD内に配置されるラッチ機構(図示せず)に連動、連結される。前記ラッチ機構がアンロック状態にあるときに、前記アウトハンドル22の前記ハンドル本体24を掴んで車両用ドアDの外側方に引き出す方向に操作することによって、前記ラッチ機構は車両用ドアDの閉状態を解除することになり、前記ハンドル本体24の操作により車両用ドアDを開放することが可能となる。しかも前記アウトハンドル22は、図示しない付勢手段によって前記連結腕部26が車両用ドアDの内方側に引き込まれる側に付勢される。
【0017】
前記連結腕部26よりも車両前後方向に沿う後方で前記ハンドルベース29には、メカニカルキー(図示せず)によって前記ラッチ機構のロック状態およびアンロック状態を切り替えるシリンダ錠30(図1および図2参照)が固定される。また前記アウトハンドル22の車両前後方向に沿う後方で前記アウターパネル21には、前記アウトハンドル22が非操作状態にあるときに当該アウトハンドル22の前記ハンドル本体24に円滑に連なるようにして前記アウターパネル21から外側方に隆起する合成樹脂製のベースカバー31が、前記シリンダ錠30の一部を覆うようにして固定される。また前記アウトハンドル22における前記ハンドル本体24内の前記ベースカバー31側の端部には、車両ユーザが車両用ドアDをロックする意志を確認するためのタクトスイッチ32が配設される。
【0018】
図4を併せて参照して、車幅方向に沿う前記ハンドル本体24の外側面には、前記アウトハンドル22の前記車両用ドアDへの組み付け状態で上下方向に沿う姿勢となる底壁35と、当該底壁35の上下両端に連なる一対の側壁36,37とから成る横断面略U字状の第1の取付け溝34が形成されており、この実施の形態で前記第1の取付け溝34は、前記ハンドル本体24における前記ハンドルカバー28の車幅方向外側の外面に、前記ハンドルカバー28の車両前後方向に沿う全長にわたって形成される。
【0019】
前記ハンドル本体24の車幅方向に沿う外側面すなわち前記ハンドルカバー28の車幅方向外側の外面には、表面にメッキ処理が施された合成樹脂から成るとともに前記第1の取付け溝34に挿入される装飾カバー38が、接着によって取付けられる。
【0020】
前記第1の取付け溝34の前記底壁35には、その第1の取付け溝34に挿入される前記装飾カバー38に当接する複数個たとえば5個の第1の支持突部39が突設され、前記装飾カバー38は、前記第1の支持突部39に当接、支持された状態で前記ハンドルカバー28に接着される。
【0021】
図5を併せて参照して、前記底壁35には、前記装飾カバー38を前記ハンドルカバー38に接着するための接着剤を前記装飾カバー38および前記底壁35間に充填すべく注入するための複数個たとえば第1〜第4の注入孔44,45,46,47が、前記第1の取付け溝34の長手方向に間隔をあけた複数箇所たとえば4箇所に形成される。
【0022】
前記第1の支持突部39は、前記第1〜第4の注入孔44〜47の周囲に少なくとも1個ずつ配置されるようにしつつ、たとえば円形形状で前記底壁35に突設されるものであり、この実施の形態では前記第1の注入孔44の周囲に1個の第1の支持突部39が配置され、前記第2の注入孔45の周囲に1個の第1の支持突部39が配置され、前記第3の注入孔46の周囲に2個の第1の支持突部39が配置され、前記第4の注入孔47の周囲に1個の第1の支持突部39が配置される。
【0023】
図6および図7を併せて参照して、前記第1の注入孔44は、車両前後方向に沿う前記底壁35の前部に、車両前後方向後方に向けて開口するようにして略L字状に屈曲して形成され、この第1の注入孔44の周囲のうち前方側下方に1個の第1の支持突部39が配置される。
【0024】
前記第2の注入孔45は、前記ハンドルカバー28の長手方向中央部よりも車両前後方向前方かつ前記第1の注入孔44よりも後方かつ前記側壁37寄りに配置されるようにして、上下方向長い矩形状を有して前記底壁35に形成されており、この第2の注入孔45の周囲のうち上方に1個の第1の支持突部39が配置される。
【0025】
図8および図9を併せて参照して、前記第3の注入孔46は、前記ハンドルカバー28の長手方向略中央部に配置されるようにして、車両前後方向に長い矩形状を有して前記底壁35に形成されており、この第3の注入孔46の周囲のうち上方および下方にそれぞれ第1の支持突部39が配置される。
【0026】
図10および図11を併せて参照して、車両前後方向で前記底壁35の後部には、一対の前記側壁36,37間にわたる大きな矩形状の挿入孔48と、その挿入孔48より小さな矩形状に形成されつつ当該挿入孔48の後側上部に連なる前記第4の注入孔47とが形成されており、前記第4の注入孔47の周囲のうち下方かつ前記挿入孔48の後方に1個の第1の支持突部39が配置される。
【0027】
前記第1の支持突部39の前記底壁35からの突出量は、それらの第1の支持突部39に当接した前記装飾カバー38の外面と、前記ハンドルカバー28の車幅方向外側の外面との間に段差が生じることのないように設定される。
【0028】
図12を併せて参照して、車両前後方向で前記装飾カバー38の前端部の上下の幅方向両側には、当該装飾カバー38の前端部内面との間に車両前後方向後方に向けて開放した第1の係止凹部49を形成するようにして後方に屈曲する第1の屈曲突部50がそれぞれ一体に設けられる。一方、前記ハンドルカバー28の前記底壁35の車両前後方向前端部における上下方向の幅方向両側には、前記第1の係止凹部49に挿入、係合される前端挿入部35aがそれぞれ形成される。
【0029】
図13を併せて参照して、前記底壁35の前記ハンドル本体主部27側に臨む面には、前記第2の注入孔45の後縁から前記ハンドル本体主部27側に突出する第1の係止突部51が一体に突設されており、前記装飾カバー38の内面には、前記第2の注入孔45に挿入されて前記第1の係止突部45に係合する第1の係合爪52が一体に突設される。
【0030】
図14を併せて参照して、前記装飾カバー38の内面には、前記第3の注入孔46に挿入される挿入突部53が一体に突設される。
【0031】
図15を併せて参照して、前記底壁35の前記ハンドル本体主部27側に臨む面には、前記第4の注入孔47の後縁から前記ハンドル本体主部27側に突出する第2の係止突部54が一体に突設されており、前記装飾カバー38の内面には、前記第4の注入孔47に挿入されて前記第2の係止突部54に係合する第2の係合爪55が一体に突設される。
【0032】
前記第1の係止凹部49に前記底壁35の前記前端挿入部35aを挿入、係合し、第1の係止突部51に第1の係合爪52を係合し、前記第3の注入孔46に前記挿入突部53を挿入し、前記第2の係止突部54に前記第2の係合爪55を係合しつつ、前記装飾カバー38を複数の前記第1の支持突部39に当接させるようにして前記装飾カバー38を前記第1の取付け溝34に挿入すると、前記第1の取付け溝34の前記底壁35および前記装飾カバー38間には、図12図15で示すように、第1の隙間56が形成される。
【0033】
一方、前記第1の取付け溝34における一対の前記側壁36,37には、前記第1の隙間56に通じる第2の隙間57を前記側壁36,37および前記装飾カバー38間に形成するようにして前記装飾カバー38に当接する複数個たとえば4個ずつ合計8個の第1の位置決め突部59が、前記第1の取付け溝34の長手方向で前記第1〜第4の注入孔44〜47に対応する位置に配置されるようにして突設される。
【0034】
すなわち前記第1の取付け溝34の側壁36,37には、前記取付け溝34の長手方向で前記第1〜第4の注入孔44〜47に個別に対応する第1の位置決め突部59が突設され、これらの第1の位置決め突部59の突出量は前記装飾カバー38と、前記第1の取付け溝34の前記側壁36,37間の間隙が適切な値になるように設定される。
【0035】
第1および第2の隙間56,57には、接着剤58(図14参照)が充填されるのであるが、その接着剤58は、前記第1〜第4の注入孔44〜47から注入される。すなわち前記第1の注入孔44と、前記第2の注入孔45ならびにその第2の注入孔45に挿入される第1の係合爪52間に生じた間隙と、前記第3の注入孔46と、前記第4の注入孔47ならびにその第4の注入孔47に挿入された第2の係合爪55間に生じた間隙とから前記接着剤58が注入されるものであり、前記第3の注入孔46から注入された前記接着剤58は、図14の矢印で示すように前記挿入突部53の両側に分かれるように案内されて第1の隙間56に導かれ、第1の隙間56から第2の隙間57に導かれる。
【0036】
上述のようにして前記ハンドルカバー28に前記装飾カバー38が接着されるのであるが、装飾カバー38が接着、固定された状態にある前記ハンドルカバー28を前記ハンドル本体主部27に固定するために、前記装飾カバー38には、前記挿入孔48に挿入されるボス60が一体に突設され、前記ハンドルカバー28における前記底壁35の前記ハンドル本体主部27側に臨む面には、前記第2の注入孔45および前記第3の注入孔46間に配置されるボス61が一体に突設され、前記ハンドル本体主部27に挿通されるねじ部材(図示せず)が前記ボス60,61にねじ込まれる。なお、この実施の形態では、前記ハンドルカバー28を前記ハンドル本体主部27に固定するための2つのボス60,61のうち一方のボス60が、配置の都合により前記装飾カバー38に設けられているが、ハンドルカバー28に設けられていてもよい。
【0037】
また前記タクトスイッチ32は、前記挿入孔48に対応する部分で前記ハンドル本体主部27に固定されており、前記装飾カバー38には、前記タクトスイッチ32の一部を収容するようにして矩形に形成される収容筒部63が、前記ボス60の車両前後方向後方で前記挿入孔48に挿入されるようにして一体に突設される。前記収容筒部63に収容された前記タクトスイッチ32は、その一部が前記装飾カバー38から外部に臨むように配置される。
【0038】
図16図18を併せて参照して、前記ベースカバー31の外側面には、当該ベースカバー31の前記アウターパネル21への組み付け状態で上下方向に沿う姿勢となる底壁65と、当該底壁65の上下両端に連なる一対の側壁66,67とから成る横断面略U字状の第2の取付け溝64が形成されており、この第2の取付け溝64は、前記ベースカバー31の車幅方向外側の外面に、前記ベースカバー31の車両前後方向に沿う全長にわたって形成される。前記第2の取付け溝64には、表面にメッキ処理が施された合成樹脂から成るベースカバー用装飾カバー68が挿入され、接着によって前記ベースカバー用装飾カバー68が前記ベースカバー31に取付けられる。
【0039】
前記第2の取付け溝64の前記底壁65には、その第2の取付け溝64に挿入される前記ベースカバー用装飾カバー68に当接する複数個たとえば3個の第2の支持突部69が突設され、前記ベースカバー用装飾カバー68は、前記第2の支持突部69に当接、支持された状態で前記ベースカバー31に接着される。
【0040】
前記ベースカバー31には、前記シリンダ錠30を挿通させる開口部70が形成され、前記ベースカバー用装飾カバー68には、前記シリンダ錠30のキー孔71を外部に臨ませる円形の窓72が、前記開口部70に対応して形成される。
【0041】
前記ベースカバー31の車両前後方向に間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記ベースカバー用装飾カバー68を前記ハンドルカバー38に接着するための接着剤を前記ベースカバー用装飾カバー68および前記底壁65間に充填すべく注入するための複数個たとえば第5〜第7の注入孔74,75,76が形成される。
【0042】
前記第5の注入孔74は、車両前後方向に沿う前記ベースカバー31の前端の前壁31aに形成されるものであり、前記ベースカバー31の前記ハンドルベース29への取付け状態で上下に間隔をあけた2箇所で前記上下方向に長い矩形の形状を有するようにして前記第5の注入孔74が前記前壁31aに形成される。前記第6の注入孔75は、車両前後方向で前記開口部70の後側上方に配置されるようにしつつ上下方向に長い矩形の形状を有するようにして前記底壁65に形成される。また前記第7の注入孔76は、車両前後方向で前記底壁65の後部に形成されるものであり、車両前後方向後方に向けて開口するようにして略L字状に屈曲して形成される。
【0043】
前記ベースカバー用装飾カバー68は、前記ベースカバー31の前記前壁31aの一部を覆うカバー部68aを、当該ベースカバー用装飾カバー68の前端部に有するように形成されており、このカバー部68aの端部には、前記第5の注入孔74内に挿入、係合される一対の第3の係合爪75が、車両前後方向後方に向けて突出するようにして突設される。
【0044】
また車両前後方向で前記ベースカバー用装飾カバー68の後端部の上下の幅方向両側には、当該ベースカバー用装飾カバー68の後端部内面との間に車両前後方向前方に向けて開放した第2の係止凹部79を形成するようにして前方に屈曲する第2の屈曲突部80がそれぞれ一体に設けられる。一方、前記ベースカバー31の前記底壁65の車両前後方向後端部における上下方向の幅方向両側には、前記第2の係止凹部79に挿入、係合される後端挿入部65aがそれぞれ形成される。
【0045】
前記第2の係止凹部79に前記底壁65の前記後端部65aを挿入、係合し、前記第5の注入孔74に前記第3の係合爪77を係合しつつ、前記ベースカバー用装飾カバー68を前記第2の支持突部69に当接させるようにして前記ベースカバ用装飾カバー68を前記第2の取付け溝64に挿入すると、前記第2の取付け溝64の前記底壁65および前記ベースカバー用装飾カバー68間には、図18で示すように、第3の隙間81が形成される。
【0046】
前記第3の隙間81には、前記第5の注入孔74ならびにその第5の注入孔74に係合される第3の係合爪77間に生じる間隙と、第6の注入孔75および第7の注入孔76とから接着剤が注入されるものであり、第2の支持突部69は、前記第5の注入孔74、前記第6の注入孔76および前記第7の注入孔77の周囲に個別に対応して前記底壁65に突設され、第2の支持突部69の前記底壁65からの突出量は、それらの第2の支持突部69に当接した前記ベースカバー用装飾カバー68の外面と、前記ベースカバー31の車幅方向外側の外面との間に段差が生じることのないように設定される。
【0047】
一方、前記第2の取付け溝64の前記側壁66,67には、前記第3の隙間81に通じる隙間(図示せず)を前記側壁66,67および前記ベースカバー用装飾カバー68間に形成するようにして前記ベースカバー用装飾カバー68に当接する複数個たとえば3個ずつ合計6個の第2の位置決め突部78が、前記第2の取付け溝64の長手方向で前記第5〜第7の注入孔74〜76に対応する位置に配置されるようにして突設される。これらの第2の位置決め突部78の突出量は前記ベースカバー用装飾カバー68と、前記第2の取付け溝64の前記側壁66,67間の間隙が適切な値になるように設定される。
【0048】
このような前記ベースカバー31および前記ベースカバー用装飾カバー68の形状により、前記ハンドル本体24のハンドルカバー28への装飾カバー38の接着、固定と同様に、前記ベースカバー31に前記ベースカバー用装飾カバー68が接着、固定される。
【0049】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、アウトハンドル22のうちアウターパネル21の外側方に配置されるハンドル本体24の車幅方向外側の外面に装飾カバー38が取付けられるのであるが、車幅方向に沿う前記ハンドル本体24の外側面に、前記アウトハンドル22の車両用ドアDへの組み付け状態で上下方向に沿う底壁35ならびに当該底壁35の上下両端に連なる一対の側壁36,37でから成る横断面略U字状の第1の取付け溝34が形成され、その第1の取付け溝34に挿入される前記装飾カバー38に当接して前記底壁35および前記装飾カバー38間に第1の隙間56を形成する複数個の第1の支持突部39が前記底壁35に突設され、前記第1の隙間56に接着剤58が充填されるので、接着剤58を用いて装飾カバー38がハンドル本体24に固定されることになり、両面テープを使用するものに比べると、コストの削減および作業性の向上を図りながら装飾カバー38をハンドル本体24に固定することができる。
【0050】
しかも複数個の第1の支持突部39は、接着剤58を注入するために前記底壁35に設けられる第1〜第4の注入孔44,45,46,47の周囲に少なくとも1個ずつ配置されるので、第1〜第4の注入孔44〜47から第1の隙間56に注入される接着剤58が第1の隙間56のうち第1の支持突部39の周囲に確実に充填されることになり、異音の発生源となる装飾カバー38のハンドル本体24への接触箇所、すなわち装飾カバー38の第1の支持突部39への接触部を、第1の隙間56全体に接着剤58を注入することを不要として接着剤58の使用量を抑えつつ確実に固定することが可能となり、接着剤58の使用量を抑えてコスト低減を図りつつ、装飾カバー38のハンドル本体24への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑えることができる。
【0051】
また前記第1の取付け溝34が、車両用ドアDへの前記アウトハンドル22の組み付け状態で車両前後方向に長く延びて前記ハンドル本体24に形成され、前記第1の取付け溝34の長手方向に間隔をあけた複数箇所で前記底壁35に前記第1〜第4の注入孔44〜47が形成され、前記第1の隙間56に通じる第2の隙間57を前記側壁36,37および前記装飾カバー38間に形成するようにして前記装飾カバー38に当接する複数個の第1の位置決め突部59が、前記第1の取付け溝34の長手方向で前記第1〜第4の注入孔44〜47に対応する位置に配置されるようにして一対の前記側壁36,37に突設されるので、前記側壁36,37および前記装飾カバー38間に形成される第2の隙間57に第1の隙間56から接着剤58が流入するようにして、装飾カバー38の両側部のハンドル本体24への接触箇所、すなわち装飾カバー38の第1の位置決め突部59への接触部を、第2の隙間57全体に接着剤58を注入することを不要として接着剤58の使用量を抑えつつ確実に固定することが可能となり、接着剤58の使用量を抑えてコスト低減を図りつつ、前記装飾カバー38の前記ハンドル本体24への接触箇所を確実に固定して異音の発生を抑えることができる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0053】
21・・・アウターパネル
22・・・アウトハンドル
24・・・ハンドル本体
29・・・ハンドルベース
34・・・取付け溝
35・・・底壁
36,37・・・側壁
38・・・装飾カバー
39・・・支持突部
44,45,46,47・・・注入孔
56・・・第1の隙間
57・・・第2の隙間
58・・・接着剤
59・・・位置決め突部
D・・・車両用ドア
図1
図2
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