特許第6683657号(P6683657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケイピーアール ユーエス エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000002
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000003
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000004
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000005
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000006
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000007
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000008
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000009
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000010
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000011
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000012
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000013
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000014
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000015
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000016
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000017
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000018
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000019
  • 特許6683657-ポンプカセット 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683657
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ポンプカセット
(51)【国際特許分類】
   F04C 5/00 20060101AFI20200413BHJP
   F04B 43/12 20060101ALI20200413BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   F04C5/00 341C
   F04C5/00 341D
   F04B43/12 A
   F04B43/12 N
   A61M5/142 504
【請求項の数】15
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-132647(P2017-132647)
(22)【出願日】2017年7月6日
(62)【分割の表示】特願2015-541763(P2015-541763)の分割
【原出願日】2013年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-207067(P2017-207067A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】61/726,283
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517408184
【氏名又は名称】ケイピーアール ユーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エム. ブレイトワイザー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エム. ハー
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル ディー. ウェイズナー
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0057856(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0053085(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0217932(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0083736(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 5/00
A61M 5/142
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子を有するポンプ装置と共に使用されるポンプセットであって、複数のローラが回転軸の周囲で回転可能な前記回転子上に装着され、前記ポンプセットは、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体であって、前記可撓な固定子部材は、前記カセット本体に固着された固定部分(121)と、前記固定部分の反対側の第2の部分(122)と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定され、前記可撓な固定子部材は、固定子開口部において少なくとも部分的に自由に浮動することができる、カセット本体と、
前記カセット本体に固着された変形可能な管であって、前記管の少なくとも一部分は、前記反作用表面に対して配置されており、前記変形可能な管は、1対のアームと、前記1対のアームに接続する湾曲した端部とを含むU字形状構成を有し、前記アームおよび前記湾曲した端部は、前記回転子が弾性的に変形可能な前記管から係脱されるときに内部空間を画定するU字形状を形成し、前記可撓な固定子部材は、前記変形可能な管によって画定される前記内部空間の外側に配置されている、管と
を備える、ポンプセット。
【請求項2】
前記可撓な固定子部材は、前記固定部分においてカンチレバー状であり、前記第2の部分において固定されておらず、前記反作用表面は、たわみ変位を有する、請求項1に記載のポンプセット。
【請求項3】
前記管は、完全に前記カセット内に含まれている、請求項1に記載のポンプセット。
【請求項4】
前記たわみ変位を制限するように構築および配列された停止部材をさらに備える、請求項2に記載のポンプセット。
【請求項5】
前記カセット内の軸に前記変形可能な管を拘束するように構築および配列されたリップをさらに備える、請求項4に記載のポンプセット。
【請求項6】
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致する曲率中心を有する弓状表面を画定する、請求項2に記載のポンプセット。
【請求項7】
前記変形可能な管は、前記カセット本体内に含まれる、請求項6に記載のポンプセット。
【請求項8】
前記可撓な固定子部材は、前記第2の表面上にフランジをさらに備え、前記フランジは、第1の端部と第2の端部との間で前記第2の表面の少なくとも一部分に沿って延在する、請求項6に記載のポンプセット。
【請求項9】
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致しない曲率中心を有する弓状表面を画定する、請求項2に記載のポンプセット。
【請求項10】
前記反作用表面は、曲率中心を有しない、請求項2に記載のポンプセット。
【請求項11】
複数のローラとともに回転子を有するポンプ装置の使用を促進する方法であって、前記方法は、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体を提供することであって、前記可撓な固定子部材は、前記カセット本体に固着された固定部分(121)と、前記固定部分の反対側の第2の部分(122)と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定される、ことと、
管を前記カセット本体に固着することであって、前記管の少なくとも一部分が前記反作用表面に対して配置され、前記可撓な固定子部材は、前記可撓な固定子部材の長さに沿って延在する弓状形状を有し、前記可撓な固定子部材は、前記回転子の前記ローラによる前記管の係合の際に平坦になるように構成されている、ことと
を含む、方法。
【請求項12】
前記可撓な固定子部材は、前記可撓な固定子部材の長さに沿って延在する弓状形状を有し、前記可撓な固定子部材は、前記回転子の前記ローラによる前記変形可能な管の係合の際に平坦になるように構成されている、請求項1に記載のポンプセット。
【請求項13】
前記可撓な固定子部材は、動作中に振動変位を有する、請求項1に記載のポンプセット。
【請求項14】
前記可撓な固定子部材は、前記固定子部材の長さに沿って延在しかつ厚さを有する第1の区分と、前記固定子部材の長さに沿って延在しかつ前記第1の区分の厚さより大きい厚さを有する第2の区分とを有する、請求項1に記載のポンプセット。
【請求項15】
前記第1の区分の底部上に横リブをさらに備え、前記横リブは、構造的剛性を前記可撓な固定子部材に提供し、かつ、型穴からの前記固定子部材の取り外しを容易にする接触表面としての役割を果たす、請求項14に記載のポンプセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、流れ制御装置および供給セットを伴う流れ制御システムに関し、より具体的には、流れ制御装置とともに使用するためのカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
蠕動ポンプを利用することによって流体を送達することが知られている。例えば、蠕動流れ制御システムを利用することによって、患者に薬剤または栄養を投与することを達成することができる。典型的には、そのようなシステムでは、制御された送達速度で流体を患者に送達する、蠕動ポンプ等の流れ制御装置上に装填される可撓なエラストマー管を含むポンプセットによって、流体が患者に送達される。蠕動ポンプは、通常、ギヤボックスを通して少なくとも1つのモータに動作可能に係合される回転子を含む筐体を有する。回転子は、例えば、回転子の回転によって平行移動する1つ以上のローラの衝突、例えば、挟持によって生成される可逆的圧縮によって達成される蠕動作用によって、ポンプセットの可撓な管を通して流体を駆動する。回転可能シャフトに動作可能に接続された1つ以上のモータは、回転子を駆動し、これは、順に、制御された速度で流体を駆動するエラストマー管を徐々に圧縮する。ポンプセットは、ポンプセットを通した流体流連通を可能にするか、または防止するための弁機構を有してもよい。流れ制御システムはまた、流体流を効果的に制御する1つ以上のモータを動作可能に調節するコントローラを有してもよい。
【0003】
蠕動ポンプは、「アリコート」と呼ばれる少量の流体を送達することによって動作する。回転子は、ポンプセットのエラストマー管に係合し、エラストマー管の一部分を締め付け、例えば、流体源よりも患者に近い挟持点の前方へ患者の方へ流体を押動する。典型的には、患者に投与される流体の体積は、それぞれが実質的に同一の体積であるアリコートの数を数え、その数が送達される流体の総所望体積に対応する量に達するときに停止することによって、ポンプにおいて制御される。蠕動ポンプは、衛生的かつ略正確であり、したがって、患者への薬剤および治療流体の投与において非常に有用である。しかしながら、ポンプの精度は、ポンプセットのエラストマー管の寸法安定性に依存し得る。さらに、ポンプセットの管の継続的動作は、そのような変形の影響により、各アリコートの体積を変動させ得る。結果として、患者に送達される体積の精度が損なわれ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本発明の1つ以上の側面は、回転子と、ポンプセットに係合するために回転子上に装着された少なくとも1つのローラとを含むポンプシステムを有するポンプ装置とともに使用するためのカセットを対象とすることができる。カセットはさらに、カセット本体に永久的または解放可能に取付可能であり、ポンプセットの少なくとも一部分を画定する、管を備えることができる。エラストマー管の少なくとも一部分は、回転子の周囲でループ状であり得、カセットがポンプ装置に係合されるときにU字形構成を形成する。カセットは、ポンプセットを受け取り、ポンプセットを通して流体を送達するように少なくとも1つのローラによって係合するために、ポンプ装置上にポンプセットを装着するようにポンプ装置への解放可能な取付のために構成されるカセット本体と、ローラによって係合されるときにポンプセットのエラストマー管を支持するポンプ装置にカセットが取り付けられるときに、回転子の略反対側に位置付けられるカセット本体上の可撓なカンチレバー部材等の可撓な固定子部材であって、ローラがポンプセットエラストマー管に係合するときに、可撓な固定子部材が、ローラから離れる方へ移動するまたはたわむ(これは、管の張力を少なくとも部分的に低減させると考えられる)ように、カセット本体に対して浮動するように適合された可撓な固定子部材とを備えることができる。可撓な固定子部材は、カセット本体と一体的に形成されることができ、場合によっては、可撓な固定子部材は、カセット本体に取り付けられた別個の構成要素であり得る。可撓な固定子部材は、典型的には、弧に沿って延在する長さを有し、可撓な固定子部材は、その全長に沿って延在する第1の厚さと、可撓な固定子部材の全長に沿って延在する、第1の厚さとは異なる第2の厚さとを有する。カセットはさらに、回転子から離れる方への可撓な固定子部材の移動を制限するために、可撓な固定子部材に対向する停止部材を備えることができる。典型的には、停止部材は、可撓な固定子部材の幅より大きい幅を有する。停止部材は、典型的には、カセット本体と一体的に形成される。カセットはさらに、ポンプ装置上にカセットの位置を特定するか、または能動的に位置付けるように、ポンプ装置上の1つ以上の切り込みと係合するために停止部材上に装着される、タブ等の1つ以上の隆起した突起を備えることができる。1つ以上の突起は、カセット本体の底部にあり得る。カセットはさらに、カセットをポンプ装置にしっかりと取り付けて係合させるように、ポンプ装置上のキャッチに係合させるために、概して、カセット本体の上部から延在するタブを備えることができる。カセットはさらに、カセット本体内にエラストマー管を位置付けるためのガイドをその中に備えることができ、各ガイドは、ポンプセットの管の少なくとも一部分を受け取る先細チャネルを形成または画定することができる。本発明の1つ以上のさらなる側面は、ポンプセットと組み合わせたカセットを対象とすることができる。
【0005】
本発明の1つ以上の側面は、ポンプ軸の周囲で回転する回転子と、ポンプセットを通して対象に流体を送達するようにポンプセットに係合するために回転子上に装着される少なくとも1つのローラとを含むポンプシステムを有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットを対象とすることができる。ポンプセットは、栄養液体または医用液体等の液体を移送するための弾性的に変形可能な管と、管を受け取り、管を通して流体を送達するように少なくとも1つのローラと管とを係合させるために、ポンプ装置上にポンプセットを装着するようにポンプ装置への解放可能な取付のために適合されるカセットとを備えることができ、カセットは、ポンプ軸と略垂直であるように配列されたたわみ可能プラテンまたは可撓な固定子表面を備え、たわみ可能プラテンまたは可撓な固定子表面は、それに対して管が回転子によって圧迫される反作用表面の役割を果たすように、上記少なくとも1つのローラと略対向関係にあり、ポンプセットは、ポンプ装置上にポンプセットを装着すると、管が、概して、長手方向に伸張されず、かつ長手方向に張力を受けない、またはごくわずかな量だけ長手方向に伸張されるように、構成される。管は、典型的には、概して、カセット内の平面内に位置する中心流通路を有し、カセットの可撓な固定子表面は、カセット内の中心流通路の平面と平行に配列される。場合によっては、可撓な固定子表面は、略平面的である。さらなる場合において、管は、完全にカセット内に含まれる。
【0006】
本発明の1つ以上の側面は、ポンプセットを通して流体を送達するようにポンプセットともに使用するためのポンプ装置を対象とすることができる。ポンプ装置は、ポンプセットの少なくとも一部分を受け取ることが可能な筐体と、筐体の中に装着され、ポンプセットが筐体によって受け取られるときに、ポンプセットに作用してポンプセットの中で流体流を生成するように構成されるポンプデバイスであって、ポンプデバイスは、回転軸を有する回転子と、ポンプセットを通して流体を移動させるようにポンプセットに係合するために回転子上に装着される、少なくとも1つのローラであって、ローラは、回転子の回転軸と垂直な回転軸を有し得る、ローラとを備える、ポンプデバイスとを備えることができる。ポンプ装置はさらに、回転子上に装着される複数のローラを備えることができ、各ローラは、回転子の回転軸と垂直な回転軸を有する。本発明のいくつかのさらなる側面は、平面的な固定子表面を有する可撓な固定子を備える、カセットを含むポンプセットと組み合わせたポンプ装置に関連し得る。固定子表面は、回転子の回転軸と垂直に延在する平面内に延在することができる。
【0007】
本発明の1つ以上のさらなる側面は、回転軸の周囲で回転可能な回転子上に装着された複数のローラとともに回転子を有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットを対象とすることができ、ポンプセットは、可撓な固定子部材を備えるカセット本体であって、可撓な固定子部材は、カセット本体に固着された固定部分と、固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、反作用表面は、固定部分と第2の部分との間に画定される、カセット本体と、管の少なくとも一部分が反作用表面に対して配置されたカセット本体に固着された管とを備える。固定子部材は、場合によっては、固定部分においてカンチレバー状であり、第2の部分において固定されておらず、これは、反作用表面にたわみ変位を提供することができる。ポンプセットはさらに、固定子部材の並進を所定または標的たわみ変位に限定するように、構築および配列される、例えば、サイズを合わせられて位置付けられる、停止部材を備えることができる。反作用表面の少なくとも一部分は、場合によっては、回転軸と少なくとも部分的に一致する曲率中心を伴う弓状表面を画定する。他の場合において、弓状表面は、回転軸に対してオフセットされる曲率を有する。管は、なおもさらなる場合において、カセット本体内に含まれることができる。固定子部材はさらに、第2の表面上にフランジを備えることができ、フランジは、第1の端部と第2の端部との間で第2の表面の少なくとも一部分に沿って延在する。
【0008】
本発明の1つ以上の側面は、複数のローラとともに回転子を有するポンプ装置の使用を促進する方法に関連し得、本方法は、可撓な固定子部材を備えるカセット本体を提供することであって、可撓な固定子部材は、カセット本体に固着された固定部分と、固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、反作用表面は、固定部分と第2の部分との間に画定される、ことと、管をカセット本体に固着することであって、管の少なくとも一部分が反作用表面に対して配置される、こととを含む。
【0009】
他の目的および特徴が、部分的に明白となり、以降で部分的に指摘される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目A1)
ポンプシステムを有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットであって、前記ポンプシステムは、ポンプ軸の周囲で回転する回転子と、ポンプセットに係合するために前記回転子上に装着された少なくとも1つのローラとを含み、前記ポンプセットは、
液体を移送するための弾性的に変形可能な管と、
前記管を受け取るカセットであって、前記カセットは、前記ポンプセットを通して流体を送達するための前記少なくとも1つのローラによる係合のために、前記ポンプ装置上に前記ポンプセットを装着するように前記ポンプ装置への解放可能な取付のために適合され、前記カセットは、前記ポンプ軸と略垂直であるように配列された固定子表面を有する可撓な固定子を備え、前記固定子表面は、反作用表面の役割を果たすように、前記少なくとも1つのローラと略対向関係にあり、前記反作用表面に対して前記管が前記回転子によって圧迫される、カセットと
を備える、ポンプセット。
(項目A2)
前記管は、概して、前記カセット内の平面にある中心流通路を有し、前記カセットの前記固定子表面は、前記カセット内の前記中心流通路の前記平面と平行に配列されている、項目A1に記載のポンプセット。
(項目A3)
前記固定子表面は、平面的である、項目A2に記載のポンプセット。
(項目A4)
前記管は、完全に前記カセット内に含まれている、項目A1に記載のポンプ装置。
(項目A5)
軸に沿って前記弾性的に変形可能な管を拘束するように構築および配列されたリップをさらに備える、項目A1に記載のポンプ装置。
(項目A6)
前記変形可能な管は、前記カセットに固着される管ホルダに接続されている、項目A1に記載のポンプ装置。
(項目A7)
ポンプセットを通して流体を送達するように前記ポンプセットとともに使用するためのポンプ装置であって、前記ポンプ装置は、
前記ポンプセットの少なくとも一部分を受け取ることが可能な筐体と、
前記筐体に装着されるポンプデバイスであって、前記ポンプデバイスは、前記ポンプセットが前記筐体によって受け取られるときに、前記ポンプセットに作用することにより前記ポンプセットにおいて流体流を生成するように構成され、前記ポンプデバイスは、回転軸を有する回転子と、前記ポンプセットを通して流体を移動させるように前記ポンプセットに係合するために前記回転子上に装着された少なくとも1つのローラとを備え、前記ローラは、前記回転子の前記回転軸と垂直な回転軸を有する、ポンプデバイスと、
前記ハウジングにおける陥凹におけるインサートであって、前記インサートは、前記ポンプセットの入口部分を受け取るために前記インサートの入口側に配置された一対の対向する第1の突起と、前記ポンプセットの出口部分を受け取るために前記インサートの出口側に配置された一対の対向する第2の突起とを備える、インサートと
を備える、ポンプ装置。
(項目A8)
前記回転子上に装着された複数のローラをさらに備え、各ローラは、前記回転子の前記回転軸と垂直な回転軸を有する、項目A7に記載のポンプ装置。
(項目A9)
平面的な固定子表面を有する固定子を備えるカセットを含むポンプセットとの組み合わせにおける項目A7に記載のポンプ装置。
(項目A10)
前記固定子表面は、前記回転子の前記回転軸と垂直に延在する平面に延在する、項目A9に記載のポンプ装置。
(項目A11)
回転子を有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットであって、複数のローラが回転軸の周囲で回転可能な前記回転子上に装着され、前記ポンプセットは、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体であって、前記可撓な固定子部材は、前記カセット本体に固着された固定部分と、前記固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定され、前記可撓な固定子部材は、固定子開口部において少なくとも部分的に自由に浮動することができる、カセット本体と、
前記カセット本体に固着された変形可能な管であって、前記管の少なくとも一部分は、前記反作用表面に対して配置されている、管と
を備える、ポンプセット。
(項目A12)
前記可撓な固定子部材は、前記固定部分においてカンチレバー状であり、前記第2の部分において固定されておらず、前記反作用表面は、たわみ変位を有する、項目A11に記載のポンプセット。
(項目A13)
前記管は、完全に前記カセット内に含まれている、項目A10に記載のポンプセット。(項目A14)
前記たわみ変位を制限するように構築および配列された停止部材をさらに備える、項目A12に記載のポンプセット。
(項目A15)
前記カセット内の軸に前記変形可能な管を拘束するように構築および配列されたリップをさらに備える、項目A14に記載のポンプセット。
(項目A16)
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致する曲率中心を有する弓状表面を画定する、項目A12に記載のポンプセット。
(項目A17)
前記変形可能な管は、前記カセット本体内に含まれる、項目A16に記載のポンプセット。
(項目A18)
前記可撓な固定子部材はさらに、前記第2の表面上にフランジを備え、前記フランジは、第1の端部と第2の端部との間で前記第2の表面の少なくとも一部分に沿って延在する、項目A16に記載のポンプセット。
(項目A19)
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致しない曲率中心を有する弓状表面を画定する、項目A12に記載のポンプセット。
(項目A20)
前記反作用表面は、曲率中心を有しない、項目A12に記載のポンプセット。
(項目A21)
前記変形可能な管は、内部空間を画定するU字形状構成を有し、前記可撓な固定子は、前記変形可能な管の前記内部空間の外側に配置されている、項目A11に記載のポンプセット。
(項目A22)
複数のローラとともに回転子を有するポンプ装置の使用を促進する方法であって、前記方法は、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体を提供することであって、前記可撓な固定子部材は、カセット本体に固着された固定部分と、前記固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定され、前記可撓な固定子部材は、固定子開口部において少なくとも部分的に自由に浮動することができる、ことと、
管を前記カセット本体に固着することであって、前記管の少なくとも一部分が前記反作用表面に対して配置される、ことと
を含む、方法。
(項目A23)
前記可撓な固定子部材は、前記可撓な固定子部材の長さに沿って延在する弓状形状を有し、前記可撓な固定子部材は、前記回転子の前記ローラによる前記変形可能な管の係合に応じて平坦になるように構成されている、項目A11に記載のポンプセット。
(項目A24)
前記可撓な固定子部材は、動作中に振動変位を有する、項目A11に記載のポンプセット。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の1つ以上の実施形態による、ポンプ装置、ならびに供給セットおよびカセットの断片的な部分を伴う、供給システムの斜視図である。
図2図2は、カセットが除去された、図1の供給セットの断片的な部分のシステムの斜視図である。
図3図3は、供給セットを伴わない、図1の斜視図である。
図4図4は、カセットの正面斜視図である。
図5図5は、カセットの背面斜視図である。
図6図6は、カセットの背面図である。
図7図7は、管およびフィッティングがカセットから除去された、図6のカセットの背面図である。
図8図8は、カセットの固定子部材を示す、図7のカセットの拡大部分図である。
図9図9は、図8の線9−9を通して得られた固定子部材の断面図である。
図10図10は、フィッティングの斜視図である。
図11図11は、フィッティングの分解図である。
図12図12は、フィッティングの断面図である。
図13図13は、ポンプ装置のインサートの斜視図である。
図14図14は、本発明の1つ以上のさらなる実施形態による、ポンプおよびセットならびにカセットを伴うポンプシステムの斜視図である。
図15図15は、図14の供給システムで利用可能である、ポンプのポンプデバイスのローラを伴う回転子の立面図である。
図16図16は、カセットおよびセットが除去された、図15のポンプの斜視図である。
図17図17は、図14のポンプシステムで利用可能なカセットの背面図である。
図18図18は、管がカセットから除去された、図17のカセットの背面図である。
図19図19は、ローラ(想像線)によって係合された図15の管および回転子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応する参照記号は、図面の全体を通して対応する部分を示す。
【0012】
(詳細な説明)
本発明の1つ以上の側面は、回転蠕動ポンプ等の蠕動ポンプに関連し、具体的には、可撓な固定子を利用する回転蠕動ポンプに関連する。いずれか1つ以上の有利な特徴またはそのような特徴のうちのいずれか1つ以上を提供または促進する構造が、種々の商業および工業用途で採用される蠕動ポンプに実装されてもよい。したがって、詳細な議論は、カセットを伴う経腸供給ポンプを対象とするが、本発明のいずれか1つ以上の特徴は、カセットアセンブリを伴う、または伴わない、他の蠕動ポンプで具現化または実装されてもよい。例えば、例示的に議論されるポンプは、回転蠕動経腸供給ポンプであるが、本発明は、薬剤注入ポンプを含む、他の種類の蠕動ポンプ(図示せず)に応用される。以降で記載されるものを除いて、経腸供給ポンプの一般的な構造および動作は、同一人に譲渡された米国特許第7,608,059号(名称「FLOW CONTROL APPARATUS」、2004年5月24日出願)、第7,092,797号(名称「FLOW MONITORING SYSTEM FOR A FLOW CONTROL APPARATUS」、2004年5月25日出願)、および第7,534,099号(名称「ALIQUOT CORRECTION FOR FEEDING SET DEGRADATION」、2005年9月30日出願)で開示されるものと略同一であり得、そのそれぞれは、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明の種々の特徴および側面のうちの1つ以上は、線形蠕動ポンプ等の本発明の側面から逸脱することなくローラ以外の機構を使用する蠕動ポンプに実装されてもよい。また、例示的な供給セット7が示されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類のポンプセット(図示せず)を使用することができる。
【0013】
ここで図面、具体的には、図1−3を参照すると、本発明の原理のうちのいずれか1つ以上に従って構築された例示的な経腸供給ポンプ(広義に「ポンプ装置」)が、概して1で示されている。供給ポンプは、概して5で示されるカセットを装着するよう構築される、概して3で示される筐体と、供給セット(広義に「ポンプセット」)と、カセットの中に取り外し可能に受け取られる、概して7で示される断片的な部分とを備えてもよい。カセット5は、筐体3に解放可能に取付可能である。図示した実施形態では、カセット5は、筐体3におけるカセット陥凹6の中に取り外し可能に受け取られる(図3)。本明細書で使用されるような「筐体」は、限定ではないが、複数部品構造、およびポンプ1の作動構成要素を封入または収納しない構造を含む、多くの形態の支持構造(図示せず)を含み得ることが理解される。ポンプ1はまた、ポンプの状態および動作についての情報を表示することが可能である1つ以上の表示画面9を筐体3上に有してもよい。また、本発明の種々の側面および特徴は、陥凹6を伴わずに実装され得る。表示画面9に近接し得る1つ以上のボタン11が、ポンプ1を制御し、ポンプ1から情報を取得する際に使用するために提供されることができ、1つ以上の発光ダイオード13が、ポンプの状態情報を提供することができる。ユーザまたはオペレータによる視認を容易にするために、表示画面9がわずかに上向きに傾斜するように、脚(図示せず)が、筐体を支持するように筐体3の底部に配置されてもよい。
【0014】
表示画面9は、筐体3の前面パネル(概して19で示される)の一部であってもよく、筐体に取り外し可能に取り付けられてもよい。経腸供給ポンプはさらに、回転子シャフト(図示せず)に接続されるポンプモータ(図示せず)を備える、概して23で示されるポンプユニットを含んでもよい。バッテリ(図示せず)が、ポンプモータに電力供給するために筐体3の中に受け取られてもよい。回転子シャフトを通してポンプユニットを駆動する1つ以上の原動機を含むポンプをアクティブ化するために、バッテリ以外の、またはバッテリに加えた電源を使用することができる。
【0015】
ポンプユニット23は、回転子シャフトに結合され得る回転子(概して37で示される)を有することができる。回転子37は、内側ディスク39と、外側ディスク41と、4つのローラ43(そのうちの1つだけが示されている)とを含んでもよく、ローら43は、それらの長手方向軸の周囲でディスクに対して回転するように内側ディスクおよび外側ディスクの間に装着される(図2および図3)。ローラ43は、供給セットがカセット5の中に受け取られ、カセットが筐体3に取り付けられるときに、供給セットを通して流体を対象に送達するように、供給セット7の管45(図2)に係合する。
【0016】
図4−7を参照すると、カセット5は、正面53、背面55、上部57、および底部59を有するカセット本体51を備えてもよい。側壁61および上壁63は、カセット本体51の背面55から延在し、フィッティング65を受け取るために構成される背面空洞を形成してもよい。管45は、フィッティング65に解放可能に取り付けられてもよい。フィッティング65は、フィッティング65がカセットの中に固着されるか、または嵌め込まれることを可能にするタブを有してもよい。場合によっては、フィッティングは、カセットに取り外し可能に固着されることができる。
【0017】
フィッティングは、管ホルダであってもよく、基部67と、入口ポート69と、出口ポート71(図10−12)とを備えることができる。入口ポート69は、管45の入口端に挿入するための第1の取付部分73と、入口管77(図2)を受け取るための第2の取付部分75とを含むことができる。出口ポート71は、管45の出口端への挿入等による係合または取付のための第1の取付部分79と、出口管83を受け取ること等による取付のための第2の取付部分81とを含んでもよい。第2の取付部分81は、基部67上のレセプタクル82において取り外し可能であり得る。代替として、第2の取付部分81は、入口ポート69の第2の取付部分75の構造のように、基部67に固定されることができる。
【0018】
管45、入口管77、および出口管83は、ポンプセット7を備えてもよい。また、カセット5がポンプセットの一部であると見なされ得ることも想定される。好ましい実施形態では、カセット5は、ポリカーボネート等のポリマー材料から作製される。
【0019】
例証的に図示されるように、タブ84は、基部67の側面から延在することができ、カセット5の側壁61および正面53内のそれぞれの開口部86の中に受け取られて、フィッティング65をカセットに解放可能に取り付けるように構成されることができる。側壁61における一対のガイドランプ91は、開口部86に向かってじょうご状になってもよい。フィッティング65上のタブ84は、ランプ91に沿って動き得、フィッティングをカセット本体51に保持するように開口部86の中に受け取られ得る。代替として、フィッティング65は、カセット本体51と一体的に形成されてもよく、または省略されてもよい。
【0020】
図5および図7を参照すると、切り欠き85が、フィッティング65の入口ポート69および出口ポート71の第2の取付部分75、81を受け取るためにカセット本体51の上壁63に形成されてもよい。位置決め壁87が、カセット本体51の上部付近で垂直に延在してもよい。T字形ガイド壁88が、カセット本体51の側壁61から延在してもよい。弓形壁89が、概して、カセット本体51の中心で、側壁61の間に配置されてもよい。フィッティング65の基部67は、対の上側方位置決め壁87Aおよび下側方位置決め壁87B上に静置し、中心位置決め壁87Cは、基部67における陥凹90の中に受け取られる。中心位置決め壁87Cと陥凹90との間の係合は、カセット5の中でフィッティング65の任意の側方移動を防止し、または少なくとも妨げる。弓形壁89の水平部分は、カセット5の中で下向きのフィッティング65の移動を制限する。フィッティング65の第1の取付部分73、79は、T字形ガイド壁88と弓形壁89の脚との間に受け取られ、T字形ガイド壁88と弓形壁89の脚とは、管45のそれぞれの端部、例えば、入口端および出口端のためのガイドチャネルを形成する。ガイドチャネルは、他の方法で形成され得る、または完全に省略され得る。
【0021】
カセット5が筐体3に取り付けられるときに、ポンプ1の回転子37の少なくとも一部分を受け取るための回転子陥凹97を画定するように、弓状壁95が、概して、カセット本体51の中央に配置されてもよい。回転子陥凹97は、カセット本体51の正面53上に出っ張り99を形成してもよい(図4)。入口外側湾曲ガイド壁および出口外側湾曲ガイド壁101は、弓状壁95の対向側面と略平行に延在してもよい。入口内側湾曲ガイド壁および出口内側湾曲ガイド壁103は、それぞれ、入口外側湾曲ガイド壁および出口外側湾曲ガイド壁101と略平行な弓状壁95から上向きに延在し、対応する管45の入口部分および出口部分を受け取るための入口開口部および出口開口部を形成してもよい。ガイド壁101、103および弓状壁95は、カセット5が筐体3に取り付けられるときに、回転子37に対して管を適正に位置付けるように、ループ状構成で管45の下部分を受け取るための管チャネルを形成してもよい。弓状壁95および湾曲ガイド壁101、103は、回転子陥凹97の側面の周囲で、密着関係で管を受け取り得る。リップ100は、管チャネルの中に管45を保持するように、およびカセットの中に管45を保持し、第3の軸に従って管を拘束するように、管チャネルの上に延在してもよい。外側湾曲ガイド壁101は、管45が、回転子陥凹97の底部でガイド壁101、103または弓状壁95によって直接妨害されないように、概して、回転子陥凹97の底側で終端してもよい。
【0022】
インサート105が、カセット陥凹6の中にカセット5および管45を固着することに役立つように、筐体3におけるカセット陥凹6の中に受け取られてもよい(図3および13)。カセット6が筐体3に取り付けられるときに、インサート105が、T字形ガイド壁88、弓形壁89、および湾曲ガイド壁101、103の間のカセット5の背面空洞の中に受け取られるように、インサート105は、陥凹6の中に位置付けられてもよい。インサート105は、管45の入口部分を受け取るためにインサートの入口側に配置された一対の対向する第1の突起107と、管の出口部分を受け取るためにインサートの出口側に配置された一対の対向する第2の突起109とを備えてもよい。カセット本体51の背面55上のリブ111(図7)は、第1の突起107および第2の突起109の間で管45の入口部分および出口部分に係合して、入口部分および出口部分を握持し、その部分を突起間に挿入することに役立つように位置付けられてもよい。管45の中の流体流の方向を示す、印112が、第2の突起109のうちの少なくとも1つの上に配置されてもよい。図示した実施形態では、印112は、矢印の形態である。
【0023】
図5−9を参照すると、固定子部材113は、概して、回転子陥凹97の底部にあるか、またはそれに近接する、固定子開口部115等の空洞においてカセット本体51の底部分に配置されてもよい。したがって、カセット5が筐体3に取り付けられるとき、固定子部材113は、典型的には、概して回転子37の底部に対向して位置付けられる。有利な構成では、固定子部材113は、以下で説明されるように、ローラ43が管に係合するときに、供給セット7の管45を支持してもよい。場合によっては、固定子部材113は、固定子部材の長さLに沿って延在する弓形形状を有してもよい。例示的に図示した実施形態では、固定子部材113は、第1の端部121のみにおいてカセット本体51に固定され、カセット本体51に対して固定子開口部115において少なくとも部分的に自由に浮動することができるカンチレバー状部材であってもよい。示されるように、可撓な固定子部材113は、第1の端部121においてカセット5の残りの部分へのその接続部またはアンカ120の周囲で旋回してもよく、平坦になってもよい。例えば、固定子部材は、カセット本体に添着される第1の端部121と、固定されていない第2の端部122とを有することができ、第2の端部122は、固定子部材の表面を有する反作用区画がたわみ変位を有することを可能にするように、浮動するか、または変位させられることができる。例えば、少なくとも1つのローラが、回転子の回転軸の周囲で周回しながら管に沿って横断すると、可撓な固定子部材113は、回転軸の周囲での1つ以上のローラ43の周回中に、1つ以上のローラ43によって加えられた力に反応して、たわみ変位まで変位またはたわませられてもよい。たわみ変位は、固定子の第2の端部の並進の最大量として定義されることができる。本発明の変形例は、回転軸の周囲でのローラの略周回半径にある弓状曲率半径を有する可撓な固定子部材113を伴ってもよく、回転軸上で一致する曲率中心を有してもよい。場合によっては、可撓な固定子部材は、可変曲率半径を有する弓状反作用表面を伴う、カセット本体に固着された1つの端部を有するカンチレバーである。例えば、弓状反作用表面の曲率の程度は、固着端から自由端まで増加することができるが、他の場合において、弓状反作用表面の曲率の程度は、固着端から自由端まで減少することができる。したがって、可撓な固定子部材は、曲率中心がない弓状のカンチレバー状部材であり得る。さらに、可撓な固定子部材は、回転軸と一致しない曲率中心を伴う弓状のカンチレバー状部材であり得る。
【0024】
可撓な固定子部材113は、反作用区画の弓状表面の反対側の第2の表面上にフランジを有することができる。例えば、可撓な固定子部材113の幅W(図9)は、長さLを横切って延在し、固定子部材の厚さTは、固定子部材の幅に沿って変動し得る。したがって、可撓な固定子部材113は、厚さTを有する、固定子部材の長さLに沿って延在する第1の区分と、第1の区分の厚さTより大きい厚さTを有する、固定子部材の長さに沿って延在する第2の区分とを有する。固定子部材の第3の区分は、第1の区分の厚さTに等しい厚さTを有する。第2の区分の増加した厚さTは、ローラ43による係合による、繰り返しの変形からの塑性変形に抵抗するように、構造的剛性を可撓な固定子部材113に提供する。増加した厚さTは、可撓な固定子部材113の縦リブと見なされてもよい。第1の区分の底部上の横リブ116は、構造的剛性を可撓な固定子部材113に提供することができ、かつ型穴からのカンチレバー状部材の除去(例えば、エゼクションによる)を容易にする接触表面としての役割を果たすことができる。図示した実施形態では、可撓な固定子部材113の第1、第2、および第3の区分は、一体的に形成される。固定子部材は、好適な様式でともに取り付けられた3つの別個の区分から形成されることができる。図示した実施形態では、可撓な固定子部材113は、1つの部品としてカセット本体51と一体的に形成されてもよい。しかしながら、可撓な固定子部材113は、カセット本体51とは別々に形成されて、好適な手段によってカセット本体に取り付けられ得る。例えば、可撓な固定子は、カセット本体内の係合空洞の中へ係合させられる細長い拡張部分を有することができ、係合空洞は、拡張部分を受け取るように、対応してサイズを合わせられて成形される。このようにして、管の特性のうちのいずれかを考慮して、または考慮することなく、カセット動作パラメータを調節し、ポンプ動作中に特定の流動性能属性を提供するように、係数、色、曲率半径等の異なる機械的特性の複数の候補から、固定子部材を選択することができる。
【0025】
停止部材または停止部117が、可撓な固定子部材113の浮動移動を最大変位に限定するように、固定子開口部115の底部に配置されてもよい。停止部117は、固定子部材の塑性変形をもたらす固定子部材の屈曲を防止するように、可撓な固定子部材113の下面に対して離間されてもよい。例えば、停止部材は、固定されていない端部122のたわみ変位距離の大きさを最大変位に限定するように位置付けられてもよい。図示した実施形態では、停止部117は、カセット本体51の一部として形成される。しかしながら、停止部117は、カセット本体51とは別々に形成されて、好適な様式でカセット本体に取り付けられ得る。他の場合において、停止部117は、筐体3上に形成され得、可撓な固定子部材113の変位を最大変位に限定するように構成され得る。停止部が固定子部材の移動を制限するために十分な表面積を提供するように、停止部117は、可撓な固定子部材113の幅Wより大きい幅Wを有してもよい。停止部117は、可撓な固定子部材113を保護する働きをすることができ、典型的には、部材113の邪魔をするか、またはそれを捕捉することを防止するか、またはその可能性を低減させるようにサイズを合わせられる。
【0026】
カセット5をポンプ筐体3に取り付ける前に、入口管77および出口管83は、それぞれ、カセットの入口ポート69および出口ポート71に取り付けられてもよい。カセット5をポンプ筐体3に取り付けるために、カセット本体51の底部59にある1つ以上のピンまたは隆起した突起119が、筐体3における陥凹6の底部のスロット124に挿入されてもよい。隆起した突起119とスロット124との間の係合は、概して、筐体3上にカセット5を位置付ける。次いで、カセット本体の上部57にあるタブ125上のレッジ123が、陥凹6の上部にあるキャッチ127によって捕捉されるまで、カセット本体51を上方に回転させることができる。図示した実施形態では、隆起した突起119およびレッジ123は、カセット本体51と一体的に形成される。しかしながら、隆起した突起119およびレッジ123は、カセット本体51とは別々に形成されて、好適な様式でカセット本体に取り付けられ得る。ポンプ筐体3からカセット5を取り外すために、キャッチ127からレッジ123を係脱するようにタブ125を押下することができる。
【0027】
一般に、アリコート中の流体の体積は、管のサイズ(すなわち、内径)、およびローラの間の管の締め付けられた区分または分離された区分の長さに基づく計算によって決定され得る。従来のポンプでは、隣接するローラが、ローラの間の管の一部分を挟持して伸張させる。例えば、ローラの入口側の管の一部分は、張力を受けてもよく、ローラの出口側の管の一部分は、圧縮を受けてもよい。この伸張および圧縮は、管の寸法を変化させ、これは、各アリコートで生成される流体の量を変更する。したがって、アリコート中の流体の計算された量は、アリコート中の流体の実際の量とは異なる。
【0028】
ポンプ1は、計算された流体流と一致する実際の流体流を生成することができる。カセット5がポンプ筐体3に取り付けられると、供給セット7の管45は、ポンプ1のローラ43による係合のために位置付けられる。ローラ43は、可撓な固定子部材113によって支持される管の部分において管45に係合する。ローラ43による管45の係合は、可撓な固定子部材113をローラから離れる方向へ屈曲または移動させる。エラストマー管を著しく伸張させることによってアリコートを達成する、従来の蠕動ポンプとは対照的に、本発明は、ローラを用いて管を圧縮する際に、可撓な固定子部材を利用することによって、アリコートの生成を有利に促進し、これは、より厚い壁の寸法を伴う管の使用に適応することができ、これは、順に、管の弾性を向上させ、より厚い管壁と関連付けられるより大きい劣化抵抗による、結果として生じる管の寿命を伴って、加えられるより大きな力に適応することができると考えられる。具体的には、移動は、管45が、少なくとも部分的に真っ直ぐになって、より直線的な構成になることを可能にし、ローラ43が半直線的に管を閉塞することを可能にする。したがって、従来のポンプにおけるローラの場合のように、管45を引っ張って伸張させることの代わりに、ローラ43は、管に沿って摺動し、低減張力状態で管を閉塞する。結果として、ローラ43は、管45の実際の線形寸法と一致するアリコートを生成する。したがって、ポンプ1の計算されたアリコート体積は、ポンプによって生成される実際のアリコート体積により密接に合致し、より正確な供給をもたらす。
【0029】
可撓な固定子部材113に押しつけて管腔45を締め付けるローラ43によって引き起こされる管45の閉塞は、閉塞点で管上に公称量の局所張力および圧縮をもたらすことが理解される。しかしながら、閉塞によって生成される公称張力および圧縮は、管の中の体積を有意義に変化させず、そこからポンプ1は、対象に送達されている流体またはアリコートの量を計算する。
【0030】
可撓な固定子部材113がプラスチックから形成され得、ローラ43による係合に応答して自由に屈曲し得るため、固定子部材は、塑性変形を受け得る。「自由流」条件のいかなる可能性も低減させるために、固定子部材が、「自由流」条件が生成されるように塑性的に変形させられることができないように、停止部117は、固定子部材が屈曲できる距離を制限するように可撓な固定子部材113の下方に位置付けられる。したがって、停止部117は、可撓な固定子部材113が回転子ローラと反作用表面との間の公差を補償する距離であるが、ローラが供給セット7を通して送出される流体のアリコートを形成するように管を閉塞することができないほど十分に移動することを確実にすることができる。停止部はさらに、固定子部材が望ましくないほど捕捉または妨害されることを防止することができる。
【0031】
ポンプ1はまた、固定子部材、管45、またはカセット5の位置を検出するための検出システムを提供されてもよい。検出特徴は、可撓な固定子部材113が回転子に対して適正に位置付けられ、カセット5がポンプ筐体3上に装填されている間に「自由流」を防止することを確実にするために、使用されることができる。したがって、検出特徴は、ポンプ作用が開始される前に、管45がローラ43および可撓な固定子部材113によって適正に閉塞されていることを確実にするように、フェイルセーフとして機能してもよい。好ましい検出方法は、ポンプ上の検出器による検出のために、カセット5上の反射表面(図示せず)に対して光を照射するポンプ1上の可視光エミッタおよび赤外光エミッタを使用してもよい。これは、IRセンサまたは可視光センサのみを使用する他の検出方法で起こり得る、誤検出を防止するために使用されることができる。可撓な固定子部材113上のキー状構成(図示せず)もまた、エミッタ/検出器からの読取を検証するためバックアップとして、可視光および赤外線エミッタ/検出器に加えて、使用されることができる。ガイド壁91、101、103はまた、管がカセット5の中に適正に受け取られていることを確実にするように、検出のためにエミッタ/検出器の間の定位置に管45を位置付けてもよい。さらなる実施形態によると、可撓な固定子部材の中に配置された磁性材料の磁場を検出することによって、ポンプの中のカセットの係合を肯定確認することを達成することができる。場合によっては、ポンプは、管が回転する回転子のローラによって周期的に挟持されるときに、可撓な固定子部材内の磁性材料を振動させることによって生成される磁場によって生成される電流と関連付けられるホール効果現象を測定するセンサに結合されるインターロック回路を有することができる。例えば、磁性材料は、可撓な固定子部材の端部122に、またはそれに近接して配置されることができる。動作中、ローラが、回転軸の周囲での周回中に、管の上を横断し、反作用表面に対して管を挟持して、振動変位を発現すると、可撓な固定子部材は、典型的には、振動変位を有する。振動端部122における磁性材料は、典型的には、筐体3上に配置される、ホール効果センサにおいて電流の変化を誘導生成する可変磁場を生成する。ホール効果センサからの期待電流からの任意の逸脱は、ポンプまたはその構成要素の故障の指示であり得る。したがって、振動磁場を監視することは、ポンプを終了させるために使用されることができ、アラームをトリガすることができる。
【0032】
図14−19を参照すると、蠕動ポンプの第2の実施形態が、概して、201で示されている。第2の実施形態のポンプは、第1の実施形態のポンプ1に類似する。したがって、ポンプ1の部品に概して対応するポンプ201の部品は、「200」を加えた同一の番号を与えられる。ポンプ201は、概して205で示されるカセットを装着するよう構築された、概して203で示される筐体と、供給セット(広義に「ポンプセット」)と、カセットの中に取り外し可能に受け取られる、概して207で示される断片的な部分とを備えてもよい。カセット205は、筐体203に解放可能に取付可能である。図示した実施形態では、カセット205は、筐体203におけるカセット陥凹206の中に取り外し可能に受け取られる。
【0033】
ポンプ201はさらに、回転子シャフト(図示せず)に接続されるポンプモータ(図示せず)を備える、概して223で示されるポンプユニットを含んでもよい。回転子(概して237で示される)は、ポンプユニット223の回転子シャフト上に装着されてもよい。回転子237は、ディスク239と、ローラ243とを含んでもよく、ローら243は、それらの長手方向軸の周囲でディスクに対して回転するためにディスク上に装着される。図示した実施形態では、4つのローラ243が示されている。異なる数のローラ243がディスク239上に装着され得ることが理解される。モータは、回転子軸Aの周囲で回転子237を回転させる。各ローラが、回転子軸Aと略垂直に延在するローラ軸ARLの周囲で、ピンの上で回転するように、ローラ243は、ピン244によって回転子237の面上に装着されてもよい。これは、ローラが回転子軸と平行である軸の周囲で回転するようにローラが回転子上に装着される従来のポンプとは対照的である。以下でさらに詳細に説明されるように、この構成は、供給セットをポンプ上に装填すると、供給セットがローラ243による張力を受けないように、供給セット207が非伸張構成で筐体203の中に装着されることを可能にする。ローラ243は、供給セットがカセット205の中に受け取られ、カセットがポンプ筐体203に取り付けられるときに、供給セット207の管245に係合し、供給セットを通して対象に流体を送達するように構成される。
【0034】
カセット205は、正面253、背面255、上部257、および底部259を有するカセット本体251を備えてもよい。側壁261および上壁263は、カセット本体251の背面255から延在し、フィッティング265を受け取るために構成される背面空洞を形成してもよい。カセット205の背面255は、固定子表面256を画定してもよい。固定子表面は、カセット205が筐体203に取り付けられるときに、回転子ディスク239と略平行かつ回転子軸Aと略垂直に延在してもよい。好ましい実施形態では、固定子表面256は、平面的であり、管245を閉塞するための平面を提供する。
【0035】
カセット205の背面空洞の底部は、回転子陥凹297を画定する。入口外側湾曲ガイド壁および出口外側湾曲ガイド壁301、ならびにそれぞれの入口内側湾曲ガイド壁および出口内側湾曲ガイド壁303は、相互に略平行に延在し、管245の対応する入口部分および出口部分を受け取るための入口開口部および出口開口部を形成してもよい。底部湾曲ガイド壁304が、回転子陥凹297の底部に配置されてもよい。軸Aの周囲のローラ243の対応する軌道経路上で管の整合を促進するために、付加的なガイド壁が利用されてもよい。ガイド壁301、303、304は、カセット205が筐体203に取り付けられるときに、回転子237に対して管を適正に位置付けるように、ループ状構成で管245の下部分を受け取るための管チャネルを形成してもよい。湾曲ガイド壁301、303、304は、回転子陥凹297の側面の周囲で近接した関係で管を受け取る。
【0036】
したがって、供給セット207は、供給セットを通る実際の流体流が供給セットの寿命にわたって計算された流体流とより一致するように、非伸張構成でポンプ201上に装着されることができる。いったんカセット205がポンプ筐体203に取り付けられると、供給セット207の管245は、ポンプ201のローラ243による係合のために位置付けられる(図19)。ローラ243は、回転子237上で回転し、ローラと固定子表面256との間で管を圧縮することによって、管245を閉塞する。ローラが管245を適正に閉塞し得るように、ガイド壁301、303、304は、ローラ243の経路に干渉しないように位置付けられる。管245が従来の設計のようにローラ243の周囲で伸張させられないため、管は、弛緩した非伸張状態で位置付けられる。したがって、各アリコート中の流体の体積は、管のサイズに基づく流体の計算された体積と一致する。したがって、ポンプ201は、従来のポンプより正確な供給を生成することが可能である。
【0037】
本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変形例が可能であることが明白となるであろう。例えば、カセット205は、ガイド壁303に近接する添着縁部分と、ガイド壁304に近接し、かつローラの軌道経路に沿って、またはその周囲に近接する、添着部分の反対側の非固定縁部分とを有することによって、固定子部材としてカンチレバー状固定子表面を有することができる。非固定縁部分は、固定縁部分と回転子との間の間隔より小さい、ローラまたは回転子からの分離距離で配置されることができる。したがって、例えば、カンチレバー状表面は、回転子によって画定される平面またはローラの軌道経路に対して、斜めに位置付けられ得、または傾斜させられ得る。他の修正では、蠕動ポンプは、ローラによる可撓な管の変形中に支持を可撓な管に提供するように配置された一体的に形成されたカンチレバー状反作用部材を有することができる。
【0038】
本発明またはその好ましい実施形態(単数または複数)の要素を紹介するときに、「1つの(a、an)」、「前記(the)」、および「該(said)」という冠詞は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを目的としている。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包括的であることを目的としており、記載された要素以外の付加的な要素があり得ることを意味する。
【0039】
上記を考慮すると、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が獲得されることが分かるであろう。
【0040】
本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更を上記の構造に行うことができるため、上記の説明に含まれ、添付図面に示される全ての事柄は、限定的な意味ではなく例証的と解釈されるものとすることが意図される。
(項目1)
ポンプシステムを有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットであって、前記ポンプシステムは、ポンプ軸の周囲で回転する回転子と、ポンプセットに係合するために前記回転子上に装着された少なくとも1つのローラとを含み、前記ポンプセットは、
液体を移送するための弾性的に変形可能な管と、
前記管を受け取るカセットであって、前記カセットは、前記ポンプセットを通して流体を送達するための前記少なくとも1つのローラによる係合のために、前記ポンプ装置上に前記ポンプセットを装着するように前記ポンプ装置への解放可能な取付のために適合され、前記カセットは、前記ポンプ軸と略垂直であるように配列された固定子表面を有する可撓な固定子を備え、前記固定子表面は、反作用表面の役割を果たすように、前記少なくとも1つのローラと略対向関係にあり、前記反作用表面に対して前記管が前記回転子によって圧迫される、カセットと
を備える、ポンプセット。
(項目2)
前記管は、概して、前記カセット内の平面にある中心流通路を有し、前記カセットの前記固定子表面は、前記カセット内の前記中心流通路の前記平面と平行に配列されている、項目1に記載のポンプセット。
(項目3)
前記固定子表面は、平面的である、項目2に記載のポンプセット。
(項目4)
前記管は、完全に前記カセット内に含まれている、項目1に記載のポンプ装置。
(項目5)
軸に沿って前記弾性的に変形可能な管を拘束するように構築および配列されたリップをさらに備える、項目1に記載のポンプ装置。
(項目6)
前記変形可能な管は、前記カセットに固着される管ホルダに接続されている、項目1に記載のポンプ装置。
(項目7)
ポンプセットを通して流体を送達するように前記ポンプセットとともに使用するためのポンプ装置であって、前記ポンプ装置は、
前記ポンプセットの少なくとも一部分を受け取ることが可能な筐体と、
前記筐体に装着されるポンプデバイスであって、前記ポンプデバイスは、前記ポンプセットが前記筐体によって受け取られるときに、前記ポンプセットに作用することにより前記ポンプセットにおいて流体流を生成するように構成され、前記ポンプデバイスは、回転軸を有する回転子と、前記ポンプセットを通して流体を移動させるように前記ポンプセットに係合するために前記回転子上に装着された少なくとも1つのローラとを備え、前記ローラは、前記回転子の前記回転軸と垂直な回転軸を有する、ポンプデバイスと
を備える、ポンプ装置。
(項目8)
前記回転子上に装着された複数のローラをさらに備え、各ローラは、前記回転子の前記回転軸と垂直な回転軸を有する、項目7に記載のポンプ装置。
(項目9)
平面的な固定子表面を有する固定子を備えるカセットを含むポンプセットとの組み合わせにおける項目7に記載のポンプ装置。
(項目10)
前記固定子表面は、前記回転子の前記回転軸と垂直に延在する平面に延在する、項目9に記載のポンプ装置。
(項目11)
回転子を有するポンプ装置とともに使用するためのポンプセットであって、複数のローラが回転軸の周囲で回転可能な前記回転子上に装着され、前記ポンプセットは、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体であって、前記可撓な固定子部材は、前記カセット本体に固着された固定部分と、前記固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定されている、カセット本体と、
前記カセット本体に固着された変形可能な管であって、前記管の少なくとも一部分は、前記反作用表面に対して配置されている、管と
を備える、ポンプセット。
(項目12)
前記可撓な固定子部材は、前記固定部分においてカンチレバー状であり、前記第2の部分において固定されておらず、前記反作用表面は、たわみ変位を有する、項目11に記載のポンプセット。
(項目13)
前記管は、完全に前記カセット内に含まれている、項目10に記載のポンプセット。
(項目14)
前記たわみ変位を制限するように構築および配列された停止部材をさらに備える、項目12に記載のポンプセット。
(項目15)
前記カセット内の軸に前記変形可能な管を拘束するように構築および配列されたリップをさらに備える、項目14に記載のポンプセット。
(項目16)
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致する曲率中心を有する弓状表面を画定する、項目12に記載のポンプセット。
(項目17)
前記変形可能な管は、前記カセット本体内に含まれる、項目16に記載のポンプセット。
(項目18)
前記可撓な固定子部材はさらに、前記第2の表面上にフランジを備え、前記フランジは、第1の端部と第2の端部との間で前記第2の表面の少なくとも一部分に沿って延在する、項目16に記載のポンプセット。
(項目19)
前記反作用表面の少なくとも一部分は、前記回転軸と一致しない曲率中心を有する弓状表面を画定する、項目12に記載のポンプセット。
(項目20)
前記反作用表面は、曲率中心を有しない、項目12に記載のポンプセット。
(項目21)
前記変形可能な管の各端部に流体的に接続されたフィッティングをさらに備え、前記フィッティングは、前記カセットに取り外し可能に固着されている、項目11に記載のポンプセット。
(項目22)
複数のローラとともに回転子を有するポンプ装置の使用を促進する方法であって、前記方法は、
可撓な固定子部材を備えるカセット本体を提供することであって、前記可撓な固定子部材は、カセット本体に固着された固定部分と、前記固定部分の反対側の第2の部分と、反作用表面と、前記反作用表面の反対側の第2の表面とを有し、前記反作用表面は、前記固定部分と前記第2の部分との間に画定されている、ことと、
管を前記カセット本体に固着することであって、前記管の少なくとも一部分が前記反作用表面に対して配置される、ことと
を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19